JPH11253205A - 靴用中敷の調製方法 - Google Patents

靴用中敷の調製方法

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JPH11253205A
JPH11253205A JP5980898A JP5980898A JPH11253205A JP H11253205 A JPH11253205 A JP H11253205A JP 5980898 A JP5980898 A JP 5980898A JP 5980898 A JP5980898 A JP 5980898A JP H11253205 A JPH11253205 A JP H11253205A
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  • Footwear And Its Accessory, Manufacturing Method And Apparatuses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 足と履物が過度に圧接することなく、足が蒸
れず、歩行時に足が靴の内部で前後に滑り動かない履物
用中敷または履物用部分中敷とすることである。 【解決手段】 踏圧により塑性変形可能な可塑性を有す
ると共に前記塑性変形した際に弾力性を有する発泡合成
樹脂製シート1の表面に天然パルプからなる吸水性の不
織布2を重ねて接着一体化したシート素材を裁断して靴
の内底形シート3を形成し、この靴の内底形シート3の
土踏まずに対応する部分に前記シート素材からなる正方
形状の小型シート4(履物用部分中敷)を複数枚積み重
ね、これらを接着一体化した履物用中敷とする。中敷A
上の足は、土踏まずの部分などで中敷Aに係止されて靴
の内部で前後に滑り動かない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、履物用中敷およ
び足裏の土踏まず部などに適用される履物用部分中敷に
関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、履物用中敷は、靴、サンダル、
スリッパなどの履物の内形状と着用者の足が不適合であ
る場合に、履物と足との隙間を埋めたり、緩衝性(クッ
ション性)を付与し靴擦れを防止する場合などに用いら
れる。
【0003】このような履物用中敷は、一定の厚みの偏
平な弾性シートからなるものであり、必要に応じて脱臭
剤や抗菌剤を保持させることもできるものである。
【0004】また、身障者用の足底装具となる中敷は、
通常は石膏や樹脂で足形をとり、これに合わせて合成樹
脂、ゴム、フェルト、コルクなどの各種材料を複合して
前述の弾性シートを形成する。
【0005】また、実開昭62−87505号公報に開
示された靴用中敷は、所要の可塑性を備えた高発泡ポリ
エチレンフォームからなり、靴底に入れて実際に2日程
度履くと、体重によって足形に合わせた穏やかな凹凸面
が形成され、この凹凸面によって足裏にかかる体重が足
裏全面に分散して、平均化されるものである。
【0006】また、図5および図6に示した靴用中敷B
は、合成樹脂製の板材を成形した靴の内底形状のベース
シート10の上に、発泡ポリウレタンシート11を重ね
て接着し、これらを皮革12で被覆して弾性および吸湿
性をもたせたものである。
【0007】また、着用者の足裏の表皮が角質化して歩
行時に痛みを発生させる部分(いわゆる魚の目やタコな
ど)や外反母跡等による変形であって除圧やクッション
性が必要な部分については、ベースシート10および発
泡ポリウレタンシート11を貫通する孔13を形成し、
この孔13を皮革12で覆うようにして靴擦れや足裏の
圧迫刺激を防止するようにしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、第5図中に細
い破線で示した丸形の部分は、実際にこの中敷を着用し
た者が痛みを感じる部分であって、靴を装着した時に除
圧が必要であると見なされた部分(太い一点鎖線で示し
た。)と、実際に歩行した際に除圧が必要な部分とのズ
レを示しており、通常のベースシートや発泡ポリウレタ
ンシートでは、使用者が実際に使用した時に満足できる
ように圧迫刺激を防止することは容易ではなかった。
【0009】また、従来の履物用中敷は、足の甲を靴に
密着させて係止するため、足の甲と靴の内側が過度に圧
接していわゆる靴擦れが起こる弊害もある。
【0010】そして、足の甲が靴に密着するだけでは靴
の内部で足が前後方向にずれ動くことを完全に防止する
ことは困難であり、特に、足指の欠損その他の障害のあ
る障害者にとっては、靴の内部で前後の滑り動きが大き
い中敷では安定した歩行運動が困難であった。
【0011】ところで、従来の履物用中敷で靴内の保温
性を高めようとすると、中敷素材に空気や断熱材を保持
させる必要が生じ、そのためには中敷が必然的に厚くな
り、そのような厚肉の中敷では足先が締めつけられて装
着感が悪い。
【0012】また、足裏には人体のつぼと呼ばれる急所
が多く分布することが知られており、これを刺激するた
めに磁石などからなる凸形状を設けることは好ましが、
従来の中敷の表面に粒状磁石を突出するように付設する
と、使用者が靴の中に小石が入ったような圧痛を感じる
場合があり、快適に使用できなかった。
【0013】また、従来の履物用中敷は、その表面を耐
久性のよい皮革などで被覆しているので、中敷の表面に
充分な吸湿性がないという問題点もある。
【0014】そこで、本願の発明の課題は、上記した問
題点を解決し、足と履物が過度に圧接することなく整合
し、歩行時に足が履物に対して前後方向に滑り動かない
履物用中敷とし、かつ足が蒸れないように中敷の吸湿性
を高めることである。
【0015】また、本願の発明における他の課題は、履
物用中敷の表面に粒状磁石を付設したものを使用感のよ
い適度な刺激のあるものにすることである。
【0016】また、本願の発明における上記以外の課題
