JPH11246782A - 含ハロゲンポリマー用架橋剤、架橋性含ハロゲンポリマー組成物および架橋方法 - Google Patents
含ハロゲンポリマー用架橋剤、架橋性含ハロゲンポリマー組成物および架橋方法Info
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- JPH11246782A JPH11246782A JP5314198A JP5314198A JPH11246782A JP H11246782 A JPH11246782 A JP H11246782A JP 5314198 A JP5314198 A JP 5314198A JP 5314198 A JP5314198 A JP 5314198A JP H11246782 A JPH11246782 A JP H11246782A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 作業性に優れ、常温および常圧において含ハ
ロゲンポリマーを架橋し、耐熱性、耐水性、機械特性等
に優れた架橋物をもたらすことのできる、含ハロゲンポ
リマー用架橋剤を提供する。 【解決手段】 式 【化1】 (式中、nは1〜20の整数であり、RはCH3 、CF
3 、C2 H5 、C2 F 5 、C3 H7 およびC3 F7 から
なる群より選択される)で表わされるメルカプト基含有
ペルフルオロアルキレンアルコキシシラン化合物からな
る含ハロゲンポリマー用架橋剤。架橋プロセスにおいて
は、該架橋剤とともにジアミン化合物が用いられる。
ロゲンポリマーを架橋し、耐熱性、耐水性、機械特性等
に優れた架橋物をもたらすことのできる、含ハロゲンポ
リマー用架橋剤を提供する。 【解決手段】 式 【化1】 (式中、nは1〜20の整数であり、RはCH3 、CF
3 、C2 H5 、C2 F 5 、C3 H7 およびC3 F7 から
なる群より選択される)で表わされるメルカプト基含有
ペルフルオロアルキレンアルコキシシラン化合物からな
る含ハロゲンポリマー用架橋剤。架橋プロセスにおいて
は、該架橋剤とともにジアミン化合物が用いられる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、含ハロゲンポリマ
ー用架橋剤、およびそれを用いた架橋性含ハロゲンポリ
マー組成物、ならびにそれらを用いた架橋方法に関し、
特に、メルカプト基含有ペルフルオロアルキレンアルコ
キシシラン化合物からなる含ハロゲンポリマー用架橋
剤、およびそれを用いた架橋性含ハロゲンポリマー組成
物、ならびにそれらを用いた架橋方法に関する。
ー用架橋剤、およびそれを用いた架橋性含ハロゲンポリ
マー組成物、ならびにそれらを用いた架橋方法に関し、
特に、メルカプト基含有ペルフルオロアルキレンアルコ
キシシラン化合物からなる含ハロゲンポリマー用架橋
剤、およびそれを用いた架橋性含ハロゲンポリマー組成
物、ならびにそれらを用いた架橋方法に関する。
【0002】
【従来の技術】クロロプレンゴム、塩素化ポリエチレン
ゴム、クロルスルホン化ポリエチレンゴム、ポリ塩化ビ
ニル等の含ハロゲンポリマーを架橋する方法として、種
々の方法があるが、一般的に広く実施されている方法
は、架橋のため100℃以上の高温を必要とし、常温・
常圧下では必要とする架橋物を得ることが困難である。
これに対し、特開昭56−5854号公報は、含ハロゲ
ンポリマーを常温・常圧下で架橋する方法を提案してい
る。同公報に開示される方法では、たとえば、含ハロゲ
ンポリマー用架橋剤としてγ−メルカプトプロピルトリ
アルコキシシランが用いられ、触媒としてヘキサメチレ
ンジアミンが用いられている。これらの化合物を用いて
含ハロゲンポリマーを架橋するため、ロール混練の温度
はたとえば100℃に設定される。上記架橋剤を用いる
ことにより、架橋温度は、従来よりも低い温度に設定で
きるようになったが、上記架橋剤は、架橋作業中に揮発
しやすく、また悪臭を有するので、作業者の健康上から
も作業環境上からもそれほど望ましくなかった。
ゴム、クロルスルホン化ポリエチレンゴム、ポリ塩化ビ
ニル等の含ハロゲンポリマーを架橋する方法として、種
々の方法があるが、一般的に広く実施されている方法
は、架橋のため100℃以上の高温を必要とし、常温・
常圧下では必要とする架橋物を得ることが困難である。
これに対し、特開昭56−5854号公報は、含ハロゲ
