JPH11241314A - 水中構造物の補強工法 - Google Patents

水中構造物の補強工法

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JPH11241314A
JPH11241314A JP5755998A JP5755998A JPH11241314A JP H11241314 A JPH11241314 A JP H11241314A JP 5755998 A JP5755998 A JP 5755998A JP 5755998 A JP5755998 A JP 5755998A JP H11241314 A JPH11241314 A JP H11241314A
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JP
Japan
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underwater structure
formwork
underwater
reinforcing
concrete
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JP5755998A
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Tetsuji Sato
哲司 佐藤
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Obayashi Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】大きな占有面積を必要とすることなく水中構造
物を補強する。 【解決手段】本発明に係る水中構造物の補強工法におい
ては、まず、橋脚1の周面を潜水作業にて目荒らしする
(ステップ101)。次に、橋脚1周囲の水面に台船2
を浮かべて作業台とするとともに、橋脚1の上方に予め
昇降用ブラケット4を取り付けて該ブラケットにウイン
チ5を設置する(102)。そして、鋼製パネル3をウ
インチ5から巻き出されたワイヤー6で吊持しながら橋
脚1を取り囲むようにして周方向に連結する(10
3)。次に、ワイヤー6をウインチ5から巻き出して先
行組立分を水面下に吊り降ろし、次いで、鋼製パネル3
の上縁に図示しない鋼製パネルの下縁を連結する(10
4)。このようにステップ103及びステップ104を
適宜繰り返しながら、型枠21の設置を完了し、型枠2
1と橋脚1の表面との間に水中コンクリート31を打設
する(105)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水面下にある橋脚
部分に代表されるような水中構造物を補強するための補
強工法に関する。
【0002】
【従来の技術】既設構造物、例えばコンクリート製橋脚
が設計基準を上回る地震によってひび割れやかぶり部分
のコンクリートの剥落等を生じた場合、あるいは設計時
の基準が低くて将来遭遇するであろう大地震に耐えられ
ないと判断される場合には、これを早急に補強あるいは
補修すべきであり、かかる補強工法として、例えば、既
設構造物の周囲に鋼板を巻き付けたり、RCを巻き立て
たりといった工法がある。
【0003】ここで、水面下にある橋脚部分のように補
強あるいは補修対象箇所が水中の場合には、その周囲を
取り囲むようにしてシートパイル等を打ち込み、その内
側を水抜きしてドライな状態にし、しかる後に補強工事
や補修工事を行うのが一般的であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなシートパイル等を使って橋脚の周囲を締め切るいわ
ばドライ工法は、本工事自体はやりやすくなるが、その
前準備にコストがかかるのみならず、シートパイルと橋
脚との間が補強工事を行うための作業空間となるため、
両者の間には少なくとも数m、二重の締切りを行うので
あれば10m近い空きが必要となる。
【0005】したがって、シートパイルの打ち込み中は
もちろん、シートパイルを打ち込んだ後も広い面積を占
有することとなり、水上交通に支障をきたすとともに、
補強工事終了後もシートパイルの撤去に手間がかかると
いう問題を生じていた。
【0006】また、他の構造物の相対位置関係によって
は、上述した作業空間を確保することが困難な場合もあ
るという問題も生じていた。
【0007】本発明は、上述した事情を考慮してなされ
たもので、大きな占有スペースを必要とすることなく、
水中構造物を補強ないしは補修することが可能な水中構