は、履物用中敷を比較的薄肉に形成しても保温力の高い
ものとして、靴内で足の甲などを過度に締付けずに保温
性にも優れた履物用中敷を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記したように歩行時に
足が滑り動かず、足と履物が過度に圧接することを防止
しかつ吸湿性を改善するという課題を解決するために、
本願の発明においては、踏圧により塑性変形可能な可塑
性を有すると共に前記塑性変形した際に弾力性を有する
発泡合成樹脂からなるシート状素材に、吸水性不織布を
重ねて一体化してなる履物用中敷、または足裏の土踏ま
ず部支持用の履物用部分中敷としたのである。
【0018】また、歩行時に足が滑り動かず、足と履物
が過度に圧接することを防止するため、踏圧により塑性
変形可能な可塑性を有すると共に前記塑性変形した際に
弾力性を有する発泡合成樹脂からなるシート状素材で履
物の内底形シートを形成し、この内底形シートの土踏ま
ず対応部分に前記シート状素材からなる部分中敷を1枚
以上積み重ねて一体化してなる履物用中敷としたのであ
る。
【0019】また、保温性のよい履物用中敷における装
着感が悪いという前記課題を解決するため、上記いずれ
かの構成の履物用中敷または足裏の土踏まず部支持用の
履物用部分中敷において、シート状素材に代えて前記シ
ート状素材にセラミックス粉体を含有する遠赤外線放射
性シートを重ねて一体化した積層シートを用いたのであ
る。
【0020】または、上記同様の課題を解決するため、
踏圧により塑性変形可能な可塑性を有すると共に前記塑
性変形した際に弾力性を有する発泡合成樹脂からなるシ
ート状素材で履物の内底形シートを形成し、この内底形
シートの土踏まず対応部分に前記シート状素材からなる
部分中敷を1枚以上積み重ねて一体化してなる履物用中
敷において、前記シート状素材に代えてこのシート状素
材にセラミックス粉体を含有する遠赤外線放射性シート
を重ねて一体化した積層シートでもって履物の内底形シ
ートを形成すると共に、前記積層シートで部分中敷を形
成する構成を採用したのである。
【0021】また、粒状磁石を付設した中敷における使
用感について、前記課題を解決するため、上記いずれか
の構成の履物用中敷または部分中敷において、それらの
表面に、粒状磁石を固定して設けた構成を採用したので
ある。
【0022】本願の履物用中敷または履物用部分中敷に
係る発明は、所定の可塑性および弾性を有する発泡合成
樹脂製のシート状素材を採用したことにより、履物に装
着された中敷が踏圧によって徐々に塑性変形し、足指そ
の他の足の形状に整合する凹型がシート状素材の上面に
形成され、足と履物が過度に圧接することなく整合す
る。そして、シート状素材はその弾力性によって足裏に
密接するから、歩行時に足裏が履物に対して前後方向に
滑り動かない履物用中敷となる。
【0023】また、このような足裏との密接状態におい
ても、シート状素材に吸水性不織布を重ねて一体化して
いるので、中敷の吸湿性が高く、中敷に接する足が蒸れ
ない履物用中敷または履物用部分中敷となる。
【0024】また、シート状素材からなる履物の内底形
シートの土踏まず対応部分に前記シート状素材からなる
部分中敷を1枚以上積み重ねて一体化した履物用中敷
は、前記良好な足裏との整合性、密接性を有すると共
に、内底形シートの土踏まず対応部分に土踏まずを支持
できる突出部分を有し、この突出部分は踏圧によって塑
性変形して土踏まずの部分に極めて良く整合する形状に
なるから、歩行時に足裏が履物に対して密接し履物内で
前後方向により滑り動き難い中敷となる。
【0025】なお、部分中敷は、通常は靴の内底形シー
トまたは履物の内底に接着や摩擦係合等の作用により一
体に固定するが、接着剤(粘着剤であってもよい。)を
用いて履物や内底形シートに固定することもできる。こ
のようにすると、足の土踏まずの部分は確実にその位置
が固定されて、履物の内部で足が前後にいっそう滑り動
き難くなる。
【0026】このように履物用中敷または履物用部分中
敷は、足の甲と靴の内側が過度に圧接させることなく快
適な着用感があり、しかも歩行時に足が靴の内部で前後
に滑り動かない中敷となる。
【0027】また、踏圧によって塑性変形可能な軟質弾
性の発泡合成樹脂製シートに、粒状の磁石を埋設した履
物用中敷または履物用部分中敷に係る発明では、突起が
着用した際の踏圧によって着用者に適度の圧迫刺激(指
圧性)を与えるまで中敷に沈み込み、この状態で突起は
中敷に適当な深さで埋設固定される。このようにしてこ
の発明の履物用中敷または履物用部分中敷は、粒状磁石
からなる突出部を形成し、その指圧作用や磁力作用を利
用した場合でも快適な歩行ができる履物用中敷または履
物用部分中敷となる。
【0028】また、セラミックス粉体を保持した遠赤外
線放射性シートを重ねて一体に設けた履物用中敷または
履物用部分中敷は、体温で温められたセラミックス粉体
から遠赤外線が放射されて適当な保温力があり、この保
温性は材質の厚さによる断熱保温性を補うので、比較的
薄肉の履物用中敷または履物用部分中敷であっても保温
性がよいものになる。
【0029】因みに、上記したような中敷を使用する
と、靴内で足が動かなくなるので、靴擦れがなくきわめ
て快適に歩行でき、しかも、足裏に除圧が必要な患部を
有する者や、足先に欠損その他の障害のある身障者であ
っても、快適に安定した歩行運動ができ、身障者に適用
できる履物用中敷となる。
【0030】
【発明の実施の形態】この発明に用いる踏圧で変形可能
な可塑性および弾力性を有する発泡合成樹脂製のシート
状素材は、体重と足裏の面積によって個人別に想定され
る踏圧(幼児から大人までの体重15〜90kg程度に
対応する踏圧)が連続的に負荷された際に塑性変形し、
しかも塑性変形後も弾性を残して歩行時には所要の衝撃
吸収性を発揮するものである。
【0031】塑性変形可能な軟質弾性の発泡合成樹脂の
具体例としては、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ
ウレタンその他の周知の軟質合成樹脂を発泡成形したも
のが挙げられる。特に高発泡の電子線架橋ポリエチレン
フォームは、適度の柔らかい弾性を有しており、着用感
が好ましいものである。
【0032】ポリエチレンフォームの架橋方法として
は、電子線照射法ばかりでなく、有機過酸化物による化
学架橋法であってもよい。部分的に架橋されたポリエチ
レンを用いて発泡させると、発泡倍率の非常に大きなフ
ォームが得られ、このものは低温での可撓性、反発弾性
にも優れる。市販の高発泡ポリエチレンフォームとして
は、積水化学工業社製の電子線架橋ポリエチレンフォー
ムである登録商標:ソフトロンS(100%独立気泡、
発泡倍率5〜50倍、平均気泡径0.26〜0.32m
m、見掛け密度0.025〜0.20g/cm3 )、特
にソフトロンS#30(平均気泡径0.3mm、見掛け
密度0.033g/cm3 、厚さ3〜5mm)が挙げら
れる。
【0033】このような発泡合成樹脂製シートは、踏圧
によって塑性変形した状態では若干の弾性余効はある
が、外力(踏圧)が繰り返し弾性限界近くまたは弾性限
界を越えて負荷されることによって歪みが残り、外力を
取り去っても変形が完全に消えない塑性変形の状態にな
る。
【0034】この発明に用いる吸水性不織布は、汗など
を吸収する性質(吸湿性とも呼ばれる。)が良好な不織
布であって周知のものを利用できる。また、不織布の上
に布(ニットなどの編織布)を重ねて設けることもでき
る。吸水性不織布の材料として好ましいものは、天然パ
ルプである。天然パルプは、繊維が強靱で繰り返し足裏
で摩擦された場合にも耐久性があって履き心地が長期間
良好であり、しかも充分な吸湿性があるので、履物用中
敷は、油分の分泌が多い症状の人でも長期間快適に使用
できるものになる。
【0035】この発明に用いる粒状磁石は、フェライト
磁石などの周知の粒形状(球、楕円球、円柱、多角柱、
多面体など)の磁性体からなり、磁束密度は、特に限定
されるものではないが、例えば100〜3000ガウス
程度のものを用いて健康的で好ましいものが得られる。
このような粒状磁石は、中敷の表面に接着固定するか、
または1〜3mm程度の高さで表面に突出するようにそ
の一部を埋め込んで固定すれば使用耐久性が高くなって
好ましい。
【0036】この発明に用いるセラミックス粉体を保持
した遠赤外線放射性シートは、特にセラミックスの種類
を限定したものではないが、常温で波長のピークが3〜
14μmの電磁波を放射する微粉末の遠赤外線放射体を
分散保持した樹脂、ゴムまたは繊維(不織布または編織
布)からなるシート状であるものが好ましい。
【0037】常温で波長のピークが3〜14μmの電磁
波を放射する微粉末状の遠赤外線放射体の製法例として
は、粘度と酸化アルミニウムと二酸化ケイ素、三酸化二
鉄といったアルミニウム酸化物、またはジルコニア、カ
ルシウム、酸化マグネシウムなどのジルコニア酸化物、
およびシリコン酸化物を加え、適量の水と混練し、これ
を1150〜1300℃で焼成し、その後、5μm程度
の微粉末に粉砕する例が挙げられる。
【0038】上記赤外線放射性微粉末を繊維に保持(担
持)させるには、羊毛を1%水酸化ナトリウム水溶液の
加熱蒸気に触れさせて膨潤させ、別途、前記5μm以下
の微粉末を常温の水中に分散させ、この液に前記膨潤し
た羊毛を漬ける方法、または繊維に固結剤としてのポリ
ウレタン等の合成樹脂を介して接着固定するなどの周知
の手法を採用できる。
【0039】この発明の実施形態を添付図面に基づいて
説明する。図1乃至図4に示すように、第1実施形態の
履物用中敷Aは、踏圧によって塑性変形可能な軟質弾性
の発泡合成樹脂製シート1(積水化学工業社製:ソフト
ロン、厚さ約1.5mm)の表面(上面)に天然パルプ
からなる吸水性の不織布2(王子製紙社製、厚さ約1m
m)を重ねて接着一体化し、この積層シートを裁断して
靴の内底形シート3を形成し、この靴の内底形シート3
の土踏まずに対応する部分(図1の鎖線で区分された小
区域部分)をほぼ覆う大きさで前記積層シートと同じ素
材からなる正方形状の小型シート4(一辺約5cm)を
複数枚積み重ねて足裏の土踏まず部に対応する履物用部
分中敷とし、これらを接着一体化した履物用中敷であ
る。
【0040】図2に示すように、靴の内底形シート3の
裏面(図中下面)には、アクリル系感圧性接着剤(粘着
剤)からなる接着層5を設け、これに重ねて離型紙6を
被覆してもよい。このようにすると、複数枚の靴の内底
形シート3の一体化が簡便に行なえる。
【0041】前記した吸水性の不織布には、セラミック
ス粉体を保持させることができ、図示は省略したが、シ
ート1もしくは小型シート4またはその両者にセラミッ
クス粉体を保持した不織布製の遠赤外線放射性シートを
重ねて一体にした足裏の土踏まず部に対応する履物用部
分中敷または靴の内底形の中敷を構成してもよい。
【0042】ところで、図1の鎖線に示すように、前述
の履物用中敷には、永久磁石(フェライト)からなる粒
状磁石9を中敷表面に突出するように埋め込んで設けて
もよい。粒状磁石9を構成する磁性体は、フェライト磁
石などの周知の磁性体からなり、磁束密度は、特に限定
されるものではないが、例えば100〜3000ガウス
程度のものを用いて健康的で好ましいものが得られる。
【0043】また、粒状磁石9の形状は、図示した六角
形板状に限定されるものではなく、円板、楕円板、球、
半球、楕円球などの丸みのある周知の粒状を呈し、足裏
を過度に刺激したり、傷つけない形状のものである。
【0044】このような粒状磁石9は、中敷表面に形成
した孔に中程まで埋め込んだ状態で接着固定して設ける
ことが実用強度が高くて好ましく、その場合に靴の内底
形シートの表面に取り付ける態様よりも、足裏の土踏ま
ず域に対応する小型シート4の表面に一部が露出または
突出するように埋設することが好ましい。
【0045】上記した粒状磁石9を取り付けた履物用中
敷は、日常的に使用する靴の内底に必要に応じて装入し
て用いるが、その際に、足の裏が靴の内部で前後に滑り
