JPH11249943A - 分散型データベースの同期管理システムおよび同期管理方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 分散化したデータベースを統合管理すること
によって１つのデータベースとして取り扱うことのでき
る分散型データベースの同期管理システムを提供する。 【解決手段】 データの更新要求があったときに前記デ
ータベース１３の前記データを更新する更新管理手段３
４と、クライアント５から一の前記データベース１３に
対してデータの更新要求があったときに、同期管理の対
象となる共通のデータを所有する他のデータベース１３
を検索する検索手段と、この検索手段により検索された
他のデータベース１３に対して前記データの更新要求を
配信する更新要求配信手段４３と、他のデータベース１
３から前記データの更新要求があったときに、他のデー
タベース１３のデータの更新に同期させてデータベース
１３のデータの更新を管理する同期更新管理手段とを備
える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、分散化したデータ
ベースに格納されたデータを、個々のデータベースごと
にクライアントが更新する場合において、前記データベ
ースの前記データの整合性を図ることのできる分散型デ
ータベースの同期管理システムおよびその方法に関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】データを中央のコンピュータに集中させ
ず、いくつかの部門に分けて生成させたデータベースに
蓄積し、電話回線やＬＡＮ（ローカルエリアネットワー
ク）を通じてクライアントがデータベースにアクセス
し、前記データを取り出したり更新したりする分散型デ
ータベースが一般化している。

【０００３】図４は分散型データベースの概念の説明図
で、符号Ｓ１，Ｓ２，Ｓ３はデータベースとして機能を
有する分散化されたサーバ、符号５はパソコンやワーク
ステーション等のクライアント、符号Ｎ１，Ｎ２はそれ
ぞれサーバＳ２，Ｓ３を含むネットワークである。クラ
イアント５とサーバＳ１は通信回線６で接続され、ま
た、サーバＳ１，Ｓ２，Ｓ３は通信回線７で接続されて
いて、各々の間でデータの送受信が可能である。このよ
うに、定期的な、つまりバッジ処理的な分散データベー
ス上の同期確立方式を開示したものとしては、例えば特
開昭６３−２７８１５５号公報に記載の分散型データベ
ースが知られている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
たような分散化システムにおいて各サーバＳ１，Ｓ２，
Ｓ３が共通のデータを有する場合には、個々のサーバＳ
１，Ｓ２，Ｓ３の更新情報を同時共有しなければ分散化
システム全体での機能を確保することできないという問
題がある。

【０００５】すなわち、分散化されたサーバＳ１，Ｓ
２，Ｓ３で同一のデータを保有した場合に、サーバＳ
１，Ｓ２，Ｓ３の個々について前記データの更新を行う
と、サーバＳ１，Ｓ２，Ｓ３の間でデータ内容の矛盾が
発生する。このような矛盾は、ネットワークを構築する
上でのいわゆるコヒーレンシとしてよく知られている。
この場合、すべてのサーバＳ１，Ｓ２，Ｓ３の同期をと
って各データの更新を行うには、個々のシステムで非常
に複雑な更新管理アプリケーションを作成しなければな
らないという問題がある。

【０００６】この発明は、分散化したデータベースを統
合管理することによって１つのデータベースとして取り
扱い、分散されたデータベースに格納された共通のデー
タの整合性を簡単に図ることができる分散型データベー
スの同期管理システムおよびその方法の提供を目的とす
る。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の分散型データベースの同期管理システムお
よび同期管理方法は以下のように構成した。

【０００８】請求項１に記載の分散型データベースの同
期管理システムは、分散して配置された複数のサーバの
データベース内に共通のデータを有し、一の前記サーバ
内の前記データが更新された場合に、各前記サーバ内の
前記データを更新して前記データベース間の前記データ
の整合を図る分散型データベースの同期管理システムに
おいて、クライアントから前記データの更新要求があっ
たときに前記データベース内の前記データを更新する更
新管理手段と、前記更新要求が、前記クライアントに直
接接続された一のサーバからのものなのか、他のサーバ
からのものなのかを判断する自他判断手段と、前記クラ
イアントから一の前記サーバに対して前記データの更新
要求があったときに、同期管理の対象となる共通のデー
タを所有する他のサーバを検索する検索手段と、この検
索手段により検索された前記サーバに対して前記データ
の更新要求を配信する更新要求配信手段と、前記自他判
断手段により他のサーバからの更新要求であると判断さ
れたときに、前記他のサーバの前記データの更新に同期
させて前記一のサーバの前記データの更新を管理する同
期更新管理手段とからなり、前記更新管理手段で前記一
のサーバ内のデータの更新を行うと同時に他の前記サー
バの更新を統合して行う構成とした。

