JPH11245347A - 合成樹脂シート及び該合成樹脂シートを用いた粘着シート - Google Patents

合成樹脂シート及び該合成樹脂シートを用いた粘着シート

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JPH11245347A
JPH11245347A JP5360098A JP5360098A JPH11245347A JP H11245347 A JPH11245347 A JP H11245347A JP 5360098 A JP5360098 A JP 5360098A JP 5360098 A JP5360098 A JP 5360098A JP H11245347 A JPH11245347 A JP H11245347A
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resin
sheet
vinyl chloride
urethane
resin sheet
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JP5360098A
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English (en)
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Toshiyuki Miyake
敏之 三宅
Hiroshi Murayama
浩 村山
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コーティング層の塩化ビニル系樹脂シートに
対する密着性に優れ、経時による物性の変化が生じ難い
合成樹脂シート及び粘着シートを得る。 【解決手段】 塩化ビニル100重量部、ウレタン系樹
脂20〜200重量部及び白色顔料からなる白色塩化ビ
ニル系樹脂シート、または塩化ビニル樹脂とウレタン系
樹脂からなるグラフト樹脂及び白色顔料を含む白色塩化
ビニル系樹脂シートの一面に、着色されておりかつ透光
性を有するウレタン系樹脂が積層されている合成樹脂シ
ート、並びに該合成樹脂シートのウレタン系樹脂が積層
されていない面に粘着剤層が積層されてなる粘着シー
ト。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば装飾シート
やマーキングフィルムとして好適に用いられる合成樹脂
シート及び粘着シートに関し、より詳細には、着色され
ておりかつ透光性を有するコーティング層のシート基材
に対する密着性が高められた合成樹脂シート及び該合成
樹脂シートを用いた粘着シートに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、マーキングや各種装飾を施すため
に粘着シートが用いられている。この種の粘着シートと
しては、2層の軟質塩化ビニル樹脂フィルムを積層して
なるシート基材の片面に粘着剤層を設けたもの、あるい
は軟質塩化ビニル樹脂よりなるシート基材の片面にコー
ティング層を形成したものなどが知られている。
【0003】しかしながら、2層の軟質塩化ビニル樹脂
フィルムを積層してなるシート基材を用いた粘着シート
では、2枚の軟質塩化ビニル樹脂フィルムを得た後に、
これらをラミネートする必要があり、工程数が増加する
という問題があった。加えて、軟質塩化ビニル樹脂フィ
ルムは可塑剤を含有しているため、可塑剤がブリード
し、経時によりシート基材が硬くなるという問題もあっ
た。
【0004】他方、軟質塩化ビニル樹脂シートの片面に
各種塗料を用いてコーティング層を形成した構造では、
通常、コーティング剤として柔軟なウレタン系あるいは
耐候性の良好なアクリル系塗料が使用されている。しか
しながら、コーティング層の軟質塩化ビニル樹脂フィル
ムに対する密着性を高めるには、軟質塩化ビニル樹脂シ
ートのコーティング層を形成する面に下塗りをする必要
があり、やはり工程数が増加するという問題があった。
【0005】他方、軟質塩化ビニル樹脂からなるシート
基材の片面に紫外線硬化型インキよりなる印刷層を形成
し、他面に粘着剤層を形成してなる粘着シートが、特開
平9−137135号公報に開示されている。この粘着
シートでは、軟質塩化ビニル樹脂からなるシート基材に
アクリル系樹脂層を介在させて紫外線硬化型インキより
