JP2000298328A - 紫外線吸収剤含有写真用分散液およびハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

紫外線吸収剤含有写真用分散液およびハロゲン化銀写真感光材料

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JP2000298328A
JP2000298328A JP11105319A JP10531999A JP2000298328A JP 2000298328 A JP2000298328 A JP 2000298328A JP 11105319 A JP11105319 A JP 11105319A JP 10531999 A JP10531999 A JP 10531999A JP 2000298328 A JP2000298328 A JP 2000298328A
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Kunimasa Hiyama
邦雅 檜山
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 経時保存しても画像滲み発生が少なく、経時
保存しても発汗の発生が少なく、且つ、製造時の析出耐
性に優れた紫外線吸収剤含有写真用分散液及び該紫外線
吸収剤を含有するハロゲン化銀写真感光材料の提供。 【解決手段】 少なくとも二種の紫外線吸収剤を含有す
る写真用分散液において、少なくとも二種の紫外線吸収
剤がいづれも分子量360以上であり、かつ分子量36
0未満の紫外線吸収剤を含有しない事を特徴とする紫外
線吸収剤含有写真用分散液。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紫外線吸収剤含有
写真用分散液およびハロゲン化銀写真感光材料に関し、
詳しくは、経時保存後も、紫外線吸収能に優れた紫外線
吸収剤含有写真用分散液およびハロゲン化銀写真感光材
料、更に詳しくは保存後も発汗耐性に優れた紫外線吸収
剤含有写真用分散液およびハロゲン化銀写真感光材料に
関する。
【0002】
【従来の技術】紫外線吸収剤は、各種素材や、画像など
の耐光性を改良するために必須の素材であり、多くの分
野で使用されている。特に表面に画像形成された製品に
おいては、耐光性の影響が見えやすいため、多用されて
いる。画像形成される製品の一例として、ハロゲン化銀
写真感光材料があり、紫外線吸収剤が多用されている。
【0003】紫外線吸収剤には、一般的に、次の特性を
有する事が必要とされている。
【0004】1)可視光領域に実質的に吸収を持たない
こと 2)画像などの他の性能に影響を及ぼさないこと 3)紫外線吸収能が高いこと また、長時間の光照射の影響を抑制する目的で用いるた
めには4)化合物自体の光堅牢性が高いこと等が挙げら
れる。
【0005】しかしながら、これらの性能を有する紫外
線吸収剤であっても、耐光性を向上させるため紫外線吸
収剤を添加すると、製造時の紫外線吸収剤の経時保存
で、結晶の析出を引き起こし、製造収率を劣化させた
り、表面の非平滑化、欠陥など、製造工程で大きなトラ
ブルを発生させやすいという問題があった。
【0006】したがって、これらの結晶析出による製造
工程のトラブルの問題を改良する方法が提案されてい
る。例えば二種類の紫外線吸収剤を併用して改良する方
法が、特公昭48−5496号、同48−30493
号、同48−41572号、特開昭53−85425
号、特開平4−1748号の各公報で提案されている。
本発明者はこれらの方法を検討をし、製造時の析出によ
る問題を改良できる事を確認したが、いまだ十分ではな
かった。また、これらの方法で作製された試料では、画
像の滲みが発生するという新たな課題がある事がわかっ
た。また経時保存した場合に熱や湿度で、試料表面に油
状成分が現れる(以後発汗と称す)現象の問題もあっ
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の第一
の目的は、経時保存しても画像滲み発生が少ない紫外線
吸収剤含有分散液を提供することにある。
【0008】本発明の第二の目的は、経時保存しても発
汗の、発生が少ない紫外線吸収剤含有分散液を提供する
ことにある。
【0009】本発明の第三の目的は、製造時の析出耐性
に優れた紫外線吸収剤含有分散液を提供することにあ
る。
【0010】本発明の第四の目的は、上記に記載の紫外
線吸収剤を含有するハロゲン化銀写真感光材料を提供す
ることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は下記構成
により達成された。
【0012】1.少なくとも二種の紫外線吸収剤を含有
