JPH11245533A - 平版印刷用原版及びそれを用いた平版印刷版の製造方法 - Google Patents

平版印刷用原版及びそれを用いた平版印刷版の製造方法

Info

Publication number
JPH11245533A
JPH11245533A JP36761798A JP36761798A JPH11245533A JP H11245533 A JPH11245533 A JP H11245533A JP 36761798 A JP36761798 A JP 36761798A JP 36761798 A JP36761798 A JP 36761798A JP H11245533 A JPH11245533 A JP H11245533A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
lithographic printing
printing plate
plate
titanium oxide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP36761798A
Other languages
English (en)
Inventor
Kiyosuke Kasai
清資 笠井
Eiichi Kato
栄一 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP36761798A priority Critical patent/JPH11245533A/ja
Publication of JPH11245533A publication Critical patent/JPH11245533A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Printing Methods (AREA)
  • Printing Plates And Materials Therefor (AREA)
  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 不感脂化処理、感脂化処理及びアルカリ処理
などの液体処理を必要としない、紫外線露光で画像形成
する簡便で安価な紫外線露光用平版印刷版及びそれを用
いた平版印刷版の製造方法を提供し、従来技術の多くの
制限及び欠点を克服することである。 【解決手段】 支持体上に、アナターゼ型酸化チタン微
粒子および特定のシロキサン結合を有する樹脂を含有す
る感光層を設けたことを特徴とする紫外線露光用平版印
刷用原版であり、紫外線の像様露光により、現像処理す
ることなく平版印刷版が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、像様露光された平
版印刷版の現像処理を必要としない、新規な無処理平版
印刷用原版及びそれを用いた平版印刷版の製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】現在、軽印刷分野を中心にして使用され
ている平版印刷用原版には、1)耐水性支持体上に、親
水性の画像受理層を設けた直描型の原版、2)耐水性支
持体上に、酸化亜鉛を含む画像受理層(親油性)を設け
た原版に直描製版した後、非画像部を不感脂化処理して
印刷版とするもの、3)耐水性支持体上に、光導電性酸
化亜鉛を含む光導電層を設けた電子写真感材を原版と
し、画像形成後に非画像部を、不感脂化処理液により不
感脂化処理して印刷版とするもの、4)耐水性支持体上
に、ハロゲン化銀乳剤層を設けた銀塩写真型の原版、
5)親水性のアルミ支持体上に紫外線により樹脂画像を
形成する層を設けたPS版、6)アルミ支持体上に光反
応性樹脂から成る感光層とシリコーンゴム層を設けた水
なしPS版等が挙げられる。
【0003】しかし、これらの内l)の様なタイプは簡
便ではあるが、印刷物として要求される画質レベル、非
画像部地汚れ、耐刷性等において満足できるレベルでは
なく、また2)、3)、4)の平版印刷用原版は不感脂
化処理または感脂化処理等の液体処理を必要とし、さら
に5)、6)ではアルカリ及び水溶液処理を必要とする
ため、これらは装置の複雑、大型化に伴うコストアッ
プ、処理廃液等の廃棄物による環境への悪影響などの問
題点を有している。
【0004】最近、印刷分野において製版行程のコンピ
ューター化が一段と進行し、コンピューター上で文字、
画像等のレイアウトを決定し、直接出力機から版に情報
を出力し製版するシステムが注目を浴びている。中で
も、レーザービームを用いる露光により、中間のフイル
ム及び通常の光学プリント方法を必要とせずデジタルデ
ータから直接印刷版を作成することが可能であり、不感
脂化処理または感脂化処理等の液体処理、アルカリ及び
水溶液による現像処理、ベーキング等の処理を必要とし
ない平版印刷用原版が提案されつつある。
【0005】例えば、EP−652483号明細書にお
いて、熱分解性カルボン酸エステル基含有ポリマーと光
を熱に変換できる化合物を組み合わせた感熱層を、熱レ
ーザーにより、エステル基を熱分解させカルボキシル基
を生成させ表面を親水化し、液体処理なしで印刷できる
平版印刷用原版、特開昭60−132760号明細書で
光を熱に変換できる化合物を含有する疎水性樹脂表面を
スルホン化する事により親水化し、熱レーザーによりス
ルホン酸基を加熱除去する事により表面を疎水化し画像
とする平版印刷用原版、EP−279066号明細書
で、導電性ポリマーを感光層として用い、電気化学的も
しくは電気的信号を走査する事により、表面の親−疎水
性を変化させる平版印刷用原版、EP−769372号
明細書で、ジルコニアセラミックを用いた印刷版表面を
熱レーザーにより露光する事で酸化物の酸化状態を変
え、表面が親水性から疎水性に変化する性質を利用した
平版印刷用原版等が挙げられる。
【0006】しかしこれらの平版印刷用原版はその有用
性を制限する一つ以上の不利益を受ける。例えば、多く
は親油性画像領域と親水性非画像部領域の間の性質の違
いが十分ではなく、印刷時に地汚れが発生する、または
着肉しないという致命的な欠点を有したり、印刷時の湿
し水が制限されたり、素材そのものの保存安定性に問題
がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、不感
脂化処理、感脂化処理及びアルカリ処理などの液体処理
を必要としない、簡便で安価な紫外線露光用平版印刷版