なる印刷層を積層し、上記アクリル系樹脂層の存在によ
り可塑剤の移行を防止し、印刷層の密着性の低下が抑制
されている粘着シートが開示されている。
【0006】また、この先行技術には、軟質塩化ビニル
樹脂シートとして、ポリウレタン−ポリ塩化ビニルグラ
フト共重合体100重量部に対し、スチレン−エチレン
−ブタジエン−スチレン樹脂を1〜20重量部配合して
なる樹脂組成物からなるシート基材を用い、その片面に
紫外線硬化型インキよりなる印刷層を積層し、他面に粘
着剤層を積層してなる粘着シートも開示されている。こ
の粘着シートでは、上記樹脂組成物からなるシート基材
を用いて可塑剤の使用を回避することにより、紫外線硬
化型インキよりなる印刷層のシート基材に対する密着性
の低下が抑制されるとされている。
【0007】しかしながら、特開平9−137135号
公報に記載の2種の粘着シートは、上記アクリル系樹脂
層を介在させることにより可塑剤の移行を抑制して密着
性の低下を抑制したり、あるいはシート基材として上記
特定の樹脂組成物を用いることにより可塑剤の使用を回
避して、印刷により部分的に形成された印刷層のシート
基材に対する密着性を高めたものに過ぎなかった。ま
た、上記のように印刷層とシート基材の密着性の低下を
抑制するものの、印刷層とシート基材との密着性を積極
的に高め得るものではなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、軟質
塩化ビニル樹脂系シートからなるシート基材に、コーテ
ィング層が強固に密着されている合成樹脂シート及び該
合成樹脂シートを用いた粘着シートを提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
係る合成樹脂シートは、塩化ビニル樹脂100重量部、
ウレタン系樹脂20〜200重量部及び白色顔料を含む
白色塩化ビニル系樹脂シートの一面に、着色されており
かつ透光性を有するウレタン系樹脂が積層されているこ
とを特徴とする。
【0010】請求項2に記載の発明に係る合成樹脂シー
トは、塩化ビニル樹脂とウレタン系樹脂とからなるグラ
フト樹脂、及び白色顔料を含む白色塩化ビニル系樹脂シ
ートの一面に、着色されておりかつ透光性を有するウレ
タン系樹脂が積層されていることを特徴とする。
【0011】請求項3に記載の発明は、上記請求項1ま
たは2に記載の合成樹脂シートを用いた粘着シートであ
り、合成樹脂シートのウレタン系樹脂が積層されていな
い面に粘着剤層が積層されていることを特徴とする。
【0012】以下、本発明(請求項1〜3に記載の発
明)の詳細を説明する。 (請求項1に記載の発明)請求項1に記載の発明に係る
合成樹脂シートでは、塩化ビニル樹脂100重量部、ウ
レタン系樹脂20〜200重量部及び白色顔料を含む白
色塩化ビニル系樹脂シートがシート基材として用いられ
る。
【0013】上記塩化ビニル樹脂としては、特に限定さ
れるわけではないが、重合度800〜2,000程度の
軟質塩化ビニル樹脂が用いられ、重量平均分子量につい
ては特に限定されるわけではないが、50,000〜1
25,000程度のものが好適に用いられる。
【0014】シート基材に含有される上記ウレタン系樹
脂としては、特に限定されるわけではないが、重量平均
分子量5,000〜50,000程度のものが好適に用
いられる。このウレタン系樹脂は、通常、両末端に水酸
基を有するアジピン酸ポリエステルとヘキサメチレンジ
イソシアネートとを反応させることにより得ることがで
きる。
【0015】軟質塩化ビニル樹脂100重量部に対し、
ウレタン系樹脂は20〜200重量部の割合で用いられ
る。ウレタン系樹脂の配合割合が20重量部未満では、
着色されておりかつ透光性を有するウレタン系樹脂層の
密着性が十分でなく、かつ経時により合成樹脂シートが
硬くなり易くなる。他方、上記ウレタン系樹脂の配合割
合が200重量部を超えると、着色されておりかつ透光
性を有するウレタン系樹脂層との密着性は高められるも
のの、弾性率が低くなり、作業性が低下する。
【0016】すなわち、上記ウレタン系樹脂を20〜2
00重量部の割合で軟質塩化ビニル樹脂に配合すること
により、着色されておりかつ透光性を有するウレタン系
樹脂の密着強度を高めると共に、経時による物性の変化
が抑制される。
【0017】上記白色顔料は、塩化ビニル樹脂及びウレ
タン系樹脂を含む上記シート基材を白色とするために用
