JP2000158837A - 直描型平版印刷用原版の製造方法及びその原版 - Google Patents

直描型平版印刷用原版の製造方法及びその原版

Info

Publication number
JP2000158837A
JP2000158837A JP33437098A JP33437098A JP2000158837A JP 2000158837 A JP2000158837 A JP 2000158837A JP 33437098 A JP33437098 A JP 33437098A JP 33437098 A JP33437098 A JP 33437098A JP 2000158837 A JP2000158837 A JP 2000158837A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
image
receiving layer
image receiving
printing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP33437098A
Other languages
English (en)
Inventor
Eiichi Kato
栄一 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP33437098A priority Critical patent/JP2000158837A/ja
Publication of JP2000158837A publication Critical patent/JP2000158837A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
  • Printing Plates And Materials Therefor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 オフセット原版として全面一様な地汚れや点
状の地汚れを発生させず、更に画像の欠落・歪み等のな
い鮮明な画像の印刷物を多数枚印刷可能とする優れた直
描型平版印刷用原版を得る。 【解決手段】 耐水性支持体上に、アナターゼ型酸化チ
タン粒子及び親水性結着樹脂を少なくとも含有する画像
受理層を形成した後、該画像受理層表面を波長300〜
400nmの紫外線光で全面光照射処理をして、該画像
受理層の表面を水との接触角が15度以下の親水性にす
ることにより、直描型平版印刷用原版を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、直描型平版印刷用
原版の製造方法及びそれにより得られた原版に関し、更
に詳しくは、地汚れのない鮮明な画像の印刷物を多数枚
印刷可能とする平版印刷用原版の製造方法及びその原版
に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、軽印刷分野を中心にして使用され
ている平版印刷用原版には、(1)耐水性支持体上に親
水性の画像受理層を設けた直描型の原版、(2)耐水性
支持体上に酸化亜鉛を含む画像受理層(親油性)を設け
た原版に直描製版した後、非画像部を、不感脂化処理液
で不感脂化処理して印刷版とするもの、(3)耐水性支
持体上に光導電性酸化亜鉛を含む光導電層を設けた電子
写真感材を原版とし、画像形成後に非画像部を不感脂化
処理液により不感脂化処理して印刷版とするもの、
(4)耐水性支持体上にハロゲン化銀乳剤層を設けた銀
塩写真型の原版等が挙げられる。
【0003】最近の事務機器の発達とOA化の発展に伴
い、印刷分野において、上記(1)の直描型平版印刷原
版に電子写真式プリンター、感熱転写プリンター、イン
クジェットプリンター等の種々の方法で製版(即ち画像
形成)を行い、印刷版とするための特定の処理をするこ
となく直接に印刷版を作成するオフセット平版印刷方式
が望まれている。
【0004】従来の直描型平版印刷用原版は、紙等の支
持体の両面に裏面層及び中間層を介して画像受理層とな
る表面層が設けられていた。裏面層または中間層はPV
Aや澱粉等の水溶性樹脂及び合成樹脂エマルジョン等の
水分散性樹脂と顔料で構成されている。画像受理層は通
常、無機顔料、水溶性樹脂及び耐水化剤で構成される。
【0005】ここで、従来の無機顔料としては、カオリ
ン、クレー、タルク、炭酸カルシウム、シリカ、酸化チ
タン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、アルミナなどが挙げら
れる。水溶性樹脂としては、ポリビニルアルコール(P
VA)、カルボキシPVAのような変性PVA、澱粉及
びその誘導体、カルボキシメチルセルローズ、ヒドロキ
シエチルセルロースのようなセルロース誘導体、カゼイ
ン、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、酢酸ビニル−ク
ロトン酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体等の
水溶性樹脂が挙げられる。
【0006】また、耐水化剤としてはグリオキザール、
メラミンホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒド
樹脂等のアミノプラストの初期縮合物、メチロール化ポ
リアミド樹脂のような変性ポリアミド樹脂、ポリアミド
・ポリアミン・エピクロルヒドリン付加物、ポリアミド
エピクロルヒドリン樹脂、変性ポリアミドポリイミド樹
脂等が挙げられている。その他、さらには、塩化アンモ
ニウム、シランカップリング剤の架橋触媒等が併用でき
ることも知られている。
【0007】更に、直描型平版印刷用原版の画像受理層
に用いる結着剤として、分解によりカルボキシル基、ヒ
ドロキシル基、チオール基、アミノ基、スルホン基又は
ホスホノ基を生成する官能基を有すると共に、熱/光で
硬化する官能基を含有し予め架橋されている樹脂を用い
る(特開平1−226395号、同1−269593
号、同1−288488号各公報)、上記官能基含有樹
脂と熱/光硬化性樹脂を併用する(特開平1−2665
46号、同1−275191号、同1−309068号
各公報)、上記官能基含有樹脂と架橋剤を併用する(特
開平1−267093号、同1−271292号、同1
−309067号各公報)ことにより、非画像部の親水
性向上、画像受理層の膜強度の向上、更に耐印刷性の改
良が検討されている。
【0008】また、画像受理層中に、無機顔料及び結着
剤とともに、カルボキシル基、スルホ基、ホスホノ基の
ような親水性基を含有する1μm以下の微小粒径の樹脂
粒子を含有させる(特開平4−201387号、同4−
223196号各公報)あるいは、分解により上記の様
な親水性基を生成する官能基を含有する微小径樹脂粒子
を含有させる(特開平4−319491号、同4−35
3495号、同5−119545号、同5−58071
号、同5−69684号各公報)ことにより、非画像部
の親水性を向上させる事が検討されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この様
にして得られた従来の印刷版は印刷耐久性を向上するた
めに、耐水化剤の添加量を多くしたり疎水性樹脂を使用
したりして疎水性を増大させると、耐刷性は向上するが
親水性が低下して印刷汚れが発生し、他方親水性を良く
すると耐水性が劣化し耐刷性が低下するという問題があ
った。特に30℃以上の高温での使用環境下では、オフ
セット印刷に使用する浸し水に表面層が溶解し、耐刷性
が低下したり印刷汚れが発生するなどの問題があった。
【0010】更に、直描型平版印刷の場合、油性インキ
等を画像部として画像受理層に描画するものであり、印
刷用原版の画像受理層と油性インキの接着性が良くなけ
れば、たとえ非画像部の親水性が充分で上記の如き印刷
汚れが発生しなくても、印刷時に画像部の油性インキが
欠落してしまい、結果として耐刷性が低下してしまうと
いう問題があり、未だ充分に解決される所まで至ってい
ない。
【0011】本発明は以上の様な直描型平版印刷用原版
の有する問題点を改良するものである。本発明の目的
は、オフセット原版として全面一様な地汚れはもちろん
点状の地汚れも発生させない優れた直描型平版印刷用原
版を得ることである。本発明の他の目的は、地汚れがな
く、画像の欠落・歪み等のない鮮明な画像の印刷物を多
数枚印刷可能とする優れた直描型平版印刷用原版を得る
ことである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、以下の構
成により達成されることが見出された。 (1) 耐水性支持体上に、アナターゼ型酸化チタン粒
子及び親水性結着樹脂を少なくとも含有する画像受理層
を形成した後、該画像受理層表面を、波長300〜40
0nmの紫外線光で全面光照射処理をして、該画像受理
層を表面の水との接触角が15度以下の親水性にするこ
とを特徴とする直描型平版印刷用原版の製造方法。
【0013】(2) 前記結着樹脂が、下記一般式
(I)で示される有機金属化合物の少なくとも1種の加
水分解重縮合によるポリマーを含有することを特徴とす
る上記(1)記載の製造方法。
【0014】一般式(I) (R0nM(Y)X-n 〔一般式(I)中、R0は水素原子、炭化水素基又はヘ
テロ環基を表す。Yは加水分解性基を表す。Mは3価以
上の金属を表す。Xは金属Mの価数を表し、nは0、
1、2又は3を表す。〕
【0015】(3) 前記結着樹脂が、前記金属化合物
の少なくとも1種の加水分解重縮合によるポリマーとア
ミド結合、ウレタン結合及びウレイド結合から選ばれる
少なくとも一種の結合及び/又は水酸基を含有する有機
ポリマーとの複合体を含有することを特徴とする上記
(1)記載の製造方法。
【0016】(4) 上記(1)〜(3)のいずれかに
記載の方法により得られた直描型平版印刷用原版。
【0017】本発明は、上記の通り、耐水性支持体上に
アナターゼ型酸化チタン粒子を分散して成る画像受理層
を設けて成る平版印刷用原版を用い、上記アナターゼ型
酸化チタン含有の分散液を塗工した後に紫外線光で全面
露光して疎水性であった画像受理層表面を親水性に極性
変化することで直描型平版印刷用原版とすることを特徴
とし、得られる平版印刷用原版は、画像強度に優れ、親
水化処理後の非画像部の印刷インク汚れを生じないもの
で、得られた印刷版は鮮明な画像を多数枚印刷すること
が可能である。
【0018】親水化処理の紫外線光照射により、疎水性
の表面状態が水との接触角で15度以下、好ましくは1
0度以下、更に好ましくは5度以下の親水性の表面状態
に変換される。
【0019】用いる紫外線光の光源としては、300〜
400nmの波長を有しているランプであればいずれでも
よい。例えば、水銀ランプ、メタルハライドランプ、キ
セノンランプ等が挙げられる。光照射は、照射部分の表
面の水との接触角が上記の通り15度以下、好ましくは
10度以下に変化する条件であれば、任意に選ばれる。
例えば30秒間〜60分間の照射時間が好ましい。
【0020】
【発明の実施の態様】以下に本発明に用いられる平版印
刷用原版について詳細に説明する。本発明の耐水性支持
体上に設けられた画像受理層は、アナターゼ型酸化チタ
ン粒子及び結着樹脂を主成分として含有する。
【0021】本発明に用いられる酸化チタン粒子は、そ
