JPH1125029A - メモリサブシステム - Google Patents

メモリサブシステム

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JPH1125029A
JPH1125029A JP9179969A JP17996997A JPH1125029A JP H1125029 A JPH1125029 A JP H1125029A JP 9179969 A JP9179969 A JP 9179969A JP 17996997 A JP17996997 A JP 17996997A JP H1125029 A JPH1125029 A JP H1125029A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高速のデータ送信が可能なメモリシステムを
簡単な構成で実現する。 【解決手段】 クロック源10と、クロックに同期して
動作する少なくとも1つのメモリ13と、メモリとのデ
ータの入出力を制御するコントローラ12と、データ信
号線16a と、クロック信号線18と、データストローブ信
号線17b とを備え、コントローラ12は書込データを伝送
する時にはクロックの変化エッジで書込データを変化さ
せ、メモリ13は読出データを伝送する時には、データス
トローブ信号の変化エッジで読出データを変化させるメ
モリサブシステムにおいて、クロック信号線18はクロッ
ク遅延回路71を備え、データストローブ信号線17b は、
データストローブ遅延回路72を備え、メモリはクロック
の変化エッジで書込データを取込むデータ入力回路32を
備え、コントローラは、データストローブ信号の変化エ
ッジで読出データを取込むデータ入力回路33を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クロックに同期し
て動作するメモリ又はそのようなメモリを複数個搭載し
て大容量のメモリとして機能するメモリモジュールを使
用して構成するメモリサブシステムに関し、特に簡単な
機構で高速のデータ転送が可能なメモリサブシステムに
関する。
【0002】
【従来の技術】半導体装置を使用したコンピュータ等の
大規模な半導体装置システムでは、システムの各部分が
クロックに同期して動作するように構成されており、デ
ータ信号やアドレス信号等の信号の入出力はクロック信
号に同期して行われる。図1は、SDRAMなどのクロ
ックに同期して動作するメモリを使用して構成したメモ
リサブシステムの従来の構成例を示す図である。図示の
ように、コントローラ12からは、コマンド信号が印加
される制御信号バス14、アドレス信号が印加されるア
ドレス信号バス15、及びデータ信号が印加されるデー
タ信号バス16が延びており、これらの配線に沿ってメ
モリ13−1、13−2、…、13−mが配置され、各
メモリはこれらの配線に接続される。クロック発生回路
10はシステムを構成する各要素に供給するクロックを
発生させる回路で、クロック発生回路10で発生された
クロックはクロック分配回路11を介して、コントロー
ラ12、及びメモリ13−1、13−2、…、13−m
に供給される。近年、複数のメモリ素子を搭載し、大容
量で高速のアクセスが可能なメモリとして機能するDI
MM(Dual Inline Memory Module)が使用されている
が、これをメモリ13−1、13−2、…、13−mの
代わりに使用することも可能である。
【0003】図1のクロック分配システム11は、分配
されたクロックがすべて同一の位相になるように、クロ
ック発生回路10からコントローラ12、及びメモリ1
3−1、13−2、…、13−mに至る配線長及び負荷
が等しい等長配線回路である。図2は、説明を容易にす
るため、図1のシステムにおいてメモリが1個とした場
合の構成、及びコントローラ12とメモリ13の内部の
構成を示す図であり、ここでは2つの構成例が示されて
いる。なお、以下の説明では、データ信号の最小変化周
期はクロックの半周期であり、クロックの立ち上がりエ
ッジと立ち下がりエッジの両方のエッジに同期してデー
タが変化するダブルデータレート(DDR)方式のSD
RAMを使用する場合の例を説明することとする。従っ
て、データ信号の入力回路は、データ信号の変化から最
小変化周期の1/2、すなわちクロックの1/4周期
(90°)ずれたタイミングでデータ信号を取り込むの
が最適なタイミングであるとする。また、データ信号以
外のコマンド信号やアドレス信号の最小変化周期はデー
タ信号の最小変化周期より長いため、これらの信号の取
込みのタイミングはあまり問題にならない。そこで、こ
れらの信号の伝送については従来と同じ構成が使用され
るので、ここでは説明を省略するものとする。更に、説
明を容易にするため、データ信号バスを、コントローラ
12からメモリ13に書き込む書込データを伝送する書
込データバス16aと、メモリ13からコントローラ1
2に送る読出データを伝送する読出データバス16bと
に分けて示すが、書込データと読出データを同一のデー
タバスで伝送することも可能である。
【0004】図2の(1)の構成例では、メモリ13に
データを書き込む場合には、コントローラ12は、シフ
トクロック発生回路21でクロック発生回路10の供給
するクロックCLKから1/4周期ずれたシフトクロッ
クを発生させ、メモリ13に書き込む書込データDin
をデータ出力回路22からシフトクロックに同期して書
込データバス16aに出力する。メモリ13は、データ
入力回路32でこの書込データDinをクロックCLK
に同期して取り込む。メモリ13からデータを読み出す
場合には、メモリ13は、シフトクロック発生回路31
でクロック発生回路10の供給するクロックCLKから
1/4周期ずれたシフトクロックを発生させ、内部回路
34で発生された読出データDoutを、データ出力回
路33からシフトクロックに同期して読出データバス1
6bに出力する。コントローラ12は、データ入力回路
23でこの読出データDoutをクロックに同期して取
り込む。
【0005】図3は、図2の(1)に示した構成例にお
けるデータの入出力動作を示すタイムチャートである。
(a)を付したDinとDoutはコントローラ12側
のデータであることを、(b)を付したDinとDou
tはメモリ13側のデータであることを示す。これは以
下の図でも同じである。図示のように、コントローラ1
2から出力された書込データDin(a)は、クロック