いられているものであり、この白色顔料については、特
に限定されるわけではないが、例えば、ルチル型TiO
2 を好適に用いることができ、より具体的には、大日精
化社製、商品名:VT005、同、商品名:P−405
0、同、商品名:P−4020や富士チタン社製、商品
名:VR600、同、商品名:VR700などを挙げる
ことができる。
【0018】白色顔料の添加量については、特に限定さ
れるわけではないが、上記塩化ビニル樹脂及びウレタン
系樹脂の合計100重量部に対し、20〜70重量部と
することが好ましい。白色顔料の添加割合が20重量部
未満の場合には、シート基材を十分に白色に着色するこ
とが困難となることがあり、下地を隠蔽する効果が低下
することがあり、70重量部を超えると、白色塩化ビニ
ル系樹脂シートの物性が低下することがある。
【0019】上記白色塩化ビニル系樹脂シートの厚みに
ついては、特に限定されるわけではないが、例えば装飾
シートやマーキングシートとして用いる場合、40〜2
00μm程度の厚みとすることが望ましい。
【0020】請求項1に記載の発明に係る合成樹脂シー
トでは、上記白色塩化ビニル系樹脂シートの一面に、着
色されておりかつ透光性を有するウレタン系樹脂が積層
されている。この着色されておりかつ透光性を有するウ
レタン系樹脂は、装飾やマーキング効果を発揮させるた
めに積層されているものである。
【0021】着色されておりかつ透光性を有するウレタ
ン系樹脂におけるウレタン系樹脂については、透光性を
有しかつ後述の着色用顔料により着色し得る限り、特に
限定されるわけではないが、通常、水酸基を有し、かつ
重量平均分子量5,000〜20,000程度のアクリ
ル系樹脂をイソシアネートで架橋することにより得るこ
とができる。
【0022】着色のための顔料については、特に限定さ
れるわけではなく、目的とする色や彩度に応じて適宜の
着色用顔料を用いることができる。例えば、大日精化社
製、商品名:P4106Red、同、商品名:P−44
46Yellowなどを用いることができる。
【0023】着色用顔料のウレタン系樹脂に対する添加
割合については、十分な透光性が得られる限り、特に限
定されるわけではないが、通常、ウレタン系樹脂100
重量部に対し、2〜30重量部程度とされる。着色用顔
料の配合割合が2重量部未満の場合には、十分な彩度の
着色されたウレタン系樹脂層を形成することができない
ことがあり、30重量部を超えると透光性が低下するこ
とがある。
【0024】上記着色されておりかつ透光性を有するウ
レタン系樹脂層の厚みについては、目的とする透光性な
どによっても異なるが、通常5〜40μm、好ましくは
10〜30μm程度とされる。また、この着色されてお
りかつ透光性を有するウレタン系樹脂層の光透過度につ
いては、10μm厚みで30%程度とすることが好まし
い。
【0025】上記白色塩化ビニル系樹脂シートの一面
に、上記着色されておりかつ透光性を有するウレタン系
樹脂層を積層する方法についても特に限定されず、白色
塩化ビニル系樹脂シートの一面に、上記透光性を有する
ウレタン系樹脂と、着色用顔料と、溶剤とを含む塗料を
適宜の方法で塗工することにより行い得る。このような
ウレタン系塗料としては、例えば大日本塗料社製、商品
名:プラニットU♯700や日本油脂社製、商品名:ハ
イウレタンNo.2000HBを挙げることができる。
【0026】(請求項2に記載の発明に係る合成樹脂シ
ート)請求項2に記載の発明においては、塩化ビニル樹
脂とウレタン系樹脂とからなるグラフト樹脂及び白色顔
料を含む白色塩化ビニル系樹脂シートが用いられる。上
記グラフト樹脂については、適宜の市販の塩化ビニル樹
脂/ウレタン系樹脂のグラフト樹脂を用いることがで
き、例えば、東ソー社製、商品名:ドミナスを好適に用
いることができる。
【0027】上記グラフト樹脂に添加される白色顔料に
ついては、請求項1に記載の発明に係る合成樹脂シート
で用いられた白色顔料を同様に用いることができる。ま
た、白色顔料の添加割合については、上記グラフト樹脂
100重量部に対し、20〜70重量部の範囲とするこ
とが好ましい。20重量部未満では、白色塩化ビニル系
樹脂シートを十分な白色に着色し難く、70重量部を超
えると白色塩化ビニル系樹脂シートの物性が低下するこ
とがある。
【0028】また、請求項2に記載の発明における白色