する写真用分散液において、少なくとも二種の紫外線吸
収剤がいづれも分子量360以上であり、かつ分子量3
60未満の紫外線吸収剤を含有しない事を特徴とする紫
外線吸収剤を含有する写真用分散液。
【0013】2.感光性層および非感光性層を有する写
真感光材料において、少なくとも1層に、logPが7
以下の紫外線吸収剤およびアニオン性界面活性剤を含有
する事を特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
【0014】3.感光性層および非感光性層を有する写
真感光材料において、上記少なくとも1層に、平均一次
粒子径が、1〜100nmの顔料および無機塩を含有す
る事を特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
【0015】4.感光性層および非感光性層を有する写
真感光材料において、上記少なくとも1層に、平均一次
粒子径が、1〜100nmの顔料およびアニオン性界面
活性剤を含有する事を特徴とするハロゲン化銀写真感光
材料。
【0016】5.感光性層および非感光性層を有する写
真感光材料において、上記少なくとも1層に二種の紫外
線吸収剤を含有し、かつ該紫外線吸収剤がいづれも分子
量360以上であり、かつ分子量360未満の紫外線吸
収剤を含有しない事を特徴とするハロゲン化銀写真感光
材料。
【0017】即ち、本発明者は、紫外線吸収剤を有効量
添加しても、経時保存による画像滲みや、発汗を改良す
る方法を種々検討した結果、特定の紫外線吸収剤含有分
散液及び該紫外線吸収剤を含有するハロゲン化銀写真感
光材料でこの問題が改良される事を見出し、本発明に至
った。また、耐光性や析出耐性も、従来技術以上に改良
されることを見いだした。
【0018】以下、本発明の詳細について説明する。
【0019】請求項1及び請求項5に記載の発明の分子
量が360以上の紫外線吸収剤について説明する。
【0020】分子量360以上の紫外線吸収剤の化合物
例としては、特開平1−306839号、同1−306
840号、同1−306841号、同1−306842
号、同1−306843号公報の各公報の一般式(1)
として記載されている化合物のうち分子量が360以上
のもの、特開昭62−8143号公報の一般式(UV−
1)として記載されている化合物のうち分子量360以
上のもの、特開平7−134360の一般式(1)で示
される化合物のうち分子量360以上の化合物、などが
挙げられる。
【0021】以下に、請求項1及び請求項5に記載の紫
外線吸収剤の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定
されるものではない。
【0022】
【化1】
【0023】請求項1及び請求項5に記載の発明の分子
量360以上の紫外線吸収剤を、三種以上含有すること
が好ましい。
【0024】請求項1及び請求項5に記載の発明の分子
量360以上の紫外線吸収剤は、分子中に塩素を含有し
ない化合物である事が特に好ましい。また紫外線吸収剤
は、紫外線吸収剤を基としてもつビニル系モノマーを重
合単位としてもつ重合体ではないほうが好ましい。
【0025】請求項1及び請求項5の発明に記載の紫外
線吸収剤としては、具体的にはベンゾトリアゾール系の
紫外線吸収剤であることが特に好ましい。紫外線吸収剤
は、分子量380以上であることがより好ましく、分子
量390以上であることが更に好ましく、分子量400
以上であることが特に好ましい。
【0026】請求項1及び請求項5の発明に記載の紫外
線吸収剤含有分散液は高沸点有機溶剤を含有しないこと
が好ましい。
【0027】請求項2の発明に記載のlogPが7以下
の紫外線吸収剤について説明する。
【0028】logPは、n−オクタノール/水への分
配係数Pの対数であり、 P=(n−オクタノール相中の溶質濃度)/(水相中の
溶質濃度)である。
【0029】logPの値は、従来より疎水性の尺度と
して利用されており、例えばケミカルレビュー(Che
micalReview)555、71(6)、(19
71)、SolubilityBehavior of
Organic Compound(Techniq
ue of Chemistry,vol21)(Jo
hn Wiley社刊 1990年)、Chemosp
here,1837,18(1989)、Substi
tuent Constants For Corer
ation Analisis in Chemist
ry andBiology(John Wily&S
ons社刊 1979年)などに記載されている。
【0030】logPが7以下の紫外線吸収剤として
は、該logPが7以下になるものであればいづれでも
よいが、具体的化合物としては、スルホン酸基、カルボ
