JPH11243035A - 電気二重層キャパシタ - Google Patents

電気二重層キャパシタ

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JPH11243035A
JPH11243035A JP10345920A JP34592098A JPH11243035A JP H11243035 A JPH11243035 A JP H11243035A JP 10345920 A JP10345920 A JP 10345920A JP 34592098 A JP34592098 A JP 34592098A JP H11243035 A JPH11243035 A JP H11243035A
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Japan
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current collector
band
electrode body
shaped
core
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Application number
JP10345920A
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English (en)
Inventor
Tomonori Aoki
智則 青木
Makoto Inoue
誠 井上
Katsuharu Ikeda
克治 池田
Yoshihiro Hozumi
由浩 穂積
Kazuya Hiratsuka
和也 平塚
Manabu Kazuhara
学 数原
Takeshi Kawasato
健 河里
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AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
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Publication date
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02E60/13Energy storage using capacitors

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造時間が短く、容量密度の高い電気二重層
キャパシタを提供する。 【解決手段】 帯状の集電体31aに長手方向の一辺に
沿った帯状部31axを残して電極層31b、31cが
形成された第1の電極体31と、同様な第2の電極体3
2と、第1と第2の電極体31、32を電気的に絶縁す
る帯状のセパレータ33a、33bと、電極体31、3
2とセパレータ33a、33bとを卷回して卷回素子5
0を形成する柱状の巻き芯40と、帯状部31axに接
触して集電する第1の集電板72と、同じく帯状部31
ax用の第2の集電板62とを備え、帯状部31ax、
32axは、卷回素子50のそれぞれ反対側の端面に位
置し、巻き芯40の両端部は、それぞれ第1と第2の集
電板72、62に接触して、それら集電板72、62の
軸方向の相対的位置を定め、且つ集電板72、62は電
気的に絶縁されている電気二重層キャパシタ。タブ状の
集電リードを必要とせず加工が容易で製造時間を短縮で
きる。また単位体積当たりの容量密度が高い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気二重層キャパ
シタに関し、特に卷回された電極を有する電気二重層キ
ャパシタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近、車に搭載して車を駆動する駆動用
電源等への適用を目的とする大容量、高出力の電気二重
層キャパシタが注目され、開発が進められている。
【0003】従来、このような大電流を放電するのに適
する大型の電気二重層キャパシタの一つの構成として、
図11に示すような円筒型構造のものが用いられてき
た。これは、図示のように、一対の帯状の電極体、具体
的には金属集電体の両面に、活性炭を主成分とする電極
層を形成した帯状の正極電極体2と負極電極体3とを、
帯状のセパレータ4、4’を介して巻回してなる巻回素
子を、有底円筒型の金属ケース5に収容し、電解液を含
浸させた後、正極電極体2および負極電極体3より引き
出された集電リード6、6’を、電気絶縁性の封口蓋体
8に設けられた電極端子9、9’にそれぞれ接続すると
ともに、該封口蓋体を、金属ケース5に嵌合したもので
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】以上のような従来の電
気二重層キャパシタによれば、集電リードの加工が煩雑
で製造時間が長くならざるを得なかった。またケース内
に集電リードを収容する余分な空間が必要であり、その
分だけ卷回素子が小さくなることにより、ケース単位体
積当たりの容量密度が低くならざるを得なかった。そこ
で本発明は、製造時間が短く、また単位体積当たりの容
量密度の高い電気二重層キャパシタを提供することを目
的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に係る発明による電気二重層キャパシタ
は、図1及び図8に示すように、帯状の集電体31aの
少なくとも片面に、前記帯状の長手方向の一辺に沿った
帯状部31axを残して電極層31b、31cが形成さ
れてなる第1の電極体31と;帯状の集電体32aの少
なくとも片面に、前記帯状の長手方向の一辺に沿った帯
