JPH11109610A - 平版印刷用原版及びそれを用いた平版印刷版の作成方法 - Google Patents

平版印刷用原版及びそれを用いた平版印刷版の作成方法

Info

Publication number
JPH11109610A
JPH11109610A JP26876797A JP26876797A JPH11109610A JP H11109610 A JPH11109610 A JP H11109610A JP 26876797 A JP26876797 A JP 26876797A JP 26876797 A JP26876797 A JP 26876797A JP H11109610 A JPH11109610 A JP H11109610A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
printing plate
lithographic printing
image
layer
water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP26876797A
Other languages
English (en)
Inventor
Kiyosuke Kasai
清資 笠井
Eiichi Kato
栄一 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP26876797A priority Critical patent/JPH11109610A/ja
Publication of JPH11109610A publication Critical patent/JPH11109610A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Or Reproduction Of Printing Formes (AREA)
  • Printing Plates And Materials Therefor (AREA)
  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子線のビームの像様露光のみで画像形成す
ることができかつ、乾式の不感脂化処理で、地汚れがな
く鮮明な画質の印刷物を多数枚印刷可能とする平版印刷
版とすることができる平版印刷原版と、該原版を用いた
平版印刷版の作成作成方法を提供する。 【解決手段】 耐水性支持体上に、アナターゼ型酸化チ
タン微粒子及び結着樹脂を少なくとも含有する層を有
し、該層の表面に紫外線領域の電磁放射線を用いて像様
露光することにより、該層の表面の露光部分は印刷時に
湿らし水を保持しインクをはじく非画像部となり、未露
光部分はインクを受容する画像部となることを特徴とす
る平版印刷用原版であり、該層上に、紫外線領域の電磁
放射線を用いて像様露光し、該感光層の表面の露光部分
を親水性に極性変換することで印刷時に湿らし水を保持
しインクをはじく非画像部とし、未露光部分は元の親油
性を維持しインクを受容する画像部とすることを特徴と
する平版印刷版の作成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、像露光された平版
印刷版の現像を必要としない、新規な無処理平版印刷用
原版及びそれを用いた平版印刷版の作成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、軽印刷分野を中心にして使用され
ている平版印刷用原版には、1)耐水性支持体上に、親
水性の画像受理層を設けた直描型の原版、2)耐水性支
持体上に、酸化亜鉛を含む画像受理層(親油性)を設け
た原版に直描製版した後、非画像部を不感脂化処理して
印刷版とするもの、3)耐水性支持体上に、光導電性酸
化亜鉛を含む光導電層を設けた電子写真感材を原版と
し、画像形成後に非画像部を、不感脂化処理液により不
感脂化処理して印刷版とするもの、4)耐水性支持体上
に、ハロゲン化銀乳剤層を設けた銀塩写真型の原版、
5)親水性のアルミ支持体上に紫外線により樹脂画像を
形成するPS版、6)アルミ支持体上に光反応性樹脂と
シリコーンゴム層から成る感光層を設けた水なしPS版
等が挙げられる。
【0003】しかし、これらの内l)の様なタイプは簡
便ではあるが、印刷物として要求される画質レベル、非
画像部地汚れ、耐刷性等において満足できるレベルでは
なく、また2)、3)、4)の平版印刷用原版は不感脂
化処理ないしは感脂化処理等の液体処理を必要とし、さ
らに5)、6)ではアルカリ及び水溶液処理を必要とす
るため、これらは装置の複雑、大型化に伴うコストアッ
プ、処理廃液等の廃棄物による環境への悪影響などの問
題点を有している。最近、印刷分野において製版行程の
コンピューター化が一段と進行し、コンピューター上で
文字、画像等のレイアウトを決定し、直接出力機から版
に情報を出力し製版するシステムが注目を浴びている。
【0004】中でも、レーザービームを用いる露光によ
