JPH11247186A - コンクリート充填鋼管杭の杭頭コンクリート除去方法及びその装置 - Google Patents

コンクリート充填鋼管杭の杭頭コンクリート除去方法及びその装置

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JPH11247186A
JPH11247186A JP4966798A JP4966798A JPH11247186A JP H11247186 A JPH11247186 A JP H11247186A JP 4966798 A JP4966798 A JP 4966798A JP 4966798 A JP4966798 A JP 4966798A JP H11247186 A JPH11247186 A JP H11247186A
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concrete
steel pipe
pipe pile
pile
reinforcing bar
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JP4966798A
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Nobuhiro Imai
信宏 今井
Kazumi Sawamura
一巳 沢村
Nobuyuki Nakamura
信行 中村
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 上部構造物建て込みの際の施工精度がよいと
共に、省力化及び作業環境の向上を図ることのできるコ
ンクリート充填鋼管杭の杭頭コンクリート除去方法及び
装置を得る。 【解決手段】 地盤中に埋設された鋼管杭1の杭頭部内
面に内面保護シート2を貼付する工程と、鋼管杭1より
小径の格子状鉄筋3の下側に石灰系無機化合物からなる
静的破砕剤5を装着したものを、鋼管杭1内の所定深さ
位置に設置する工程と、格子状鉄筋3を所定深さに保持
させた状態で、鋼管杭1内にコンクリートを打設する工
程と、打設コンクリートの硬化後、静的破砕剤5の膨張
圧により鋼管杭内のコンクリートと縁切りされて二分さ
れた杭頭部のコンクリートを除去して鋼管杭1の杭頭に
空間部を形成する工程と、コンクリート除去後、内面保
護シート2を除去する工程とを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンクリートを充
填した鋼管杭内に所定の深さまで上部構造物の鉄骨柱を
建て込み、これらをコンクリートで一体化する工法に関
し、特に鉄骨柱を建て込むための空間部を鋼管杭の杭頭
に予め形成する杭頭コンクリート除去方法及びその装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】地震時におけるせん断抵抗性や曲げ抵抗
性が鉄筋コンクリート杭より優れた鋼管杭において、場
所打ちコンクリートを充填した鋼管杭の中に上部構造で
ある鉄骨柱を建て込み、その後コンクリートを充填する
ことにより鋼管柱と鉄骨柱を一体化して地震時の地盤液
状化などに対して耐震性をより高めた基礎構造物とする
工法が最近注目されている。
【0003】この工法における課題は、内径が1.0〜
1.5mもある鋼管杭の杭頭部分のコンクリートを如何
に簡便に取り除いて、鉄骨柱を建て込むための深さ1.
0〜1.5mの空間部を確保するかにある。場所打ちコ
ンクリート充填鋼管杭のコンクリートの打設では、ま
ず、所定の深さまで鋼管杭を打ち込んだ後、コンクリー
ト打設のためのトレミー管を鋼管杭の先端部まで差し込
み、トレミー管を徐々に引き上げながらコンクリートの
打設を行っている。打ち上がってくるコンクリートの上
部には、泥水やコンクリートと泥水が混じり合ったスラ
イムなどのコンクリートにとって好ましくない不純物が
含まれている。
【0004】鋼管杭内のコンクリートの品質を保証する
ためには、これら不純物を全て鋼管杭外に排出しなけれ
ばならず、これら不純物全てを鋼管杭外にオーバーフロ
ーさせることにより、健全なコンクリートと置き換えて
いる。鋼管杭内に鉄骨柱を建て込む方法としては、従
来、杭頭部のコンクリートを除去せずに、コンクリート
