JP3696396B2 - 画像転写記録装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ドナーシートのドナーインクをレーザ露光などによって受像シートに転写して所望の画像を形成する画像転写記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
印刷業界においては、大量印刷用の印刷機で印刷する前に、校正用の印刷装置が用いられることが多い。これは、高速かつ大量印刷可能な印刷機を用いて印刷する前に、費用と時間をかけることなく校正用の印刷を行うものである。
【0003】
校正用の印刷装置においては、できるだけ仕上がりイメージに近い画像を出力することが望まれる。このような装置にはいくつかの方式が存在するが、転写式の画像記録装置が、比較的小規模であるにもかかわらず精緻なイメージを形成するものとして存在する。
【0004】
このような画像転写記録装置においては、受像シートおよびドナーシートが用いられる。受像シートは露光用ドラムに巻き付けられ、さらにその上にドナーシートが重ねられる。さらにレーザ露光することによってドナーシートのドナーインクが受像シート上に転写され、受像シート上に画像が形成される。
【0005】
またカラー画像を形成するためには、上記の動作が複数色のドナーシートに対して繰り返される。そのため、受像シートを露光用ドラムに巻き付けたまま露光済みのドナーシートのみを剥離した後、別色のドナーシートを受像シート上に巻き付けて、レーザ露光を行う。この作業を複数のドナーシートに対して順次繰り返すことによって、受像シート上にカラー画像を形成することができる。
【0006】
その表面に画像が生成された受像シートは、別設のラミネート部に移送される。ラミネート部において、受像シートは、本来の印刷対象である印刷用紙(本紙)に加熱および加圧されて、受像シート上のドナーインクが本紙に転写される。
これによって、本紙上に校正用の印刷イメージが生成される。
【0007】
カラー画像を形成するためには、複数の種類のドナーシートを装置内に備える必要がある。そして、これらの複数のドナーシートを効率よく受像シートの上に供給するために、ロール状に巻回された複数のドナーシートロールを装置内に備えるものがある。たとえば、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のさらにこれら複数のドナーシートロールを回転するラック内に収納して、効率的に露光用ドラムに対して複数のドナーシートを選択的に供給するものが存在する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような回転ラックを有する装置においては、ドナーシートロールだけでなく受像シートロールも回転ラック内に備えられている。受像シートロールは、受像シートがロール状に巻回されたものである。そして、受像シートおよびドナーシートが同一の回転ラックからドラムに対して供給される。
【0009】
ところで、これらの受像シートロールおよびドナーシートロールは消耗品であるので、所定量が消費された後には交換が必要である。これらの交換作業は、装置本体カバーの一部となっている蓋を開けることによって行われる。また、回転ラックを回転させることによって各シートロールを同一位置に移動することができるので、作業者は移動してきた複数の種類のシートロールを同一の作業位置において順次交換することが可能である。したがって、効率よい交換作業が行われ得る。複数のドナーシートロールの交換時期は同時であることが多いので、1つの蓋だけを開けて同一位置に移動してきた複数のドナーシートロールを順次交換することができるメリットは大きい。作業者が複数の蓋を開ける必要がないなど、作業者の手間が省略され得るからである。
【0010】
しかしながら、回転ラック内のシートロールの交換作業は、作業スペースが確保されにくいなどの点で作業性に問題がある。特に、受像シートロールについては、その交換時期がドナーシートロールの交換時期と異なることが多いにもかかわらず、作業性があまりよくない回転ラック内での交換作業が求められていた。
【0011】
そこで、本発明は前記問題点に鑑み、受像シートロールおよびドナーシートロールを有する画像転写記録装置であって、作業性良く、かつ、効率的に両ロールの交換を行うことができる画像転写記録装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の画像転写記録装置は、支持層の上にドナー層を有するドナーシートを、支持層の上に受像層を有する受像シート上に重ね合わせた状態で描画光ビームを前記ドナーシートに照射することにより、前記ドナーシートからのインクを前記受像シートに転写して画像を記録する装置であって、(a)複数のドナーシートロールの一部を繰り出して切断することによってドナーシートを得るとともに、前記ドナーシートロールの径よりも大きい径を有する受像シートロールの一部を繰り出して切断することによって受像シートを得るシート供給手段と、(b)所定の回転軸まわりに回転可能であり、受像層を外側にして前記受像シートをその周囲に巻回するとともに、ドナー層を内側として前記ドナーシートを前記受像シート上に巻回するドラム体と、(c)前記ドラム体上の前記ドナーシートを描画光ビームで走査する光走査手段と、を備え、前記シート供給手段が、(a-1)前記複数のドナーシートロールを、所定の中心軸から等距離の円上に放射状に配置して保持し、かつ前記所定の中心軸まわりに回転可能なロール群収容体と、(a-2)前記ロール群収容体を前記中心軸まわりに回転させ、それによって前記複数のドナーシートロールのうちからその時点で選択されている1のドナーシートロールを所定の取り出し位置に対向させる回転駆動手段と、(a-3)前記ロール群収容体の外部において前記受像シートロールを保持する受像シートロール保持手段と、を有し、前記所定の取り出し位置から繰り出された前記1のドナーシートロールの一部を切断して前記ドナーシートが得られるとともに、前記受像シートロール保持手段で保持された前記受像シートロールの一部を繰り出して切断することにより前記受像シートが得られることを特徴とする。
【0013】
請求項2に記載の画像転写記録装置は、請求項1に記載の画像転写記録装置において、前記シート供給手段は、さらに、(a-4)前記受像層を上にして前記受像シートを前記ドラム体に搬送する受像シート搬送経路と、(a-5)前記受像シート搬送経路とは別に設けられ、前記ドナー層を下にして前記ドナーシートを前記ドラム体に搬送するドナーシート搬送経路と、を有することを特徴とする。
【0014】
請求項3に記載の画像転写記録装置は、請求項1に記載の画像転写記録装置において、受像シートロールに対応する位置に設けられる第1の蓋と、ドナーシートロールに対応する位置に設けられる第2の蓋と、をさらに備え、受像シートロールの交換は第1の蓋を開けて行い、ドナーシートロールの交換は第2の蓋を開けて行うことを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0016】
<A.装置構成>
<A1.全体概要>
図1は、本発明に係る画像転写記録装置1の概略を示す縦断面図である。図1に示すように、画像転写記録装置1は、受像シート供給部100と、ドナーシート供給部200と、記録部300と、排出部400とを備える。また、画像転写記録装置1は、本体カバー10によって表面を覆われ、脚部20によって支えられている。
【0017】
画像転写記録装置1において、受像シート供給部100は、記録部300に対して受像シートを供給する。またドナーシート供給部200は、複数の種類のドナーシートを供給することが可能であり、記録部300に対して複数の種類のドナーシートの中から1種類のドナーシートを選択的に供給することができる。記録部300においては、ドラム310に巻き付けられた受像シートの上に、さらにドナーシートが重ねて巻き付けられる。そして、受像シート上に重ねられたドナーシートに対して、記録したい画像情報に基づいてレーザ露光を行う。レーザ露光により加熱された部分のドナーシートのドナーが昇華あるいは溶融により受像シートに付着して転写されることによって、受像シート上に像が形成される。
さらに、同一の受像シートに対して、異なる複数色(たとえば、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)のドナーシートのドナーが付着することによって、受像シート上にカラー画像を形成することができる。これは、後述するように、受像シートをドラム310に巻き付けたまま、露光済みのドナーシートを別色のドナーシートに順次交換してレーザ露光することによって達成される。
【0018】
この画像が形成された受像シートは、排出部400を経由して排出され、本装置から取り出される。そして、さらに別設の図示しないラミネート部において、印刷対象である紙に加熱加圧される。これによって、任意の印刷用紙上にドナーが転写されて画像が形成される。
