JPH11246375A

JPH11246375A - 口腔用組成物

Info

Publication number: JPH11246375A
Application number: JP6399198A
Authority: JP
Inventors: Tsutomu Takatsuka; 勉高塚; Akira Nakao; 彰中尾
Original assignee: Sunstar Inc
Current assignee: Sunstar Inc
Priority date: 1998-02-27
Filing date: 1998-02-27
Publication date: 1999-09-14

Abstract

(57)【要約】【課題】研磨剤と水溶性亜鉛化合物を配合した抗う蝕、
歯石予防用および口臭予防用口腔よう組成物において、
組成物中の水溶性亜鉛の量の減少を抑制すること。【解決手段】研磨剤と水溶性亜鉛化合物を配合した口腔
用組成物にさらに、水難溶性亜鉛化合物を配合すること
により.、組成物中の亜鉛量の減少が抑制された。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、亜鉛を配合した抗
う蝕用、歯石予防用および口臭予防用口腔用組成物に関
する。

【０００２】

【従来技術および問題点】従来より、亜鉛化合物を、口
臭予防や歯石防止の目的で口腔用組成物に配合すること
が知られている。しかし、亜鉛イオンは研磨剤等に吸着
し、有効成分である亜鉛イオンが減少するという欠点が
存在する。それを改善するため、特開平１−２３９０１
６、特開平２−２３７９１０および特開平２−２９６７
１２に亜鉛と相容性の良い無水ケイ酸を使用することが
開示されている。しかしながら、その効果は充分でな
く、また、限定された無水ケイ酸を使用せねばならず、
歯磨剤の物性等に影響を及ぼし、必ずしも実用的とは言
えない。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記の
事情を鑑み、鋭意検討を行った結果、研磨剤と水溶性亜
鉛化合物を配合した口腔用組成物にさらに水難溶性亜鉛
化合物を配合することにより、意外にも亜鉛の研磨剤へ
の吸着が抑制され、組成物中の亜鉛量の減少が抑制され
るということが判った。

【０００４】

【発明の実施の形態】本発明において水溶性亜鉛化合物
とは、２５℃において水１００ｇに対して、０．５ｇ以
上の亜鉛化合物が完全に溶解するものをいい、具体的に
は塩化亜鉛、乳酸亜鉛、硫酸亜鉛、酢酸亜鉛、サリチル
酸亜鉛、チオシアン酸亜鉛が、あげられる。例えば、塩
化亜鉛の水に対する溶解度は２５℃、４３２ｇ／１００
ｇである（化学大辞典、東京化学同人）。特に好ましい
水溶性亜鉛化合物としては塩化亜鉛があげられる。該水
溶性亜鉛化合物の配合量は薬学的許容範囲内であれば良
く、具体的には０．００１〜１重量％が通常用いられ、
０．０１〜０．３重量％が特に好ましい。０．００１重
量％未満であると所望の効果が得られず、また１重量％
を越えて配合すると亜鉛自身の苦味、収斂味、金属味な
どが強く感じられ、実使用に耐え難い。

【０００５】本発明において水難溶性亜鉛化合物とは、
２５℃において水１００ｇに対して、溶解する亜鉛化合
物が０．５ｇ未満のものをいい、全く溶解しないものも
含まれる。具体的には、酸化亜鉛、クエン酸亜鉛、ステ
アリン酸亜鉛、ウンデシレン酸亜鉛、水酸化亜鉛、リン
酸亜鉛、シュウ酸亜鉛があげられる。例えば、酸化亜鉛
の水に対する溶解度は０．０４２ｍｇ／１００ｍｌであ
る（化学大辞典、東京化学同人）。特に好ましい水難溶
性亜鉛化合物は、酸化亜鉛およびステアリン酸亜鉛であ
る。水難溶性亜鉛化合物の配合量は、０．０５〜１０重
量％が好ましく、更には配合している水溶性亜鉛化合物
中の亜鉛重量と水難溶性亜鉛化合物中の亜鉛重量との重
量比率が１：０．１〜１：３０が特に好ましい。水難溶
性亜鉛化合物の配合量が少ない場合では、組成物中の亜
鉛の減少抑制効果が十分でない。逆に１０重量％を越え
て配合すると口腔用組成物の物性等に影響を与え、満足
のいく口腔用組成物を得られない。また、水溶性亜鉛化
合物中の亜鉛量と水難溶性亜鉛化合物中の亜鉛量との比
率が１：３０を越える場合では、水難溶性亜鉛化合物を
増量しても亜鉛の減少量の抑制効果は増加することなく
一定であり、水難溶性亜鉛化合物を増量した分不経済と
なり好ましくない。

【０００６】本発明に用いる研磨剤は、リン酸カルシウ
ム、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、無水ケイ酸
などの歯磨用の研磨剤を用いることができる。無水ケイ
酸は、平均粒度約０．１〜４５ミクロン、好ましくは４
〜２０ミクロンを有するものであって、沈降シリカ、シ
リカキセロゲル、シリカヒドロゲルなどの形態がある。
研磨剤は口腔用組成物中に約５〜７０重量％、好ましく
は約１０〜４０重量％配合される。