り、中間のフイルム及び通常の光学プリント方法を必要
とせずデジタルデータから直接印刷版を作成することが
可能であり、不感脂化処理ないしは感脂化処理等の液体
化学処理、アルカリ及び水溶液による現像処理、ベーキ
ング等の処理を必要としない平版印刷用原版が提案され
つつある。
【0005】例えば、EP−652483号明細書にお
いて、熱分解性カルボン酸エステル基含有ポリマーと光
を熱に変換できる化合物を組み合わせた感熱層を、感熱
レーザーにより、エステル基を熱分解させカルボキシル
基を生成させ表面を親水化し、処理なしで印刷できる平
版印刷用原版、特開昭60−132760号明細書で光
を熱に変換できる化合物を含有する疎水性樹脂表面をス
ルホン化する事により親水化し、感熱レーザーによりス
ルホン酸基を加熱除去する事により表面を疎水化し画像
とする平版印刷用原版、EP−279066号明細書
で、導電性ポリマーを感光層として用い、電気化学的も
しくは電気的信号を走査する事により、表面の親−疎水
性を変化させる平版印刷用原版、EP−769372号
明細書で、ジルコニアセラミックを用いた印刷版表面を
感熱レーザーにより露光する事で酸化物の酸化状態を変
え、表面が親水性から疎水性に変化する性質を利用した
平版印刷用原版等が挙げられる。
【0006】しかしこれらの平版印刷用原版はその有用
性を制限する一つ以上のの不利益を受ける。例えば、多
くは親油性画像領域と親水性非画像部領域の間の性質の
違いが十分ではなく、印刷時に地汚れが発生する、ない
しは着肉しないという致命的な欠点を有したり、印刷時
の湿し水が制限されたり、素材そのものの保存安定性に
問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、不感
脂化処理、感脂化処理及びアルカリ処理などの液体処理
を必要としない、簡便で安価な平版印刷版の作成方法を
提供し、従来技術の多くの制限及び欠点を克服すること
である。本発明の他の目的は、電子線のビーム露光で画
像形成することのみで平版印刷版とすることが可能な平
版印刷用原版を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に従って、平版印
刷版を形成するためにアナターゼ型酸化チタン微粒子及
び結着剤を使用する事に基づく新規な平版印刷用原版を
提供する。本発明は、以下の(1)〜(8)の特徴を有
する。 (1)耐水性支持体上に、アナターゼ型酸化チタン微粒
子及び結着樹脂を少なくとも含有する層を有し、該層の
表面に紫外線領域の電磁放射線を用いて像様露光するこ
とにより、該層の表面の露光部分は印刷時に湿らし水を
保持しインクをはじく非画像部となり、未露光部分はイ
ンクを受容する画像部となることを特徴とする平版印刷
用原版。
【0009】(2)前記層表面の画像部と水との接触角
が30度以上で、かつ非画像部と水との接触角が20度
以下であることを特徴とする前記(1)記載の平版印刷
用原版。 (3)前記層成分として少なくとも30wt%以上の酸
化チタン微粒子を含有し、かつ該酸化チタン微粒子の少
なくとも20wt%以上がアナターゼ型結晶形であるこ
とを特徴とする前記(1)又は(2)記載の平版印刷用
原版。 (4)前記層表面の非画像部が、加熱処理により疎水性
の状態に再生できるものであることを特徴とする前記
(1)〜(3)のいずれかに記載の平版印刷用原版。
【0010】(5)耐水性支持体上に、アナターゼ型酸
化チタン微粒子及び結着樹脂を少なくとも含有する感光
層有する平版印刷用原版の感光層上に、紫外線領域の電
磁放射線を用いて像様露光し、該感光層の表面の露光部
分を親水性に極性変換することで印刷時に湿らし水を保
持しインクをはじく非画像部とし、未露光部分は元の親
油性を維持しインクを受容する画像部とすることを特徴
とする平版印刷版の作成方法。
【0011】(6)前記感光層表面の画像部と水との接
触角が30度以上で、かつ非画像部と水との接触角が2
0度以下であることを特徴とする前記(5)記載の平版
印刷版の作成方法。 (7)前記像様露光が、紫外線レーザービームを用いて
行われることを特徴とする前記(5)又は(6)記載の
平版印刷版の作成方法。 (8)印刷に使用した前記平版印刷版の画像部付着のイ
ンクを除去し加熱処理により前記感光層表面の非画像部
を元の疎水性の状態に再生したものを、平版印刷用原版
として用いることを特徴とする前記(5)〜(7)のい
ずれかに記載の平版印刷版の作成方法。
【0012】本発明の方法は、従来公知の平版印刷用原
版に比べて多くの利点を有する。例えば、印刷版の化学
処理を必要とせず、黄血塩不感脂化処理及び水性アルカ
リ現像液等を用いる事にともなう苦労、費用及び環境悪
影響を防ぐ。レーザービームを用いる露光により、中間
のフィルム及び通常の光学プリント方法を必要とせずデ
ジタルデータから直接印刷版を作成することが可能であ
る。本発明に用いるアナターゼ型酸化チタン微粒子は、
紫外線光の照射で光励起し、粒子表面が水との接触角で