【0019】
以上が画像転写記録装置1の概略である。次に、受像シート供給部100、ドナーシート供給部200、記録部300、排出部400のそれぞれについて説明する。
【0020】
<A2.受像シート供給部>
図2は、受像シート供給部100およびドナーシート供給部200の詳細を示す断面図である。ここではまず、受像シート供給部100について説明する。
【0021】
受像シート供給部100は、受像シートロール130を有している。受像シートロール130は、芯132に受像シート140が巻回されたものである。また、受像シート140は、支持層142および受像層144(図21参照)を有しており、受像層144は支持層142の上に積層されている。受像シートロール130においては、受像層144が支持層142に対して外側になるように巻回されている(以下、このように巻かれた受像シートロールを「外巻き」の受像シートロールという)。また受像シートロール130は、芯132の中心軸まわりに回転できるように設置されている。
【0022】
図3は、図2の一部を拡大した図である。図3を参照してさらに説明を進める。受像シート供給部100は、受像シート搬送部150をさらに有している。受像シート搬送部150は、モータ152と、駆動伝達用のチェーン153と、搬送用ローラ154、155と、支持ガイド156と、受像シート切断部160と、受像シートの端点を検出する検出センサ170とを有している。
【0023】
搬送用ローラ154は、一対のローラ154aおよび154bを有しており、搬送用ローラ155は、一対のローラ155aおよび155bを有している。ローラ154aおよび155aは、駆動伝達用のチェーン153によってモータ152と接続されており、モータ152によって駆動される。また、ローラ154bおよび155bは、それぞれ、ローラ154aおよび155aとの間で所定の圧力で受像シート140を挟み込むことができる。そして、ローラ154bおよび155bは、ローラ154aおよび155aの回転とは逆向きに従動回転することによって、受像シート140を搬送する。このような駆動機構によって、受像シート140を記録部300の方へ送り出したり、あるいは逆に戻したりすることができる。
【0024】
このような構造を有する受像シート供給部100によって、受像シート140が記録部300に対して供給される。
【0025】
まず、受像シートロール130の先端部が搬送用ローラ154に挟まれた状態で、モータ152などの前述の駆動機構によって、矢印AR11の向きに受像シート140が引き出される。これによって、受像シートロール130は矢印AR11の向きに回転し、受像シート140が繰り出されていく。受像シート140は、さらに搬送用ローラ155に挟まれ、支持ガイド156に案内されて搬送される。
【0026】
このようにして受像シート搬送部150によって搬送された受像シート140は、受像シート切断部160によって所定の長さに切断される。長さの測定には、検出センサ170が利用される。受像シート140の先端を検出センサ170により検出し、モータの回転数などを考慮することなどによって、長さを測定することができる。受像シート140は、この測定結果に基づいて所定の長さに切断され、記録部300へと供給される。
【0027】
図4は、受像シート切断部160を示す図である。図4に示すように、受像シート切断部160は、カッタ162と、支持部164と、ガイド166および167とを有する。支持部164は、下側支持部164aと上側支持部164bとを有している。搬送用ローラ154に送り出された受像シート140の先端は、ガイド166および支持部164によって案内され、搬送用ローラ155へと搬送される。下側支持部164aは、2つのローラ154aおよび154bの接触部と2つのローラ155aおよび155bの接触部とを結ぶ仮想的な直線よりも、上側に配置されている。受像シート搬送部150において、受像シート140は受像層144(図21参照)を上にして搬送される。支持部164を上記のように配置することによって、受像シート140の上側表面に存在する受像層144が、受像シート140の搬送中に上側支持部164bに接触することがない。したがって、受像層144の表面が搬送移動時の擦れ等によって損傷することを防止できる。
【0028】
上記の駆動により受像シートロール130から繰り出された受像シート140は、上述した受像シート長の測定結果に基づいて、その搬送が停止された後、カッタ162によって所定の長さに切断される。
【0029】
以上のようにして、受像シート供給部100は、受像シートロール130の一部を繰り出して切断することによって、所定の長さの受像シート140を記録部300に対して供給することができる。
【0030】
<A3.ドナーシート供給部>
<回転ラック>
再び図2を参照して、ドナーシート供給部200について説明する。ドナーシート供給部200は回転ラック210を有している。回転ラック210は、後述するように回転軸213を中心に矢印AR1の方向に回転駆動される。また回転ラック210には、複数のドナーシートロール230が収容されており回転軸213まわりに「放射状」に配置されている。
【0031】
ドナーシートロール230は、図32に示されるように、中空の芯232と、それに巻回されるドナーシート240と、芯232の両側から差し込まれるフランジ234とを有している。図5に示されるように、回転ラック210上の3本のバー258がこれらのフランジ234,234を挟み込むことによりドナーシートロール230は回転自在に保持される。
【0032】
フランジ234はベース部235と突起部236とからなっている。ベース部235の径は、芯232まわりにドナーシート240が完全に巻き付けられたときのドナーシート部分の径よりも大である。そのため、3本のバー258は、最外周のドナーシート240には接触せず、フランジ234にのみ接触する。
【0033】
また、各バー258の一部には突起状のストッパ259が設けられドナーシートロール230の軸方向の動きが規制される。
【0034】
また、ドナーシート240は、支持層242およびドナー層244(図21参照)を有しており、ドナー層244および支持層242が積層されている。ドナーシートロール230においては、ドナー層244が支持層242に対して外側になるように巻回されている(以下、このように巻かれたドナーシートロールを「外巻き」のドナーシートロールという)。後述するように、ドナー層244は、ドナーインクを有しており、このドナーインクがレーザ露光により受像シートに転写される。
【0035】
<ドナーシート繰出し機構>
図2においては、このような構造を有する6つのドナーシートロール230が回転ラック210内に収容されている場合が示されている。この6種類のドナーシートとしては、たとえば、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色のドナーシートと2色(たとえば金色、銀色など)の特色のドナーシートとを用いることができる。
【0036】
回転ラック210はさらに、複数のドナーシート繰出し機構250を有する。
ドナーシート繰出し機構250は、複数のドナーシートロール230のそれぞれに対応して設けられる。図においては、6つのドナーシート繰出し機構250が設けられている。
【0037】
図2および図5を参照してドナーシート繰出し機構250を説明する。図5はドナーシート繰出し機構250の一部を示す斜視図である。
【0038】
ドナーシート繰出し機構250は、フィードローラ254と、支持ガイド256と、3本のバー258とを有している。先述のように、3本のバー258は、フランジ234の外周に当接してドナーシートロール230を保持する。
【0039】
また、フィードローラ254は、ローラ254a、254bを有している。ローラ254aは、後述するように、ギア機構253によってモータ252と接続されており、モータ252によって駆動される(図9参照)。ローラ254aは、ローラ254bとの間で所定の圧力でドナーシート240を挟み込むことができる。そして、ローラ254bは、ローラ254aの回転とは逆向きに回転することによって、ドナーシート240を搬送する。ドナーシート240は、ローラ254a、254bによって挟持され、送り出されたりあるいは逆に戻されたりすることが可能である。またドナーシート240の搬送に伴って、ドナーシートロール230が回転する。3本のバー258は、フランジ234に対して相対的に回転しながら、ドナーシートロール230を保持する。
【0040】
図9はドナーシート繰出し機構250の側面図である。図33は位置P12のドナーシート繰出し機構250の上面図である。支持ガイド256は両側端部の一部が2カ所ずつ折り曲げられて固定部分256a,256bが形成されている。支持ガイド256は、該固定部分を側板211の領域211a,211bに当接させた状態でネジ固定することにより側板211に固定される。
