JPH1124221A - ハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料

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JPH1124221A
JPH1124221A JP18235297A JP18235297A JPH1124221A JP H1124221 A JPH1124221 A JP H1124221A JP 18235297 A JP18235297 A JP 18235297A JP 18235297 A JP18235297 A JP 18235297A JP H1124221 A JPH1124221 A JP H1124221A
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silver halide
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JP18235297A
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Takeshi Hakii
健 波木井
Hiroshi Kita
弘志 北
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カプラーの発色性、形成される色素画像の光
堅牢性に優れ、更に該色素画像の不要な副吸収が少なく
色再現性、特に肌色調子再現性に優れたハロゲン化銀写
真感光材料を提供する 【解決手段】 一般式(G−I)で表されるグリセリン
誘導体の少なくとも1種を含有することを特徴とするハ
ロゲン化銀写真感光材料。 一般式(G−I) R1O−CH(CH2OH)2 式中、R1は脂肪族基又は芳香族基を表し、該脂肪族基
及び芳香族基は、更に置換基を有してもよい。尚、グリ
セリン誘導体が特定の混合物であることは好ましい態様
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はハロゲン化銀写真感
光材料に関し、詳しくは発色性と光堅牢性に優れ、かつ
不要の副吸収が少なく色再現性が良好なハロゲン化銀写
真感光材料に関する。
【0002】
【従来の技術】ハロゲン化銀写真感光材料(以下、「感
光材料」ともいう)のマゼンタカプラーにピラゾロアゾ
ール系マゼンタカプラーを用いると、従来の5−ピラゾ
ロン系マゼンタカプラーに比べ、発色現像処理により4
30nm付近の副吸収が少ないアゾメチン色素が形成さ
れ、色再現性を向上させることは、米国特許3,72
5,067号、同3,810,761号等で知られてい
る。
【0003】しかしながら、ピラゾロアゾール系マゼン
タカプラーには、発色性が低い、又、形成色素の光堅牢
性に劣るなどの欠点を有していた。
【0004】カプラーの発色性を向上させる手段とし
て、グリセリン誘導体を高沸点溶媒として用いる技術
が、特開昭63−11935号及び特開平7−8435
0号等に開示されているが、該特許に記載の化合物を高
沸点溶媒として用いた場合、確かに発色性は向上するも
のの、色素画像の光堅牢性が十分でなかったり、高温・
高湿条件下で保存した場合に色素画像が滲んでしまう等
の問題があることが判った。又、米国特許5,429,
913号、特開平4−265975号等には、アルコー
ル系化合物を高沸点溶媒として用いる技術が開示されて
いるが、発色性の向上効果は小さいことが判った。
【0005】前述の如く、ピラゾロアゾール系マゼンタ
カプラーから形成される色素は、5−ピラゾロン系マゼ
ンタカプラーから形成される色素に比べ光堅牢性が著し
く低く、イエロー色素及びシアン色素の光堅牢性が比較
的高いことから、光照射を伴う長期保存により色素画像
のカラーバランスが崩れるという問題も発生している。
【0006】この光堅牢性を高める技術として、例えば
特開昭59−125732号、同61−282845
号、同61−279855号、同61−292639号
等に記載のフェノール系化合物やフェニルエーテル化合
物、又は特開昭61−72246号、同62−1570
31号、同62−208048号、同63−16335
1号等に記載のアミン系化合物をピラゾロアゾール系マ
ゼンタカプラーと併用する技術も知られている。
【0007】しかしながら、上述の発色性及び光堅牢性
の向上技術を用いると、現像処理により形成されるマゼ
ンタ色素の極大吸収波長(λmax)が長波長側にシフト
し、この動きは肌色の調子再現性に好ましくない影響を
与えることが判明し、λmaxを短波長側にシフトさせる
技術が必要となった。更に、上記グリセリン誘導体又は
アルコール誘導体をピラゾロアゾール系マゼンタカプラ
ーの高沸点溶媒として用いると、マゼンタ色素の分光吸
収がブロードになり、特に赤色領域に不要な吸収が多
く、肌色や朱色の色再現性を大幅に劣化させることが判
った。
【0008】又、イエローカプラーには、マロンジアニ
リドカプラーやアシルアセトアニリドカプラー(ベンゾ
イルアセトアニリド、ピバロイルアセトアニリド等)が
一般に用いられるが、ベンゾイルアセトアニリド系カプ
ラーは発色性に優れるものの光堅牢性や色再現性に劣
り、ピバロイルアセトアニリド系カプラーは光堅牢性や
色再現性には勝るものの、発色性に劣るなどの欠点を有
する。
【0009】このような実情から、イエローカプラーの
発色性、及び形成色素の分光吸収特性、光堅牢性などを
改良する技術が多く提案されているが、未だ十分とは言
えず、更なる改良技術が望まれている。
【0010】シアンカプラー及び形成されるシアン色素
に関しても、全く同様なことが言える。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的
は、カプラーの発色性、形成される色素画像の光堅牢性
に優れ、更に該色素画像の不要な副吸収が少なく色再現
性、特に肌色調子再現性に優れたハロゲン化銀写真感光
材料を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は以下
の構成によって達成された。
【0013】(1)下記一般式(G−I)で表されるグ
リセリン誘導体の少なくとも1種を含有するハロゲン化
銀写真感光材料。
【0014】 一般式(G−I) R1O−CH(CH2OH)2 式中、R1は脂肪族基又は芳香族基を表し、該脂肪族基
及び芳香族基は、更に置換基を有してもよい。
【0015】(2)下記に定義されるグリセリン誘導体
の混合物を含有するハロゲン化銀写真感光材料。
【0016】グリセリン誘導体混合物:混合物に含まれ
る成分が下記一般式(G−II)で表される化合物から成
り、かつ前記一般式(G−I)で表される成分を20w
t%以上含有する。
【0017】 一般式(G−II) R11O(Glycidyl)nH 式中、R11は前記一般式(G−I)のR1と同義の基を
表し、Glycidylは下記(Gly−1)、(Gl
y−2)又は(Gly−3)の何れかの2価の連結基を
表し、*はR11Oとの結合位置を示す。nは0〜10の
整数を表し、nが2以上の場合、複数のGlycidy
lは各々、同じでも異なってもよい。
【0018】
【化2】
【0019】以下、本発明をより詳細に説明する。
【0020】一般式(G−I)で表されるグリセリン誘
導体について説明する。
【0021】R1で表される脂肪族基としては、アルキ
ル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル
基、シクロアルケニル基等が挙げられ、該基は直鎖状で
あっても分岐状であってもよく、更に置換基を有しても
よい。このような置換基としては、アルケニル基、アル
コキシル基、アリールオキシ基、アシル基、アシルアミ
ノ基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリ
ールオキシカルボニル基、シアノ基、スルホニル基、ハ
ロゲン原子等が挙げられる。
【0022】脂肪族基の中でも好ましいものは、アルキ
ル基、シクロアルキル基又はアルケニル基であり、更に
好ましいものはアルキル基であり、最も好ましいものは
無置換のアルキル基である。
【0023】R1で表される芳香族基としては、フェニ
ル基及びナフチル基が挙げられ、これらの基は更に置換
基を有してもよく、該置換基としては前記脂肪族基が有
してもよい置換基と同義である。
【0024】R1で表される置換基の内、好ましくは芳
香族基であり、より好ましくは脂肪族基で置換された芳
香族基である。又、R1が有する炭素数の総和は10以
上が好ましく、16以上が更に好ましい。
【0025】一般式(G−II)において、nは0〜10
を表すが、好ましくは0〜5、更に好ましくは0〜3で
ある。一般式(G−II)で表されるグリセリン誘導体混
合物において、n=1の成分が50%以上あることが好
ましく、n=0の成分が50wt%以下であることが好
ましい。
【0026】以下に、一般式(G−I)又は(G−II)
で表されるグリセリン誘導体の代表例を挙げるが、本発
明はこれらに限定されない。
【0027】
【化3】
【0028】
【化4】
【0029】
【化5】
【0030】
【化6】
【0031】尚、各成分の組成比は、ガスクロマトグラ
フィーを用い、各成分について検量線を作成し、その検
量線から計算して求めた。又、一般式(G−I)で表さ
れる1,3−ジヒドロキシ体の含有率は、順相系HPL
Cを用い検量線を作成して求めた。
【0032】合成例(例示化合物G−I−2及びG−II
−2の合成) 2,4−ジノニルフェノール103.9g及びグリシド
ール33.3gを、窒素気流下で内温70℃まで加熱・
撹拌した。ここに、トリエチルアミン3.0gを内温が
100℃を超えないよう、ゆっくり滴下した。滴下終了
後、反応混合物を内温100〜105℃に保ちながら1
時間撹拌した。
【0033】反応液を約60℃まで放冷後、酢酸エチル
200ml、1N塩酸100ml及び食塩水100ml
を加えて分液し、更に200mlの食塩水で3回洗浄し
た。有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒の酢
酸エチルを減圧溜去した後、真空ポンプで乾燥させるこ
とにより黄色油状のG−II−2を128g得た。
【0034】G−II−2の50gをシリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/n−ヘキサ
ン=2/8)で精製し、無色油状のG−I−2を10.