ンポリマーを常温・常圧下で架橋する方法を提案してい
る。同公報に開示される方法では、たとえば、含ハロゲ
ンポリマー用架橋剤としてγ−メルカプトプロピルトリ
アルコキシシランが用いられ、触媒としてヘキサメチレ
ンジアミンが用いられている。これらの化合物を用いて
含ハロゲンポリマーを架橋するため、ロール混練の温度
はたとえば100℃に設定される。上記架橋剤を用いる
ことにより、架橋温度は、従来よりも低い温度に設定で
きるようになったが、上記架橋剤は、架橋作業中に揮発
しやすく、また悪臭を有するので、作業者の健康上から
も作業環境上からもそれほど望ましくなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の1つの目的
は、比較的低温で含ハロゲンポリマーを架橋することが
でき、しかも揮発しにくく、すなわち沸点がより高く、
かつ悪臭の少ない含ハロゲンポリマー用架橋剤を提供す
ることである。
は、比較的低温で含ハロゲンポリマーを架橋することが
でき、しかも揮発しにくく、すなわち沸点がより高く、
かつ悪臭の少ない含ハロゲンポリマー用架橋剤を提供す
ることである。
【0004】本発明のさらなる目的は、そのような架橋
剤を用いた組成物、および架橋方法を提供することであ
る。
剤を用いた組成物、および架橋方法を提供することであ
る。
【0005】本発明のさらなる目的は、比較的低い温度
において含ハロゲンポリマーを架橋することができ、し
かも耐熱性、耐水性、耐薬品性、機械特性等により優れ
た含ハロゲンポリマー架橋物を得るための技術を提供す
ることである。
において含ハロゲンポリマーを架橋することができ、し
かも耐熱性、耐水性、耐薬品性、機械特性等により優れ
た含ハロゲンポリマー架橋物を得るための技術を提供す
ることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、含ハロゲン
ポリマー用架橋剤として、メルカプト基含有ペルフルオ
ロアルキレンアルコキシシラン化合物を用いることによ
り上記問題を解決することができ、しかも耐熱性、耐水
性、耐薬品性、機械特性等に優れた含ハロゲンポリマー
架橋物が得られることを見いだし、本発明を完成するに
至った。すなわち本発明による含ハロゲンポリマー用架
橋剤は、式
ポリマー用架橋剤として、メルカプト基含有ペルフルオ
ロアルキレンアルコキシシラン化合物を用いることによ
り上記問題を解決することができ、しかも耐熱性、耐水
性、耐薬品性、機械特性等に優れた含ハロゲンポリマー
架橋物が得られることを見いだし、本発明を完成するに
至った。すなわち本発明による含ハロゲンポリマー用架
橋剤は、式
【0007】
【化4】
【0008】(式中、nは1〜20の整数であり、Rは
CH3 、CF3 、C2 H5 、C2 F 5 、C3 H7 および
C3 F7 からなる群より選択される)で表わされるメル
カプト基含有ペルフルオロアルキレンアルコキシシラン
化合物からなる。
CH3 、CF3 、C2 H5 、C2 F 5 、C3 H7 および
C3 F7 からなる群より選択される)で表わされるメル
カプト基含有ペルフルオロアルキレンアルコキシシラン
化合物からなる。
【0009】本発明による架橋性含ハロゲンポリマー組
成物は、含ハロゲンポリマー、上記含ハロゲンポリマー
用架橋剤およびジアミン化合物よりなる。このような組
成物において、含ハロゲンポリマー用架橋剤は、含ハロ
ゲンポリマー100重量部に対し、1〜15重量部とす
ることが好ましい。またジアミン化合物は、含ハロゲン
ポリマー100重量部に対し、0.1〜10重量部とす
ることが好ましい。特に、ジアミン化合物は、式
成物は、含ハロゲンポリマー、上記含ハロゲンポリマー
用架橋剤およびジアミン化合物よりなる。このような組
成物において、含ハロゲンポリマー用架橋剤は、含ハロ
ゲンポリマー100重量部に対し、1〜15重量部とす
ることが好ましい。またジアミン化合物は、含ハロゲン
ポリマー100重量部に対し、0.1〜10重量部とす
ることが好ましい。特に、ジアミン化合物は、式
【0010】
【化5】
【0011】(式中、nは1〜20の整数であり、R′
はH、F、CH3 、CF3 、C2 H 5 、C2 F5 、C3
H7 、C3 F7 、C4 H9 およびC4 F9 からなる群よ
り選択される)または式
はH、F、CH3 、CF3 、C2 H 5 、C2 F5 、C3
