JP2000188236A

JP2000188236A - 電気二重層キャパシタ

Info

Publication number: JP2000188236A
Application number: JP36259698A
Authority: JP
Inventors: Tomonori Aoki; 智則青木; Makoto Inoue; 誠井上; Katsuharu Ikeda; 克治池田; Yoshihiro Hozumi; 由浩穂積
Original assignee: Asahi Glass Co Ltd
Current assignee: AGC Inc
Priority date: 1998-12-21
Filing date: 1998-12-21
Publication date: 2000-07-04

Abstract

(57)【要約】（修正有）【課題】製造時間が短く容量密度の高い電気二重層キ
ャパシタを提供する。【解決手段】帯状の集電体の少なくとも片面に、帯状
の長手方向の一辺に沿った帯状部３１ａｘを残して電極
層が形成されてなる第１の電極体と、同様に集電体帯状
部３２ａｘ、電極層を有する第２の電極体と、第１と第
２の電極体を重ねて卷回して円筒状卷回素子５０を形成
し、第１と第２の電極体とを電気的に絶縁する帯状のセ
パレータと、第１と第２の電極体から集電する集電板７
２、７３とを備え、帯状部３１ａｘ、３２ａｘは、卷回
素子５０のそれぞれ反対側の端面に位置するように卷回
され、第１と第２の集電板７２、７３は、それぞれ帯状
部３１ａｘ、３２ａｘに、卷回素子の軸方向に向けて圧
接され、かつ第１と第２の集電板７２、７３の少なくと
も一方の圧接される面に切り欠き又は孔が形成されてい
る構造。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、電気二重層キャパ
シタに関し、特に卷回された電極を有する電気二重層キ
ャパシタに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】最近、車に搭載して車を駆動する駆動用
電源等への適用を目的とする大容量、高出力の電気二重
層キャパシタが注目され、開発が進められている。

【０００３】従来、このような大電流を放電するのに適
する大型の電気二重層キャパシタの一つの構成として、
図６に示すような円筒型構造のものが用いられてきた。
これは、図示のように、一対の帯状の電極体、具体的に
は金属集電体の両面に、活性炭を主成分とする電極層を
形成した帯状の正極電極体２と負極電極体３とを、帯状
のセパレータ４、４’を介して巻回してなる巻回素子
を、有底円筒型の金属ケース５に収容し、電解液を含浸
させた後、正極電極体２および負極電極体３より引き出
された集電リード６、６’を、電気絶縁性の封口蓋体８
に設けられた電極端子９、９’にそれぞれ接続するとと
もに、該封口蓋体を、金属ケース５に嵌合したものであ
る。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】以上のような従来の電
気二重層キャパシタによれば、集電リードの加工が煩雑
で製造時間が長くならざるを得なかった。またケース内
に集電リードを収容する余分な空間が必要であり、その
分だけ卷回素子が小さくなることにより、ケース単位体
積当たりの容量密度が低くならざるを得なかった。そこ
で本発明は、製造時間が短く、また単位体積当たりの容
量密度の高い電気二重層キャパシタを提供することを目
的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項１に係る発明による電気二重層キャパシタ
は、図１〜図３に示すように、帯状の集電体３１ａの少
なくとも片面に、前記帯状の長手方向の一辺に沿った帯
状部３１ａｘを残して電極層３１ｂ、３１ｃが形成され
てなる第１の電極体３１と；帯状の集電体３２ａの少な
くとも片面に、前記帯状の長手方向の一辺に沿った帯状
部３２ａｘを残して電極層３２ｂ、３２ｃが形成されて
なる第２の電極体３２と；第１の電極体３１及び第２の
電極体３２と重ねて卷回されて筒状卷回素子５０を形成
し、第１の電極体３１と第２の電極体３２とを、それら
の間に介在することにより電気的に絶縁する帯状のセパ
レータ３３ａ、３３ｂと；第１の電極体３１から集電す
る第１の集電板７２と；第２の電極体３２から集電する
第２の集電板７３とを備え；第１の電極体３１の帯状部
３１ａｘと第２の電極体３２の帯状部３２ａｘとは、前
記形成される筒状卷回素子５０のそれぞれ反対側の端面
に位置するように卷回され；第１の集電板７２と第２の
集電板７３とは、それぞれ第１の電極体３１の帯状部３
１ａｘと第２の電極体３２の帯状部３２ａｘとに、筒状
卷回素子５０の軸方向に向けて圧接され、かつ第１の集
電板７２と第２の集電板７３との少なくとも一方の圧接
される面に切り欠きまたは孔が形成されている。ここで
筒状とは、典型的には円筒状である。

【０００６】さらに請求項２に記載のように、前記切り
欠きまたは孔は複数個備えられ、該複数の切り欠きまた
は孔は互いにほぼ同一形状を有し、且つ該複数の切り欠
きまたは孔は前記第１の集電板と第２の集電板のそれぞ
れの周辺に沿ってほぼ等配されるようにするのが好まし
い。

【０００７】ここで、切り欠きの形成された集電板は、
例えば切り欠きが集電板の周辺に沿って４個が等配さて
れている場合で、特に４個の（直角）二等辺三角形で、
頂点が集電板の中心に向いていれば、集電板の形状は十
文字形となる。複数の孔が形成されていれば、多孔板を
構成することになる。