6g得た。これらの構造は、FDマススペクトル、1
NMR、13CNMRにより確認した。
【0035】上記シリカゲルカラムクロマトグラフィー
により、G−II−2に含有される全成分を分離し、単離
された各成分についてガスクロマトグラフィーを用いて
検量線を作成した(内部標準:ビフェニル)。この検量
線からG−II−2の成分組成を計算した結果は以下の通
りである。
【0036】n=0:31,n=1:57,n=2:1
0,n=3:2(wt%) 尚、n=1には、G−II−2(1,3−ジオール体)と
異性体である1,2−ジオール体が含まれるが、ガスク
ロマトグラフィーではそれ等を分離することは出来なか
った。そこで、順相系HPLC(カラム:ODS,展開
溶媒:酢酸エチル/n−ヘキサン=1/9)によりG−
I−2の含有率を求めたところ、24wt%であること
が判った。
【0037】又、上記反応の塩基触媒トリエチルアミン
を水酸化ナトリウム、DBU(1,8−ジアゾビシクロ
[5.4.0]ウンデセ−7−ン)に変えても同様な結
果が得られたが、触媒添加時の温度を高温にするとG−
II−2の生成率が下がり、120℃以上では全く得られ
ないことが判った。比較合成例(特公昭54−2428
9号記載の合成法) 2,4−ジノニルフェノール346gに水酸化ナトリウ
ム3.0gを窒素気流下にて加え、内温135〜140
℃まで加熱・撹拌した。次いで、グリシドール96gを
約3時間かけて滴下した。滴下終了後の処理は前記合成
例と同様に行い、黒褐色油状物(比較化合物G−II−2
C)410gを得た。前記と同じ方法で成分分析したと
ころ、以下の結果を得た。
【0038】n=0:19,n=1:60,n=2:1
4,n=3:7(wt%) この方法で得られるのは1,2−ジオール体のみで、G
−I−2(1,3−ジオール体)は全く生成しないこと
が判った。尚、塩基触媒を水酸化ナトリウムからトリエ
チルアミンに変更しても、生成する成分組成は殆ど変化
せず、この場合にも1,3−ジオール体(G−I−2)
は全く生成しなかった。ただし、着色が少なく黄色油状
物が得られた。
【0039】尚、本発明では、合成例のようにカラムク
ロマトグラフィー等によって精製した化合物を用いても
よいし、又、合成例におけるG−II−2のような未精製
の(原料、副生成物を多少含有する)化合物を用いても
よく、更には比較合成例で示した比較化合物G−II−2
Cの如き化合物に本発明の化合物を添加して用いてもよ
く、これ等の何れにおいても性能が大きく動かないこと
も確認した。
【0040】本発明のグリセリン誘導体と併用できるイ
エローカプラーの代表例としては、ベンゾイルアセトア
ニリド型、ピバロイルアセトアニリド型カプラー等が、
マゼンタカプラーの代表例としては、5−ピラゾロン
系、ピラゾロトリアゾール系、インダゾロン系カプラー
等が、シアンカプラーの代表例としては、フェノール
系、ナフトール系、ピラゾロトリアゾール系、ピラゾロ
ピリミジン系、ピラゾロキナゾロン系、イミダゾール系
カプラー等が挙げられるが、本発明の効果を発揮する上
で特に好ましいカプラーは、特開平5−224369号
に一般式〔I−1〕として記載されるマゼンタカプラ
ー、特開平7−175186号に記載の一般式〔I〕で
示されるマゼンタカプラーである。
【0041】本発明において、カプラー及び本発明のグ
リセリン誘導体は、感光性ハロゲン化銀乳剤層の少なく
とも1層に含有される。
【0042】カプラー及びグリセリン誘導体を乳剤層中
に含有させるためには、従来公知の方法、例えば公知の
ジブチルフタレート、トリクレジルホスフェート等の如
き高沸点溶媒と酢酸ブチル、酢酸エチル等の如き低沸点
溶媒の混合液あるいは低沸点溶媒のみの溶媒に、カプラ
ー及びグリセリン誘導体を、それぞれ単独で又は併用し
て溶解せしめた後、界面活性剤を含むゼラチン水溶液と
混合し、次いで高速度回転ミキサー又はコロイドミルも
しくは超音波分散機を用いて乳化分散させた後、乳剤中
に直接添加する方法を採用することができる。又、上記
乳化分散液をセットした後、細断し、水洗した後、これ
を乳剤に添加してもよい。
【0043】本発明においては、マゼンタカプラーとグ
リセリン誘導体とを前記分散法により、それぞれ別々に
分散させてハロゲン化銀乳剤に添加してもよいが、両方
を同時に溶解せしめ、分散して乳剤に添加する方法が好
ましい。
【0044】本発明のグリセリン誘導体の添加量は、カ
プラー1gに対して好ましくは0.01〜20g、更に
好ましくは0.1〜8.0gの範囲である。
【0045】又、本発明のグリセリン誘導体は公知の高
沸点有機溶媒と併用してもよく、その具体例としては特
開昭62−215272号,140〜144頁に記載さ
れる(P−1)〜(P−96)を挙げることができる。
【0046】本発明に係るハロゲン化銀写真乳剤の組成
は、塩化銀、臭化銀、塩臭化銀、沃臭化銀、塩沃臭化
銀、塩沃化銀等、任意のハロゲン組成を有するものであ
ってもよいが、塩化銀を95モル%以上含有する実質的
に沃化銀を含有しない塩臭化銀が好ましい。迅速処理
性、処理安定性からは、好ましくは97モル%以上、よ
り好ましくは98〜99.9モル%の塩化銀を含有する
ハロゲン化銀乳剤が好ましい。
【0047】上記のハロゲン化銀乳剤を得るには、臭化
銀を高濃度に含有する部分を有するハロゲン化銀乳剤が
特に好ましく用いられる。この場合、高濃度に臭化銀を
含有する部分は、ハロゲン化銀乳剤粒子にエピタキシー
接合していても、所謂コア・シェル乳剤であってもよい
し、完全な層を形成せず単に部分的に組成の異なる領域
が存在するだけであってもよい。又、組成は連続的に変
化してもよいし、不連続に変化してもよい。臭化銀が高
濃度に存在する部分は、ハロゲン化銀粒子の表面の結晶
粒子の頂点であることが特に好ましい。
【0048】本発明のハロゲン化銀乳剤を得るには、重
金属イオンを含有させるのが有利である。このような目
的に用いることの出来る重金属イオンとしては、鉄、イ
リジウム、白金、パラジウム、ニッケル、ロジウム、オ
スミウム、ルテニウム、コバルト等の第8〜10族金属
や、カドミウム、亜鉛、水銀などの第12族遷移金属
や、鉛、レニウム、モリブデン、タングステン、ガリウ
ム、クロム等の各イオンを挙げることができる。中でも
鉄、イリジウム、白金、ルテニウム、ガリウム、オスミ
ウムの金属イオンが好ましい。
【0049】これらの金属イオンは、塩や錯塩の形でハ
ロゲン化銀乳剤に添加することができる。
【0050】重金属イオンが錯体を形成する場合には、
その配位子又はイオンとしてシアン化物イオン、チオシ