状部32axを残して電極層32b、32cが形成され
てなる第2の電極体32と;第1の電極体31と第2の
電極体32とを、それらの間に介在することにより電気
的に絶縁する帯状のセパレータ33a、33bと;第1
の電極体31と第2の電極体32とセパレータ33a、
33bとを重ねて卷回して筒状卷回素子50を形成す
る、両端部を有する柱状の巻き芯40と;第1の電極体
31の帯状部31axに接触して集電する第1の集電板
72と;第2の電極体32の帯状部32axに接触して
集電する第2の集電板62(図5では73)とを備え;
第1の電極体31の帯状部31axと第2の電極体32
の帯状部32axとは、筒状卷回素子50のそれぞれ反
対側の端面に位置するように卷回され;巻き芯40の両
端部は、それぞれ第1の集電板72と第2の集電板62
(図5では73)とに直接的または間接的に接触して、
第1の集電板72と第2の集電板62(図5では73)
の軸方向の相対的位置を定めるように形成されており、
且つ第1の集電板72と第2の集電板62(図5では7
3)とは電気的に絶縁していることを特徴とする。筒状
卷回素子50は、典型的には円筒状をしている。
【0006】ここで、第2の集電板は、ケースの底板6
2(図1)であってもよいし、独立した集電板73(図
5)であってもよい。集電板と帯状部との接触では、必
ずしも帯状部を押しつぶす必要はなく、弾性的な接触で
あってもよいし、集電板に針状の突起が備えられている
ときはその突起と交錯する接触でもよい。直接的または
間接的とは、間にスペーサをかませた間接的な接触でも
よいことを意味する。絶縁するには、巻き芯をその軸方
向に電気的絶縁部を有するように構成してもよいし、か
ませたスペーサが絶縁性を有するようにしてもよい。
【0007】このように構成すると、筒状卷回素子の第
1と第2の電極体の帯状部は卷回素子の反対側の端面に
位置するように卷回され、第1と第2の集電板はそれぞ
れ第1と第2の電極体の帯状部に接触して集電するよう
に構成されているので、特にタブ状の集電リードを必要
とせず、前記帯状部自体が集電リードとして機能し、加
工が容易で製造時間を短縮できる。またタブ状の集電リ
ードを収納する空間を必要としないので、単位体積当た
りの容量密度の高い電気二重層キャパシタを提供するこ
とができる。また、巻き芯を利用することにより、第1
と第2の集電板の軸方向の相対的位置を定めることがで
き、2つの集電板の間隔を所望の値に設定することがで
きるだけでなく、キャパシタの使用中の振動やキャパシ
タ内部でのガスの発生等により2つの集電板が近づき過
ぎたりまた離れたりすることなく、帯状部と集電板との
接触を良好に維持することができる。
【0008】また請求項2に記載のように、請求項1に
記載の電気二重層キャパシタでは、第1の集電板72と
第2の集電板62とは、それぞれ卷回された第1の電極
体の帯状部31axと第2の電極体の帯状部32axと
に圧接されていてもよいし、さらに請求項3に記載のよ
うに、卷回された第1の電極体の帯状部31axと第2
の電極体の帯状部32axとは、柱状巻き芯40の軸方
向に向けて押しつぶされるように構成してもよい。
【0009】ここで圧接とは、例えば所定の圧力で押し
つけられて接触していることである。また、帯状部31
ax、32axのつぶし方は、あらかじめ軸方向にむけ
てつぶしておいてもよいし、集電板を押しつけることに
よって結果として帯状部がつぶれるようにしてもよい
し、集電板を押しつける前に帯状部にあらかじめ切り込
みなどを入れてつぶれやすくしておいてもよい。切り込
みを入れるのは、特に集電体にある程度の厚さがあり集
電板による圧接だけでは十分につぶれないとき等に有効
である。
【0010】このように構成すると、第1と第2の集電
板をそれぞれ第1と第2の電極体の帯状部に圧接する際
に、巻き芯により圧接の圧力変動が抑えられ、ひいては
圧接部の電気抵抗の変動を低く抑えることができる。
【0011】また、請求項4に記載のように、請求項1
乃至請求項3のいずれか1項に記載の電気二重層キャパ
シタでは、卷回素子50を収納する、円筒形状のケース
60を備え;ケース60は、前記円筒形状の一方の端面
部に底蓋62を、他方の端面部に封口蓋体63を有し、
卷回素子50は底蓋62と封口蓋体63との間に収納さ
れ、卷回素子50が、巻き芯40を介してケース60内
で固定されるように構成されていてもよい。
【0012】ここで底蓋62は、例えば深絞りで形成さ
れた場合のように、円筒形状をしたケースと一体であっ
てもよい。巻き芯40は、底蓋62に直接固定されるこ
とによって卷回素子50を固定してもよいし(図2、図
4)、巻き芯40をまず集電板73に固定し、その集電
板73をケース60に固定することによって卷回素子5
0を固定してもよい(図5)。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照して説明する。なお、各図において互い
に同一あるいは相当する部材には同一符号あるいは類似
符号を付し、重複した説明は省略する。また以下の説明
で、上部、下部、或いは上端、下端等のように上下を付
けて呼ぶのは、図中に示された上下関係に便宜上基づい
ているものであり、実際の組立作業、使用に際して、左
右に置いたり或いは上下逆さしてはいけないことを意味
するものではない。
【0014】図1は、本発明による第1の実施の形態で
ある電気二重層キャパシタの断面図である。なお、図8
は第1の実施の形態の詳細を示す斜視図である。適宜図
1と図8とを参照しながら、第1の実施の形態を説明す
る。
【0015】卷回素子50は、第1の電極体である正極
電極体31と第2の電極体である負極電極体32とが、
帯状のセパレータ33a、33bを挟んで、重ねられて
卷回され形成されている(図8)。正極電極体31は、
帯状の集電体31aの一方の面に電極層31bが、他方