CLKの変化エッジから1/4周期ずれた時点で変化し
ている。すなわち、クロックCLKの変化エッジが、書
込データDin(a)の最適な取込みタイミングに位置
している。書込データDin(a)は、メモリ13まで
の距離に対応する伝搬時間を経過してメモリ13に到達
し、書込データDin(b)となる。メモリ13に供給
されるクロックCLKは、コントローラ12に供給され
るクロックCLKと同一位相であるから、データ入力回
路32は最適なタイミングから上記の伝搬時間分ずれた
タイミングで書込データDinを取り込むことになる。
【0006】逆に、メモリ13からデータを読み出す時
には、コントローラ12からメモリ13にクロックCL
Kの立ち上がりエッジに同期してアドレス信号などの信
号が伝送され、それに応じてメモリ13で必要な処理を
行って、アクセス時間tAC後から読出データDout
(b)がデータ出力回路33から読出データバス16b
に出力される。読出データDout(b)は上記の伝搬
時間分遅れてコントローラ12に到達し、Dout
(a)になる。コントローラ12は、クロックCLKの
次の立ち上がりエッジに同期してデータ入力回路23で
読出データDoutを取り込む。
【0007】図2の(1)に示した構成では、メモリ1
3側はクロックCLKを使用して書込データを取込み、
コントローラ12側は次のクロックの立ち上がりエッジ
を使用して読出データを取り込めばよく、構成が非常に
簡単であるが、クロック周波数が十分に小さい場合に
は、伝搬時間は無視でき、十分な余裕をもって伝送され
たデータを取り込むことができ、何ら問題は生じなかっ
た。
【0008】図2の(1)のシステムでは、データ信号
を出力する送信側がデータ信号の出力タイミングをずら
すことにより、受信側ではクロックのエッジに同期して
データ信号を取り込めるようにしたが、各種の変形が可
能である。例えば、図2の(2)は、送信はクロックの
エッジに同期して行い、受信はクロックのエッジからず
れたタイミングで行うようにした構成例である。図2の
(2)の構成においてデータを書き込む時には、コント
ローラ12はクロックCLKに同期してデータ出力回路
22から書込データを出力し、メモリはこの書込データ
をデータ入力回路32で、シフトクロック発生回路31
で発生されたずれたクロックに同期して取込む。データ
を読み出す時には、メモリ13はクロックCLKに同期
してデータ出力回路33から読出データを出力し、コン
トローラ12は、シフトクロック発生回路31で発生さ
れたずれたクロックに同期して、この読出データをデー
タ入力回路23で取り込む。更に、コントローラ12が
書込データの出力と読出データの取込みをずれたシフト
クロックに同期して行うようにすれば、メモリ13は書
込データの取込みと読出データの出力を共にクロックC
LKに同期して行うことができ、シフトクロック発生回
路はコントローラ12にのみ設ければよい。いずれにし
ろ、コントローラ12とメモリ13の一方又は両方にそ
れぞれシフトクロック発生回路が必要である。
【0009】上記のように、クロック周波数が小さい場
合には、信号のばらつきによるシフトクロック発生回路
21の精度の低下もほとんど問題にならず、単純な回路
構成でも問題は生じなかった。しかし、クロック周波数
が大きくなると、伝搬時間のクロック周期に対する割合
が大きくなり、信号の伝搬時間による取込みタイミング
のずれが問題になってくる。また、シフトクロック発生
回路におけるプロセスばらつきや温度の変動によるシフ
トクロックのずれが問題になってくる。
【0010】このような問題を解決する高速動作のため
のシステム構成がいくつか提案されており、図4はその
ようなシステムの構成例を示す図である。図4のシステ
ムは、基本クロックCLKとは別にデータストローブ信
号DQSを用いて、データの送信を行う方式を使用して
おり、書込データDinと読出データDoutの送信の
両方でデータストローブ信号DQSを使用する双方向方
式(バイディレクショナル方式)と呼ばれる方式を使用
する。コントローラ12は、クロックCLKから1/4
周期ずれた2つのシフトクロックを発生するシフトクロ
ック発生回路21と、書込データDinを一方のシフト
クロックCLKに同期して出力するデータ出力回路22
と、他方のシフトクロックを出力するストローブ信号出
力回路24と、メモリ13から送信されたストローブ信
号を受信するストローブ信号入力回路25と、ストロー
ブ信号入力回路25の受信したストローブ信号に同期し
てメモリ13から送信された読出データDoutを取り
込むデータ入力回路23とを有する。また、メモリ13
は、コントローラ12から送信されたストローブ信号を
受信するストローブ信号入力回路35と、書込データD
inをストローブ信号に同期して取り込むデータ入力回
路32と、クロックCLK及び内部回路34で発生する
読出データDoutが出力できる状態になったことを示
す信号から、1/4周期ずれた2つのシフトクロックを
発生するシフトクロック発生回路31と、読出データD
outを一方のシフトクロックCLKに同期して出力す
るデータ出力回路33と、他方のシフトクロックを出力
するストローブ信号出力回路36とを有する。書込デー
タを伝送する書込データバス16aと、読出データを伝
送する読出データバス16bと、ストローブ信号を伝送
するストローブ信号線17は、同じ伝搬時間になるよう
に並行に等長配線されている。
【0011】図5は図4のシステムにおける書込データ
の伝送動作を示すタイムチャートである。書込データの
伝送する時、コントローラ12はデータ出力回路22か
ら書込データDin(a)を、ストローブ信号出力回路
24からデータストローブ信号DQS(a)を出力す
る。図5に示すように、書込データDin(a)とデー
タストローブ信号DQS(a)は、1/4周期ずれてい
る。従って、データストローブ信号DQSの変化エッジ
は、書込データDinを取り込むのに最適なタイミング
である。なお、データストローブ信号DQSとクロック
CLKとの間には一定の位相関係はない。書込データD
in(a)とデータストローブ信号DQS(a)がメモ
リ13に伝送されても、書込データバス16aとデータ
ストローブ信号17は並行に設けられているため、ほと
んどスキューは生ぜず、そのままの位相関係を維持され
る。従って、メモリ13における書込データDin
(b)とデータストローブ信号DQS(b)は、書込デ
ータDin(a)とデータストローブ信号DQS(a)