20度以下に親水化される事を特徴とする。光照射で表
面が親水性に変換される現象の詳細は、例えば、渡辺俊
也、セラミックス、31、837(1996)等に記載
されている。しかし、平版印刷用原版における使用は今
まで開示されておらず、これらの使用は平版印刷の技術
分野での大きな進歩を示す。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。本発明は、紫外線光の照射で光励起
し、粒子表面が水との接触角で20度以下、好ましくは
10度以下、更に好ましくは5度以下に親水化される特
徴を有し、アナターゼ型酸化チタン微粒子の親油性から
親水性への極性変換を利用しこれら微粒子を分散、成膜
するための結着剤を併用し、塗布により形成した感光層
表面を紫外線領域に吸収を有するレーザービームにより
像様露光する事で画像パターンを形成し平版印刷用版と
するものである。
【0014】本発明の好ましい態様では、アナターゼ型
酸化チタン微粒子の効果を有効に活用するため感光層成
分として少なくとも30wt%以上の酸化チタン微粒子を
含有し、より好ましくは50wt%以上の酸化チタン微粒
子を含有することで、感光層表面が親水化に十分な酸化
チタン表面で覆われ目的の親水性を得ることができる。
また、酸化チタン微粒子の少なくとも20wt%以上がア
ナターゼ型の結晶形のものを含有し、より好ましくは4
0wt%以上がアナターゼ型の結晶形のものである。
【0015】この粒子は、粉体としてあるいは、チタニ
アゾル分散液として、上市品として入手できる。例えば
石原産業(株)、チタン工業(株)、堺化学(株)、日
本アエロジル(株)、日産化学工業(株)等が挙げられ
る。又、本発明に供されるアナターゼ型酸化チタン粒子
は、他の金属元素又はその酸化物を含有してもよい。含
有とは、粒子の表面及び/又は内部に被覆したり担持し
たり、あるいはドープしたりすることを含める。
【0016】含有される金属元素としては、例えば、S
i、Mg、V、Mn、Fe、Sn、Ni、Mo、Ru、
Rh、Re、Os、Cr、Sb、In、Ir、Ta、N
b、Cs、Pd、Pt、Au等が挙げられる。具体的に
は、特開平7−228738号、同7−187677
号、同8−81223号、同8−257399号、同8
−283022号、同9−25123号、同9−714
37号、同9−70532号等に記載されている。
【0017】本発明の感光層に供される結着樹脂として
は、従来の結着樹脂として知られている全てのものが利
用できる。代表的なものは塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−メタ
クリレート共重合体、メタクリレート共重合体、アクリ
レート共重合体、酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチ
ラール、アルキド樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹
脂、エポキシエステル樹脂、ポリエステル樹脂等、また
水溶性高分子化合物としてポリビニルアルコール、変性
ポリビニルアルコール、澱粉、酸化澱粉、カルボキシメ
チルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カゼイ
ン、ゼラチン、アクリル酸共重合体、メタクリル酸共重
合体、ビニルピロリドン共重合体、ポリビニルエーテル
−無水マレイン酸共重合体、ポリアミド、ポリアクリル
アミド等が挙げられる。これらの樹脂は単独で用いても
よいし2種以上を併用してもよい。
【0018】本発明の感光層に供される結着樹脂の分子
量は、好ましくは103 〜105 、より好ましくは5×
103 〜5×105 である。また、この樹脂のガラス転
移点は好ましくは−10℃〜120℃、より好ましくは
0℃〜90℃である。本発明の感光層には、上記した成
分とともに、他の構成成分を含有してもよい。
【0019】他の成分として、本発明のアナターゼ型酸
化チタン粒子以外の無機顔料粒子を含有してもよい。例
えば、シリカ、アルミナ、カオリン、クレー、酸化亜
鉛、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、
硫酸バリウム、炭酸マグネシウム、アナターゼ型結晶以
外の酸化チタン等が挙げられる。これら他の無機顔料
は、本発明のアナターゼ型酸化チタン粒子に対して、4
0重量部を超えない範囲で用いる。好ましくは、30重
量部以内である。感光層中の顔料/結着樹脂の割合は、
一般に顔料100重量部に対して、結着樹脂が8〜25
重量部の割合であり、好ましくは10〜22重量部の割
合である。この範囲において、本発明の効果が有効に発
現するとともに、印刷時における膜強度の保持あるいは
不感脂化処理時の高い親水性の維持がなされる。
【0020】その他、感光層には、膜強度をより向上さ
せるために架橋剤を添加してもよい。特に、結着樹脂と
して、水溶性樹脂を用いる場合には、架橋剤を併用して