動かなくなるという前述した作用があると共に、従来の
足裏のツボを押圧する専用の履物(例えば健康サンダル
等)と同様に健康的にも好ましいものである。
【0046】実施形態の履物用中敷Aを実際に使用する
場合には、通常より1cm(2サイズ)程度大きいサイ
ズの靴を用い、図3に示すように、小型シート4を着用
者の足裏に窪む土踏まずの深さに応じて所要枚数を重ね
(図3では2枚)、これを靴7の内底または靴の内底形
シート3の表面の土踏まず対応部分に接着等で固定す
る。そして、小型シート4に重ねて靴の内底形シート3
を靴内に挿着し、靴7を2日間程度試し履きする。
【0047】そして、シート状素材が踏圧によって塑性
変形し、その厚みが減少して靴内に不適当な空隙が生じ
た場合には、さらに靴の内底形シート3もしくは小型シ
ート4またはそれらの両者をそれぞれ1枚ずつ追加し、
さらに試し履きを続ける。このように小型シート4およ
び靴の内底形シート3を追加する試し履きは、歩行時に
足の裏が靴の内部で前後方向に完全に滑り動かなくなる
まで繰り返し行なうことが好ましい。
【0048】また、試し履きを行なう時に、足裏の部分
に魚の目やタコなどの症状によって痛みが発生する場合
は、図3および図4(a)に示すように、最上部の靴の
内底形シート3の要所に鋏などによって孔8を形成して
もよい。なお、この発明の履物用中敷を使用すると、圧
迫によって痛みが発生する箇所は、靴の内底形シート3
の表面にその部分の形が付く場合が多く、孔8を開ける
位置は容易に判断できる。
【0049】そして、試し履き後にも未だ痛みが残るよ
うであれば、図4(b)に示すように上から2番目の靴
の内底形シート3にも同様の孔8を開ける。この場合の
孔形成位置は、先に形成した孔形が2番目の靴の内底形
シート3にも付くので、容易に判断できる。
【0050】このような調整を経ながら着用者の個人差
に応じて調製された中敷は、図4(c)に示すように、
形成された孔8の周囲が痛みが発生する患部形状に馴染
んだものになり、患部周囲の圧迫感もなくなる。また足
の土踏まずの部分が中敷の小型シート3の厚みによって
形成された突出部分に係止されるので、足は靴7の内部
で前後に滑り動かないように固定されて、孔8の除圧効
果が有効に作用し、全く痛みを感じることなく快適に中
敷を使用できるものになる。
【0051】また、この発明の履物用中敷または履物用
部分中敷を使用すると、歩行時に足の裏が靴の内部で前
後に完全に滑り動かなくなるので、特に足先に欠損その
他の障害のある身障者であっても安定した歩行運動がで
きる履物用中敷となる。
【0052】なお、図3に示す態様とは異なるが、小型
シート4を靴の内底形シート3の表面に固定するか、ま
たはサンダルやスリッパといった履物の表面に直接に接
着固定してもよいのは勿論である。
【0053】また、天然パルプからなる吸水性不織布2
(図1、2参照)は、少なくとも最上部に配置する靴の
内底形シート3の表面もしくは裏面または小型シート4
の表面もしくは裏面に接着固定すれば必要な除湿効果は
得られる。複数枚の靴の内底形シート3または小型シー
ト4を積層する場合は、使用する全ての靴の内底形シー
ト3に固定することもできる。
【0054】
【発明の効果】本願の各請求項に記載した発明のうち、
所定の可塑性および弾力性を有する発泡合成樹脂製のシ
ート状素材を採用し、吸水性不織布を重ねて一体化した
履物用中敷または履物用部分中敷に係る発明は、中敷が
踏圧によって徐々に塑性変形しその弾力性によって足裏
に密接するから、足と履物が過度に圧接することなく整
合し、歩行時に足裏が履物に対して前後方向に滑り動か
ない履物用中敷となる。また、このような密接状態にお
いても、シート状素材表面の吸水性不織布の吸湿性が高
いので、中敷に接する足が蒸れない履物用中敷または履
物用部分中敷となる。
【0055】履物の内底形シートの土踏まず対応部分に
部分中敷を1枚以上積み重ねて一体化した履物用中敷
は、前記した良好な足裏との整合性、密接性および吸湿
性を発揮すると共に、突出部分が土踏まずの部分に極め
て良く整合する形状に塑性変形して、歩行時に足裏が履
物に対して前後方向により滑り動き難く、偏平足にも適
した履物用中敷となる。
【0056】また、粒状磁石を埋設した履物用中敷また
は履物用部分中敷に係る発明では、粒状磁石が中敷に適
当な深さで埋設され固定され、その中敷は所定の可塑性
および弾力性を有する発泡合成樹脂製のシート状素材で
形成されているので、磁性突起を設けた履物用中敷また
は部分中敷が、低圧迫刺激で快適に使用できるものにな
る。
【0057】また、セラミックス粉体を保持した遠赤外
線放射性シートを重ねて一体に設けた履物用中敷または
履物用部分中敷は、体温で温められたセラミックス粉体
から遠赤外線が放射されて適当な保温力があり、比較的
薄肉の履物用中敷または履物用部分中敷であっても保温
性がよく、足の甲などを過度に締付けない薄厚で保温性
のよい履物用中敷となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の分解斜視図
【図2】シート素材の拡大断面図
【図3】第1実施形態の使用状態を示す縦断側面図
【図4】第1実施形態に孔を形成したものの使用状態を
示す拡大断面図
【図5】従来の履物用中敷の平面図
【図6】図5のVI−VI線拡大断面図
【符号の説明】
A、B 履物用中敷 1 発泡合成樹脂製シート 2 不織布 3 靴の内底形シート 4 小型シート 5 接着層 6 離型紙 7 靴 8、13 孔 9 粒状磁石 10 ベースシート 11 発泡ポリウレタンシート 12 皮革
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年3月29日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 靴用中敷の調製方法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、通常より大きい
サイズの靴内に装着し、足の裏を靴の内部で前後方向に
