JP3027768U - 健康スリッパ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】従来の健康スリッパは、中底の表面に多数の突
起を形成していたため、足裏にたいする刺激が強すぎて
不快感を伴うとともに、足裏が角質化したりまめができ
ることがあった。このような従来の欠点がなく、足にな
るべくフィットして履き心地がよく、適度な刺激が得ら
れるようにすることを目的とする。 【解決手段】本底１の上面に布地２及び芯材３からなる
表装材４を装着してなるスリッパにおいて、表装材の表
面に中底５を装着する。中底５は、透明で柔軟な合成樹
脂材料で一体に成形し、その表面には足幅方向に連続す
る突条６，６を形成する。そして、各突条６，６は、全
体的に足裏表面に沿うべく高さが変化するように形成す
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は、足裏表面を刺激する突出部分を有する健康スリッパに関する考案 である。

【０００２】

【従来の技術】

従来から、スリッパやサンダル（以下単にスリッパという）において、中底表 面に多数の小さな突起を形成しておき、履いたときに自分の体重で足裏表面に刺 激を与える健康スリッパが知られている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来の小さな突起を多数形成した健康スリッパでは、突起の先端に体重が集中 的にかかることから、履き慣れない人や肌の弱い人には、刺激が強すぎて必ずし も履き心地が良いものではなかった。

【０００４】 また、従来の健康スリッパを長く履いていると、突起の当たる部分が継続的な 刺激によって皮膚が厚くなり、刺激効果が半減する。特に、従来の健康スリッパ を常用する人や角質化しやすい体質の人手では、「たこ」になってしまうという 支障を生じることがあった。

【０００５】 本考案は、上記従来の健康スリッパの欠点に鑑み、足裏になじみ易くて履き心 地がよく、かつ足裏に適度な刺激を与えることができる健康スリッパを提供する ことを目的とするものである。また、別の目的は、従来の突起を形成した健康ス リッパのようにごつごつとした印象がなく、見栄えのよい健康スリッパを提供す ることを目的とするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するため、本考案では、本底１の上面に布地２及び芯材３から なる表装材４を装着してなるスリッパにおいて、表装材４の表面に合成樹脂材料 で成形した中底５を装着し、この中底５の表面に足幅方向に多数の突条６，６を 形成する。そして、突条６，６は足裏表面の曲面に沿うように高さに変化を持た せる。

【０００７】 合成樹脂材料で成形する中底５は、弾力性のある透明な合成樹脂材料を採用し て外周部に平面の鍔７の領域を形成し、少なくとも突条６，６が形成される領域 において、表装材４との間に空間を形成するとよい。

【０００８】

【考案の実施の形態】

以下、本考案健康スリッパの好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて説 明する。 図１は平面図、図２は図１のＡ−Ａ線断面図、図３は図１のＢ−Ｂ線断面図で ある。

【０００９】 スリッパは、例えばエチレンビニールアセテートなどの適度なクッション性や 強度を備えた本底１の表面に、強度やクッション性を備えた芯材３と装飾性を備 えた布地２とで構成する表装材４を貼着して一体化するとともに、甲皮８固定し て完成するのが普通である。 本考案では、表装材４の表面に合成樹脂材料で成形した中底５を装着する。こ の中底５は、板状であってその表面に細い竹を横方向に配列した如く、断面略半 円形状の突条６，６を多数形成する。

【００１０】 中底５は、例えば全体を適当な色の硬質もしくは軟質の合成樹脂材料で、少な くとも足裏が当たる範囲に足幅方向に、多数の突条６，６を中実の状態で成形し て表装材４の表面に貼着するようなものであってもよい。しかしながら、履き心 地や製造の容易さ、見栄えの良さなどから、図示実施の形態においては次のよう に構成している。

【００１１】 まず、中底５は透明で軟質の合成樹脂材料で板状に成形し、外周部分を平板の 鍔７とし、突条部分を含め全体をほぼ一定の厚みで形成することにより、突条６ の下方には、装着する表装材４表面との間に空間が形成されるようにする。 製造する場合には、芯材３の表面に布地２がコーティングされた表装材４と中 底５を重ね合わせ、周縁の平面的な鍔７部分、すなわち外周縁を縁取りテープ９ で巻いて全体を縫製して一体化し、これを本底１に貼着することによって比較的 簡単に製造することができる。