の結晶形がアナターゼ型であり、紫外線光の照射で光励
起し、粒子表面が親水化されることを特徴とする。光照
射で表面が親水性に変換させる現象の詳細は、例えば、
渡辺俊也、セラミックス、31(No.10)、837
(1966)などに記載されている。
【0022】アナターゼ型酸化チタン粒子の平均粒径
は、5nm〜500nmのものが好ましく、より好ましくは
5〜100nmである。この範囲において、紫外光照射に
よる表面親水化が適切に行なわれる。本発明のおいて
は、アナターゼ型酸化チタン粒子は、その結晶中、少な
くとも30重量%以上がアナターゼ型結晶構造であれば
よく、好ましくは50重量%以上である。
【0023】この粒子は、粉体としてまたはチタニアゾ
ル分散液として、上市品として入手できる。例えば石原
産業(株)、チタン工業(株)、堺化学(株)、日本ア
エロジル(株)、日産化学工業(株)などで製造されて
いる。また、本発明に供されるアナターゼ型酸化チタン
粒子は、他の金属元素又はその酸化物を含有してもよ
い。ここでの含有とは、粒子の表面及び/又は内部に被
覆したり把持したり、あるいはドープしたりすることを
含める。
【0024】含有される金属元素としては、例えば、S
i、Mg、V、Mn、Fe、Sn、Ni、Mo、Ru、
Rh、Re、Os、Cr、Sb、In、Ir、Ta、N
b、Cs、Pd、Pt、Au等が挙げられる。具体的に
は、特開平7−228738号、同7−187677
号、同8−81223号、同8−257399号、同8
−283022号、同9−25123号、同9−714
37号、同9−70532号などに記載されている。
【0025】本発明の画像受理層に供される結着樹脂
は、従来公知の親水性樹脂が挙げられ、天然水溶性高分
子、半合成水溶性高分子、合成高分子のいずれでもよ
く、具体的には経営開発センター出版部編「水溶性高分
子・水分散型樹脂総合技術資料集」経営開発センター出
版部刊(1981年);長友新治「新・水溶性ポリマー
の応用と市場」(株)シーエムシー刊(1988年);
「機能性セルロースの開発」(株)シーエムシー刊(1
985年)等に記載のものが挙げられる。
【0026】例えば、天然及び半合成の高分子として
は、セルロース、セルロース誘導体(セルロースエステ
ル類;硝酸セルロース、硫酸セルロース、酢酸セルロー
ス、プロピオン酸セルロース、コハク酸セルロース、酪
酸セルロース、酢酸コハク酸セルロース、酢酸酪酸セル
ロース、酢酸フタル酸セルロース等、セルロースエーテ
ル類;メチルセルロース、エチルセルロース、シアノエ
チルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロ
キシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロー
ス、エチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプ
ロピルメチルセルロース、カルボキシメチルヒドロキシ
エチルセルロース等)、デンプン、デンプン誘導体(酸
化デンプン、エステル化デンプン類;硝酸、硫酸、リン
酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、コハク酸等のエステル
化体、エーテル化デンプン類;メチル化、エチル化、ヒ
ドロキシアルキル化、カルボキシメチル化等の誘導
体)、アルギン酸、ペクチン、カラギーナン、タマリン
ドガム、天然ガム類(アラビアガム、グアーガム、ロー
カストビーンガム、トランガントガム、キサンタンガム
等)、プルラン、デキストラン、カゼイン、ゼラチン、
キチン、キトサン等が挙げられる。
【0027】合成高分子としては、例えばポリビニルア
ルコール、ポリアルキレングリコール〔ポリエチレング
リコール、ポリプロピレングリコール、(エチレングリ
コール/プロピレングリコール)共重合体等〕、ポリア
クリル酸、アクリル酸共重合体、ポリメタクリル酸、メ
タクリル酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸
共重合体、アリルアルコール共重合体、水酸基、カルボ
キシ基、スルホ基、−PO32基から選ばれる少なくと
も1種の極性基を含有する置換基から成るアクリル酸エ
ステル又はメタクリル酸エステルの重合体又は共重合体
〔エステル置換基として、例えば2−ヒドロキシエチル
基、3−ヒドロキシプロピル基、2,3−ジヒドロキシ
プロピル基、3−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−
2−メチルプロピル基、3−ヒドロキシ−2,2−ジ
(ヒドロキシメチル)プロピル基、ポリオキシエチレン
基、ポリオキシプロピレン基、2−カルボキシエチル
基、2−スルホエチル基、2−ホスホノエチル基、3−
スルホプロピル基等が挙げられる〕、アクリルアミド又
はメタクリルアミドのN−置換体の重合体又は共重合体
〔N−置換基として、例えばモノメチロール基、2−ヒ
ドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、1,1
−ビス(ヒドロキシメチル)エチル基、2,3,4,
5,6−ペンタヒドロキシペンチル基、2−カルボキシ
エチル基、2−スルホエチル基、3−カルボキシプロピ
ル基、3−スルホブチル基等が挙げられる)等が挙げら
れる。
【0028】本発明の画像受理層に供される親水性樹脂
の分子量は、好ましくは103〜106、より好ましくは
5×103〜4×105である。更に、本発明の親水性結
着樹脂は、2種以上用いることができる。
【0029】画像受理層には、膜強度をより向上させる
ために架橋剤を添加することが好ましい。架橋剤として
は、通常架橋剤として用いられる化合物を挙げることが
できる。具体的には、山下晋三、金子東助編「架橋剤ハ
ンドブック」大成社刊(1981年)、高分子学会編
「高分子データハンドブック、基礎編」培風館(198
6年)等に記載されている化合物を用いることができ
る。
【0030】例えば、塩化アンモニウム、金属イオン、
有機過酸化物、ポリイソシアナート系化合物(例えばト
ルイレンジイソシアナート、ジフェニルメタンジイソシ
アナート、トリフェニルメタントリイソシアナート、ポ
リメチレンフェニルイソシアナート、ヘキサメチレンジ
イソシアナート、イソホロンジイソシアナート、高分子
ポリイソシアナート等)、ポリオール系化合物(例え
ば、1,4−ブタンジオール、ポリオキシプロピレング
リコール、ポリオキシエチレングリコール、1,1,1
−トリメチロールプロパン等)、ポリアミン系化合物
(例えば、エチレンジアミン、γ−ヒドロキシプロピル
化エチレンジアミン、フェニレンジアミン、ヘキサメチ
レンジアミン、N−アミノエチルピペラジン、変性脂肪
族ポリアミン類等)、ポリエポキシ基含有化合物及びエ
ポキシ樹脂(例えば、垣内弘編著「新エポキシ樹脂」昭
晃堂(1985年刊)、橋本邦之編著「エポキシ樹脂」
日刊工業新聞社(1969年刊)等に記載された化合物
類)、メラミン樹脂(例えば、三輪一郎、松永英夫編著
「ユリア・メラミン樹脂」日刊工業新聞社(1969年
刊)等に記載された化合物類)、ポリ(メタ)クリレー
ト系化合物(例えば、大河原信、三枝武夫、東村敏延編
「オリゴマー」講談社(1976年刊)、大森英三「機
能性アクリル系樹脂」テクノシステム(1985年刊)
等に記載された化合物類)が挙げられる。
【0031】本発明の結着樹脂は、下記一般式(I)で
示される有機金属化合物の加水分解反応及び重縮合反応
(本発明ではこの反応を特に「加水分解重縮合」とい
う)によって得られる有機金属ポリマーであることが好
ましい。この有機金属化合物は、1種又は2種以上混合
して使用することができる。得られる有機金属ポリマー
は「酸素原子−金属原子−酸素原子」から成る結合を主
として含有するポリマーを示し、画像受理層中に2種以
上含有されていてもよい。
【0032】一般式(I) (R0nM(Y)X-n
【0033】一般式(I)中、R0は炭化水素基または
ヘテロ環基を表す。Yは加水分解性基を表す。Mは、3
価以上の金属を示す。Xは金属Mの価数を示し、nは、
0、1、2又は3を表す。
【0034】好ましくは、一般式(I)中のR0は、炭
素数1〜12の置換されてもよい直鎖状又は分岐状のア
ルキル基〔例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、
ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オク
チル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基等;これらの
基に置換される基としては、ハロゲン原子(塩素原子、
フッ素原子、臭素原子)、ヒドロキシ基、チオール基、
カルボキシ基、スルホ基、シアノ基、エポキシ基、−O
R′基(R′は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブ
チル基、ヘプチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル
基、プロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、オクテ
ニル基、2−ヒドロキシエチル基、3−クロロプロピル
基、2−シアノエチル基、N,N−ジメチルアミノエチ
ル基、2−ブロモエチル基、2−(2−メトキシエチ
ル)オキシエチル基、2−メトキシカルボニルエチル
基、3−カルボキシプロピル基、ベンジル基等を示
す)、−OCOR′基、−COOR′基、−COR′
基、−N(R″)(R″)(R″は、水素原子又は前記
R′と同一の内容を表し、各々同じでも異なってもよ
い)、−NHCONHR′基、−NHCOOR′基、−
Si(R′)3基、−CONHR″基、−NHCOR′
基、等が挙げられる。これらの置換基はアルキル基中に
複数置換されてもよい〕、
【0035】炭素数2〜12の置換されてもよい直鎖状
又は分岐状のアルケニル基(例えば、ビニル基、プロペ
ニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、オ
クテニル基、デセニル基、ドデセニル基等、これらの基
に置換される基としては、前記アルキル基に置換される
基と同一の内容のものが挙げられ、又複数置換されてい
てもよい)、炭素数7〜14の置換されてもよいアラル
キル基(例えば、ベンジル基、フェネチル基、3−フェ
ニルプロピル基、ナフチルメチル基、2−ナフチルエチ
ル基等;これらの基に置換される基としては、前記アル
キル基に置換される基と同一の内容のものが挙げられ、
又複数置換されてもよい)、炭素数5〜10の置換され
てもよい脂環式基(例えば、シクロペンチル基、シクロ
ヘキシル基、2−シクロヘキシルエチル基、2−シクロ
ペンチルエチル基、ノルボニル基、アダマンチル基等、
これらの基に置換される基としては、前記アルキル基の
置換基と同一の内容のものが挙げられ、又複数置換され
てもよい)、
【0036】炭素数6〜12の置換されてもよいアリー
ル基(例えばフェニル基、ナフチル基で、置換基として
は前記アルキル基に置換される基と同一の内容のものが
挙げられ、又複数置換されてもよい)、又は、窒素原
子、酸素原子及びイオウ原子から選ばれる少なくとも1