H7 、C3 F7 、C4 H9 およびC4 F9 からなる群よ
り選択される)または式
【0012】
【化6】
【0013】(式中、nおよびR′は前記と同義であ
る)で表わされるものが好ましい。
る)で表わされるものが好ましい。
【0014】本発明による架橋方法は、含ハロゲンポリ
マー、上記含ハロゲンポリマー用架橋剤およびジアミン
化合物よりなる組成物を100℃以下の温度で混練した
後、次いで水分に接触させることを特徴とする。このよ
うな方法により、常温・常圧下で架橋を行なうことがで
きる。
マー、上記含ハロゲンポリマー用架橋剤およびジアミン
化合物よりなる組成物を100℃以下の温度で混練した
後、次いで水分に接触させることを特徴とする。このよ
うな方法により、常温・常圧下で架橋を行なうことがで
きる。
【0015】また本発明による含ハロゲンポリマーの架
橋方法は、含ハロゲンポリマーおよび上記含ハロゲンポ
リマー用架橋剤よりなる組成物を液体ジアミン化合物中
に浸漬した後、次いで水分に接触させることを特徴とす
る。このような方法によっても、常温・常圧下で架橋を
行なうことができる。
橋方法は、含ハロゲンポリマーおよび上記含ハロゲンポ
リマー用架橋剤よりなる組成物を液体ジアミン化合物中
に浸漬した後、次いで水分に接触させることを特徴とす
る。このような方法によっても、常温・常圧下で架橋を
行なうことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明による架橋剤は、比較的高
い沸点を有し、架橋プロセスにおいて揮散が少なく、悪
臭がより少ないものである。このような架橋剤を用いる
ことによって、作業環境は改善される。また、以下の実
施例に示すように、本発明による架橋剤を用いることに
よって、耐熱性、機械特性、耐薬品性等の特性が向上し
た含ハロゲンポリマーの架橋物を得ることができる。
い沸点を有し、架橋プロセスにおいて揮散が少なく、悪
臭がより少ないものである。このような架橋剤を用いる
ことによって、作業環境は改善される。また、以下の実
施例に示すように、本発明による架橋剤を用いることに
よって、耐熱性、機械特性、耐薬品性等の特性が向上し
た含ハロゲンポリマーの架橋物を得ることができる。
【0017】本発明が適用される含ハロゲンポリマー
は、たとえば式
は、たとえば式
【0018】
【化7】
【0019】(式中、XおよびYは、H、またはF、C
l、Br、I等のハロゲン原子から選択され、Xおよび
Yの少なくとも1つはハロゲン原子である)で表わされ
るハロゲン原子を有する炭素骨格を少なくとも部分的に
有するポリマーである。本発明に適用できる含ハロゲン
ポリマーとして、たとえば、クロロプレンゴム、塩素化
ポリエチレン、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、ポ
リ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフ
ルオロエチレン−ペルフルオロアルキルビニルエーテル
共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプ
ロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフ
ルオロプロピレン−ペルフルオロアルキルビニルエーテ
ル共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、クロロ
トリフルオロエチレン−エチレン共重合体、ポリビニリ
デンフルオライド、ポリビニルフルオライド等が挙げら
れる。
l、Br、I等のハロゲン原子から選択され、Xおよび
Yの少なくとも1つはハロゲン原子である)で表わされ
るハロゲン原子を有する炭素骨格を少なくとも部分的に
有するポリマーである。本発明に適用できる含ハロゲン
ポリマーとして、たとえば、クロロプレンゴム、塩素化
ポリエチレン、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、ポ
リ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフ
ルオロエチレン−ペルフルオロアルキルビニルエーテル
共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプ
ロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフ
ルオロプロピレン−ペルフルオロアルキルビニルエーテ
ル共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、クロロ
トリフルオロエチレン−エチレン共重合体、ポリビニリ
デンフルオライド、ポリビニルフルオライド等が挙げら
れる。
【0020】本発明によるメルカプト基含有ぺルフルオ
ロアルキレンアルコキシシランとして、たとえばHS−
CF2 −Si(OCH3 )3 、HS−CF2 −Si(O
C2H5 )3 、HS−CF2 CF2 −Si(OCH3 )
3 、HS−CF2 CF2 −Si(OC2 H5 )3 、HS
−CF2 CF2 CF2 −Si(OCH3 )3 、HS−C
F2 CF2 CF2 −Si(OC2 H5 )3 、HS−CF
2 −Si(OC3 H7)3 、HS−CF2 CF2 −Si
(OC3 H7 )3 、HS−CF2 CF2 CF2−Si
(OC3 H7 )3 などが挙げられる。特に、式(I)の
化合物において、nは3〜6が好ましく、RはCH3 ま
たはC2 H5 が好ましい。特に好ましいものとして、H
S−CF2 CF2 CF2 −Si(OCH3 )3 、HS−
CF2 CF 2 CF2 −Si(OC2 H5 )3 を挙げるこ
とができる。
ロアルキレンアルコキシシランとして、たとえばHS−
CF2 −Si(OCH3 )3 、HS−CF2 −Si(O
C2H5 )3 、HS−CF2 CF2 −Si(OCH3 )
3 、HS−CF2 CF2 −Si(OC2 H5 )3 、HS
−CF2 CF2 CF2 −Si(OCH3 )3 、HS−C
F2 CF2 CF2 −Si(OC2 H5 )3 、HS−CF
2 −Si(OC3 H7)3 、HS−CF2 CF2 −Si
(OC3 H7 )3 、HS−CF2 CF2 CF2−Si
(OC3 H7 )3 などが挙げられる。特に、式(I)の
化合物において、nは3〜6が好ましく、RはCH3 ま
たはC2 H5 が好ましい。特に好ましいものとして、H
S−CF2 CF2 CF2 −Si(OCH3 )3 、HS−
CF2 CF 2 CF2 −Si(OC2 H5 )3 を挙げるこ
とができる。
【0021】本発明による架橋剤の1つとして使用され
るγ−メルカプトペルフルオロプロピルトリエトキシシ
ラン(HS−CF2 CF2 CF2 −Si(OC2 H5 )
3 )は、たとえば次式に示すスキームに従って合成する
ことができる。本発明による架橋剤として使用される他
のメルカプト基含有ペルフルオロアルキレンアルコキシ
シランも、同様のスキームに従って合成することができ
る。
るγ−メルカプトペルフルオロプロピルトリエトキシシ
ラン(HS−CF2 CF2 CF2 −Si(OC2 H5 )
3 )は、たとえば次式に示すスキームに従って合成する
ことができる。本発明による架橋剤として使用される他
のメルカプト基含有ペルフルオロアルキレンアルコキシ
シランも、同様のスキームに従って合成することができ
る。
【0022】
【化8】
【0023】本発明において用いるジアミン化合物とし
て、たとえばF2 N−CH2 CH2−NF2 、F2 N−
CH2 CH2 CH2 −NF2 、F2 N−CH2 CH2 C
H2 CH2 −NF2 、F2 N−CH2 CH2 CH2 CH
2 CH2 −NF2 、F2 N−CH2 CH2 CH2 CH2
CH2 CH2 −NF2 、H2 N−CF2 CF2 −N
H2 、H2 N−CF2 CF2 CF2 −NH2 、H2 N−
CF2 CF2 CF2 CF 2 −NH2 、H2 N−CF2 C
F2 CF2 CF2 CF2 −NH2 、H2 N−CF 2 CF
2 CF2 CF2 CF2 CF2 −NH2 などが挙げられ
る。特に好ましいものとして、H2 N−CF2 CF2 C
F2 CF2 CF2 CF2 −NH2 を挙げることができ
る。
て、たとえばF2 N−CH2 CH2−NF2 、F2 N−
CH2 CH2 CH2 −NF2 、F2 N−CH2 CH2 C
H2 CH2 −NF2 、F2 N−CH2 CH2 CH2 CH
2 CH2 −NF2 、F2 N−CH2 CH2 CH2 CH2
CH2 CH2 −NF2 、H2 N−CF2 CF2 −N