【０００９】この構成により、更新管理部が更新の対象
となった所定のデータベース内のデータの更新を行う際
に、分散配置された他のサーバのデータベースに対して
も同一の更新要求を送信するので、複数のデータベース
で共通するデータについて同時に更新を行うことができ
る。これにより、分散配置されたデータベースをあたか
も１つのデータベースとして取り扱うことが可能とな
り、各データベースの個々のデータベースの整合性を保
持することができる。

【００１０】請求項２に記載の分散型データベースの同
期管理システムは、請求項１に記載の分散型データベー
スの同期管理システムにおいて、前記サーバ内の前記デ
ータベースは、同期管理の対象となる共通のデータを有
する同期管理対象データベースと、各データベースで固
有のデータ内容を有する個別管理対象データベースとか
らなり、前記クライアントからの更新要求の対象となる
データが前記同期管理対象データベースに属するものか
前記個別管理対象データベースに属するものかを判断す
る判断手段を設けた構成とした。

【００１１】この構成により、個別管理対象データベー
スについて更新があった場合は、更新管理部が個々のデ
ータベースについてそのまま更新を行い、同期管理対象
データベースについて更新があった場合は、更新の対象
となった所定のデータベースと他のデータベースの共通
のデータを一括して更新することができる。

【００１２】請求項３に記載の分散型データベースの同
期管理システムは、分散して配置された複数のデータベ
ース内に共通のデータを有し、前記データベースの中の
一のデータベースの前記データが更新された場合に、各
前記データベース内の前記データを更新して前記データ
ベース間の前記データの整合を図る分散型データベース
の同期管理システムにおいて、同期管理対象データベー
スを有する分散ディレクトリ装置と、各前記分散ディレ
クトリ装置を通信回線で接続するネットワークと、各前
記分散ディレクトリ装置と前記ネットワークとの間に介
在するサーバと、このサーバを介して各分散ディレクト
リ装置と通信回線を介して接続され、所定の前記データ
ベースの更新要求があったときに、更新の内容を各前記
分散ディレクトリ装置との共通する同期管理対象データ
ベースに配信する同期管理手段とからなる構成とした。

【００１３】この構成によっても、一つの同期管理対象
データベース内のデータについて更新が行われると、当
該データに関する更新要求が共通のデータを有する他の
同期管理対象データベースにも配信されるので、各デー
タベース間でデータの整合性を保持することができる。

【００１４】請求項４に記載の分散型データベースの同
期管理システムは、請求項１ないし請求項３のいずれか
に記載の分散型データベースの同期管理システムにおい
て、同一のデータに対して同時に複数の更新要求があっ
たときに、前記更新要求を順序付けて順番に更新を行う
シリアル更新制御手段を設けた構成とした。この構成に
より、複数のデータベースに共通するデータについて例
えば複数のクライアントから同時に更新要求があった場
合でも、同時更新によるデータの矛盾の発生を防止する
ことができる。

【００１５】請求項５に記載の分散型データベースの同
期管理方法は、分散して配置された複数のサーバのデー
タベース内に共通のデータを有し、一の前記サーバの前
記データが更新された場合に、各前記サーバ内の前記デ
ータを更新して前記データベース間の前記データの整合
を図る分散型データベースの同期管理方法において、ク
ライアントからデータの更新要求があったときに、当該
更新要求がクライアントに直接接続された一のサーバの
ものなのか、前記一のサーバ以外の他のサーバのものな
のかを判断するステップと、更新要求の対象となった共
通の前記データを有する前記サーバを検索するステップ
と、このステップにより発見されたサーバに対して更新
要求を配信するステップと、クライアントから前記デー
タの更新要求があったときに前記サーバベース内の前記
データを更新するステップと、更新要求が前記他のサー
バからのものであるときには、前記他のサーバの前記デ
ータの更新に同期させて前記一のサーバの前記データの
更新を行うステップとを有する方法とした。