種の原子を含有する縮環してもよいヘテロ環基(例えば
該ヘテロ環としては、ピラン環、フラン環、チオフェン
環、モルホリン環、ピロール環、チアゾール環、オキサ
ゾール環、ピリジン環、ピペリジン環、ピロリドン環、
ベンゾチアゾール環、ベンゾオキサゾール環、キノリン
環、テトラヒドロフラン環等で、置換基を含有してもよ
い。置換基としては、前記アルキル基中の置換基と同一
の内容のものが挙げられ、又複数置換されてもよい)を
表す。
【0037】好ましい加水分解性基Yは、水素原子、ハ
ロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ
素原子を表す)、−OR1基、−OCOR2基、−CH
(COR3)(COR4)基、−CH(COR3)(COOR
4)基、又は−N(R5)(R6)基を表す。
【0038】−OR1基において、R1は炭素数1〜10
の置換されてもよい脂肪族基〔例えば、メチル基、エチ
ル基、プロピル基、ブトキシ基、ヘプチル基、ヘキシル
基、ペンチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、プ
ロペニル基、ブテニル基、ヘプテニル基、ヘキセニル
基、オクテニル基、デセニル基、2−ヒドロキシエチル
基、2−ヒドロキシプロピル基、2−メトキシエチル
基、2−(メトキシエチルオキソ)エチル基、2−
(N,N−ジエチルアミノ)エチル基、2−メトキシプ
ロピル基、2−シアノエチル基、3−メチルオキサプロ
ピル基、2−クロロエチル基、シクロヘキシル基、シク
ロペンチル基、シクロオクチル基、クロロシクロヘキシ
ル基、メトキシシクロヘキシル基、ベンジル基、フェネ
チル基、ジメトキシベンジル基、メチルベンジル基、ブ
ロモベンジル基等が挙げられる〕を表す。
【0039】−OCOR2基において、R2は、R1と同
一の内容の脂肪族基又は炭素数6〜12の置換されても
よい芳香族基(芳香族基としては、前記R0中のアリー
ル基で例示したと同様のものが挙げられる)を表す。
【0040】−CH(COR3)(COR4)基及び−CH
(COR3)(COOR4)基において、R3は炭素数1〜
4のアルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基等)又はアリール基(例えばフェニル基、
トリル基、キシリル基等)を表し、R4は炭素数1〜6
のアルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等)、炭素数7
〜12のアラルキル基(例えばベンジル基、フェネチル
基、フェニルプロピル基、メチルベンジル基、メトキシ
ベンジル基、カルボキシベンジル基、クロロベンジル基
等)又はアリール基(例えばフェニル基、トリル基、キ
シリル基、メシチル基、メトキシフェニル基、クロロフ
ェニル基、カルボキシフェニル基、ジエトキシフェニル
基等)を表す。
【0041】−N(R3)(R4)基において、R3、R
4は、互いに同じでも異なってもよく、各々、水素原子
又は炭素数1〜10の置換されてもよい脂肪族基(例え
ば、前記R1と同様の内容のものが挙げられる)を表
す。より好ましくは、R3とR4の炭素数の総和が12ケ
以内である。
【0042】金属Mは、好ましくは、遷移金属、希土類
金属、周期表III〜V族の金属が挙げられる。より好ま
しくはAl、Si、Sn、Ge、Ti、Zr、W等が挙
げられ、更に好ましくはAl、Si、Sn、Ti、Zr
等が挙げられる。特にSiが好ましい。
【0043】本発明に供される結着樹脂は、更に好まし
くは前記した有機金属ポリマーとともに、アミド結合、
ウレタン結合及びウレイド結合から選ばれる少なくとも
1種の結合、及び/又は水酸基を含有する有機ポリマー
との複合体を主として含んでなる。なお、本発明におい
て、「アミド結合」とは、カルボン酸アミド結合及びス
ルホンアミド結合を表し、例えばカルボン酸アミド結合
においては、−NHC(=O)−に限らず、−N
(R10) C(=O)−結合単位(ここでR10は有機残基
を表す)を含む意味に用いる。「有機金属ポリマーと有
機ポリマーとの複合体」とは、ゾル状物質及びゲル状物
質を含む意味に用いる。
【0044】本発明に供される有機ポリマーについて説
明する。該有機ポリマーは、繰り返し単位成分として、
−N(R11)CO−、−N(R 11)SO2−、−NHC
ONH−及び−NHCOO−から選ばれる少なくとも1
種の結合をポリマーの主鎖及び/又は側鎖のいずれかに
有する成分及び/又は−OH基を含有する成分を含有す
るポリマーである。但し、上記アミド結合中のR11は、
水素原子又は有機残基を表し、有機残基としては、一般
式(I)中のR0と同一の内容のものが挙げられる。
【0045】ポリマー主鎖に本発明の特定の結合基を含
有するポリマーとしては、−N(R 11)CO−又は−N
(R11)SO2−結合を有するアミド樹脂、−NHCO
NH−結合を有するウレイド樹脂、−NHCOO−結合
を含有するウレタン樹脂が挙げられる。
【0046】アミド樹脂製造に供されるジアミン類とジ
カルボン酸類又はジスルホン酸類、ウレイド樹脂に用い
られるジイソシアナート類、ウレタン樹脂に用いられる
ジオール類としては、例えば高分子学会編「高分子デー
タハンドブック−基礎編−」第I章(株)培風舘刊(1
986年)、山下晋三、金子東助編「架橋剤ハンドブッ
ク」大成社刊(1981年)等に記載されている化合物
を用いることができる。
【0047】また、他のアミド基を有するポリマーとし
て、下記一般式(II)で示される繰り返し単位含有のポ
リオキサゾリン、ポリアルキレンイミンのN−アシル化
体あるいはポリビニルピロリドンとその誘導体が挙げら
れる。
【0048】
【化1】
【0049】式(II)中、Z1は−CO−又は−SO2
を表す。R20は式(I)中のR0と同一の内容のものを
表す。r1は水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基
(例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、
ペンチル基、ヘキシル基等)を表す。pは2又は3の整
数を表す。
【0050】Z1が−CO−結合を表すポリオキサゾリ
ンは置換基を有していてもよいオキサゾリンを触媒の存
在下で開環重合することにより得られる。触媒として
は、例えば、硫酸ジメチル、p−トルエンスルホン酸ア
ルキルエステルなどの硫酸エステルやスルホン酸エステ
ル;ヨウ化アルキル(例えばヨウ化メチル)などのハロ
ゲン化アルキル;フリーデルクラフツ触媒のうち金属フ
ッ素化物;硫酸、ヨウ化水素、p−トルエンスルホン酸
などの酸や、これらの酸とオキサゾリンとの塩であるオ
キサゾリニウム塩などが使用できる。なお、ポリオキサ
ゾリンは単独重合体であってもよく、共重合体であって
もよい。また、ポリオキサゾリンは、ポリマーにポリオ
キサゾリンがグラフトした共重合体であってもよい。
【0051】オキサゾリンの具体例としては、例えば、
2−オキサゾリン、2−メチル−2−オキサゾリン、2
−エチル−2−オキサゾリン、2−プロピル−2−オキ
サゾリン、2−イソプロピル−2−オキサゾリン、2−
ブチル−2−オキサゾリン、2−ジクロロメチル−2−
オキサゾリン、2−トリクロロメチル−2−オキサゾリ
ン、2−ペンタフルオロエチル−2−オキサゾリン、2
−フェニル−2−オキサゾリン、2−メトキシカルボニ
ルエチル−2−オキサゾリン、2−(4−メチルフェニ
ル)−2−オキサゾリン、2−(4−クロロフェニル)
−2−オキサゾリンなどが挙げられる。好ましいオキサ
ゾリンには、2−オキサゾリン、2−メチル−2−オキ
サゾリン、2−エチル−2−オキサゾリンなどが含まれ
る。このようなオキサゾリンのポリマーは一種又は二種
以上使用できる。
【0052】ポリアルキレンイミンのアシル化物とは、
カルボン酸ハライド類との高分子反応で−N(CO−R
20)−を含むカルボン酸アミド体が得られ、又スルホニ
ルハライド類との高分子反応で−N(SO2−R20)−
を含むスルホンアミド体が得られる(ここでR20は上記
定義と同義である)。
【0053】一方、ポリマーの側鎖に、本発明の特定の
結合基を含有するポリマーは少なくとも該特定の結合基
から選ばれた結合基の少なくとも1種を含有する成分を
主成分として含有するものが挙げられる。例えばアクリ
ルアミド、メタクリルアミド、クロトンアミド、ビニル
酢酸アミドあるいは以下の化合物例が挙げられる。但
し、本発明は、これらの範囲に限定されるものではな
い。
【0054】
【化2】
【0055】
【化3】
【0056】水酸基含有の有機ポリマーとしては、天然
水溶性高分子、半合成水溶性高分子、合成高分子のいず
れでもよく、具体的には経営開発センター出版部編「水
溶性高分子・水分散型樹脂総合技術資料集」経営開発セ
ンター出版部刊(1981年);長友新治「新・水溶性
ポリマーの応用と市場」(株)シーエムシー刊(198
8年);「機能性セルロースの開発」(株)シーエムシ
ー刊(1985年)等に記載のものが挙げられる。
【0057】例えば、天然及び半合成の高分子として
は、セルロース、セルロース誘導体(セルロースエステ
ル類;硝酸セルロース、硫酸セルロース、酢酸セルロー
ス、プロピオン酸セルロース、コハク酸セルロース、酪
酸セルロース、酢酸コハク酸セルロース、酢酸酪酸セル
ロース、酢酸フタル酸セルロース等、セルロースエーテ
ル類;メチルセルロース、エチルセルロース、シアノエ
チルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロ
キシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロー
ス、エチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプ
ロピルメチルセルロース、カルボキシメチルヒドロキシ
エチルセルロース等)、デンプン、デンプン誘導体(酸
化デンプン、エステル化デンプン類;硝酸、硫酸、リン
酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、コハク酸等のエステル
化体、エーテル化デンプン類;メチル化、エチル化、シ
アノエチル化、ヒドロキシアルキル化、カルボキシメチ
ル化等の誘導体)、アルギン酸、ペクチン、カラギーナ
ン、タマリンドガム、天然ガム類(アラビアガム、グア
ーガム、ローカストビーンガム、トランガントガム、キ
サンタンガム等)、プルラン、デキストラン、カゼイ
ン、ゼラチン、キチン、キトサン等が挙げられる。
【0058】合成高分子としては、例えばポリビニルア
ルコール、ポリアルキレングリコール(ポリエチレング
リコール、ポリプロピレングリコール、(エチレングリ
コール/プロピレングリコール)共重合体等)、アリル
アルコール共重合体、水酸基を少なくとも1種含有のア
クリル酸エステルあるいはメタクリル酸エステルの重合
体もしくは共重合体(エステル置換基として、例えば2
−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、
2,3−ジヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシ−2
−ヒドロキシメチル−2−メチルプロピル基、3−ヒド
ロキシ−2,2−ジ(ヒドロキシメチル)プロピル基、
ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基、
等)、アクリルアミド又はメタクリルアミドのN−置換
体の重合体もしくは共重合体(N−置換基として、例え
ば、モノメチロール基、2−ヒドロキシエチル基、3−
ヒドロキシプロピル基、1,1−ビス(ヒドロキシメチ
ル)エチル基、2,3,4,5,6−ペンタヒドロキシ
ペンチル基、等)等が挙げられる。但し、合成高分子と
しては、繰り返し単位の側鎖置換基中に少なくとも1個
の水酸基を含有するものであれば、特に限定されるもの
ではない。
【0059】本発明の画像受理層に供される有機ポリマ
ーの分子量は、好ましくは103〜106、より好ましく
は5×103〜4×105である。
【0060】本発明の有機金属ポリマーと有機ポリマー
の複合体において、有機金属ポリマーと有機ポリマーの
割合は広い範囲で選択できるが、好ましくは有機金属ポ
リマー/有機ポリマーの重合比で10/90〜90/1
0、より好ましくは20/80〜80/20である。こ
の範囲において、画像受理層の膜の強度、印刷時の湿し
水に対する耐水性が良好となる。
【0061】本発明の複合体の結着樹脂は、前記有機金
属化合物の加水分解重縮合により生成した有機金属ポリ
マーのヒドロキシル基と、有機ポリマー中の前記「特定
の結合基」、あるいは水酸基とが水素結合作用により均
一な有機、無機ハイブリッドを形成し、相分離すること
なくミクロ的に均質となり、しかも、有機金属ポリマー
の炭化水素基に起因して本発明で供される有機ポリマー
との親和性がさらに向上するものと推定される。有機・
無機ポリマー複合体は成膜性に優れている。
【0062】この様な複合体の樹脂は、前記有機金属化
合物を加水分解重縮合し、有機ポリマーと混合すること
により製造するか、または有機ポリマーの存在下、前記
有機金属化合物を加水分解重縮合することにより製造さ
れる。好ましくは、有機ポリマーの存在下、前記有機金
属化合物をゾル−ゲル法により加水分解重縮合すること
により有機・無機ポリマー複合体を得ることができる。
生成した有機・無機ポリマー複合体において、有機ポリ
マーは、有機金属化合物の加水分解重縮合により生成し
たゲルのマトリックス(すなわち無機酸化物の三次元微
細ネットワーク構造体)中に均一に分散している。
【0063】好ましい方法のゾル−ゲル法は、従来公知
のゾル−ゲル法を用いて行なうことができる。具体的に
は、「ゾル−ゲル法による薄膜コーティング技術」
(株)技術情報協会(刊)(1995年)、作花済夫
「ゾル−ゲル法の科学」(株)アグネ承風社(刊)(1
988年)、平島碩「最新ゾル−ゲル法による機能性薄
膜作成技術」総合技術センター(刊)(1992年)等
の成書に詳細に記載の方法に従って合成できる。
【0064】画像受理層用の塗布液は、水系溶媒が好ま
しく、更には塗液調整時の沈殿抑制による均一液化のた
めに水溶性溶媒を併用する。水溶性溶媒としては、アル
コール類(メタノール、エタノール、プロピルアルコー
ル、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロ
ピレングリコール、ジプロピレングリコール、エチレン
グリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコール
モノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエ
ーテル等)、エーテル類(テトラヒドロフラン、エチレ
ングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコール
ジメチルエーテル、テトラヒドロピラン、等)、ケトン
類(アセトン、メチルエチルケトン、アセチルアセトン
等)、エステル類(酢酸メチル、エチレングリコールモ
ノメチルモノアセテート等)、アミド類(ホルムアミ
ド、N−メチルホルムアミド、ピロリドン、N−メチル
ピロリドン等)等が挙げられ、1種あるいは2種以上を
併用してもよい。
【0065】更に、一般式(I)で示される前記の有機
金属化合物の加水分解及び重縮合反応を促進するため
に、酸性触媒又は塩基性触媒を併用することが好まし
い。触媒は、酸あるいは塩基性化合物をそのままか、あ
るいは水またはアルコールなどの溶媒に溶解させた状態
のもの(以下、それぞれ酸性触媒、塩基性触媒という)
を用いる。そのときの濃度については特に限定しない
が、濃度が濃い場合は加水分解、重縮合速度が速くなる
傾向がある。但し、濃度の濃い塩基性触媒を用いると、
ゾル溶液中で沈殿物が生成する場合があるため、塩基性
触媒の濃度は1N(水溶液での濃度換算)以下が望まし
い。
【0066】酸性触媒あるいは塩基性触媒の種類は特に
限定されないが、濃度の濃い触媒を用いる必要がある場
合には、焼結後に触媒結晶粒中にほとんど残留しないよ
うな元素から構成される触媒がよい。具体的には、酸性
触媒としては、塩酸などのハロゲン化水素、硝酸、硫
酸、亜硫酸、硫化水素、過塩素酸、過酸化水素、炭酸、
蟻酸や酢酸などのカルボン酸、構造式RCOOHのRを
他元素または置換基によって置換した置換カルボン酸、
ベンゼンスルホン酸などのスルホン酸など、塩基性触媒
としては、アンモニア水などのアンモニア性塩基、エチ
ルアミンやアニリンなどのアミン類などがあげられる。
【0067】本発明の画像受理層には、上記した成分と
共に、他の構成成分を含有してもよい。他の成分とし
て、本発明のアナターゼ型酸化チタン粒子以外の無機顔
料粒子を含有してもよい。例えば、シリカ、アルミナ、
カオリン、クレー、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸バ
リウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸マグネシ
ウム、アナターゼ型結晶以外の酸化チタン等が挙げられ
る。これら他の無機顔料は、本発明のアナターゼ型酸化
チタン粒子に対して、40重量部を超えない範囲で用い
る。好ましくは、20重量部以内である。
【0068】画像受理層中の顔料/結着樹脂の割合は、
一般に顔料100重量部に対して、結着樹脂が8〜50
重量部の割合であり、好ましくは10〜30重量部の割
合である。この範囲において、本発明の効果が有効に発
現すると共に印刷時における膜強度が保持され且つ紫外
線照射による非画像部の不感脂化処理時の高い親水性の
維持がなされる。また、画像部が画像受理層を充分に密
着し、印刷枚数が多くなっても画像の欠損を生じること
なく充分な耐刷性を得ることができる。また、製版印刷
版の画像部層の膜強度も向上することで好ましい。
【0069】その他、画像受理層には、膜強度をより向
上させるために架橋剤を添加してもよい。架橋剤として
は、前記した同様の通常架橋剤として用いられる化合物
を挙げることができる。
【0070】更に、当該分野で通常用いられている耐水
化剤、例えばグリオキザール、メラミンホルムアルデヒ
ド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂等のアミノプラスト
の初期縮合物、メチロール化ポリアミド樹脂のような変
性ポリアミド樹脂、ポリアミド・ポリアミン・エピクロ
ルヒドリン付加物、ポリアミドエピクロルヒドリン樹
脂、変性ポリアミドポリイミド樹脂等も用いることがで
きる。
【0071】本発明の画像受理層は、ゾル−ゲル法によ
り調整された塗布液を耐水性支持体上に、従来公知の塗
布方法のいずれかを用いて、塗布・乾燥し、成膜する。
形成される画像受理層の膜厚は0.2〜10μmが好ま
しく、より好ましくは0.5〜8μmである。この範囲
で均一な厚みの膜が作成され、且つ膜の強度が充分とな
る。
【0072】以上のように本発明の画像受理層は主とし
てアナターゼ型酸化チタン粒子と結着樹脂から構成さ
れ、光照射処理により、表面親水性とすることを特徴と
する。疎水性であったアナターゼ型酸化チタンは、光照
射により親水性に極性変換されるが、暗所に保存すると
再び疎水性に変換されてしまうという特性を有してい
る。本発明は、光照射で親水性に変化したアナターゼ型
酸化チタン粒子の表面近傍を親水性樹脂で親水性の状態
を保持することにより、平版印刷可能な親水性状態を保
持することを可能ならしめたものである。
【0073】更に本発明では、特定の有機金属化合物か
らゾル−ゲル反応で得た金属ポリマーを併用することが
より好ましい。それは、光照射によるアナターゼ型酸化
チタンの酸化−還元反応により、金属ポリマー中の一部
が〔M−OH〕結合を形成し、親水性が重畳されること
によると考えられる。
【0074】更に本発明では、前記した様に水素結合性
を有する極性基(即ち、アミド結合、ウレタン結合及び
ウレイド結合及び/又は水酸基)を含有する樹脂を上記
の金属ポリマーと併用することが好ましい。これによ
り、アナターゼ型酸化チタン粒子とゾル−ゲル反応によ
り得られた金属ポリマーとを分散した塗膜とした場合、
親水性の保持を損なうことなく、画像受理層の表面平滑
性と膜中のアナターゼ型酸化チタン粒子の分散性を好ま
しい状態に容易に調節することができると考えられる。
【0075】本発明の画像受理層は、その表面の平滑性
がベック平滑度で30(秒/10cc)以上が好ましい。例
えば製版で用いる感熱プリンター、インクジェットプリ
ンター、電子写真式プリンターにおいてそれぞれ良好な
範囲が挙げられる。用いるトナーが乾式トナーか液体ト
ナーでもそれぞれ適切な範囲が挙げられる。
【0076】乾式トナーを用いる電子写真式プリンター
あるいは感熱プリンターでは、本発明の原版の画像受理
層表面は、30〜200(秒/10cc)が好ましく、より
好ましくは50〜150(秒/10cc)である。この範囲
において、トナー画像を原版に転写し定着するプロセス
において、飛散トナーの非画像部への付着(即ち、地汚
れ)及び画像部のトナー付着が均一且つ充分になされ、
細線・細文字の再現性やベタ画像部の均一性が良好とな
る。
【0077】他方、液体トナーを用いる電子写真式プリ
ンターもしくは感熱プリンターまたはインクジェットプ
リンターの場合では、画像受理層表面は30(秒/10c
c)以上で、より高い程よく、100〜3000(秒/1
0cc)、より好ましくは120〜2500(秒/10cc)
である。この範囲において細線・細文字、網画像等の高
精細な画像部が忠実に画像受理層上に形成され且つ画像
受理層表面と画像部の密着も充分になされ、画像部強度
が保持できる。更に、非画像部分表面の微細な凹凸状態
により印刷時の湿し水が表面に保持され易くなり、印刷
汚れ発生を抑制することが可能となる。
【0078】ここで、ベック平滑度は、ベック平滑度試
験機により測定することができ、高度に平滑に仕上げら
れた中央に穴のある円形のガラス板上に、試験片を一定
圧力(1kg/cm2)で押しつけ、減圧下で一定量(10cc)
の空気が、ガラス面と試験片との間を通過するのに要す
る時間を測定するものである。
【0079】さらに、本発明に供せられる耐水性支持体
について説明する。耐水性支持体は導電性を有すること
が好ましく、耐水性支持体としては、アルミニウム板、
亜鉛板、銅−アルミニウム板、銅−ステンレス板、クロ
ム−銅板等のバイメタル板、クロム−銅−アルミニウム
板、クロム−鉛−鉄板、クロム−銅−ステンレス板等の
トライメタル板で、その厚さが0.1〜3mm、特に0.