H2 、H2 N−CF2 CF2 CF2 −NH2 、H2 N−
CF2 CF2 CF2 CF 2 −NH2 、H2 N−CF2 C
F2 CF2 CF2 CF2 −NH2 、H2 N−CF 2 CF
2 CF2 CF2 CF2 CF2 −NH2 などが挙げられ
る。特に好ましいものとして、H2 N−CF2 CF2 C
F2 CF2 CF2 CF2 −NH2 を挙げることができ
る。
【0024】本発明において触媒として使用されるペル
フルオロヘキサメチレンジアミンは、たとえば、次式に
示すスキームに従って合成することができる。また、他
のペルフルオロアルキレンジアミン化合物も、同様のス
キームに従って合成することができる。
フルオロヘキサメチレンジアミンは、たとえば、次式に
示すスキームに従って合成することができる。また、他
のペルフルオロアルキレンジアミン化合物も、同様のス
キームに従って合成することができる。
【0025】
【化9】
【0026】含ハロゲンポリマーの架橋プロセスにおい
て、グラフト化は、一般に、含ハロゲンポリマー、シラ
ン化合物からなる架橋剤、ジアミン化合物からなる触媒
を一緒に混練して行なう混練法によりなされるか、また
は、含ハロゲンポリマーとシラン化合物からなる架橋剤
とを混練し、その後にその混練物をジアミン化合物の触
媒に接触させる浸漬法によりなされる。この混練法にお
いて、本発明による組成物が用いられる。なお、組成物
には、老化防止剤、安定剤、加硫促進剤、顔料、滑剤等
の種々の添加物を加えることができる。いずれの方法に
よる場合でも、混練は低い温度たとえば100℃以下で
行なうことが好ましい。混練は溶剤を使用して行なうこ
とができるが、一般に、溶剤を使用せずに混練を行なう
ことが好ましい。この工程において、本発明による架橋
剤の使用量は、含ハロゲンポリマー100重量部に対し
て、1〜15重量部が好ましい。またジアミン化合物か
らなる触媒は、たとえば0.1〜10重量部が好まし
い。
て、グラフト化は、一般に、含ハロゲンポリマー、シラ
ン化合物からなる架橋剤、ジアミン化合物からなる触媒
を一緒に混練して行なう混練法によりなされるか、また
は、含ハロゲンポリマーとシラン化合物からなる架橋剤
とを混練し、その後にその混練物をジアミン化合物の触
媒に接触させる浸漬法によりなされる。この混練法にお
いて、本発明による組成物が用いられる。なお、組成物
には、老化防止剤、安定剤、加硫促進剤、顔料、滑剤等
の種々の添加物を加えることができる。いずれの方法に
よる場合でも、混練は低い温度たとえば100℃以下で
行なうことが好ましい。混練は溶剤を使用して行なうこ
とができるが、一般に、溶剤を使用せずに混練を行なう
ことが好ましい。この工程において、本発明による架橋
剤の使用量は、含ハロゲンポリマー100重量部に対し
て、1〜15重量部が好ましい。またジアミン化合物か
らなる触媒は、たとえば0.1〜10重量部が好まし
い。
【0027】グラフト化により得られたポリマーは、水
分に接触させられ、シラノール縮合により架橋される。
グラフト化されたポリマーを、押出または他の成型手段
によって成型した後、得られる成型物を水分に晒して架
橋させることができる。この水分に接触させる工程は、
シラノール縮合触媒の存在下において行なうことが好ま
しい。このような触媒として、カルボン酸の金属塩、有
機金属化合物、有機塩基、有機酸等が挙げられ、より具
体的には、ジラウリン酸ジブチル錫、オクチル酸錫、オ
クチル酸鉛等が好ましいものとして使用される。水分へ
の接触は、常法に従って種々の方法を行なうことができ
る。この架橋反応は、100℃以下のより低い温度で容
易にかつ確実に行なうことができ、架橋反応の結果、機
械特性、耐熱性、耐薬品性等の性能に優れた含ハロゲン
ポリマーの架橋物が得られる。以下に本発明を実施例に
よりより具体的に説明するが、本発明は、これらの実施
例によって限定されるものではない。
分に接触させられ、シラノール縮合により架橋される。
グラフト化されたポリマーを、押出または他の成型手段
によって成型した後、得られる成型物を水分に晒して架
橋させることができる。この水分に接触させる工程は、
シラノール縮合触媒の存在下において行なうことが好ま
しい。このような触媒として、カルボン酸の金属塩、有
機金属化合物、有機塩基、有機酸等が挙げられ、より具
体的には、ジラウリン酸ジブチル錫、オクチル酸錫、オ