造物の補強工法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係る水中構造物の補強工法は請求項1に記
載したように、水中構造物の表面から所定の間隔を隔て
て型枠を設置し、該型枠と前記表面との間に水中コンク
リートを打設するものである。
【0009】また、本発明に係る水中構造物の補強工法
は、前記型枠を前記水中構造物の周囲を取り囲むように
して設置するとともに、該型枠の下縁にコンクリート流
出防止用シールを設けるものである。
【0010】また、本発明に係る水中構造物の補強工法
は、前記型枠を分割された鋼製パネルで構成し、該鋼製
パネルを前記水中構造物の周方向に相互に連結するもの
である。
【0011】また、本発明に係る水中構造物の補強工法
は、前記型枠を設置する際、先行組立分の上縁に連結す
る形で所定高さ分を水面上にて組み立てつつ、前記先行
組立分を水面下に吊り降ろすものである。
【0012】本発明に係る水中構造物の補強工法におい
ては、水中構造物の表面から所定の間隔を隔てて型枠を
設置する。次に、かかる状態で型枠と水中構造物の表面
との間に水中コンクリートを打設する。
【0013】このようにすると、打設された水中コンク
リートは、型枠と水中構造物の表面との隙間に流入して
硬化し、水中構造物と一体となって該構造物の断面を増
大させるとともに、損傷した水中構造物の表面を強化す
る。
【0014】このように本発明でいうところの補強なる
用語には、耐震性の向上を図るために水中構造物の断面
を増加させるという意味での補強はもちろん、鉄筋腐食
等のために水中構造物の表面が損傷している場合にこれ
を補修する場合をも含む。
【0015】型枠と水中構造物表面との隙間に予め鉄筋
を挿入するかどうかや水中構造物の表面の目荒らしを潜
水作業等によって予め行うかどうかは設計上の任意事項
であり、必要に応じて行えばよい。
【0016】水中構造物は、河川や湖沼あるいは海に存
在する岸壁、橋脚等の構造物をすべて含むが、かかる水
中構造物が橋脚等である場合には、前記型枠を前記水中
構造物の周囲を取り囲むようにして設置するとともに、
該型枠の下縁にコンクリート流出防止用シールを設ける
ことにより、水中構造物の周囲に水中コンクリートを巻
き立てる形で補強を行うことができる。
【0017】型枠の構成は任意であって例えば水中での
脱型を前提とした木製堰板でもよいが、前記型枠を分割
された鋼製パネルで構成し、該鋼製パネルを前記水中構
造物の周方向に相互に連結するようにするならば、かか
る鋼製パネルは、コンクリート硬化後においてもこれを
脱型しない補強材兼用の型枠となり、地震時において
は、水中構造物の周面をその周囲に巻き立てられた補強
分のコンクリートとともにしっかりと側方から拘束し、
水中構造物や補強分のコンクリート表面の剥離、鉄筋露
出及びそれに引き続くコンクリート構造物の圧壊を未然
に防止することが可能となる。
【0018】型枠の設置方法は任意であり、例えば水底
や海底から順次上方に向けて建て込んでいってもよい
が、前記型枠を設置する際、先行組立分の上縁に連結す
る形で所定高さ分を水面上にて組み立てつつ、前記先行
組立分を水面下に吊り降ろすようにするならば、型枠設
置を潜水作業で行う必要がなくなる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る水中構造物の
補強工法の実施の形態について、添付図面を参照して説
明する。なお、従来技術と実質的に同一の部品等につい
ては同一の符号を付してその説明を省略する。
【0020】図1は、本実施形態に係る水中構造物の補
強工法の作業手順を示したフローチャート、図2は、本
実施形態に係る補強工法で使用する鋼製パネルの全体斜
視図、図3乃至図6は、各工程での作業の様子を示した
断面図である。本実施形態に係る水中構造物の補強工法
においては、まず、図3に示すように、水中構造物であ
る橋脚1の周面を潜水作業にて目荒らしする(図1、ス
テップ101)。目荒らしは、例えばブレーカを用いて
行えばよい。
【0021】次に、図4に示すように、橋脚1周囲の水
面に台船2を浮かべて作業台とするとともに、橋脚1の
上方に予め昇降用ブラケット4を取り付けて該ブラケッ
トにウインチ5を設置する(ステップ102)。そし
て、鋼製パネル3をウインチ5から巻き出されたワイヤ
ー6で吊持しながら橋脚1を取り囲むようにして周方向
に連結する(ステップ103)。台船2は、鋼製パネル
3の仮置き場として随時使用することができる。
【0022】図2は、鋼製パネル3を示した全体斜視図
である。同図でわかるように、型枠の構成要素である鋼