アン酸イオン、シアン酸イオン、塩化物イオン、臭化物
イオン、沃化物イオン、硝酸イオン、カルボニル、アン
モニア等を挙げることができる。中でも、シアン化物イ
オン、チオシアン酸イオン、イソチオシアン酸イオン、
塩化物イオン、臭化物イオン等が好ましい。
【0051】ハロゲン化銀乳剤に重金属イオンを含有さ
せるためには、該重金属化合物をハロゲン化銀粒子の形
成前、ハロゲン化銀粒子の形成中、ハロゲン化銀粒子の
形成後の物理熟成中の各工程の任意の場所で添加すれば
よい。前述の条件を満たすハロゲン化銀乳剤を得るに
は、重金属化合物をハロゲン化物塩と一緒に溶解して粒
子形成工程の全体あるいは一部に亘って連続的に添加す
ればよい。
【0052】重金属イオンのハロゲン化銀乳剤中への添
加量は、ハロゲン化銀1モル当たり1×10-9〜1×1
-2モルが好ましく、特に1×10-8〜5×10-5モル
が望ましい。
【0053】ハロゲン化銀粒子の形状は任意のものを用
いることができる。好ましい一つの例は、(100)面
を結晶表面として有する立方体である。又、米国特許
4,183,756号、同4,225,666号、特開
昭55−26589号、特公昭55−42737号や、
ザ・ジャーナル・オブ・フォトグラフィック・サイエン
ス(J.Photogr.Sci.)21巻,39頁
(1973年)等の文献に記載された方法等により、八
面体、十四面体、十二面体等の形状を有する粒子を造
り、これを用いることもできる。更に、双晶面を有する
粒子を用いてもよい。
【0054】ハロゲン化銀粒子は、単一の形状からなる
粒子が好ましく用いられるが、単分散のハロゲン化銀乳
剤を2種以上同一層に添加することが特に好ましい。
【0055】ハロゲン化銀粒子の粒径は特に制限はない
が、迅速処理性及び感度等、他の写真性能などを考慮す
ると、好ましくは0.1〜1.2μm、更に好ましくは
0.2〜1.0μmの範囲である。この粒径は、粒子の
投影面積か直径近似値を使ってこれを測定することがで
きる。粒子が実質的に均一形状である場合は、粒径分布
は直径か投影面積として可成り正確にこれを表すことが
できる。
【0056】ハロゲン化銀粒子の粒径の分布は、好まし
くは変動係数が0.05〜0.22、更に好ましくは
0.05〜0.15の単分散ハロゲン化銀粒子であり、
特に好ましくは0.05〜0.15の単分散乳剤を2種
以上同一層に添加することである。ここで変動係数は、
粒径分布の広さを表す係数であり、次式によって定義さ
れる。
【0057】変動係数=S/R(Sは粒径分布の標準偏
差、Rは平均粒径を表す。) ここでいう粒径とは、球状のハロゲン化銀粒子の場合
は、その直径、又、立方体や球状以外の形状の粒子の場
合は、その投影像を同面積の円像に換算した時の直径を
表す。
【0058】ハロゲン化銀乳剤の調製装置、方法として
は、当業界において公知の種々の方法を用いることがで
きる。
【0059】ハロゲン化銀乳剤は、酸性法、中性法、ア
ンモニア法の何れで得られたものであってもよい。該粒
子は一時に成長させたものであってもよいし、種粒子を
造った後で成長させてもよい。種粒子を造る方法と成長
させる方法は、同じであっても異なってもよい。
【0060】又、可溶性銀塩と可溶性ハロゲン化物を反
応させる形式としては、順混合法、逆混合法、同時混合
法、それらの組合せなど何れでもよいが、同時混合法で
得られたものが好ましい。更に同時混合法の一形式とし
て、特開昭54−48521号等に記載されているpA
gコントロールド・ダブルジェット法を用いることもで
きる。
【0061】又、特開昭57−92523号、同57−
92524号等に記載の反応母液中に配置された添加装
置から水溶性銀塩及び水溶性ハロゲン化物水溶液を供給
する装置、独国公開特許2,921,164号等に記載
された水溶性銀塩及び水溶性ハロゲン化物水溶液を連続
的に濃度変化して添加する装置、特公昭56−5017
76号等に記載の反応器外に反応母液を取り出し、限外
濾過法で濃縮することによりハロゲン化銀粒子間の距離
を一定に保ちながら粒子形成を行う装置などを用いても
よい。
【0062】更に必要で有ればチオエーテル等のハロゲ
ン化銀溶剤を用いてもよい。又、メルカプト基を有する
化合物、含窒素複素環化合物又は増感色素のような化合
物をハロゲン化銀粒子の形成時又は粒子形成終了の後に
添加して用いてもよい。
【0063】ハロゲン化銀乳剤は、金化合物を用いる増
感法、カルコゲン増感剤を用いる増感法を組み合わせて
用いることができる。
【0064】ハロゲン化銀乳剤に適用するカルコゲン増
感剤としては、硫黄増感剤、セレン増感剤、テルル増感
剤などを用いることができるが、硫黄増感剤が好まし
い。
【0065】硫黄増感剤としては、チオ硫酸塩、アリル
チオカルバミド、チオ尿素、アリルイソチアシアナー
ト、シスチン、p−トルエンチオスルホン酸塩、ローダ
ニン、無機硫黄等が挙げられる。
【0066】硫黄増感剤の添加量は、適用されるハロゲ
ン化銀乳剤の種類や期待する効果の大きさなどにより変
えることが好ましいが、ハロゲン化銀1モル当たり5×
10-10〜5×10-5モル、好ましくは5×10-8〜3
×10-5モルの範囲が望ましい。
【0067】金増感剤としては、塩化金酸、硫化金等の
他各種の金錯体として添加することができる。用いられ
る配位子化合物としては、ジメチルローダニン、チオシ
アン酸、メルカプトテトラゾール、メルカプトトリアゾ
ール等が挙げられる。金化合物の使用量は、ハロゲン化
銀乳剤の種類、使用する化合物の種類、熟成条件などに
よって一様ではないが、通常はハロゲン化銀1モル当た
り1×10-4〜1×10-8モルであることが好ましく、
更に好ましくは1×10-5〜1×10-8モルである。
【0068】ハロゲン化銀乳剤の化学増感法としては、
還元増感法を用いてもよい。
【0069】ハロゲン化銀乳剤には、感光材料の調製工
程中に生じるカブリを防止したり、保存中の性能変動を
小さくしたり、現像時に生じるカブリを防止する目的で
公知のカブリ防止剤、安定剤を用いることができる。こ
うした目的に用いられる好ましい化合物の例として、特
開平2−146036号7頁下欄に記載された一般式
[II]で表される化合物を挙げることができ、更に好ま
しい具体的な化合物としては、同公報の8頁に記載のII
a−1〜IIa−8、IIb−1〜IIb−7の化合物や、1
−(3−メトキシフェニル)−5−メルカプトテトラゾ
ール、1−(4−エトキシフェニル)−5−メルカプト
テトラゾール等の化合物を挙げることができる。