及びそれを用いた平版印刷版の製造方法を提供し、従来
技術の多くの制限及び欠点を克服することである。本発
明の他の目的は、紫外線露光で画像形成することのみで
平版印刷版とすることが可能な平版印刷用原版を提供す
ることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的は、以下の
(1)及び(2)の構成により達成される。 (1)支持体上に、アナターゼ型酸化チタン微粒子およ
び下記一般式(I)で示されるシロキサン結合を有する
樹脂を含有する感光層を設けたことを特徴とする紫外線
露光用平版印刷用原版。
【0009】
【化2】
【0010】〔式(I)中、A及びBは、同じでも異な
ってもよく、各々−O−、水素原子、炭化水素基又はヘ
テロ環基を表す。〕 (2)支持体上に、アナターゼ型酸化チタン微粒子およ
び上記一般式(I)で示されるシロキサン結合を有する
樹脂を含有する感光層を設けた紫外線露光用平版印刷用
原版を紫外線で像様露光し、露光部を親水化することを
特徴とする平版印刷版の製造方法。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明はアナターゼ型酸化チタン
微粒子の親油性から親水性への極性変換を利用するもの
である。本発明の平版印刷用原版はアナターゼ型酸化チ
タン微粒子とシロキサン結合を有する樹脂を含む感光層
を有すること及び紫外線による像様露光のみで平版印刷
版を得ることができることを特徴としている。
【0012】本発明に用いるアナターゼ型酸化チタン微
粒子は、紫外線光の照射で光励起し、粒子表面が親水化
される事を特徴とする。光照射で表面が親水性に変換さ
れる現象の詳細は、例えば、渡辺俊也、セラミックス、
31、837(1996)等に記載されている。しか
し、平版印刷用原版への応用は今まで開示されておら
ず、この使用は平版印刷の技術分野での大きな進歩を示
す。また本発明は、上記のシロキサン結合を有する樹脂
を利用することによって、特にゾル−ゲル法を利用して
成膜することにより、感光層としての膜の強度、および
TiO粒子の均一分散性に優れるという利点がある。
【0013】本発明の平版印刷用原版はその感光層表面
を紫外線領域に吸収を有するレーザービームにより像様
露光する事で画像パターンを形成し平版印刷版とするこ
とができる。本発明の平版印刷用原版は、従来公知の平
版印刷用原版に比べて多くの利点を有する。例えば、印
刷版の作成に化学処理を必要とせず、黄血塩不感脂化処
理及び水性アルカリ現像液等を用いる事にともなう労
力、費用及び環境への悪影響を防ぐ。紫外線を用いる露
光により、中間のフィルム及び通常の光学プリント方法
を必要とせずデジタルデータから直接印刷版を作成する
ことが可能である。
【0014】更に、本発明の平版印刷用原版から製造さ
れた平版印刷版は再使用が可能である。即ち、その画像
形成がトナーやインクによるものではないため、使用後
の平版印刷版の印刷インキを除去した後加熱処理するこ
とにより、非画像部を元の疎水性の状態に再生し、繰り
返し使用ができる。
【0015】本発明の平版印刷用原版について詳細に説
明する。平版印刷用原版の感光層は本来疎水性である。
感光層の水との接触角は通常30度以上であり、好まし
くは40〜110度、より好ましくは50〜95度であ
る。感光層表面の水との接触角は、平版印刷用原版の感
光層表面に、室温で蒸留水2μlを乗せ、30秒後の表
面接触角(度)を、表面接触計(CA−D、協和界面化
学(株)製商品名)を用いて測定される。
【0016】本発明においては、アナターゼ型酸化チタ
ン微粒子の効果を有効に活用するため、感光層成分とし
て好ましくは30〜95wt%の範囲の酸化チタン微粒子
を含有し、より好ましくは50〜80wt%の範囲の酸化
チタン微粒子を含有することで、感光層表面が親水化に
十分な酸化チタン表面で覆われ目的の親水性を得ること
ができる。30wt%未満では感光層表面の親水化が必ず
しも十分でなく、95wt%を超えて多くなると、膜性が
ぼろぼろになる傾向がある。
【0017】本発明に用いる酸化チタン粒子は、上記の
ように、その結晶形がアナターゼ型であり紫外線光の照
射で光励起し、粒子表面が親水化されることを特徴とす
る。アナターゼ型酸化チタン粒子の平均粒径は、5〜5
00nmのものが好ましく、より好ましくは5〜100nm
である。この範囲において、紫外線光照射による表面親
水化がより適切に行なわれる。
【0018】アナターゼ型酸化チタン粒子は、粉体とし
てあるいはチタニアゾル分散液として上市品として入手
できる。例えば、石原産業(株)、チタン工業(株)、
堺化学(株)、日本アエロジル(株)、日産化学工業
(株)等から市販されている。本発明に供されるアナタ
ーゼ型酸化チタン粒子は、他の金属元素又はその酸化物
を含有してもよい。含有とは、粒子の表面及び/又は内
部に被覆したり担持したり、あるいはドープしたりする
ことを含める。
【0019】含有される金属元素としては、例えば、S
i、Mg、V、Mn、Fe、Sn、Ni、Mo、Ru、
Rh、Re、Os、Cr、Sb、In、Ir、Ta、N
b、Cs、Pd、Pt、Au等が挙げられる。具体的に
は、特開平7−228738号、同7−187677
号、同8−81223号、同8−257399号、同8
−283022号、同9−25123号、同9−714
37号、同9−70532号等に記載されている。これ
らの他の金属元素又はその酸化物の含有量は、アナター
ゼ型酸化チタン粒子全重量の好ましくは10%以下、よ
り好ましくは5%以下である。
【0020】感光層は、他の成分として、本発明のアナ
ターゼ型酸化チタン粒子以外の無機顔料粒子を含有して
もよい。例えば、シリカ、アルミナ、カオリン、クレ
ー、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、硫酸カ
ルシウム、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム、アナター
ゼ型結晶以外の酸化チタン等が挙げられる。これら他の
無機顔料は、本発明のアナターゼ型酸化チタン粒子10
0重量部に対して、40重量部を超えない範囲で用い
る。好ましくは、30重量部以内である。
【0021】本発明の感光層に供される樹脂としては、
前記一般式(I)で示されるシロキサン成分の結合を有
する樹脂を主成分とするものである。
