JP3025158U

JP3025158U - 履物

Info

Publication number: JP3025158U
Application number: JP1995013430U
Authority: JP
Inventors: 里枝安田
Original assignee: 里枝安田
Priority date: 1995-11-24
Filing date: 1995-11-24
Publication date: 1996-06-11
Anticipated expiration: 2001-11-24

Abstract

(57)【要約】【課題】足の裏にかかる荷重を分散して、荷重の分布を
均等な分布に近付けるようにすることで、履き心地を良
くし、長時間の着用にも堪えるようにすること。【解決手段】履物台２の接足面に、該接足面と接する足
の裏の形状に対応するように起伏する、荷重分散踏面４
を形成した、簡易な履物１。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は、例えばスリッパやサンダルの様な、簡易な履物の技術分野に属する。

【０００２】

【従来の技術】

スリッパは、スリッパ台の前部に、前部全体を被覆する甲皮を取付けて構成されている。そして、上述のスリッパ台は、踵に対応する部分がやや厚く形成されてはいるものの、接足面は全体として平らである。しかも、スリッパ台の前部は、左右対称形状であって、履く際に左右の別はない。このため次のような問題点がある。

【０００３】履いた時に足の裏の特定部分のみに集中荷重がかかり、血行が阻害され、痛みや疲労、冷えを感じ、長時間の着用に堪えない。特に寒い時の入学式や卒業式などのセレモニーの場では、辛いことがよくあった。

【０００４】また、スリッパ台の爪先に対応する部分が左右対称であるという構成も、上述の難点の大きな要因である。すなわち、足の大きさによっては爪先部分が閉じる方向に力を受け圧縮されるからで、特に冷たさに対しては我慢するより仕方なかった。

【０００５】

【解決すべき課題及びそのための手段】

そこで、この考案は、足の裏に係る荷重を分散して、荷重の分布を均等な分布に近付けるようにすることで、履き心地を良くし、長時間の着用にも堪えるようにすることを主たる課題とする。

【０００６】そのための手段は、履物台の前部に甲皮を有した履物であって、前記履物台の接足面に、該接足面と接する足の裏の形状に対応するように起伏する荷重分散踏面を形成した履物であることを特徴とする。

【０００７】またの構成は、履物台の前部に甲皮を有した履物であって、前記履物台の接足面全体に、該接足面と接する足の裏全体の形状に対応するように起伏する、荷重分散踏面を凹状に形成した履物であることを特徴とする。

【０００８】なお、履き心地の向上を図るべく、前記荷重分散踏面を形作る履物台の上部を、クッション材で形成するもよく、また前記荷重分散踏面を、接着剤を介し、被覆布で被覆して形成するもよい。さらに、足の裏のツボを刺激できるようにすべく、前記荷重分散踏面を、足の裏を押圧刺激する同一形状の多数の突起で形成するもよい。

【０００９】具体的には例えば、履物台の前部に甲皮を有した履物において、前記履物台を、接地面を有したシート状の底部材と、接足面を有する上部材とで形成し、該上部材を、上面に、接する足の裏全体の形状に対応するように起伏して、上記接足面に荷重分散踏面を形成する踏面形成面を有した、軟質合成樹脂製の荷重分散踏面形成部材の上面に、シート状のクッション材を重合するとともに、接着剤を介し、被覆布を被覆して上記荷重分散踏面を形成するとよい。

【００１０】

【作用及び効果】

すなわち、上述の構成によると、履物台の接足面に荷重分散踏面を形成しているので、足の裏の所定部分にかかるだろう集中荷重を分散して、荷重の分布を均等な分布に近付けるようにする事ができる。この結果、血行が阻害されるようなことはなく、フィット感のある良好な履き心地を得ることができ、長時間着用しても、痛みや疲労、冷え等を感じることのない、簡易でありながらも、格別な履物を得ることができる。しかも、従来の場合とは異なり、足の指を自然な形に伸ばすことができるので、上述の効果を助長するとともに、外反拇趾や水虫に対しても効果がある。

【００１１】また、請求項３や請求項６のように構成すると、履いた時にクッション材が弾力を与えることができるので、履き心地をより一そう良好にし、足との一体感を増すことができる。

【００１２】さらに、請求項４のように構成すると、被覆布の感触が得られ履き心地が良好であるとともに、被覆布がずれることを阻止して外観も美麗となる。

【００１３】さらにまた、請求項５のように構成すると、足の裏の多数のツボを刺激することができ、健康の増進にも貢献する。しかも、形成する多数の突起は、すべて同一形状でよく、従来の健康サンダルのように部位に応じて高さを変える必要がないので、金型成形が安価に行なえ、コストを低く抑えることができる。

【００１４】

【実施例】

この考案の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。図１は、一足の履物１の斜視図であり、履物台２の前部には、前部全体を包む甲皮３を有し、履物台２の接足面全体には、該接足面と接する足の裏全体の形状に対応するように起伏する、荷重分散踏面４を凹状に形成している。すなわちこの履物１は、左用のもの１ａと、右用のもの１ｂとからなる。

【００１５】そして、履物台２は、底部材５と上部材６とからなり、底部材５はウレタン等の素材でシート状に形成されている。

【００１６】上部材６は、図２に示したように、荷重分散踏面形成部材７と、クッション材８と、被覆布９とからなっている。荷重分散踏面形成部材７は、例えばＥＶＡ樹脂のような軟質合成樹脂を金型成形して形成されるもので、図３に平面図で示したように、所定の荷重分散踏面４を形成する踏面形成面１０を上面に有している。