を伝送時間分送らせた信号である。そのため、メモリ1
3のデータ入力回路32でストローブ信号入力回路35
で受信したストローブ信号に同期して書込データを取り
込めば最適なタイミングで取り込むことができる。メモ
リ13に取り込まれた書込データの内部回路34への書
込は、取り込んだ後のクロックCLKの立ち上がりエッ
ジから開始される。
【0012】図6は図4のシステムにおける読出データ
の伝送動作を示すタイムチャートである。読出データの
伝送する時、メモリ13はデータ出力回路33から読出
データDout(b)を、ストローブ信号出力回路36
からデータストローブ信号DQS(b)を出力する。図
6に示すように、読出データDout(b)とデータス
トローブ信号DQS(b)は、1/4周期ずれている。
従って、データストローブ信号DQSの変化エッジは、
読出データDoutを取り込むのに最適なタイミングで
ある。なお、データストローブ信号DQSとクロックC
LKとの間には一定の位相関係はない。読出データDo
ut(b)とデータストローブ信号DQS(b)がコン
トローラ12に伝送されても、読出データ信号線16b
とデータストローブ信号線17は並行に設けられている
ため、ほとんどスキューは生ぜず、そのままの位相関係
を維持される。従って、コントローラ12における読出
データDout(a)とデータストローブ信号DQS
(a)は、読出データDout(b)とデータストロー
ブ信号DQS(b)を伝送時間分送らせた信号である。
そのため、コントローラ12のデータ入力回路23でス
トローブ信号入力回路25で受信したストローブ信号に
同期して読出データを取り込めば最適なタイミングで取
り込むことができる。コントローラ12に取り込まれた
読出データのCPUでの処理は、取り込んだ後のクロッ
クCLKの立ち上がりエッジから開始される。
【0013】以上のように、図4の双方向ストローブ方
式であれば、いずれの方向にデータを伝送する場合も、
データと同じ方向に取込みに適したストローブ信号が出
力されるので、常に最適なタイミングで送信データを取
り込むことができる。但し、図2の回路と同様に、図4
の回路は、コントローラ12とメモリ13にそれぞれ1
/4位相ずれた2つのシフトクロックを発生させるため
のシフトクロック発生回路を設ける必要がある。更に、
ストローブ信号を伝送するためのストローブ信号線及び
その入力回路と出力回路が必要である。
【0014】図7は、高速動作のためのシステムの別の
構成例を示す図である。このシステムは、メモリ13へ
はコントローラ12からクロックCLKを供給し、クロ
ックCLKを供給するためのクロック信号線18を書込
データバス16aに並行に設ける。そして、コントロー
ラ12からメモリ13への書込データの伝送は、クロッ
クCLKを1/4周期ずらした信号に同期して行う。メ
モリ13からコントローラ12への読出データの伝送
は、図4のシステムと同様に、データストローブ信号D
QSに同期して行い、一緒にメモリ13からコントロー
ラ12へデータストローブ信号を伝送する。この方式
は、一方のデータ信号(ここでは読出データ)の伝送に
のみデータストローブ信号DQSを使用するため、片方
向方式(ユニディレクショナル方式)と呼ばれる。コン
トローラ12は、受信したクロックCLKをクロック信
号線18をに印加するクロック出力回路27と、クロッ
クCLKから1/4周期ずれたシフトクロックを発生す
るシフトクロック発生回路21と、書込データDinを
シフトクロックCLKに同期して出力するデータ出力回
路22と、メモリ13から送信されたストローブ信号を
受信するストローブ信号入力回路25と、ストローブ信
号入力回路25の受信したストローブ信号から1/4周
期ずれたシフトクロックを発生するシフトクロック発生
回路26と、シフトクロック発生回路26の出力するシ
フトクロックに同期して、メモリ13から送信された読
出データDoutを取り込むデータ入力回路23とを有
する。また、メモリ13は、コントローラ12から送信
されたクロック信号CLKを受信するクロック入力回路
37と、書込データDinをクロック信号CLKに同期
して取り込むデータ入力回路32と、読出データDou
tをクロック入力回路37の出力するクロックCLKに
同期して出力するデータ出力回路33と、クロック入力
回路37の出力するクロックCLKをストローブ信号と
して出力するストローブ信号出力回路36とを有する。
クロックCLKを伝送するクロック信号線18と、書込
データを伝送する書込データバス16aと、読出データ
を伝送する読出データバス16bと、ストローブ信号を
伝送するストローブ信号線17bは、同じ伝搬時間にな
るように並行に等長配線されている。
【0015】図8は図7のシステムにおける書込データ
の伝送動作を示すタイムチャートである。コントローラ
12はクロック出力回路27からクロックCLKを常時
出力し、出力書込データの伝送する時には、データ出力
回路22から書込データDin(a)を出力する。図8
に示すように、書込データDin(a)とクロックCL
Kは、1/4周期ずれている。従って、クロックCLK
の変化エッジは、書込データDinを取り込むのに最適
なタイミングである。書込データDin(a)とクロッ
クCLKがメモリ13に伝送されても、書込データ信号
線16aとクロック信号線18は並行に設けられている
ため、ほとんどスキューは生ぜず、そのままの位相関係
を維持される。従って、メモリ13における書込データ
Din(b)とクロックCLK(b)は、書込データD
in(a)とクロックCLK(a)を伝送時間分送らせ
た信号である。そのため、メモリ13のデータ入力回路
32でクロック入力回路37で受信したクロック信号C
LKに同期して書込データを取り込めば最適なタイミン
グで取り込むことができる。
【0016】図9は図7のシステムにおける読出データ
の伝送動作を示すタイムチャートである。読出データの
伝送する時、メモリ13はデータ出力回路33から読出
データDout(b)を、ストローブ信号出力回路36
からデータストローブ信号DQS(b)を出力する。図
9に示すように、書込データDout(b)とデータス
トローブ信号DQS(b)は、1/4周期ずれている。
従って、データストローブ信号DQSの変化エッジは、
書込データDoutを取り込むのに最適なタイミングで
ある。書込データDout(b)とデータストローブ信
号DQS(b)がコントローラ12に伝送されても、読
出データ信号線16bとデータストローブ信号17は並