【0022】一般式(I)で示されるシロキサン結合は
より具体的には以下に示す結合を含み、これらは1種以
上が樹脂中に存在する。
【0023】
【化3】
【0024】ここで、R01〜R03は、同じでも異なって
もよく、水素原子、炭化水素基又はヘテロ環基を表す。
A、B、R01、R02及びR03で示される炭化水素基及び
ヘテロ環基は下記一般式(II)中のR0で表されるもの
と同じである。
【0025】好ましくは、感光層はアナターゼ型酸化チ
タン粒子及び下記一般式(II)で示されるシラン化合物
の少なくとも1種を含有する分散液からゾル−ゲル法で
形成される。
【0026】一般式(II) (R0)nSi(Y)4-n 〔一般式(II)中、R0は水素原子、炭化水素基又はヘ
テロ環基を表す。Yは水素原子、ハロゲン原子、−OR
1、−OCOR2、又は、−N(R3)(R4)を表す
(R1、R2は、各々炭化水素基を表し、R3、R4は同じ
でも異なってもよく、水素原子又は炭化水素基を表
す)。nは0、1、2又は3を表す。〕
【0027】好ましくは、一般式(II)中のR0は、水
素原子、炭素数1〜12の置換されてもよい直鎖状もし
くは分岐状のアルキル基{例えば、メチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、
ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシ
ル基等;これらの基に置換される基としては、ハロゲン
原子(塩素原子、フッ素原子、臭素原子)、ヒドロキシ
基、チオール基、カルボキシ基、スルホ基、シアノ基、
エポキシ基、−OR′基(R′は炭化水素基、例えば、
メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘプチル
基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、プロペニル
基、ブテニル基、ヘキセニル基、オクテニル基、2−ヒ
ドロキシエチル基、3−クロロプロピル基、2−シアノ
エチル基、N,N−ジメチルアミノエチル基、2−ブロ
モエチル基、2−(2−メトキシエチル)オキシエチル
基、2−メトキシカルボニルエチル基、3−カルボキシ
プロピル基、ベンジル基等を示す)、−OCOR′基、
−COOR′基、−COR′基、−N(R″)(R″)
(R″は、水素原子又は前記R′と同一の内容を表し、
各々同じでも異なってもよい)、−NHCONHR′
基、−NHCOOR′基、−Si(R′)3基、−CON
HR″基、−NHCOR′基等が挙げられる。これらの
置換基はアルキル基中に複数置換されてもよい}、
【0028】炭素数2〜12の置換されてもよい直鎖状
又は分岐状のアルケニル基(例えば、ビニル基、プロペ
ニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、オ
クテニル基、デセニル基、ドデセニル基等、これらの基
に置換される基としては、前記アルキル基に置換される
基と同一の内容のものが挙げられ、又複数置換されても
よい)、炭素数7〜14の置換されてもよいアラルキル
基(例えば、ベンジル基、フェネチル基、3−フェニル
プロピル基、ナフチルメチル基、2−ナフチルエチル基
等;これらの基に置換される基としては、前記アルキル
基に置換される基と同一の内容のものが挙げられ、又複
数置換されてもよい)、炭素数5〜10の置換されても
よい脂環式基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキ
シル基、2−シクロヘキシルエチル基、2−シクロペン
チルエチル基、ノルボニル基、アダマンチル基等、これ
らの基に置換される基としては、前記アルキル基の置換
基と同一の内容のものが挙げられ、又複数置換されても
よい)、炭素数6〜12の置換されてもよいアリール基
(例えばフェニル基、ナフチル基で、置換基としては前
記アルキル基に置換される基と同一の内容のものが挙げ
られ、又、複数置換されてもよい)、又は、窒素原子、
酸素原子、イオウ原子から選ばれる少なくとも1種の原
子を含有する縮環してもよいヘテロ環基(例えば該ヘテ
ロ環としては、ピラン環、フラン環、チオフェン環、モ
ルホリン環、ピロール環、チアゾール環、オキサゾール
環、ピリジン環、ピペリジン環、ピロリドン環、ベンゾ
チアゾール環、ベンゾオキサゾール環、キノリン環、テ
トラヒドロフラン環等で、置換基を含有してもよい。置
換基としては、前記アルキル基中の置換基と同一の内容
のものが挙げられ、又複数置換されてもよい)を表す。
【0029】好ましくはYは、ハロゲン原子(フッ素原
子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表す)、−O
1基、−OCOR2基又は−N(R3)(R4)基を表す。
−OR1基において、R1は炭素数1〜10の置換されて
もよい脂肪族基(例えば、メチル基、エチル基、プロピ
ル基、ブトキシ基、ヘプチル基、ヘキシル基、ペンチル
基、オクチル基、ノニル基、デシル基、プロペニル基、
ブテニル基、ヘプテニル基、ヘキセニル基、オクテニル
基、デセニル基、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロ
キシプロピル基、2−メトキシエチル基、2−(メトキ
シエチルオキシ)エチル基、2−(N,N−ジエチルア
ミノ)エチル基、2−メトキシプロピル基、2−シアノ
エチル基、3−メチルオキシプロピル基、2−クロロエ
チル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、シクロ
オクチル基、クロロシクロヘキシル基、メトキシシクロ
ヘキシル基、ベンジル基、フェネチル基、ジメトキシベ
ンジル基、メチルベンジル基、ブロモベンジル基等が挙
げられる)を表す。
【0030】−OCOR2基において、R2は、R1と同
一の内容の脂肪族基又は炭素数6〜12の置換されても
よい芳香族基(芳香族基としては、前記R0中のアリー
ル基で例示したと同様のものが挙げられる)を表す。ま
た、−N(R3)(R4)基において、R3、R4は、互いに
同じでも異なってもよく、各々、水素原子又は炭素数1
〜10の置換されてもよい脂肪族基(例えば、前記の−
OR1基のR1と同様の内容のものが挙げられる)を表
す。より好ましくは、R3とR4の炭素数の総和が16ケ
以内である。
【0031】一般式(II)で示されるシラン化合物の具