完全に滑り動かなくすると共に魚の目やタコなどがあっ
ても圧迫によって痛みが発生しないようにする靴用中敷
の調製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、履物用中敷は、靴、サンダル、
スリッパなどの履物の内形状と着用者の足が不適合であ
る場合に、履物と足との隙間を埋めたり、緩衝性(クッ
ション性)を付与し靴擦れを防止する場合などに用いら
れる。
【0003】このような履物用中敷は、一定の厚みの偏
平な弾性シートからなるものであり、必要に応じて脱臭
剤や抗菌剤を保持させることもできるものである。
【0004】また、身障者用の足底装具となる中敷は、
通常は石膏や樹脂で足形をとり、これに合わせて合成樹
脂、ゴム、フェルト、コルクなどの各種材料を複合して
前述の弾性シートを形成する。
【0005】また、実開昭62−87505号公報に開
示された靴用中敷は、所要の可塑性を備えた高発泡ポリ
エチレンフォームからなり、靴底に入れて実際に2日程
度履くと、体重によって足形に合わせた穏やかな凹凸面
が形成され、この凹凸面によって足裏にかかる体重が足
裏全面に分散して、平均化されるものである。
【0006】また、図5および図6に示した靴用中敷B
は、合成樹脂製の板材を成形した靴の内底形状のベース
シート10の上に、発泡ポリウレタンシート11を重ね
て接着し、これらを皮革12で被覆して弾性および吸湿
性をもたせたものである。
【0007】また、着用者の足裏の表皮が角質化して歩
行時に痛みを発生させる部分(いわゆる魚の目やタコな
ど)や外反母趾等による変形であって除圧やクッション
性が必要な部分については、ベースシート10および発
泡ポリウレタンシート11を貫通する孔13を形成し、
この孔13を皮革12で覆うようにして靴擦れや足裏の
圧迫刺激を防止するようにしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、第5図中に細
い破線で示した丸形の部分は、実際にこの中敷を着用し
た者が痛みを感じる部分であって、靴を装着した時に除
圧が必要であると見なされた部分(太い一点鎖線で示し
た。)と、実際に歩行した際に除圧が必要な部分とのズ
レを示しており、通常のベースシートや発泡ポリウレタ
ンシートでは、使用者が実際に使用した時に満足できる
ように圧迫刺激を防止することは容易ではなかった。
【0009】また、従来の履物用中敷は、足の甲を靴に
密着させて係止するため、足の甲と靴の内側が過度に圧
接していわゆる靴擦れが起こる弊害もある。
【0010】そして、足の甲が靴に密着するだけでは靴
の内部で足が前後方向にずれ動くことを完全に防止する
ことは困難であり、特に、足指の欠損その他の障害のあ
る障害者にとっては、靴の内部で前後の滑り動きが大き
い中敷では安定した歩行運動が困難であった。
【0011】ところで、従来の履物用中敷で靴内の保温
性を高めようとすると、中敷素材に空気や断熱材を保持
させる必要が生じ、そのためには中敷が必然的に厚くな
り、そのような厚肉の中敷では足先が締めつけられて装
着感が悪い。
【0012】また、足裏には人体のつぼと呼ばれる急所
が多く分布することが知られており、これを刺激するた
めに磁石などからなる凸形状を設けることは好ましい
が、従来の中敷の表面に粒状磁石を突出するように付設
すると、使用者が靴の中に小石が入ったような圧痛を感
じる場合があり、快適に使用できなかった。
【0013】また、従来の履物用中敷は、その表面を耐
久性のよい皮革などで被覆しているので、中敷の表面に
充分な吸湿性がないという問題点もある。
【0014】そこで、本願の発明の課題は、上記した問
題点を解決し、足とが過度に圧接することなく整合
し、歩行時に足がに対して前後方向に滑り動かない
用中敷とし、かつ足が蒸れないように中敷の吸湿性を高
めることができる靴用中敷の調製方法を提供することに
ある。
【0015】また、本願の発明における他の課題は、
用中敷の表面に粒状磁石を付設したものを使用感のよい
適度な刺激のあるものにすることである。
【0016】また、本願の発明における上記以外の課題
は、靴用中敷を比較的薄肉に形成しても保温力の高いも
のとして、靴内で足の甲などを過度に締付けずに保温性
にも優れた靴用中敷の調製方法を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記したように歩行時に
足が滑り動かず、足とが過度に圧接することを防止し
かつ吸湿性を改善するという課題を解決するために、本
願の発明においては、踏圧により塑性変形可能な可塑性
を有すると共に前記塑性変形した際に弾力性を有する発
泡合成樹脂からなるシート状素材で、通常より大きいサ
イズの靴の内底形シートを複数枚形成し、また同じ素材
からなる小型シートを複数枚形成してなり、そして前記
小型シートを着用者の土踏まずの深さに応じて所要枚数
を重ねて、これを靴の内底または靴の内底形シートの土
踏まず対応部分に固定し、それから小型シートに重ねて
靴の内底形シートを所要枚数靴内に装着し、靴を試し履
きして靴内に不適当な空隙が生じた場合には、さらに靴
の内底形シートもしくは小型シートまたはそれらの両者
をそれぞれ1枚ずつ追加して、さらに試し履きを続け、
この作業を歩行時に足の裏が通常より大きいサイズの靴
の内部で前後方向に完全に滑り動かなくなるまで繰り返
し、また使用者が痛みを感じる部分であって、靴を装着
した時に除圧が必要であると見なされた部分に対応する
最上部の靴の内底形シートに孔を形成してなるのであ
る。
【0018】また、保温性のよい靴用中敷における装着
感が悪いという前記課題を解決するため、前記シート状
素材に代えてこのシート状素材にセラミックス粉体を含
有する遠赤外線放射性シートを重ねて一体化した積層シ
ートでもつて靴の内底形シートを形成すると共に、前記
積層シートで小型シートを形成する構成を採用したので
ある。
【0019】また、粒状磁石を付設した中敷における使
用感について、前記課題を解決するため、上記いずれか