膜を硬化し、耐水性を向上させることが好ましい。架橋
剤としては、通常架橋剤として用いられる化合物を挙げ
ることができる。具体的には、山下晋三、金子東助編
「架橋剤ハンドブック」大成社刊(1981年)、高分
子学会編「高分子データハンドブック、基礎編」培風館
(1986年)等に記載されている化合物を用いること
ができる。
【0021】例えば、塩化アンモニウム、金属イオン、
有機過酸化物、有機シラン系化合物(例えば、ビニルト
リメトキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、γ−グ
リシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプ
トプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルト
リエトキシシラン等のシランカップリング剤等)、ポリ
イソシアナート系化合物(例えば、トルイレンジイソシ
アナート、ジフェニルメタンジイソシアナート、トリフ
ェニルメタントリイソシアナート、ポリメチレンポリフ
ェニルイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナー
ト、イソホロンジイソシアナート、高分子ポリイソシア
ナート等)、ポリオール系化合物(例えば、1,4−ブ
タンジオール、ポリオキシプロピレングリコ−ル、ポリ
オキシエチレングリコール、1,1,1−トリメチロー
ルプロパン等)、ポリアミン系化合物(例えば、エチレ
ンジアミン、γ−ヒドロキシプロピル化エチレンジアミ
ン、フェニレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、N
−アミノエチルピペラジン、変性脂肪族ポリアミン類
等)、チタネートカップリング系化合物(例えばテトラ
ブトキシチタネート、テトラクロロエポキシチタネー
ト、イソプロピルトリステアロイルチタネート等)、ア
ルミニウムカップリング系化合物(例えばアルミニウム
ブチレート、アルミニウムアセチルアセテート、アルミ
ニウムオキシドオクテート、アルミニウムトリス(アセ
チルアセテート)等)、ポリエポキシ基含有化合物及び
エポキシ樹脂(例えば、垣内弘編著「新エポキシ樹脂」
昭晃堂(1985年刊)、橋本邦之編著「エポキシ樹
脂」日刊工業新聞社(1969年刊)等に記載された化
合物類)、メラミン樹脂(例えば、三輪一郎、松永英夫
編著「ユリア・メラミン樹脂」日刊工業新聞社(196
9年刊)等に記載された化合物類)、ポリ(メタ)クリ
レート系化合物(例えば、大河原信、三枝武夫、東村敏
延編「オリゴマー」講談社(1976年刊)、大森英三
「機能性アクリル系樹脂」テクノシステム(1985年
刊)等に記載された化合物類)が挙げられる。本発明で
は、感光層中での架橋反応を促進させるために、必要に
応じて反応促進剤を添加してもよい。
【0022】架橋反応が官能基間の化学結合を形成する
反応様式の場合には、例えば有機酸類(酢酸、プロピオ
ン酸、酪酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホ
ン酸等)、フェノール類(フェノール、クロロフェノー
ル、ニトロフェノール、シアノフェノール、ブロモフェ
ノール、ナフトール、ジクロロフェノール等)、有機金
属化合物(アセチルアセトナートジルコニウム塩、アセ
チルアセトンジルコニウム塩、アセチルアセトコバルト
塩、ジラウリン酸ジブトキシスズ等)、ジチオカルバミ
ン酸化合物(ジエチルジチオカルバミン酸塩等)、チノ
ウラムジスルフィド化合物(テトラメチルチノウラムジ
スルフィド等)、カルボン酸無水物(無水フタル酸、無
水マレイン酸、無水コハク酸、ブチルコハク酸無水物、
3,3′,4、4′−テトラカルボン酸ベンゾフェノン
ジ無水物、トリメリット酸無水物等)等が挙げられる。
架橋反応が重合性反応様式の場合には、重合開始剤(過
酸化物、アゾビス系化合物等が挙げられる。
【0023】結着樹脂は、感光層組成物を塗布した後、
熱硬化されることが好ましい。熱硬化を行なうために
は、例えば、乾燥条件を従来の受理層作製時の乾燥条件
より厳しくする。例えば、乾燥条件を高温度及び/又は
長時間とするか、あるいは塗布溶剤の乾燥後、更に加熱
処理することが好ましい。例えば60℃〜150℃で5
〜120分間処理する。上述の反応促進剤を併用する
と、より穏やかな条件で処理することができる。さらに
は、特開平4−201387号公報、同4−22319
6号公報、同4−319491号公報、同5−5807
1号公報、同4−353495号公報、同5−1195
45号公報等に記載の特定の官能基を含有する樹脂粒子
を含有させてもよい。
【0024】感光層には、接着性、成膜性、膜強度等種
々の特性を向上させるために、他の添加剤を用いてもよ
い。例えば接着性の調整のために、ロジン、石油樹脂、
シリコーンオイル等、支持体の濡れ性の改良や溶融粘度
を低下させる可塑剤および軟化剤としてポリブテン、D