塩化ビニル系樹脂シートの厚みについても、請求項1に
記載の発明に係る合成樹脂シートの場合と同様に、40
〜200μm程度とすることが好ましい。
【0029】請求項2に記載の発明においては、上記白
色塩化ビニル系樹脂シートの一面に、着色されかつ透光
性を有するウレタン系樹脂が積層されるが、この着色さ
れておりかつ透光性を有するウレタン系樹脂について
は、請求項1に記載の発明の場合と同様のものを用いる
ことができ、その厚み及び光透過度についても、請求項
1に記載の発明に係る合成樹脂シートの場合と同様とさ
れる。
【0030】(請求項3に記載の発明に係る粘着シー
ト)請求項3に記載の発明では、請求項1または2に記
載の合成樹脂シートの、上記着色されておりかつ透光性
を有するウレタン系樹脂層が積層されていない面に粘着
剤層が積層されて、粘着シートとされている。この場
合、用いる粘着剤層については、特に限定されず、従来
より周知のアクリル系粘着剤層や天然ゴムもしくは合成
ゴム系粘着剤層を用いることができる。
【0031】また、粘着剤層の厚みについても、特に限
定されず、粘着剤の種類や用途に応じて適宜選択され、
通常、15〜100μm程度とされ、好ましくは20〜
50μmである。
【0032】(作用)請求項1,2に記載の発明に係る
合成樹脂シートでは、白色塩化ビニル系樹脂シートから
なるシート基材の一面に、赤や青などの様々な色に着色
されておりかつ透光性を有する、いわゆる着色透明のウ
レタン系樹脂が積層されている。従って、下地となる白
色塩化ビニル系樹脂シートにより、着色透明のウレタン
系樹脂層とは反対側の面がほぼ完全に隠蔽され、表面側
に着色透明のウレタン系樹脂層を配置することにより、
該着色されておりかつ透光性を有するウレタン系樹脂に
より彩度の高い着色状態を表すことができる。
【0033】さらに、請求項1に記載の発明では、上記
白色塩化ビニル系樹脂シートにおいて、塩化ビニル10
0重量部に対し、ウレタン系樹脂が20〜200重量部
の割合で配合されているので、着色されておりかつ透光
性を有するウレタン系樹脂が白色塩化ビニル系樹脂シー
トの一面に強固に密着されると共に、経時による物性の
低下が生じ難い。
【0034】同様に、請求項2に記載の発明に係る合成
樹脂シートでは、白色塩化ビニル系樹脂シートが、塩化
ビニル樹脂とウレタン系樹脂とからなるグラフト樹脂に
より構成されているので、請求項1に記載の発明と同様
に、積層されるウレタン系樹脂層の密着性が効果的に高
められると共に、経時による物性の低下が生じ難い。
【0035】また、請求項3に記載のように、請求項
1,2に記載の発明に係る合成樹脂シートのウレタン系
樹脂が積層されていない面に粘着剤層を積層し、粘着シ
ートとすることにより、該粘着剤層側から被着体に容易
に貼付することができ、上述した着色されておりかつ透
光性を有するウレタン系樹脂による高い彩度の装飾を発
揮させることができる。
【0036】
【実施例】以下、本発明の非限定的な実施例を挙げるこ
とにより、本発明を明らかにする。
【0037】(実施例1)塩化ビニル樹脂(鐘淵化学社
製、品番:PSH−10)100重量部と、ウレタン系
樹脂(大日本インキ社製、商品名:パンデックスT78
90N)50重量部と、白色顔料(大日精化社製、品
番:VT005)45重量部と、ポリエステル系可塑剤
(旭電化社製、品番:P−300)10重量部と、熱安
定剤(旭電化社製、品番:MARK−SC34)5重量
部と、溶剤(三菱油化社製、商品名:ソルベッソ)10
0重量部とを含むPVCオルガノゾルを調製し、該PV
Cオルガノゾルを工程紙上に塗工し、硬化させ、厚み5
0μmの白色塩化ビニル系樹脂シート(表中では白色P
VCシート)を得た。
【0038】上記白色塩化ビニル系樹脂シートの一面
に、ウレタン系樹脂の有機溶剤溶液(大日本塗料社製、
商品名:プラニットU♯700)に、顔料(大日精化社
製、品番:P−4106Red)をウレタン系樹脂10
0重量部に対し、20重量部添加してなるものを、乾燥
後の厚みが15μmとなるように塗工し、他面にアクリ
ル系粘着剤(リキダイン社製、品番:AR−3030)
を乾燥後の厚みが30μmとなるように塗工し、粘着剤
層を離型紙により被覆し、マーキングフィルムを得た。
【0039】(実施例2)塩化ビニル樹脂に添加される
ウレタン系樹脂の配合割合を150重量部とし、白色顔
料を75重量部とし、ポリエステル系可塑剤を用いなか