1〜1mmのものが挙げられる。また、厚みが80μm〜
200μmの耐水性処理を施した紙、プラスチックフィ
ルムまたは金属箔をラミネートした紙またはプラスチッ
クフィルム等が挙げられる。
【0080】本発明に供せられる支持体は、画像受理層
に隣接する側の表面の平滑性が、ベック平滑度で300
(秒/10cc)以上、好ましくは900〜3000(秒/
10cc)に調整されていることが好ましく、より好ましく
は1000〜3000(秒/10cc)であることが好まし
い。支持体の画像受理層に隣接する側の表面の平滑性を
ベック平滑度で300(秒/10cc)以上に規制すること
によって、画像再現性及び耐刷性をさらに向上させるこ
とができる。このような向上効果は、画像受理層表面の
平滑性が同じであっても得られるものであり、支持体表
面の平滑性が増すことで画像部と画像受理層との密着性
が向上したためと考えられる。
【0081】このように規制された耐水性支持体の高平
滑な表面とは、画像受理層が直接塗布される面のことを
いい、例えば、支持体上に後述するアンダー層、オーバ
ーコート層を設ける場合には、そのアンダー層、オーバ
ーコート層の表面のことをいう。これにより支持体の表
面の凹凸を受けることなく上記のように表面状熊が調整
された画像受理層が充分に保持され、より一層の画質向
上が可能となる。
【0082】上記平滑度の範囲に設定する方法として
は、種々従来公知の方法を用いることができる。具体的
には、基体表面を樹脂により、溶融接着する方法、高平
滑の熱ローラーによるカレンダー強化法等の方法によ
り、支持体の表面のベック平滑度を調整する方法等を挙
げることができる。
【0083】更に本発明は、耐水性支持体上に設けられ
た画像受理層に、電子写真記録方式でトナー画像を形成
する、または静電界を利用して油性インクを吐出する静
電吐出型インクジェット法で画像を形成するために用い
られる平版印刷版としても好ましく用いることができ、
得られた平版印刷版は、鮮明な画像を多数枚印刷するこ
とが可能である。
【0084】電子写真記録方式による画像形成は、通常
電子写真プロセスであり、被転写材上へのトナー画像の
転写は、静電転写により行なわれる。印刷原版としての
耐水性支持体の体積固有抵抗値は、104〜1013Ω・c
mが好ましく、より好ましくは107〜1012Ω・cmであ
る。これにより転写画像の滲み・歪みや非画像部へのト
ナー付着汚れ等が実用上問題のない良好な画像が得られ
る。
【0085】また静電吸引式インクジェット記録方式に
よる画像形成でも、上記耐水性支持体は、導電性を有す
るものであることが好ましく、少なくともその画像受理
層の直下の部分が1010Ω・cm以下の固有電気抵抗値を
有するものであることが好ましく、該耐水性支持体全体
が1010Ω・cm以下であることがより好ましい。上記の
固有電気抵抗値は、さら好ましくは、108Ω・cm以下
であり、その値は限りなく零であってもよい。
【0086】支持体の画像受理層の直下の部分に上記の
ような導電性を持たせるには、紙、フィルム等の基体上
に、カーボンブラック等の導電性フィラーと結着剤から
なる層を塗布したり、金属箔を貼り付けたり、金属を蒸
着したりする方法が挙げられる。また、支持体全体が導
電性を有するものとしては、塩化ナトリウムなどを含浸
させた導電性紙、カーボンブラック等の導電性フィラー
を混入させたプラスチックフィルム、アルミニウムなど
の金属板等が挙げられる。
【0087】導電性が上記の範囲において、帯電したイ
ンク滴が画像受理層上に付着した際に該インク滴の電荷
が速やかに接地面を通して消失するために、乱れを生じ
ない鮮明な画像が形成される。なお、固有電気抵抗値
(体積固有電気抵抗値または比電気抵抗値とも呼ばれ
る)の測定はJIS K−6911に基づきガード電極
を設けた3端子法で行った。
【0088】本発明に用いられる導電性を有する耐水性
支持体について、更に説明する。支持体全体が導電性を
有するものは、例えば基体に塩化ナトリウムなどを含浸
させた導電性原紙を用い、その両面に耐水性を有する導
電性層を設けることにより得られる。基体として用いら
れる原紙としては、例えば木材パルプ紙、合成パルプ
紙、木材パルプ紙と合成パルプ紙の混抄紙をそのまま用
いることができる。また、原紙の厚さとしては80μm
〜200μmが好ましい。
【0089】導電性層の形成は、導電性フィラーと結着
剤を含む層を上記導電性紙の両面に塗布することにより
達成される。塗布される導電性層の厚さは、5μm〜2
0μmが好ましい。導電性フィラーとしては、粒子状の
カーボンブラック、グラファイト、例えば銀、銅、ニッ
ケルなどの金属粉、酸化スズ粉末、フレーク状のアルミ
ニウムまたはニッケル、繊維状の炭素、真鍮、アルミニ
ウム、鋼、ステンレスなどが挙げられる。
【0090】結着剤として使用される樹脂としては、各
種の樹脂が適宜選択して用いられる。具体的には、疎水
性樹脂としては、例えばアクリル系樹脂、塩化ビニル系
樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、
スチレン−アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、塩化ビニ
リデン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂等が挙げられ、親水性
樹脂としては例えばポリビニルアルコール系樹脂、セル
ロール系誘導体、でんぷんおよびその誘導体、ポリアク
リルアミド系樹脂、スチレン無水マレイン酸系共重合体
等が挙げられる。
【0091】導電性層を形成する他の方法として、導電
性の薄膜をラミネートすることが挙げられる。導電性薄
膜としては、例えば金属箔、導電性プラスチックフィル
ムなどを用いることができる。さらに具体的には、金属
箔ラミネート材としてアルミ箔、導電性プラスチックフ
ィルムのラミネート材としては、カーボンブラックを混
入したポリエチレン樹脂などが挙げられる。アルミ箔と
しては、硬質および軟質のどちらでも良く、厚みは5μ
m〜20μmが好ましい。
【0092】カーボンブラックを浸入したポリエチレン
樹脂のラミネートは押し出しラミネート法が好ましい。
押し出しラミネート法とは、ポリオレフィンを熱溶融
し、これをフィルムにしてから直ちに原紙に圧着後、冷
却してラミネートする方法であり、種々の装置が知られ
ている。ラミネート層の厚みは、10μm〜30μmが
好ましい。支持体全体が導電性を有するものとして、基
体として導電性を有するプラスチックフィルムや金属板
を用いる場合は、耐水性が満たされていればそのままで
使用できる。
【0093】導電性を有するプラスチックフィルムとし
ては、例えば炭素繊維やカーボンブラック等の導電性フ
ィラーを混入させたポリプロピレン、ポリエステルフィ
ルムなどが、また金属板としては、アルミニウムなどが
使用できる。基体の厚みは80μm〜200μmが好ま
しい。80μm未満では印刷版としての強度が不足し、
200μmを超えると描画装置内での搬送性などのハン
ドリング性が低下する。
【0094】次に耐水性基体上に導電性を有する層を設
ける方法について説明する。耐水性基体として、厚みが
80μ〜200μの耐水性処理を施した紙、プラスチッ
クフィルムあるいは金属箔をラミネートした紙またはプ
ラスチックフィルム等を用いることができる。
【0095】該耐水性基体上に導電性層を形成する方法
としては、上記の支持体全体が導電性を有する場合で述
べた方法が使用できる。すなわち該基体の一つの面に導
電性フィラーと結着剤を含む層を厚さ5μm〜20μm
で塗布する、あるいは、金属箔又は導電性を有するプラ
スチックフィルムをラミネートすることにより得ること
ができる。上記以外の方法としては、例えばプラスチッ
クフィルムにアルミ、スズ、パラジウム、金などの金属
蒸着膜を設けても良い。
【0096】以上のようにして固有電気抵抗値が1010
Ω・cm以下の導電性を有する耐水性支持体を得ることが
できる。
【0097】また、本発明では上記のように画像受理層
とは反対の支持体面にカール防止を目的としてバックコ
ート層(裏面層)を設けることができるが、バックコー
ト層は、その平滑度が150〜700(秒/10cc)の範
囲であることが好ましい。これにより、印刷版をオフセ
ット印刷機に給版する場合に、ズレやスベリを生じるこ
となく印刷版が正確に印刷機にセットされる。更に好ま
しくは、アンダー層もしくはバックコート層を設けた耐
水性支持体の膜厚としては、90〜130μmの範囲、
好ましくは100〜120μmの範囲である。
【0098】以上の様な平版印刷用原版上に、感熱プリ
ンター、電子写真記録方式あるいはインクジェット記録
方式で画像形成を行ない製版版とする。
【0099】電子写真記録方法としては、従来公知の記
録方式のいずれをも用いることができる。例えば電子写
真学会編「電子写真技術の技術の基礎と応用」(株)コ
ロナ社刊、(1988年)、江田研一、電子写真学会誌
27,113(1988)、川本晃生、同33,149
(1994)、川本晃生、同32,196(1993)
等に記載の方法あるいは上市のPPC複写機等が挙げら
れる。デジタル情報に基づいて露光するレーザー光によ
るスキャニング露光方式及び液体現像剤を用いる現像方
式の組合せが、高精細な画像を形成できることから有効
なプロセスである。その一例を以下に示す。
【0100】まず、感光材料をフラットベット上にレジ
スターピン方式による位置決めを行った後背面よりエア
ーサクションにより吸引して固定する。次いで、例えば
上記「電子写真技術の基礎と応用」212頁以降に記載
の帯電デバイスにより感光材料を帯電する。コロトロン
又はスコトロン方式が一般的である。この時感光材料の
帯電電位検出手段からの情報に基づき、常に所定の範囲
の表面電位となるようフィードバックをかけ、帯電条件
をコントロールすることも好ましい。その後例えば同じ
く上記引用資料の254頁以降に記載の方式を用いてレ
ーザー光源による走査露光を行う。
【0101】次いで液体現像剤を用いてトナー画像の形
成を行う。フラットベット上で帯電、露光した感光材料
は、そこからはずして同上引用資料の275頁以降に示
された湿式現像法を用いることができる。この時の露光
モードは、トナー画像現像モードに対応して行われ、例
えば反転現像の場合はネガ画像、即ち画像部にレーザー