【０００７】本発明で用いるフッ化物は、フッ化ナトリ
ウム、フッ化カリウム、フッ化アンモニウム、フッ化カ
ルシウム、フッ化銅、フッ化亜鉛、フッ化リチウム、フ
ッ化セシウム、フッ化ジルコニウム、フッ化スズ、フッ
化水素酸、モノフルオロリン酸ナトリウム、モノフルオ
ロリン酸カリウム、フッ化チタンナトリウム、フッ化チ
タンカリウム、ヘキシルアミンハイドロフルオライド、
ラウリルアミンハイドロフルオライド、グリシンハイド
ロフルオライド、アラニンハイドロフルオライド、フル
オロシラン、フッ化ジアンミン銀が挙げられる。口腔用
であることからフッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フ
ッ化アンモニウム、フッ化第一スズ、モノフルオロリン
酸ナトリウム、およびモノフルオロリン酸カリウムがよ
り好ましい。その配合量は、フッ化物イオンの量に換算
し、0.01〜5重量%が好ましく、0.02〜2重量%がより好ま
しい。

【０００８】本発明の口腔用組成物は、その用途に応じ
て、適宜処方され、常法に従って練歯磨、粉歯磨、液状
歯磨、液体歯磨、潤性歯磨、ゲル類、クリーム類、パス
タ類、洗口剤、スプレー、フォーム等の剤形とすること
ができる。他の配合成分は特に限定されるものではな
く、公知の有効成分、湿潤剤、粘結剤、発泡剤、保存
剤、香味剤、pH調整剤等を本発明の効果を損なわない範
囲で配合することができる。

【０００９】フッ化物以外の有効成分としては以下のも
のが挙げられる。アミラーゼ、プロテアーゼ、リゾチー
ム、デキストラナーゼ等の酵素、サンギナリン、アラン
トイン、アミノ安息香酸誘導体、ヘキセチジン、クロル
ヘキシジン塩類、トリクロサン、塩化セチルピリジニウ
ムのような抗歯垢剤や抗菌剤、ビタミンＢ、Ｃ、Ｅ等の
ビタミン類、カリウム、リチウム、ナトリウムの硝酸塩
等が挙げられる。湿潤剤としてはグリセリン、プロピレ
ングリコール、ソルビトール、ポリエチレングリコー
ル、キシリトール、ポリプロピレングリコール等が挙げ
られる。粘結剤としてはカルボキシメチルセルロース、メチルセ
ルロース、ヒドロキシエチルセルロース、キサンタンガ
ム、カラギーナン、アラビアガム等が挙げられる。

【００１０】発泡剤としては、陰イオン、非イオン、陽
イオン、及び両性界面活性剤が挙げられ、陰イオン性界
面活性剤は、アルキル硫酸系界面活性剤、アミノ酸系界
面活性剤、スルホコハク酸系界面活性剤が挙げられる。
非イオン性界面活性剤は、ポリオキシエチレンポリオキ
シプロピレン共重合体であるプルロニック系界面活性
剤、脂肪酸ジアルカノールアミド系界面活性剤等が挙げ
られる。保存剤としては、メチルパラベン、プロピルパ
ラベン、ベンゾエート、安息香酸ナトリウム、パラオキ
シ安息香酸エステル、二酸化チタン等が挙げられる。香
味剤には、サッカリン塩、デキストロース、アスパルテ
ーム、キシリトール、ステビアエキス、ペパーミント
油、スペアミント油、ハツカ油、オレンジ油、メントー
ル、丁子油、冬緑油が挙げられる。 pH調整剤には、クエン酸及びその塩、リン酸及びその
塩、リンゴ酸及びその塩、グルコン酸及びその塩、マレ
イン酸及びその塩、アスパラギン酸及びその塩、グルコ
ン酸及びその塩、コハク酸及びその塩、グルクロン酸及
びその塩、フマル酸及びその塩、グルタミン酸及びその
塩、アジピン酸及びその塩、塩酸、水酸化アルカリ金属
等が挙げられる。

【００１１】次に実験例を示し、本発明の効果を具体的
に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。

【００１２】試験例１．溶解亜鉛量の評価本発明歯磨剤の口腔内での溶解亜鉛量を評価した。常法
に従い、表１に示した研磨剤、水溶性亜鉛化合物、水難
溶性亜鉛化合物を配合した歯磨剤を調製し、以下の操作
により口腔内と同じ条件にするため４倍スラリー（歯磨
剤／水＝１／３）中に溶解している亜鉛量を評価した。
結果を表１に示す。歯磨剤１ｇを秤量した。蒸留水を添加し、よく分散させた。（歯磨剤／水＝１
／３）遠心分離により上清を分取した。上記抽出をもう１回繰り返し、抽出液を合わせた。抽出液を定量し、高周波誘導結合プラズマ（ＩＣＰ）
発光分光法により抽出液中の亜鉛量を定量した。抽出液中の亜鉛イオン量を４倍することにより、歯磨
剤中の有効亜鉛量とした。