行に設けられているため、ほとんどスキューは生ぜず、
そのままの位相関係を維持される。従って、コントロー
ラ12における読出データDout(a)とデータスト
ローブ信号DQS(a)は、書込データDout(b)
とデータストローブ信号DQS(b)を伝送時間分送ら
せた信号である。そのため、コントローラ12のデータ
入力回路23でストローブ信号入力回路25で受信した
ストローブ信号に同期して書込データを取り込めば最適
なタイミングで取り込むことができる。
【0017】以上のように、図7の片方向ストローブ方
式では、いずれの方向にデータを伝送する場合も、常に
最適なタイミングで送信データを取り込むことができ
る。以上、3つの従来例を説明したが、いずれの従来例
においても、位相がデータ信号の最小変化周期の1/2
ずれたシフトクロックを発生させることが必要である。
具体的には、データ信号の最小変化周期がクロックの周
期と同じであれば、クロックと正確に位相が一致した信
号と1/2周期(180°)ずれた信号が必要である。
データ信号の最小変化周期がクロックの1/2周期で、
クロックの立ち上がりエッジと立ち下がりエッジの両方
でデータ信号が変化するDDR−SDRAMの場合に
は、具体的には位相が0又は1周期(360°)、1/
4周期(90°)、1/2周期(180°)、3/4周
期(270°)のシフトクロックを発生させることが必
要である。正確にこのような位相ずれた信号を発生させ
るためには、DLL(Delay Locked Loop) 回路が使用さ
れる。
【0018】図10は、クロックCLKから等位相(0
°)のシフトクロックと、1/4周期(90°)ずつず
れたシフトクロックを発生させるDLL回路の基本構成
を示す図である。図10において、参照番号41は0°
位相のシフトクロックを発生させるDLL回路であり、
51は90°ずつずれた4つのシフトクロックを発生さ
せるDLL回路である。
【0019】0°DLL回路41は、クロックCLKを
遅延させ、遅延量が調整できるディレイ回路42と、デ
ィレイ回路42の出力する遅延クロックとクロックCL
Kの位相を比較する位相比較回路43と、位相比較回路
43の比較結果に基づいて2つのクロックの位相が一致
するようにディレイ回路42での遅延量を段階的に変化
させるディレイ制御回路44とを有する。ディレイ回路
42の出力する遅延クロックとクロックCLKの位相が
一致した時には、ディレイ回路42の出力する遅延クロ
ックは、クロックCLKに対して1周期遅れた信号であ
る。ディレイ回路42は微少な遅延量を有する遅延素子
を多数直列に接続し、各段から出力が取り出せるように
スイッチを設けた回路で、どのスイッチを動作させてど
の段から出力を得るかにより、遅延量が変化させられ
る。
【0020】90°DLL回路51は、0°位相のシフ
トクロックを得るための0°DLL回路と同じ構成であ
るが、ディレイ回路を4分割して4個の1/4ディレイ
回路52、53、54、55とし、前段の出力が後段の
入力になるように直列に接続してある。ディレイ制御回
路57は、4分割された各1/4ディレイ回路の遅延量
が同一になるように同時に制御している。位相比較回路
56は、最初の1/4ディレイ回路52に入力されるク
ロック信号φと最終の1/4ディレイ回路55から出力
される信号の位相を比較する。ディレイ制御回路57は
比較結果に基づいて2つの信号の位相が一致するように
4つの1/4ディレイ回路の遅延量を制御する。2つの
信号の位相が一致した時には、各1/4ディレイ回路の
出力は1/4周期ずつずれている。このようにして、1
/4周期ずつずれたシフトクロックが得られる。
【0021】このように、DLL回路を使用することに
より、正確に所定位相ずれた信号を得ることができる
が、DLL回路は、かなり複雑で回路規模の大きな回路
で、チップ面積も大きく、消費電力も大きい。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】以上説明した従来例で
は、いずれもコントローラ内部又はメモリ、又は両方
に、例えば1/4周期位相のずれた信号を発生させるシ
フトクロック発生回路を設けて、適当なタイミングで送
信データを取り込めるようにしており、正確に所定位相
ずれた信号を発生させるためには、DLL回路を使用す
る必要がある。DDR−SDRAMの場合、立ち上がり
エッジと立ち下がりエッジの両方を基準にしてデータを
送信し、取り込む必要がある。
【0023】供給されるクロックのデューティ比が正確
に50%の場合は、そのままクロックの立ち上がりエッ
ジと立ち下がりエッジを使用でき、クロックの立ち上が
りエッジと立ち下がりエッジから1/4周期位相のずれ
た信号を発生させる。そこで図10に示した90°DL
L回路51を使用することになる。また、クロックのデ
ューティ比が50%からずれている時には、まず1/2
周期(180°)位相の異なる信号を発生させ、その後
その信号から1/4周期位相のずれた信号を発生させる
ことが考えられるが、この場合には2個のDLL回路が
必要になる。このようなDLL回路を2回使用すると、
ディレイ回路の最小変化量で決定されるDLLのジッタ
が2倍になり、シフトクロックの精度が悪化するという
問題がある。
【0024】そこで、やはり図10に示した90°DL
L回路51を使用して、1/4周期(90°)ずれた信
号と1/2周期(180°)ずれた信号を発生させる。
しかし、図10に示した90°DLL回路51は、DL
L回路が4段に接続されており、各DLL回路の最小変
化量の4倍のジッタが発生するため、シフトクロックの
精度が低くなるという問題がある。
【0025】更に、DLL回路は、上記のように、複雑
な回路であり、このような回路をコントローラ及びメモ
リに設けると、チップ面積が増大してコストアップにな
ると共に、消費電力も増大するという問題を生じる。本
発明は、このような問題を解決するためのもので、高速
のデータ送信が可能なメモリシステムを簡単な構成で実
現することを目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】本発明のメモリサブシス
テムは、上記目的を実現するため、コントローラ又はメ
モリからデータを出力する場合には、クロック又はデー
タストローブ信号に同期してデータを出力し、データ信
号線と並行に設けられたクロック信号線又はデータスト
ローブ信号線でクロック又はデータストローブ信号を伝