【０００８】このように構成すれば、集電板は、筒状卷
回素子５０の軸方向に向けて圧接され、帯状部が折れ曲
がるようになるので、集電板と卷回素子の帯状部との接
触面積が広くとれ、かつ集電板の圧接される面に切り欠
きまたは孔が形成されているので、切り欠き等に対応す
る部分の帯状部は集電板に覆われていない。

【０００９】また請求項３に記載のように、請求項１ま
たは請求項２に記載の電気二重層キャパシタでは、第１
の集電板７２と第２の集電板７３の少なくとも１つが、
前記圧接面側に複数の突起を有しているのが好ましい。
突起は例えば針状突起７３ｘ（図４）である。このとき
は、突起が帯状部に食い込み集電板と卷回素子との電気
的接触が十分に確保できる。

【００１０】また請求項４に記載のように、請求項１乃
至請求項３のいずれか１項に記載の電気二重層キャパシ
タでは、第１の電極体３１と第２の電極体３２とセパレ
ータ３３ａ、３３ｂとを重ねて卷回して筒状卷回素子５
０を形成する、柱状の巻き芯４０を備え；巻き芯４０
は、柱状の長手方向に連通する切り欠き４６または孔４
４、４６（図５）を有するようにするのが好ましい。連
通する孔は、例えば柱状の中心に開けられた穴４４であ
る。

【００１１】このように構成すると、柱状の長手方向に
連通する切り欠きまたは孔を有するので、巻き芯の上端
と下端とを連通することができ、例えばここを通してガ
ス抜きができ、あるいは電解液を流すことができる。

【００１２】さらに請求項５に記載のように、請求項４
に記載の電気二重層キャパシタでは、卷回素子５０を収
納する、筒形状のケース６０を備え；ケース６０は、前
記筒形状の一方の端面部に底蓋６２を、他方の端面部に
封口蓋体６３を有し、卷回素子５０は底蓋６２と封口蓋
体６３との間に収納され、卷回素子５０が、巻き芯４０
を介してケース６０内で固定されるように構成するのが
好ましい。ここで、底蓋は筒形状をしたケースと一体で
あってもよいし（例えば深絞りで形成）、別体とし、例
えば溶接で接合して一体としてもよい。

【００１３】このときは、卷回素子が、巻き芯を介して
ケース内で固定されるので、固定性が高く、したがって
耐振性に優れた電気二重層キャパシタを提供できる。

【００１４】ここで圧接とは、例えば所定の圧力で押し
つけられて接触していることであり、典型的には集電板
７２、７３が押しつけられている部分に対応する帯状部
３１ａｘ、３２ａｘはつぶされる。また、帯状部３１ａ
ｘ、３２ａｘのつぶし方は、あらかじめ軸方向に向けて
つぶしておいてもよいし、集電板を押しつけることによ
って結果として帯状部がつぶれるようにしてもよいし、
集電板を押しつける前に帯状部にあらかじめ切り込みな
どを入れてつぶれやすくしておいてもよい。切り込みを
入れるのは、特に集電体にある程度の厚さがあり集電板
による圧接だけでは十分につぶれないとき等に有効であ
る。

【００１５】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照して説明する。なお、各図において互い
に同一あるいは相当する部材には同一符号あるいは類似
符号を付し、重複した説明は省略する。また以下の説明
で、上部、下部、或いは上端、下端等のように上下を付
けて呼ぶのは、図中に示された上下関係に便宜上基づい
ているものであり、実際の組立作業、使用に際して、左
右に置いたり或いは上下逆さにしてはいけないことを意
味するものではない。

【００１６】図１は、本発明による実施の形態である電
気二重層キャパシタの断面図である。なお、図２は図１
の実施の形態の卷回素子と集電板とを抜き出して、かつ
それらを分解した状態を示す斜視図で、図３は卷回素子
の構成を分かり易く示した断面斜視図である。適宜図１
〜図３とを参照しながら、第１の実施の形態を説明す
る。

【００１７】図３に示すように、卷回素子５０は、第１
の電極体である正極電極体３１と第２の電極体である負
極電極体３２とが、帯状のセパレータ３３ａ、３３ｂを
挟んで、重ねられて卷回され形成されている。正極電極
体３１は、帯状の集電体３１ａの一方の面に電極層３１
ｂが、他方の面に電極層３１ｃが、帯状の長手方向の一
辺である図中上方の辺に沿った帯状部３１ａｘを残して
形成され構成されている。負極電極体３２も全く同様
に、帯状の集電体３２ａに電極層３１ｂと電極層３１ｃ
とが、帯状の長手方向の一辺である図中下方の辺に沿っ
た帯状部３２ａｘを残して形成され構成されている。こ
こで正極電極体３１については、電極層３１ｂ、３１ｃ
は、帯状の集電体３１ａの表裏対応する領域にほぼ同一
幅で帯状に形成されている。負極電極体３２についても
同様である。

【００１８】正極の電極層３１ｂ、３１ｃの幅は、負極
の電極層３２ｂ、３２ｃの幅とほぼ同一である。またセ
パレータ３３ａ、３３ｂは、電極層３１ｂ、３１ｃ、３
２ｂ、３２ｃの幅よりも幾分大きめ、例えば電極体３１
ａ、３２ａとほぼ同じ幅に作られている。正極と負極の
電極体３１、３２とセパレータ３３ａ、３３ｂとを重ね
て卷回するときは、正極と負極の電極層同士が幅方向で
ほぼ重なり、さらにセパレータ３３ａ、３３ｂの長手方
向の中心線と、電極層３１ｂ、３１ｃ、３２ｂ、３２ｃ
の長手方向の中心線とがほぼ重なるように、また帯状部
３１ａｘと負極電極体３２の帯状部３２ａｘとは、幅方
向で前記中心線に関して反対側に位置するように巻かれ
る。このように卷回すると、セパレータ３３ａ、３３ｂ
が正極電極層と負極電極層とを完全にカバーし、卷回素
子として組み立てられたときに、正負の電極層同士が電
気的に絶縁されるように構成されることになる。