【００１６】この方法により、更新管理部が更新の対象
となった所定のデータベース内のデータの更新を行う際
に、分散配置された他のサーバのデータベースに対して
も同一の更新要求を送信するので、複数のデータベース
で共通するデータについて同時に更新を行うことができ
る。これにより、分散配置されたデータベースをあたか
も１つのデータベースとして取り扱うことが可能とな
り、各データベースの個々のデータベースの整合性を保
持することができる。

【００１７】請求項６に記載の分散型データベースの同
期管理方法は、クライアントからデータの更新要求があ
ったときに、更新要求の対象となったデータが各データ
ベースに固有の個別管理対象データか、複数のデータベ
ースに共通し同期更新の対象となる同期管理対象データ
かを判別するステップと、前記データが個別管理対象デ
ータである場合にはそのまま前記データの更新を行い、
同期管理対象データである場合には他のデータベースに
更新要求を配信するステップと、受信した更新要求に基
づいて更新要求の対象となったデータを各データベース
ごとに同期させて更新するステップとを有する方法とし
た。

【００１８】この方法により、更新の対象となった所定
のデータベース内のデータの更新を行う際に、分散配置
された他のデータベースに対しても同一の更新要求を送
信するので、複数のデータベースで共通するデータにつ
いて同時に更新を行うことができる。これにより、分散
配置されたデータベースをあたかも１つのデータベース
として取り扱うことが可能となり、各データベースの個
々のデータベースの整合性を保持することができる。

【００１９】請求項７に記載の分散型データベースの同
期管理方法は、請求項５に記載の分散型データベースの
同期管理方法において、同一のデータに対して複数のク
ライアントから同時に更新要求があったときに、シリア
ル制御によって前記更新要求を順序付けて順番に更新を
行うステップを設けた方法とした。

【００２０】この方法により、複数のデータベースに共
通するデータについて複数のクライアントから同時に更
新要求があった場合でも、同時更新によるデータの矛盾
の発生を防止することができる。

【００２１】

【発明の実施の形態】以下、この発明の分散型データベ
ースの同期管理システムを、図面にしたがって詳細に説
明する。図１は本発明の分散型データベースの同期管理
システムの構成図である。なお、以下の説明において同
期管理システムは、図４で示した場合と同様に、ワーク
ステーションやパソコン等のクライアント５と通信回線
６で接続されたサーバＳ１，Ｓ２，Ｓ３・・内に設けら
れているものとして説明する。図１に示すように、本発
明の分散型データベースの同期管理システムは、データ
ベースを更新する機能を有する更新管理部１と、更新情
報の同期対象を管理する同期管理部２とから構成され
る。

【００２２】更新管理部１は、サーバＳ１，Ｓ２，Ｓ３
・・（図４参照）ごとの固有のデータを有するデータベ
ース１２（以下、個別管理データベース１２と記載）
と、複数のサーバＳ１，Ｓ２，Ｓ３・・で共通するデー
タを有し同期管理の対象となるデータベース１３（以
下、同期管理対象データベース１３と記載）と、個別管
理データベース１２および同期管理対象データベース１
３のデータの更新を管理するデータベース更新管理シス
テム１１とから概略構成される。また、同期管理部２
は、同期管理対象データベース１３の更新情報を一元的
に管理する同期管理システム２１と、同期管理対象デー
タベース１３に対する更新情報を格納するデータベース
更新情報管理用データベース２２とから構成される。