の面に電極層31cが、帯状の長手方向の一辺である図
中上方の辺に沿った帯状部31axを残して形成され構
成されている。負極電極体32も全く同様に、帯状の集
電体32aに電極層31bと電極層31cとが、帯状の
長手方向の一辺である図中下方の辺に沿った帯状部32
axを残して形成され構成されている。ここで正極電極
体31については、電極層31b、31cは、帯状の集
電体31aの表裏対応する領域にほぼ同一幅で帯状に形
成されている。負極電極体32についても同様である。
【0016】正極の電極層31b、31cの幅は、負極
の電極層32b、32cの幅とほぼ同一である。またセ
パレータ33a、33bは、電極層31b、31c、3
2b、32cの幅よりも幾分大きめ、例えば電極体31
a、32aとほぼ同じ幅に作られている。正極と負極の
電極体31、32とセパレータ33a、33bとを重ね
て卷回するときは、正極と負極の電極層同士が幅方向で
ほぼ重なり、さらにセパレータ33a、33bの長手方
向の中心線と、電極層31b、31c、32b、32c
の長手方向の中心線とがほぼ重なるように、また帯状部
31axと負極電極体32の帯状部32axとは、幅方
向で前記中心線に関して反対側に位置するように巻かれ
る。このように卷回すると、セパレータ33a、33b
が正極電極層と負極電極層とを完全にカバーし、卷回素
子として組み立てられたときに、正負の電極層同士が電
気的に絶縁されるように構成されることになる。
【0017】このように、セパレータ33a、正極電極
体31、セパレータ33b、負極電極体32の順番で重
ねた積層シートが卷回されて卷回素子が構成される。卷
回素子50の中心には、巻き芯40が巻き込まれてい
る。実際には、巻き芯40の周りの最内周にセパレータ
33aがくるように上記積層を巻き付けて卷回素子を形
成する。なお、巻き芯40、セパレータ33a、負極電
極体32、セパレータ33b、正極電極体31の順番で
もよい。
【0018】また図8では、最内周にセパレータ、正極
電極体が巻かれ、最外周にも正極電極体、セパレータが
巻かれるように描かれているが、最外周は負極電極体、
セパレータとしてもよい。
【0019】卷回素子50の基本的な構成は別の言い方
をすると、帯状の正極集電体31a及び負極集電体32
aの2極集電体をそれぞれの電極層同士が重なるように
してお互いに上下方向にずらしたものに、セパレータ3
3a、33bを挟み込み円筒状に巻き取って構成したも
のである。ここで、正極は上部に負極は下部につぶし代
としての帯状部31ax、32axを突出させ、円筒状
に巻き取る。
【0020】卷回素子50は、全体として円筒形に形成
される、巻き芯40と卷回素子50との組立体は、有底
の円筒形ケース60に収納される。
【0021】また、正極電極体31の帯状部31axに
接触して集電する第1の集電板である円板状の正極集電
板72が、その片面を巻き芯40の上端40aに接触さ
せて、巻き芯40にほぼ直交するように取り付けられて
いる。
【0022】負極電極体32の帯状部32axは、有底
の円筒形ケース60の底部62の内側に接触して組み立
てられる。この底部60が、第1の実施の形態では第2
の集電板である負極集電板を構成している。巻き芯40
の上端40aの反対側の端である下端47aは、底部6
0の内側に接触している。
【0023】このように、上下に突出したつぶし代とし
ての帯状部31ax、帯状部32axを、集電板72及
びケース60に押しつけ一定量を潰し、接触させる。し
たがって、正極の端子は封口蓋体63上部に取り出さ
れ、負極端子はケース60でとる形式となる。これによ
り、電気二重層キャパシタの直列接続が可能となる。
【0024】巻き芯40は、上端40aを有し、下部に
は巻き芯下部絶縁部材47を有して、全体として円筒形
に形成された柱状部材である。巻き芯40の、巻き芯下
部絶縁部材47を除く本体部分は金属製である。図中、
柱状の下端部が下端47aであり、上端部が上端40a
である。
【0025】以上説明したように、正極電極体31の帯
状部31axと負極電極体32の帯状部32axとは、
円筒状卷回素子50のそれぞれ反対側の端面(図中上端
と下端)に位置するように卷回されている。
【0026】また、巻き芯40の両端部40a、47a
は、それぞれ正極集電板72と、負極集電板として機能
する底部62とに接触して組み立てられる。したがって
巻き芯40は、正極集電板72と負極集電板62の軸方
向の相対的位置を定めるように機能する。巻き芯40
は、巻き芯下部絶縁部材47を備えるので、正極集電板
72と負極集電板62とが、巻き芯40を介して電気的
に導通することがない。
【0027】図中上方、即ち巻き芯40の上端部の、正
極電極板72を挟んで反対側には円柱状の正極端子部材
74が、その中心軸線を巻き芯40の中心軸線とほぼ一
致させて設けられている。正極集電板72には巻き芯4
0を差し込む穴が開けられており、その穴には途中に段
が付いており、その段に巻き芯40の上端40aが当接
する。正極端子部材74の下部には、雄ねじが切られて
おり、一方巻き芯40の上部には、その雄ねじと相補関
係にある雌ねじが切られている。その雄ねじを正極集電
板72の前記穴に差し込み、雌雄のねじを螺合すること
により、巻き芯40、正極電極板72を一体に組み立て
ることができる。
【0028】さらに図中、正極端子部材74の上端部に
は、円板状の封口蓋体63があり、これを挟んで、図中
上方には正極外部端子71が設けられている。やはり、
正極端子部材74と正極外部端子71とには、相補的関
係にある雄ねじと雌ねじが切ってあり、両者を螺合する
ことにより、両者の間に封口蓋体63を挟んで固定す
る。
【0029】以上のように構成された、巻き芯40、卷
回素子50、正極集電板72、正極端子部材74、封口