がまだ柔らかい状態で鉄骨柱を所定の深さまで建て込む
方法、あるいは、硬化した杭頭のコンクリートをはつり
落として所定深さの空間部を確保し、この空間部に鉄骨
柱を建て込む方法が採られていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】コンクリートがまだ柔
らかい状態の時に鋼管杭内に所定の深さまで鉄骨柱を建
て込む方法は、鉄骨柱を固定するための特別な治具を必
要とし、また、鉄骨柱の建て込み時の鉄骨柱間の芯出し
精度が得にくいという問題がある。
【0006】また、硬化したコンクリートを所定の深さ
まではつり落として鉄骨柱を建て込む方法の場合には、
コンクリートをオーバーフローさせて不純物を除去する
ため、鋼管杭の上端部までコンクリートが詰まってお
り、コンクリートのはつり落とし作業に大変な労力を要
し、また、狭い鋼管杭内で窮屈な作業を強いられること
もあり、作業環境上も問題があった。
【0007】本発明は、かかる課題を解決するためにな
されたものであり、上部構造物建て込みの際の施工精度
がよいと共に、省力化及び作業環境の向上を図ることの
できるコンクリート充填鋼管杭の杭頭コンクリート除去
方法及びその装置を得ることを目的としたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係るコンクリー
ト充填鋼管杭の杭頭コンクリート除去方法は、地盤中に
埋設された鋼管杭の杭頭部内面に内面保護シートを貼付
する工程と、前記鋼管杭より小径の格子状鉄筋の下側に
石灰系無機化合物からなる静的破砕剤を装着したもの
を、前記鋼管杭内の所定深さ位置に設置する工程と、前
記格子状鉄筋を所定深さに保持させた状態で前記鋼管杭
内にコンクリートを打設する工程と、打設コンクリート
の硬化後、静的破砕剤の膨張圧により鋼管杭内のコンク
リートと縁切りされて二分された杭頭部のコンクリート
を除去して前記鋼管杭の杭頭に空間部を形成する工程
と、コンクリート除去後、前記内面保護シートを除去す
る工程とを備えたものである。
【0009】また、本発明に係るコンクリート充填鋼管
杭の杭頭コンクリート除去装置は、地盤中に埋設された
鋼管杭の杭頭部内面に貼付される内面保護シートと、中
央部にトレミー管が通過する開口を有し、各接点が溶接
された鋼管杭の内径より小径の格子状鉄筋と、該格子状
鉄筋の下側に装着された石灰系無機化合物からなる静的
破砕剤と、前記格子状鉄筋を前記鋼管杭の所定深さ位置
に保持する保持手段とを備えたものである。
【0010】また、前記保持手段は、一端側が前記格子
状鉄筋の外周部に形成された鉄筋端に挿入される複数の
棒状体と、該棒状体の上端部に設けられ該棒状体を前記
鋼管杭の上端部に固定する固定具と、一端側が前記鉄筋
端に緊結されると共に、他端側が前記固定手段に緊結さ
れて前記格子状鉄筋を前記鋼管杭の所定深さに吊り下げ
る吊り下げ具とからなるものである。
【0011】また、前記内面保護シートは、厚さが2m
m以上の発泡ポリエチレンシートであることを特徴とす
るものである。
【0012】また、前記格子状鉄筋にビニール等を巻き
付け、さらにコンクリート剥離剤を塗布したことを特徴
とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1は本発明の実
施の形態に係る杭頭コンクリート除去装置を鋼管杭の内
部にセットした状態の模式図である。まず、図1に基づ
いて装置の概要を説明する。図1において、1は内面リ
ブ付き鋼管杭、2は鋼管杭1の上部内面に設置された発
泡ポリエチレンシート、3は鋼管杭1の上端内部に設置
された円形の格子状鉄筋、5は格子状鉄筋3の下側に装
着された円筒棒状の静的破砕剤、6は一端を格子状鉄筋
3に緊結し、他端を鋼管杭1の上端縁に設置された高力
長ボルト7に緊結して格子状鉄筋3を鋼管杭1内に吊り
下げる軟鉄線、8は格子状鉄筋3と高力長ボルト7の間
に介在設置されて格子状鉄筋3を所定位置に保持するパ
イプである。
【0014】次に、杭頭コンクリート除去装置の各構成
部品の詳細について説明する。発泡ポリエチレンシート
2はコンクリート打設中に鋼管杭内壁部に泥水やスライ
ムやコンクリートが侵入するのを確実に防止するための
ものであり、鋼管杭1における内壁部に空間部を形成す
る深さまで貼付されている。そして、この発泡ポリエチ