光を照射し、感光材料を帯電した時の電荷極性と同じ電
荷極性を持つトナーを用い、現像バイアス電圧を印加し
て露光部にトナーが電着するようにする。原理の詳細は
同上引用資料の157頁以降に説明がある。
【0102】現像後に余剰の現像液を除くために、同資
料283頁に示されるようなゴムローラ、ギャップロー
ラ、リバースローラ等のスクイーズ、コロナスクイー
ズ、エアスクイーズ等のスクイーズを行う。スクイーズ
前に現像剤の担体液体のみでリンスをすることも好まし
い。
【0103】次に感光体上に上記の様にして形成された
トナー画像層を被転写材である平版印刷用原版上に転写
・定着するもしくは中間転写体を経由して被転写体上に
転写・定着するものである。
【0104】インクジェット記録方法としては、従来公
知の記録方式のいずれでもよいが、インク画像の乾燥・
定着性、インクのつまり難さ等から油性インクが好まし
く且画像滲みを生じ難い静電吸引型インクジェット方式
あるいはホットメルトインクを用いたソリッドジェット
方式が好ましい方式として挙げられる。
【0105】静電吸引式インクジェット記録は、国際特
許WO93/11866号、同97/27058号、同
97/27060号等の明細書記載の記録装置が挙げら
れる。用いる油性インクは好ましくは電気抵抗109Ω
・cm以上かつ誘電率3.5以下の非水溶媒を分散媒と
し、少なくとも常温(15℃〜35℃)で固体かつ疎水
性の樹脂粒子が分散されたものである。このような分散
媒を用いることによって、油性インクの電気抵抗が適正
に制御されて電界によるインクの吐出が適正となり画質
が向上する。また、上記のような樹脂を用いることによ
って画像受理層との親和性が増し、良好な画質が得られ
るとともに耐刷性が向上する。具体的には、特願平9−
148624号、同9−154509号、同9−351
563号、同9−21011号、同9−21017号、
同9−148623号等に記載のものが挙げられる。
【0106】またソリッドジェット記録方式としては、
Solid Inkjet Platemaker SJ02A(日立工機(株)
製)、MP-1200 Pro(Dynic(株)製)等の上市されたプ
リントシステムが挙げられる。
【0107】インクジェット記録方法を用いた方法を図
1〜図3を用いてより具体的に説明する。図1に示す装
置系は油性インクを使用するインクジェット記録装置1
を有するものである。
【0108】図1のように、まず、マスター2に形成す
べき画像(図形や文章)のパターン情報を、コンピュー
タ3のような情報供給源から、バス4のような伝達手段
を通し、油性インクを使用するインクジェット記録装置
1に供給する。記録装置1のインクジェット記録用ヘッ
ド10は、その内部に油性インクを貯え、記録装置1内
にマスター2が通過すると、前記情報に従い、インクの
微小な液滴をマスター2に吹き付ける。これにより、マ
スター2に前記パターンでインクが付着する。こうして
マスター2に画像を形成し終え、製版マスター(製版印
刷原版)を得る。
【0109】図1の装置系におけるようなインクジェッ
ト記録装置の構成例を図2および図3に示す。図2およ
び図3では図1と共通する部材は共通の符号を用いて示
している。図2はこのようなインクジェット記録装置の
要部を示す概略構成図であり、図3はヘッドの部分断面
図である。
【0110】インクジェット記録装置に備えられている
ヘッド10は、図2、図3に示されるように、上部ユニ
ット101と下部ユニット102とで挟まれたスリット
を有し、その先端は吐出スリット10aとなっており、
スリット内には吐出電極10bが配置され、スリット内
には油性インク11が満たされた状態になっている。
【0111】ヘッド10では、画像のパターン情報のデ
ジタル信号に従って、吐出電極10bに電圧が印加され
る。図2に示されるように、吐出電極10bに対向する
形で対向電極10cが設置されており、対向電極10c
上にはマスター2が設けられている。電圧の印加によ
り、吐出電極10bと、対向電極10cとの間には回路
が形成され、ヘッド10の吐出スリット10aから油性
インク11が吐出され対向電極10cに設けられたマス
ター2上に画像が形成される。
【0112】吐出電極10bの幅は、高画質の画像形
成、例えば印字を行うためにその先端はできるだけ狭い
ことが好ましい。例えば油性インクを図3のヘッド10
に満たし、先端が20μm 幅の吐出電極10bを用い、
吐出電極10bと対向電極10cの間隔を1.5mmとし
て、この電極間に3KVの電圧を0.1ミリ秒印加する
ことで40μm のドットの印字をマスター2上に形成す
ることができる。
【0113】以上のようにして、平版印刷用原版上に、
油性インクを使用したインクジェット方式で画像形成し
て得られた製版マスターを不感脂化処理液で表面処理し
て非画像部を不感脂化して印刷版を作成することができ
る。
【0114】
【実施例】以下に本発明を実施例により例証するが、本
発明はこれらに限定されるものではない。
【0115】実施例1 <画像受理層塗布物の調製>ポリビニルアルコール、P
VA−405(クラレ(株)製)の7重量%(w%)水
溶液143gに、攪拌しながらメタノール57gを加え
そのまま30分間攪拌した。この混合溶液にトリメトキ
シシラン10gを加えて、30分間攪拌後、濃塩酸1cc
を加えて、2時間攪拌し、更に24時間静置した。この
混合物に、光触媒酸化チタンゾル40%溶液:酸化チタ
ンスラリーSTS−21(石原産業(株)製)100g
及びアルミナゾル520、20%液(日産化学工業
(株)製)48gを加えて、20分間攪拌し、分散物を
調製した。
【0116】〔平版印刷用原版の作成〕軽印刷用電子写
真式平版印刷原版として用いられているELP−IX型
マスター(富士写真フイルム(株)製商品名)の支持体
(アンダー片側のベック平滑度:900(秒/10cc)を
用い、この上に上記組成物をワイヤーバーを用いて塗布
し、110℃で20分間乾燥して、塗布量8g/m2の画像
受理層を形成した。
【0117】次に、100W高圧水銀ランプで、光源か
ら20cmの距離で3分間光照射を行ない平版印刷用原版
とした。平版印刷用原版をベック平滑度試験機(熊谷理
工(株)製)を用い、空気容量10ccの条件にてその平
滑度(秒/10cc)を測定した所、200(秒/10cc)で
あった。また、平版印刷用原版の表面に蒸留水2μlを
乗せ、30秒後の表面接触角(度)を、表面接触計(C
A−D、協和界面科学(株)製商品名)を用いて測定
し、5度以下であった。一方、光照射前の版の表面の水
との接触角は55度であった。
【0118】<油性インク(IK−1)の作成> 樹脂粒子(PL−1)の製造;樹脂粒子(PL−1) 下記構造の分散安定用樹脂(PS−1)7g、酢酸ビニ
ル100gおよびアイソパーH321gの混合溶液を窒
素気流下攪拌しながら温度75℃に加温した。重合開始
剤として2,2′−アソビス(イソバレロニトリル)
(略称A.I.V.N)1.5gを加え1時間反応し
た。更に、この開始剤1.0gを加え、3時間反応した
後、温度を100℃に上げ1時間攪拌し未反応の酢酸ビ
ニルを留去した。冷却後200メッシュのナイロン布を
通し、得られた白色分散物は重合率93%で平均粒径
0.42μmの単分散性良好なラテックスであった。粒
径はCAPA−500(堀場製作所(株)製)で測定し
た。
【0119】
【化4】
【0120】上記白色分散物の一部を、遠心分離機(回
転数1×104r.p.m.、回転時間60分)にかけて、沈
降した樹脂粒子分を、捕集・乾燥した。樹脂粒子分の重
量平均分子量(Mw:ポリスチレンGPC値)は2×1
5、ガラス転移点(Tg)は38℃であった。
【0121】ドデシルメタクリレート/アクリル酸共重
合体(共重合比:95/5重量比)を10g、ニグロシ
ン10gおよびアイソパーGの30gをガラスビーズと
ともにペイントシェーカー(東洋精機(株)製)に入
れ、4時間分散し、ニグロシンの微少な分散物を得た。
上記の通り製造したインク用樹脂粒子樹脂粒子(PL−
1)20g(固体分量として)、上記ニグロシン分散物
を7.5gおよびオクタデセン−半マレイン酸オクタデ
シルアミド共重合体0.08gをアイソパーEの1リッ
トルに希釈することにより黒色油性インク(IK−1)
を作成した。
【0122】〔製版、平版印刷及びその評価〕前記の通
り作成した平版印刷用原版のサンプルを用いて、パソコ
ン出力を描画できるグラフテック社製サーボ・プロター
DA8400を改造し、ペン・プロッター部に図3に示
したインク吐出ヘッドを装着し、1.5mmの間隔をおい
た対向電極上に設置された平版印刷用原版に上記油性イ
ンク(IK−1)を用いて印字を行ない製版した。製版
に際しては、印刷用原版サンプルの画像受理層直下に設
けられたアンダー層と対向電極を、銀ペーストを用いて
電気的に接続した。製版された版を、版面温度70℃/
20秒間となる様に調整しリコーフューザー(リコー
(株)製)でインク画像を定着した。得られた製版物の
描画画像を光学顕微鏡により、200倍の倍率で観察し
て評価した。細線・細文字等の滲みや欠落のない鮮明な
画像であった。
【0123】次に、上記の様にして作成した印刷版を、
印刷機として、オリバー94型((株)桜井製作所製)
を用い、湿し水として、SLM−OD(三菱製紙(株)
製)を蒸留水で100倍に希釈した溶液を、湿し水受け
皿部に入れ、オフセット印刷用墨インキを用い、印刷紙
に製版物を通して印刷を行なった。
【0124】印刷10枚目の印刷物の印刷画像を20倍
のルーペを用いて目視評価した所、非画像部の印刷イン
ク付着による地汚れは見られず、又ベタ画像部の均一性
は良好であった。更に200倍の光学顕微鏡観察で、細
線・細文字の細り・欠落等は認められず、良好な画質で
あった。これと同等の印刷画質の印刷物が3千枚以上得
られた。
【0125】更に、上記印刷用原版を6ケ月間放置した
後、上記と同様に製版・印刷を行った所、全く同等の性
能が得られた。
【0126】実施例2 <画像受理層塗布物の調製>下記内容の組成物を、ガラ
スビーズとともに、ペイントシェーカー(東洋精機
(株)製)に入れ、10分間分散した後、ガラスビーズ
を濾別して、分散物を得た。
【0127】 光触媒酸化チタン粉体:ST−01(石原産業(株)製) 45g コロイダルシリカ20%液:スノーテックC 25g (日産化学工業(株)製) 下記内容の結着樹脂用複合体 138.5g 水 250g