【００１３】

【表１】

【００１４】試験例２．ラットにおける、う蝕予防効果
の評価常法に従い、表１の比較例１および実施例１〜３に示し
た歯磨剤のラットにおけるう蝕予防効果を下記の方法に
従って評価した。結果を表２に示す。各群１０匹の雄ウイスターラットから構成され、各ラ
ットは約５０ｇで、金網かごにいれた。年齢１９日において動物を秤量し、且つ群中にランダ
ムに分布し、これら動物にう蝕誘発のため高シュクロー
ス飼料を給し、飲料用には脱イオン水を与えた。１匹あたり各々約０．１５ｇの試験組成物を綿アプリ
ケーターを用いて、歯面全体に２回／日、３週間毎日適
用した。屠殺後、歯と顎を分割し、染色し、かつキーズ法によ
り虫歯について評価した。

【００１５】

【表２】

【実施例１６】実施例９常法に従い、以下の処方で練り歯磨剤を調製した。配合量（％）第二リン酸カルシウム・二水和物５０グリセリン２０カルボシキメチルセルロース１香料０．８ラウリル硫酸ナトリウム１塩化亜鉛０．１サッカリンナトリウム１フッ化ナトリウム０．２アラントイン１酸化亜鉛０．１水残全量１００以上の歯磨剤は高い水溶性亜鉛量を示し、さらに十分な
抗う蝕効果を示した。

【００１７】実施例１０常法に従い、以下の処方で水歯磨剤を調製した。配合量（％）メチルセルロース３グリセリン３０サッカリンナトリウム０．１香料１グルコン酸クロルヘキシジン０．０１エタノール３パラオキシ安息香酸メチル０．０６酢酸亜鉛０．３ステアリン酸亜鉛０．４水残全量１００以上の歯磨剤は高い水溶性亜鉛量を示し、さらに十分な
抗う蝕効果を示した。

【００１８】実施例１１常法に従い、以下の処方で歯磨剤を調製した。配合量（％）フッ化ナトリウム０．２ソルビトール３５グリセリン１０無水ケイ酸２３キサンタンガム１ヒドロキシエチルセルロース１グルコン酸ナトリウム０．８二酸化チタン０．８サッカリンナトリウム０．７安息香酸ナトリウム０．２香料１硫酸亜鉛０．３酸化亜鉛０．２水残全量１００以上の歯磨剤は高い水溶性亜鉛量を示し、さらに十分な
抗う蝕効果を示した。

【００１９】実施例１２常法に従い、以下の処方で歯磨剤を調製した。配合量（％）フッ化ナトリウム０．２ソルビトール３５ラウリル硫酸ナトリウム３カルボキシメチルセルロースナトリウム１．５二酸化チタン０．５サッカリンナトリウム０．１香料１パラオキシ安息香酸メチル０．０６塩化亜鉛０．１酸化亜鉛１水残全量１００以上の歯磨剤は高い水溶性亜鉛量を示し、さらに十分な
抗う蝕効果を示した。

【００２０】実施例１３常法に従い、以下の処方で歯磨剤を調製した。配合量（％）フッ化ナトリウム０．２ソルビトール３５グリセリン１０プルロニックＦ８８３メチルセルロース３グルコンサンクロルヘキシジン０．０５二酸化チタン０．５サッカリンナトリウム１香料１パラオキシ安息香酸メチル０．０６塩化亜鉛０．０５酸化亜鉛０．０５水残全量１００以上の歯磨剤は高い水溶性亜鉛量を示し、さらに十分な
抗う蝕効果を示した。

【００２１】

【発明の効果】本発明に係る口腔用組成物は、研磨剤と
水溶性亜鉛化合物が配合された口腔用組成物に関し、さ
らに水不溶性もしくは水難溶性の亜鉛化合物を配合した
ことにより、水溶性の亜鉛の研磨剤への吸着を抑制させ
ることを特徴とした、う蝕予防、口臭予防、歯石予防効
果が高い口腔用組成物を提供することができる。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】研磨剤と水溶性亜鉛化合物を配合した口腔
用組成物に水難溶性の亜鉛化合物を配合することを特徴
とした口腔用組成物。
【請求項２】前記水溶性亜鉛化合物が塩化亜鉛、乳酸亜
鉛、硫酸亜鉛、酢酸亜鉛、サリチル酸亜鉛、チオシアン
酸亜鉛から選ばれる１種又は２種以上であり、前記水難
溶性亜鉛化合物が酸化亜鉛、クエン酸亜鉛、ステアリン
酸亜鉛、ウンデシレン酸亜鉛、水酸化亜鉛、リン酸亜
鉛、シュウ酸亜鉛から選ばれる１種又は２種以上である
特許請求第１項記載の口腔用組成物。
【請求項３】前記研磨剤が無水ケイ酸である特許請求第
１項記載の口腔用組成物。
【請求項４】前記水難溶性亜鉛化合物の配合量が０．０
５〜１０重量％である特許請求第１項記載の口腔用組成
物。
【請求項５】フッ化物をフッ素として５０〜１００００
ｐｐｍ配合したことを特徴とする特許請求第１項記載の
口腔用組成物。