OP、DBP、低分子スチレン樹脂、低分子ポリエチレ
ンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィ
ンワックス等を、印刷版の地汚れに影響しない範囲で加
えることができる。感光層の膜厚は、好ましくは0.1
〜10μm、より好ましくは0.5〜5μmの範囲であ
る。この範囲において、印刷物の地汚れのない多数枚の
印刷が可能となる。
【0025】耐水性支持体としては、アルミニウム板、
亜鉛板、銅−アルミニウム板、銅−ステンレス板、クロ
ム−銅板等のバイメタル板、クロム−銅−アルミニウム
板、クロム−鉛−鉄板、クロム−銅−ステンレス板等の
トライメタル板で、その厚さが0.1〜3mm、特に0.
1〜1mmのものが挙げられる。また、厚みが80μm〜
200μmの耐水性処理を施した紙、プラスチックフィ
ルムあるいは金属箔をラミネートした紙またはプラスチ
ックフィルム等が挙げられる。
【0026】本発明の方法において平版印刷版に画像を
形成するには、エキシマレーザー(XeF)、He−C
dレーザー、N2 レーザー、LD励起Nd;YAGレー
ザー内部共振器型SHGによって得られた第二高調波を
BBO結晶を用いた外部共振器型Fourth-HG、Qスイ
ッチ動作LD励起固体レーザーなどが用いられ、平版印
刷版表面を直接露光することで露光部が親水性に変換し
非画像部となる。また、未露光部は疎水性のままでイン
クを受容する画像部となる。この場合、画像部は水との
接触角が30度以上で、好ましくは40〜110度、よ
り好ましくは50〜95度で、電子線照射部の非画像部
は水との接触角が20度以下で、好ましくは10度以
下、より好ましくは5度以下である。さらに、本発明の
平版印刷版は印刷が完了すると、適当な方法で印刷版表
面上のインクを一掃し、130〜200度の温度で1〜
5時間加熱処理、好ましくは150〜200度の温度で
1〜3時間加熱処理する事により、表面を画像形成以前
の状態に戻すことができ、繰り返して製版・印刷に使用
することが可能である。
【0027】
【実施例】以下に実施例を示して、本発明を詳細に説明
するが、本発明の内容がこれらに限定されるものではな
い。 (実施例1) <平版印刷用原版の作成>下記内容の組成物を、ガラス
ビーズとともに、ペイントシェーカー(東洋精機(株)
製)に入れ、60分間分散した後、ガラスビーズを濾別
し、分散物を得た。 ・光触媒酸化チタンゾル(40%溶液) 酸化チタンスラリーSTS−21(石原産業(株)製) 100g ・ポリビニルアルコール 100g PVA−117(クラレ(株)製)(10%水溶液) ・メラミンホルムアルデヒド樹脂の80%水溶液 1.1g ・塩化アンモニウムの10%水溶液 1.0g ・イオン交換水 200g
【0028】軽印刷用電子写真式印刷用原版として用い
られているELP−II型マスター(富士写真フイルム
(株)製商品名)の支持体を用い、この上に上記組成物
をワイヤーバーを用いて塗布し、130℃で30分間乾
燥して、塗布量5g/m2の感光層を形成し平版印刷用原版
とした。また、平版印刷用原版の表面に、蒸留水2μl
を乗せ、30秒後の表面接触角(度)を、表面接触計
(CA−D、協和界面化学(株)製商品名)を用いて測
定した所、70度であった。上記、平版印刷用原版をH
e−Cdレーザービームを光源とする書き込み機(50
mW、ビーム径20μm、ドラム方式)を用いて、3mm
/secの書き込み速度で直接版上を露光することで画像を
得た。
【0029】得られた、版の非画像部及び画像部(ベた
画像部分)の表面濡れ性を水との接触角で測定した。レ
ーザービーム露光した非画像部の表面は0度に変化し、
未露光部の表面は感光層作成時の70度のままであっ
た。次に、上記のようにして作成した印刷版を、印刷機
として、オリバー94型(桜井製作所(株)製)を用
い、湿し水として、SLM−OD(三菱製紙(株)製)
を蒸留水で100倍に希釈した溶液を湿し水受け皿部に
入れ、オフセット印刷用墨インキを用い、製版物に印刷
紙を通して印刷を行った。印刷10枚目の印刷物の印刷
画像を20倍のルーペを用いて目視評価したところ、非
画像部の印刷インキ付着による地汚れは見られず、また
ベタ画像部の均一性は良好であった。さらに、200倍
の光学顕微鏡観察で、細線・細文字の細り、欠落等は認
められず、良好な画質であった。これと同様の印刷画質
の印刷物が1万枚以上得られた。
【0030】(実施例2〜5)実施例1と同様な方法
で、結着剤となる有機ポリマーの種類のみを以下の表1
に示すものに変更し、平版印刷用原版を作成した。
【0031】
【表1】
【0032】実施例1同様に、画像形成し、オフセット
印刷をおこなった。得られた印刷物は、実施例1の印刷
版と同様に、非画像部の地汚れのない鮮明な画質のもの
であり、耐刷性1万枚以上と良好なものであった。
【0033】(実施例6) <平版印刷用原版の作成>下記内容の組成物を、ガラス
ビーズとともに、ペイントシェーカー(東洋精機(株)