体例としては、以下のものが挙げられるが、これに限定
されるものではない。メチルトリクロルシラン、メチル
トリブロムシラン、メチルトリメトキシシラン、メチル
トリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラ
ン、メチルトリt−ブトキシシラン、エチルトリクロル
シラン、エチルトリブロムシラン、エチルトリメトキシ
シラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリイソプ
ロポキシシラン、エチルトリt−ブトキシシラン、n−
プロピルトリクロルシラン、n−プロピルトリブロムシ
ラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピル
トリエトキシシラン、n−プロピルトリイソプロポキシ
シラン、n−プロピルトリt−ブトキシシラン、n−ヘ
キシルトリクロルシラン、n−ヘキシルトリブロムシラ
ン、n−へキシルトリメトキシシラン、n−へキシルト
リエトキシシラン、n−へキシルトリイソプロポキシシ
ラン、n−へキシルトリt−ブトキシシラン、n−デシ
ルトリクロルシラン、n−デシルトリブロムシラン、n
−デシルトリメトキシシラン、n−デシルトリエトキシ
シラン、n−デシルトリイソプロポキシシラン、n−デ
シルトリt−ブトキシシラン、n−オクタデシルトリク
ロルシラン、n−オクタデシルトリブロムシラン、n−
オクタデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルト
リエトキシシラン、n−オクタデシルトリイソプロポキ
シシラン、n−オクタデシルトリt−ブトキシシラン、
フェニルトリクロルシラン、フェニルトリブロムシラ
ン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキ
シシラン、フェニルトリイソプロポキシシラン、フェニ
ルトリt−ブトキシシラン、
【0032】テトラクロルシラン、テトラブロムシラ
ン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テ
トライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、ジ
メトキシジエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、
ジメチルジブロムシラン、ジメチルジメトキシシラン、
ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジクロルシラ
ン、ジフェニルジブロムシラン、ジフェニルジメトキシ
シラン、ジフェニルジエトキシシラン、フェニルメチル
ジクロルシラン、フェニルメチルジブロムシラン、フェ
ニルメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジエトキ
シシラン、トリエトキシヒドロシラン、トリブロムヒド
ロシラン、トリメトキシヒドロシラン、イソプロポキシ
ヒドロシラン、トリt−ブトキシヒドロシラン、ビニル
トリクロルシラン、ビニルトリブロムシラン、ビニルト
リメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニル
トリイソプロポキシシラン、ビニルトリt−ブトキシシ
ラン、トリフルオロプロピルトリクロルシラン、トリフ
ルオロプロピルトリブロムシラン、トリフルオロプロピ
ルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリエト
キシシラン、トリフルオロプロピルトリイソプロポキシ
シラン、トリフルオロプロピルトリt−ブトキシシラ
ン、
【0033】γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキ
シシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシ
シラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ
−グリシドキシプロピルトリイソプロポキシシラン、γ
−グリシドキシプロピルトリt−ブトキシシラン、γ−
メタアクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ
−メタアクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、
γ−メタアクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ
−メタアクリロキシプロピルトリイソプロポキシシラ
ン、γ−メタアクリロキシプロピルトリt−ブトキシシ
ラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ
−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノ
プロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリ
エトキシシラン、γ−アミノプロピルトリイソプロポキ
シシラン、γ−アミノプロピルトリt−ブトキシシラ
ン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、
γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−
メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプ
トプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピ
ルトリイソプロポキシシラン、γ−メルカプトプロピル
トリt−ブトキシシラン、β−(3,4−エポキシシク
ロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4
−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラ
ン、等が挙げられる。
【0034】本発明の感光層形成に用いる一般式(II)
で示されるシラン化合物とともに、Ti、Zn、Sn、
Zr、Al、Ni等のゾル−ゲル法で成膜可能な金属化
合物を併用することができる。用いられる金属化合物と