レンシート2は、上記目的を確実に達成するためにはそ
の厚さを2mm以上とすることが好ましい。
【0015】格子状鉄筋3は、その平面を示した図2に
示すように、複数の鉄筋を格子状に組み合わせて各接点
を溶接して、鋼管杭1の内径より小径の円形状に形成さ
れている。格子状鉄筋3を構成する鉄筋は、D13から
D16程度の異形鉄筋を使用し、各格子の間隔を5cm
から10cm程度(好ましくは10cm)としている。
このようにすることにより、下から打ち上がってくるコ
ンクリートが格子の間を容易にくぐり抜け、コンクリー
ト圧により格子状鉄筋3が浮き上がる力を低減できる。
【0016】格子状鉄筋3の中央部にはトレミー管が通
過する円形又は矩形の開口11が設けられている。ま
た、格子状鉄筋3の外周部4箇所(図2の黒丸印で示
す)には、図3に示すように、格子を形成する鉄筋の端
部を直角上方に向けて折曲形成された鉄筋端3aが設け
られている。
【0017】静的破砕剤5は専用の円筒棒状の細い管の
中に石灰系無機化合物を主体とする顆粒を詰めたもの
(商品名:住友大阪セメント社製 ニューキャブ)で、
打設コンクリートの水和に伴う温度上昇に応じて膨張圧
が発現し、コンクリート打設後、2日ないし3日の若材
令の硬化コンクリートに膨張圧によるひび割れを発生さ
せることによって効果的に破砕するものである。静的破
砕剤5は使用時には水に浸した後、図2に示すように、
4本以上を取り付け治具を介してしっかりと格子状鉄筋
3に固定する。
【0018】パイプ8は上部に高力長ボルト7を差し込
むための貫通穴を有している。そして、上部の貫通穴に
は、図4に示すように、高力長ボルト7が挿通され両端
がナット12でとめられている。また、高力長ボルト7
にはパイプ8を鋼管杭1に固定するための2枚の鉄板1
3が挿通して取り付けられている。
【0019】図5〜図8は本発明の実施の形態1に係る
杭頭コンクリートの除去方法の説明図である。以下、図
1及び図5〜図8に基づいて杭頭コンクリートの除去方
法を説明する。 (1)鋼管杭1にコンクリートを打設する前に、鋼管杭
1の内壁部に空間部を形成する深さまで発泡ポリエチレ
ンシートを貼付する。発泡ポリエチレンシートは片面の
り付きのものを用いて鋼管杭内壁に貼り付け、さらにシ
ートの合わせ目およびシート上部、下部の鋼管杭と接す
る部分を幅広のガムテープ等でしっかりとシールしてコ
ンクリート打設の際に、スライムやコンクリートがシー
トと鋼管杭との隙間に侵入しないようにする。
【0020】(2)次に、高力長ボルト7及び2枚の鉄
板13を取り付けた図4に示す複数のパイプ8の一端
を、静的破砕剤5が取り付けられた格子状鉄筋3の外周
部の鉄筋端3aにそれぞれ差し込み、次いで軟鉄線6の
一端を鉄筋端3aの近傍に緊結し、軟鉄線6の他端を高
力長ボルト7に緊結する。以上のようにしてコンクリー
ト除去装置が組み立てられると、これを鋼管杭1内に挿
入する。挿入の際は、パイプ8の上部に差し込んだ高力
長ボルトの長い方を外向きにして、コンクリート除去装
置が鋼管杭内に落下しないように仮止めした後、2枚の
鉄板13で鋼管杭1の上端外周部をはさみ、これを万力
等で締め付けることにより、コンクリート除去装置を鋼
管杭に固定する。
【0021】このように固定することによって、コンク
リートを打設する際の下からのコンクリート圧によりコ
ンクリート除去装置が浮き上がるのを防止できる。ま
た、複数本のパイプの一端を直角に折り曲げられた鉄筋
端に差し込んで装置全体の剛性を高めているため、コン
クリート打設時に、コンクリート除去装置が回転した
り、傾いたりすることがない。なお、格子状鉄筋3は、
複数本以上の軟鉄線6で吊り下げられているため、コン
クリート除去装置を鋼管杭内に挿入するとき、管内に落
下することはない。以上のようにしてコンクリート除去
装置を鋼管杭1に設置した状態が図1に示す状態であ
る。
【0022】(5)次に、格子状鉄筋3のトレミー管通
過用の穴11に、トレミー管を建て込んで、鋼管杭1の
内部にコンクリート打設を行う(図5参照)。 (6)下から打ち上がってきたコンクリート10は、コ
ンクリート上部の泥水、スライムが完全になくなるまで
鋼管杭外にオバーフローさせ、オーバーフローさせたコ
ンクリート10は、鋼管杭1に土砂等が流入しないよう
に設置されている表層ケーシング15と鋼管杭外周部と