ン酸基、エーテル基を含有するものが好ましい。具体的
な化合物例としては、米国特許第4,937,349号
に記載のスルホン酸基含有ベンゾトリアゾール系紫外線
吸収剤、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾフェノ
ン−5−スルホン酸、BASF(株)製UVINUL
MS−40、メチル−3−〔3−t−ブチル−5−(2
H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシ
フェニル〕プロピオネート−ポリエチレングリコール
(分子量約300)との縮合物、チバガイギー(株)製
Tinuvin1130等をあげることができる。
【0031】これらの中で請求項2の発明に記載の紫外
線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系の紫外線吸収
剤であることが特に好ましい。請求項2に記載の紫外線
吸収剤は、分子量380以上であることが好ましく、分
子量390以上であることがより好ましく、分子量40
0以上である事が特に好ましい。
【0032】請求項2に記載の発明のハロゲン化銀写真
感光材料は、logP7以下の紫外線吸収剤の他に、少
なくとも一層に上記、請求項1及び請求項5に記載の発
明の分子量360以上の紫外線吸収剤の少なくとも1種
を含有することが好ましい。logP7以下の紫外線吸
収剤と分子量360以上の紫外線吸収剤が、同一層に添
加されていることが特に好ましい。
【0033】請求項2、請求項5の発明のハロゲン化銀
写真感光材料に含有される紫外線吸収剤は、総塗設量が
0.3〜1.5g/m2であることが好ましく、0.6
〜0.9g/m2であることがより好ましい。
【0034】次に、請求項3および請求項4の発明に記
載の平均一次粒径が1〜100nmの顔料について説明
する。
【0035】平均一次粒径が1〜100nmの顔料は、
Gunter Buxbaum,Industrial
Inorganic Pigments,VCHWe
inheim,New York,Basel.Cam
bridge,Tokyo(1993),227〜22
8頁に記載されている、平均一次粒径が1〜100nm
である微粒子の顔料であり、透明顔料であることが好ま
しい。
【0036】具体的な顔料としては微粒子酸化チタンが
好ましく、粒径の大きい酸化チタンのような可視光域で
の吸収を実質的にもっていないものである。この微粒子
酸化チタンには、酸化鉄を含有することが好ましく、特
にFe23を含有することが耐光性に効果がある点で好
ましい。微粒子酸化チタンの表面は、Al23またはS
iO2で表面処理されていることが好ましい。また微粒
子酸化チタンとしてはルチル構造の微粒子酸化チタンが
好ましい。
【0037】請求項3の発明に記載の無機塩について説
明する。
【0038】無機塩はいづれの化合物でもよいが、本発
明の効果をより発揮させるためには、水へ易溶の無機塩
が好ましく、なかでも燐酸塩(ナトリウム塩)が好まし
い。特に好ましい化合物例としては、燐酸ナトリウム、
トリポリ燐酸ソーダ、ヘキサポリ燐酸ソーダが挙げられ
る。
【0039】無機塩は塗布液などに添加され溶解される
ので、イオンの形で、ハロゲン化銀写真感光材料中に存
在し、製造中の塗布欠陥を減少させる効果がある。
【0040】本発明の微粒子顔料に、上記の無機塩、さ
らに下記アニオン性界面活性剤の3者を併用することが
本発明の効果をより奏する点で好ましい。
【0041】請求項2及び請求項4の発明に記載のアニ
オン性界面活性剤について説明する。
【0042】アニオン性界面活性剤は、下記一般式
(A)で表される化合物が好ましい。
【0043】一般式(A) (R1)−(Y)n R1は、少なくとも2個の炭素原子を含むn価の基を表
し、Yは−COOM、−SO3M、または−P(=O)
(OM)2を表す。Mは、水素原子イオンまたはアルカ
リ金属イオン又は第四級アンモニウムイオン等のカチオ
ンを表す。
【0044】アニオン性界面活性剤のなかで、特に好ま
しいのはスルホン酸系の界面活性剤であり、例えば下記
に示す化合物である。
【0045】 一般式(1) R−(L)n−SO3 -+ (式中、Rはアルキル基、アリール基、アラルキル基も
しくはアルケニル基を表し、Rに含まれる全炭素数は8
〜36であり、Lは二価の連結基を表し、nは0又は1
から10の整数である。M+は水素原子イオン又はカチ
オンを表す)によって達成される。
【0046】次に本発明に好ましく用いられる一般式
(1)で示される界面活性剤について説明する。
【0047】一般式(1)において、Rがアルキル基で
ある場合、直鎖、環状及び分岐のいずれでもよく、炭素
数8〜36アルキル基のを表すが、より好ましくは炭素