【0128】(結着樹脂用複合体)コハク酸変性デンプ
ン、PENON−F3(日澱化学(株)製)の10%水
溶液100gにメタノール28.5gを加えて、30分
間撹拌後、テトラエトキシシラン10gを加えて30分
間撹拌し、これに濃塩酸1m1を加えて6時間撹拌し、更
に24時間静置して、結着樹脂用複合体を得た。
【0129】〔平版印刷版の作成〕次いで、ELP−IX
用支持体上に上記組成の分散液を乾燥後塗布量として6
g/m2となるように画像受理層を設けて、110℃2分間
乾燥した。続けて、実施例1と同様にして、紫外線光照
射を20cmの距離で3分間照射の条件で行なった。得ら
れた原版の表面のベック平滑度は110(秒/10cc)
で、水との接触角は5度以下であった。光照射前の接触
角は50度であった。
【0130】〔製版、平版印刷及びその評価〕上記の平
版印刷用原版を、AM-Straight Imaging Systemとして市
販されている乾式トナーを用いたレーザープリンター
(商品名 AMSIS・1200-J Plate Setter)を通して製版し
た。得られた製版物の複写画像について20倍のルーペ
を用いて目視評価した所、製版画質及び印刷画質ともに
良好であつた。即ち、レーザープリンターからの乾式ト
ナー転写により得られた本発明の製版物は、細線、細文
字の欠落がなく、ベタ部も均一で、トナー転写のムラは
全く認められず、旦つ非画像部も、トナー飛散による地
カブリも微かで実用上問題のない良好なものであった。
【0131】次に平版印刷用原版を、上記と同一の操作
で製版した後、全自動印刷機(AM−2850、エーエ
ム社(株)製)を用いて、湿し水として、PS版用処理
剤:EU−3(富士写真フイルム(株)製)を蒸留水で
50倍に希釈した溶液を、湿し水受皿部に入れ、オフセ
ット印刷用墨インキを用い、印刷機に製版物を通して印
刷を行なつた。印刷10枚目の印刷物の印刷画像(地カ
ブリ、画像部のベタ均一性)を20倍のルーペを用いて
目視評価した所、極めて良好なものであった。更に、細
線、細文字の欠落及びベタ部のムラのない画像を有し、
非画像部のインキ汚れも実用上問題のない良好な印刷物
を3000枚以上提供した。
【0132】更に、この印刷用原版を6ケ月経過後、同
様にして製版・印刷を行った所、全く同等の性能であっ
た。
【0133】実施例3 〔直描型平版印刷用原版の作成〕下記の内容物を、ガラ
スビーズと共にペイントシェーカー(東洋精機(株))
にて室温で20分間分散した後、ガラスビーズを濾別し
て、分散物を得た。
【0134】 光触媒酸化チタンゾル30%液 100g STS−02(石原産業(株)製) (固形分として) ゼラチン(和光純薬(株))の10wt%水溶液 300g テトラエトキシシラン 4.2g エタノール 8.6g コロイダルシリカ20%水溶液;スノーテックC 182g (日産化学工業(株)) フッ化アルキルエステルFC−430(3M社製) 0.25g 硬化剤 CH2=CHSO2CH2CONH(CH2)3NHCOCH2SO2CH=CH2 1.0g 1N塩酸 4g 水 150g
【0135】軽印刷用電子写真式平版印刷原版として用
いられているELP−2X型マスター(富士写真フイル
ム(株)製商品名)の支持体(アンダー片側のベック平
滑度:2000(秒/10cc)以上)を用い、この上に上
記組成物をワイヤーバーを用いて乾燥後の塗布量6g/m2
となる様に塗布し、指触乾燥した後、更に110℃、3
0分間加熱して画像受理層を形成した後、実施例1と同
様にして光照射を5分間行い、原版を作成した。得られ
た版の表面のベック平滑度は、800(秒/10cc)で、
水との接触角は5度以下であった。光照射前の接触角は
48度であった。
【0136】〔製版、平版印刷及びその評価〕 <電子写真感光体の作成>X型無金属フタロシアニン
(大日本インキ(株)製)2g、下記結着樹脂(P−
1)14.4g、下記結着樹脂(P−2)3.6g、下
記化合物(A)0.15g及びシクロヘキサノン80g
の混合物を、500mlのガラス容器にガラスビーズと共
に入れ、ペイントシェーカー(東洋精機製作所製)で6
0分間分散した後、ガラスビーズを濾別して感光層分散
液とした。
【0137】
【化5】
【0138】次いでこの分散液を脱脂処理を施した0.
2mm厚のアルミニウム板の上にワイヤーバーで塗布し、
指触乾燥した後、110℃循環式オーブンで20秒間加
熱した。得られた感光層の膜厚は8μmであった。
【0139】上記の様にして作成した電子写真感光体
を、暗所に、コロナ帯電して表面電位を+450Vに帯
電したのち、あらかじめ原稿からカラースキャナーによ
り読み取り、色分解し、システム特有の幾つかの色再現
に関わる補正を加えた後、デジタル画像データーとして
システム内のハードティスクに記憶させてあった情報を
もとに、露光装置19として半導体レーザー描画装置を
用いて788nmの光で、ビームスポット径を15μmと
しピッチ10μm及びスキャン速度300cm/秒のスピ
ードで露光した(即ち、2500dpi)。この時の感光体
上露光量が25erg/cm2になるように露光した。
【0140】続いて下記内容の液体現像剤を用いて現像
し、ついでアイソパーG単独浴中でリンスをして非画像
部の汚れを除いてから、感光体表面温度が50℃となる
温風でアイソパーGの残量が(10mg/トナー重量mg)
となるように乾燥した。更に続けて、この感光体に、コ
ロナ帯電器で−6KVのプリチャージをかけこの感光体
の画像面を、前記の平版印刷用原版と重ね、電子写真感
光体側からマイナスのコロナ放電をかけ転写した。
【0141】<液体現像剤の調製>ニーダーに下記の組
成の成分を混合し95℃で2時間混練し、混合物を得
た。この混合物をニーダー内で冷却した後、同じニーダ
ー内で粉砕した。この粉砕物1重量部とアイソパーH4
重量部をペイントシェーカーで6時間分散し分散物を得
た。この分散物はトナー固形分が1リットル当たり1g
となる様、アイソパーGで希釈し、同時にマイナス荷電
性を付与する荷電調節剤として塩基性バリウムペトロー
ネを1リットル当たり0.1g含む様にして液体現像剤
を作製した。
【0142】 (混練用組成) エチレン・メタクリル酸共重合体 4重量郡 (三井デュポン社製、ニュクレルN−699) カーボンブラック#30(三菱化成(株)製) 1重量部 アイソパーL(エクソン社製) 15重量部
【0143】画像形成された平版印刷原版(製版版)を
温度100℃、30秒間加熱しトナー画像部を完全定着
した。得られた製版物の描画画像を光学顕微鏡により、
200倍の倍率で観察して評価した。細線・細文字等の
滲みや欠落のない鮮明な画像であった。
【0144】次に上記の様にして作成した印刷版を、印
刷機として、オリバー94型((株)桜井製作所製)を
用い、湿し水として、EU−3を蒸留水で25倍に希釈
した溶液を、湿し水受皿部に入れ、オフセット印刷用墨
インキを用い、印刷紙に製版物を通して印刷を行なっ
た。印刷10枚目の印刷物の印刷画像を20倍のルーぺ
を用い目視評価した所、非画像部の印刷インク付着によ
る地汚れは見られず、又ベタ画像部の均一性は良好であ
った。更に200倍の光学顕微鏡観察で、細線・細文字
の細り・欠落等は認められず良好な画質であった。これ
と同様の印刷画質の印刷物が1万枚以上得られた。
【0145】実施例4 〔耐水性支持体の作成〕基体として秤量100g/m2の上
質紙を用い、基体の一方の面に下記組成のバック層用塗
料をワイヤーバーを用いて塗布して、乾燥塗布量12g/
m2のバック層を設けた後、バック層の平滑度が100
(秒/10cc)程度になるようにカレンダー処理を行っ
た。
【0146】 (バックコート層用塗料) ・カオリン(50%水分散液) 200部 ・ポリビニルアルコール水溶液(10%) 60部 ・SBRラテックス(固形分50%、Tg0℃) 100部 ・メラミン樹脂(固形分80%、スミレッツレジンSR−613) 5部
【0147】次いで、基体の他方の面に下記組成のアン
ダー層用塗料をワイヤーバーを用いて塗布して、乾燥塗
布量10g/m2のアンダー層を設けた後、アンダー層の平
滑度は1500(秒/10cc)程度になるようにカレンダ
ー処理を行った。
【0148】 (アンダー層用塗料) ・カーボンブラック(30%水分散液) 5.4部 ・クレー(50%水分散液) 54.6部 ・SBRラテックス(固形分50%、Tg25℃) 36部 ・メラミン樹脂(固形分80%、スミレッツレジンSR−613) 4部
【0149】上記の各成分を混合し、全体の固形分濃度
が25%となるように水を加えてアンダー層用塗料とし
た。
【0150】得られたアンダー層の固有電気抵抗値は、
次の様にして測定した。アンダー層用塗料を、充分に脱
脂洗浄したステンレス板上に各々塗布し、乾燥塗布量1
0g/m2の塗膜とした。得られた7種のサンプルについ
て、その固有電気抵抗値をJIS K−6911に基づ
きガード電極を設けた3端子法で測定し、4×109Ω
・cmという値を得た。
【0151】〔直描型平版印刷用原版の作成〕下記の内
容物を、ガラスビーズと共にペイントシェーカー(東洋
精機(株))にて室温で20分間分散した後、ガラスビ
ーズを濾別して、分散物を得た。
【0152】 光触媒酸化チタンSTS−21(固形分量として) 100g PENON ZP−2(日澱化学(株)製)10%水溶液 300g テトラエトキシシラン 30g メチルトリメトキシシラン 3g スノーテックC20%水溶液 91g エタノール 10g 1N塩酸 5g 水 150g
【0153】上記の耐水性支持体上に、この分散物をワ
イヤーバーを用いて乾燥後の塗布量が8g/m2となる様に
塗布しオーブンで100℃、20分間乾燥した後、実施
例1と同様にして5分間光照射を行ない原版を作成し
た。得られた版の表面のベック平滑度は500(秒/10
cc)で、水との接触角は5度以下であった。光照射前の
接触角は58度であった。
【0154】〔製版、平版印刷及びその評価〕 <油性インク(IK−2)の作成> (青色樹脂粒子の製造)下記構造の分散安定用樹脂(P
S−2)10gとアイソパーHを136gの混合溶液を
窒素気流下攪拌しながら温度60℃に加温した。メチル
メタクリレート50g、エチルアクリレート45g、ア
クリル酸5g、アイソパーGを200gおよびA.I.