の構成の靴用中敷において、それらの表面に、粒状磁石
を固定して設けた構成を採用したのである。
【0020】本願の靴用中敷の調製方法に係る発明は、
所定の可塑性および弾性を有する発泡合成樹脂製のシー
ト状素材を採用したことにより、に装着された中敷が
踏圧によって徐々に塑性変形し、足指その他の足の形状
に整合する凹型がシート状素材の上面に形成され、足と
が過度に圧接することなく整合する。そして、シート
状素材はその弾力性によって足裏に密接するから、歩行
時に足裏がに対して前後方向に滑り動かない靴用中敷
となる。
【0021】また、このような足裏との密接状態におい
ても、シート状素材に吸水性不織布を重ねて一体化して
いるので、中敷の吸湿性が高く、中敷に接する足が蒸れ
ない靴用中敷となる。
【0022】また、シート状素材からなるの内底形シ
ートの土踏まず対応部分に前記シート状素材からなる
型シートを1枚以上積み重ねて一体化した靴用中敷は、
前記良好な足裏との整合性、密接性を有すると共に、内
底形シートの土踏まず対応部分に土踏まずを支持できる
突出部分を有し、この突出部分は踏圧によって塑性変形
して土踏まずの部分に極めて良く整合する形状になるか
ら、足の甲と靴の内側が過度に圧接させることなく快適
な着用感があり、しかも歩行時に足裏がに対して密接
内で前後方向により滑り動き難い中敷となる。
【0023】なお、小型シートは、通常は靴の内底形シ
ートまたはの内底に接着や摩擦係合等の作用により一
体に固定するが、接着剤(粘着剤であってもよい。)を
用いてや内底形シートに固定することもできる。この
ようにすると、足の土踏まずの部分は確実にその位置が
固定されて、の内部で足が前後にいっそう滑り動き難
くなる。
【0024】また、踏圧によって塑性変形可能な軟質弾
性の発泡合成樹脂製シートに、粒状の磁石を埋設した
合には、突起が着用した際の踏圧によって着用者に適度
の圧迫刺激(指圧性)を与えるまで中敷に沈み込み、こ
の状態で突起は中敷に適当な深さで埋設固定される。こ
のようにしてこの発明の靴用中敷は、粒状磁石からなる
突出部を形成し、その指圧作用や磁力作用を利用した場
合でも快適な歩行ができる。
【0025】また、セラミックス粉体を保持した遠赤外
線放射性シートを重ねて一体に設けた場合には、体温で
温められたセラミックス粉体から遠赤外線が放射されて
適当な保温力があり、この保温性は材質の厚さによる断
熱保温性を補うので、比較的簿肉の靴用中敷であっても
保温性がよいものになる。
【0026】因みに、上記したような中敷を使用する
と、靴内で足が動かなくなるので、靴擦れがなくきわめ
て快適に歩行でき、しかも、足裏に除圧が必要な患部を
有する者や、足先に欠損その他の障害のある身障者であ
っても、快適に安定した歩行運動ができ、身障者に適用
できる靴用中敷を提供できるのである
【0027】
【発明の実施の形態】この発明に用いる踏圧で変形可能
な可塑性および弾力性を有する発泡合成樹脂製のシート
状素材は、体重と足裏の面積によって個人別に想定され
る踏圧(幼児から大人までの体重15〜90kg程度に
対応する踏圧)が連続的に負荷された際に塑性変形し、
しかも塑性変形後も弾性を残して歩行時には所要の衝撃
吸収性を発揮するものである。
【0028】塑性変形可能な軟質弾性の発泡合成樹脂の
具体例としては、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ
ウレタンその他の周知の軟質合成樹脂を発泡成形したも
のが挙げられる。特に高発泡の電子線架橋ポリエチレン
フォームは、適度の柔らかい弾性を有しており、着用感
が好ましいものである。
【0029】ポリエチレンフォームの架橋方法として
は、電子線照射法ばかりでなく、有機過酸化物による化
学架橋法であってもよい。部分的に架橋されたポリエチ
レンを用いて発泡させると、発泡倍率の非常に大きなフ
オームが得られ、このものは低温での可撓性、反発弾性
にも優れる。市販の高発泡ポリエチレンフォームとして
は、積水化学工業社製の電子線架橋ポリエチレンフォー
ムである登録商標:ソフトロンS(100%独立気泡、
発泡倍率5〜50倍、平均気泡径0.26〜0.32m
m、見掛け密度0.025〜0.20g/cm3)、特
にソフトロンS#30(平均気泡径0.3mm、見掛け
密度0.033g/cm3、厚さ3〜5mm)が挙げら
れる。
【0030】このような発泡合成樹脂製シートは、踏圧
によって塑性変形した状態では若干の弾性余効はある
が、外力(踏圧)が繰り返し弾性限界近くまたは弾性限
界を越えて負荷されることによって歪みが残り、外力を
取り去っても変形が完全に消えない塑性変形の状態にな
る。
【0031】この発明に用いる吸水性不織布は、汗など
を吸収する性質(吸湿性とも呼ばれる。)が良好な不織
布であって周知のものを利用できる。また、不織布の上
に布(ニットなどの不織布)を重ねて設けることもでき
る。吸水性不織布の材料として好ましいものは、天然パ
ルプである。天然パルプは、繊維が強靱で繰り返し足裏
で摩擦された場合にも耐久性があって履き心地が長期間
良好であり、しかも充分な吸湿性があるので、靴用中敷
は、油分の分泌が多い症状の人でも長期間快適に使用で
きるものになる。
【0032】この発明に用いる粒状磁石は、フェライト
磁石などの周知の粒形状(球、楕円球、円柱、多角柱、
多面体など)の磁性体からなり、磁束密度は、特に限定
されるものではないが、例えば100〜3000ガウス
程度のものを用いて健康的で好ましいものが得られる。
このような粒状磁石は、中敷の表面に接着固定するか、
または1〜3mm程度の高さで表面に突出するようにそ
の一部を埋め込んで固定すれば使用耐久性が高くなって
好ましい。
【0033】この発明に用いるセラミックス粉体を保持
した遠赤外線放射性シートは、特にセラミックスの種類
を限定したものではないが、常温で波長のピークが3〜
14μmの電磁波を放射する微粉末の遠赤外線放射体を
分散保持した樹脂、ゴムまたは繊維(不織布または編織
布)からなるシート状であるものが好ましい。