数12〜24のアルキル基である。Rが置換アルキル基
である場合、置換基としては、水酸基、カルボキシル
基、アミノ基、シアノ基、ハロゲン原子、アルコキシカ
ルボニル基、カルボンアミド基等が挙げられる。
【0048】また、ここでいうアルキル基には、炭素鎖
中に、−O−、−S−、−CO2−、−CONR′−、
−SO2−、−SO2NR′−、−NR′CO−、−N
R′SO2−を1個以上有するものが包含される(R′
は水素原子、アルキル基またはアリール基を表す。) Rがアリール基である場合、フェニル基またはナフチル
基を表すが、それらの環の置換基は、前記アルキル基の
置換基として挙げた基が挙げられる。より好ましいアリ
ール基としては、炭素数の合計が12〜24で、アルキ
ルフェニル基、アリキルナフチル基であり、炭素数の合
計が7〜24がより好ましく、例えば、ベンジル基、フ
ェネチル基、1−フェニルエチル基等が挙げられる。
【0049】Rがアルケニル基である場合は、炭素−炭
素二重結合をいずれの位置に有するものでもよく、置換
基としては、前記アルキル基の置換基として挙げた基が
挙げられる。好ましくはアルケニル基の炭素数が12〜
24で二重結合の個数が1〜5のものである。
【0050】Lは2価の連結基を表し、特に好ましく
は、−O−、−NH−、−CONH−、−(OCH2
2)m−、−(OCH2CH2)mO−、−(OCH2
H(CH3))m−、−(OCH2CH(CH3))mO
−である。(mは1〜10の整数、特に1〜5の整数が
好ましい。) M+は水素原子イオンまたはカチオンを表すが、好まし
くはH+、K+、Na+、1/2Mg2+、1/2Ca2+
1/2Ba2+、NH4 +、Ag+及びN+R″(R″は同じ
でも異なっていてもよいアルキル基で、総炭素数4〜3
2であり、好ましくは4〜16である)である。
【0051】一般式(1)で表される界面活性剤は、ハ
ロゲン化銀写真感光材料1m2当たりの塗布量が0.3
g/m2以下が好ましく、特に好ましくは0.05〜
0.25g/m2の範囲である。ここで0.3g/m2
超えると、濃度ムラ及び経時での白地劣化や鮮鋭性低下
に対する本発明の改良度が低くなる。また0.05g/
2未満の塗布量では、塗布性が悪くなり、高沸点溶媒
と併せて乳化分散して添加しているカプラー等の油溶性
化合物の析出等の欠点を生じ易くなる。
【0052】一般式(1)で表される界面活性剤の具体
例は以下に示すが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。
【0053】
【化2】
【0054】
【化3】
【0055】
【化4】
【0056】上記のアニオン性界面活性剤のうち、本発
明においては、フッ素原子を有する活性剤が好ましい。
【0057】本発明に用いられるハロゲン化銀写真乳剤
の組成は、塩化銀、臭化銀、塩臭化銀、沃臭化銀、塩沃
臭化銀、塩沃化銀等任意のハロゲン組成を有するもので
あってもよいが、塩化銀を95モル%以上含有する実質
的に沃化銀を含有しない塩臭化銀が好ましい。迅速処理
性、処理安定性からは、好ましくは97モル%以上、よ
り好ましくは98〜99.9モル%の塩化銀を含有する
ハロゲン化銀乳剤が好ましい。
【0058】本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤を得
るには、臭化銀を高濃度に含有する部分を有するハロゲ
ン化銀乳剤が特に好ましく用いられる。この場合、高濃
度に臭化銀を含有する部分は、ハロゲン化銀乳剤粒子に
エピタキシー接合していても、いわゆるコア・シェル乳
剤であってもよいし、完全な層を形成せず単に部分的に
組成の異なる領域が存在するだけであってもよい。
【0059】また、組成は連続的に変化してもよいし不
連続に変化してもよい。臭化銀が高濃度に存在する部分
は、ハロゲン化銀粒子の表面の結晶粒子の頂点である事
が特に好ましい。
【0060】本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤を得
るには重金属イオンを含有させるのが有利である。この
ような目的に用いることの出来る重金属イオンとして
は、鉄、イリジウム、白金、パラジウム、ニッケル、ロ
ジウム、オスミウム、ルテニウム、コバルト等の第8〜
10族金属や、カドミウム、亜鉛、水銀などの第12族
遷移金属や、鉛、レニウム、モリブデン、タングステ
ン、ガリウム、クロムの各イオンを挙げることができ
る。中でも鉄、イリジウム、白金、ルテニウム、ガリウ
ム、オスミウムの金属イオンが好ましい。
【0061】これらの金属イオンは、塩や、錯塩の形で
ハロゲン化銀乳剤に添加することが出来る。
【0062】前記重金属イオンが錯体を形成する場合に
は、その配位子またはイオンとしてはシアン化物イオ