【００２３】更新管理部１のデータベース更新管理シス
テム１１は、図１に示すように、クライアント５で実行
されているアプリケーションからの要求に対して応答す
るアプリケーション応答管理部３１と、更新されたデー
タが個別管理データベース１２に蓄積されたデータなの
か同期管理対象データベース１３に蓄積されたデータな
のかを判断する判断手段としてのデータベース構成管理
部３２と、個別管理データベース１２または同期管理対
象データベース１３に蓄積されたデータの更新を行う更
新管理手段としてのデータベース更新管理部３４と、同
期管理対象データベース１３への更新要求が全て通過
し、自サーバ（この実施形態ではサーバＳ１として説明
する）内または他のサーバＳ２，Ｓ３内に設けられ、サ
ーバＳ１，Ｓ２，Ｓ３内の同期管理システムから送信さ
れた同期管理対象データベース１３への更新要求を受け
付ける機能を有する同期自動更新管理部３６と、前記同
期管理システムへ更新要求を依頼した情報を後述のカレ
ント更新情報管理部３８へ記録すると同時に、同期自動
更新管理部３６からの更新要求が自サーバＳ１の要求に
対する回答なのかあるいは他のサーバＳ２，Ｓ３からの
依頼によるものなのかをカレント更新情報管理部３８を
通して判断するとともに、他のサーバＳ２，Ｓ３からの
依頼による更新要求の場合にはカレント更新情報管理部
３８のカレント管理を解除し、他のサーバＳ２，Ｓ３の
前記同期管理システムへ更新要求を依頼しているのもか
かわらず応答が返答されない場合にはタイムアウトと判
断してデータベース更新管理部３４へ更新障害を返却す
る機能を有する自他判断手段としてのデータベース更新
情報累積管理部３７と、前記同期管理システムへ要求し
ている更新要求を管理する機能を有するデータベースカ
レント更新情報管理部３８とから概略構成され、これら
のデータ処理機能により、個別管理データベース１２お
よび同期管理対象データベース１３の更新を制御する。

【００２４】同期管理部２の同期管理システム２１は、
更新管理部１から送信された同期管理対象のデータの更
新要求に対して応答する同期更新管理手段としてのデー
タベース更新同期要求応答管理部４１と、複数のサーバ
Ｓ１，Ｓ２，Ｓ３から受け付けたデータ更新要求に対し
て更新順序を確立する機能を有するデータベースカレン
ト更新管理部４２と、データベース更新同期要求応答管
理部４１の更新結果を受けて共通のデータを有する他の
サーバＳ２，Ｓ３に対して同期更新要求を行う機能を有
する検索手段および更新要求配信手段としてのデータベ
ース同期更新要求管理部４３と、前記他のサーバＳ２，
Ｓ３の宛て先を管理する機能を有する同期管理対象デー
タベース管理部４４とから構成されている。

【００２５】そして、データベース更新同期要求応答管
理部４１と、データベースカレント更新管理部４２，デ
ータベース同期更新要求管理部４３，同期管理対象デー
タベース管理部４４のデータ処理機能と、データベース
更新情報管理用データベース４５のデータベース機能に
より、共有のデータを有する複数のサーバＳ１，Ｓ２，
Ｓ３・・の同期管理対象データベース１３に対する更新
情報を一元的に管理している。

【００２６】次に、この発明の分散型データベースの同
期管理方法を、上記構成の分散型データベースの同期管
理システムの作用とともに説明する。図２はこの発明の
分散型データベースの同期管理方法を説明するフロー図
である。一のサーバ（以下、サーバＳ１として説明す
る）にアクセスしたクライアント５がアプリケーション
の実行によって個別管理対象データベース１２または同
期管理対象データベース１３のデータの更新を行う場合
には、クライアント５から更新要求がデータベース更新
管理システム１１に対して送信される（ステップＳ
１）。

【００２７】この更新要求は、データベース更新管理シ
ステム１１内のアプリケーション応答管理部３１を経て
データベース更新管理部３４に送信される。データベー
ス構成管理部３２は、更新要求の対象となっているデー
タが個別管理データベース１２に格納されているもの
か、同期管理対象データベース１３に格納されているも
のかを判断する（ステップＳ２）。

【００２８】データベース更新管理部３４は、データベ
ース構成管理部３２によって更新要求の対象となってい
るデータが個別管理データベース１２に格納されている
ものであると判断された場合には、個別管理データベー
ス１２に格納されたデータをそのまま更新し（ステップ
Ｓ３）、同期管理対象データベース１３に格納されてい
るものと判断された場合は、同期管理部２に対して更新
要求を送信する。なお、個別管理データベース１２に格
納されたデータをそのまま更新した場合には、更新完了
通知をアプリケーション応答管理部３１に送信する（ス
テップＳ４）。