クチル酸鉛等が好ましいものとして使用される。水分へ
の接触は、常法に従って種々の方法を行なうことができ
る。この架橋反応は、100℃以下のより低い温度で容
易にかつ確実に行なうことができ、架橋反応の結果、機
械特性、耐熱性、耐薬品性等の性能に優れた含ハロゲン
ポリマーの架橋物が得られる。以下に本発明を実施例に
よりより具体的に説明するが、本発明は、これらの実施
例によって限定されるものではない。
【0028】
【実施例】実施例1 塩素化ポリエチレン(Cl含有率35%、数平均分子量
2×104 )100重量部、γ−メルカプトペルフルオ
ロプロピルトリエトキシシラン(HS−CF2CF2 C
F2 −Si(OC2 H5 )3 )10重量部およびペルフ
ルオロヘキサメチレンジアミン(H2 N−CF2 CF2
CF2 CF2 CF2 CF2 −NH2 )5重量部からなる
組成物を80℃のロールで約5分間混練し、100℃の
温度下で5分間加圧して厚さ1mmのプレスシートを調
製した。次に、得られたシートを20℃の3%ジラウリ
ン酸ジブチル錫水溶液中に24時間浸漬し、次いで十分
乾燥した後、得られたシートについて、不溶化率(ゲル
分率)、機械特性、耐熱性、および耐薬品性を測定し
た。測定はJIS規格に準じて行ない、不溶化率(%)
はシートを80℃のキシレン中に24時間浸漬した後測
定した。耐熱性については、シートを120℃の雰囲気
中に7日放置後、引張強さ残率(%)および伸び残率
(%)を測定した。耐薬品性については、20℃の10
%塩酸中にシートを10日浸漬した後の引張強さ残率
(%)および伸び残率(%)、20℃の10%水酸化ナ
トリウム水溶液中にシートを10日浸漬した後の引張強
さ残率および伸び残率、ならびに20℃のキシレン中に
10日浸漬した後の引張強さ残率(%)および伸び残率
(%)をそれぞれ測定した。
2×104 )100重量部、γ−メルカプトペルフルオ
ロプロピルトリエトキシシラン(HS−CF2CF2 C
F2 −Si(OC2 H5 )3 )10重量部およびペルフ
ルオロヘキサメチレンジアミン(H2 N−CF2 CF2
CF2 CF2 CF2 CF2 −NH2 )5重量部からなる
組成物を80℃のロールで約5分間混練し、100℃の
温度下で5分間加圧して厚さ1mmのプレスシートを調
製した。次に、得られたシートを20℃の3%ジラウリ
ン酸ジブチル錫水溶液中に24時間浸漬し、次いで十分
乾燥した後、得られたシートについて、不溶化率(ゲル
分率)、機械特性、耐熱性、および耐薬品性を測定し
た。測定はJIS規格に準じて行ない、不溶化率(%)
はシートを80℃のキシレン中に24時間浸漬した後測
定した。耐熱性については、シートを120℃の雰囲気
中に7日放置後、引張強さ残率(%)および伸び残率
(%)を測定した。耐薬品性については、20℃の10
%塩酸中にシートを10日浸漬した後の引張強さ残率
(%)および伸び残率(%)、20℃の10%水酸化ナ
トリウム水溶液中にシートを10日浸漬した後の引張強
さ残率および伸び残率、ならびに20℃のキシレン中に
10日浸漬した後の引張強さ残率(%)および伸び残率
(%)をそれぞれ測定した。
【0029】実施例2 クロロプレンゴム(ネオプレンW)100重量部、γ−
メルカプトペルフルオロプロピルトリエトキシシラン1
0重量部およびペルフルオロヘキサメチレンジアミン5
重量部からなる組成物を80℃のロールで約5分間混練
し、100℃の温度下で5分間加圧して厚さ1mmのプ
レスシートを作製した。次いで、得られたシートを20
℃の3%ジラウリン酸ジブチル錫水溶液中に24時間浸
漬し、十分乾燥した後、得られたシートについて実施例
1と同様に不溶化率、機械特性、耐熱性、および耐薬品
性を測定した。
メルカプトペルフルオロプロピルトリエトキシシラン1
0重量部およびペルフルオロヘキサメチレンジアミン5
重量部からなる組成物を80℃のロールで約5分間混練
し、100℃の温度下で5分間加圧して厚さ1mmのプ
レスシートを作製した。次いで、得られたシートを20
℃の3%ジラウリン酸ジブチル錫水溶液中に24時間浸
漬し、十分乾燥した後、得られたシートについて実施例
1と同様に不溶化率、機械特性、耐熱性、および耐薬品
性を測定した。
【0030】実施例3 ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)100
重量部、γ−メルカプトペルフルオロプロピルトリエト