送するようにしたシステムにおいて、クロック信号線又
はデータストローブ信号線に所定の遅延を生じる遅延回
路を設けて、伝送先ではクロック又はデータストローブ
信号はデータ信号に対して取り込みに適した位相にな
り、受信したクロック又はデータストローブ信号でその
ままデータ信号を取り込めるようにする。このような構
成であれば、DLL回路を使用しないで、上記の問題は
生じない。また、DDR−SDRAMのように、クロッ
クの立ち上がりエッジと立ち下がりエッジの両方を基準
にしてデータを送信し、取り込む必要がある場合でも、
180°位相の異なる信号を発生させる180°DLL
回路のみを設ければよいので、ジッタの発生が低減され
る。
【0027】すなわち、本発明のメモリサブシステム
は、クロックを供給するクロック源と、クロックに同期
して動作する少なくとも1つのメモリと、メモリとのデ
ータの入出力を制御するコントローラと、コントローラ
とメモリの間でデータ信号を伝送するデータ信号線と、
データ信号線に並行に設けられ、メモリへクロックを伝
送するクロック信号線と、データ信号線に並行に設けら
れ、コントローラへデータストローブ信号を伝送するデ
ータストローブ信号線とを備え、コントローラにはクロ
ック源から前記クロックが供給され、コントローラは、
メモリへ書込データを伝送する時には、クロックの変化
エッジで書込データを変化させ、メモリは、コントロー
ラへ読出データを伝送する時には、データストローブ信
号の変化エッジで読出データを変化させるメモリサブシ
ステムにおいて、クロック信号線は、クロックに所定の
遅延を生じるクロック遅延回路を備え、データストロー
ブ信号線は、データストローブ信号に所定の遅延を生じ
るデータストローブ遅延回路を備え、メモリは、受信し
たクロックの変化エッジで書込データを取込むデータ入
力回路を備え、コントローラは、受信したデータストロ
ーブ信号の変化エッジで読出データを取込むデータ入力
回路を備えることを特徴とする。
【0028】上記の所定の遅延は、クロック又はデータ
ストローブ信号がデータ信号の取り込みに適した位相に
なる遅延であり、書込データ及び読出データの最小変化
周期の1/2の時間であり、DDR−SDRAMの場合
であれば、クロック周期の1/4の遅延である。遅延回
路は、信号線の信号伝搬時間を長くするように配線を長
くした回路又はディレイ素子を使用したディレイライン
で実現できる。
【0029】クロック信号線とデータストローブ信号線
は、インピーダンスが整合していることが望ましい。遅
延回路は、コントローラとメモリの間の部分に設けるこ
とが望ましいが、スペースの関係でコントローラとメモ
リの間に設けることができない場合には、コントローラ
とメモリの外側に設けることも可能である。
【0030】クロック信号線へのクロックの印加は、コ
ントローラ又はクロック源から行う。クロック源から行
う時には、コントローラに供給するクロックを分岐する
か、並行に行う。データストローブ信号として、メモリ
が受信したクロックを使用してもよい。その場合、メモ
リは読出データを伝送する時には、受信したクロックの
変化エッジで読出データを変化させ、データストローブ
信号線はメモリの付近でクロック信号線に接続される。
【0031】従来は、クロック又はデータストローブ信
号が送信データに対して取り込みに適した位相になるよ
うにするためのシフトクロック発生回路を、コントロー
ラ及びメモリに設けていた。そのため、信号線を長くし
て位相を調整することができず、DLL回路を使用する
必要があった。これに対して、本発明では、チップ外で
位相調整するため、信号線を長くするなどの簡単な構成
で位相調整が行える。
【0032】
【発明の実施の形態】図11の(1)は、本発明の実施
例のメモリサブシステムの全体構成を示す図である。図
11の(1)に示すように、本実施例のメモリサブシス
テムは、クロック発生回路10からコントローラ12に
クロックが供給され、コントローラ12からは、クロッ
ク信号線18、書込データバス16a、読出データバス
16b、及びデータストローブ信号線17bが並行に延
びている。クロック信号線18とデータストローブ信号
線17bには、伝送する信号を所定時間遅延させるため
に信号線を延長した延長部71と72が設けられてい
る。他にも、コマンド信号を伝送する制御信号バスやア
ドレス信号を伝送するアドレス信号バスが設けられてい
るが、ここでは省略してある。上記の信号線にはソケッ
ト61が設けられており、このソケット61を介してD
IMM−SDRAMと呼ばれるメモリモジュール60a
から60cが接続されている。DIMM−SDRAM
は、図11の(2)に示すように、複数のメモリ素子
(ここではSDRAM)を有し、これらを合わせた大容
量のメモリとして動作するように、デコーダ64やマル
チプレクサ65aと65bなどを有し、外部との接続の
ための接続ピンが設けられている。この接続ピンがモジ
ュールの両面で独立しているためDual Inline 型と呼ば
れる。なお、このようなDIMM−SDRAMでなく、
単に接続ピンに直接接続された複数のSDRAMを有す
るだけで、デコーダ64やマルチプレクサ65aと65
bなどがないメモリモジュールでもよく、SDRAM単
体でもよい。以下、説明を簡単にするために、単にメモ
リとして説明を行う。1つのソケット61には、複数の
メモリ(DIMM)が接続されて群を成している。各群
内では信号の伝搬時間は無視できる程度の差であるとす
る。しかし、多数の群が接続されると信号線が長くな
り、その伝搬時間の差が問題になる。後述するように、
本実施例では、メモリの位置にかかわらず良好なタイミ
ングで伝送データを取り込めるようにしているが、メモ
リの位置により、データの読み出し時にコントローラ1
2から各メモリにアクセス信号を出力してからメモリが
読み出しデータを出力し、それがコントローラ12に到
達するまでの時間に差が生じる。この差が1クロックサ
イクル以内であれば問題はないが、1クロックサイクル
以上の場合には誤動作する可能性がある。そこで、本実
施例では、メモリサブシステムの初期化時に、メモリ群
毎に、アクセスを開始してから読出データがコントロー
ラ12に到着するまでのクロックサイクルの個数を測定
し、それを記憶してコントローラ12が正しいタイミン
グで読出データを取り込めるようにしている。この場
合、アクセスを開始してから読出データが到着するまで
の時間がクロックサイクルの整数倍の付近である場合、
動作環境の変動によりこの時間が変化すると、隣接する