蓋体63、正極外部端子71を含む組立体は、金属ケー
ス60の中に収納される。ここで、正極集電板72の外
径は、ケース60の内径より幾分か小さく形成されてお
り、両者の隙間には、その隙間のほぼ半分の厚さを有す
る、断面がL字状の絶縁材で作られたリング状のパッキ
ン83が挟まれて、両者を電気的に絶縁している。
【0030】また円板状の封口蓋体63の外径は、ケー
ス60の内径より幾分か小さく形成されており、両者の
隙間には、その隙間のほぼ半分の厚さを有する、断面が
L字状の絶縁材で作られたリング状のパッキン82が挟
まれて、両者を電気的に絶縁している。また、パッキン
82の上方、ケース60の外方には、シール部材として
の断面が矩形の角リング81がセットされている。円筒
状ケース60の底部62と反対側の開口部、ケース上端
61は、封口蓋体63に向けて内側に巻き込まれて、シ
ール部材としての角リング81にかぶせられ、ケース6
0の端部と角リング81との間にシールが形成される。
また、かぶさったケース60の端部61が角リング81
を介して封口蓋体63を押し下げることになり、正極端
子部材74、正極集電板72を介して、卷回素子50を
底部62との間に挟み込み、卷回素子50をケース中に
固定する。
【0031】ケース60は、集電板72の僅かに上方
で、ケース60の外周をビード状に内側方向に絞り、パ
ッキン83を介して集電板72を、底部62の方向に押
し込むように組み立てる。このビード76により集電板
72が底部62の方向に押し込まれ、それに伴い、卷回
素子50が集電板72と底部62との間に挟み込まれ
て、帯状部31axと32axとが圧縮される。このよ
うにして、卷回素子50の端面に集電板或いは集電板と
しての底板が圧接される。このとき巻き芯40は、集電
板72と底板62との、軸線方向のストッパーとして機
能し、卷回素子50の圧接量を一定に保持する。したが
って、帯状部31ax、32axのつぶし量を所望の値
にできる他、集電板72あるいは底板62と卷回素子5
0との接触圧力が一定に維持できるので、使用時の電気
抵抗の変動を防止できる。
【0032】なお、帯状部31axと32axとは、集
電板72あるいは底板62に接触させる前に卷回素子5
0の軸線方向に圧縮して、卷回素子50の両端部に集電
用のつぶし部を設け、このつぶし部を集電板に圧接する
ことで電気を取り出すようにしてもよいし、集電板72
あるいは底板62と組み立てることにより、結果的に押
しつぶされ、つぶし部が形成されるようにしてもよい。
【0033】このように構成すると、従来のリード方式
に比べて、いわばリードレス(タブレス)であるので、
リード部の占めるスペースを削除することができ、内部
の電極充填率を向上することができる。また、集電の際
には面積を広くとれる集電板全体から集電することがで
きるため、電気的内部抵抗を抑えることができる。した
がって高出力に対応しやすい。
【0034】またビード76は集電板72を押し下げる
ことになり、卷回素子50を底部62との間に挟み込
み、卷回素子50をケース中に固定する効果も有する。
なお、通常はこのビード76の絞り込みは、ケースの封
口蓋体63への巻き込みの前に行う。
【0035】以上のようにして構成された組立体に電解
液を注入する。円筒形の電極では、封口蓋体に注液口を
設けておき、該注液口から注液するのが普通である。こ
の注液性を確保する(十分な注液と注液時間の短縮)た
めに、集電板72には、孔を開けたり切り欠きを設け
て、電極を押しつぶさない箇所を設ける。切り欠きを例
えば4箇所に施せば、集電板72は十文字形状を呈する
ことになる。
【0036】また巻き芯40には、中心穴44と、中心
穴44に連通する、卷回素子50の本体部から突出した
巻き芯部分の上部と下部とに設けられた横穴44a、4
4bが備えられている。注液口からケース内部に注がれ
た電解液は、集電板72の穴あるいは切り欠きを通って
注液され、卷回素子50を満たして、下部の横穴44
b、中心穴44、上部の横穴44aを通して上に抜ける
ことにより、あるいは逆に上部横穴44a、中心穴4
4、下部横穴44bから注液され、卷回素子50を満た
して、集電板72の穴あるいは切り欠きから抜けること
により、卷回素子50への含浸が確保される。ここで
は、卷回素子50は、ケースに収納した後に電解液を含
浸させているが、あらかじめ卷回素子50に電解液を含
浸させておいてからケース収容してもよい。
【0037】図2を参照して、本発明の第2の実施の形
態である電気二重層キャパシタを説明する。この実施の
形態は、第1の実施の形態とは、電極体と集電板との接
触方法が異なる。
【0038】第1の実施の形態との主な相違点は、ケー
ス60にビード76が形成されることなく、また集電板
72と封口蓋体63との間、巻き芯40の軸線上には薄
い正極端子部材91が介在している点、ケース60の底
部62の中央に、巻き芯受け部材48が、例えば溶接、
接着剤による接着等の手段により固定され、巻き芯受け
部材48には雌ねじが形成されており、巻き芯40の下
端は前記雌ねじと相補関係にある雄ねじが形成されてい
る点である。
【0039】このように構成すると、タブレスである上
に、ビードを形成するのに必要な縦方向のスペースも省
略できるので、電気二重層キャパシタの単位体積当たり
の容量密度を高めることができる。ケース60の密閉性
は、ケース上端の巻き込み部と角パッキン81との接触
で確保する。
【0040】また封口蓋体63、巻き芯40、卷回素子
50が組立体として十分な剛性をもって一体化されてお
り、巻き芯40が巻き芯受け部材48に固定される。し
たがって固定手段としてのビードがなくても、前記組立
体はケースにしっかりと固定できる。ビードが省略され
るので、製造が容易となり、生産設備も簡略化できる。
【0041】またケース底部に固定されたブロックであ