キシシラン10重量部およびペルフルオロヘキサメチレ
ンジアミン5重量部からなる組成物を80℃のロールで
約5分間混練し、220℃の温度下で5分間加圧して厚
さ1mmのプレスシートを作製した。次いで、得られた
シートを20℃の3%ジラウリン酸ジブチル錫水溶液中
に24時間浸漬し、十分乾燥した後、得られたシートに
ついて不溶化率、機械特性、耐熱性、および耐薬品性を
実施例1と同様に測定した。ただし、耐熱性について
は、シートを160℃の雰囲気中に7日放置後、引張強
さ残率(%)および伸び残率(%)を測定した。
重量部、γ−メルカプトペルフルオロプロピルトリエト
キシシラン10重量部およびペルフルオロヘキサメチレ
ンジアミン5重量部からなる組成物を80℃のロールで
約5分間混練し、220℃の温度下で5分間加圧して厚
さ1mmのプレスシートを作製した。次いで、得られた
シートを20℃の3%ジラウリン酸ジブチル錫水溶液中
に24時間浸漬し、十分乾燥した後、得られたシートに
ついて不溶化率、機械特性、耐熱性、および耐薬品性を
実施例1と同様に測定した。ただし、耐熱性について
は、シートを160℃の雰囲気中に7日放置後、引張強
さ残率(%)および伸び残率(%)を測定した。
【0031】比較例1 塩素化ポリエチレン(Cl含有率35%、数平均分子量
2×104 )100重量部、γ−メルカプトプロピルト
リエトキシシラン10重量部およびヘキサメチレンジア
ミン5重量部からなる組成物を80℃のロールで約5分
間混練し、100℃の温度下で5分間加圧して厚さ約1
mmのプレスシートを作製した。得られたシートを20
℃の3%ジラウリン酸ジブチル錫水溶液中に24時間浸
漬し、十分乾燥した後、得られたシートについて不溶化
率、機械特性、耐熱性、および耐薬品性を実施例1と同
様に測定した。
2×104 )100重量部、γ−メルカプトプロピルト
リエトキシシラン10重量部およびヘキサメチレンジア
ミン5重量部からなる組成物を80℃のロールで約5分
間混練し、100℃の温度下で5分間加圧して厚さ約1
mmのプレスシートを作製した。得られたシートを20
℃の3%ジラウリン酸ジブチル錫水溶液中に24時間浸
漬し、十分乾燥した後、得られたシートについて不溶化
率、機械特性、耐熱性、および耐薬品性を実施例1と同
様に測定した。
【0032】実施例1〜3および比較例1において得ら
れた測定結果を表1に示す。
れた測定結果を表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
【発明の効果】上述したとおり、本発明によれば架橋工
程における作業環境が大幅に改善される。また本発明に
よれば、機械特性、耐熱性、および耐薬品性により優れ
た架橋ポリマーを常温・常圧の反応において容易に得る
ことができる。本発明は、たとえば電線の被覆、フィル
ム、チューブ等の押出成型および製造に有用である。
程における作業環境が大幅に改善される。また本発明に
よれば、機械特性、耐熱性、および耐薬品性により優れ
た架橋ポリマーを常温・常圧の反応において容易に得る
ことができる。本発明は、たとえば電線の被覆、フィル
ム、チューブ等の押出成型および製造に有用である。
Claims (6)
- 【請求項1】 式 【化1】 (式中、nは1〜20の整数であり、RはCH3 、CF
3 、C2 H5 、C2 F 5 、C3 H7 およびC3 F7 から
なる群より選択される)で表わされるメルカプト基含有
ペルフルオロアルキレンアルコキシシラン化合物からな
る、含ハロゲンポリマー用架橋剤。 - 【請求項2】 含ハロゲンポリマー、請求項1記載の含
ハロゲンポリマー用架橋剤およびジアミン化合物よりな
る、架橋性含ハロゲンポリマー組成物。 - 【請求項3】 前記含ハロゲンポリマー100重量部に
対し、前記含ハロゲンポリマー用架橋剤を1〜15重量
部としている、請求項2に記載の組成物。 - 【請求項4】 前記ジアミン化合物が、式 【化2】 (式中、nは1〜20の整数であり、R′はH、F、C
H3 、CF3 、C2 H 5 、C2 F5 、C3 H7 、C3 F
7 、C4 H9 およびC4 F9 からなる群より選択され
る)または式 【化3】 (式中、nおよびR′は前記と同義である)で表わさ
れ、かつ前記含ハロゲンポリマー100重量部に対し、
前記ジアミン化合物を0.1〜10重量部としている、