【００１２】 また、中底６の突条６は足裏表面に馴染むように、高さが変化するものとして いる。高さの変化は、足丈方向と足幅方向の両方に立体的に変化し、足裏の曲面 にフィットするようにする。すなわち、図２に示すように、足丈方向における高 さの変化は、隣接する突条６，６相互の高さの変化を意味し、高さに合った突条 先端の丸みを実現するために、突条の幅の変化を伴うものとしている。そして各 突条６の形状は、細い竹をイメージして足幅の左右端部が当接する部分に竹の節 を模した突起10を形成している。

【００１３】 突条６，６の具体的な高さの変化は、図１及び図２に示すように踵及び爪先部 分を低く、土踏まず及び足指部分を高く形成する。すなわち、図１の土踏まず領 域Ｘと足指領域Ｙとを比較的高く形成し、全体に足裏形状に合った高さとする。 足裏では、指の付け根部分に最も力が掛かり皮膚が角質化しやすいが、足指領域 Ｙを高くすることによって、足先全体が中底に接して力が分散される。これによ り、中底が足裏に満遍なく接して履き心地のよいものとなり、かつ突条の先端つ まり線上に荷重がある程度集中することから適度な刺激が得られ、かつ歩行によ る足裏と突起の摺動によって血行が促進されることになる。

【００１４】 さらに、中底５全体を透明な軟質の合成樹脂材料で成形し、かつ突条６と表装 材４との間に空間を形成すると、適度なクッション性も得られることから、従来 の健康スリッパに比較して格段に履き心地のよいものとなるとともに、突条６部 分が凸レンズ的な作用を行って布地２の模様が透けて見え、独特の趣を醸し出す 意匠的な効果を発揮することになる。

【００１５】 なお、上記中底に関連する部分以外のスリッパの構造については、特に限定す るものではないが、本底の厚みは爪先と踵が１対２もしくは厚みの差が10ミリメ ートル程度とするのが履きやすく、甲皮の裏面などには抗菌処理を施しておくの が好ましい。

【００１６】

【考案の効果】

請求項１記載の本考案健康スリッパによれば、従来のように多数の突起が形成 されていたものに比較して、足裏に対する刺激が強すぎずに履きやすく、常用し た場合でも足裏が角質化してたこができるような可能性をできるだけ回避するこ とができる。

【００１７】 請求項２記載の考案によれば、中底の鍔部を縫製等に利用し、製造が容易であ るとともに、全体的なクッション性を確保することができ、突条が足裏全体によ り快適にフィットした状態で使用することができる。

【００１８】 請求項３記載の考案によれば、中底を透かしてその下の布地の模様をみること ができ、かつその見え方が棒状の凸レンズのような効果を発揮し、一種独特の意 匠的効果を発揮することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案健康スリッパの平面図、

【図２】図１のＡ−Ａ線断面図、

【図３】図１のＢ−Ｂ線断面図。

【符号の説明】

１…本底、 ２…布地、 ３…芯材、 ４…表装材、
５…中底、 ６…突条、 ７…鍔、 ８…甲皮、 ９…
縁取りテープ、 10…突起、 Ｘ…土踏まず領域、 Ｙ
…足指領域。

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】本底１の上面に布地２及び芯材３からなる
   表装材４を装着してなるスリッパにおいて、表装材４の
   表面に合成樹脂材料で成形した中底５を装着し、該中底
   ５の表面には断面略半円状の突条６，６を足幅方向に多
   数形成するとともに、該突条６，６は足裏表面の曲面に
   沿うべく高さに変化を持たせたことを特徴とする健康ス
   リッパ。
2. 【請求項２】合成樹脂材料で成形する中底５は、弾力性
   のある合成樹脂材料を採用して外周部に平面の鍔７の領
   域を形成し、少なくとも突条６，６が形成される領域に
   おいて、表装材４との間に空間を形成してなる請求項１
   記載の健康スリッパ。
3. 【請求項３】中底５は、全体を透明な合成樹脂材料で成
   形してなる請求項１又は２記載の健康スリッパ。