JP3991143B2 - 含塩素ポリマーおよび含フッ素ポリマーの架橋方法 - Google Patents

含塩素ポリマーおよび含フッ素ポリマーの架橋方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、含ハロゲンポリマー用架橋剤、およびそれを用いた常温架橋性含ハロゲンポリマー組成物、ならびにそれらを用いた常温架橋方法に関し、特にビスチオフェノール化合物からなる含ハロゲンポリマー用架橋剤およびそれを用いた常温架橋性含ハロゲンポリマー組成物、ならびにそれらを用いた常温架橋方法に関する。更に常温架橋性含ハロゲンポリマー成形物からなる絶縁電線ならびに絶縁チューブに関する。
【0002】
【従来の技術】
クロロプレンゴム、塩素化ポリエチレン、クロロスルホン化ポリエチレン、ポリ塩化ビニール等の含塩素ポリマーを架橋する方法として、種々の方法があるが、一般的に広く実施されている方法は、架橋のため150℃以上の高温を必要とし、常温・常圧下では、必要とする架橋物を得ることが困難である。これに対し、特開昭56−5854号公報は、含塩素ポリマーを常温・常圧下で架橋する方法を提案している。同公報に開示される方法では、たとえば含塩素ポリマー用架橋剤としてγ−メルカプトプロピルトリアルコキシシランが用いられ、触媒としてヘキサメチレンジアミンが用いられている。これらの化合物を用いて含塩素ポリマーを架橋するため、ロール混練の温度はたとえば100℃に設定される。上記架橋剤を用いることにより、架橋温度は、従来よりも低い温度に設定できるようになったが、上記架橋剤は、架橋作業中に揮発しやすく、また悪臭を有するので、作業者の健康上からも作業環境上からも望ましくなかった。またポリビニールフルオライド、ポリビニリデンフルオライド、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリヘキサフルオロプロピレン(HFP)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−ペルフルオロアルキルビニールエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−ペルフルオロアルキルビニールエーテル共重合体、フッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレン共重合ゴム、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合ゴム等の二元系の含フッ素ゴム、あるいは、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン等の三元系含フッ素ゴムの架橋には、特開昭56−5854号公報で開示している、つまり架橋剤にγ−メルカプトプロピルトリアルコキシシラン、触媒としてヘキサメチレンジアミン等を用いる方法は使用できず、一般的には、電子線架橋、過酸化物加硫、アミン加硫、あるいはポリオール加硫が使用されているが、含フッ素ポリマー架橋物の耐熱性を向上させる事を目的としてポリオール加硫がよく使用されている。ポリオールとしては、一般的にビスフェノールAやビスフェノールAFが使用されているが、これらの多価アルコール系架橋剤、加硫促進剤、受酸剤等の各種添加剤と含フッ素ポリマーを100℃以下の温度で混練し、170〜200℃,2〜5kg/cmの加熱・加圧条件下で5〜20分程度で架橋されるのが普通である。多価アルコール系架橋剤の添加量は含ハロゲンポリマー100重量部に対して、0.1〜10重量部が一般的である。加硫促進剤としては、種々のホスホニウム塩または4級アンモニウム塩が使用され、中でも4級アンモニウム塩として、特に一般式(IV)
【化4】
Figure 0003991143
(式中Rは炭素数1〜24のアルキル基を示し、Xはハロゲン原子を示す)で表わされる、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−7−ウンデセン誘導体のハロゲン化物が好適に使用される。かかる4級アンモニウム塩の具体例としては、これに限定されないがたとえば、下記式(V)
【化5】
Figure 0003991143
で表わされない8−メチル−1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−7−ウンデセニウムアイダイド(MDUI)があげられる。加硫促進剤の配合量は、含フッ素ポリマー100重量部に対して0.1〜1重量部が望ましい。受酸剤としては、酸化マグネシウム、酸化鉛、水酸化カルシウム、亜鉛革と二塩基性亜りん酸鉛の組合せ等があげられる。これらはそれぞれ単独で使用される他、2種以上を併用することもできる。受酸剤の配合は、含フッ素ポリマー100重量部に対して1〜20重量部であるのが好ましく、5〜10重量部であるのがより好ましい。さらに上記各種添加剤に加えて、充填剤、可塑剤、加工助剤等の従来公知の添加剤を、適宜の割合で配合することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、常温で架橋することができる含ハロゲンポリマー用架橋剤を提供することである。