して、例えば、Ti(OR5)4(R5はメチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基
等)、TiCl4、Zn(OR5)2、Zn(CH3COC
HCOCH32、Sn(OR5)4、Sn(CH3COCH
COCH3)4、Sn(OCOR5)4、SnCl4、Zr
(OR5)4、Zr(CH3COCHCOCH3)4、Al
(OR5)3、Ni(CH3COO)4等が挙げられる。
【0035】併用される金属化合物は、ゾル−ゲル法に
よって作成される膜の均一性、強度等が充分に保持され
る範囲で用いられる。本発明の感光層において、アナタ
ーゼ型酸化チタン微粒子とシロキサン結合含有の樹脂の
存在割合は、30〜95/70〜5重量比が好ましい。
より好ましくは50〜80/50〜20重量比である。
この範囲において、感光層の膜の強度、紫外線照射後の
表面の親水性等が良好に保持され、地汚れのない鮮明な
画像の印刷物が多数枚印刷可能となる。
【0036】本発明の感光層は、好ましくはゾル−ゲル
法によって作成されるが、これは従来公知のゾル−ゲル
法を用いて行なうことができる。具体的には、作花済夫
「ゾル−ゲル法の科学」(株)アグネ承風社(刊)(1
988年)、平島碩「最新ゾル−ゲル法による機能性薄
膜作成技術」総合技術センター(刊)(1992年)等
の成書等に詳細に記述の方法に従って作成できる。
【0037】感光層用の塗布液は、水溶媒で、更には塗
液調整時の沈殿抑制による均一液化のために水溶性溶媒
を併用する。水溶性溶媒としては、アルコール類(メタ
ノール、エタノール、プロピルアルコール、エチレング
リコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、エチレングリコールモノ
メチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエー
テル、エチレングリコールモノエチルエーテル等)、エ
ーテル類(テトラヒドロフラン、エチレングリコールジ
メチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテ
ル、テトラヒドロピラン等)、ケトン類(アセトン、メ
チルエチルケトン、アセチルアセトン等)、エステル類
(酢酸メチル、エチレングリコールモノメチルモノアセ
テート等)、アミド類(ホルムアミド、N−メチルホル
ムアミド、ピロリドン、N−メチルピロリドン等)等が
挙げられ、1種あるいは2種以上を併用してもよい。
【0038】更に、一般式(II)で示されるシラン化合
物、更には併用する前記の金属化合物の加水分解及び重
縮合反応を促進するために、酸性触媒又は塩基性触媒を
併用することが好ましい。触媒は、酸あるいは塩基性化
合物をそのままか、あるいは水またはアルコールなどの
溶媒に溶解させた状態のもの(以下、それぞれ酸性触
媒、塩基性触媒という)を用いる。そのときの濃度につ
いては特に限定しないが、濃度が濃い場合は加水分解、
重縮合速度が速くなる傾向がある。但し、濃度の濃い塩
基性触媒を用いると、ゾル溶液中で沈殿物が生成する場
合があるため、塩基性触媒の濃度は1N(水溶液での濃
度換算)以下が望ましい。
【0039】酸性触媒あるいは塩基性触媒の種類は特に
限定されないが、濃度の濃い触媒を用いる必要がある場
合には、焼結後に触媒が結晶粒子中にほとんど残留しな
いような元素から構成される触媒がよい。具体的には、
酸性触媒としては、塩酸などのハロゲン化水素、硝酸、
硫酸、亜硫酸、硫化水素、過塩素酸、過酸化水素、炭
酸、蟻酸や酢酸などのカルボン酸、構造式RCOOHの
Rを他元素または置換基によって置換した置換カルボン
酸、ベンゼンスルホン酸などのスルホン酸など、塩基性
触媒としては、アンモニア水などのアンモニア性塩基、
エチルアミンやアニリンなどのアミン類などが挙げられ
る。
【0040】この様にして調整された塗布液を、支持体
上に、従来公知の塗布方法のいずれかを用いて、塗布・
乾燥し、成膜する。形成される感光層の膜厚は0.2〜
10μmが好ましく、より好ましくは0.5〜8μmで
ある。この範囲で均一な厚みの膜が作成され、且つ膜の
強度が充分となる。
【0041】支持体としては、アルミニウム板、亜鉛
板、銅−アルミニウム板、銅−ステンレス板、クロム−
銅板等のバイメタル板、クロム−銅−アルミニウム板、
クロム−鉛−鉄板、クロム−銅−ステンレス板等のトラ
イメタル板で、その厚さが0.1〜3mm、特に0.1〜
1mmのものが挙げられる。また、厚みが80μm〜20
0μmの耐水性処理を施した紙、プラスチックフィルム
あるいは金属箔をラミネートした紙またはプラスチック
フィルム等が挙げられる。
【0042】本発明に供せられる支持体は、感光層に隣
接する側の表面の平滑性が、ベック平滑度で300(秒
/10cc)以上、好ましくは900〜3000(秒/10
cc)に調整されていることが好ましく、より好ましくは
1000〜3000(秒/10cc)であることが好まし
い。ベック平滑度は、ベック平滑度試験機により測定す
ることができる。ベック平滑度試験機は、高度に平滑に
仕上げられた中央に穴のある円形のガラス板上に、試験
片を一定圧力(1kg/cm2)で押しつけ、減圧下で一
定量(10cc)の空気が、ガラス面と試験片との間を
通過するのに要する時間を測定するものである。
【0043】支持体の感光層に隣接する側の表面の平滑
性をベック平滑度で300(秒/10cc)以上に規制する
ことによって、画像再現性及び耐刷性をさらに向上させ
ることができる。このような向上効果は、感光層表面の
平滑性が同じであっても得られるものであり、支持体表
面の平滑性が増すことで支持体と感光層との密着性が向
上したためと考えられる。
【0044】このように規制された支持体の高平滑な表
面とは、感光層が直接塗布される面のことをいい,例え
ば、支持体上にアンダー層、オーバーコート層を設ける
場合には、そのアンダー層、オーバーコート層の表面の
ことをいう。これにより支持体の表面の凹凸を受けるこ
となく上記のように表面状熊が調整された感光層が充分
に保持され、より一層の画質向上が可能となる。上記平
滑度の範囲に設定する方法としては、種々従来公知の方
法を用いることができる。具体的には、基体表面を樹脂
により、溶融接着する方法、高平滑の熱ローラーによる
カレンダー強化法等の方法により、支持体の表面のベッ
ク平滑度を調整する方法等を拳げることができる。