【0041】
支持ガイド256の先端部256cは平坦であり、ドナーシートロール230から繰り出されるドナーシート240をフィードローラ254まで案内する。支持ガイド256は、回転ラック210の軸213にまで延びており、ドナーシート繰出し機構250を他のドナーシート繰出し機構250から分離する役割をも果たしている。
【0042】
このような構造を有するドナーシート繰出し機構250によって、ドナーシート240が記録部300に対して供給される。ドナーシート240の先端がフィードローラ254に挟まれた状態において、モータ252などの前述の駆動機構によってフィードローラ254を駆動する。この駆動により、ドナーシート240は、ドナーシートロール230の矢印AR21の向きの回転を伴って、矢印AR2の向きに繰り出されていく。またドナーシート240は、さらに後述のドナーシート搬送部270において、所定長さに切断されて記録部300に対して供給される。
【0043】
なお、回転ラック210内のフィードローラ254は、ドナーシートロール230からの繰り出し部分を、巻回状態でのカール方向とは逆の方向にいったんカールさせてから送出する機能を有する。繰り出しの際にドナーシートロール230の繰り出し部分をいったん逆方向にカールさせてからドナーシート搬送部270に送出するため、ロール230として巻回されていたときの巻き癖をある程度矯正してから送出できることになり、過剰にカールしたままで搬送経路270やドラム310上へ供給されることはない。
【0044】
<回転駆動系>
図6は、回転ラック210自体の回転駆動系の概略を示す側面図である。図6に示すように、回転ラック210は、円形状の側板211と回転軸213とを有する。側板211は回転軸213に固定されている。回転軸213は軸受217(図8参照)に支えられており、回転軸213にはプーリー216が固定されている。プーリー216は、ベルト215および減速機214を介して、回転ラック駆動用モータ212に接続されている。したがって、回転ラック駆動用モータ212を駆動することによって、回転軸213を中心に側板211を回転駆動することができる。またこれらの回転駆動系の下部にはベース201が存在しており、これらの回転駆動系を支えている。
【0045】
図7は、回転ラック210の概略構成を示す側面図である。また図8は、図6のA−A’における断面図を表す。さらに図9は、図7の一部を拡大した図である。
【0046】
図7に示すように、回転ラック210は、6つのドナーシート繰出し機構250を有している。
【0047】
ドナーシート繰出し機構250のそれぞれは、図9にも示すように、モータ252と、ギア機構253と、フィードローラ254と、支持ガイド256とを有している。ローラ254aは、ギア機構253を介してモータ252によって回転駆動される。またローラ254bは所定の圧力でローラ254aに押さえ付けられている。したがって、ローラ254aの回転に伴って254bも回転し、ローラ254aとローラ254bとの間にドナーシート240を挟むことによって、ドナーシート240を送り出したり、戻したりすることができる。
【0048】
また側板211には、各モータ252と、端子台261上の端子262とが固定されている。端子262のそれぞれは、モータ252へ電力を供給する電力供給線、およびモータ252との信号の授受を行うための信号線などによってモータ252の対応する端子に電気的に接続されている。図中においては、ドナーシート繰出し機構250のそれぞれが、6個の端子262を有する場合を示している。6つの端子262は、回転ラック210の側板211上に径方向に配列されて固定されている。
【0049】
複数のドナーシート繰出し機構250のそれぞれは、互いに同一の構造を有し、複数のドナーシート繰出し機構250の互いに対応する部分は、側板211上において中心から等距離の円上に配置されている。したがって、複数のドナーシート繰出し機構250のそれぞれに設けられる6つの端子262は、同心円状に配置される。
【0050】
また図8に示す固定板220は装置本体に固定されており、側板211が回転する場合においても回転しない。端子222は固定台223を介して固定板220に固定されている。なお、固定台223は、絶縁部223aと支持部223bとを有する。固定台223には、後述するように、6つの端子222が固定板220の径方向に配列されて設けられている。
【0051】
回転ラック210が回転軸213を中心にして回転し、複数のドナーシートロール230のうちの1つが、位置P27(図1参照)に存在するように移動される。位置P27に存在するドナーシートロール230に対応するドナーシート繰出し機構250は、後述するように、ドナーシート搬送部270に対して所定の長さのドナーシート240を供給することができる。このように回転ラック210を回転させることによって、ドナーシート搬送部270に対して、所望の種類のドナーシート240を選択的に供給することができる。
【0052】
図10は、図6のB−B’における断面の一部を拡大した図である。図10に示すように、回転しない固定板220には、6つの端子222が固定されている。6つの端子262は、回転ラック210の径方向に配列されている。
【0053】
図10は、所望のドナーシートロール230が位置P27に位置する状態を示している。このドナーシートロール230に対応するドナーシート繰出し機構250のモータ252の6つの端子262のそれぞれが、固定板220に固定された6つの端子222のそれぞれに接触している。このような接触により電気的な接続が達成される。なお、端子222は板バネ状(図8参照)に形成することが好ましい。接触時に適度な押し付け力が働くようにして、接触を確実にするためである。
【0054】
前述したように、このような6つの端子262の組が、さらに側板211において同心円状に配置されている。また、回転ラック210が回転する際の端子262の回転軌跡の一部に対応する位置に、6つの端子222が配置されている。
したがって、回転ラック210が回転することにより、各ドナーシート繰出し機構250のそれぞれに対して上記と同様の接続が達成され得る。このように、端子222の組に接続する端子262の組を切り換えることが可能であり、所望のドナーシート繰出し機構250の端子262の組を端子222の組と電気的に選択的に接続することができる。
【0055】
図11は、電気的な接続関係を示す図である。固定板220側に固定された端子222は、駆動電力供給経路226を介して、モータ駆動回路224に接続される。ここで、モータ駆動回路224は、6つのモータ252に対して1つあれば十分である。なぜなら、上述したように回転ラック210の回転によって、駆動が必要なモータ252を選択的にモータ駆動回路224に対して接続することができるからである。またモータ駆動回路224は、制御部228からの指令に基づいて必要な動作を行う。
【0056】
以上のように、複数のドナーシートロール230を収容する回転ラック210は、所望の種類のドナーシート240をドナーシート搬送部270に対して選択的に供給することができる。また、上記のような選択的接続機構を有することによって、回転ラック210は、接続配線の拘束を受けることがないので、自由に回転することができる。また接続配線の断線等の可能性が著しく低くなり、高い信頼性が得られる。
【0057】
また、上記実施形態においては、複数のフィードローラのそれぞれに対応して設けた複数のモータによって駆動し、その駆動を電気的に切り換える方式を採用している。あるいは複数のフィードローラに対して単一のモータを設置し、その接続関係を順次機械的に切り換える方式も存在する。しかしながら、本実施形態に係る前者の方式は、信頼性等の点で後者の方式よりも優れている。
【0058】
<ドナーシート搬送部>
再び図2および図3を参照する。ドナーシート供給部200は、ドナーシート搬送部270をさらに有している。ドナーシート搬送部270は、モータ272と、駆動伝達用のチェーン273と、搬送用ローラ274、275と、ガイド276と、ドナーシート切断部280と、ドナーシートの端を検出する検出センサ290とを有している。
【0059】
搬送用ローラ274は、一対のローラ274aおよび274bを有しており、搬送用ローラ275は、一対のローラ275aおよび275bを有している。ローラ274aおよび275aは、駆動伝達用のチェーン273によってモータ272と接続されており、モータ272によって駆動される。また、ローラ274bおよび275bは、それぞれ、ローラ274aおよび275aとの間で所定の圧力でドナーシート240を挟み込むことができる。そして、ローラ274bおよび275bは、ローラ274aおよび275aの回転とは逆向きに回転することによって、ドナーシート240を搬送する。このような駆動機構によって、ドナーシート240を記録部300の方へ送り出したり、あるいは逆に戻したりすることができる。
【0060】