ン、チオシアン酸イオン、シアン酸イオン、イソチオシ
アン酸イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、沃化物イ
オン、硝酸イオン、カルボニル、アンモニア等を挙げる
ことができる。中でも、シアン化物イオン、チオシアン
酸イオン、イソチオシアン酸イオン、塩化物イオン、臭
化物イオンが好ましい。
【0063】本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤に重
金属イオンを含有させるためには、該重金属化合物をハ
ロゲン化銀粒子の形成前、ハロゲン化銀粒子の形成中、
ハロゲン化銀粒子の形成後の物理熟成中の各工程の任意
の場所で添加すればよい。前述の条件を満たすハロゲン
化銀乳剤を得るには、重金属化合物をハロゲン化物塩と
一緒に溶解して粒子形成工程の全体或いは一部にわたっ
て連続的に添加する事ができる。
【0064】前記重金属イオンをハロゲン化銀乳剤中に
添加するときの量はハロゲン化銀1モル当り1×10-9
モル〜1×10-2モルがより好ましく、特に1×10-8
モル〜5×10-5モルが好ましい。
【0065】本発明に用いられるハロゲン化銀粒子の形
状は任意のものを用いることが出来る。好ましい一つの
例は、(100)面を結晶表面として有する立方体であ
る。また、米国特許4,183,756号、同4,22
5,666号、特開昭55−26589号、特公昭55
−42737号や、ザ・ジャーナル・オブ・フォトグラ
フィック・サイエンス(J.Photogr.Sc
i.)21、39(1973)等の文献に記載された方
法等により、八面体、十四面体、十二面体等の形状を有
する粒子をつくり、これを用いることもできる。さら
に、双晶面を有する粒子を用いてもよい。
【0066】本発明に用いられるハロゲン化銀粒子は、
単一の形状からなる粒子が好ましく用いられるが、単分
散のハロゲン化銀乳剤を二種以上同一層に添加する事が
特に好ましい。
【0067】本発明に用いられるハロゲン化銀粒子の粒
径は特に制限はないが、迅速処理性及び感度など、他の
写真性能などを考慮すると好ましくは、0.1〜1.2
μm、更に好ましくは、0.2〜1.0μmの範囲であ
る。
【0068】この粒径は、粒子の投影面積か直径近似値
を使ってこれを測定することができる。粒子が実質的に
均一形状である場合は、粒径分布は直径か投影面積とし
てかなり正確にこれを表すことができる。
【0069】本発明に用いられるハロゲン化銀粒子の粒
径の分布は、好ましくは変動係数が0.22以下、更に
好ましくは0.15以下の単分散ハロゲン化銀粒子であ
り、特に好ましくは変動係数0.15以下の単分散乳剤
を2種以上同一層に添加する事である。ここで変動係数
は、粒径分布の広さを表す係数であり、次式によって定
義される。
【0070】変動係数=S/R (ここに、Sは粒径分布の標準偏差、Rは平均粒径を表
す。) ここでいう粒径とは、球状のハロゲン化銀粒子の場合は
その直径、また、立方体や球状以外の形状の粒子の場合
は、その投影像を同面積の円像に換算したときの直径を
表す。
【0071】ハロゲン化銀乳剤の調製装置、方法として
は、当業界において公知の種々の方法を用いることがで
きる。
【0072】本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は、
酸性法、中性法、アンモニア法の何れで得られたもので
あってもよい。前記ハロゲン化銀粒子は一時に成長させ
たものであってもよいし、種粒子を作った後で成長させ
てもよい。種粒子を作る方法と成長させる方法は同じで
あっても、異なってもよい。
【0073】また、可溶性銀塩と可溶性ハロゲン化物塩
を反応させる形式としては、順混合法、逆混合法、同時
混合法、それらの組合せなど、いずれでもよいが、同時
混合法で得られたものが好ましい。更に同時混合法の1
形式として特開昭54−48521号等に記載されてい
るpAgコントロールド・ダブルジェット法を用いるこ
ともできる。
【0074】また、特開昭57−92523号、同57
−92524号等に記載の反応母液中に配置された添加
装置から水溶性銀塩及び水溶性ハロゲン化物塩水溶液を
供給する装置、ドイツ公開特許2,921,164号等
に記載された水溶性銀塩及び水溶性ハロゲン化物塩水溶
液を連続的に濃度変化して添加する装置、特公昭56−
501776号等に記載の反応器外に反応母液を取り出
し、限外濾過法で濃縮することによりハロゲン化銀粒子
間の距離を一定に保ちながら粒子形成を行なう装置など
を用いてもよい。
【0075】更に必要で有ればチオエーテル等のハロゲ
ン化銀溶剤を用いてもよい。また、メルカプト基を有す
る化合物、含窒素ヘテロ環化合物または増感色素のよう