【0045】本発明の方法において平版印刷版に画像を
形成するには、エキシマレーザー(XeF)、He−C
dレーザー、N2 レーザー、LD励起Nd;YAGレー
ザー内部共振器型SHGによって得られた第二高調波を
BBO結晶を用いた外部共振器型Fourth-HG、Qスイ
ッチ動作LD励起固体レーザーなどが用いられ、平版印
刷版表面を直接露光することで露光部が親水性に変換し
非画像部となる。また、未露光部は疎水性のままでイン
クを受容する画像部となる。この場合、非画像部は水と
の接触角が20度以下で、好ましくは10度以下、より
好ましくは5度以下である。
【0046】この様な処理により、得られた平版印刷版
はオフセット印刷機にかけられ、多数枚の印刷に用いら
れる。印刷に用いられる湿し水および印刷用インキとし
ては、一般的に使用されているものが適用でき、用途等
に応じて適宜選択される。
【0047】さらに、本発明の平版印刷版は印刷が完了
すると、適当な方法で印刷版表面上のインクを一掃し、
130〜200度の温度で1〜5時間加熱処理、好まし
くは150〜200度の温度で1〜3時間加熱処理する
事により、表面を画像形成以前の状態に戻すことがで
き、繰り返して製版・印刷に使用することが可能であ
る。また、これら感光層は磨耗に対しても十分な強度を
有しており、さらに、画像部と非画像部の濡れ性の差が
十分なため、10000枚程度の印刷枚数、10回程度
の繰り返し使用においては問題なく、地汚れのない、鮮
明な印刷物が得られる。
【0048】
【実施例】以下に実施例を示して、本発明を詳細に説明
するが、本発明の内容がこれらに限定されるものではな
い。
【0049】実施例1 <平版印刷用原版の作成>下記内容の組成物を、ガラス
ビーズとともに、ペイントシェーカー(東洋精機(株)
製)に入れ、60分間分散した後、ガラスビーズを濾別
し、分散物を得た。 ・光触媒酸化チタンゾル(30%溶液) 酸化チタンスラリーSTS−01(石原産業(株)製) 167g ・テトラメトキシシラン(信越化学(株)製) 50g ・濃塩酸(和光純薬(株)製) 0.5g ・メタノール 883g
【0050】軽印刷用電子写真式印刷用原版として用い
られているELP−II型マスター(富士写真フイルム
(株)製商品名)の支持体を用い、この上に上記組成物
をワイヤーバーを用いて塗布し、110℃で20分間乾
燥して、塗布量1g/m2の感光層を形成し平版印刷用原版
とした。また、平版印刷用原版の表面に、蒸留水2μl
を乗せ、30秒後の表面接触角(度)を、表面接触計
(CA−D、協和界面化学(株)製商品名)を用いて測
定した所、55度であった。
【0051】上記、平版印刷用原版をHe−Cdレーザ
ービームを光源とする書き込み機(50mW、ビーム径
20μm、ドラム方式)を用いて、3mm/secの書き込み
速度で直接版上を露光することで画像を得た。得られ
た、版の非画像部及び画像部(ベた画像部分)の表面濡
れ性を水との接触角で測定した。レーザービーム露光し
た非画像部の表面は0度に変化し、未露光部の表面は感
光層作成時の55度のままであった。
【0052】次に、上記のようにして作成した印刷版
を、印刷機として、オリバー94型(桜井製作所(株)
製)を用い、湿し水として、SLM−OD(三菱製紙
(株)製)を蒸留水で100倍に希釈した溶液を湿し水
受け皿部に入れ、オフセット印刷用墨インキを用い、製
版物に印刷紙を通して印刷を行った。印刷10枚目の印
刷物の印刷画像を20倍のルーペを用いて目視評価した
ところ、非画像部の印刷インキ付着による地汚れは見ら
れず、またベタ画像部の均一性は良好であった。さら
に、200倍の光学顕微鏡観察で、細線・細文字の細
り、欠落等は認められず、良好な画質であった。これと
同様の印刷画質の印刷物が1万枚以上得られた。
【0053】実施例2〜8 実施例1と同様な方法で、結着剤となる樹脂の原料成分
のみを以下の表1に示すものに変更し、平版印刷用原版
を作成した。
【0054】
【表1】
【0055】実施例1同様に、画像形成し、オフセット
印刷をおこなった。得られた印刷物は、実施例1の印刷
物と同様に、非画像部の地汚れのない鮮明な画質のもの
であり、耐刷性1万枚以上と良好なものであった。
【0056】実施例9 <平版印刷用原版の作成>下記内容の組成物を、ガラス
ビーズとともに、ペイントシェーカー(東洋精機(株)
製)に入れ、10分間分散した後、ガラスビーズを濾別
し、分散物を得た。 ・光触媒酸化チタン粉体:ST−01(石原産業(株)製) 75g ・テトラメトキシシラン(信越化学(株)製) 25g ・濃塩酸(和光純薬(株)製) 0.5g ・メタノール 1000g
【0057】軽印刷用電子写真式平版印刷用原版として
用いられているELP−II型マスター(富士写真フイル
ム(株)製商品名)の支持体を用い、この上に上記組成
物をワイヤーバーを用いて塗布し、130℃で30分間
乾燥して、塗布量5g/m 2 の感光層を形成し平版印刷用
原版とした。また、平版印刷用原版の表面に、蒸留水2
μlを乗せ、30秒後の表面接触角(度)を、表面接触
計(CA−D、協和界面科学(株)製商品名)を用いて
測定した所、55度であった。実施例1同様にレーザー
ビーム露光して画像形成したところ、非画像部の表面は
0度に変化し、未露光部の表面は感光層作成時の55度
のままであった。次いで、実施例1同様にオフセット印
刷をおこなった。得られた印刷物は、実施例1の印刷版
と同様に、非画像部の地汚れのない鮮明な画質のもので
あり、耐刷性1万枚以上と良好なものであった。
【0058】実施例10〜12 実施例9と同様な方法で、酸化チタンと樹脂の原料成分
(テトラメトキシシラン)の比率のみを以下の表2に示
すものに変更し、平版印刷用原版を作成した。
【0059】
【表2】
【0060】実施例1同様に、画像形成し、オフセット
印刷をおこなった。得られた印刷物は、実施例9の印刷
物と同様に、非画像部の地汚れのない鮮明な画質のもの
であり、耐刷性1万枚以上と良好なものであった。
【0061】実施例13 <平版印刷用原版の作成>下記内容の組成物を、ガラス
ビーズとともに、ペイントシェーカー(東洋精機(株)
製)に入れ、60分間分散した後、ガラスビーズを濾別
し、分散物を得た。 ・光触媒酸化チタンゾル(30%溶液) 酸化チタンスラリーSTS−01(石原産業(株)製) 167g ・テトラエトキシシラン(メルク(株)製) 25g ・テトラメトキシシラン(信越化学(株)製) 25g ・濃塩酸(和光純薬(株)製) 0.5g ・エタノール 883g