また、このようにして搬送されたドナーシート240は、ドナーシート切断部280によって所定の長さに切断される。ドナーシート240の長さの測定には、検出センサ290が利用される。ドナーシート240の端を検出センサ290により検出し、モータの回転数などを考慮することなどによって、長さを測定することができる。ドナーシート240は、この測定結果に基づいて所定の長さに切断され、記録部300へと供給される。
【0061】
図12は、ドナーシート切断部280を示す図である。図12に示すように、ドナーシート切断部280は、カッタ282と、支持部284と、ガイド286および287とを有する。支持部284は、下側支持部284aと上側支持部284bとを有している。フィードローラ254に送り出されたドナーシート240の先端は、ガイド286および支持部284によって案内され、搬送用ローラ274へと搬送される。上側支持部284bは、2つのローラ254aおよび254bの接触部と2つのローラ274aおよび274bの接触部とを結ぶ仮想的な直線よりも、下側に配置されている。ドナーシート搬送部270において、ドナーシート240はドナー層244(図21参照)を下にして搬送される。支持部284を上記のように配置することによって、ドナーシート240の下側表面に存在するドナー層244が、ドナーシート搬送中に下側支持部284aに接触することがない。したがって、ドナー層244の表面が搬送移動時の擦れ等によって損傷することを防止できる。
【0062】
ところで、受像シート140およびドナーシート240の表面の特性に合わせた経路の配置を行うことができるのは、受像シート140およびドナーシート240が記録部300へと搬送される経路が分離されて別に設けられていることに基づく。また、上記では、支持部284について説明したが、その他のガイド286および287などについても同様の配慮を行うことができる。すなわち、各シート表面の特性に応じて、それぞれのシートの搬送経路ごとに、シート表面に接触する可能性のある部品をずらして配置することなどが可能である。また、部品の材質についても、たとえば、ガイド表面にテフロン加工を施して、摩擦および擦過によるシート表面の損傷を防止するような対策を講じることなども可能である。なお、このような対策は、表面の損傷が特に問題になる面と接触する可能性がある側の部品にのみに施すことも可能である。
【0063】
さらに、受像シート140およびドナーシート240の両シートの搬送経路が分離されているので、受像シート140の表面を清潔に保った状態で供給することができる。一方、同一の搬送経路において両シートを搬送する場合を仮定すると、ドナーシート240搬送時にドナーシート240から離脱したドナーインクが、受像シート140搬送時に受像シート140に対して付着しないようにするために、何らかの方策が必要となる。これに比べて、本実施形態においては、ドナーインクによる受像シート140の汚染を簡単かつ確実に防止することができる。
【0064】
ここで、記録部300に対してドナーシート240を供給する際には、後述するように、ドナー層を下側にして供給する必要がある。
【0065】
ドナーシートロールが内巻きである場合を想定すると、ドナー層が内側になるようにカールしているので、ドナーシート搬送部において搬送する際にドナーシートの搬送性が問題となることがある。図13を用いて説明する。図13に示すように、カールの内側に存在するドナー層を下側にしてドナーシート240Bを搬送する際には、ドナーシート240Bの先端部が、下側のガイド276と接触することによって、カールしている先端部分がガイド276と接触することがある。またドナーシート240のドナー層244は、支持層242よりも、摩擦抵抗が大きい場合が殆どである。したがってこの接触によって搬送性が悪くなる。
これは主にカール方向に起因する問題である。最悪の場合、図中において点線で示すように、ドナーシート240Bの搬送に伴ってその先端部がカールの向きと同じ向きにさらに曲がってしまい、正常な搬送が行えなくなることがある。
【0066】
一方、ドナーシートロールが外巻きである場合について、図14を用いて説明する。この場合には、ドナーシート240はドナー層が外側になるようにカールしており、カールしたドナーシート240の先端部がガイド276と接触することがない。したがって、ドナーシート240をスムーズに搬送することができる。このように、ドナーシート240のカールの向きは、図14に示す向きが好ましい。ドナーシートロールを外巻きにすることによって、カールの向きを図14に示す向きにしてドナーシート240を搬送することができる。
【0067】
なお、図13のような問題はドナーシート240Bに固有の問題であり、受像シートについてはその材質の違いからこのような問題は生じにくい。
【0068】
上記の駆動によりドナーシートロール230から繰り出されたドナーシート240は、上述したドナーシート長の測定結果に基づいて、その搬送が停止された後、カッタ282によって所定の長さに切断される。
【0069】
以上のようにして、ドナーシート供給部200は、ドナーシートロール230の一部を繰り出して切断することによって、所定の長さのドナーシート240を記録部300に対して供給することができる。
【0070】
<ドナーシートの交換>
ところで、ドナーシート240が消耗されると、使用済みのドナーシートロール230を取り外して、新しいドナーシート240と交換する必要がある。
【0071】
再び図1を参照する。このドナーシートロール230の交換は、蓋12(図1参照)を開けて行うことができる。この際には、回転ラック210を回転させることにより、交換対象のドナーシートロール230を、蓋12に対応する所定の交換位置P12に移動させておく。
【0072】
また、先述のように、ドナーシート繰出し機構250のそれぞれは、支持ガイド256を有している(図2参照)。したがって、新しいドナーシートロール230を装着する際には、支持ガイド256の先端部によって、ドナーシート240の端部をフィードローラ254へと容易に導くことができるので作業性がよい。
【0073】
また、本装置では、位置P27に存するドナーシートロール230の下側からドナーシート240を引き出す。しかし、ドナーシート240をドナーシートロール230の上側から引き出すことはできない。ドナーシートロール230からの上側からの引き出し位置とフィードローラ254とを結ぶ仮想的な線が支持ガイド256の先端部と交差しているので、ドナーシートロール230の上面からドナーシート240を引きだそうとしても、支持ガイド256の先端部256cによって妨げられるためである。
【0074】
また、先述のように、各ドナーシートロール230は対応するドナーシート繰出し機構250の支持ガイド256によって区画されている。そのため、仮に、ドナーシートロール230交換時に作業者が誤って回転ラック210の中に不要物を落としたとしても、この不要物はドナーシートロール交換位置(P12)に位置しているドナーシートロール230の支持ガイド256によって留められ、画像転写記録装置1内部の部材に損傷を与えるおそれがないので安全である。
【0075】
なお、受像シート140はドナーシート240に比べシート厚が大きい場合が多い。この場合において、1つのロールに保持されるシート長が受像シート140とドナーシート240とで同一であると仮定すると、受像シートロールの径はドナーシートロールの径よりも大となる。この場合において、受像シートロールとドナーシートロールとを同一の回転ラックに装着すると回転ラックの中に不要な空間が生じる(図34参照)。これに対し、本実施形態においては、回転ラックにはドナーシートロールのみを装着しているので、図35に示すように回転ラック中に不要な空間が発生しない。このため、回転ラックのサイズをコンパクトにまとめることができる。
【0076】
ここで、ドナーシートロール230の交換は、複数のドナーシートロール230に対して同時に交換が行われることが多い。通常、1枚の受像シート140に対して、複数のドナーシート(特にYMCKの4色)のそれぞれが同量ずつ消費されていくからである。また複数のドナーシートロール230のそれぞれは、回転ラック210の回転によって、所定の交換位置P12に順次移動することができる。したがって、複数のドナーシートロール230の交換を交換する場合においても、蓋12を開けて同一の交換位置P12において複数のドナーシートロール230を順次交換することができる。それぞれのドナーシートロール230の位置に対応する複数の蓋を開ける必要が無く、容易に交換することが可能である。
【0077】
一方、受像シートロール130の交換は、蓋11を開けることによって行う。