製)に入れ、10分間分散した後、ガラスビーズを濾別
し、分散物を得た。 ・光触媒酸化チタン粉体:ST−01(石原産業(株)製) 45g ・ゼラチン(10%水溶液) 180g ・フッ化アルキルエステルFC−430(3M社製) 0.25g ・硬化剤 CH2=CHSO2CH2CONH(CH2)3NHCOCH2SO2CH=CH2 1.2g ・イオン交換水 100g
【0034】軽印刷用電子写真式平版印刷用原版として
用いられているELP−II型マスター(富士写真フイル
ム(株)製商品名)の支持体を用い、この上に上記組成
物をワイヤーバーを用いて塗布し、130℃で30分間
乾燥して、塗布量5g/m 2 の感光層を形成し平版印刷用
原版とした。また、平版印刷用原版の表面に、蒸留水2
μlを乗せ、30秒後の表面接触角(度)を、表面接触
計(CA−D、協和界面科学(株)製商品名)を用いて
測定した所、80度であった。実施例1同様に、画像形
成し、オフセット印刷をおこなった。得られた印刷物
は、実施例1の印刷版と同様に、非画像部の地汚れのな
い鮮明な画質のものであり、耐刷性1万枚以上と良好な
ものであった。
【0035】(実施例7) <平版印刷用原版の作成>下記内容の組成物を、ガラス
ビーズとともに、ペイントシェーカー(東洋精機(株)
製)に入れ、20分間分散した後、ガラスビーズを濾別
し、分散物を得た。 ・光触媒酸化チタン粉体:ST−01(石原産業(株)製) 45g ・ポリプロピレンオキサイド変性でんぷん PENON HV−2(日澱化学(株)製) 18g ・アルミナゾル520 24g ・グリオキザール(40%水溶液) 5g ・イオン交換水 258g
【0036】この分散物を、脱脂処理をした厚み150
μmのアルミ版上にワイヤーバーを用いて塗布し、11
0℃で20分間乾燥して、塗布量3g/m2の感光層を形成
し平版印刷用原版とした。また、平版印刷用原版の表面
に、蒸留水2μlを乗せ、30秒後の表面接触角(度)
を、表面接触計(CA−D、協和界面化学(株)製商品
名)を用いて測定した所、60度であった。実施例1同
様に、画像形成し、オフセット印刷をおこなった。得ら
れた印刷物は、実施例1の印刷版と同様に、非画像部の
地汚れのない鮮明な画質のものであり、耐刷性1万枚以
上と良好なものであった。
【0037】(実施例8)実施例7において、耐水性支
持体として、コロナ処理をした厚み100μmのPET
フィルムを用いたほかは実施例7と全く同様にして、平
版印刷用原版を作成した。実施例1同様に、画像形成
し、オフセット印刷をおこなった。得られた印刷物は、
実施例1の印刷版と同様に、非画像部の地汚れのない鮮
明な画質のものであり、耐刷性1万枚以上と良好なもの
であった。
【0038】(実施例9) <平版印刷用原版の作成>下記内容の組成物を、ガラス
ビーズとともに、ペイントシェーカー(東洋精機(株)
製)に入れ、10分間分散した後、ガラスビーズを濾別
し、分散物を得た。 ・光触媒酸化チタンゾル(30%溶液) 酸化チタンスラリーSTS−02(石原産業(株)製) 150g ・自己架橋型アクリレートラテックス:Nipol LX855 (ダイセル化学工業(株)製)(40%溶液) 20g コロイダルシリカ:スノーテックC 25g イオン交換水 200g
【0039】この分散物を、脱脂処理をした厚み150
μmのSUS版上にワイヤーバーを用いて塗布し、11
0℃で20分間乾燥して、塗布量3g/m2の感光層を形成
し平版印刷用原版とした。また、平版印刷用原版の表面
に、蒸留水2μlを乗せ、30秒後の表面接触角(度)
を、表面接触計(CA−D、協和界面化学(株)製商品
名)を用いて測定した所、80度であった。実施例1同
様に、画像形成し、オフセット印刷をおこなった。得ら
れた印刷物は、実施例1の印刷版と同様に、非画像部の
地汚れのない鮮明な画質のものであり、耐刷性1万枚以
上と良好なものであった。
【0040】(実施例10〜13)実施例9と同様な方
法で、結着剤となる有機ポリマーの種類のみを以下の表
2に示すものに変更し、平版印刷用原版を作成した。
【0041】
【表2】
【0042】実施例1同様に、画像形成し、オフセット
印刷をおこなった。得られた印刷物は、実施例1の印刷
版と同様に、非画像部の地汚れのない鮮明な画質のもの
であり、耐刷性1万枚以上と良好なものであった。
【0043】
【発明の効果】本発明の平版印刷用原版は、表面に紫外
線領域の電磁放射線を用いて像様露光することにより露
光部分は印刷時に湿らし水を保持しインクをはじく非画
像部となり、未露光部分はインクを受容する画像部とな
るアナターゼ型酸化チタン微粒子及び結着樹脂を少なく
とも含有する感光層を有することにより、紫外線光照射
による乾式の不感脂化処理で、地汚れがなく鮮明な画質
の印刷物を多数枚印刷可能となる平版印刷版とすること
ができる。
【0044】また、本発明の平版印刷版の作成方法は、
上記平版印刷用原版に紫外線領域の電磁放射線を用いて
像様露光しることにより、簡易な画像形成と乾式の不感
脂化処理が可能となり、かつ耐刷性に優れ、地汚れがな