【００２９】同期管理部２の更新同期要求応答管理部４
１に更新要求が送信されると、カレント更新管理部４２
は同期管理対象データベース１３のカレント更新情報を
データベース更新情報管理データベース４５に登録管理
する（ステップＳ５）。このように、カレント更新情報
をデータベース更新情報管理データベース４５に登録す
るのは、同期管理対象データベース１３の静止点を確立
し、システム障害発生時の復旧用情報の核を確立するた
めである。また、これと同時に、更新同期要求応答管理
部４１は、同期管理対象データベース１３に蓄積された
データに対する更新要求を、データベース同期更新要求
管理部４３に通知する。この後、データベース同期更新
要求管理部４３は、同期管理対象データベース管理部４
４から同期対象データベース１３の存在確認を行い（ス
テップＳ６）、同期取りが必要な分散データベース管理
サーバ情報を取得して該当サーバ（以下、サーバＳ２，
Ｓ３として説明する）に向けて更新要求を送信する（ス
テップＳ７）。

【００３０】前記該当サーバＳ２，Ｓ３では、更新要求
を同期自動更新管理部３６で受け取る。データベース更
新情報累積管理部３７はカレント更新情報管理部３８に
より最新の更新情報を反映させ、関連情報の更新に遅延
が発生していないことを確認して、データベース更新管
理部３４に対して同期管理対象データベース１３の更新
要求を送信する。これにより、サーバＳ２，Ｓ３の同期
管理対象データベース１３内のデータの更新が行われる
（ステップＳ８）。

【００３１】このようにして他のサーバＳ２，Ｓ３にお
いて同期管理対象データベース１３のデータの更新が行
われると、その旨がサーバＳ１の同期管理部２１に送信
され、同期更新要求通知が各サーバＳ１，Ｓ２，Ｓ３へ
返却、通知される。この同期更新要求通知は、各サーバ
の同期自動更新管理部３６で受け付け、データベース更
新情報累積管理部３７で自サーバＳ１の更新要求への応
答か、他のサーバＳ２，Ｓ３からの同期更新通知かを判
断する。このとき、これが自サーバＳ１の更新要求への
回答であった場合には、更新管理部３４を経由してアプ
リケーション応答管理部３１に通知する（ステップＳ
９）。また、同時にカレントの更新要求に対する更新結
果応答を要求もとであるアプリケーションへ返却する。
さらに、アプリケーション応答管理部３１は、自サーバ
Ｓ１内のローカルデータベース更新要求に対する結果応
答の要求もアプリケーションへただちに返却する。

【００３２】このように、上記の実施形態によれば、同
期管理システムを保有するサーバをそれぞれ核として即
時的なデータベース更新同期管理を行うことができる。
同期管理システムを保有するサーバ（例えばサーバＳ
１）は、その対象となる同期管理対象データベース１３
についてだけ核として働き、その他のサーバＳ２，Ｓ３
の同期管理対象データベース１３については、通常のデ
ータベース更新管理システムによるアプリケーション実
行サーバとして機能する。また、ネットワーク内でどの
同期管理対象データベース１３をどのサーバの同期管理
システムを稼働させるか任意に選択することにより、ネ
ットワーク内の更新競合による遅延発生を最小限に抑え
ることもできる。

【００３３】この発明の分散型データベースの同期管理
システムについて詳細に説明してきたが、本発明の上記
の実施形態に限られるものではない。例えば、図３に示
すようなものとすることもできる。図３は、本発明の分
散型データベースの同期管理システムの他の実施形態を
示す図である。図３において、分散ディレクトリ装置で
あるサーバＳ１，Ｓ２，Ｓ３・・のそれぞれには、各種
アプリケーションを実行するためのサブシステム１ａ，
２ａ，３ａ・・が設けられているとともに、このアプリ
ケーションによって変更が行われるデータを蓄積した個
別管理対象データベース１２，２２，３２・・および同
期対象データベース１３，２３，３３・・が設けられて
いる。

【００３４】今、サーバＳ１のサブシステム１ａのアプ
リケーションによって、同期管理対象データベース１３
内のデータが更新されたとすると、更新要求がサーバＳ
１から通信回線８を介して同期管理サーバＳ２０に集約
され、更新された前記データと同一のデータを有する他
のサーバＳ２，Ｓ３・・・へ、通信回線８を介して更新
要求が一斉に配信される。