の隙間16にバイブレーターを使用して締め固めて裏込
めコンクリートとする。
【0023】(7)コンクリート打設終了後、パイプ8
の上部の高力長ボルト7に緊結された軟鉄線6及び万力
等を取り外した後、パイプ8を引き抜いて、静的破砕剤
を装着した円形の格子状鉄筋3を鋼管杭の所定の深さに
設置する。コンクリート10中に設置された格子状鉄筋
3は、コンクリート10の粘性及びコンクリート中の鉄
筋の浮力により、バイブレーター等の振動を加えない限
り下に沈み込むことはない。 (8)コンクリート10からのブリージング水が浮きで
なくなるコンクリート打設終了から1時間程度経過した
時点で、コンクリート10を吊り上げるための複数個の
U字形の吊り金物9を、コンクリート10中に埋め込む
(以上図6参照)。
【0024】(9)表層ケーシング15をクレーン等で
撤去する。 (10)コンクリート硬化後2日〜3日経過すると、静
的破砕剤5の膨張圧により、鋼管杭内のコンクリート1
0が静的破砕剤設置位置でのひび割れ発生により二分さ
れる。このとき、杭頭部コンクリート10が上方に押し
上げられることになるが、鋼管杭1内側に貼付された発
泡ポリエチレンシート2の発泡部がつぶれて、コンクリ
ート押し上げに伴う圧力を吸収するため、鋼管杭1が変
形したり、鋼管杭1に傷がついたりすることはない(図
7参照)。 (11)静的破砕剤5の膨張圧により鋼管杭1内のコン
クリート10と縁切りされた杭頭部コンクリート10a
をクレーン等により吊り上げて除去して、鋼管杭杭頭に
所定の深さの空間部11を形成する(図8参照)。
【0025】(12)杭頭コンクリート10aの除去
後、発泡ポリエチレンシート2を除去し、杭頭コンクリ
ート10aの吊り上げ除去の際、鋼管杭内に落下したコ
ンクリートの破片、ごみ等をきれいに取り除いて、上部
構造物建て込みの際のコンクリート打ち継ぎ面を清浄に
する。打ち継ぎ面は、硬化コンクリートを割裂いた面で
あるので、通常の場合の様なブリージング水によるレイ
タンス除去処理は不要である。 (13)鋼管杭天端を円形の養生蓋で塞ぎ、鋼管杭内に
雨水、ゴミ等が侵入しないようにする。
【0026】なお、上記の説明では、地盤中に埋設する
杭として内面リブ付き鋼管杭1を用いた場合を示した
が、リブの無い鋼管杭あるいは角形鋼管杭を用いてもよ
く、あるいは、上部が円筒状のコンクリート杭を用いて
もよい。また、鋼管杭内側に貼付する発泡ポリエチレン
シート2の代わりに、表面が水分を通さない皮膜及び水
分を通さない弾力のある発泡物で形成される可撓性のあ
るシート状のものを用いてもよい。
【0027】実施の形態2.この実施の形態2において
は、円形の格子状鉄筋にビニール等を巻き付け、さらに
パラフィン等のコンクリート剥離剤を塗布したものであ
る。ただし、格子状鉄筋の外周部に形成したパイプ差し
込みのための鉄筋端には、上記にような処理は行わな
い。
【0028】上記のような処理を施すことにより、コン
クリート硬化時に、格子状鉄筋に巻かれたビニールテー
プ等やパラフィン等のコンクリート剥離剤の作用によ
り、鉄筋とコンクリートとの付着力が縁切りされて、コ
ンクリート中にひび割れ等の内部欠陥を有することにな
る。そして、静的破砕剤の膨張圧により、格子状鉄筋に
沿って必ずひび割れが水平方向につながりコンクリート
が確実に二分され、更にひび割れ等の内部欠陥が存在す
ることにより小さな膨張圧で、すなわち少ない静的破砕
剤の使用量でコンクリートにひび割れを生じさせること
ができる。
【0029】また、内部欠陥がコンクリート中に存在す
ると、これが一種のノッチの作用をなし、膨張圧により
ひび割れが発生すると、小さい膨張圧でひび割れが次々
に伝播してコンクリートが確実に二分される。格子状鉄
筋にパラフィン等のコンクリート剥離剤を塗布したの
で、静的破砕剤により二分された杭頭コンクリートを吊
り上げる際、格子状鉄筋が剥離剤の作用により、鋼管内
コンクリートに付着することがなく、つり上げ時に格子
状鉄筋が食い込んで問題になることがない。
【0030】円形の格子状鉄筋の内、パイプ差し込みの
ための折り曲げ鉄筋には、上記にような処理は行わない
ので、この部分がコンクリートが硬化後アンカーの作用
をなし、杭頭コンクリートを吊り上げる時、格子状鉄筋
が杭頭コンクリートの下部にくっついたまま上がり、格
子状鉄筋が、鋼管杭内コンクリートに取り残されること