【0070】これらの化合物は、その目的に応じて、ハ
ロゲン化銀乳剤粒子の調製工程、化学増感工程、化学増
感工程の終了時、塗布液調製工程などの工程で添加され
る。これらの化合物の存在下に化学増感を行う場合に
は、ハロゲン化銀1モル当たり1×10-5〜5×10-4
モル程度の量で好ましく用いられる。化学増感終了時に
添加する場合には、ハロゲン化銀1モル当たり1×10
-6〜1×10-2モル程度の量が好ましく、1×10-5
5×10-3モルがより好ましい。塗布液調製工程におい
てハロゲン化銀乳剤層に添加する場合には、ハロゲン化
銀1モル当たり1×10-6〜1×10-1モル程度の量が
好ましく、1×10-5〜×10-2モルがより好ましい。
又、ハロゲン化銀乳剤層以外の層に添加する場合には、
塗布被膜中の量が1m2当たり1×10-9〜1×10-3
モル程度の量が好ましい。
【0071】感光材料には、イラジエーション防止やハ
レーション防止の目的で種々の波長域に吸収を有する染
料を用いることができる。この目的で、公知の化合物を
何れも用いることができるが、特に、可視域に吸収を有
する染料としては、特開平3−251840号30頁に
記載のAI−1〜11の染料及び特開平6−3770号
記載の染料が好ましく用いられ、赤外線吸収染料として
は、特開平1−280750号2頁左下欄に記載の一般
式(I)、(II)、(III)で表される化合物が好まし
い分光特性を有し、写真乳剤の写真特性への影響もな
く、又、残色による汚染もなく好ましい。好ましい化合
物の具体例として、同公報3頁左下欄〜5頁左下欄に挙
げられた例示化合物(1)〜(45)を挙げることがで
きる。これらの染料を添加する量として、鮮鋭性を改良
する目的には、感光材料の未処理試料の680nmにお
ける分光反射濃度が0.7〜3.0にする量が好まし
く、更には0.8〜3.0にすることがより好ましい。
【0072】感光材料中に蛍光増白剤を添加することが
白地性を改良でき好ましい。好ましく用いられる化合物
としては、特開平2−232652号記載の一般式〔I
I〕で示される化合物が挙げられる。
【0073】本発明の感光材料をカラー感光材料として
用いる場合には、イエローカプラー、マゼンタカプラ
ー、シアンカプラーに組み合わせて400〜900nm
の波長域の特定領域に分光増感されたハロゲン化銀乳剤
を含む層を有する。該ハロゲン化銀乳剤は1種又は2種
以上の増感色素を組み合わせて含有する。
【0074】本発明に用いる分光増感色素としては、公
知の化合物を何れも用いることができるが、青感光性増
感色素としては、特開平3−251840号28頁に記
載のBS−1〜BS−8を単独で又は組み合わせて好ま
しく用いることができる。緑感光性増感色素としては、
同公報28頁に記載のGS−1〜GS−5が好ましく、
更に赤感光性増感色素としては、同公報29頁に記載の
RS−1〜RS−8が好ましく用いられる。又、半導体
レーザーを用いるなどして赤外光により画像露光を行う
場合には、赤外感光性増感色素を用いる必要があるが、
赤外感光性増感色素としては、特開平4−285950
号,6〜8頁に記載のIRS−1〜IRS−11の色素
が好ましく用いられる。又、これらの赤外、赤、緑、青
感光性増感色素に特開平4−285950号,8〜9頁
に記載の強色増感剤SS−1〜SS−9や特開平5−6
6515号,15〜17頁に記載の化合物S−1〜S−
17を組み合わせて用いるのが好ましい。
【0075】増感色素の添加時期としては、ハロゲン化
銀粒子形成から化学増感終了迄の任意の時期でよい。
【0076】増感色素の添加方法としては、メタノー
ル、エタノール、弗素化アルコール、アセトン、ジメチ
ルホルムアミド等の水混和性有機溶媒や水に溶解して溶
液として添加してもよいし、固体分散物として添加して
もよい。
【0077】前述のカプラー及び本発明のグリセリン誘
導体を乳剤層に添加するに際し、高沸点有機溶媒を用い
る方法に代えて、又は高沸点有機溶媒と併用して、水不
溶性かつ有機溶媒可溶性のポリマー化合物を、必要に応
じて低沸点及び/又は水溶性有機溶媒に溶解し、ゼラチ
ン水溶液などの親水性バインダー中に界面活性剤を用い
て種々の分散手段により乳化分散する方法を採ることも
できる。この時用いられる水不溶性で有機溶媒可溶性の
ポリマーとしては、ポリ(N−t−ブチルアクリルアミ
ド)等を挙げることができる。
【0078】写真用添加剤の分散や塗布時の表面張力調
整のため用いられる界面活性剤として好ましい化合物と
しては、1分子中に炭素数8〜30の疎水性基とスルホ
ン酸基又はその塩を含有するものが挙げられる。具体的
には、特開昭64−26854号記載のA−1〜A−1
1が挙げられる。又、アルキル基に弗素原子を置換した
界面活性剤も好ましく用いられる。これらの分散液は、
通常、ハロゲン化銀乳剤を含有する塗布液に添加される
が、分散後塗布液に添加される迄の時間、及び塗布液に
添加後塗布迄の時間は短い方が良く、各々10時間以内
が好ましく、3時間以内、20分以内がより好ましい。
【0079】前記各カプラーには、形成された色素画像
の光、熱、湿度等による褪色を防止するため褪色防止剤
を併用することが好ましい。特に好ましい化合物として
は、特開平2−66541号3頁記載の一般式〔I〕及
び〔II〕で示されるフェニルエーテル系化合物、特開平
3−174150号記載の一般式〔IIIB〕で示される
フェノール系化合物、特開昭64−90445号記載の
一般式〔A〕で示されるアミン系化合物、特開昭62−
182741号記載の一般式〔XII〕、〔XIII〕、〔XI
V〕、〔XV〕で示される金属錯体が特にマゼンタ色素用
として好ましい。又、特開平1−196049号記載の
一般式〔I〕で示される化合物及び特開平5−1141
7号記載の一般式[II]で示される化合物が特にイエロ
ー、シアン色素用として好ましい。
【0080】感光材料には、現像主薬酸化体と反応する
化合物を感光層と感光層の間の層に添加して色濁りを防
止したり、又、ハロゲン化銀乳剤層に添加してカブリ等
を改良することが好ましい。このための化合物としては
ハイドロキノン誘導体が好ましく、更に好ましくは2,
5−ジ−t−オクチルハイドロキノンのようなジアルキ
ルハイドロキノンである。特に好ましい化合物は、特開
平4−133056号記載の一般式〔II〕で示される化
合物であり、同号13〜14頁に記載の化合物II−1〜
II−14及び17頁記載の化合物−1が挙げられる。
【0081】感光材料中には、紫外線吸収剤を添加して
スタチックカブリを防止したり、色素画像の耐光性を改