受像シートロール130の交換作業は、蓋11の開口部付近の比較的大きなスペースを確保して作業性よく行うことができ、また回転ラック210の回転を伴わずに行うことができるため、ドナーシートロール230の交換よりも容易に行うことができる。また受像シートロール130の交換は、これらのドナーシートロール230の交換とは異なるタイミングで行われることが多い。そのため、別箇所の蓋を設けても手間は変わらない。このように、受像シートロール130をドナーシートロール230と同一の回転ラック210に収納せずに、別設の受像シート供給部100に受像シートロール130を配置することによって、受像シートロール130の交換をさらに容易に行うことができる。
【0078】
<A4.記録部>
<概要構成>
記録部300は、ドラム310を有する(図1参照)。図15は、ドラム310を示す斜視図である。ドラム310は、中空の円筒形状を有しており、図示しないフレーム311に回転自在に保持されている。ドラム310は、モータ312の回転軸に連結されており、モータ312によって回転駆動される。
【0079】
ドラム310の表面には、複数の孔部314が形成されている。この孔部314は、図示しないブロア316に接続されている。受像シート140およびドナーシート240をドラム310上に載置してブロア316を作動させると、これらのシートはドラム310に吸着される。
【0080】
また、ドラム310は複数の溝部322を有している。複数の溝部322は、ドラム310の回転軸と平行に、かつ一直線上に設けられている。ドラム310は、さらに複数の溝部324を有している。複数の溝部324は、複数の溝部322と同様に、ドラム310の回転軸と平行に、かつ一直線上に設けられている。また溝部324のそれぞれは、ドラム310の回転軸に平行な方向において、溝部322のそれぞれの位置に対応する位置に存在する。このようにドラム310は、2列の溝部322および324を有する。
【0081】
図16は、ドラム310の断面図である。ドラム310の上方において、複数の剥離爪332が、ドラム310の回転軸と平行に、かつ一直線上に設けられている。溝部322の数と同数の剥離爪332が設けられており、剥離爪332のそれぞれは、ドラム310の回転軸に平行な方向において、複数の溝部322のそれぞれに対応する位置に設けられている。またドラム310の上方には、ローラ334が設けられている。このローラ334は、図示しない駆動機構によってドラム310から所定の距離だけ離れた位置P31とドラム310に接触する位置P32(図17参照)との間を移動することができる。ローラ334は、各種シートをドラム310に巻き付ける際に用いられる(後述)。
【0082】
さらに記録部300は、記録用ヘッド350を有する(図1参照)。記録用ヘッド350はビーム状のレーザ光を出射することができる。このレーザ光が照射された位置のドナーシート240のドナーインクは、受像シート140の表面に転写される。また記録用ヘッド350は、図示しない駆動機構によって、ドラム310の回転軸に平行な方向に直線的に移動することができる。したがって、ドラム310の回転運動と記録用ヘッド350の直線移動との組合せによって、受像シートを覆うドナーシート上の所望の位置をレーザ露光することが可能である。よって、描画用の光ビームであるレーザ光でドナーシート上を走査して、画像情報に基づいて対応する位置のみをレーザ露光することによって、所望の画像を受像シート140に転写することができる。
【0083】
<ドラムへの巻き付け動作>
次に、ドラム310への巻き付け動作について説明する。ドラム310へは、受像シート140およびドナーシート240の2種類のシートが巻き付けられる。
【0084】
ドラム310には、まず受像シート供給部100によって供給される受像シート140が巻き付けられる。前述したようにドラム310の表面には複数の孔部314が形成されており、受像シート140はブロア316によって吸引される。これによって受像シート140は、矢印AR31の方向のドラム310の回転に伴って、ドラム310に吸着されながら巻き付けられる。
【0085】
図17は、受像シート140をドラム310に巻き付ける様子を示す図である。図17に示すように、ローラ334は、位置P32にまで移動しており、ドラム310に対して所定の圧力で押さえ付けられている。そしてローラ334は、受像シート供給部100から供給される受像シート140の先端をドラム310との間で挟み込む。さらに、ドラム310の矢印AR31の向きの回転に伴って、受像シート140はブロア316によってドラム310に吸着されながら、ドラム310に巻き付けられる。
【0086】
次に、ドナーシート供給部200から供給される1枚のドナーシート240が、受像シート140の上に巻き付けられる。図18は、ドラム310上での受像シート140およびドナーシート240の位置関係を示すために平面的に展開した図である。図18に示すように、受像シート140およびドナーシート240の2種類のシートは、その大きさが互いに異なる。ドナーシート240は、縦方向および横方向のいずれの方向にも受像シート140よりも大きい。したがって、ドナーシート240は、受像シート140よりも大きい部分によってドラム310に吸着される。ドナーシート240は、矢印AR31の方向のドラム310の回転に伴って、ドラム310に吸着されながら巻き付けられる。
【0087】
図19は、受像シート140およびドナーシート240の両方をドラム310に巻き付けた状態を表す断面図である。受像シート140の先端部は、複数の溝部324に対応する位置に存在し、ドナーシート240の先端部は、複数の溝部322に対応する位置に存在する。巻き付け時において、このような位置関係になるように位置決めされる。なお、このような位置関係を有することによって、後述するように受像シート140およびドナーシート240をドラム310から容易に剥離することができる。
【0088】
上述したように、受像シート140およびドナーシート240がドラム310に対して供給される。図20は、これらのシートを供給する際の、受像シート140およびドナーシート240の面の向きに関する図である。図20に示すように、受像シート140は、外巻きの受像シートロール130から供給され、受像層144が支持層142の上側に位置するようにしてドラム310に巻き付けられる。またドナーシート240は、外巻きのドナーシートロール230から供給され、ドナー層244が支持層242の下側に位置するようにして、受像シート140およびドラム310の上に巻き付けられる。なお図中において、波線は、受像層144およびドナー層244が存在する側を示している。
【0089】
上記の供給によって、図19に示すように、1枚の受像シート140をドラム310の上に巻き付けて、1枚のドナーシート240をさらにその上に巻き付けることができる。
【0090】
図21は、ドラム310に巻き付けられた受像シート140およびドナーシート240を示す拡大図である。前述したように、受像シート140は支持層142と受像層144とを有しており、ドナーシート240は支持層242とドナー層244とを有している。上述の受像シート140およびドナーシート240の供給により、図21に示すように、ドナーシート240のドナー層244が、受像シート140の受像層144の上に接触して存在している。
【0091】
このような位置関係を有するドナー層244のドナーインクは、前述したように、記録用ヘッド350によってレーザ露光されて受像シート140に転写される。なお、レーザ露光時のドラム310の回転方向は、矢印AR31の逆向きの回転方向が好ましい。
【0092】
溝部322に対向する側のドナーシート240の先端がドラム310の回転方向に関して最上流になると、ドナーシート240と溝部322との間に存在する間隙に起因してドナーシート240が剥がれやすくなる恐れがあるからである。
【0093】
<シートの剥離について>
転写動作が終了したドナーシート240は、ドラム310から剥離される。次にこの剥離動作について図22および図23を参照しながら説明する。
【0094】
図22および図23は、ドラム310上に巻き付けられた受像シート140およびドナーシート240の先端部を表す図である。図22は、受像シート140およびドナーシート240がドラム310に完全に巻き付けられた状態の両シートの先端部及び剥離爪332が剥離位置P34に降りた状態を示している。図23は、ドナーシート240の先端部が剥離されつつある状態を示している。
【0095】
図22において、受像シート140およびドナーシート240は、ブロア316によってドラム310に吸着されている。なお、以降の動作においてもブロア316による吸引は続行される。また図22に示すようにドナーシート240の先端部は、複数の溝部322の上方に位置している。
【0096】