【００３５】これにより、クライアントが更新を要求し
たサーバＳ１の同期管理対象データベース１３と同時
に、他のサーバＳ２，Ｓ３・・・の同期管理対象データ
ベース２３，３３・・のデータも一斉に更新されて、デ
ータの整合性が図られる。なお、個別管理対象データベ
ース１２，２２，３２・・内のデータについて更新要求
があった場合には、当該サーバＳ１，Ｓ２，Ｓ３・・に
おける個別管理対象データベース１２，２２，３２・・
についてのみ更新が行われる。

【００３６】なお、上記した二つの実施形態において、
シリアル更新制御手段を設けることにより、分配配置さ
れた同期管理対象データベースの中の同一のデータにつ
いて複数のクライアント５が同時に更新を行っても、前
記シリアル更新制御手段が更新要求を順序付けて順番に
更新を行うようにするので、同時更新による矛盾の発生
を防止して整合性を保つことができる。

【００３７】このように、この発明の分散型データベー
スの同期管理システムおよび方法によれば、分散された
ネットワーク上の複数のサーバ間であたかも一つのデー
タベースを同時にアクセスしているかのように各アプリ
ケーションが動作し、かつ、この動作はサーバ内にデー
タベースがある場合と全く同じようにアプリケーション
の記述をすることで実現し、さらに、更新同期の確立を
ネットワーク内で即時的に実施することができるもので
ある。

【００３８】

【発明の効果】この発明の分散型データベースの同期管
理システムは上記のように構成されているので、分散化
したデータベースを統合管理手段を核としてあたかも１
つのデータベースとして取り扱うことにより、分散され
たデータベースの個々のデータベースの情報鮮度を保持
することができる分散型データベースの同期管理システ
ムを得ることができる。

【００３９】また、複数の分散システムが必要とするデ
ータベースを、必要な場所で自由に更新することを可能
とすると同時に、このシステム構築に関わるアプリケー
ションを簡易化することのできる分散型データベースの
同期管理システムを得ることができる。

【００４０】すなわち、この発明の分散型データベース
の同期管理システムによれば、分散データベースに対す
る更新同期を個別アプリケーションで詳細に記述する必
要がなくなり、ネットワーク内の全てのデータベースを
有機的に結合して特別なアプリケーションなしに分散デ
ータベースをリアルタイムに更新することができるもの
である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の分散型データベースの同期管理システ
ムの構成図である。

【図２】この発明の分散型データベースの同期管理方法
を説明するフロー図である。

【図３】本発明の分散型データベースの同期管理システ
ムの他の実施形態を示す図である。

【図４】分散型データベースの概念の説明図である。

【符号の説明】

１ 更新管理部 ２ 同期管理部 ５ クライアント ６，７，８ 通信回線 １１ データベース更新管理システム ２１ 同期管理システム ２２ 更新情報管理用データベース １２ 個別管理データベース １３ 同期管理対象データベース ３１ アプリケーション応答管理部 ３２ データベース構成管理部（判断手段） ３４ データベース更新管理部（更新管理手段） ４１ 更新同期要求応答管理部（同期更新管理手段） ４３ 同期更新要求管理部（検索手段，更新要求配信手
段） Ｓ１，Ｓ２，Ｓ３ サーバ