【0004】
本発明のさらなる目的は、そのような架橋剤を用いた組成物、および架橋方法を提供することである。
【0005】
本発明のさらなる目的は、常温で含ハロゲンポリマーを架橋することができ、しかも耐熱性、耐水性、耐薬品性、機械特性等により優れた含ハロゲンポリマー架橋物を得るための技術を提供し、耐熱性、耐薬品性、機械特性等により優れた絶縁電線および絶縁チューブを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、含ハロゲンポリマー用架橋剤として、一般式(I)で表わされるビスチオフェノール化合物を用いることにより上記問題を解決することができ、しかも耐熱性、耐水性、耐薬品性、機械特性等に優れた含ハロゲンポリマー架橋物、それらを用いた絶縁電線および絶縁チューブが得られることを見いだし、本発明を完成するに至った。すなわち本発明による含ハロゲンポリマー架橋剤は、式
【0007】
【化6】
Figure 0003991143
【0008】
(式中、R、R’はCH、CF、C、C、C、およびCからなる群より選択される)で表わされるビスチオフェノール化合物からなる。
【0009】
本発明による常温架橋性含ハロゲンポリマー組成物は、含ハロゲンポリマー、上記含ハロゲンポリマー用架橋剤およびポリアミン化合物よりなる。このような組成物において、含ハロゲンポリマー用架橋剤は、含ハロゲンポリマー100重量部に対し、1〜15重量部とすることが好ましい。またポリアミン化合物は、含ハロゲンポリマー100重量部に対し、0.1〜10重量部とすることが好ましい。特にポリアミン化合物は式
【0010】
【化7】
N−(CH)n−NH (II)
【0011】
(式中,nは6〜20の整数),又は式
【化8】
N−(CF)n−NH (III)
【0012】
(式中,nは6〜20の整数)で表されるものが好ましい。
【0013】
本発明による架橋方法は、含ハロゲンポリマー、上記含ハロゲンポリマー用架橋剤、およびポリアミン化合物よりなる組成物を100℃以下の温度で混練した後、室温下に5分から60分間放置することを特徴とする。このような方法により、常温・常圧下で架橋を行なうことができる。
【0014】
また本発明による含ハロゲンポリマーの架橋方法は、含ハロゲンポリマーおよび上記含ハロゲンポリマー用架橋剤よりなる組成物を液体ポリアミン化合物中に浸漬した後、架橋組成物を室温で乾燥することを特徴とする。このような方法によっても、常温・常圧下で架橋を行なうことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明による架橋剤は、比較的高い沸点を有し、架橋プロセスにおいて揮散がほとんどなく、悪臭がより少ないものである。このような架橋剤を用いることにより、作業環境が改善される。また以下の実施例に示すように、本発明による架橋剤を用いることによって、耐熱性、機械特性、耐薬品性等の特性が向上した含ハロゲンポリマーの架橋物・絶縁電線・および絶縁チューブを得ることができる。
【0016】
本発明が適用される含ハロゲンポリマーは、たとえば式
【0017】
【化9】
Figure 0003991143
【0018】
(式中、XおよびYは、HまたはF、Cl、Br、I等のハロゲン原子から選択され、XおよびYの少なくとも1つはハロゲン原子である)で表わされるハロゲン原子を有する炭素骨格を少なくとも部分的に有するポリマーである。本発明に適用できる含ハロゲンポリマーとして、たとえば、クロロプレンゴム、塩素化ポリエチレン、クロロスルホン化ポリエチレン、ポリ塩化ビニール、ポリビニールフルオライド、ポリビニリデンフルオライド、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリヘキサフルオロプロピレン(HFP)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−ペルフルオロアルキルビニールエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−ペルフルオロアルキルビニールエーテル共重合体、フッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレン共重合ゴム、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合ゴム等の二元系の含フッ素ゴム、あるいはフッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン等の三元系含フッ素ゴム等が挙げられる。