異なるクロックサイクルで取り込む可能性がある。そこ
で、アクセスに要する時間がクロックサイクルの整数倍
付近の場合には、遅延回路62を設けて、アクセスに要
する時間をクロックサイクルの整数倍付近からずらして
いる。
【0033】また、クロック発生回路10はデューティ
比が正確に50%のクロックを発生し、コントローラ1
2やメモリに供給されたクロックのデューティ比も50
%であり、クロックの立ち上がりエッジと立ち下がりエ
ッジで、DDR方式のデータを出力及び取り込めるもの
とする。図12は、図11のシステムにおいて、メモリ
を1個取り出し、それとコントローラ12及びクロック
発生回路10の関係を示すようにした図であり、コント
ローラ12とメモリ13の内部の構成が示されている。
図示のように、第1実施例のシステムは、コントローラ
12は、クロック発生回路の出力するクロックを受信す
るクロック入力回路28と、受信したクロックCLKを
クロック信号線18に印加するクロック出力回路27
と、書込データDinをクロックCLKに同期して出力
するデータ出力回路22と、メモリ13から送信された
ストローブ信号を受信するストローブ信号入力回路25
と、ストローブ信号入力回路25の受信したストローブ
信号に同期してメモリ13から送信された読出データD
outを取り込むデータ入力回路23とを有する。ま
た、メモリ13は、コントローラ12から送信されたク
ロック信号CLKを受信するクロック入力回路37と、
書込データDinをクロック信号CLKに同期して取り
込むデータ入力回路32と、読出データDoutをクロ
ック入力回路37の出力するクロックCLKに同期して
出力するデータ出力回路33と、クロック入力回路37
の出力するクロックCLKをストローブ信号として出力
するストローブ信号出力回路36とを有する。クロック
CLKを伝送するクロック信号線18と、書込データを
伝送する書込データバス16aと、読出データを伝送す
る読出データバス16bと、ストローブ信号を伝送する
ストローブ信号線17bは、同じ伝搬時間になるように
並行に等長配線されている。クロック信号線18とスト
ローブ信号線17bには、伝送するクロック信号とデー
タストローブ信号をクロックの1/4周期分遅延させる
ために延長部71と72が設けられている。この延長部
71と72は、単にクロック信号線18とストローブ信
号線17を長くし、そこを信号が伝搬する時間を長くす
るものである。このような遅延回路は、DLL回路など
の比べて温度などの影響による変動が小さく、遅延量の
誤差は小さい。更に、クロック信号線18とストローブ
信号線17はインピーダンスが整合されている。
【0034】図13は図12の第1実施例のシステムに
おける書込データの伝送動作を示すタイムチャートであ
る。コントローラ12はクロック出力回路27からクロ
ックCLKを常時出力し、出力書込データの伝送する時
には、データ出力回路22からクロックCLKに同期し
て書込データDin(a)を出力する。ここではDDR
方式を使用するから、クロックCLKの立ち上がりエッ
ジと立ち下がりエッジの両方に同期して書込データDi
n(a)を変化させる。従って、図13に示すように、
コントローラ12から出力されたクロックCLK(a)
と書込データDin(a)は同じ位相である。
【0035】コントローラ12から出力されたクロック
CLK(a)と書込データDin(a)は、クロック信
号線18と書込データバス16aを通ってメモリ13に
伝送される。クロック信号線18には延長部71が設け
られているため、ここを通過するとクロックCLK
(a)はクロックの1/4周期分遅延され、図示のCL
K(a’)になる。従って、クロックCLK(a’)は
書込データDin(a)に対してクロックの1/4周期
分遅延された信号になり、これらがメモリ13まで伝送
される。前述のように、クロック信号線18と書込デー
タバス16aは並行に設けられており、負荷も等しくな
るように設定されているので、それらの伝搬時間の差
(スキュー)はほとんど無視できる程度である。従っ
て、メモリ13に到着したクロックCLK(b)と書込
データDin(b)は、図示のように1/4周期ずれた
信号であり、クロックCLK(b)の変化エッジは、書
込データDin(b)を取り込むのに最適なタイミング
である。従って、データ入力回路32で、クロック入力
回路37で取り込んだクロックCLK(b)に同期して
書込データDin(b)を取り込めばよい。
【0036】図14は図12の第1実施例のシステムに
おける読出データの伝送動作を示すタイムチャートであ
る。読出データを伝送する時、メモリ13はコントロー
ラ12からコマンドやアドレス信号などのアクセスに必
要な信号を受け、内部回路34からデータDoutを読
み出す。SDRAMではこのようなアクセス信号に応じ
て、連続してデータが読み出される。メモリ13は、読
出データDoutが読み出された後のクロックCLKの
最初の立ち上がりエッジから順次クロックCLKに同期
してデータ出力回路33から読出データDoutを出力
する。それと同時に、ストローブ信号出力回路36から
クロックCLKを出力する。従って、図14に示すよう
に、読出データDout(b)とデータストローブ信号
DQS(b)は同じ位相の信号である。
【0037】メモリ13から出力されたデータストロー
ブ信号DQS(b)と読出データDout(b)は、デ
ータストローブ信号線17bと読出データバス16bを
通ってコントローラ12に伝送される。前述のように、
データストローブ信号線17bと読出データバス16b
は並行に設けられており、負荷も等しくなるように設定
されているので、それらの伝搬時間の差(スキュー)は
ほとんど無視できる程度である。しかし、データストロ
ーブ信号線17bには延長部72が設けられているた
め、ここを通過するとデータストローブ信号DQS
(b)はクロックの1/4周期分遅延され、図示のDQ
S(b’)になる。従って、データストローブ信号DQ
S(b’)は読出データDout(b)に対してクロッ
クの1/4周期分遅延された信号になり、これらがコン
トローラ12まで伝送される。従って、コントローラ1
2に到着したデータストローブ信号DQS(a)と読出
データDout(a)は、図示のように1/4周期ずれ
た信号であり、データストローブ信号DQS(a)の変
化エッジは、読出データDout(a)を取り込むのに
最適なタイミングである。従って、データ入力回路23