製パネル3は、矩形状の鋼板を所定の曲率で湾曲加工さ
れてなる堰板11と、該堰板から内方に突出し先端が橋
脚1の周面に当接されるようになっている間隔保持板1
2と、堰板11の4つの周縁から内方に向けて突設され
隣接パネルとの周方向及び高さ方向の連結及び堰板11
の面外補強を行うための連結兼補強用リブ13と、堰板
11から内方に突設された定着用突起14とからなり、
堰板11の下縁に突設された連結兼補強用リブ13に
は、コンクリート流出防止用シール15を設けてある。
定着用突起14は、水中コンクリート内への定着を図る
ためのものであり、スタッドボルト、鉄筋、型鋼などを
利用することができる。
【0023】間隔保持板12、連結兼補強用リブ13及
び定着用突起14は、予め工場にて堰板11に溶接して
おくのがよい。なお、連結兼補強用リブ13には、連結
用ボルトを挿通するためのボルト孔16を適宜設けてあ
る。また、間隔保持板12は、その突出長さがすなわち
巻き立てられる水中コンクリートの厚みとなるので、要
求される耐震性の程度などを考慮し、設計上の観点で適
宜定める。
【0024】コンクリート流出防止用シール15は、鋼
製パネル3の下縁と橋脚1との間に隙間が生じることが
ないよう、橋脚1に押し付けられたときに破損せずに撓
む程度の可撓性と水中コンクリートの重量が作用しても
破損しない程度の強度を持つ材質で形成し、例えば可撓
性ゴムやプラスチック系材料で形成することが可能であ
る。
【0025】次に、図4で説明したワイヤー6をウイン
チ5から巻き出して先行組立分を水面下に吊り降ろし、
次いで、鋼製パネル3の上縁に図示しない鋼製パネルの
下縁を連結する(ステップ104)。
【0026】このように先行組立分への連結組立(ステ
ップ103)及び該先行組立分の吊り降ろし(ステップ
104)を適宜繰り返しながら、図5(a)に示すように
型枠21の設置を完了する。ここで、型枠21は、鋼製
パネル3の上方に鋼製パネル3aを順次連結してなるも
のであり、鋼製パネル3aは、コンクリート流出防止用
シール15を設けてない点を除いて鋼製パネル3と同様
である。なお、型枠21の水平断面図を同図(b)に、鋼
製パネル3の下縁と橋脚1との取り合い箇所の詳細断面
図を同図(c)に示しておく。また、型枠21と橋脚1と
の間には必要に応じて鉄筋を吊り込んでおく。
【0027】型枠21の設置が完了したならば、図6に
示すように型枠21と橋脚1の表面との間に水中コンク
リート31を打設する(ステップ105)。
【0028】このようにすると、打設された水中コンク
リート31は、型枠21内の水と置換されながら橋脚1
表面との空隙に流入し、硬化後は橋脚1と一体となって
該橋脚の断面を増大させるとともに、損傷した橋脚1の
表面を強化する。
【0029】水中コンクリート31としては、流動性が
高くしかも水中で分離しにくい高流動不分離性コンクリ
ートを使用するのがよい。また、コンクリート打設は、
適当なホースや管を使用することとし、それらの先端を
打設済みの水中コンクリート内に挿入した状態にて行う
のがよい。
【0030】なお、型枠21の設置あるいは水中コンク
リート31の打設が終了したならば、台船2や昇降用ブ
ラケット4を撤去し、橋脚1の補強工事を完了する。
【0031】以上説明したように、本実施形態に係る水
中構造物の補強工法によれば、水中構造物である橋脚1
を取り囲むようにして鋼製パネル3及び鋼製パネル3a
からなる型枠21を設置し、該型枠と橋脚1との隙間に
水中コンクリート31を打設するようにしたので、従来
のドライ工法では不可欠であった仮締切工、すなわち橋
脚1の周囲にシートパイル等を打ち込んでその内部をド
ライにする工程を行うことなく、橋脚1の補強を行うこ
とが可能となる。
【0032】そのため、シートパイルの打込み作業やそ
の内部の水抜き作業に要するコストや工期が不要になる
とともに、かかる作業や補強工事のために大きな設置面
積を占有せずに済むこととなり、河川の水上交通への影
響を懸念する必要がなくなる。
【0033】また、本実施形態によれば、型枠21を橋
脚1の周囲を取り囲むようにして設置するとともに、該
型枠の下縁にコンクリート流出防止用シール15を設け
るようにしたので、橋脚1の周囲に確実に水中コンクリ
ート31を巻き立てて補強を行うことが可能となる。
【0034】また、本実施形態によれば、型枠21を分
割された鋼製パネル3、鋼製パネル3aで構成し、これ
らの鋼製パネルを橋脚1の周方向に相互に連結するよう
にしたので、型枠21は、コンクリート硬化後において
もこれを脱型しない補強材兼用の型枠となり、地震時に
おいては、橋脚1の周面をその周囲に巻き立てられた補