【0062】この分散物を、脱脂処理をした厚み150
μmのアルミ版上にワイヤーバーを用いて塗布し、11
0℃で20分間乾燥して、塗布量3g/m2の感光層を形成
し平版印刷用原版とした。また、平版印刷用原版の表面
に、蒸留水2μlを乗せ、30秒後の表面接触角(度)
を、表面接触計(CA−D、協和界面化学(株)製商品
名)を用いて測定した所、60度であった。実施例1同
様にレーザービーム露光して画像形成したところ、非画
像部の表面は0度に変化し、未露光部の表面は感光層作
成時の60度のままであった。次いで、実施例1同様に
オフセット印刷をおこなった。得られた印刷物は、実施
例1の印刷物と同様に、非画像部の地汚れのない鮮明な
画質のものであり、耐刷性1万枚以上と良好なものであ
った。
【0063】実施例14〜18 実施例13のテトラエトキシシラン25gの代わりに、
以下の表3に示す成分を用いた以外実施例13と同様な
方法で平版印刷用原版を作成した。
【0064】
【表3】
【0065】実施例1同様に、画像形成し、オフセット
印刷をおこなった。得られた印刷物は、実施例13の印
刷物と同様に、非画像部の地汚れのない鮮明な画質のも
のであり、耐刷性1万枚以上と良好なものであった。
【0066】実施例19 実施例13において、耐水性支持体として、コロナ処理
をした厚み100μmのPETフィルムを用いたほかは
実施例13と全く同様にして、平版印刷用原版を作成し
た。実施例1同様に、画像形成し、オフセット印刷をお
こなった。得られた印刷物は、実施例13の印刷物と同
様に、非画像部の地汚れのない鮮明な画質のものであ
り、耐刷性1万枚以上と良好なものであった。
【0067】実施例20 <平版印刷用原版の作成>下記内容の組成物を、ガラス
ビーズとともに、ペイントシェーカー(東洋精機(株)
製)に入れ、10分間分散した後、ガラスビーズを濾別
し、分散物を得た。 ・光触媒酸化チタンゾル(30%溶液) 酸化チタンスラリーSTS−02(石原産業(株)製) 150g ・テトラエトキシシラン(信越化学(株)製) 20g ・アルミナゾル 15g ・イオン交換水 1200g
【0068】この分散物を、脱脂処理をした厚み150
μmのSUS版上にワイヤーバーを用いて塗布し、11
0℃で20分間乾燥して、塗布量3g/m2の感光層を形成
し平版印刷用原版とした。また、平版印刷用原版の表面
に、蒸留水2μlを乗せ、30秒後の表面接触角(度)
を、表面接触計(CA−D、協和界面化学(株)製商品
名)を用いて測定した所、70度であった。実施例1同
様にレーザービーム露光して画像形成したところ、非画
像部の表面は0度に変化し、未露光部の表面は感光層作
成時の70度のままであった。次いで、実施例1同様に
オフセット印刷をおこなった。得られた印刷物は、実施
例1の印刷版と同様に、非画像部の地汚れのない鮮明な
画質のものであり、耐刷性1万枚以上と良好なものであ
った。
【0069】
【発明の効果】本発明の平版印刷用原版は、アナターゼ
型酸化チタン微粒子および前記一般式(I)で示される
シロキサン結合を有する樹脂を含有する感光層を有する
ことにより、紫外線光照射による乾式の不感脂化処理
で、地汚れがなく鮮明な画質の印刷物を多数枚印刷可能
となる平版印刷版とすることができる。また、本発明の
平版印刷方法は、上記平版印刷用原版に紫外線光を用い
て像様露光することにより、簡易な画像形成と乾式の不
感脂化処理が同時に可能となり、現像処理をすることな
く平版印刷版上でインキと湿し水に接して印刷を行うこ
と可能となる。
【0070】また本発明は、アナターゼ型酸化チタンを
分散する樹脂としてシロキサン結合を有する樹脂を利用
することによって、特にゾル−ゲル法を利用して成膜す
ることにより、感光層としての膜の強度、およびTiO
粒子の均一分散性に優れるという利点がある。更に、本
発明の平版印刷用原版は、その画像形成がトナーやイン
クによるものではないため、使用済みの平版印刷版の印
刷インキを除去して加熱処理することにより、非画像部
を元の疎水性の状態に再生し、繰り返し使用ができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、アナターゼ型酸化チタン微
    粒子および下記一般式(I)で示されるシロキサン結合
    を有する樹脂を含有する感光層を設けたことを特徴とす
    る紫外線露光用平版印刷用原版。 【化1】 〔式(I)中、A及びBは、同じでも異なってもよく、
    各々−O−、水素原子、炭化水素基又はヘテロ環基を表
    す。〕
  2. 【請求項2】 請求項1記載の紫外線露光用平版印刷用
    原版を紫外線で像様露光し、露光部を親水化することを
    特徴とする平版印刷版の製造方法。
JP36761798A 1997-12-26 1998-12-24 平版印刷用原版及びそれを用いた平版印刷版の製造方法 Pending JPH11245533A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP36761798A JPH11245533A (ja) 1997-12-26 1998-12-24 平版印刷用原版及びそれを用いた平版印刷版の製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP36125397 1997-12-26
JP9-361253 1997-12-26
JP36761798A JPH11245533A (ja) 1997-12-26 1998-12-24 平版印刷用原版及びそれを用いた平版印刷版の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11245533A true JPH11245533A (ja) 1999-09-14

Family

ID=26581227

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP36761798A Pending JPH11245533A (ja) 1997-12-26 1998-12-24 平版印刷用原版及びそれを用いた平版印刷版の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11245533A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6450635B1 (en) 1998-12-09 2002-09-17 Dai Nippon Printing Co., Ltd Color filter and process for producing the same