ったことを除いては、実施例1と同様にしてマーキング
フィルムを得た。
【0040】(実施例3)塩化ビニル樹脂に添加される
ウレタン系樹脂を、大日本インキ社製、商品名:パンデ
ックスT−5265Mに変更したこと以外は、実施例1
と同様にして、マーキングフィルムを得た。
【0041】(実施例4)熱可塑性ポリウレタンの配合
割合を30重量部としたことを除いては、実施例1と同
様にしてマーキングフィルムを得た。
【0042】(実施例5)塩化ビニル樹脂/ウレタン系
樹脂のグラフト樹脂(東ソー社製、商品名:ドミナス)
100重量部に、白色顔料(大日精化社製、品番:VT
005)30重量部を配合し、カレンダー成形により厚
み70μmの白色塩化ビニル系樹脂シートを得た。
【0043】上記白色塩化ビニル系樹脂シートの片面
に、ウレタン系樹脂の有機溶剤溶液(日本油脂社製、商
品名:ハイウレタンNo.2000HB)に、顔料(大
日精化社製、品番:P−4106Red)をウレタン系
樹脂固形分100重量部に対し、15重量部添加してな
るものを乾燥後の厚みが15μmとなるように塗工し、
他面にアクリル系粘着剤(リキダイン社製、品番:AR
−3030)を乾燥後の厚みが30μmとなるように塗
工し、粘着剤層を離型紙で被覆し、マーキングフィルム
を得た。
【0044】(比較例1)実施例1において、塩化ビニ
ル樹脂にウレタン系樹脂を添加せず、可塑剤の配合割合
を35重量部としたことを除いては、実施例1と同様に
してマーキングフィルムを得た。
【0045】(比較例2)塩化ビニル樹脂に添加される
ウレタン系樹脂を15重量部、可塑剤を15重量部用い
たことを除いては、実施例1と同様にしてマーキングフ
ィルムを得た。
【0046】(比較例3)塩化ビニル樹脂に添加される
ウレタン系樹脂の配合割合を250重量部としたこと、
白色顔料を105重量部としたこと、可塑剤を無添加と
したことを除いては、実施例1と同様にしてマーキング
フィルムを得た。
【0047】(比較例4)コーティング層を構成してい
る樹脂をウレタン系樹脂に代えて、アクリル系樹脂(藤
倉化成社製、商品名:レクラック♯72)を用いたこと
を除いては、実施例5と同様にしてマーキングフィルム
を得た。上記実施例1〜5及び比較例1〜4の各マーキ
ングフィルムの構成を、下記の表1に示す。
【0048】(各実施例及び比較例の評価)実施例及び
比較例で得た各マーキングフィルムについて、密着
性、弾性率及び彩度を以下の要領で評価した。結果
を下記の表1に示す。
【0049】密着性…各マーキングフィルムのコーテ
ィング層の表面から1mm間隔でスリットが設けられて
いるスリット板を用いて1mm×1mmの100個の正
方形の領域が形成されるようにクロスカットし、該コー
ティング層表面にセロハンテープを2kgの圧着ローラ
ーを用いて貼り合わせ、しかる後、該セロハンテープを
剥離し、コーティング層の剥離状況を目視により評価し
た。密着性は、クロスカットにより形成された100個
の領域における剥離した領域の数(剥離数)で表した。
【0050】弾性率…マーキングフィルムの物性を評
価するために、マーキングフィルムを15mm幅に切断
し、引張試験機(オリエンテック社製、商品名:テンシ
ロン)を用い、200mm/分で引張試験を行い、その
弾性率(kg/mm2 )を評価した。また、各マーキン
グフィルムを40℃で1ヵ月放置し、しかる後、上記と
同様にして弾性率を評価することにより、経時による物
性の変化を評価した。 彩度…測色機(ミノルタ社製、品番:CM−3W)を
用い、各マーキングフィルムについて、マンセル値のC
値(彩度)を評価した。
【0051】
【表1】
【0052】表1から明らかなように、白色塩化ビニル
系樹脂シートにおいてウレタン系樹脂を用いなかった比
較例1では、コーティング層の密着性が十分でなく、か
つ経時により弾性率が高くなり、シート全体が硬くなっ
た。
【0053】また、ウレタン系樹脂を15重量部の割合
で配合してなる白色塩化ビニル系樹脂シートを用いた比
較例2では、同様にコーティング層の密着性が十分でな
く、経時により弾性率が高くなり、フィルムが硬くなっ
た。
【0054】他方、ウレタン系樹脂を250重量部の割
合で配合してなる白色塩化ビニル系樹脂シートを用いた
比較例3では、コーティング層の密着性は良好であった
ものの、弾性率が0.75kg/mm2 と低かった。
【0055】これに対して、実施例1〜4では、ウレタ