な化合物をハロゲン化銀粒子の形成時、または、粒子形
成終了の後に添加して用いてもよい。
【0076】本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は、
金化合物を用いる増感法、カルコゲン増感剤を用いる増
感法を組み合わせて用いることが出来る。
【0077】本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤に適
用するカルコゲン増感剤としては、イオウ増感剤、セレ
ン増感剤、テルル増感剤などを用いることが出来るが、
イオウ増感剤が好ましい。イオウ増感剤としてはチオ硫
酸塩、アリルチオカルバミドチオ尿素、アリルイソチア
シアネート、シスチン、p−トルエンチオスルホン酸
塩、ローダニン、無機イオウ等が挙げられる。
【0078】イオウ増感剤の添加量としては、適用され
るハロゲン化銀乳剤の種類や期待する効果の大きさなど
により変える事が好ましいが、ハロゲン化銀1モル当た
り5×10-10〜5×10-5モルの範囲、好ましくは5
×10-8〜3×10-5モルの範囲が好ましい。
【0079】金増感剤としては、塩化金酸、硫化金等の
他各種の金錯体として添加することができる。用いられ
る配位子化合物としては、ジメチルローダニン、チオシ
アン酸、メルカプトテトラゾール、メルカプトトリアゾ
ール等を挙げることができる。金化合物の使用量は、ハ
ロゲン化銀乳剤の種類、使用する化合物の種類、熟成条
件などによって一様ではないが、通常はハロゲン化銀1
モル当たり1×10-4モル〜1×10-8モルであること
が好ましい。更に好ましくは1×10-5モル〜1×10
-8モルである。
【0080】本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤の化
学増感法としては、還元増感法を用いてもよい。
【0081】本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤に
は、ハロゲン化銀写真感光材料の調製工程中に生じるカ
ブリを防止したり、保存中の性能変動を小さくしたり、
現像時に生じるカブリを防止する目的で公知のカブリ防
止剤、安定剤を用いることが出来る。
【0082】こうした目的に用いることのできる好まし
い化合物の例として、特開平2−146036号公報7
ページ下欄に記載された一般式(II)で表される化合物
を挙げることができ、さらに好ましい具体的な化合物と
しては、同公報の8ページに記載の(IIa−1)〜(II
a−8)、(IIb−1)〜(IIb−7)の化合物や、1
−(3−メトキシフェニル)−5−メルカプトテトラゾ
ール、1−(4−エトキシフェニル)−5−メルカプト
テトラゾール等の化合物を挙げることができる。これら
の化合物は、その目的に応じて、ハロゲン化銀乳剤粒子
の調製工程、化学増感工程、化学増感工程の終了時、塗
布液調製工程などの工程で添加される。これらの化合物
の存在下に化学増感を行う場合には、ハロゲン化銀1モ
ル当り1×10-5モル〜5×10-4モル程度の量で好ま
しく用いられる。
【0083】化学増感終了時に添加する場合には、ハロ
ゲン化銀1モル当り1×10-6モル〜1×10-2モル程
度の量が好ましく、1×10-5モル〜5×10-3モルが
より好ましい。塗布液調製工程において、ハロゲン化銀
乳剤層に添加する場合には、ハロゲン化銀1モル当り1
×10-6モル〜1×10-1モル程度の量が好ましく、1
×10-5モル〜1×10-2モルがより好ましい。またハ
ロゲン化銀乳剤層以外の層に添加する場合には、塗布被
膜中の量が、1m2当り1×10-9モル〜1×10-3
ル程度の量が好ましい。
【0084】本発明のハロゲン化銀写真感光材料には、
イラジエーション防止やハレーション防止の目的で種々
の波長域に吸収を有する染料を用いることができる。こ
の目的で、公知の化合物をいずれも用いることが出来る
が、特に、可視域に吸収を有する染料としては、特開平
3−251840号公報308ページに記載のAI−1
〜11の染料および特開平6−3770号公報記載の染
料が好ましく用いられ、赤外線吸収染料としては、特開
平1−280750号公報の2ページ左下欄に記載の一
般式(I)、(II)、(III)で表される化合物が好ま
しい分光特性を有し、ハロゲン化銀写真乳剤の写真特性
への影響もなく、また残色による汚染もなく好ましい。
好ましい化合物の具体例として、同公報3ページ左下欄
〜5ページ左下欄に挙げられた例示化合物(1)〜(4
5)を挙げることができる。
【0085】これらの染料を添加する量として、鮮鋭性
を改良する目的には感光材料の未処理試料の680nm
における分光反射濃度が0.7以上にする量が好まし
く、さらには0.8以上にする事がより好ましい。