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 分散して配置された複数のサーバのデー
   タベース内に共通のデータを有し、一の前記サーバ内の
   前記データが更新された場合に、各前記サーバ内の前記
   データを更新して前記データベース間の前記データの整
   合を図る分散型データベースの同期管理システムにおい
   て、 クライアントから前記データの更新要求があったときに
   前記データベース内の前記データを更新する更新管理手
   段と、 前記更新要求が、前記クライアントに直接接続された一
   のサーバからのものなのか、他のサーバからのものなの
   かを判断する自他判断手段と、 前記クライアントから一の前記サーバに対して前記デー
   タの更新要求があったときに、同期管理の対象となる共
   通のデータを所有する他のサーバを検索する検索手段
   と、 この検索手段により検索された前記サーバに対して前記
   データの更新要求を配信する更新要求配信手段と、 前記自他判断手段により他のサーバからの更新要求であ
   ると判断されたときに、前記他のサーバの前記データの
   更新に同期させて前記一のサーバの前記データの更新を
   管理する同期更新管理手段とからなり、 前記更新管理手段で前記一のサーバ内のデータの更新を
   行うと同時に他の前記サーバの更新を統合して行うこ
   と、 を特徴とする分散型データベースの同期管理システム。
2. 【請求項２】 請求項１に記載の分散型データベースの
   同期管理システムにおいて、 前記サーバ内の前記データベースは、同期管理の対象と
   なる共通のデータを有する同期管理対象データベース
   と、各データベースで固有のデータ内容を有する個別管
   理対象データベースとからなり、前記クライアントから
   の更新要求の対象となるデータが前記同期管理対象デー
   タベースに属するものか前記個別管理対象データベース
   に属するものかを判断する判断手段を設けたこと、 を特徴とする分散型データベースの同期管理システム。
3. 【請求項３】 分散して配置された複数のサーバのデー
   タベース内に共通のデータを有し、一の前記サーバ内の
   前記データが更新された場合に、各前記サーバ内の前記
   データを更新して前記データベース間の前記データの整
   合を図る分散型データベースの同期管理システムにおい
   て、 同期管理対象データベースを有する分散ディレクトリ装
   置と、各前記分散ディレクトリ装置を通信回線で接続す
   るネットワークと、各前記分散ディレクトリ装置と前記
   ネットワークとの間に介在するサーバと、このサーバを
   介して各分散ディレクトリ装置と通信回線を介して接続
   され、所定の前記データベースの更新要求があったとき
   に、更新の内容を各前記分散ディレクトリ装置の同期管
   理対象データベースに配信する同期管理手段と、 からなることを特徴とする分散型データベースの同期管
   理システム。
4. 【請求項４】 請求項１ないし請求項３のいずれかに記
   載の分散型データベースの同期管理システムにおいて、 同一のデータに対して同時に複数の更新要求があったと
   きに、前記更新要求を順序付けて順番に更新を行うシリ
   アル更新制御手段を設けたこと、 を特徴とする分散型データベースの同期管理システム。
5. 【請求項５】 分散して配置された複数のサーバのデー
   タベース内に共通のデータを有し、一の前記サーバの前
   記データが更新された場合に、各前記サーバ内の前記デ
   ータを更新して前記データベース間の前記データの整合
   を図る分散型データベースの同期管理方法において、 クライアントからデータの更新要求があったときに、当
   該更新要求がクライアントに直接接続された一のサーバ
   のものなのか、前記一のサーバ以外の他のサーバのもの
   なのかを判断するステップと、 更新要求の対象となった共通の前記データを有する前記
   サーバを検索するステップと、 このステップにより発見されたサーバに対して更新要求
   を配信するステップと、 クライアントから前記データの更新要求があったときに
   前記サーバベース内の前記データを更新するステップ
   と、 更新要求が前記他のサーバからのものであるときには、
   前記他のサーバの前記データの更新に同期させて前記一
   のサーバの前記データの更新を行うステップと、 を有することを特徴とする分散型データベースの同期管
   理方法。
6. 【請求項６】 クライアントからデータの更新要求があ
   ったときに、更新要求の対象となったデータが各データ
   ベースに固有の個別管理対象データか、複数のデータベ
   ースに共通し同期更新の対象となる同期管理対象データ
   かを判別するステップと、 前記データが個別管理対象データである場合にはそのま
   ま前記データの更新を行い、同期管理対象データである
   場合には他のデータベースに更新要求を配信するステッ
   プと、 受信した更新要求に基づいて更新要求の対象となったデ
   ータを各データベースごとに同期させて更新するステッ
   プと、 を有することを特徴とする請求項５に記載の分散型デー
   タベースの同期管理方法。
7. 【請求項７】 請求項５または請求項６に記載の分散型
   データベースの同期管理方法において、 同一のデータに対して同時に更新要求があったときに、
   シリアル制御によって前記更新要求を順序付けて順番に
   更新を行うステップを設けたこと、 を特徴とする分散型データベースの同期管理方法。