【００１９】このように、セパレータ３３ａ、正極電極
体３１、セパレータ３３ｂ、負極電極体３２の順番で重
ねた積層シートが卷回されて卷回素子が構成される。卷
回素子５０の中心には、巻き芯４０が巻き込まれている
（図１）。実際には、巻き芯４０の周りの最内周にセパ
レータ３３ａがくるように、上記積層シートを巻き付け
て卷回素子を形成する。なお、巻き芯４０、セパレータ
３３ａ、負極電極体３２、セパレータ３３ｂ、正極電極
体３１の順番でもよい。

【００２０】また図３では、最内周にセパレータ、正極
電極体が巻かれ、最外周にも正極電極体、セパレータが
巻かれるように描かれているが、最外周は負極電極体、
セパレータとしてもよい。

【００２１】卷回素子５０の基本的な構成は別の言い方
をすると、帯状の正極集電体３１ａ及び負極集電体３２
ａの２極集電体を、それぞれの電極層どうしが重なるよ
うにして、お互いに上下方向にずらしたものに、セパレ
ータ３３ａ、３３ｂを挟み込み円筒状に巻き取って構成
したものである。ここで、正極は上部に負極は下部につ
ぶし代としての帯状部３１ａｘ、３２ａｘを突出させ、
円筒状に巻き取る。

【００２２】卷回素子５０は、全体として円筒形に形成
される、巻き芯４０と卷回素子５０との組立体は、有底
の円筒形ケース６０に収納される。

【００２３】また、正極電極体３１の帯状部３１ａｘに
圧接して集電する第１の集電板である円板状の正極集電
板７２が、その片面を巻き芯４０の上端４０ａに接触さ
せて、巻き芯４０にほぼ直交するように取り付けられて
いる。ここで圧接とは、押しつけ接していることをい
う。正極集電板７２は、卷回素子５０において正極電極
体３１の帯状部３１ａｘに押しつけられ、押しつけられ
た部分の帯状部３１ａｘは巻き芯の方向にむけて押しつ
ぶされる。

【００２４】負極電極体３２の帯状部３２ａｘは、有底
の円筒形ケース６０の底部６２の近傍に設けられる集電
板７３に圧接されて組み立てられる。巻き芯４０の上端
４０ａの反対側の端である下端４７ａを含む下部は、集
電板７３のほぼ中心に開けられた穴に嵌合しており、集
電板７３は、底部６２近傍でケース６０に固定されてい
る。なお、巻き芯４０の下部は、集電板７３に嵌合させ
ることなく、ねじや溶接で固定してもよい。

【００２５】このように、上下に突出したつぶし代とし
ての帯状部３１ａｘ、帯状部３２ａｘを、集電板７２及
集電板７３とに押しつけ、一定量を潰し、接触させる。
集電板７２はケース６０に、後述のように絶縁体を介し
て固定され、したがってケース６０とは電気的に絶縁さ
れ、一方、集電板７３はケース６０に物理的に且つ電気
的に固定される。したがって、正極の端子は封口蓋体６
３上部に取り出され、負極端子はケース６０でとる形式
となる。これにより、電気二重層キャパシタの直列接続
が可能となる。

【００２６】巻き芯４０は、上端４０ａを有し、下部に
は巻き芯下部絶縁部材４７を有して、全体として円筒形
に形成された柱状部材である。巻き芯４０の、巻き芯下
部絶縁部材４７を除く本体部分は金属製である。図中、
柱状の下端部が下端４７ａであり、上端部が上端４０ａ
である。

【００２７】以上説明したように、正極電極体３１の帯
状部３１ａｘと負極電極体３２の帯状部３２ａｘとは、
円筒状卷回素子５０のそれぞれ反対側の端面（図中上端
と下端）に位置するように卷回されている。

【００２８】また、巻き芯４０の両端部４０ａ、４７ａ
は、それぞれ正極集電板７２と、負極集電板７３とに圧
接または嵌合され接触して組み立てられる。したがって
巻き芯４０は、正極集電板７２と負極集電板６２の軸方
向の相対的位置を定めるように機能し、また巻き芯４０
が集電板７２、７３に固定され、集電板７２、７３がケ
ース６０に固定される結果、卷回素子５０は巻き芯４０
を介してケース６０に固定される。また巻き芯４０は、
巻き芯下部絶縁部材４７を備えるので、正極集電板７２
と負極集電板７３とが、巻き芯４０を介して電気的に導
通することがない。

【００２９】図中上方、即ち巻き芯４０の上端部の、正
極電極板７２を挟んで反対側には円柱状の正極端子部材
７４が、その中心軸線を巻き芯４０の中心軸線とほぼ一
致させて設けられている。正極集電板７２には巻き芯４
０を差し込む穴が開けられており、その穴には途中に段
が付いており、その段に巻き芯４０の上端４０ａが当接
する。正極端子部材７４の下部には、雄ねじが切られて
おり、一方巻き芯４０の上部には、その雄ねじと相補関
係にある雌ねじが切られている。その雄ねじを正極集電
板７２の前記穴に差し込み、雌雄のねじを螺合すること
により、巻き芯４０、正極電極板７２を一体に組み立て
ることができる。