【0019】
本発明によるビスチオフェノール化合物として、たとえば
Figure 0003991143
などが挙げられる。特に式(I)の化合物において、R、R’はCH、CFが好ましい。
【0020】
本発明による架橋剤の1つとして使用されるビスチオフェノールA
Figure 0003991143
ることができる。本発明による架橋剤として使用される他のビスチオフェノール化合物も、同様のスキームに従って合成することができる。
【0021】
【化10】
Figure 0003991143
Figure 0003991143
【化11】
Figure 0003991143
【0022】本発明において用いるジアミン化合物として,例えばHN(CH10NH,HN(CH11NH、HN(CH12NH、HN(CF10NH、HN(CF12NHなどが挙げられるが、HN(CH12NHが特に好ましい。
【0023】
本発明において触媒として使用されるペルフルオロヘキサメチレンジアミンは、たとえば、次式に示すスキームに従って合成することができる。また、他のペルフルオロアルキレンジアミン化合物も同様のスキームに従って合成することができる。
【0024】
【化12】
Figure 0003991143
【0025】
含ハロゲンポリマーの架橋プロセスにおいても、含ハロゲンポリマー、ビスチオフェノール化合物からなる架橋剤、ポリアミン化合物からなる触媒をいっしょに混練して行なう混練法によりなされるか、または、含ハロゲンポリマーとビスチオフェノール化合物からなる架橋剤とを混練し、その後にその混練物を常温下のポリアミン化合物の触媒に接触させる浸漬法によりなされる。なお組成物には、老化防止剤、安定剤、顔料、充填剤、可塑剤、滑剤等の種々の添加物を加えることができる。いずれの方法による場合でも、混練は低い温度たとえば、80℃以下で行なうことが好ましい。混練は溶剤を使用して行なうことができるが、一般に、溶剤を使用せずに混練を行なうことが好ましい。この工程において、本発明による架橋剤の使用量は、含ハロゲンポリマー100重量部に対して、1〜15重量部が好ましい。またポリアミン化合物からなる触媒は、たとえば0.1〜10重量部が好ましい。この架橋反応は常温で容易にかつ確実に行なうことができ、架橋反応の結果、機械特性、耐熱性、耐薬品性等の性能に優れた含ハロゲンポリマーの架橋物が得られる。次に、この発明の絶縁電線について説明する。この発明の絶縁電線は、導体の表面に、上記のこの発明の含ハロゲンポリマー組成物からなる絶縁被覆を形成したものである。
【0026】
導体としては、銅、軟銅、銀、ニッケルメッキ軟銅、錫メッキ軟銅等の従来公知の導体材料からなるものが、いずれも使用可能である。この発明の絶縁電線を製造するにはまず、押出成形等の既知の成形加工方法によって、導体の表面に、上記の各成分を配合した含ハロゲンポリマー組成物を被覆する。
【0027】
この際の成形加工温度は特に限定されないが、含ハロゲンポリマー組成物の架橋反応の開始と進行を防止するために、150℃以下であるのが好ましい。このようにして導体表面上に含ハロゲンポリマー架橋物が被覆される。またPTFE、HFP、FEP、PFA等の融点の高い含フッ素ポリマーの場合は、含フッ素ポリマーと架橋剤(I)を100℃以下の温度で混練後、含フッ素ポリマーの融点以上の温度で導体表面上に含フッ素ポリマー組成物を押し出し成形後、常温下のポリアミン化合物(II)、あるいは式(III)中に浸漬する事により、この発明の絶縁電線が製造される。
【0028】
絶縁被覆の厚みは特に限定されず、絶縁電線の規格等に合わせた厚みにすればよい。つぎに、この発明の絶縁チューブについて説明する。この発明の絶縁チューブは、含ハロゲンポリマー組成物をチューブ状に形成したものである。絶縁チューブとしては、単に電線等に被せるチューブと、被せた後、加熱すると熱収縮して電線の周囲にフィットする熱収縮性チューブとがあるが、この発明の構成は、このいずれにも適用することができる。
【0029】
このうち前者の、単に電線等に被せるチューブを製造するには、前述した押し出し成形等の既知の成形加工方法によって、含ハロゲンポリマー組成物を所定の径を有するチューブ状に成形することにより架橋させればよい。また後者の、熱収縮性の絶縁チューブを製造するには、まず前述した押し出し成形等の既知の成形加工方法によって、含ハロゲンポリマー組成物を、熱収縮後の径を有するチューブ状に成形することにより架橋する。つぎにこのチューブを含ハロゲンポリマーの融点以上、融点+20℃以下程度の温度範囲内で加熱しつつ、その内部に圧縮空気を送り込む等してチューブを所定の径に膨らませた後、速やかに水冷する等すればよい。以下に本発明を実施例・比較例に基づいて説明する。
【0030】
【実施例】
実施例1