【0034】常温で波長のピークが3〜14μmの電磁
波を放射する微粉末状の遠赤外線放射体の製法例として
は、粘土と酸化アルミニウムと二酸化ケイ素、三酸化二
鉄といったアルミニウム酸化物、またはジルコニア、カ
ルシウム、酸化マグネシウムなどのジルコニア酸化物、
およびシリコン酸化物を加え、適量の水と混練し、これ
を1150〜1300℃で焼成し、その後、5μm程度
の微粉末に粉砕する例が挙げられる。
【0035】上記遠赤外線放射性微粉末を繊維に保持
(担持)させるには、羊毛を1%水酸化ナトリウム水溶
液の加熱蒸気に触れさせて膨潤させ、別途、前記5μm
以下の微粉末を常温の水中に分散させ、この液に前記膨
潤した羊毛を漬ける方法、または繊維に固結剤としての
ポリウレタン等の合成樹脂を介して接着固定するなどの
周知の手法を採用できる。
【0036】この発明の実施形態を添付図面に基づいて
説明する。
【0037】図1乃至図4に示すように、第1実施形態
靴用中敷Aは、踏圧によって塑性変形可能な軟質弾性
の発泡合成樹脂製シート1(積水化学工業社製:ソフト
ロン、厚さ約1.5mm)の表面(上面)に天然パルプ
からなる吸水性の不織布2(王子製紙社製、厚さ約lm
m)を重ねて接着一体化し、この積層シートを裁断して
靴の内底形シート3を形成し、この靴の内底形シート3
の土踏まずに対応する部分(図1の鎖線で区分された小
区域部分)をほぼ覆う大きさで前記積層シートと同じ素
材からなる正方形状の小型シート4(一辺約5cm)を
複数枚積み重ねて足裏の土踏まず部に対応する用部分
中敷とし、これらを接着一体化した靴用中敷である。
【0038】図2に示すように、靴の内底形シート3の
裏面(図中下面)には、アクリル系感圧性接着剤(粘着
剤)からなる接着層5を設け、これに重ねて離型紙6を
被覆してもよい。このようにすると、複数枚の靴の内底
形シート3の一体化が簡便に行なえる。
【0039】前記した吸水性の不織布には、セラミック
ス粉体を保持させることができ、図示は省略したが、シ
ート1もしくは小型シート4またはその両者にセラミッ
クス粉体を保持した不織布製の遠赤外線放射性シートを
重ねて一体にした足裏の土踏まず部に対応する用部分
中敷または靴の内底形の中敷を構成してもよい。
【0040】ところで、図1の鎖線に示すように、前述
靴用中敷には、永久磁石(フェライト)からなる粒状
磁石9を中敷表面に突出するように埋め込んで設けても
よい。粒状磁石9を構成する磁性体は、フェライト磁石
などの周知の磁性体からなり、磁束密度は、特に限定さ
れるものではないが、例えば100〜3000ガウス程
度のものを用いて健康的で好ましいものが得られる。
【0041】また、粒状磁石9の形状は、図示した六角
形板状に限定されるものではなく、円板、楕円板、球、
半球、楕円球などの丸みのある周知の粒状を呈し、足裏
を過度に刺激したり、傷つけない形状のものである。
【0042】このような粒状磁石9は、中敷表面に形成
した孔に中程まで埋め込んだ状態で接着固定して設ける
ことが実用強度が高くて好ましく、その場合に靴の内底
形シートの表面に取り付ける態様よりも、足裏の土踏ま
ず域に対応する小型シート4の表面に一部が露出または
突出するように埋設することが好ましい。
【0043】上記した粒状磁石9を取り付けた靴用中敷
は、日常的に使用する靴の内底に必要に応じて装入して
用いるが、その際に、足の裏が靴の内部で前後に滑り動
かなくなるという前述した作用があると共に、従来の足
裏のツボを押圧する専用の(例えば健康サンダル等)
と同様に健康的にも好ましいものである。
【0044】実施形態の靴用中敷Aを実際に使用し、歩
行時に足が滑り動かず、足と靴が過度に圧接することを
防して使用者の足を靴に整合させるには、以下に示すよ
うにして行うのである。先ず、通常よりlcm(2サイ
ズ)程度大きいサイズの靴を用い、図3に示すように、
小型シート4を着用者の足裏に窪む土踏まずの深さに応
じて所要枚数を重ね(図3では2枚)、これを靴7の内
底または靴の内底形シート3の表面の土踏まず対応部分
に接着等で固定する。そして、小型シート4に重ねて靴
の内底形シート3を靴内に装着し、靴7を2日間程度試
し履きする。
【0045】そして、シート状素材が踏圧によって塑性
変形し、その厚みが減少して靴内に不適当な空隙が生じ
た場合には、さらに靴の内底形シート3もしくは小型シ
ート4またはそれらの両者をそれぞれ1枚ずつ追加し、
さらに試し履きを続ける。このように小型シート4およ
び靴の内底形シート3を追加する試し履きは、歩行時に
足の裏が靴の内部で前後方向に完全に滑り動かなくなる
まで繰り返し行なうことが好ましい。
【0046】また、試し履きを行なう時に、足裏の部分
に魚の目やタコなどの症状によって痛みが発生する場合
は、図3および図4(a)に示すように、最上部の靴の
内底形シート3の要所に鋏などによって孔8を形成
。なお、この発明の靴用中敷を使用すると、圧迫によ
って痛みが発生する箇所は、靴の内底形シート3の表面
にその部分の形が付く場合が多く、孔8を開ける位置は
容易に判断できる。
【0047】そして、試し履き後にも未だ痛みが残るよ
うであれば、図4(b)に示すように上から2番目の靴
の内底形シート3にも同様の孔8を開ける。この場合の
孔形成位置は、先に形成した孔形が2番目の靴の内底形
シート3にも付くので、容易に判断できる。
【0048】このような調整を経ながら着用者の個人差
に応じて調製された中敷は、図4(c)に示すように、
形成された孔8の周囲が痛みが発生する患部形状に馴染
んだものになり、患部周囲の圧迫感もなくなる。また足
の土踏まずの部分が中敷の小型シート3の厚みによって
形成された突出部分に係止されるので、足は靴7の内部
で前後に滑り動かないように固定されて、孔8の除圧効
果が有効に作用し、全く痛みを感じることなく快適に中
敷を使用できるものになる。
【0049】また、この発明の靴用中敷の調製方法によ
れば、歩行時に足の裏が靴の内部で前後に完全に滑り動
かなくなるので、特に足先に欠損その他の障害のある身