【００３０】さらに図中、正極端子部材７４の上端部に
は、円板状の封口蓋体６３があり、これを挟んで、図中
上方には正極外部端子７１が設けられている。やはり、
正極端子部材７４と正極外部端子７１とには、相補的関
係にある雄ねじと雌ねじが切ってあり、両者を螺合する
ことにより、両者の間に封口蓋体６３を挟んで固定す
る。

【００３１】以上のように構成された、負極集電板７
３、巻き芯４０、卷回素子５０、正極集電板７２、正極
端子部材７４、封口蓋体６３、正極外部端子７１を含む
組立体は、金属ケース６０の中に収納される。ここで、
正極集電板７２の外径は、ケース６０の内径より幾分か
小さく形成されており、両者の隙間には、その隙間のほ
ぼ半分の厚さを有する、断面がＬ字状の絶縁材で作られ
たリング状のパッキン８３が挟まれて、両者を電気的に
絶縁している。

【００３２】また円板状の封口蓋体６３の外径は、ケー
ス６０の内径より幾分か小さく形成されており、両者の
隙間には、その隙間のほぼ半分の厚さを有する、断面が
Ｌ字状の絶縁材で作られたリング状のパッキン８２が挟
まれて、両者を電気的に絶縁している。また、パッキン
８２の上方、ケース６０の外方には、シール部材として
の断面が矩形の角リング８１がセットされている。円筒
状ケース６０の底部６２と反対側の開口部、ケース上端
６１は、封口蓋体６３に向けて内側に巻き込まれて、シ
ール部材としての角リング８１にかぶせられ、ケース６
０の端部と角リング８１との間にシールが形成される。
また、かぶさったケース６０の端部６１が角リング８１
を介して封口蓋体６３を押し下げることになり、正極端
子部材７４、正極集電板７２を介して、卷回素子５０を
負極集電板７３あるいは底部６２との間に挟み込み、卷
回素子５０をケース６０中に固定する。

【００３３】ケース６０は、集電板７２の僅かに上方
で、ケース６０の外周をビード状に内側方向に絞り、パ
ッキン８３を介して集電板７２を、底部６２の方向に向
けて押し込むように組み立てる。このビード７６により
集電板７２が底部６２の方向に向けて押し込まれ、それ
に伴い、卷回素子５０が集電板７２と集電板７３あるい
は底部６２との間に挟み込まれて、帯状部３１ａｘと３
２ａｘとが圧縮される。このようにして、卷回素子５０
の端面に集電板が圧接される。巻き芯４０を設けずに、
卷回素子５０に集電板７２、７３を圧接してもよいが、
巻き芯４０を設けるのが好ましい。

【００３４】巻き芯４０を設けると、巻き芯４０は、集
電板７２と集電板７３あるいは底板６２との、軸線方向
のストッパーとして機能し、卷回素子５０の圧接量を一
定に保持する。したがって、帯状部３１ａｘ、３２ａｘ
のつぶし量を所望の値にできる他、集電板７２、７３と
卷回素子５０との圧接圧力が一定に維持できるので、使
用時の電気抵抗の変動を防止できる。

【００３５】図１には、集電板として正極集電板７２と
負極集電板７３とを使った例を示したが、負極集電板７
３を省き、底板６２を負極集電板として用いてもよい。

【００３６】なお、帯状部３１ａｘと３２ａｘとは、集
電板７２あるいは底板６２に接触させる前に卷回素子５
０の軸線方向に向けて圧縮して、卷回素子５０の両端部
に集電用のつぶし部を設け、このつぶし部を集電板に圧
接することで電気を取り出すようにしてもよいし、集電
板７２、集電板７３あるいは底板６２と組み立てること
により、結果的に押しつぶされ、つぶし部が形成される
ようにしてもよい。

【００３７】このように構成すると、従来のリード方式
に比べて、いわばリードレス（タブレス）であるので、
リード部の占めるスペースを削除することができ、内部
の電極充填率を向上することができ、容量密度が高めら
れる。また、集電の際には面積を広くとれる集電板全体
から集電することができるため、電気的内部抵抗を抑え
ることができる。したがって高出力に対応しやすい。

【００３８】またビード７６は集電板７２を押し下げる
ことになり、卷回素子５０を集電板７３あるいは底部６
２との間に挟み込み、卷回素子５０をケース６０中に固
定する効果も有する。なお、通常はこのビード７６の絞
り込みは、ケース６０の封口蓋体６３への巻き込みの前
に行う。

【００３９】図２を参照して卷回素子５０と集電板７
２、７３についてさらに詳しく説明する。卷回素子５０
は、図３を参照して説明したように、ほぼ円筒状に卷回
されて構成されている。円筒の両端には、それぞれ帯状
部３１ａｘと帯状部３２ａｘとが、電極層３１ｂ、３１
ｃ、３２ｂ、３２ｃを巻き付けた部分から、突出してい
る。この部分に集電板７２と集電板７３とを圧接する。
なお本図は電極体と十文字形状の集電板との関係を示す
目的で模式的に描かれている。則ち、正極電極体３１、
負極電極体３２、セパレータ３３ａ、３３ｂが、それぞ
れ個別に同心円を形成しているようになっているが、実
際はこれら帯状の部材が渦巻き状に巻かれて形成されて
いる。