で、ストローブ信号入力回路25で取り込んだデータス
トローブ信号DQS(a)に同期して読出データDou
t(a)を取り込めばよい。
【0038】以上説明したように、第1実施例では、デ
ータを送信する場合に、一緒に送信されるクロック又は
データストローブ信号に同期して送信データが変化さ
れ、クロック又はデータストローブ信号は一緒に送信さ
れたデータを取り込むのに適するように途中で位相がず
らされる。従って、コントローラ又はメモリでクロック
又はデータストローブ信号の位相をずらす必要はなく、
DLL回路が必要ない。なお、チップ内部の配線や負荷
のために、受信したクロック又はデータストローブ信号
をデータ入力回路に供給した場合の遅れが無視できない
場合には、受信したクロック又はデータストローブ信号
とデータ入力回路に供給する信号の位相を完全に一致さ
せるために0°DLL回路を使用してもよい。その場合
でも、0°DLL回路は90°DLL回路に比べてジッ
タは少なく、精度低下などの問題は生じない。
【0039】第1実施例では、コントローラ12とメモ
リ群の間に、クロック信号及びデータストローブ信号を
遅延させるための延長部を設けた。信号は1nsで約3
0cm進むので、例えばクロック周波数が250MHz
であれば1/4周期は1nsであり、延長部は15cm
を往復する経路が必要である。コントローラとメモリ群
は密に配置されているため、コントローラとメモリ群の
間にこのようなスペースを取るのが難しい場合がある。
第2実施例はそのような条件に対処した実施例である。
【0040】図15は、第2実施例のメモリサブシステ
ムの構成を示す図であり、(1)が全体構成を、(2)
が基本構成を示す。第1実施例と比べて明らかなよう
に、第2実施例のシステムは第1実施例と類似の構成で
あり、異なるのは、クロック信号線18の延長部71が
コントローラ12の外側に、データストローブ信号線1
7bの延長部72がメモリ群の外側に設けられている点
である。クロック発生回路10からコントローラ12に
クロックを供給する信号線が設けられているが、この信
号線を途中で分岐し、コントローラ12の外側に設けた
延長部71の一方に接続する。そして延長部71の他方
をクロック信号線18に接続する。各メモリからのデー
タストローブ信号線は一旦群毎にまとめた上で、コント
ローラ12に接続されるデータストローブ信号線17b
に接続する。例えば、図11の(1)に示した複数のメ
モリ群が設けられている場合には、各メモリ群毎に延長
部72を設け、各群毎にデータストローブ線をまとめた
上で対応する延長部72を介してコントローラ12に接
続されるデータストローブ線17bに接続する。
【0041】第1及び第2実施例では、メモリ13は受
信したクロックCLKをデータストローブ信号として出
力していた。従って、メモリ13に到達したクロックC
LKをそのままデータストローブ信号として戻すことも
可能である。第3実施例は、データストローブ信号とし
てクロックCLKを戻すようにした実施例である。図1
6は、第3実施例のメモリサブシステムの構成を示す図
である。図示のように、第2実施例のシステムと類似の
構成を有し、異なるのは、クロック信号線18がメモリ
13の部分でストローブ信号線17bに接続され、接続
部分にコイルで構成される遅延回路73が設けられてい
る点と、メモリ13にはストローブ信号出力回路が設け
られていない点である。遅延回路73は、広く使用され
ているディレイラインであり、コイルとその前後に設け
られた2個のインバータを有する。コイルのインダクタ
ンスを適当に設定することにより、通過する信号を所定
量遅延させる。
【0042】図17と図18は、第3実施例のシステム
における書込データと読出データの伝送動作を示すタイ
ムチャートである。動作内容は、第1実施例のものとほ
ぼ同じであり、詳しい説明は省略する。以上、クロック
のデューティ比が50%で、クロックの立ち上がりエッ
ジと立ち下がりエッジでデータを出力及び取り込めると
して説明したが、クロックのデューティ比が50%から
ずれている場合には、コントローラ及びメモリにそれぞ
れ180°DLL回路を設ける必要がある。しかし、こ
の場合でも1/4周期位相がずれた信号を発生させる必
要はない。180°DLL回路は、図10の90°DL
L回路51においてディレイ回路を2段とすれば実現で
き、90°DLL回路に比べてジッタは半分になる。
【0043】以上、本発明を、図7に示した片方向スト
ローブ方式に適用した実施例について説明したが、本発
明は同期信号が1方向に送信される信号線を使用する構
成であればどのような場合にも適用可能である。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
クロック信号線及びデータストローブ信号線に、延長部
又はディレイラインなどの遅延回路を設けることによ
り、コントローラやメモリにDLL回路を搭載せずに、
また搭載する場合でも最小限の個数や段数で、データの
取込みを良好なタイミングで行うことができる。そのた
め、ジッタが生じなくなり、ジッタが生じる場合でも小
さくできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】メモリサブシステムの従来の構成例を示す図で
ある。
【図2】メモリサブシステムの同期方式に関する従来の
構成例を示す図である。
【図3】図2のシステムにおけるデータの入出力動作を
示すタイムチャートである。
【図4】双方向ストローブ方式のシステムの構成を示す
図である。
【図5】双方向ストローブ方式のシステムにおける書込
データの伝送動作を示すタイムチャートである。
【図6】双方向ストローブ方式のシステムにおける読出
データの伝送動作を示すタイムチャートである。
【図7】従来の片方向ストローブ方式のシステムの構成
を示す図である。
【図8】従来の片方向ストローブ方式のシステムにおけ
る書込データの伝送動作を示すタイムチャートである。
【図9】従来の片方向ストローブ方式のシステムにおけ
る読出データの伝送動作を示すタイムチャートである。
【図10】DLL回路を使用したシフトクロック生成回
路の構成を示す図である。
【図11】本発明の第1実施例のメモリサブシステムの
構成を示す図である。
【図12】第1実施例の基本構成を示す図である。
【図13】第1実施例における書込データの伝送動作を
示すタイムチャートである。
【図14】第1実施例における読出データの伝送動作を
示すタイムチャートである。