US6815125B1 (en) 1999-06-30 2004-11-09 Dai Nippon Printing Co., Ltd. Color filter and process for producing the same
US6851364B1 (en) 1999-02-05 2005-02-08 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. Printing plate material and production and regenerating methods thereof
US7846647B2 (en) 2001-03-29 2010-12-07 Dai Nippon Printing Co., Ltd. Method of producing pattern-formed structure and photomask used in the same

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6450635B1 (en) 1998-12-09 2002-09-17 Dai Nippon Printing Co., Ltd Color filter and process for producing the same
US6554420B2 (en) 1998-12-09 2003-04-29 Dai Nippon Printing Co., Ltd. Color filter and process for producing the same
US6851364B1 (en) 1999-02-05 2005-02-08 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. Printing plate material and production and regenerating methods thereof
US6815125B1 (en) 1999-06-30 2004-11-09 Dai Nippon Printing Co., Ltd. Color filter and process for producing the same
US7846647B2 (en) 2001-03-29 2010-12-07 Dai Nippon Printing Co., Ltd. Method of producing pattern-formed structure and photomask used in the same

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6232034B1 (en) Lithographic printing plate precursor and method for the preparation of lithographic printing plate employing the same
US6231988B1 (en) Lithographic printing plate precursor and method of preparing lithographic printing plate using the same
US6479203B1 (en) Direct drawing type lithographic printing plate precursor
JPH11245533A (ja) 平版印刷用原版及びそれを用いた平版印刷版の製造方法
US6472055B1 (en) Direct drawing type lithographic printing plate precursor
US6500599B1 (en) Lithographic printing plate precursor and plate-making method of lithographic printing plate using the same
JP2001219664A (ja) 平版印刷用原板
JP2000137320A (ja) 平版印刷版用原版
JP2001022058A (ja) 平版用印刷版の作製方法、平版印刷用原板及び画像形成方法
JP2002264555A (ja) 直描型平版印刷用原版
JPH1191255A (ja) 平版印刷原版及びそれを用いた平版印刷版の作成方法
JP2001105761A (ja) 平版印刷用ネガ型印刷原板、及び平版印刷用ネガ型印刷版の作製方法
JPH11109610A (ja) 平版印刷用原版及びそれを用いた平版印刷版の作成方法
JP2002362048A (ja) 直描型平版印刷用原版
JP2001281867A (ja) 平版印刷版の製版方法
JP2001301304A (ja) 平版印刷方法
JP4210410B2 (ja) 直描型平版印刷用原版
JP2001130158A (ja) 直描型平版印刷用原版
JP2001054987A (ja) 直描型平版印刷用原版
JP2000355178A (ja) 平版印刷用原板
JP2001056551A (ja) 平版印刷用原版及びそれを用いた平版印刷版の作成方法
JP2001305721A (ja) 平版印刷版の製版方法及びそれに用いる平版印刷版
JP2005040964A (ja) 印刷版固定シートとそれを用いた版掛け方法および印刷方法
JP2000158840A (ja) 平版印刷版の作成方法および平版印刷版
JP2003011531A (ja) 直描型平版印刷用原版及びその作成方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20040224

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050310

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050525

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20051005