良することが好ましい。好ましい紫外線吸収剤としては
ベンゾトリアゾール類が挙げられ、特に好ましい化合物
として特開平1−250944号記載の一般式〔III−
3〕で示される化合物、特開昭64−66646号記載
の一般式[III]で示される化合物、特開昭63−18
7240号記載のUV−1L〜UV−27L、特開平4
−1633号記載の一般式[I]で示される化合物、特
開平5−165144号記載の一般式(I)、(II)で
示される化合物が挙げられる。
【0082】本発明の感光材料にはバインダーとしてゼ
ラチンを用いることが有利であるが、必要に応じてゼラ
チン誘導体、ゼラチンと他の高分子のグラフトポリマ
ー、ゼラチン以外の蛋白質、糖誘導体、セルロース誘導
体、単一又は共重合体の如き合成親水性高分子物質等の
親水性コロイドも用いることができる。
【0083】これらバインダーの硬膜剤としては、ビニ
ルスルホン型硬膜剤、クロロトリアジン型硬膜剤、カル
ボキシル基活性型硬膜剤を単独又は併用して使用するこ
とが好ましい。特開昭61−249054号、同61−
245153号記載の化合物を使用することが好まし
い。又、写真性能や画像保存性に悪影響する黴や細菌の
繁殖を防ぐため、コロイド層中に特開平3−15764
6号記載のような防腐剤及び抗黴剤を添加することが好
ましい。又、感光材料又は処理後の試料の表面の物性を
改良するため、保護層に特開平6−118543号や特
開平2−73250号記載の滑り剤やマット剤を添加す
ることが好ましい。
【0084】感光材料に用いる支持体としては、どのよ
うな材質を用いてもよく、ポリエチレンやポリエチレン
テレフタレートで被覆した紙、天然パルプや合成パルプ
からなる紙支持体、塩化ビニルシート、白色顔料を含有
してもよいポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレー
ト支持体、バライタ紙などを用いることができる。中で
も、原紙の両面に耐水性樹脂被覆層を有する支持体が好
ましい。
【0085】耐水性樹脂としては、ポリエチレンやポリ
エチレンテレフタレート又はそれらのコポリマーが好ま
しい。
【0086】支持体に用いられる白色顔料としては、無
機及び/又は有機の白色顔料を用いることができ、好ま
しくは無機の白色顔料が用いられる。例えば硫酸バリウ
ム等のアルカリ土類金属の硫酸塩、炭酸カルシウム等の
アルカリ土類金属の炭酸塩、微粉珪酸、合成珪酸塩等の
シリカ類、珪酸カルシウム、アルミナ、アルミナ水和
物、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、クレイ等が挙げら
れる。白色顔料は好ましくは硫酸バリウム、酸化チタン
である。
【0087】支持体の表面の耐水性樹脂層中に含有され
る白色顔料の量は、鮮鋭性を改良する上で13重量%以
上が好ましく、更には15重量%が好ましい。
【0088】紙支持体の耐水性樹脂層中の白色顔料の分
散度は、特開平2−28640号に記載の方法で測定す
ることができる。この方法で測定した時に、白色顔料の
分散度が同公報に記載の変動係数として0.20以下で
あることが好ましく、0.15以下であることがより好
ましい。
【0089】又、支持体の中心面平均粗さ(SRa)の
値が0.15μm以下、更には0.12μm以下である
方が光沢性が良いという効果が得られより好ましい。
又、反射支持体の白色顔料含有耐水性樹脂中や塗布され
た親水性コロイド層中に、処理後の白地部の分光反射濃
度バランスを調整し白色性を改良するため、群青、油溶
性染料等の微量の青味付剤や赤味付剤を添加することが
好ましい。
【0090】感光材料は、必要に応じて支持体表面にコ
ロナ放電、紫外線照射、火炎処理等を施した後、直接又
は下塗層(支持体表面の接着性、帯電防止性、寸度安定
性、耐摩擦性、硬さ、ハレーション防止性、摩擦特性及
び/又はその他の特性を向上するための1又は2以上の
下塗層)を介して塗布されていてもよい。
【0091】ハロゲン化銀乳剤を用いた感光材料の塗布
に際して、塗布性を向上させるために増粘剤を用いても
よい。塗布法としては2種以上の層を同時に塗布するこ
との出来るエクストルージョンコーティング及びカーテ
ンコーティングが特に有用である。
【0092】本発明の感光材料を用いて写真画像を形成
するには、ネガ上に記録された画像を、プリントしよう
とする感光材料上に光学的に結像させて焼き付けてもよ
いし、画像を一旦デジタル情報に変換した後、その画像
をCRT(陰極線管)上に結像させ、この像をプリント
しようとする感光材料上に結像させて焼き付けてもよい
し、デジタル情報に基づいてレーザー光の強度を変化さ
せて走査することによって焼き付けてもよい。
【0093】本発明は、現像主薬を感光材料中に内蔵し
ていない感光材料に適用することが好ましく、特に直接
鑑賞用の画像を形成する感光材料に適用することが好ま
しい。例えばカラーペーパー、カラー反転ペーパー、ポ
ジ画像を形成する感光材料、ディスプレイ用感光材料、
カラープルーフ用感光材料を挙げることができる。特
に、反射支持体を有する感光材料に適用することが好ま
しい。
【0094】本発明において用いられる芳香族1級アミ
ン現像主薬としては、公知の化合物を用いることができ
る。これらの化合物の例として下記の化合物を挙げるこ
とができる。
【0095】CD−1:N,N−ジエチル−p−フェニ
レンジアミン CD−2:2−アミノ−5−ジエチルアミノトルエン CD−3:2−アミノ−5−(N−エチル−N−ラウリ
ル)アミノトルエン CD−4:4−(N−エチル−N−β−ヒドロキシエチ
ル)アミノアニリン CD−5:2−メチル−4−(N−エチル−N−β−ヒ
ドロキシエチル)アミノ)アニリン CD−6:4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−
(β−メタンスルホンアミド)エチルアニリン CD−7:4−アミノ−3−β−メタンスルホンアミド
エチル−N,N−ジエチルアニリン CD−8:N,N−ジメチル−p−フェニレンジアミン CD−9:4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−
メトキシエチルアニリン CD−10:4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N
−(β−エトキシエチル)アニリン CD−11:4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N