請求項2または3に記載の組成物。 - 【請求項5】含ハロゲンポリマー、請求項1記載の含ハ
ロゲンポリマー用架橋剤およびジアミン化合物よりなる
組成物を100℃以下の温度で混練した後、次いで水分
に接触させることを特徴とする、含ハロゲンポリマーの
架橋方法。 - 【請求項6】含ハロゲンポリマーおよび請求項1記載の
含ハロゲンポリマー用架橋剤よりなる組成物を液体ジア
ミン化合物中に浸漬した後、次いで水分に接触させるこ
とを特徴とする、含ハロゲンポリマーの架橋方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5314198A JPH11246782A (ja) | 1998-03-05 | 1998-03-05 | 含ハロゲンポリマー用架橋剤、架橋性含ハロゲンポリマー組成物および架橋方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5314198A JPH11246782A (ja) | 1998-03-05 | 1998-03-05 | 含ハロゲンポリマー用架橋剤、架橋性含ハロゲンポリマー組成物および架橋方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11246782A true JPH11246782A (ja) | 1999-09-14 |
Family
ID=12934560
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5314198A Pending JPH11246782A (ja) | 1998-03-05 | 1998-03-05 | 含ハロゲンポリマー用架橋剤、架橋性含ハロゲンポリマー組成物および架橋方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11246782A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003016385A1 (fr) * | 2001-08-21 | 2003-02-27 | Fujikura Rubber Ltd. | Procede de traitement de surface du caoutchouc, procede de production d'articles en caoutchouc, moulages en caoutchouc et procede de production correspondant |
JP2014062180A (ja) * | 2012-09-21 | 2014-04-10 | Hitachi Metals Ltd | 塩素含有ポリマ組成物、それを用いた電線及びケーブル |
-
1998
- 1998-03-05 JP JP5314198A patent/JPH11246782A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003016385A1 (fr) * | 2001-08-21 | 2003-02-27 | Fujikura Rubber Ltd. | Procede de traitement de surface du caoutchouc, procede de production d'articles en caoutchouc, moulages en caoutchouc et procede de production correspondant |
US7144962B2 (en) | 2001-08-21 | 2006-12-05 | Fujikura Rubber Ltd. | Method for surface treatment of rubber process for production of rubber articles, rubber compositions, rubber molding, and process for production thereof |
JP2014062180A (ja) * | 2012-09-21 | 2014-04-10 | Hitachi Metals Ltd | 塩素含有ポリマ組成物、それを用いた電線及びケーブル |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 19990928 |