ドラム310を矢印AR31の向きに、剥離のための所定の速度で回転させる。そして所定のタイミングで剥離爪332の先端部の位置を、ドラム310に接触しない待機位置P33(図16参照)から、ドラム310に接触する位置P34へと移動する。この移動の際には、剥離爪332の先端部がドナーシート240の上には接触しないようにする。ドラム310の矢印AR31の向きの回転に伴い、剥離爪332はドラム310上をドラム310の表面に沿って周方向に相対的に移動する。剥離爪332の先端部は、溝部322の形状に沿ってドラム310の表面を相対的に移動してドナーシート240の下側に潜り込む。ドナーシート240は剥離爪332の上面に沿って移動する。ブロア316の吸引力による力よりも大きな力がドナーシート240に対して作用することによってドナーシート240はドラム310から剥離される。そして、剥離爪332は、受像シート140に接触する前にさらにドラム310から離反する方向に上昇して、待機位置P33にまで移動する。ドナーシート240は先端部が剥離されたのち、引き続きドラム310が回転することによって、ドナーシート240は、さらにドラム310および受像シート140から剥離される。なお、この際、受像シート140はブロア316の吸引力によってドラム310に吸着されたままであるので、ドナーシート240のみを剥離することができる。
【0097】
なお、ドナーシート240の剥離に際して、ドナーシートロール230が外巻きであることに起因して形成されるカールの向きの性質を利用することができる。ドナーシート240のカール方向は、ドラム310の円筒形状表面の曲面とは逆向きである(図14および図23参照)。したがって、ドナーシート240の先端は、そのカール形状が有する復元力によって、ドラム310の円筒曲面とは逆の向きに起き上がろうとするため、ドナーシート240はドラム310上の受像シート140から剥離され易い。ドナーシートの剥離角度によってドナーインクの転写効率が異なることが知られているが、この装置ではドナーシート240は受像シート140に対して大きな角度を有した状態で剥離されるので、ドナーインクの転写効率の向上が望める。
【0098】
以上の動作によって剥離されたドナーシート240は、後述の排出部400をさらに経由して装置外部へと排出される。
【0099】
次に、ドラム310に巻き付けられたままの受像シート140の上に、別色のドナーシート240が巻き付けられる。そして、上述の動作によって、レーザ露光によって、受像シート140にドナーシート240のドナーインクが転写された後、ドナーシート240を剥離して排出する。
【0100】
同様の動作が、所定の複数の種類のドナーシート240に対して繰り返される。たとえば、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4つの種類のドナーシート240に対して、上記動作が繰り返されることによって、受像シート140にカラー画像が転写される。
【0101】
その後、複数の種類のドナーインクが転写された受像シート140が剥離される。受像シート140の剥離は、ドナーシート240の剥離と同様にして行われる。この際、剥離爪332は、複数の溝部324に対して接近して受像シート140をドラム310から剥離する。また剥離爪332は、ドナーシート240を剥離する際と同一のものを利用することができるので、構造を単純化することができる。したがって、機械の信頼性を向上することができる。
【0102】
上記のようにして剥離された受像シート140は、排出部400へと排出されていく。
【0103】
<A5.排出部>
図24は、排出部400を表す側面図である。図24に示すように、排出部400は、シート共通搬送部410と、ドナーシート排出部440と、受像シート排出部450とを有する。
【0104】
シート共通搬送部410は、モータ412と、駆動伝達用のチェーン413と、搬送用ローラ414、415、416と、支持ガイド418、419と、検出センサ411とを有している。
【0105】
またシート共通搬送部410は、排出口切換機構420と可動ガイド部430とをさらに有する。
【0106】
排出口切換機構420は、切換用プレート421と、モータ422を有する。
切換用プレート421は、モータ422によって駆動され、後述する2つの位置の間を移動することができる。これにより、切換用プレート421は、受像シート140およびドナーシート240を、対応する排出口へ排出されるように案内することができる。
【0107】
また可動ガイド部430は、ガイドプレート438と、図示しない駆動機構432とを有する。ガイドプレート438は、駆動機構432によって、後述する2つの位置の間を移動することができる。
【0108】
ドナーシート排出部440は、ドナーシート排出口441と、ガイドプレート448、449を有する。処理済みのドナーシート240は、ドナーシート排出部440を経由して、ドナーシート回収箱40(図1参照)に排出される。
【0109】
受像シート排出部450は、受像シート排出口451と、ローラ454、455と、ガイド458、459とを有する。画像が転写された受像シート140は、受像シート排出部450を経由して、トレー50に排出される。
【0110】
搬送用ローラ414、415、416、454、455は、駆動伝達用のチェーン413によってモータ412と接続されており、モータ412によって回転駆動される。したがって、受像シート排出部450の搬送用ローラ454、455およびシート共通搬送部410の搬送用ローラ414、415、416の全てを単一のモータ412によって駆動することができる。
【0111】
各搬送用ローラ414、415、416、454、455は、前述のその他の搬送用ローラと同様に、2つのローラを1組として構成されており、2つのローラで挟んで回転することによって、受像シート140およびドナーシート240を搬送することが可能である。
【0112】
<ドナーシートの排出動作>
このような機構を有する排出部400は、受像シート140の排出とドナーシート240の排出とを次に説明するような動作で行うことができる。
【0113】
まず、ドナーシートの排出について説明する。記録部300においてレーザ露光され不要となったドナーシート240は、前述したようにしてドラム310から剥離される。剥離されたドナーシート240は、剥離爪332、支持ガイド338、418、419、ガイドプレート438によって支持されつつ、搬送用ローラ414、415、416によって挟持されて送り出されることによって、矢印AR40の向きに搬送される。
【0114】
図25は、ドナーシート排出部440付近の拡大図である。ドナーシート240は、搬送用ローラ414、415、416によって矢印AR40の向きに搬送されて、図中の位置P41を有している切換用プレート421によって案内されて、ドナーシート排出口441へと向かう。ドナーシート240は、さらにガイドプレート449に案内されて下方へと排出される。排出されたドナーシート240は、下方に設置されているドナーシート回収箱40(図1参照)に回収される。
【0115】
<受像シートの排出動作>
次に受像シート140の排出について説明する。受像シート140は、以下に述べるようにして排出される。受像シート140は、記録部300でドナーインクが転写されて処理が行われた後、前述したようにして、ドラム310から剥離される。剥離された受像シート140は、剥離爪332、支持ガイド338、418、419、ガイドプレート438によって支持されつつ、搬送用ローラ414、415、416によって挟持され、送り出されることによって、矢印AR40の向きに搬送される。なお、このシート共通搬送部410はドナーシート240が排出される場合と共通であり、それぞれのシートに対して搬送部を設ける場合に比べて構造を簡単化することができる。なお、シート共通搬送部410において、ドナーシート240はドナー層を下側にして搬送され、受像シート140は受像層を上側にして搬送する。したがって、同一の搬送路を利用して、順次、受像シート140およびドナーシート240を搬送しても、受像シート140の受像層上に形成された画像が汚染されるおそれはない。
【0116】
図26は、受像シート排出部450付近の拡大図である。受像シート140は、搬送用ローラ414、415、416によって矢印AR40の向きに搬送されて、図中の位置P42を有している切換用プレート421によって案内されて、今度は、受像シート排出口451へと向かう。なお、切換用プレート421の位置は、前述の駆動機構によって変更される。受像シート140は、さらにガイド459に案内されて、一旦、装置の外部へと排出される。
【0117】
ただし、受像シート140は、その全てが外部へ排出されるのではない。受像シート140が矢印AR40の向きに搬送されて、受像シート140の後端部がガイドプレート438上に存在し搬送用ローラ416に挟持されている状態において、モータ412による駆動を一旦停止する。そして、後に説明する動作を行うことによって、今度は、モータ412を逆回転することによって、受像シート140を矢印AR51(図28参照)に示す方向に引き戻す。すなわち「スイッチバック」動作を行う。
【0118】