【００４０】電極板７２、７３は、十文字形状に形成さ
れている。即ち、円板の周辺に沿って４個のほぼ同一形
状の切り欠きが等間隔で配置されている。切り欠きは、
ほぼ直角三角形であり、その直角三角形の頂角が前記円
板の中心に向いている。ここで集電板７２の周縁部は、
円弧形状（切り欠く前の円板の一部）をしており、図１
に示すようにリング状のパッキン８３を介してケース６
０に固定できるようになっている。また、集電板７３の
周縁部には、集電板７３の厚さ方向に平行にローレット
（複数の溝、峰の組合せ）が施されている。その集電板
７３の外径（ローレットの山の部分）は、ケース６０の
内径よりも僅かに大きく形成してある。あるいはケース
６０の、集電板７３が最後に納まる部分の内径のみを、
集電板７３の外径よりも僅かに小さく形成しておいても
よい。ローレットのおかげで、集電板７３はケース６０
に挿入し易く、またケース６０にしっかりと固定でき
る。

【００４１】集電板７２、７３には、切り欠きが形成さ
れているので、そこに対応する卷回素子５０の帯状部３
１ａｘ、３２ａｘはつぶされずに突出したまま残すこと
ができる。

【００４２】以上のようにして構成された集電板と卷回
素子の組立体をケース６０に収納した後に電解液を注入
する。ここでは、封口蓋体に注液口を設けて該注液口か
ら注液する。集電板７２には切り欠きが設けられている
ので、この注液性が確保される。即ち、切り欠き部に対
応する、つぶされずに残された帯状部３１ａｘ、３２ａ
ｘ部分を通して、十分な注液が可能であり、また注液時
間が短縮できる。

【００４３】図２に示す実施の形態では、切り欠きは４
箇所としたが、例えば２箇所、３箇所、或いは５箇所以
上であってもよい。なかでも４箇所の場合は、５箇所以
上とした場合と比べて集電板の集電部分の幅が十分とれ
る上に、３箇所以下の場合と比べて、つぶされずに残さ
れる帯状部３１ａｘ、３２ａｘの面積を十分にとること
もでき注液性の確保の点から都合がよい。また加工も容
易である。さらに切り欠きまたは孔をほぼ同一形状、少
なくともほぼ同一面積とすれば，注液が卷回素子全体に
均一に行き渡るようにできる。

【００４４】また巻き芯４０には、中心穴４４と、中心
穴４４に連通する、卷回素子５０の本体部から突出した
巻き芯部分の上部と下部とに設けられた横穴４４ａ、４
４ｂが備えられている（図１）。注液口からケース内部
に注がれた電解液は、集電板７２の切り欠き部分を通っ
て、つぶされずに残される帯状部３１ａｘ部分を通過し
て、卷回素子５０の電極層部分を満たして、つぶされず
に残される帯状部３２ａｘ部分を通過して、集電板７３
の切り欠き部を通して、さらに巻き芯４０の下部の横穴
４４ｂ、中心穴４４、上部の横穴４４ａを通して上に抜
けることにより、あるいは逆に上部横穴４４ａ、中心穴
４４、下部横穴４４ｂから注液され、卷回素子５０を満
たして、集電板７２の切り欠きから抜けることにより、
卷回素子５０への含浸が確保される。ここでは、卷回素
子５０は、ケース６０に収納した後に電解液を含浸させ
るようにしたが、あらかじめ卷回素子５０に電解液を含
浸させておいてからケース６０に収容してもよい。

【００４５】このように構成すると、卷回素子がタブレ
ス構造であるために縦方向のスペースが省略でき、電気
二重層キャパシタの単位体積当たりの容量密度を高める
ことができる。また、集電板を卷回素子に圧接するの
で、集電板と卷回素子の接触面積が十分にとれるため低
抵抗化でき、単に圧接するだけですむので、組立も容易
である。

【００４６】集電板７３のケース６０への固定は、ロー
レットをケース６０の内周に嵌合させる方法の他、集電
板７３をケース６０にセットした後に、集電板７３の外
周に対応するケース６０の部分を外側から絞る方法、あ
るいは集電板７３の僅かに上部（円筒状ケースの中心線
方向の上部）でケース６０をビードを形成するように絞
る方法をとってもよい。ビードを形成して集電板７３を
固定する場合は、集電板７３の外周にはローレットを切
らなくてもよい。

【００４７】図４を参照して、集電板７２、７３の別の
形態を説明する。図には、特に集電板７３の場合を示し
てある。図４（ａ）の例では、集電板７３ａの卷回素子
５０に圧接する側に突起である複数の針７３ｘが設けら
れている。突起７３ｘは、花器の剣山の針と同様なもの
であり、長さは帯状部３２ａｘの幅よりも短く、例えば
その幅の半分の長さである。また、集電板７３ａは十文
字形状に形成されている。十文字の中心には、巻き芯４
０を挿入する穴が開けられている。

【００４８】この針を卷回素子５０の帯状部３２ａｘに
押しつけて圧接、接触させると、複数の針の長さ方向の
接触も期待できるので、接触面積を十分に確保すること
ができる。またつぶし部に食い込ませることにより、接
触圧力が多少劣化しても接触面積の減少を抑えることが
できる。針の長さは、集電板７３ａを卷回素子５０と組
み立てたときには、つぶし部に食い込むが、食い込みす
ぎて反対の極である負極と接触することがないような長
さとする。正極側の集電板７２に針を設ける場合も全く
同様である。