【００１７】踏面形成面１０は、足の裏の形状Ａが図２に仮想線で示すようなものである場合、これより数ミリ湾曲が大きく、相互に相似となる様に形成する。これは、スポンジ等からなる上述のクッション材８を重合して、荷重分散踏面４を形作る履物台２の上部をクッション材８で形成するからであり、このクッション材８は、足の裏の形状Ａと踏面形成面１０との大きさの違いが厚みとなるシート状である。素材にもよるが、例えば３〜４mmでよい。

【００１８】そしてこれら荷重分散踏面形成部材７とクッション材８との表面には、前述の被覆布９を被覆する。この被覆に際しては、接着剤を塗布して、被覆布９が一体になってずれることのないようにしている。前述の甲皮３は、上述の被覆布９と同一の生地で形成されており、底部材５と上部材６とを接合する時に、これらの間に端部を挟み込んで取付ける。

【００１９】このように構成した履物１では、履物台２の接足面に荷重分散踏面４を形成しているので、足の裏の所定部分にかかるだろう集中荷重を分散して、荷重の分布を均等な分布に近付けるようにする事ができる。この結果、血行が阻害されるようなことはなく、フィット感のある良好な履き心地を得ることができ、長時間着用しても、痛みや疲労、冷え等を感じることのない、簡易でありながらも、格別な履物１を得ることができる。しかも、従来の場合とは異なり、足の指を自然な形に伸ばすことができるので、上述の効果を助長するとともに、外反拇趾や水虫に対しても効果がある。

【００２０】その上、クッション材８を備えているので、履いた時に弾力を与えることができ、履き心地をより一そう良好にし、足との一体感を増すことができる。また、被覆布９によっても、よい感触が得られ履き心地が良好になるとともに、被覆布９がずれることはないので、外観も美麗となる。

【００２１】なお、荷重分散踏面４は、接足面全体に凹状に形成せず、適宜部分を凸にして形成するもよい。そのためには、例えば図４に示したような形状の荷重分散踏面形成部材７を形成するとよい。被覆布９に、起毛状のもの、若しくは長めの毛を有するものを使用すると、荷重分散踏面４の凹凸は目立たなくなる。

【００２２】また、荷重分散踏面４を、足の裏を押圧刺激する同一形状の多数の突起１１… で形成するもよい。すなわち、図５に示したように、上部材６を荷重分散踏面形成部材７と突起シート１２とで構成し、突起１１…の頂点を結ぶ面が荷重分散踏面４となるようにする。この場合、踏面形成面１０は、足の裏の形状Ａよりも突起の高さ分だけ大きく湾曲させて形成し、この踏面形成面１０に突起シート１２を接着剤で重合する。

【００２３】このように構成すると、足の裏の多数のツボを刺激することができ、健康の増進にも大井に貢献する。しかも、突起シート１２の突起１１…は、すべて同一形状でよく、従来の健康サンダルの場合のように部位に応じて高さを変える必要がないので、金型成形が安価に行なえ、コストを低く抑えることができる。なお、踏面形成面１０と突起シート１２との間に前述のようなクッション材８を介在させて、弾力を付与できるようにするもよい。なお、以上の実施例は、室内用に適するような図で説明したが、底部材５を変えることで、室外用としも充分に使用できるものとなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】履物の斜視図。

【図２】履物の断面図。

【図３】荷重分散踏面形成部材の平面図。

【図４】他の例に係る荷重分散踏面形成部部材の斜視
図。

【図５】他の例に係る履物の断面図。

【符号の説明】

１…履物２…履物台３…甲皮４…荷重分散踏面５…底部材６…上部材７…荷重分散踏面形成部材８…クッション材９…被覆布１０…踏面形成面１１…突起Ａ…足の裏の形状

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】履物台の前部に甲皮を有した履物であっ
て、前記履物台の接足面に、該接足面と接する足の裏の
形状に対応するように起伏する荷重分散踏面を形成した
履物。
【請求項２】履物台の前部に甲皮を有した履物であっ
て、前記履物台の接足面全体に、該接足面と接する足の
裏全体の形状に対応するように起伏する、荷重分散踏面
を凹状に形成した履物。
【請求項３】前記荷重分散踏面を形作る履物台の上部
を、クッション材で形成した請求項１または請求項２に
記載の履物。
【請求項４】前記荷重分散踏面を、接着剤を介し、被覆
布で被覆して形成した請求項１から請求項３のうちのい
ずれか一項に記載の履物。
【請求項５】前記荷重分散踏面を、足の裏を押圧刺激す
る同一形状の多数の突起で形成した請求項１または請求
項２に記載の履物。
【請求項６】履物台の前部に甲皮を有した履物であっ
て、前記履物台を、接地面を有したシート状の底部材
と、接足面を有する上部材とで形成し、該上部材を、上
面に、接する足の裏全体の形状に対応するように起伏し
て、上記接足面に荷重分散踏面を形成する踏面形成面を
有した、軟質合成樹脂製の荷重分散踏面形成部材の上面
に、シート状のクッション材を重合するとともに、接着
剤を介し、被覆布を被覆して上記荷重分散踏面を形成し
た履物。