く、画像の欠落・歪み・滲み等のない鮮明な画像の印刷
物を多数枚印刷可能とする平版印刷版を得ることができ
る。更に、本発明の平版印刷用原版は、その画像形成が
トナーやインクによるものではないため、使用済みの平
版印刷版の印刷インキを除去して加熱処理することによ
り、非画像部を元の疎水性の状態に再生し、繰り返し使
用ができる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐水性支持体上に、アナターゼ型酸化チ
    タン微粒子及び結着樹脂を少なくとも含有する層を有
    し、該層の表面に紫外線領域の電磁放射線を用いて像様
    露光することにより、該層の表面の露光部分は印刷時に
    湿らし水を保持しインクをはじく非画像部となり、未露
    光部分はインクを受容する画像部となることを特徴とす
    る平版印刷用原版。
  2. 【請求項2】 前記層表面の画像部と水との接触角が3
    0度以上で、かつ非画像部と水との接触角が20度以下
    であることを特徴とする請求項1記載の平版印刷用原
    版。
  3. 【請求項3】 前記層成分として少なくとも30wt%
    以上の酸化チタン微粒子を含有し、かつ該酸化チタン微
    粒子の少なくとも20wt%以上がアナターゼ型結晶形
    であることを特徴とする請求項1又は2記載の平版印刷
    用原版。
  4. 【請求項4】 前記層表面の非画像部が、加熱処理によ
    り疎水性の状態に再生できるものであることを特徴とす
    る請求項1〜3のいずれかに記載の平版印刷用原版。
  5. 【請求項5】 耐水性支持体上に、アナターゼ型酸化チ
    タン微粒子及び結着樹脂を少なくとも含有する感光層有
    する平版印刷用原版の感光層上に、紫外線領域の電磁放
    射線を用いて像様露光し、該感光層の表面の露光部分を
    親水性に極性変換することで印刷時に湿らし水を保持し
    インクをはじく非画像部とし、未露光部分は元の親油性
    を維持しインクを受容する画像部とすることを特徴とす
    る平版印刷版の作成方法。
  6. 【請求項6】 前記感光層表面の画像部と水との接触角
    が30度以上で、かつ非画像部と水との接触角が20度
    以下であることを特徴とする請求項5記載の平版印刷版
    の作成方法。
  7. 【請求項7】 前記像様露光が、紫外線レーザービーム
    を用いて行われることを特徴とする請求項5又は6記載
    の平版印刷版の作成方法。
  8. 【請求項8】 印刷に使用した前記平版印刷版の画像部
    付着のインクを除去し加熱処理により前記感光層表面の
    非画像部を元の疎水性の状態に再生したものを、平版印
    刷用原版として用いることを特徴とする請求項5〜7の
    いずれかに記載の平版印刷版の作成方法。
JP26876797A 1997-10-01 1997-10-01 平版印刷用原版及びそれを用いた平版印刷版の作成方法 Pending JPH11109610A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26876797A JPH11109610A (ja) 1997-10-01 1997-10-01 平版印刷用原版及びそれを用いた平版印刷版の作成方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26876797A JPH11109610A (ja) 1997-10-01 1997-10-01 平版印刷用原版及びそれを用いた平版印刷版の作成方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11109610A true JPH11109610A (ja) 1999-04-23

Family

ID=17463033

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26876797A Pending JPH11109610A (ja) 1997-10-01 1997-10-01 平版印刷用原版及びそれを用いた平版印刷版の作成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11109610A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000046037A1 (fr) * 1999-02-05 2000-08-10 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. Materiau de plaque d'impression et ses procedes de fabrication et de regeneration