−(γ−ヒドロキシプロピル)エチルアニリン 本発明においては、上記は色現像液を任意のpH域で使
用できるが、迅速処理の観点からpH9.5〜13.0
であることが好ましく、より好ましくはpH9.8〜1
2.0の範囲で用いられる。
【0096】本発明における発色現像の処理温度は、3
5〜70℃が好ましい。温度が高いほど短時間の処理が
可能であり好ましいが、処理液の安定性からは余り高く
ない方が好ましく、37〜60℃で処理することが好ま
しい。
【0097】発色現像時間は、従来、一般には3分30
秒程度で行われているが、本発明では40秒以内が好ま
しく、更に25秒以内の範囲で行うことが望ましい。
【0098】発色現像液には、前記の発色現像主薬に加
えて、既知の現像液成分化合物を添加することができ
る。通常、pH緩衝作用を有するアルカリ剤、塩素イオ
ン、ベンゾトリアゾール類等の現像抑制剤、保恒剤、キ
レート剤などが用いられる。
【0099】感光材料は、発色現像後、漂白処理及び定
着処理を施される。漂白処理は定着処理と同時に行って
もよい。定着処理の後は、通常は水洗処理が行なわれ
る。又、水洗処理の代替として、安定化処理を行っても
よい。
【0100】本発明の感光材料の処理に用いる現像処理
装置としては、処理槽に配置されたローラーに感光材料
を挟んで搬送するローラートトランスポートタイプであ
っても、ベルトに感光材料を固定して搬送するエンドレ
スベルト方式であってもよいが、処理槽をスリット状に
形成して、この処理槽に処理液を供給すると共に感光材
料を搬送する方式や処理液を噴霧状にするスプレー方
式、処理液を含浸させた担体との接触によるウエッブ方
式、粘性処理液による方式なども用いることができる。
大量に処理する場合には、自動現像機を用いてランニン
グ処理されるのが、通常だがこの際、補充液の補充量は
少ない程好ましく、環境適性等より最も好ましい処理形
態は、補充方法として錠剤の形態で処理剤を添加するこ
とであり、公開技報94−16935号に記載の方法が
最も好ましい。
【0101】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが、本
発明の実施態様はこれらに限定されない。
【0102】実施例1 坪量180g/m2の紙パルプの両面に高密度ポリエチ
レンをラミネートし、紙支持体を作製した。但し、乳剤
層を塗布する側には、表面処理を施したアナターゼ型酸
化チタンを15重量%の含有量で分散して含む溶融ポリ
エチレンをラミネートし、反射支持体を作製した。この
反射支持体をコロナ放電処理した後、ゼラチン下塗層を
設け、更に以下に示す構成の各層を塗設し、ハロゲン化
銀写真感光材料試料101を作製した。塗布液は下記の
如く調製した。
【0103】第1層塗布液 イエローカプラー(Y−1)23.4g、色素画像安定
化剤(ST−1)3.34g,(ST−2)3.34
g,(ST−5)3.34g、ステイン防止剤(HQ−
1)0.34g、画像安定剤A5.0g、高沸点有機溶
媒(DBP)5.00gに酢酸エチル60mlを加え溶
解し、この溶液を20%界面活性剤(SU−1)7ml
を含有する10%ゼラチン水溶液220mlに超音波ホ
モジナイザーを用いて乳化分散させてイエローカプラー
分散液を作製した。この分散液を下記条件にて作製した
青感性ハロゲン化銀乳剤と混合し第1層塗布液とした。
【0104】第2層〜第7層塗布液も、上記第1層塗布
液と同様に表1及び表2の塗布量になるように各塗布液
を調製した。
【0105】又、硬膜剤として(H−1),(H−2)
を添加した。塗布助剤としては、界面活性剤(SU−
2),(SU−3)を添加し、表面張力を調整した。
又、各層に防腐剤(F−1)を全量が0.04g/m2
となるように添加した。
【0106】
【表1】
【0107】
【表2】
【0108】SU−1:トリ−i−プロピルナフタレン
スルホン酸ナトリウム SU−2:スルホ琥珀酸ジ(2−エチルヘキシル)・ナ
トリウム塩 SU−3:スルホ琥珀酸ジ(2,2,3,3,4,4,
5,5−オクタフルオロペンチル)・ナトリウム塩 DBP:ジブチルフタレート DNPh:2,4−ジノニルフェノール DOP:ジオクチルフタレート DIDP:ジ−i−デシルフタレート PVP:ポリビニルピロリドン H−1:テトラキス(ビニルスルホニルメチル)メタン H−2:2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリ
アジン・ナトリウム HQ−1:2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン HQ−2:2,5−ジ−sec−ドデシルハイドロキノ
ン HQ−3:2,5−ジ−sec−テトラデシルハイドロ
キノン HQ−4:2−sec−ドデシル−5−sec−テトラ
デシルハイドロキノン HQ−5 :2,5−ジ[(1,1−ジメチル−4−ヘ
キシルオキシカルボニル)ブチル]ハイドロキノン 画像安定剤A:p−t−オクチルフェノール
【0109】
【化7】
【0110】
【化8】
【0111】
【化9】
【0112】
【化10】
【0113】(青感性ハロゲン化銀乳剤の調製)40℃
に保温した2%ゼラチン水溶液1リットル中に下記(A
液)及び(B液)をpAg=7.3、pH=3.0に制
御しつつ30分かけて同時添加し、更に下記(C液)及
び(D液)をpAg=8.0、pH=5.5に制御しつ
つ180分かけて同時添加した。この時、pAgの制御
は特開昭59−45437号記載の方法により行い、p
Hの制御は硫酸又は水酸化ナトリウム水溶液を用いて行
った。
【0114】 (A液) 塩化ナトリウム 3.42g 臭化カリウム 0.03g 水を加えて 200ml (B液) 硝酸銀 10g 水を加えて 200ml (C液) 塩化ナトリウム 102.7g K2IrCl6 4×10-8モル/モルAg K4Fe(CN)6 2×10-5モル/モルAg 臭化カリウム 1.0g 水を加えて 600ml (D液) 硝酸銀 300g 水を加えて 600ml 添加終了後、花王アトラス社製デモールNの5%水溶液
と硫酸マグネシウムの20%水溶液を用いて脱塩を行っ
た後、ゼラチン水溶液と混合して平均粒径0.71μ
m、粒径分布の変動係数0.07、塩化銀含有率99.
5モル%の単分散立方体乳剤EMP−1を得た。
【0115】次に、(A液)と(B液)の添加時間及び
(C液)と(D液)の添加時間を変更した以外はEMP
−1と同様にして平均粒径0.64μm、変動係数0.