がない。
【0031】
【発明の効果】本発明は以上のように構成されているの
で以下のような効果を奏する。 (1)地盤中に埋設された鋼管杭の杭頭部内面に内面保
護シートを貼付する工程と、前記鋼管杭より小径の格子
状鉄筋の下側に石灰系無機化合物からなる静的破砕剤を
装着したものを、前記鋼管杭内の所定深さ位置に設置す
る工程と、前記格子状鉄筋を所定深さに保持させた状態
で、前記鋼管杭内にコンクリートを打設する工程と、打
設コンクリートの硬化後、静的破砕剤の膨張圧により鋼
管杭内のコンクリートと縁切りされて二分された杭頭部
のコンクリートを除去して前記鋼管杭の杭頭に空間部を
形成する工程と、コンクリート除去後、前記内面保護シ
ートを除去する工程とを備えたので、従来、硬化コンク
リートの杭頭のはつり落としなど多大の労力を費やして
いた作業をなくすことができ、作業能率が大幅に向上
し、工期を短縮し工費を低減することができる。また、
狭い鋼管杭内における硬化コンクリートのはつり落とし
作業が無いので、作業環境を改善することができる。さ
らに、上部構造物建て込みの際の施工精度を向上させる
ことができるとともに、硬化したコンクリートを静的破
砕剤により二分するため、上部構造を建て込むためのコ
ンクリート打ち継ぎ面にブリージング水によるレイタン
スが生じないため、目荒らし等の打ち継ぎ面処理が不要
となる。
【0032】(2)また、地盤中に埋設された鋼管杭の
杭頭部内面に貼付される内面保護シートと、中央部にト
レミー管が通過する開口を有し、各接点が溶接された鋼
管杭の内径より小径の格子状鉄筋と、該格子状鉄筋の下
側に装着された石灰系無機化合物からなる静的破砕剤
と、前記格子状鉄筋を前記鋼管杭の所定深さ位置に保持
する保持手段とを備えたので、簡単な装置で前記(1)
と同様の効果を得ることができる。
【0033】(3)また、保持手段は、一端側が前記格
子状鉄筋の外周部に形成された鉄筋端に挿入される複数
の棒状体と、該棒状体の上端部に設けられ該棒状体を鋼
管杭の上端部に固定する固定具と、一端側が前記鉄筋端
に緊結されると共に、他端側が前記固定手段に緊結され
て前記格子状鉄筋を鋼管杭の所定深さに吊り下げる吊り
下げ具とから構成したので、棒状態の一端を鉄筋端に差
し込んだときの見かけの剛性が上昇し、また棒状体をそ
の上部で鋼管杭に固定するようにしているため、格子状
鉄筋が下から打ち上がってくるコンクリート圧によって
回転したり、傾いたりすることがない。
【0034】(4)また、内面保護シートを、厚さが2
mm以上の発泡ポリエチレンシートとしたので、コンク
リート打設中に鋼管杭内壁部に泥水やスライムやコンク
リートが侵入することがなく、鋼管杭内壁が清浄に保た
れ、上部構造物を建て込んだ後、コンクリートを充填し
て上部構造物を固定する際に、鋼管杭内壁とコンクリー
トがしっかりと一体化した構造となすことができる。ま
た、静的破砕剤の膨張圧によりコンクリートにひび割れ
が生じ、コンクリートが鋼管杭下部のコンクリートと杭
頭部のコンクリートとに二分され、杭頭部のコンクリー
ト部が膨張圧により上方に押し上げられるときに厚さが
2mm以上の発泡ポリエチレンシートの発泡部がつぶれ
て鋼管杭に加わる圧力を吸収するため、鋼管杭を変形さ
せたり傷つけたりすることがない。
【0035】(5)また、前記格子状鉄筋にビニール等
を巻き付け、さらにコンクリート剥離剤を塗布したの
で、鉄筋とコンクリートとの付着力が縁切りされて、コ
ンクリート中にひび割れ等の内部欠陥を有することにな
り、静的破砕剤の膨張圧による破砕の際に格子状鉄筋に
沿ってひび割れが水平方向につながりコンクリートが確
実に二分される。また、ひび割れ等の内部欠陥が存在す
ることにより小さな膨張圧で、すなわち少ない静的破砕
剤の使用量でコンクリートにひび割れを生じさせること
ができる。さらに、内部欠陥がコンクリート中に存在す
ると、これが一種のノッチの作用をなし、膨張圧により
ひび割れが発生すると、小さい膨張圧でひび割れが次々
に伝播してコンクリートが確実に二分される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態を説明するための模式図
である。
【図2】 格子状鉄筋の平面図である。
【図3】 格子状鉄筋の側面図である。
【図4】 格子状鉄筋を鋼管杭に固定するパイプの説明