強分のコンクリート31とともにしっかりと側方から拘
束し、橋脚1や補強コンクリート31の表面剥離、鉄筋
露出及びそれに引き続く橋脚1の圧壊を未然に防止する
ことが可能となる。
【0035】また、本実施形態によれば、型枠21を設
置する際、先行組立分の上縁に連結する形で所定高さ分
を水面上にて組み立てつつ、先行組立分を水面下に吊り
降ろすようにしたので、型枠21の設置を潜水作業で行
う必要がなくなる。また、上方で組み立てた分を順次下
方に吊り降ろしていけばよいため、橋脚1の周囲が狭隘
な環境であったとしても、他の構造物と干渉することな
く、橋脚1の周囲に型枠21を設置することが可能とな
る。
【0036】
【発明の効果】以上述べたように、請求項1に係る本発
明の水中構造物の補強工法によれば、従来のドライ工法
では不可欠であった仮締切工、すなわち水中構造物の周
囲にシートパイル等を打ち込んでその内部をドライにす
る工程を行うことなく、水中構造物の補強を行うことが
可能となる。そのため、シートパイルの打込み作業やそ
の内部の水抜き作業に要するコストや工期が不要になる
とともに、かかる作業や補強工事のために大きな設置面
積を占有せずに済むこととなり、河川の水上交通への影
響を懸念する必要がなくなる。
【0037】また、請求項2に係る本発明の水中構造物
の補強工法によれば、水中構造物の周囲に確実に水中コ
ンクリートを巻き立てて補強を行うことが可能となると
いう効果も奏する。
【0038】また、請求項3に係る本発明の水中構造物
の補強工法によれば、本発明の型枠は、コンクリート硬
化後において補強材を兼ねることとなり、地震時におい
ては、水中構造物の周面をその周囲に巻き立てられた補
強分のコンクリートとともにしっかりと側方から拘束
し、水中構造物や補強コンクリートの表面剥離、鉄筋露
出及びそれに引き続く水中構造物の圧壊を未然に防止す
ることが可能となるという効果も奏する。
【0039】また、請求項4に係る本発明の水中構造物
の補強工法によれば、型枠の設置を潜水作業で行う必要
がなくなる。また、上方で組み立てた分を順次下方に吊
り降ろしていけばよいため、水中構造物の周囲が狭隘な
環境であったとしても、他の構造物と干渉することな
く、水中構造物の周囲に型枠を設置することが可能とな
るという効果も奏する。
【0040】
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る水中構造物の補強工法の作業
手順を示したフローチャート。
【図2】本実施形態に係る水中構造物の補強工法で使用
する鋼製パネルの全体斜視図。
【図3】本実施形態に係る水中構造物の補強工法におい
て型枠設置前の様子を示した断面図。
【図4】本実施形態に係る水中構造物の補強工法におい
て最下段の鋼製パネル3を設置している様子を示した断
面図。
【図5】本実施形態に係る水中構造物の補強工法におい
て型枠21の設置が完了した様子を示した図であり、
(a)は鉛直断面図、(b)は(a)のA―A線に沿う水平断面
図、(c)は鋼製パネル3の下縁近傍を示した詳細断面
図。
【図6】本実施形態に係る水中構造物の補強工法におい
て水中コンクリート31の打設が終了した様子を示した
断面図。
【符号の説明】
1 橋脚(水中構造物) 3、3a 鋼製パネル 15 コンクリート流出防止用
シール 21 型枠

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水中構造物の表面から所定の間隔を隔て
    て型枠を設置し、該型枠と前記表面との間に水中コンク
    リートを打設することを特徴とする水中構造物の補強工
    法。
  2. 【請求項2】 前記型枠を前記水中構造物の周囲を取り
    囲むようにして設置するとともに、該型枠の下縁にコン
    クリート流出防止用シールを設ける請求項1記載の水中
    構造物の補強工法。
  3. 【請求項3】 前記型枠を分割された鋼製パネルで構成
    し、該鋼製パネルを前記水中構造物の周方向に相互に連
    結する請求項2記載の水中構造物の補強工法。
  4. 【請求項4】 前記型枠を設置する際、先行組立分の上
    縁に連結する形で所定高さ分を水面上にて組み立てつ
    つ、前記先行組立分を水面下に吊り降ろす請求項2若し
    くは請求項3記載の水中構造物の補強工法。
JP5755998A 1998-02-23 1998-02-23 水中構造物の補強工法 Withdrawn JPH11241314A (ja)

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