障者であっても安定した歩行運動ができる。
【0050】なお、図3に示す態様とは異なるが、小型
シート4を靴の内底形シート3の表面に固定するか、ま
たはの表面に直接に接着固定してもよいのは勿論であ
る。
【0051】また、天然パルプからなる吸水性不織布2
(図1、2参照)は、少なくとも最上部に配置する靴の
内底形シート3の表面もしくは裏面または小型シート4
の表面もしくは裏面に接着固定すれば必要な除湿劾果は
得られる。複数枚の靴の内底形シート3または小型シー
ト4を積層する場合は、使用する全ての靴の内底形シー
ト3に固定することもできる。
【0052】
【発明の効果】本願の請求項1に係る発明によれば、所
定の可塑性および弾力性を有する発泡合成樹脂製のシー
ト状素材を採用し、そのシート状素材を用いて靴の内底
形シートと小型シートを形成し、それらを複数枚積層し
て通常より大きいサイズの靴に挿着することで、中敷が
踏圧によって徐々に塑性変形しその弾性力によって足裏
に密接するから、足とが過度に圧接することなく整合
し、歩行時に足裏がに対して前後方向に滑り動かない
靴用中敷となる。さらに、靴の内底形シートの土踏まず
対応部分に小型シートを1枚以上積み重ねて一体化した
ので、前記した良好な足裏との整合性、密接性を発揮す
ると共に、突出部分が土踏まずの部分に極めて良く整合
する形状に塑性変形して、歩行時に足裏が靴に対して前
後方向により滑り動き難く、偏平足にも適した靴用中敷
となる。また、吸水性不織布を重ねて一体化すれば、こ
のような密接状態においても、シート状素材表面の吸水
性不織布の吸湿性が高いので、中敷に接する足が蒸れな
のである
【0053】また、粒状磁石を埋設した場合には、粒状
磁石が中敷に適当な深さで埋設され固定され、その中敷
は所定の可塑性および弾力性を有する発泡合成樹脂製の
シート状素材で形成されているので、磁性突起を設けた
靴用中敷が、低圧迫刺激で快適に使用できるものにな
る。
【0054】また、セラミックス粉体を保持した遠赤外
線放射性シートを重ねて一体に設けた場合には、体温で
温められたセラミックス粉体から遠赤外線が放射されて
適当な保温力があり、比較的薄肉の靴用中敷であっても
保温性がよく、足の甲などを過度に締付けない薄厚で保
温性のよいものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の分解斜視図
【図2】シート素材の拡大断面図
【図3】第1実施形態の使用状態を示す縦断側面図
【図4】第1実施形態に孔を形成したものの使用状態を
示す拡大断面図
【図5】従来の靴用中敷の平面図
【図6】図5のVI−VI線拡大断面図
【符号の説明】 A、B 靴用中敷 1 発泡合成樹脂製シート 2 不織布 3 靴の内底形シート 4 小型シート 5 接着層 6 離型紙 7 靴 8、13 孔 9 粒状磁石 10 ベースシート 11 発泡ポリウレタンシート 12 皮革

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 踏圧により塑性変形可能な可塑性を有す
    ると共に前記塑性変形した際に弾力性を有する発泡合成
    樹脂からなるシート状素材に、吸水性不織布を重ねて一
    体化してなる履物用中敷。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の履物用中敷おいて、シ
    ート状素材に代えて前記シート状素材にセラミックス粉
    体を含有する遠赤外線放射性シートを重ねて一体化した
    積層シートを用いたことを特徴とする履物用中敷。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の履物用中敷の
    表面に、粒状磁石を固定して設けた履物用中敷。
  4. 【請求項4】 踏圧により塑性変形可能な可塑性を有す
    ると共に前記塑性変形した際に弾力性を有する発泡合成
    樹脂からなるシート状素材で履物の内底形シートを形成
    し、この内底形シートの土踏まず対応部分に前記シート
    状素材からなる部分中敷を1枚以上積み重ねて一体化し
    てなる履物用中敷。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の履物用中敷において、
    シート状素材に代えてこのシート状素材に吸水性不織布
    を重ねて一体化した積層シートでもって履物の内底形シ
    ートを形成すると共に、前記積層シートで部分中敷を形
    成することを特徴とする履物用中敷。
  6. 【請求項6】 請求項4に記載の履物用中敷において、
    シート状素材に代えてこのシート状素材にセラミックス
    粉体を含有する遠赤外線放射性シートを重ねて一体化し
    た積層シートでもって履物の内底形シートを形成すると
    共に、前記積層シートで部分中敷を形成することを特徴
    とする履物用中敷。
  7. 【請求項7】 請求項4〜6のいずれか1項に記載の履
    物用中敷の表面に粒状磁石を固定して設けた履物用中
    敷。
  8. 【請求項8】 踏圧により塑性変形可能な可塑性を有す
    ると共に前記塑性変形した際に弾力性を有する発泡合成
    樹脂からなるシート状素材に、吸水性不織布を重ねて一
    体化したものからなる足裏の土踏まず部支持用の履物用
    部分中敷。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の履物用部分中敷におい
    て、シート状素材に代えて、前記シート状素材にセラミ
    ックス粉体を含有する遠赤外線放射性シートを重ねて一
    体化した積層シートを用いたことを特徴とする履物用部
    分中敷。
  10. 【請求項10】 請求項8または9に記載の履物用部分
    中敷の表面に、粒状磁石を固定して設けた履物用部分中
    敷。
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