【００４９】剣山は卷回素子５０に圧力をかけて押しつ
けてもよいし、殆ど圧力をかけずただ押し込むだけでも
よい。

【００５０】図４（ｂ）に、集電板の別の形態７３ｂを
示す。この集電板７３ｂは、円板の中心には、巻き芯４
０を挿入する穴が開けられており、その周囲には、円板
状の集電板の周辺に沿って、４個の穴が等間隔に配置さ
れ開けられている。この穴が、先に説明した十文字形状
の集電板の切り欠きと同様な作用を奏する。この穴によ
り、電解液の注液性が確保できる。穴の大きさは、集電
板７３ｂと帯状部３２ａｘとの圧接面積と、電解液の注
液性とのバランスに基づいて決定される。集電板７３ｂ
の外周部にローレットを切れば、十文字形状の集電板と
同様にケース６０への挿入、固定が確保できる。しかし
ながら、ケース６０を外部から絞って固定する場合、ビ
ードで固定する場合は、必ずしもローレットを施す必要
はない。上部集電板についても同様である。もちろん、
図４（ｂ）のような多孔板に（ａ）に示すような突起を
設けてもよい。

【００５１】集電板７３は、封口時のケース６０の巻き
込みによる押しつけ圧で、底部６２に押しつけられ、負
極側の電気の導通を確保するようにしてもよい。

【００５２】巻き芯４０の固定、ひいては卷回素子５０
の固定は、ケース６０の底部６２に巻き芯あるいは巻き
芯を受容する受け部材を溶接することによってしてもよ
いし、底部６２のほぼ中心に穴を開け、その穴に頭付の
雄ネジを挿入し、一方巻き芯４０の下部には、前記雄ネ
ジと相補関係にある雌ねじを切っておき、前記雄ねじを
巻き芯４０の雌ねじに螺合することにより、巻き芯４０
をケース６０に固定するようにしてもよい。その場合
は、前記雄ねじを電源取り出し用の端子としてもよい。
なお雄ねじとケース６０との間のシール性が十分に確保
できる構造とする。

【００５３】ケース６０は、その底部近傍の側面の内径
を集電板７３の外径より若干小さく形成し、底部から離
れた部分の内径を集電板７３の外径よりも若干大きく形
成すると、集電板７３のケース６０への組み込みが楽
で、且つ両者の固定が強固になる。ケース６０の内径を
一定とし、集電板７３を組み込んだ後に、ケース６０の
外周部をかしめて集電板７３を固定してもよい。

【００５４】なお、封口蓋体６３には、電解液を注入す
る注液口が開設されている。注液口は、電解液を注入し
た後にプラスチック、ゴム、接着剤等で封口される。

【００５５】またケース６０の底部に設ける集電板７３
を十分な剛性を備えるものとすれば、卷回素子５０から
の圧接力は、集電板７３によって受容され、結局ケース
６０の側面に伝達されるので、ケースの底部６２で直接
その力を受ける場合と異なり、ケース６０の底の膨れを
防止できる。ひいては、集電板による卷回素子５０への
圧接圧力の変動を抑えることができる。また例えばガス
の発生等により内部圧力が上昇して、ケース６０の底の
膨れが生じたとしても、底膨れによる接触抵抗のバラツ
キを防止できる。

【００５６】本発明の実施の形態において使用する中空
または中実の巻き芯４０の材質としては、電解液に対し
て耐腐食性があり、機械的強度が大きい材質が好まし
く、ポリエチレン、ポリプロピレン、尿素樹脂、ポリア
セタール、ポリ( メタ )アクリル、ナイロン樹脂、ポリ
イミド、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレンや
ポリフッ化ビニリデン等のフッ素樹脂等の樹脂でもよい
が、アルミニウム、アルミニウム合金、鋳鉄、ステンレ
ス鋼、銅、ニッケル、チタン、タンタル、モネル、ハス
テロイ等の金属が好ましく、特に軽量のアルミニウムが
好ましい。

【００５７】巻き芯４０は、卷回作業の際巻き芯４０に
大きな回転駆動力をかけることができるように、主とし
て金属製とするが、両電極間の短絡を防止するため、一
部を絶縁材料で形成する。絶縁材料としては、耐熱性に
優れた高強度の樹脂が好ましく、例えば、ポリイミド樹
脂、ポリパラフェニレンスルフィド等が好ましい。

【００５８】図５を参照して、本発明の実施の形態で使
用する巻き芯４０を説明する。巻き芯４０の周囲に中心
軸線方向に施されたスリット４５を形成しておき、この
スリット４５に帯状セパレータ３３ａ等の端部を挿入固
定するか、セパレータ３３ａの端部を巻き芯４０の表面
に直接接着等して固定することが好ましい。このように
することにより、巻き芯４０と巻回素子５０とが一体化
され、巻回素子５０が巻き芯４０の回りを空回りするこ
とが防止される。また、卷回素子５０はしっかりと巻き
付けられ、正極電極体３１、セパレータ３３ａ、３３
ｂ、負極電極体３２が摩擦力で一体的に円柱状の組立体
に構成されるので、正極集電板と負極集電板とで軸線方
向に挟まれて圧縮されても、電極体同士がずれてしまう
ことがなく、帯状部３１ａｘ、３２ａｘが、押しつぶさ
れて集電板に圧接される。

【００５９】金属の巻き芯４０を使用する場合は、巻回
素子５０の最内周にセパレータ３３ａが配置されるよう
に巻回する。また、巻回素子５０の最外周にもセパレー
タ３３ａあるいは３３ｂが配置されるように帯状の電極
体３１、３２をセパレータ３３ａ、３３ｂを介して巻回
して巻回素子５０を形成することが好ましい。