V.N.を1.0gの混合液を2時間で滴下し、そのま
ま2時間攪拌した。A.I.V.N.を0.5gを加え
て室温を80℃に加温して3時間攪拌した。冷却後20
0メッシュのナイロン布を通し、得られた白色分散物は
重合率100%で平均粒径0.40μmのラテックスで
あった。樹脂粒子のMwは3×105、Tgは30℃で
あった。
【0155】
【化6】
【0156】上記白色分散物にビクトリアブルーB5g
を加えて、温度100℃に加温し、6時間加熱攪拌し
た。室温に冷却後200メッシュのナイロン布を通し、
残存した染料を除去することで、平均粒径0.40μm
の青色の樹脂分散物を得た。上記青色分散物60g(固
形分量として)、オクタデシルビニルエーテル/半マレ
イン酸ドデシルアミド共重合体0.07gをアイソパー
Eの1リットルに分散することにより青色油性インク
(IK−2)を作成した。
【0157】国際特許WO93/11866号明細書記
載の態様内容の静電吸引型インクジェット記録装置を用
い、油性インクとして、上記油性インク(IKー2)を
用いて製版した。また印刷用原版の画像受理層直下に設
けられたアンダー層と対向電極を、銀ペーストを用いて
電気的に接続した。製版された版を、版面温度80℃/
20秒間となる様に調整しリコーヒューザー(リコー
(株)製)でインク画像を定着した。得られた製版物の
描画画像を光学顕微鏡により、200倍の倍率で観察し
て評価した。細線・細文字等の滲みや欠落のない鮮明な
画像であった。
【0158】次に、上記の様にして作成した印刷版を、
印刷機として、オリバー94型((株)桜井製作所製)
を用い、湿し水として、EU−3(富士写真フイルム
(株)製)を蒸留水で100倍に希釈した溶液を、湿し
水受け皿部に入れ、オフセット印刷用墨インキを用い、
印刷紙に製版物を通して印刷を行なった。印刷10枚目
の印刷物の印刷画像を20倍のルーぺを用いて目視評価
した所、非画像部の印刷インク付着による地汚れは見ら
れず、又ベタ画像部の均一性は良好であった。更に20
0倍の光学顕微鏡観察で、細線・細文字の細り・欠落等
は認められず、良好な画質であった。これと同等の印刷
画質の印刷物が3千枚以上得られた。
【0159】実施例5〜11 実施例4において、画像受理層用塗布液のPENON−
ZP−2、テトラエトキシシラン及びメチルトリメトキ
シシランの代わりに、下記表−Aの化合物、各樹脂24
g及び有機金属化合物24gを用いた他は、実施例4と
同様にして平版印刷版用原版を作成した。
【0160】
【表1】
【0161】得られた各原版の表面のベック平滑度はい
ずれも450〜500(秒/10cc)の範囲内であり、ま
た表面の水との接触角は5度以下であった。実施例4と
同様にして製版、印刷版として、印刷を行なった所、得
られた印刷物はいずれも実施例4の印刷版と同様に、非
画像部の汚れの無い鮮明な画質のものであり、耐刷性3
千枚以上と良好なものであった。
【0162】実施例12 下記内容の組成物をペイントシェーカーで20分間分散
して分散物とした後、ELP−2X用支持体上に乾燥後
の塗布量が6g/m2となる様にワイヤーバーを用いて塗布
し、指触乾燥した。
【0163】 (画像受理層組成物) 光触媒型酸化チタンSTS−02 (固形分量として)45g ポリビニルアルコールPVA 10g シリカ:サイリシア310(富士シリシア化学(株)製) 5g コハク酸変性でん粉PENON−F3(日澱化学(株)製) 5g コロイダルシリカ20%溶液:スノーテックC 25g (日産化学工業(株)製)平均粒径:10〜20nm フッ化アルキルエステルFC430(3M社製) 0.24g
【0164】次いで、150℃、30分間加熱した後、
室温に冷却し、150Wキセノンランプを用いて、10
cmの距離から5分間光照射し直描型平版印刷用原版を作
成した。得られた原版の表面のベック平滑度は250
(秒/10cc)で、水との接触角は5度以下であった。
【0165】この印刷用原版を、実施例4と同様にして
製版・印刷を行った。得られた印刷物は、実施例4の印
刷版と同様に、非画像部の汚れのない鮮明な画質のもの
であり、耐刷性3千枚以上と良好なものであった。
【0166】実施例13 下記内容の組成物を、ガラスビーズとともに、ペイント
シェーカー(東洋精機(株)製)に入れ、10分間分散
した後、ガラスビーズを濾別して、分散物を得た。
【0167】 (画像受理層組成物) 光触媒酸化チタン粉体:ST−01(石原産業(株)製) 45g コロイダルシリカ20%溶液:スノーテックC 25g (日産化学工業(株)製) 下記内容のゾル−ゲル複合体 調製物全量 水 180g
【0168】(ゾル−ゲル複合体)トリエトキシシラン
30g、ベンジルトリメトキシシラン20g及びエタノ
ール200gを加えて5分間攪拌し、これに濃塩酸1.
5mlを加えて6時間攪拌した。
【0169】支持体として、ELP−2Xマスター用支
持体を用い、この上に上記組成物をワイヤーバーを用い
て乾燥後の塗布量6g/m2となる様に塗布し、指触乾燥し
た後、更に120℃、30分間加熱した。室温に冷却
後、実施例1と同様にして光照射を10cmの距離で5分
間照射して印刷様原版を作成した。得られた原版の表面
のベック平滑度は120(秒/10cc)で、水との接触角
は5度以下であった。
【0170】実施例1と同様にして製版・印刷を行った
ところ、得られた印刷物は、実施例1の印刷版と同様
に、非画像部の汚れのない鮮明な画質のものであり、耐
刷性1万枚以上と良好なものであった。
【0171】
【発明の効果】本発明によれば、耐水性と耐刷性が両立
し、耐刷性の低下や印刷汚れなどの問題を生じることな
く、オフセット原版として全面一様な地汚れはもちろん
点状の地汚れも発生させない優れた直描型平版印刷用原
版を得ることができる。更に、油性インキ等を画像部と
して画像受理層に描画する直描型平版印刷を施しても、
印刷用原版の受理層と油性インキの接着性が良く、地汚
れがなく、画像の欠落・歪み等のない鮮明な画像の印刷
物を多数枚印刷可能とする直描型平版印刷用原版を得る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる装置系の一例を示す概略構成図
である。
【図2】本発明に用いるインクジェット記録装置の要部
を示す概略構成図である。
【図3】本発明に用いるインクジェット記録装置のヘッ
ドの部分断面図である。
【符号の説明】
1 インクジェット記録装置 2 マスター 3 コンピューター 4 バス 10 ヘッド 10a 吐出スリット 10b 吐出電極 10c 対向電極 11 油性インク 101 上部ユニット 102 下部ユニット

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐水性支持体上に、アナターゼ型酸化チ
    タン粒子及び親水性結着樹脂を少なくとも含有する画像
    受理層を形成した後、該画像受理層表面を、波長300
    〜400nmの紫外線光で全面光照射処理をして、該画
    像受理層の表面を水との接触角が15度以下の親水性に
    することを特徴とする直描型平版印刷用原版の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 前記結着樹脂が、下記一般式(I)で示
    される有機金属化合物の少なくとも1種の加水分解重縮
    合によるポリマーを含有することを特徴とする請求項1
    記載の製造方法。 一般式(I) (R0nM(Y)X-n 〔一般式(I)中、R0は水素原子、炭化水素基又はヘ
    テロ環基を表す。Yは加水分解性基を表す。Mは3価以
    上の金属を表す。Xは金属Mの価数を表し、nは0、
    1、2又は3を表す。〕
  3. 【請求項3】 前記結着樹脂が、前記金属化合物の少な
    くとも1種の加水分解重縮合によるポリマーとアミド結
    合、ウレタン結合及びウレイド結合から選ばれる少なく
    とも一種の結合及び/又は水酸基を含有する有機ポリマ
    ーとの複合体を含有することを特徴とする請求項1記載
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の方法に
    より得られた直描型平版印刷用原版。
JP33437098A 1998-11-25 1998-11-25 直描型平版印刷用原版の製造方法及びその原版 Pending JP2000158837A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33437098A JP2000158837A (ja) 1998-11-25 1998-11-25 直描型平版印刷用原版の製造方法及びその原版

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33437098A JP2000158837A (ja) 1998-11-25 1998-11-25 直描型平版印刷用原版の製造方法及びその原版

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000158837A true JP2000158837A (ja) 2000-06-13

Family

ID=18276618

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP33437098A Pending JP2000158837A (ja) 1998-11-25 1998-11-25 直描型平版印刷用原版の製造方法及びその原版

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000158837A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11444329B2 (en) 2014-10-03 2022-09-13 Silatronix, Inc. Functionalized silanes and electrolyte compositions and electrochemical devices containing them

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11444329B2 (en) 2014-10-03 2022-09-13 Silatronix, Inc. Functionalized silanes and electrolyte compositions and electrochemical devices containing them

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6183923B1 (en) Lithographic printing plate precursor and method for preparing lithographic printing plate using the same
US6479203B1 (en) Direct drawing type lithographic printing plate precursor
US6472055B1 (en) Direct drawing type lithographic printing plate precursor
US20010018155A1 (en) Direct drawing type lithographic printing plate precursor
JP2000158837A (ja) 直描型平版印刷用原版の製造方法及びその原版
JP2002264555A (ja) 直描型平版印刷用原版
US6673435B1 (en) Direct drawing type lithographic printing plate precursor
JP4210410B2 (ja) 直描型平版印刷用原版
JP2001054987A (ja) 直描型平版印刷用原版
JP2002362053A (ja) 直描型平版印刷用原版及び製造方法
JP3790959B2 (ja) 平版印刷用原版
JP2000289361A (ja) 直描型平版印刷用原版
JP2000247051A (ja) 直描型平版印刷用原版
JP2000247052A (ja) 直描型平版印刷用原版
JP2001287474A (ja) 直描型平版印刷用原版
JP2000168254A (ja) 平版印刷用原版及びそれを用いた平版印刷版の作成方法
JP2001130158A (ja) 直描型平版印刷用原版
JP2003054147A (ja) 平版印刷用原版
JP2002362048A (ja) 直描型平版印刷用原版
JP2001054984A (ja) 直描型平版印刷用原版
JPH1191255A (ja) 平版印刷原版及びそれを用いた平版印刷版の作成方法
US6453815B1 (en) Direct drawing type lithographic printing plate precursor
JPH11115334A (ja) 平版印刷用原版及びそれを用いた平版印刷版の作成方法
JP2001260556A (ja) 直描型平版印刷用原版
JP2001277743A (ja) 直描型平版印刷用原版