る巻き芯受け部材48に巻き芯をねじ込むので、集電板
72と卷回素子50、卷回素子50と底部62との接触
圧を確保し、かつ安定化することができる。耐振性も高
くなる。
【0042】図3を参照して、本発明の第3の実施の形
態を説明する。第2の実施の形態との主な相違点は、ケ
ース60の底部62を負極の集電板として用いることな
く、代わりに底部62に沿って設けられた集電板73を
備える点、集電板72、73の卷回素子50と接触する
側に突起である複数の針が設けられている点である。集
電板72の突起72xは、花器の剣山の針と同様なもの
であり、長さは帯状部31axの幅よりも短く、例えば
その幅の半分の長さである。また、集電板73には複数
の穴が形成されている。
【0043】この針を卷回素子50の帯状部31axに
押しつけて接触させると、複数の針の長さ方向の接触も
期待できるので、接触面積を十分に確保することができ
る。またつぶし部に食い込ませることにより、接触圧力
が多少劣化しても接触面積の減少を抑えることができ
る。針の長さは、集電板72を卷回素子50と組み立て
たときには、つぶし部に食い込むが、食い込みすぎて反
対の極である負極と接触することがないような長さとす
る。負極側の集電板73に針を設ける場合も全く同様で
ある。なお、巻き芯40の中央部には絶縁部が設けられ
ている。この点は第2の実施の形態でも同様である。但
し、第2の実施の形態で、巻き芯受け部材48を絶縁材
料で作り、底部62に接着したような場合は、巻き芯4
0の中央部の絶縁部は不要である。
【0044】剣山は卷回素子50に圧力をかけて押しつ
けてもよいし、殆ど圧力をかけずただ押し込むだけでも
よい。
【0045】ここで図9を参照して、巻き芯の構造の一
例を説明する。巻き芯40は、巻き芯下部41、巻き芯
上部42及び、下部41と上部42との間の巻き芯中部
43とから構成された、全体として円筒形の柱状部材で
ある。図中、柱状の下端部(巻き芯下部41の端)が下
端41bであり、上端部(巻き芯上部42の端)が上端
42aである。
【0046】巻き芯下部41と巻き芯上部42は、アル
ミニウム等の金属製であり、巻き芯中部43は、プラス
チック等の絶縁材料でできている。これらはネジ、溶着
等によりしっかりと一体化されている。図9には中部4
3に雄ねじが切られ、下部41と上部42とに雌ねじが
切られている場合を示してある。また中部43は絶縁材
料でできているので、下部41に接触する負極集電板と
上部42に接触する正極集電板とを電気的に導通させる
ことがない。また上部、中部、下部が一体化された巻き
芯40には、先に説明したような中心穴44、横穴44
a、44bが開けられているので、電解液の注液も十分
に短時間で行うことができる。
【0047】集電板73は、封口時のケース60の巻き
込みによる押しつけ圧で、底部62に押しつけられ、負
極側の電気の導通を確保する。
【0048】図4を参照して、本発明の第4の実施の形
態を説明する。第2の実施の形態との主な相違点は、ケ
ース60の底部62に巻き芯受け部材を溶接することな
く、代わりに底部62のほぼ中心に穴を開け、その穴に
頭付の雄ネジ49を挿入し、一方巻き芯40の下部に
は、前記雄ネジ49と相補関係にある雌ねじを切ってお
き、前記雄ねじを巻き芯40の雌ねじに螺合することに
より、巻き芯40をケース60に固定する。この実施の
形態では、雄ねじ49を電源取り出し用の端子としても
よい。このようにねじで固定することにより、巻き芯4
0ひいては卷回素子50は、ケース60中にしっかりと
固定できる。なお雄ねじ49とケース60との間は、図
示のようにOリング(オーリング)を挟む、パッキンを
挟む、シール剤を塗布する等の方法により、シール性を
十分に確保する。
【0049】図5を参照して、本発明の第5の実施の形
態を説明する。第2の実施の形態との主な相違点は、先
ず集電板72を省いて、封口蓋体63を集電板を兼ねる
ように構成した点である。封口蓋体63の下面、容器6
0の内部側に向いた面を導電性材料で形成し、上面、容
器60の外側に向いた面を絶縁材料で形成する。正極外
部端子71と巻き芯40とで、集電板としての封口蓋体
63を挟んで固定する。
【0050】また別の相違点は、ケース60の底部62
を負極の集電板として用いることなく、代わりに底部6
2に沿って設けられた集電板73を備える点である。集
電板73は、十分な剛性を備えた円板であり、その外径
はケース底部近傍の側面の内径とほぼ同一に形成されて
いる。その外径部は、単なる円筒状の外径とする他、円
板の中心線に平行な方向にローレットを切って、かつ外
径をケース底部近傍の側面の内径より僅かに小さく形成
してもよい。このような構成で、集電板73をケース6
0に挿入すると、ローレット部分がケース内側面に食い
込んで、集電板73のケース60内の固定が十分なもの
となる。集電板73は、単なる円板とする他、十文字形
状に構成すると、電解液の注液性、ケース60への固定
性の観点から好ましい結果が得られる。
【0051】ケース60は、その底部近傍の側面の内径
を集電板73の外径より若干小さく形成し、底部から離
れた部分の内径を集電板73の外径よりも若干大きく形
成すると、集電板73のケース60への組み込みが楽
で、且つ両者の固定が強固になる。ケース60の内径を
一定とし、集電板73を組み込んだ後に、ケース60の
外周部をかしめて集電板73を固定してもよい。
【0052】巻き芯40の上端は集電板としての封口蓋
体63に、下端は集電板73に突き当てられて、上下の
集電板の間の間隔を一定に維持するストッパーとして機
能するように構成されている。巻き芯40は、集電板7
3の中央に、例えば溶接、接着剤による接着等の手段に
より固定された巻き芯受け部材48に固定される。巻き
芯受け部材48がプラスチック等の絶縁材料であるとき