図である。
【図5】 本発明の実施の形態の各工程の説明図であ
る。
【図6】 本発明の実施の形態の各工程の説明図であ
る。
【図7】 本発明の実施の形態の各工程の説明図であ
る。
【図8】 本発明の実施の形態の各工程の説明図であ
る。
【符号の説明】
1 内面リブ付き鋼管杭 2 発泡ポリエチレンシート 3 格子状鉄筋 5 静的破砕剤 6 軟鉄線 7 高力長ボルト 8 パイプ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地盤中に埋設された鋼管杭の杭頭部内面
    に内面保護シートを貼付する工程と、 前記鋼管杭より小径の格子状鉄筋の下側に石灰系無機化
    合物からなる静的破砕剤を装着したものを、前記鋼管杭
    内の所定深さ位置に設置する工程と、 前記格子状鉄筋を所定深さに保持させた状態で、前記鋼
    管杭内にコンクリートを打設する工程と、 打設コンクリートの硬化後、静的破砕剤の膨張圧により
    鋼管杭内のコンクリートと縁切りされて二分された杭頭
    部のコンクリートを除去して前記鋼管杭の杭頭に空間部
    を形成する工程と、 コンクリート除去後、前記内面保護シートを除去する工
    程とを備えたことを特徴とするコンクリート充填鋼管杭
    の杭頭コンクリート除去方法。
  2. 【請求項2】 地盤中に埋設された鋼管杭の杭頭部内面
    に貼付される内面保護シートと、 中央部にトレミー管が通過する開口を有し、各接点が溶
    接された鋼管杭の内径より小径の格子状鉄筋と、 該格子状鉄筋の下側に装着された石灰系無機化合物から
    なる静的破砕剤と、 前記格子状鉄筋を前記鋼管杭の所定深さ位置に保持する
    保持手段とを備えたことを特徴とするコンクリート充填
    鋼管杭の杭頭コンクリート除去装置。
  3. 【請求項3】 前記保持手段は、 一端側が前記格子状鉄筋の外周部に形成された鉄筋端に
    挿入される複数の棒状体と、該棒状体の上端部に設けら
    れ該棒状体を前記鋼管杭の上端部に固定する固定具と、
    一端側が前記鉄筋端に緊結されると共に、他端側が前記
    固定手段に緊結されて前記格子状鉄筋を前記鋼管杭の所
    定深さに吊り下げる吊り下げ具とからなることを特徴と
    する請求項2記載のコンクリート充填鋼管杭の杭頭コン
    クリート除去装置。
  4. 【請求項4】 前記内面保護シートは、厚さが2mm以
    上の発泡ポリエチレンシートであることを特徴とする請
    求項2又は3に記載のコンクリート充填鋼管杭の杭頭コ
    ンクリート除去装置。
  5. 【請求項5】 前記格子状鉄筋にビニール等を巻き付
    け、さらにコンクリート剥離剤を塗布したことを特徴と
    する請求項2乃至4のいずれかに記載のコンクリート充
    填鋼管杭の杭頭コンクリート除去装置。
JP4966798A 1998-03-02 1998-03-02 コンクリート充填鋼管杭の杭頭コンクリート除去方法及びその装置 Withdrawn JPH11247186A (ja)

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JP4966798A Withdrawn JPH11247186A (ja) 1998-03-02 1998-03-02 コンクリート充填鋼管杭の杭頭コンクリート除去方法及びその装置

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102352627A (zh) * 2011-08-03 2012-02-15 中交第一航务工程勘察设计院有限公司 承载力不合格桩静压加固处理方法
CN104480931A (zh) * 2014-12-10 2015-04-01 大连三川建设集团股份有限公司 快速拆除桩头的机械成孔灌注桩的方法
JP2015098966A (ja) * 2013-11-19 2015-05-28 株式会社大林組 管部材の建て込み方法
CN108203979A (zh) * 2018-02-27 2018-06-26 中建路桥集团有限公司 一种采用消失破除法的桩头破除系统及破除方法

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