07、塩化銀含有率99.5モル%の単分散立方体乳剤
EMP−1Bを得た。
【0116】上記EMP−1に対し、下記化合物を用い
60℃にて最適に化学増感を行った。又、EMP−1B
に対しても同様に最適に化学増感した後、増感されたE
MP−1とEMP−1Bを銀量で1:1の割合で混合
し、青感性ハロゲン化銀乳剤(Em−B)を得た。
【0117】 チオ硫酸ナトリウム 0.8mg/モルAgX 塩化金酸 0.5mg/モルAgX 安定剤 STAB−1 3×10-4モル/モルAgX 安定剤 STAB−2 3×10-4モル/モルAgX 安定剤 STAB−3 3×10-4モル/モルAgX 増感色素 BS−1 4×10-4モル/モルAgX 増感色素 BS−2 1×10-4モル/モルAgX (緑感性ハロゲン化銀乳剤の調製)(A液)と(B液)
の添加時間及び(C液)と(D液)の添加時間を変更す
る以外はEMP−1と同様にして平均粒径0.40μ
m、変動係数0.08、塩化銀含有率99.5%の単分
散立方体乳剤EMP−2を得た。
【0118】次に、平均粒径0.50μm、変動係数
0.08、塩化銀含有率99.5%の単分散立方体乳剤
EMP−2Bを得た。
【0119】上記EMP−2に対し、下記化合物を用い
55℃にて最適に化学増感を行った。又、EMP−2B
に対しても同様に最適に化学増感した後、増感されたE
MP−2とEMP−2Bを銀量で1:1の割合で混合
し、緑感性ハロゲン化銀乳剤(Em−G)を得た。
【0120】 チオ硫酸ナトリウム 1.5mg/モルAgX 塩化金酸 1.0mg/モルAgX 安定剤 STAB−1 3×10-4モル/モルAgX 安定剤 STAB−2 3×10-4モル/モルAgX 安定剤 STAB−3 3×10-4モル/モルAgX 増感色素 GS−1 4×10-4モル/モルAgX (赤感性ハロゲン化銀乳剤の調製)(A液)と(B液)
の添加時間及び(C液)と(D液)の添加時間を変更す
る以外はEMP−1と同様にして平均粒径0.40μ
m、変動係数0.08、塩化銀含有率99.5%の単分
散立方体乳剤EMP−3を得た。又、平均粒径0.38
μm、変動係数0.08、塩化銀含有率99.5%の単
分散立方体乳剤EMP−3Bを得た。
【0121】上記EMP−3に対し、下記化合物を用い
60℃にて最適に化学増感を行った。又、EMP−3B
に対しても同様に最適に化学増感した後、増感されたE
MP−3とEMP−3Bを銀量で1:1の割合で混合し
赤感性ハロゲン化銀乳剤(Em−R)を得た。
【0122】 チオ硫酸ナトリウム 1.8mg/モルAgX 塩化金酸 2.0mg/モルAgX 安定剤 STAB−1 3×10-4モル/モルAgX 安定剤 STAB−2 3×10-4モル/モルAgX 安定剤 STAB−3 3×10-4モル/モルAgX 増感色素 RS−1 1×10-4モル/モルAgX 増感色素 RS−2 1×10-4モル/モルAgX STAB−1:1−(3−アセトアミドフェニル)−5
−メルカプトテトラゾール STAB−2:1−フェニル−5−メルカプトテトラゾ
ール STAB−3:1−(4−エトキシフェニル)−5−メ
ルカプトテトラゾール 尚、赤感性乳剤には、SS−1をハロゲン化銀1モル当
たり2.0×10-3添加した。
【0123】
【化11】
【0124】
【化12】
【0125】試料101における第1層中のイエローカ
プラー(Y−1)を表3に示すカプラーに変化させ、高
沸点有機溶媒(DBP)も表3に示すグリセリン誘導体
又は比較の高沸点有機溶媒に替えた以外は同じ構成の感
光材料試料102〜112を作製した。
【0126】このようにして作製した試料を常法により
青色光で光楔露光した後、下記現像処理工程により現像
処理を行った。
【0127】 処理工程 処 理 温 度 時 間 補充量 発色現像 38.0±0.3℃ 45秒 80ml 漂白定着 35.0±0.5℃ 45秒 120ml 安定化 30〜34℃ 60秒 150ml 乾 燥 60〜80℃ 30秒 現像処理液の組成を下記に示す。
【0128】発色現像液タンク液及び補充液 タンク液 補充液 純水 800ml 800ml トリエチレンジアミン 2g 3g ジエチレングリコール 10g 10g 臭化カリウム 0.01g − 塩化カリウム 3.5g − 亜硫酸カリウム 0.25g 0.5g N−エチル−N−(βメタンスルホンアミドエチル)−3−メチル−4 −アミノアニリン硫酸 6.0g 10.0g N,N−ジエチルヒドロキシルアミン 6.8g 6.0g トリエタノールアミン 10.0g 10.0g ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム塩 2.0g 2.0g 蛍光増白剤(4,4′−ジアミノスチルベンジスルホン酸誘導体) 2.0g 2.5g 炭酸カリウム 30g 30g 水を加えて全量を1リットルとし、タンク液はpH=10.10に、補充液は pH=10.60に調整する。
【0129】漂白定着液タンク液及び補充液 ジエチレントリアミン五酢酸第二鉄アンモニウム2水塩 65g ジエチレントリアミン五酢酸 3g チオ硫酸アンモニウム(70%水溶液) 100ml 2−アミノ−5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール 2.0g 亜硫酸アンモニウム(40%水溶液) 27.5ml 水を加えて全量を1リットルとし、炭酸カリウム又は氷酢酸でpH=5.0に 調整する。
【0130】安定化液タンク液及び補充液 o−フェニルフェノール 1.0g 5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン 0.02g 2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン 0.02g ジエチレングリコール 1.0g 蛍光増白剤(チノパールSFP) 2.0g 1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸 1.8g 塩化ビスマス(45%水溶液) 0.65g 硫酸マグネシウム・7水塩 0.2g PVP 1.0g アンモニア水(水酸化アンモニウム25%水溶液) 2.5g ニトリロ三酢酸・三ナトリウム塩 1.5g 水を加えて全量を1リットルとし、硫酸又はアンモニア水でpH=7.5に調 整する。
【0131】各処理済み試料について、発色性及び耐光
性を以下のように評価した。結果を表3に示す。
【0132】《発色性》試料の最大濃度部の青色光反射
濃度(DB max)をPDA−65濃度計(コニカ株式会社
製)を用いて測定し、発色性の目安とした。
【0133】《耐光性》試料をアンダーグラス屋外曝露
台を用いて3ケ月太陽光を曝射した時の曝射前後での青
色光反射濃度をPDA−65濃度計(前出)で測定し
た。光による褪色の度合い(褪色率)を下式から求め
た。
【0134】 褪色率(%)={(D0−D)/D0}×100 ここにD0:光曝射前の濃度(1.0の点) D:光曝
射後の濃度
【0135】
【表3】
【0136】
【化13】
【0137】表3から明らかなように、本発明のグリセ
リン誘導体を用いることにより発色性、耐光性の何れも
が改良されている。
【0138】実施例2 実施例1において下記の様に変更した処理を行った。
【0139】 処理工程 処 理 温 度 時 間 補充量 発色現像 38.0±0.3℃ 22秒 81ml 漂白定着 35.0±0.5℃ 22秒 54ml 安定化 30〜34℃ 25秒 150ml 乾 燥 60〜80℃ 30秒 現像処理液の組成を下記に示す。