は、受け部材48が帯状部32axに接触しないだけの
十分な軸線方向長さを有するものとすることによって、
巻き芯40は全体を導電性材料で作ることができる。受
け部材48が金属等の導電性材料であるときは、受け部
材48と集電板73との固定は溶接で行うこともでき
る。このときは、巻き芯40の少なくとも一部を絶縁性
材料で作る。
【0053】このような構成において、上部集電板72
の設置されるべきスペースを省いたことにより電極充填
率が向上する。なお、封口蓋体63には、電解液を注入
する注液口が開設されている。注液口は、電解液を注入
した後にプラスチック、接着剤等で封口される。また、
注液口に安全弁を取り付けてもよい。このようにする
と、ケース60内でガスが発生したとしても、それを安
全弁から放出することができる。また巻き芯40に中心
穴、横穴が設けられ、電解液通路を確保している点は、
他の実施の形態と同様である。
【0054】また十分な剛性を備える集電板73を底部
に設けたので、卷回素子50からの圧接力は、集電板7
3によって受容され、結局ケース60の側面に伝達され
るので、ケースの底部62で直接その力を受ける場合と
異なり、例えばガスの発生等により内部圧力が上昇した
としても、ケース60の底の膨れを防止できる。ひいて
は、集電板による卷回素子50への圧接圧力の変動を抑
えることができる。
【0055】図6を参照して、本発明の第6の実施の形
態を説明する。本実施の形態は第5の実施の形態の変形
である。第5の実施の形態との主な相違点は、ケース底
部に挿入した集電板73を、底部に着床した後に、集電
板73の僅かに上部のケース60側壁を絞りビードにし
て集電板73をケース60にしっかりと固定する点であ
る。第5の実施の形態と同様に底部に設けられた集電板
73のおかげで、ケース底部の膨れが防止でき、またビ
ードで集電板73をしっかりとケース60に固定できる
ので、耐振性が著しく高まる。
【0056】図7を参照して、本発明の第7の実施の形
態を説明する。以上説明した他の実施の形態との主な相
違点は、ケース60の底部64をケースの円筒状側壁部
分と分離して、底部64を側壁に溶接等の手段により密
閉的に固定することによってケース60が形成されてい
る点である。底部64は剛性の高い円板状に形成し、集
電板を兼ねる構造とする。同時に封口蓋体65も底部6
4と同様に剛性の高い円板状に形成し、集電板を兼ねた
構造とし、底部と同様に溶接等の手段によりケースの円
筒状側壁部分に密閉的に固定する。
【0057】このよう構成すると、正極集電板あるいは
負極集電板を高い剛性の円板とすることができ、電極の
充填効率を向上することができるので、単位体積当たり
の容量密度の高い電気二重層キャパシタを提供すること
が可能となる。また、封口蓋体65を溶接で密閉的にケ
ースに固定するので、密閉性を高くすることができる。
また、負極側の底部64、負極側端子構造、端子とケー
ス60との絶縁構造を、正極側の封口蓋体65、正極側
端子構造、端子とケース60の絶縁構造と同様なものと
することもできる。
【0058】本発明の実施の形態において使用する中空
または中実の巻き芯40の材質としては、電解液に対し
て耐腐食性があり、機械的強度が大きい材質が好まし
く、ポリエチレン、ポリプロピレン、尿素樹脂、ポリア
セタール、ポリ( メタ )アクリル、ナイロン樹脂、ポリ
イミド、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレンや
ポリフッ化ビニリデン等のフッ素樹脂等の樹脂でもよい
が、アルミニウム、アルミニウム合金、鋳鉄、ステンレ
ス鋼、銅、ニッケル、チタン、タンタル、モネル、ハス
テロイ等の金属が好ましく、特に軽量のアルミニウムが
好ましい。
【0059】図9に示すように巻き芯40は、金属製巻
き芯40の上部42は卷回素子50の正極電極体31a
に、同じく巻き芯40の下部41は負極電極体32aお
よび金属ケース60の底部62に、電気的に接続され得
る状態に置かれる。したがって、この場合は、短絡を防
止するため、巻き芯40を上部42および下部41に分
離して構成し、絶縁性材料で形成された絶縁連結具とし
ての巻き芯中部43で、この両者を絶縁的に結合してい
る。巻き芯の上部42と絶縁連結具43、および、巻き
芯の下部41と絶縁連結具43は、ねじ、および/また
は嵌合により強固に結合されていることが好ましい。絶
縁連結具43としては、耐熱性に優れた高強度の樹脂が
好ましく、例えば、ポリイミド樹脂、ポリパラフェニレ
ンスルフィド等が好ましい。このように巻き芯40の上
部42、下部41を金属製とすれば、卷回作業の際、巻
き芯40に大きな回転駆動力をかけることができる。
【0060】また図10に示すように、本発明の実施の
形態で使用する巻き芯40には、巻き芯40の周囲に中
心軸線方向に施されたスリット45を形成しておき、こ
のスリット45に帯状セパレータ33a等の端部を挿入
固定するか、セパレータ33aの端部を巻き芯40の表
面に直接接着等して固定することが好ましい。このよう
にすることにより、巻き芯40と巻回素子50とが一体
化され、巻回素子50が巻き芯40の回りを空回りする
ことが防止される。また、卷回素子50はしっかりと巻
き付けられ、正極電極体31、セパレータ33a、33
b、負極電極体32が摩擦力で一体的に円柱状の組立体
に構成されるので、正極集電板と負極集電板とで軸線方
向に挟まれて圧縮されても、電極体同士がずれてしまう
ことがなく、帯状部31ax、32axが、押しつぶさ
れて集電板に圧接される。
【0061】金属の巻き芯40を使用する場合は、巻回
素子50の最内周にセパレータ33aが配置されるよう
に巻回する。また、巻回素子50の最外周にもセパレー
タ33aあるいは33bが配置されるように帯状の電極