【００６０】卷回素子５０がケース６０内に収納された
後に、電解液が供給され、ケース６０の側面の上端で、
封口蓋体６３により蓋をした後、封口蓋体６３をかしめ
て封口により密封し、電気二重層キャパシタが形成され
る。巻き芯４０には、注液用、あるいは注液の際のガス
抜き用として、図５に示すように、中心穴４４を設けて
もよいし、巻き芯４０の中心軸線方向に沿って、巻き芯
４０の外周上に切り欠き４６を施してもよい。

【００６１】なお、巻き芯４０の絶縁部は、図１に示す
ように巻き芯の下端に設けられていてもよいし、巻き芯
の中央部に設けられていてもよい。

【００６２】集電板７２、７３の材料は、集電体３１、
３２を形成する材料と同じでよく、例えば、アルミニウ
ム、アルミニウム合金、鋳鉄、ステンレス鋼、銅、ニッ
ケル、チタン、タンタル、モネル、ハステロイ等が好適
に使用される。集電板７２、７３の形状は特に限定され
ないが、例えば円盤状の箔を剛性のある円板に貼り付け
たものであってもよいし、上記の材料で作られた剛性の
ある円板としてもよい。また円板に限らず、多角形板と
してもよく、それらに複数の穴を開け、または周囲に複
数の切り欠きを設け、例えば十文字形状のものとするの
が好ましい。その穴、切り欠きから電解液を注液し卷回
素子５０に含浸させることができるし、電解液を注液す
るときに、内部のガスを抜くこともできる。また注液す
る前にケース６０内のガスを真空ポンプで抜いておく
と、さらに含浸が十分に行える。

【００６３】本発明の実施の形態で使用する集電体３１
ａ、３２ａとしては、電気化学的、化学的に耐蝕性のあ
る導電体であればよく、黒鉛、耐蝕性金属などが使用で
き、特に非水系電解液を用いる場合には、アルミニウ
ム、ステンレス鋼、ニッケル、タンタルなどの金属の箔
を用い、特にアルミニウム箔が好ましい。本発明では、
集電体が金属箔からなり、且つ厚みが１０μｍ〜０．５
ｍｍ程度であることが好ましく、また、表面が粗面化さ
れていると電極層と集電体との密着性が高められるので
好ましい。

【００６４】金属集電体３１ａ、３２ａの両面には、そ
れぞれ電極層３１ｂ、３１ｃ、３２ｂ、３２ｃを形成す
る。これら電極層は、活性炭粉末、ポリアセンなどの比
表面積の大きい炭素材料（比表面積８００〜３５００
ｍ²／ｇ程度）を主成分とし、これに導電性物質とし
て、カーボンブラック、カーボンウィスカー等を、結合
剤としてポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニ
リデン、カルボキシメチルセルロース等を加え、アルコ
ール等の液体潤滑剤の存在下で混練し、ロール圧延等に
よりシート状に成形し、乾燥したものを、金属集電体の
両面に、熱圧着するか、導電性接着剤等を介して接合す
ることにより形成される。電極層の厚みに制限はない
が、通常、１００〜５００μｍ程度である。

【００６５】なお、混練する代わりに、上記結合剤を溶
媒( 水、Ｎ−メチルピロリドン等 )に混合してスラリー
として、これを金属集電体の両表面に塗布・乾燥して電
極層を形成してもよい。

【００６６】セパレータ３３ａ、３３ｂとしては、イオ
ンを透過する多孔質セパレータであればよく、微孔性ポ
リエチレンフィルム、微孔性ポリプロピレンフィルム、
ポリエチレン不織布、ポリプロピレン不織布、ガラス繊
維混抄不織布、ガラスマットフィルタ、セルロース系不
織布、レーヨン系不織布等が好適に使用できる。

【００６７】卷回素子５０をケース６０に収納した後
に、電解液をケース６０内に供給して電極体３１、３２
を電解液に浸漬せしめ、金属ケース６０の上端を封口蓋
体６３にかしめて、密封することにより電気二重層キャ
パシタが形成される。なお、かしめる場合、シリコンゴ
ム、ブチルゴム、エチレン・プロピレンゴム、ポリプロ
ピレン、等の絶縁体からなるガスケットを用いることが
好ましい。ここで電解液の供給は、密封後に封口蓋体の
供給孔から行ってもよい。

【００６８】使用される電解液としては、公知のもので
よく、水溶液系のものとしては、硫酸水溶液、硫酸ナト
リウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウ
ム水溶液、水酸化アンモニウム水溶液、塩化カリウム水
溶液、炭酸カリウム水溶液等が挙げられる。

【００６９】また、有機溶媒系のものとしては、一般式
Ｒ¹Ｒ²Ｒ³Ｒ⁴Ｎ⁺やＲ¹Ｒ²Ｒ³Ｒ⁴Ｐ⁺
( ここで、Ｒ¹、Ｒ²、Ｒ³、Ｒ⁴は同じでも異なっていて
もよい炭素数１〜６程度のアルキル基を示す）で表され
る、四級アンモニウムイオンや四級ホスホニウムイオン
等のＢＦ₄塩、ＣｌＯ₄塩若しくはＰＦ₆塩、並びに、Ｌ
ｉＢＦ₄、ＬｉＣｌＯ₄、ＮａＰＦ₆若しくはＬｉＰＦ₆等
の塩の、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネー
ト、γ−ブチロラクトン、アセトニトリル、ジメチルホ
ルムアミド、スルホラン、１，２−ジメトキシエタン、
ニトロメタン、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボ
ネート、ジエチルメチルカーボネート、ジメチルエチル
カーボネート等の一種以上の有機溶媒の溶液が好まし
い。