【0086】本発明の感光材料中に、蛍光増白剤を添加
することが白地性を改良でき好ましい。好ましく用いら
れる化合物としては、特開平2−232652号に記載
の一般式で示される化合物が挙げられる。
【0087】本発明のハロゲン化銀写真感光材料をカラ
ー写真感光材料として用いる場合には、イエローカプラ
ー、マゼンタカプラー、シアンカプラーに組み合わせて
400〜900nmの波長域の特定領域に分光増感され
たハロゲン化銀乳剤を含む層を有する。該ハロゲン化銀
乳剤は一種または、二種以上の増感色素を組み合わせて
含有する。
【0088】本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤に用
いる分光増感色素としては、公知の化合物をいずれも用
いることができるが、青感光性増感色素としては、特開
平3−251840号公報28ページに記載のBS−1
〜8を単独でまたは組み合わせて好ましく用いることが
できる。緑感光性増感色素としては、同公報28ページ
に記載のGS−1〜5が好ましく用いられる。赤感光性
増感色素としては同公報29ページに記載のRS−1〜
8が好ましく用いられる。また、半導体レーザーを用い
るなどして赤外光により画像露光を行う場合には、赤外
感光性増感色素を用いる必要があるが、赤外感光性増感
色素としては、特開平4−285950号公報6〜8ペ
ージに記載のIRS−1〜11の色素が好ましく用いら
れる。また、これらの赤外、赤、緑、青感光性増感色素
に特開平4−285950号公報8〜9ページに記載の
強色増感剤SS−1〜SS−9や特開平5−66515
号公報15〜17ページに記載の化合物S−1〜S−1
7を組み合わせて用いるのが好ましい。
【0089】これらの増感色素の添加時期としては、ハ
ロゲン化銀粒子形成から化学増感終了までの任意の時期
でよい。
【0090】増感色素の添加方法としては、メタノー
ル、エタノール、フッ素化アルコール、アセトン、ジメ
チルホルムアミド等の水混和性有機溶媒や水に溶解して
溶液として添加してもよいし、固体分散物として添加し
てもよい。
【0091】本発明のハロゲン化銀写真感光材料に用い
られるカプラーとしては、発色現像主薬の酸化体とカッ
プリング反応して340nmより長波長域に分光吸収極
大波長を有するカップリング生成物を形成し得るいかな
る化合物をも用いることが出来るが、特に代表的な物と
しては、波長域350〜500nmに分光吸収極大波長
を有するイエロー色素形成カプラー、波長域500〜6
00nmに分光吸収極大波長を有するマゼンタ色素形成
カプラー、波長域600〜750nmに分光吸収極大波
長を有するシアン色素形成カプラーとして知られている
ものが代表的である。
【0092】本発明のハロゲン化銀写真感光材料に好ま
しく用いることのできるシアンカプラーとしては、特開
平4−114154号公報5ページ左下欄に記載の一般
式(C−I)、(C−II)で表されるカプラーを挙げる
ことができる。具体的な化合物は、同公報5ページ右下
欄〜6ページ左下欄にCC−1〜CC−9として記載さ
れているものを挙げることができる。
【0093】本発明のハロゲン化銀写真感光材料に好ま
しく用いることのできるマゼンタカプラーとしては、特
開平4−114154号公報4ページ右上欄に記載の一
般式(M−I)、(M−II)で表されるカプラーを挙げ
ることができる。具体的な化合物は、同公報4ページ左
下欄〜5ページ右上欄にMC−1〜MC−11として記
載されているものを挙げることができる。上記マゼンタ
カプラーのうちより好ましいのは、同号公報4ページ右
上欄に記載の一般式(M−I)で表されるカプラーであ
り、そのうち、上記一般式(M−I)のRMが3級アル
キル基であるカプラーが耐光性に優れ特に好ましい。同
公報5ページ上欄に記載されているMC−8〜MC−1
1は青から紫、赤に到る色の再現に優れ、さらにディテ
ールの描写力にも優れており好ましい。
【0094】本発明のハロゲン化銀写真感光材料に好ま
しく用いることのできるイエローカプラーとしては、特
開平4−114154号公報3ページ右上欄に記載の一
般式(Y−I)で表されるカプラーを挙げることができ
る。具体的な化合物は、同公報3ページ左下欄以降にY
C−1〜YC−9として記載されているものを挙げるこ
とができる。中でも同公報の一般式[Y−1]のRY1
がアルコキシ基であるカプラーまたは特開平6−673
88号公報記載の一般式[I]で示されるカプラーは好
ましい色調の黄色を再現でき好ましい。このうち特に好
ましい化合物例としては特開平4−114154号公報
4ページ左下欄に記載されているYC−8、YC−9、
および特開平6−67388号公報13〜14ページに
記載のNo.(1)〜(47)で示される化合物を挙げ