ここで上記駆動停止のタイミングは、検出センサ411(図24参照)の信号を用いて決定され得る。検出センサ411は、受像シート140の後端が検出センサ411の位置を通過したことを検出する。その後、受像シート140が搬送されて図26に示す所定の位置にまで達した時点で、モータ412の駆動を停止する。この所定の位置とは、受像シート140の後端部がガイドプレート438上に存在し、かつ搬送用ローラ416に挟持されている状態にある位置を意味する。受像シート140がこの位置に至るまでの所定の距離を移動したかどうかは、検出センサ411による後端検出時点からのモータ412の回転パルス数などから判断することができる。
【0119】
図27は、可動ガイド部430付近を示す拡大側面図である。可動ガイド部430のガイドプレート438は、図示しない駆動機構432によって駆動され、図に示す2つの位置P43および位置P44の相互間を移動することができる。
この駆動機構432によりガイドプレート438は、位置P43から位置P44へと移動する。
【0120】
図28は、ガイドプレート438が位置P44に移動した状態を示す図である。
【0121】
そして、停止していたモータ412は、今度は逆回転することによって、各搬送用ローラ416、454、455などを逆向きに駆動する。この逆回転によって、受像シート140は、矢印AR51の向きに引き戻される。そして、受像シート140は、さらにガイド458に支持されつつ、搬送用ローラ454、455によって搬送されて、トレー50へと送り出される。
【0122】
以上のように、受像シート140は、途中で一旦搬送方向を切り換えてスイッチバックして搬送される。このように、受像シートの排出経路の一部をドナーシートの排出経路と共有し、スイッチバック動作によって受像シート140を搬出することによって、受像シート140の画像形成面側を支持ガイドやトレー50に擦らせる事なく、且つ装置をコンパクトにすることができる。
【0123】
トレー50に送出された受像シートは、前述したように、本装置から取り出された後、別設のラミネート部において追加の処理が行われる。これによって、任意の印刷用紙に印刷される。
【0124】
上記実施形態においては、シート種類に応じてシートの排出口を分離したが、これは次のような理由による。
【0125】
図29は、画像転写記録装置1の排出部400の拡大図である。ドナーシート回収箱40には、使用済みのドナーシート240が回収される。また、受像シート140は、スイッチバックを行うに際して本体から一旦外部へと搬出される。
大きなサイズの受像シート140が搬出された場合、ドナーシート回収箱40に回収された使用済みのドナーシート240と接触することが想定される。この場合、ドナーシート240の種類によっては、ドナーインクが接触することによって、受像シート140に付着することがある。画像が形成された受像シート140の表面に、不要なドナーインクが付着することは避けなければならない。
【0126】
そのため、本実施形態では、ガイド459を設けている。これによって、排出口からドナーシート回収箱40までの距離よりも大きなサイズの受像シートがスイッチバックするために装置外部に搬送される場合において、受像シート140の先端部が、ドナーシート回収箱40の外側に垂れるようにして、ドナーシート回収箱40内の不要なドナーシート240と受像シート140とが接触することを防止している。またこの受像シート140を一旦外に排出する場合に、ガイド459側に受像シート140を案内するために、排出口切換機構420が設けられている。
【0127】
このように画像が転写された受像シート140と使用済みのドナーシート240との接触を防止するためには、排出口切換機構420およびガイド459を設けることが好ましい。
【0128】
また、このような受像シート140とドナーシート240との接触を考慮する必要がない場合には、同一の排出口からドナーシート240および受像シート140の両方を搬出することも可能である。この場合、排出口切替機構420は不要になり、より簡略な機構で済むことになる。
【0129】
<A6.電気的構成>
上記の動作は制御部CTLによって制御される。図30は、制御部CTLの機能ブロック図を示す。制御部CTLは、受像シート供給部100、ドナーシート供給部200、記録部300、排出部400などを制御する。制御部CTLは、上記各部において、モータなどを有する駆動部を制御し、特に記録部300においては、ブロアなどのエア部や、画像データを処理する画像処理部などをさらに制御する。またドナーシート供給部200の駆動部は、回転ラック210の回転駆動系とドナーシートロール230からドナーシート240をドラム310に対して提供するシート搬送駆動系との2つの駆動系を有する。このうち、シート搬送駆動系のモータ駆動に関しては、前述したようにモータ駆動用のドライバを複数のドナーシート繰出し機構について共用している。駆動回路系を簡略化している。
【0130】
<B.装置動作手順>
上記のような画像転写記録装置によって、所望のカラー画像を受像シート140上に形成することが可能である。以下では、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色を用いてカラー画像を形成する場合について、動作手順の一例を示す。図31は、動作手順のフローチャートを示す。
【0131】
まずステップSP10において、受像シート供給部100は、受像シート140をドラム310に対して供給する。受像シート140は、外巻きの受像シートロール130の一部が繰出されて切断されることによって提供され、ドラム310に巻き付けられる。
【0132】
次にステップSP20において、ドナーシート供給部200は、イエローのドナーシート240をドラム310に対して供給する。
【0133】
ドナーシート供給部200の回転ラック210が回転することによって、イエローのドナーシートロール230がドナーシート搬送路270に対向する位置に移動される。ドナーシート240は、外巻きのドナーシートロール230の一部が繰出されて切断されることによって提供され、ドラム310に巻き付けられる。この時、ドナーシートロール230から繰り出されているドナーシート240の先端は回転ラック210外部のカッタ282近傍にある。
【0134】
この際、ドナーシート240を供給した後、ドナーシート繰出し機構250は、フィードローラ254を逆転駆動させてドナーシートロール230の先端部を回転ラック210の外周部よりも内側に格納することができる。ただし、この場合でもフィードローラ254は、その先端部を挟持している。
【0135】
また、ローラ254aはモータ252と接続された状態にあるため、モータ252の慣性などのためにフィードローラ254は回転しにくくなっている。したがって、ドナーシートロール230の先端部をしっかりと挟持しておくことができる。モータ252等の駆動機構は、フィードローラ254に対する簡易な制動機構としても作用し得る。
【0136】
フィードローラ254に制動が存在しない場合には、フィードローラ254の空転により、ドナーシートロール230の先端部が余計に繰り出されて他の部分と接触することによって損傷することがあり得る。また、フィードローラ254の空転によりドナーシートロール230が巻き戻されて、ドナーシートロール230の先端部がフィードローラ254からはずれると、ドナーシート240は正常に搬送され得ない。
【0137】
次のステップSP30では、あらかじめ与えられた画像データに基づいて、受像シート140上に画像が転写出力される。ここで、与えられた画像データは、各色ごとの画像にさらに色分解されており、レーザ露光は、色分解された各色ごとの画像データに基づいて行われる。色分解後の各色別画像データに基づいて、記録用ヘッド350は、描画用の光ビームをドナーシート240に対して照射する。受像シート140にドナーシート240のドナーインクが転写され、受像シート140上に像が形成される。
【0138】
そしてステップSP40において、ドナーシート240のみがドラム310から剥離される。ドラム310からの剥離においては、外巻きのドナーシートのカール方向がドラムの曲面方向と逆向きであるため、ドナーシート240はドラム310から比較的容易に剥離することができる。ドラム310から剥離されたドナーシート240は、排出部400を経由してドナーシート回収箱40に排出される。
【0139】
ステップSP50では、全ての色のドナーシート240に対して、転写が終了したかどうかを判断する。そして、別の種類のドナーシート240の供給が必要な場合は、上記のステップSP20からSP40までの処理を繰り返す。つまり、他のマゼンタ、シアン、ブラックの各色のドナーシート240について、各動作が繰り返される。その結果、4色のドナーシートのドナーインクが1枚の受像シート140に転写され、受像シート140上にカラー画像が形成される。
【0140】
上記処理が終了すると、ステップSP50において、最後のドナーシート240に対するレーザ露光が終了したことが判断される。
【0141】