【００７０】ケース６０の材料は、集電体３１、３２あ
るいは集電板７２、７３用の材料と同じでよいが、中で
もアルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼が適
している。特に、第１の実施の形態、第６の実施の形態
用としては、ビードの加工で破れにくい、またビードで
卷回素子５０を抑える力を十分に確保できる材料がよ
く、ステンレス鋼が優れている。

【００７１】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、円筒状卷
回素子の第１と第２の電極体の帯状部は卷回素子の反対
側の端面に位置するように卷回され、第１と第２の集電
板はそれぞれ第１と第２の電極体の帯状部に圧接される
ので、集電板と卷回素子との接触面積が広くとれるし、
タブ状の集電リードを必要とせず加工が容易で製造時間
を短縮できる。またタブ状の集電リードを収納する空間
を必要としないので、単位体積当たりの容量密度の高い
電気二重層キャパシタを提供することができる。また第
１と第２の集電板の少なくとも一方の圧接される面に切
り欠きまたは孔が形成されているので、切り欠き等に対
応する部分の帯状部を集電板が覆うことがなく、例えば
電解液の注液性が向上させることが可能となる。

【００７２】このように、本発明によれば、円筒型容器
への巻回素子の収容効率を高くでき、容積密度をあげる
ことができるので、本発明によれば、電気自動車等の駆
動用電源に適した、製造容易な大容量かつ高出力の電気
二重層キャパシタを提供することが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態である電気二重層キャパシ
タの模式的断面図である。

【図２】図１の電気二重層キャパシタの卷回素子と集電
板を抽出して示した斜視図である。

【図３】卷回素子の構造を示す斜視図である。

【図４】集電板の別の形態を示す斜視図である。

【図５】巻き芯の例を示す斜視図である。

【図６】従来の電気二重層キャパシタの構造を示す断面
斜視図である。

【符号の説明】

３１正極電極体３１ａ正極集電体３１ｂ、３１ｃ正極電極層３１ａｘ帯状部３２負極電極体３２ａ負極集電体３２ｂ、３２ｃ負極電極層３２ａｘ帯状部３３ａ、３３ｂセパレータ４０巻き芯４４中心穴４４ａ、４４ｂ横穴５０卷回素子６０ケース６１ケース上端６２ケース底蓋６３封口蓋体７１正極外部端子７２正極集電板７３負極集電板７６ビード８１角リング８２、８３パッキン

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者池田克治神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地旭硝子株式会社内 (72)発明者穂積由浩神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地旭硝子株式会社内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】帯状の集電体の少なくとも片面に、前記
帯状の長手方向の一辺に沿った帯状部を残して電極層が
形成されてなる第１の電極体と；帯状の集電体の少なく
とも片面に、前記帯状の長手方向の一辺に沿った帯状部
を残して電極層が形成されてなる第２の電極体と；前記
第１の電極体及び前記第２の電極体と重ねて卷回されて
筒状卷回素子を形成し、前記第１の電極体と前記第２の
電極体とを、それらの間に介在することにより電気的に
絶縁する帯状のセパレータと；前記第１の電極体から集
電する第１の集電板と；前記第２の電極体から集電する
第２の集電板とを備え；前記第１の電極体の帯状部と前
記第２の電極体の帯状部とは、前記形成される筒状卷回
素子のそれぞれ反対側の端面に位置するように卷回さ
れ；前記第１の集電板と前記第２の集電板とは、それぞ
れ前記第１の電極体の帯状部と前記第２の電極体の帯状
部とに、前記筒状卷回素子の軸方向に向けて圧接され、
かつ前記第１の集電板と前記第２の集電板との少なくと
も一方の圧接される面に切り欠きまたは孔が形成されて
いることを特徴とする；電気二重層キャパシタ。
【請求項２】前記切り欠きまたは孔は複数個備えら
れ、該複数の切り欠きまたは孔は互いにほぼ同一形状を
有し、且つ該複数の切り欠きまたは孔は前記第１の集電
板と第２の集電板のそれぞれの周辺に沿ってほぼ等配さ
れていることを特徴とする、請求項１に記載の電気二重
層キャパシタ。
【請求項３】前記第１の集電板と前記第２の集電板の
少なくとも１つが、前記圧接面側に複数の突起を有して
いる、請求項１または請求項２に記載の電気二重層キャ
パシタ。
【請求項４】前記第１の電極体と前記第２の電極体と
前記セパレータとを重ねて卷回して筒状卷回素子を形成
する、柱状の巻き芯を備え；前記巻き芯は、柱状の長手
方向に連通する切り欠きまたは孔を有することを特徴と
する、請求項１乃至請求項３のいずれか１項に記載の電
気二重層キャパシタ。
【請求項５】前記卷回素子を収納する、筒形状のケー
スを備え；前記ケースは、前記筒形状の一方の端面部に
底蓋を、他方の端面部に封口蓋体を有し、前記卷回素子
は前記底蓋と前記封口蓋体との間に収納され、前記卷回
素子が、前記巻き芯を介して前記ケース内で固定される
ように構成されていることを特徴とする、請求項４に記
載の電気二重層キャパシタ。