【0140】発色現像液タンク液及び補充液 タンク液 補充液 純水 800ml 800ml ジエチレングリコール 10g 10g 臭化カリウム 0.01g − 塩化カリウム 3.5g − 亜硫酸カリウム 0.25g 0.5g N−エチル−N−(βメタンスルホンアミドエチル)−3−メチル−4 −アミノアニリン硫酸塩 6.0g 10.5g N,N−ジエチルヒドロキシルアミン 3.5g 6.0g N,N−ビス(2−スルホエチル)ヒドロキシルアミン 3.5g 6.0g トリエタノールアミン 10.0g 10.0g ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム塩 2.0g 2.0g 蛍光増白剤(4,4′−ジアミノスチルベンジスルホン酸誘導体) 2.0g 2.5g 炭酸カリウム 30g 30g 水を加えて全量を1リットルlとし、タンク液はpH=10.10に、補充液 はpH=10.60に調整する。
【0141】漂白定着液タンク液及び補充液 タンク液 補充液 ジエチレントリアミン五酢酸第二鉄アンモニウム2水塩 100g 50g ジエチレントリアミン五酢酸 3g 3g チオ硫酸アンモニウム(70%水溶液) 200ml 100ml 2−アミノ−5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール 2.0g 1.0g 亜硫酸アンモニウム(40%水溶液) 50ml 25ml 水を加えて全量を1リットルとし、炭酸カリウム又は氷酢酸でタンク液はpH =7.0に、補充液はpH=6.5に調整する。
【0142】安定化液タンク液及び補充液 o−フェニルフェノール 1.0g 5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン 0.02g 2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン 0.02g ジエチレングリコール 1.0g 蛍光増白剤(チノパールSFP) 2.0g 1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸 1.8g PVP 1.0g アンモニア水(水酸化アンモニウム25%水溶液) 2.5g エチレンジアミン四酢酸 1.0g 亜硫酸アンモニウム(40%水溶液) 10ml 水を加えて全量を1リットルとし、硫酸又はアンモニア水でpH=7.5に調 整する。
【0143】実施例1と同様に評価し、本発明の効果が
有効に得られることを確認した。
【0144】実施例3 実施例2において、自動現像機としてコニカ社製NPS
−868J、処理ケミカルとしてECOJET−Pを使
用し、プロセスCPK−2−J1に従ってランニング処
理した。実施例1と同様に評価し本発明の効果が得られ
る事を確認した。
【0145】実施例4 実施例1の試料101における第3層のマゼンタカプラ
ー及び高沸点有機溶媒を、表4に示す化合物の等モルに
置き換えた以外は同様にして試料201〜214を作製
した。
【0146】各試料を常法により緑色光で光楔露光した
後、実施例1と同様の現像処理を行い、処理済み試料に
ついて発色性及び耐光性を実施例1と同様に、更に吸収
特性及び肌色再現性(調子)を以下に示す方法で評価し
た。
【0147】結果を併せて表4に示す。
【0148】《吸収特性》試料の濃度1.0での分光吸
収極大(λmax)を分光光度計で測定した。
【0149】《肌色調子再現性》人物を撮影したネガフ
ィルムから、各試料を用い実施例3と同様の処理により
プリントを作成した。得られたプリントの肌色の硬調感
を目視で10段階評価し(数値が大きいほど肌色の硬調
感が強く、肌色の調子再現性が低い)、これを以て肌色
調子再現性とした。尚、表中の値は、任意の10人の評
価者の平均値である。
【0150】
【表4】
【0151】
【化14】
【0152】表4の結果から明らかなように、従来の高
沸点溶媒、例えばトリクレジルホスフェートでは肌色調
子再現性は向上するものの、耐光性が劣化してしまい、
比較化合物2においては、発色性及び耐光性は向上する
ものの、肌色調子再現性が大幅に劣化してしまう等の欠
点を有する。これに反し、本発明のグリセリン誘導体を
用いることにより、耐光性や発色性を劣化させることな
く肌色の調子再現性が向上している。
【0153】特に、一般式(G−I)の置換基R1が脂
肪族基で置換された芳香族基(所謂アルカリル基)の場
合に耐光性の向上が著しく、更に特開平5−22436
9号記載の一般式〔I−1〕で示されるマゼンタカプラ
ーや同7−175186号記載の一般式〔I〕で表され
るマゼンタカプラーとの組合せが、耐光性、発色性及び
肌色調子再現性の何れをも大きく向上することが判っ
た。
【0154】実施例5 実施例1の試料101における第3層のマゼンタカプラ
ーを等モルのM−3に、高沸点有機溶媒を表5に示す化
合物の等モルに置き換えた以外は同様にして試料301
〜312を作製した。ただし、試料302〜304及び
308〜310の高沸点有機溶媒は、一般式(G−I)
で表される化合物の内でG−I−2を表中の重量だけ混
合して用いた。
【0155】各試料を常法に従い緑色光で光楔露光し、
実施例1と同様の現像処理を行った。処理済み試料につ
いて、発色性、耐光性、吸収特性及び肌色調子再現性を
実施例1及び4と同様な方法で評価した。尚、耐光性に
ついては70kluxのXeランプで2週間照射した時
の褪色率で評価した。
【0156】結果を表5に示す。
【0157】
【表5】
【0158】表5の結果から明らかなように、本発明の
グリセリン誘導体は、従来から知られる高沸点有機溶媒
と併用しても十分効果が得られる。特に、高沸点有機溶
媒全量中のグリセリン誘導体の割合が20wt%以上の
場合、肌色再現性が大きく向上することが判った。
【0159】又、一般式(G−I)に相当する化合物を
含有しない比較化合物G−II−2Cを用いた試料307
は、発色性、耐光性の向上は見られるものの、肌色調子
再現性が大きく劣化することが確認された。
【0160】一方、一般式(G−I)に相当する化合物
を24wt%含有する化合物G−II−2を用いると、発
色性、耐光性及び肌色調子再現性が大きく向上すること
が確認された。
【0161】
【発明の効果】本発明のグリセリン誘導体を使用するこ
とにより、カプラーの発色性、形成される色素画像の光
堅牢性を損なうことなく、色再現性、特に肌色調子再現
性に優れたハロゲン化銀写真感光材料を得ることができ
る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(G−I)で表されるグリセ
    リン誘導体の少なくとも1種を含有することを特徴とす
    るハロゲン化銀写真感光材料。 一般式(G−I) R1O−CH(CH2OH)2 〔式中、R1は脂肪族基又は芳香族基を表し、該脂肪族
    基及び芳香族基は、更に置換基を有してもよい。〕
  2. 【請求項2】 下記に定義されるグリセリン誘導体の混
    合物を含有することを特徴とするハロゲン化銀写真感光
    材料。グリセリン誘導体混合物:混合物に含まれる成分
    が下記一般式(G−II)で表される化合物から成り、か
    つ前記一般式(G−I)で表される成分を20wt%以
    上含有する。 一般式(G−II) R11O(Glycidyl)nH 〔式中、R11は前記一般式(G−I)のR1と同義の基
    を表し、Glycidylは下記(Gly−1)、(G
    ly−2)又は(Gly−3)の何れかの2価の連結基
    を表し、*はR11Oとの結合位置を示す。nは0〜10
    の整数を表し、nが2以上の場合、複数のGlycid
    ylは各々、同じでも異なってもよい。〕 【化1】
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