塩素化ポリエチレン(Cl含有量35%,数平均分子量2×10)100重量部、ビスチオフェノールAF10重量部およびペルフルオロヘキサメチレンジアミン(HN−CFCFCFCFCFCF−NH)5重量部からなる組成物を80℃のロールで約5分間混練し,100℃の温度下で5分間加圧して厚さ1mmのプレスシートを調製し,室温まで冷却し,10分間放置させて,塩素化ポリエチレン架橋組成物を得た。得られたシートについて,不溶化率(ゲル分率),機械特性,耐熱性、および耐薬品性を測定した。測定はJIS規格に準じて行ない,不溶化率(%)は120℃のキシレン中に24時間浸漬した後測定した。耐熱性については(表1)に示す温度の雰囲気中に7日間放置後,引張強さ残率(%)および伸び残率(%)を測定した。耐薬品性については20℃の10%の塩酸中にシートを10日浸漬した後の引張強さ残率(%)および伸び残率(%),20℃の10%水酸化ナトリウム水溶液中にシートを10日間浸漬した後の引張強さ残率および伸び残率,ならびに20℃のキシレン中に10日浸漬した後の引張強さ残率および伸び残率をそれぞれ測定した。
【0031】
【実施例】
実施例2
クロロプレンゴム(ネオプレンW)100重量部,ビスチオフェノールAF10重量部およびペルフルオロヘキサメチレンジアミン5重量部からなる組成物を80℃のロールで約5分間混練し,100℃の温度下で5分間加圧して厚さ1mmのプレスシートを作製し,室温まで冷却し,10分間放置して、クロロプレンゴム架橋組成物を得た。得られたシートについて実施例1と同様に不溶化率,機械特性,耐熱性および耐薬品性を測定した。
【0032】
【実施例】
実施例3
ポリ塩化ビニール100重量部、ビスチオフェノールAF10重量部およびペルフルオロヘキサメチレンジアミン5重量部からなる組成物を140℃のロールで約5分間混練し,160℃の温度下で5分間加圧して厚さ1mmのプレスシートを作製し,室温まで冷却して架橋ポリ塩化ビニール組成物を得た。得られたシートについて実施例1と同様に諸特性を測定した。
【0033】
【実施例】
実施例4
ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)100重量部,ビスチオフェノールAF10重量部およびペルフルオロヘキサメチレンジアミン5重量部からなる組成物を80℃のロールで約5分間混練し,220℃の温度下で5分間加圧して厚さ1mmのプレスシートを作製し、室温まで冷却して架橋ポリクロロトリフルオロエチレン組成物を得た。得られたシートについて実施例1と同様に諸特性を測定した。
【0034】
【実施例】
実施例5
フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(フッ素含有量68%,ムーニー粘度90ML1+4100℃)100重量部,ビスチオフェノールAF10重量部およびペルフルオロヘキサメチレンジアミン5重量部からなる化合物をオープンロールミキサーを用いて室温ないし50℃で混合し,100℃の温度下で5分間20kg/mmの圧力下で厚さ1mmのプレスシートを作製し,室温まで冷却し,10分間放置して,シート状の含フッ素エラストマー成形物を得た。得られたシートについて実施例1と同様に諸特性を測定した。
【0035】
比較例1
塩素化ポリエチレン(Cl含有量35%、数平均分子量2×10)100重量部、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン10重量部およびヘキサメチレンジアミン5重量部からなる組成物を80℃のロールで約5分間混練し、100℃の温度下で5分間加圧して厚さ約1mmのプレスシートを作製した。得られたシートを20℃の3%ジブチル錫ジラウレート水溶液中に24時間浸漬し、十分乾燥した後、得られたシートについて実施例1と同様に諸特性を測定した。
【0036】
【比較例】
比較例2
クロロプレンゴム(ネオプレンW)100重量部,γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン10重量部およびペルフルオロヘキサメチレンジアミン5重量部からなる組成物を80℃のロールで約5分間混練し,100℃の温度下で5分間加圧して厚さ1mmのプレスシートを作製した。得られたシートを20℃の3%ジブチル錫ジラウレート水溶液中に24時間浸漬し,十分乾燥した後,得られたシートについて実施例1と同様に諸特性を測定した。
【0037】
比較例3
フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(フッ素含有量68重量%、ムーニー粘度90ML1+4(100℃)100重量部に対して、ビスフェノールAF2重量部、8−メチル−1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−7−ウンデセニウムアイオダイド(MDUI)0.2重量部、酸化マグネシウム5重量部および水酸化カルシウム5重量部をオープンロールミキサーを用いて室温ないし50℃で混合し、得られた含フッ素エラストマー組成物を170℃の温度下で、10分間20kg/mmの圧力下で厚さ1mmのプレスシートを成形するとともにポリオール加硫して、シート状のフッ素エラストマー成形物を得た。得られたシートについて実施例1と同様に諸特性を測定した。
【0038】
実施例1〜5および比較例1〜3において得られた測定結果を表1に示す。
【0039】
【表1】
Figure 0003991143
【0040】
《絶縁電線》
【実施例】
実施例6
前記実施例5の含フッ素エラストマー組成物(フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体100重量部,ビスチオフェノールAF10重量部およびペルフルオロヘキサメチレンジアミン5重量部からなる組成物を,オープンロールミキサーを用いて室温ないし50℃で混練した)を,単軸押出機(40mmφ,L/D=26)を用いて,外径0.8mmφの錫めっき軟銅導体上に押し出し温度140℃の条件で押し出し被覆した後,室温まで冷却して厚さ0.5mmの絶縁被覆を有する絶縁電線を製造した。
【0041】
比較例4
比較例3の含フッ素エラストマー組成物を実施例6と同様に押し出し温度140℃の条件で押し出し被覆した後、170℃の加硫釜(圧力5kg/cm)内で20分間加硫して、厚さ0.5mmの絶縁被覆を有する絶縁電線を製造した。
【0042】
上記実施例6、比較例4の絶縁電気について絶縁被覆を剥離して、長さ100mmの試験片を作製し、この試験片を用いて、JISK6301「加硫ゴム物理試験方法」に準拠して、各試験片の引張強さ(kg/mm)および伸び(%)を測定した。
【0043】
熱老化試験
上記にて作製したのと同じ試験片を287℃の恒温槽中で、7日間熱老化させた後、上記と同様にして各試験片の引張強さ(kg/mm)および伸び(%)を測定した。
【0044】
以上の結果を表2に示す。
【0045】
【表2】
Figure 0003991143
【0046】
表2より、実施例6の絶縁電線の絶縁被覆は、比較例4の絶縁被覆に比べて、初期引張強さおよび伸びにすぐれていることから、機械特性に優れていることがわかった。また実施例6の絶縁被覆は、比較例4に比べて熱老化後の引張強さおよび伸びの低下が小さいことから、耐熱性に優れていることがわかった。
【0047】
《絶縁チューブ》
実施例7
前記実施例5の含フッ素エラストマー組成物を単軸押出機(40mmφ、L/D=26)を用いて押し出し温度140℃の条件でチューブ状に押し出し成形して、内径4.0mmφ、厚さ0.5mmの絶縁チューブを製造した。この絶縁チューブの、初期ならびに、耐老化後の引張強さ(kg/mm)および伸び(%)を測定した。熱老化試験は、287℃の恒温槽中で7日間行なった。結果を表3に示す。
【0048】
【表3】
Figure 0003991143
【0049】
【発明の効果】
上述したとおり、本発明によれば架橋工程における作業環境が大幅に改善される。また本発明によれば、機械特性、耐熱性、および耐薬品性により優れた架橋含ハロゲンポリマーを常温・常圧の反応において容易に得ることができる。また上記のこの発明の含ハロゲンポリマー成形物によれば、耐熱性に優れるとともに機械特性にも優れ、自動車のエンジンルーム等において好適に使用できる絶縁電線・絶縁チューブが得られる。

Claims (2)

  1. 含ハロゲンポリマー,式
    Figure 0003991143
    (式中、RはCH,CF,C,C,C,Cからなる群より選択される)で表されるビスチオフェノール化合物,式
    Figure 0003991143
    (式中,nは6〜20の整数)で表される脂肪族第1級ジアミン化合物,又は式
    Figure 0003991143
    (式中,nは6〜20の整数)で表されるペルフルオロアルキレン脂肪族第1級ジアミン化合物、顔料,充填剤及びその他の添加剤を100℃以下の温度で混練し、プレス成形した後,常温下に放置する事を特徴とする含ハロゲンポリマーの架橋方法。
  2. 含ハロゲンポリマー,式
    Figure 0003991143
    (式中,RはCH、CF、C、C、C、Cからなる群より選択される)で表されるビスチオフェノール化合物、顔料,充填剤及びその他の添加剤を100℃以下の温度で混練し、プレス成形した後,常温のエチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミンあるいはトリエチレンテトラミン中に浸漬後,乾燥する事を特徴とする含ハロゲンポリマーの架橋方法。
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