US6450635B1 (en) 1998-12-09 2002-09-17 Dai Nippon Printing Co., Ltd Color filter and process for producing the same
US6815125B1 (en) 1999-06-30 2004-11-09 Dai Nippon Printing Co., Ltd. Color filter and process for producing the same

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6450635B1 (en) 1998-12-09 2002-09-17 Dai Nippon Printing Co., Ltd Color filter and process for producing the same
US6554420B2 (en) 1998-12-09 2003-04-29 Dai Nippon Printing Co., Ltd. Color filter and process for producing the same
WO2000046037A1 (fr) * 1999-02-05 2000-08-10 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. Materiau de plaque d'impression et ses procedes de fabrication et de regeneration
US6815125B1 (en) 1999-06-30 2004-11-09 Dai Nippon Printing Co., Ltd. Color filter and process for producing the same

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3381208B2 (ja) リトグラフベースおよびそれを用いてリトグラフ印刷板を製造する方法
US5445912A (en) Lithographic base and a method for making a lithographic printing plate therewith
EP0619524B1 (en) A lithographic base and a method for making a lithographic printing plate therewith
US4456670A (en) Photosensitive material for lithographic printing
US6014930A (en) Single layer direct write lithographic printing plates
JP3311885B2 (ja) 直描型平版印刷用原版
US5639586A (en) Lithographic base and a lithographic printing plate
US6258512B1 (en) Method for preparation of lithographic printing plate and lithographic printing plate prepared thereby
EP0314248B1 (en) Presensitized imaging element suitable for use as a lithographic printing plate
US6479203B1 (en) Direct drawing type lithographic printing plate precursor
JPH11109610A (ja) 平版印刷用原版及びそれを用いた平版印刷版の作成方法
JPH11115334A (ja) 平版印刷用原版及びそれを用いた平版印刷版の作成方法
JPH11245533A (ja) 平版印刷用原版及びそれを用いた平版印刷版の製造方法
JP2001130158A (ja) 直描型平版印刷用原版
EP0889364B1 (en) Method of treating a support suitable for use in the base of a lithographic printing plate
JPH10119230A (ja) 画像形成方法
JPH1191255A (ja) 平版印刷原版及びそれを用いた平版印刷版の作成方法
JP2002362048A (ja) 直描型平版印刷用原版
JP2001056551A (ja) 平版印刷用原版及びそれを用いた平版印刷版の作成方法
JP2003118252A (ja) 平版印刷用原版
JPH09211852A (ja) ジアゾをベースとした印刷版の印刷機上現像
JP2000158840A (ja) 平版印刷版の作成方法および平版印刷版
JP2000158837A (ja) 直描型平版印刷用原版の製造方法及びその原版
JP2003054147A (ja) 平版印刷用原版
JP2003019870A (ja) 直描型平版印刷用原版