【図15】本発明の第2実施例のメモリサブシステムの
構成を示す図である。
【図16】本発明の第3実施例のメモリサブシステムの
構成を示す図である。
【図17】第3実施例における書込データの伝送動作を
示すタイムチャートである。
【図18】第3実施例における読出データの伝送動作を
示すタイムチャートである。
【符号の説明】
10…クロック源(クロック発生回路) 11…クロック分配回路 12…コントローラ 13…メモリ(DIMM) 16…データバス 16a…書込データバス 16b…読出データバス 17b…データストローブ信号線 18…クロック信号線 21、26、31…シフトクロック発生回路 22、33…データ出力回路 23、32…データ入力回路 25…ストローブ信号入力回路 27…クロック出力回路 36…ストローブ信号出力回路 37…クロック入力回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 光徳 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 (72)発明者 竹前 寿博 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 (72)発明者 田口 眞男 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クロックを供給するクロック源と、 クロックに同期して動作する少なくとも1つのメモリ
    と、 該メモリとのデータの入出力を制御するコントローラ
    と、 該コントローラと前記メモリの間でデータ信号を伝送す
    るデータ信号線と、 該データ信号線に並行に設けられ、前記メモリへ前記ク
    ロックを伝送するクロック信号線と、 前記データ信号線に並行に設けられ、前記コントローラ
    へデータストローブ信号を伝送するデータストローブ信
    号線とを備え、 前記コントローラには前記クロック源から前記クロック
    が供給され、前記コントローラは、前記メモリへ書込デ
    ータを伝送する時には、前記クロックの変化エッジで前
    記書込データを変化させ、 前記メモリは、前記コントローラへ読出データを伝送す
    る時には、前記データストローブ信号の変化エッジで前
    記読出データを変化させるメモリサブシステムにおい
    て、 前記クロック信号線は、前記クロックに所定の遅延を生
    じるクロック遅延回路を備え、 前記データストローブ信号線は、前記データストローブ
    信号に所定の遅延を生じるデータストローブ遅延回路を
    備え、 前記メモリは、受信した前記クロックの前記変化エッジ
    で前記書込データを取込むデータ入力回路を備え、 前記コントローラは、受信した前記データストローブ信
    号の前記変化エッジで前記読出データを取込むデータ入
    力回路を備えることを特徴とするメモリサブシステム。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のメモリサブシステムで
    あって、 前記所定の遅延は、前記書込データ及び前記読出データ
    の最小変化周期の1/2の時間であるメモリサブシステ
    ム。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載のメモリサブシス
    テムであって、 前記クロック遅延回路と前記データストローブ遅延回路
    は、前記クロック信号線と前記データストローブ信号線
    の信号伝搬時間を長くするように配線を長くした回路で
    あるメモリサブシステム。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2に記載のメモリサブシス
    テムであって、 前記クロック遅延回路と前記データストローブ遅延回路
    は、ディレイ素子を使用したディレイラインであるメモ
    リサブシステム。
  5. 【請求項5】 請求項1から4のいずれか1項に記載の
    メモリサブシステムであって、 前記クロック信号線と前記データストローブ信号線は、
    インピーダンスが整合しているメモリサブシステム。
  6. 【請求項6】 請求項1から5のいずれか1項に記載の
    メモリサブシステムであって、 前記クロック遅延回路と前記データストローブ遅延回路
    は、前記クロック信号線と前記データストローブ信号線
    の前記コントローラと前記メモリの間の部分に設けられ
    ているメモリサブシステム。
  7. 【請求項7】 請求項1から5のいずれか1項に記載の
    メモリサブシステムであって、 前記クロック遅延回路と前記データストローブ遅延回路
    は、前記コントローラと前記メモリの外側に設けられて
    いるメモリサブシステム。
  8. 【請求項8】 請求項1から7のいずれか1項に記載の
    メモリサブシステムであって、 前記クロック信号線は前記コントローラから前記メモリ
    に延び、 前記コントローラは、前記クロック源から供給された前
    記クロックを、前記クロック信号線に出力するメモリサ
    ブシステム。
  9. 【請求項9】 請求項1から7のいずれか1項に記載の
    メモリサブシステムであって、 前記クロック源から前記コントローラに前記クロックを
    供給する信号線は、分岐されて前記クロック信号線に接
    続されているメモリサブシステム。
  10. 【請求項10】 請求項1から7のいずれか1項に記載
    のメモリサブシステムであって、 前記クロック源から前記クロック信号線に前記クロック
    を供給する信号線を、前記クロック源から前記コントロ
    ーラに前記クロックを供給する信号線に並行に設けたメ
    モリサブシステム。
  11. 【請求項11】 請求項1から10のいずれか1項に記
    載のメモリサブシステムであって、 前記データストローブ信号は、前記メモリが受信した前
    記クロックであり、 前記メモリは、前記コントローラへ読出データを伝送す
    る時には、受信した前記クロックの変化エッジで前記読
    出データを変化させ、 前記データストローブ信号線は、前記メモリの付近で、
    前記クロック信号線に接続されているメモリサブシステ
    ム。
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