ン系樹脂が請求項1に記載の発明に従って白色塩化ビニ
ル系樹脂シートに配合されているためか、コーティング
層の密着性が良好であり、弾性率の経時による変化もほ
とんど生じなかった。
【0056】比較例4では、コーティング層としてウレ
タン系樹脂を用いなかったためか、コーティング層の密
着性が十分でなかったのに対し、対応する実施例5で
は、ウレタン系樹脂が請求項2に記載の発明に従って白
色塩化ビニル系樹脂シートに配合されているためか、コ
ーティング層の密着性が良好であり、かつ経時による弾
性率の変化もほとんど生じなかった。
【0057】
【発明の効果】請求項1に記載の発明に係る合成樹脂シ
ートでは、白色塩化ビニル系樹脂シートを得るにあた
り、塩化ビニル100重量部に対し、ウレタン系樹脂が
20〜200重量部の割合で配合されているので、着色
されておりかつ透光性を有するウレタン系樹脂よりなる
コーティング層が強固に密着されると共に、塩化ビニル
樹脂における可塑剤含有量を著しく低めたり、あるいは
可塑剤を利用しないでよいため、経時による物性の変化
が生じ難い。また、上記白色塩化ビニル系樹脂シートは
白色とされており、その一面に着色されておりかつ透光
性を有するウレタン系樹脂層が積層されているので、白
色塩化ビニル系樹脂シートにより下地を確実に隠蔽する
ことができ、ウレタン系樹脂層により彩度に優れた装飾
効果を発揮させることができる。
【0058】請求項2に記載の発明では、白色塩化ビニ
ル系樹脂シートが、塩化ビニル樹脂とウレタン系樹脂と
からなるグラフト樹脂を用いて構成されているので、着
色されておりかつ透光性を有するウレタン系樹脂層が強
固に密着されると共に、可塑剤の使用量を著しく低めた
り、可塑剤を使用せずともよいため、経時による物性の
変化が生じ難い。加えて、白色塩化ビニル系樹脂シート
が下地を隠蔽するので、ウレタン系樹脂層により、高彩
度の装飾効果を発揮させることができる。
【0059】請求項3に記載の発明に係る粘着シートで
は、請求項1または2に記載の合成樹脂シートのウレタ
ン系樹脂が積層されていない面に粘着剤層が積層されて
いるので、該粘着剤層側から様々な被着体に容易に貼付
することができ、装飾効果を発揮するウレタン系樹脂層
の密着性に優れておりかつ経時による物性の変化が生じ
難く、さらに高彩度の装飾を発揮し得る粘着シートを提
供することができる。従って、本発明に係る合成樹脂シ
ート及び粘着シートは、装飾シートやマーキングフィル
ムとして好適に用いることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 51/08 C08L 51/08 75/04 75/04 C09J 7/02 C09J 7/02 Z

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニル樹脂100重量部、ウレタン
    系樹脂20〜200重量部及び白色顔料を含む白色塩化
    ビニル系樹脂シートの一面に、着色されておりかつ透光
    性を有するウレタン系樹脂が積層されていることを特徴
    とする合成樹脂シート。
  2. 【請求項2】 塩化ビニル樹脂とウレタン系樹脂とから
    なるグラフト樹脂、及び白色顔料を含む白色塩化ビニル
    系樹脂シートの一面に、着色されておりかつ透光性を有
    するウレタン系樹脂が積層されていることを特徴とする
    合成樹脂シート。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の合成樹脂シー
    トのウレタン系樹脂が積層されていない面に粘着剤層が
    積層されていることを特徴とする粘着シート。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005075591A1 (en) * 2004-02-02 2005-08-18 3M Innovative Properties Company Method of producing colored graphic marking films
JP2010202735A (ja) * 2009-03-02 2010-09-16 Dainippon Printing Co Ltd 粘着シート

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