そして、次のステップSP60において、受像シート140が、ドラム310から剥離される。剥離された受像シート140は、排出部400を経由してスイッチバック動作を伴って、トレー50に排出される。排出された受像シート140は、別設のラミネート部に搬送され、受像シート140上のドナーインクが任意の印刷用紙にさらに転写される。これによって、校正用のカラー印刷が行われ得る。
【0142】
<C.変形例>
上記実施形態においては、受像シートロール130から繰り出された受像シート140と、ドナーシートロール230から繰り出されたドナーシート240とが別々の搬送経路を通って、ドラム310に供給される。この場合、受像シート140がドナーシート240のドナーインクによって汚染されることがない。ドナーシートの搬送経路上においてドナーシートからドナーインクが脱落したとしても、受像シートの搬送経路と物理的に分離されているため、脱落したドナーインクが受像シートに再付着するおそれが無いからである。
【0143】
ただし、そのインク特性などによってはドナーインクが脱落しにくい特性を有するドナーシートも存在する。このようなドナーシートを利用すれば、脱落したドナーインクの再付着を考慮しなくても、受像シートが汚染されるおそれが無いような場合もあり得る。このような場合には、受像シートの搬送経路とドナーシートの搬送経路とを同一にすることも可能である。これにより、搬送機構を簡略化することができる。
【0144】
【発明の効果】
以上のように、請求項1に記載の画像転写記録装置によれば、ドナーシートロールをロール群収容体に保持し、受像シートロールをロール群収容体の外部において保持する。したがって、複数のドナーシートロールについては、ロール群収容体を回転することによって所望のドナーシートロールを所定の位置で交換することができる。また受像シートロールについては、より大きな作業空間を確保して、作業性良く受像シートロールを交換することができる。ロール群収容体の中には受像シートロールを収容する必要がないためにロール群収容体の構造もその分だけシンプルになる。したがって、ドナーシートロールの交換も比較的容易になる。また、ドナーシートロールの径よりも大きい径を有する受像シートロールをロール群収容体の外部において保持するので、ロール群収容体の中に不要な空間を生じさせることなく、ロール群収容体のサイズをコンパクトにすることができる。
【0145】
請求項2に記載の画像転写記録装置によれば、受像シートの搬送経路とドナーシートの搬送経路とが別個に設けられているので、ドナーシートのインクによって受像シートが汚染されることがない。
【0146】
請求項3に記載の画像転写記録装置によれば、交換するロールに対応する蓋のみを開けて交換作業を行うことができるので、交換作業の省力化が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の画像転写記録装置1の概略を示す縦断面図である。
【図2】受像シート供給部100およびドナーシート供給部200の詳細を示す断面図である。
【図3】図2の一部を拡大した図である。
【図4】受像シート切断部160を示す図である。
【図5】ドナーシート繰出し機構250の一部を示す斜視図である。
【図6】回転ラック210の回転駆動系の概略を示す側面図である。
【図7】回転ラック210の概略構成を示す側面図である。
【図8】回転ラック210の概略構成を示す図であり、図6のA−A’における断面図である。
【図9】回転ラック210の概略構成を示す図であり、図7の一部を拡大した図である。
【図10】図6のB−B’における断面の一部拡大図であり、端子222と端子262とが接触している状態を表している図である。
【図11】回転部における電気的な接続関係を示す図である。
【図12】ドナーシート切断部280を示す図である。
【図13】ドナーシートロールが内巻きの場合の、カール方向を示す図である。
【図14】ドナーシートロールが外巻きの場合の、カール方向を示す図である。
【図15】ドラム310を示す斜視図である。
【図16】ドラム310の断面図である。
【図17】受像シート140をドラム310に巻き付ける様子を示す図である。
【図18】ドラム310上での受像シート140およびドナーシート240の位置関係を示す平面展開図である。
【図19】図19は、受像シート140およびドナーシート240をドラム310に巻き付けた状態を表す断面図である。
【図20】受像シート140およびドナーシート240の面の向きを表す図である。
【図21】ドラム310に巻き付けられた受像シート140およびドナーシート240の積層関係を示す拡大図である。
【図22】ドラム310上に巻き付けられた受像シート140およびドナーシート240の先端部を表す図である。
【図23】ドラム310上に巻き付けられた受像シート140およびドナーシート240の先端部を表す図である。
【図24】排出部400を表す側面図である。
【図25】ドナーシート排出部440付近の拡大図である。
【図26】受像シート排出部450付近の拡大図である。
【図27】可動ガイド部430付近を示す拡大側面図である。
【図28】ガイドプレート438が位置P44に移動した状態を示す図である。
【図29】画像転写記録装置1の排出部400付近の拡大図である。
【図30】制御部CTLの機能ブロック図である。
【図31】動作手順を示すフローチャートである。
【図32】ドナーシートロール230の構成を表す図である。
【図33】位置P12のドナーシート繰出し機構250の上面図である。
【図34】受像シート供給部100とドナーシート供給部200との配置の一例を表す参考図である。
【図35】画像転写記録装置1の受像シート供給部100とドナーシート供給部200とを表す図である。
【符号の説明】
1 画像転写記録装置
100 受像シート供給部
130 受像シートロール
140 受像シート
142 支持層
144 受像層
150 受像シート搬送部
200 ドナーシート供給部
230 ドナーシートロール
240 ドナーシート
242 支持層
244 ドナー層
270 ドナーシート搬送部
300 記録部
310 ドラム
350 記録用ヘッド
400 排出部

Claims (3)

  1. 支持層の上にドナー層を有するドナーシートを、支持層の上に受像層を有する受像シート上に重ね合わせた状態で描画光ビームを前記ドナーシートに照射することにより、前記ドナーシートからのインクを前記受像シートに転写して画像を記録する装置であって、
    (a) 複数のドナーシートロールの一部を繰り出して切断することによってドナーシートを得るとともに、前記ドナーシートロールの径よりも大きい径を有する受像シートロールの一部を繰り出して切断することによって受像シートを得るシート供給手段と、
    (b) 所定の回転軸まわりに回転可能であり、受像層を外側にして前記受像シートをその周囲に巻回するとともに、ドナー層を内側として前記ドナーシートを前記受像シート上に巻回するドラム体と、
    (c) 前記ドラム体上の前記ドナーシートを描画光ビームで走査する光走査手段と、
    を備え、
    前記シート供給手段が、
    (a-1) 前記複数のドナーシートロールを、所定の中心軸から等距離の円上に放射状に配置して保持し、かつ前記所定の中心軸まわりに回転可能なロール群収容体と、
    (a-2) 前記ロール群収容体を前記中心軸まわりに回転させ、それによって前記複数のドナーシートロールのうちからその時点で選択されている1のドナーシートロールを所定の取り出し位置に対向させる回転駆動手段と、
    (a-3) 前記ロール群収容体の外部において前記受像シートロールを保持する受像シートロール保持手段と、
    を有し、
    前記所定の取り出し位置から繰り出された前記1のドナーシートロールの一部を切断して前記ドナーシートが得られるとともに、
    前記受像シートロール保持手段で保持された前記受像シートロールの一部を繰り出して切断することにより前記受像シートが得られることを特徴とする画像転写記録装置。
  2. 請求項1の画像転写記録装置において、
    前記シート供給手段は、さらに、
    (a-4) 前記受像層を上にして前記受像シートを前記ドラム体に搬送する受像シート搬送経路と、
    (a-5) 前記受像シート搬送経路とは別に設けられ、前記ドナー層を下にして前記ドナーシートを前記ドラム体に搬送するドナーシート搬送経路と、
    を有することを特徴とする画像転写記録装置。
  3. 請求項1の画像転写記録装置において、
    受像シートロールに対応する位置に設けられる第1の蓋と、
    ドナーシートロールに対応する位置に設けられる第2の蓋と、
    をさらに備え、
    受像シートロールの交換は第1の蓋を開けて行い、
    ドナーシートロールの交換は第2の蓋を開けて行うこと
    を特徴とする画像転写記録装置。
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