体31、32をセパレータ33a、33bを介して巻回
して巻回素子50を形成することが好ましい。
【0062】卷回素子50がケース60内に収納された
後に、電解液が供給され、ケース60の側面の上端で、
封口蓋体63により蓋をした後、封口蓋体63をかしめ
て封口により密封し、電気二重層キャパシタが形成され
る。巻き芯40には、注液用、あるいは注液の際のガス
抜き用として、図10に示すように、中心穴44を設け
てもよいし、巻き芯40の中心軸線方向に沿って、巻き
芯40の外周上に切り欠きを施してもよい。
【0063】集電板72、73の材料は、集電体31、
32を形成する材料と同じでよく、例えば、アルミニウ
ム、アルミニウム合金、鋳鉄、ステンレス鋼、銅、ニッ
ケル、チタン、タンタル、モネル、ハステロイ等が好適
に使用される。集電板72、73の形状は特に限定され
ないが、例えば円盤状の箔を剛性のある円板に貼り付け
たものであってもよいし、上記の材料で作られた剛性の
ある円板としてもよい。また円板に限らず、多角形板、
さらにそれらに複数の穴を開けたもの、周囲に複数の切
り欠きを設けたもの、典型的には十文字形状のものとす
るのが好ましい。その穴、切り欠きから電解液を注液し
卷回素子50に含浸させることができるし、電解液を注
液するときに、内部のガスを抜くこともできる。また注
液する前にケース60内のガスを真空ポンプで抜いてお
くと、さらに含浸が十分に行える。
【0064】本発明の実施の形態で使用する集電体31
a、32aとしては、電気化学的、化学的に耐蝕性のあ
る導電体であればよく、黒鉛、耐蝕性金属などが使用で
き、特に非水系電解液を用いる場合には、アルミニウ
ム、ステンレス鋼、ニッケル、タンタルなどの金属の箔
を用い、特にアルミニウム箔が好ましい。本発明では、
集電体が金属箔からなり、且つ厚みが10μm〜0.5
mm程度であることが好ましく、また、表面が粗面化さ
れていると電極層と集電体との密着性が高められるので
好ましい。
【0065】金属集電体31a、32aの両面には、そ
れぞれ電極層31b、31c、32b、32cを形成す
る。これら電極層は、活性炭粉末、ポリアセンなどの比
表面積の大きい炭素材料( 比表面積800〜3500
2 /g程度)を主成分とし、これに導電性物質とし
て、カーボンブラック、カーボンウィスカー等を、結合
剤としてポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニ
リデン、カルボキシメチルセルロース等を加え、アルコ
ール等の液体潤滑剤の存在下で混練し、ロール圧延等に
よりシート状に成形し、乾燥したものを、金属集電体の
両面に、熱圧着するか、導電性接着剤等を介して接合す
ることにより形成される。電極層の厚みに制限はない
が、通常、100〜500μm程度である。
【0066】なお、混練する代わりに、上記結合剤を溶
媒( 水、N−メチルピロリドン等 )に混合してスラリー
として、これを金属集電体の両表面に塗布・乾燥して電
極層を形成してもよい。
【0067】セパレータ33a、33bとしては、イオ
ンを透過する多孔質セパレータであればよく、微孔性ポ
リエチレンフィルム、微孔性ポリプロピレンフィルム、
ポリエチレン不織布、ポリプロピレン不織布、ガラス繊
維混抄不織布、ガラスマットフィルタ、セルロース系不
織布、レーヨン系不織布等が好適に使用できる。
【0068】卷回素子50をケース60に収納した後
に、電解液をケース60内に供給して電極体31、32
を電解液に浸漬せしめ、金属ケース60の上端を封口蓋
体63にかしめて、キャパシタとしてを密封することに
より電気二重層キャパシタが形成される。なお、かしめ
る場合、シリコンゴム、ブチルゴム、エチレン・プロピ
レンゴム、ポリプロピレン、等の絶縁体からなるガスケ
ットを用いることが好ましい。ここで電解液の供給は、
密封後に封口蓋体の供給孔から行ってもよい。
【0069】使用される電解液としては、公知のもので
よく、水溶液系のものとしては、硫酸水溶液、硫酸ナト
リウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウ
ム水溶液、水酸化アンモニウム水溶液、塩化カリウム水
溶液、炭酸カリウム水溶液等が挙げられる。
【0070】また、有機溶媒系のものとしては、一般式
1234+やR1234+( ここで、R1
2、R3、R4は同じでも異なっていてもよい炭素数1
〜6程度のアルキル基を示す)で表される、四級アンモ
ニウムイオンや四級ホスホニウムイオン等のBF4塩、
ClO4塩若しくはPF6塩、並びに、LiBF4、Li
ClO4、NaPF6若しくはLiPF6等の塩の、プロ
ピレンカーボネート、エチレンカーボネート、γ−ブチ
ロラクトン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、
スルホラン、1,2−ジメトキシエタン、ニトロメタ
ン、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ
エチルメチルカーボネート、ジメチルエチルカーボネー
ト等の一種以上の有機溶媒の溶液が好ましい。
【0071】ケース60の材料は、集電体31、32あ
るいは集電板72、73用の材料と同じでよいが、中で
もアルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼が適
している。特に、第1の実施の形態、第6の実施の形態
用としては、ビードの加工で破れにくい、またビードで
卷回素子50を抑える力を十分に確保できる材料がよ
く、ステンレス鋼が優れている。
【発明の効果】以上のように本発明によれば、円筒状卷
回素子の第1と第2の電極体の帯状部は卷回素子の反対
側の端面に位置するように卷回され、第1と第2の集電
板はそれぞれ第1と第2の電極体の帯状部に接触して集
電するように構成されているので、特にタブ状の集電リ
ードを必要とせず加工が容易で製造時間を短縮できる。
またタブ状の集電リードを収納する空間を必要としない
ので、単位体積当たりの容量密度の高い電気二重層キャ
パシタを提供することができる。また、巻き芯を利用す
ることにより、第1と第2の集電板の軸方向の相対的位
置を定めることができ、卷回素子と集電板との接触を良
好に維持することができる。
【0072】また第1と第2の集電板をそれぞれ第1と
第2の電極体の帯状部に圧接するときは、巻き芯により
圧接の圧力変動が抑えられ、ひいては圧接部の電気抵抗
の変動の少ない電気二重層キャパシタを提供することが
できる。
【0073】このように、本発明によれば、円筒型容器
への巻回素子の収容効率を高くでき、容積密度をあげる
ことができるので、本発明によれば、電気自動車等の駆
動用電源に適した、大容量かつ高出力の電気二重層キャ
パシタを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態である電気二重層キ
ャパシタの模式的断面図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態である電気二重層キ
ャパシタの模式的断面図である。
【図3】本発明の第3の実施の形態である電気二重層キ
ャパシタの模式的断面図である。
【図4】本発明の第4の実施の形態である電気二重層キ
ャパシタの模式的断面図である。
【図5】本発明の第5の実施の形態である電気二重層キ
ャパシタの模式的断面図である。
【図6】本発明の第6の実施の形態である電気二重層キ
ャパシタの模式的断面図である。
【図7】本発明の第7の実施の形態である電気二重層キ
ャパシタの模式的断面図である。
【図8】図1の電気二重層キャパシタの構造を詳細に示
す断面斜視図である。
【図9】本発明の実施の形態に用いて好適な巻き芯の一
例を示す斜視図である。
【図10】巻き芯へのセパレータの巻き付け方の一例、
及び巻き芯の中心穴と切り欠きを示す図である。
【図11】従来の電気二重層キャパシタの構造を示す断
面斜視図である。
【符号の説明】
31 正極電極体 31a 正極集電体 31b、31c 正極電極層 31ax 帯状部 32 負極電極体 32a 負極集電体 32b、32c 負極電極層 32ax 帯状部 33a、33b セパレータ 40 巻き芯 44 中心穴 44a、44b 横穴 48 巻き芯受け部材 50 卷回素子 60 ケース 61 ケース上端 62 ケース底蓋 63 封口蓋体 71 正極外部端子 72 正極集電板 73 負極集電板 76 ビード 81 角リング 82、83 パッキン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 穂積 由浩 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社内 (72)発明者 平塚 和也 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社内 (72)発明者 数原 学 神奈川県横浜市泉区領家3−22−11 (72)発明者 河里 健 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 帯状の集電体の少なくとも片面に、前記
    帯状の長手方向の一辺に沿った帯状部を残して電極層が
    形成されてなる第1の電極体と;帯状の集電体の少なく
    とも片面に、前記帯状の長手方向の一辺に沿った帯状部
    を残して電極層が形成されてなる第2の電極体と;前記
    第1の電極体と前記第2の電極体とを、それらの間に介
    在することにより電気的に絶縁する帯状のセパレータ
    と;前記第1の電極体と前記第2の電極体と前記セパレ
    ータとを重ねて卷回して筒状卷回素子を形成する、両端
    部を有する柱状の巻き芯と;前記第1の電極体の帯状部
    に接触して集電する第1の集電板と;前記第2の電極体
    の帯状部に接触して集電する第2の集電板とを備え;前
    記第1の電極体の帯状部と前記第2の電極体の帯状部と
    は、前記筒状卷回素子のそれぞれ反対側の端面に位置す
    るように卷回され;前記巻き芯の両端部は、それぞれ前
    記第1の集電板と前記第2の集電板とに直接的または間
    接的に接触して、前記第1の集電板と前記第2の集電板
    の軸方向の相対的位置を定めるように形成されており、
    且つ前記第1の集電板と前記第2の集電板とは電気的に
    絶縁していることを特徴とする;電気二重層キャパシ
    タ。
  2. 【請求項2】 前記第1の集電板と前記第2の集電板と
    は、それぞれ前記卷回された第1の電極体の帯状部と第
    2の電極体の帯状部とに圧接されていることを特徴とす
    る、請求項1に記載の電気二重層キャパシタ。
  3. 【請求項3】 前記卷回された第1の電極体の帯状部と
    第2の電極体の帯状部とは、前記柱状巻き芯の軸方向に
    向けて押しつぶされていることを特徴とする、請求項1
    または請求項2に記載の電気二重層キャパシタ。
  4. 【請求項4】 前記卷回素子を収納する、円筒形状のケ
    ースを備え;前記ケースは、前記円筒形状の一方の端面
    部に底蓋を、他方の端面部に封口蓋体を有し、前記卷回
    素子は前記底蓋と前記封口蓋体との間に収納され、前記
    卷回素子が、前記巻き芯を介して前記ケース内で固定さ
    れるように構成されていることを特徴とする、請求項1
    乃至請求項3のいずれか1項に記載の電気二重層キャパ
    シタ。
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