ることができる。さらに最も好ましい化合物は特開平4
−81847号公報1ページおよび同号公報11ページ
〜17ページに記載の一般式[Y−1]で示される化合
物である。
【0095】本発明のハロゲン化銀写真感光材料に用い
られるカプラーやその他の有機化合物を添加するのに水
中油滴型乳化分散法を用いる場合には、通常、沸点15
0℃以上の水不溶性高沸点有機溶媒に、必要に応じて低
沸点及び/または水溶性有機溶媒を併用して溶解し、ゼ
ラチン水溶液などの親水性バインダー中に界面活性剤を
用いて乳化分散する。分散手段としては、撹拌機、ホモ
ジナイザー、コロイドミル、フロージェットミキサー、
超音波分散機等を用いることができる。分散後、また
は、分散と同時に低沸点有機溶媒を除去する工程を入れ
てもよい。カプラーを溶解して分散するために用いるこ
との出来る高沸点有機溶媒としては、ジオクチルフタレ
ート、ジイソデシルフタレート、ジブチルフタレート等
のフタル酸エステル類、トリクレジルホスフェート、ト
リオクチルフタレート等のリン酸エステル類、が好まし
く用いられる。また高沸点有機溶媒の誘電率としては
3.5〜7.0である事が好ましい。また二種以上の高
沸点有機溶媒を併用することもできる。
【0096】また、高沸点有機溶媒を用いる方法に代え
て、または高沸点有機溶媒と併用して、水不溶性かつ有
機溶媒可溶性のポリマー化合物を、必要に応じて低沸点
及び/または水溶性有機溶媒に溶解し、ゼラチン水溶液
などの親水性バインダー中に界面活性剤を用いて種々の
分散手段により乳化分散する方法をとることもできる。
この時用いられる水不溶性で有機溶媒可溶性のポリマー
としては、ポリ(N−t−ブチルアクリルアミド)等を
挙げることができる。
【0097】写真用添加剤の分散や塗布時の表面張力調
整のため用いられる界面活性剤として好ましい化合物と
しては、1分子中に炭素数8〜30の疎水性基とスルホ
ン酸基またはその塩を含有するものが挙げられる。具体
的には特開昭64−26854号公報に記載のA−1〜
A−11が挙げられる。またアルキル基に弗素原子を置
換した界面活性剤も好ましく用いられる。これらの分散
液は通常ハロゲン化銀乳剤を含有する塗布液に添加され
るが、分散後塗布液に添加されるまでの時間、および塗
布液に添加後塗布までの時間は短いほうがよく各々10
時間以内が好ましく、3時間以内、20分以内がより好
ましい。
【0098】上記各カプラーには、形成された色素画像
の光、熱、湿度等による褪色を防止するため褪色防止剤
を併用することが好ましい。特に好ましい化合物として
は、特開平2−66541号公報3ページ記載の一般式
IおよびIIで示されるフェニルエーテル系化合物、特開
平3−174150号公報記載の一般式IIIBで示され
るフェノール系化合物特開昭64−90445号公報記
載の一般式Aで示されるアミン系化合物、特開昭62−
182741号公報記載の一般式XII、XIII、XIV、XVで
示される金属錯体が特にマゼンタ色素用として好まし
い。また特開平1−196049号公報記載の一般式
I′で示される化合物および特開平5−11417号公
報記載の一般式IIで示される化合物が特にイエロー、シ
アン色素用として好ましい。
【0099】発色色素の吸収波長をシフトさせる目的
で、特開平4−114154号公報9ページ左下欄に記
載の化合物(d−11)、同号公報10ページ左下欄に
記載の化合物(A′−1)等の化合物を用いることがで
きる。また、これ以外にも米国特許4,774,187
号に記載の蛍光色素放出化合物を用いることも出来る。
【0100】本発明のハロゲン化銀感光材料には、現像
主薬酸化体と反応する化合物を感光層と感光層の間の層
に添加して色濁りを防止したりまたハロゲン化銀乳剤層
に添加してカブリ等を改良する事が好ましい。このため
の化合物としてはハイドロキノン誘導体が好ましく、さ
らに好ましくは2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノ
ンのようなジアルキルハイドロキノンである。特に好ま
しい化合物は特開平4−133056号公報記載の一般
式IIで示される化合物であり、同号公報明細書13〜1
4ページ記載の化合物II−1〜II−14および17ペー
ジ記載の化合物1が挙げられる。
【0101】本発明のハロゲン化銀写真感光材料には、
バインダーとしてゼラチンを用いることが有利である
が、必要に応じて他のゼラチン、ゼラチン誘導体、ゼラ
チンと他の高分子のグラフトポリマー、ゼラチン以外の
タンパク質、糖誘導体、セルロース誘導体、単一あるい
は共重合体のごとき合成親水性高分子物質等の親水性コ
ロイドも用いることができる。
【0102】これらバインダーの硬膜剤としてはビニル
スルホン型硬膜剤やクロロトリアジン型硬膜剤やカルボ
キシ活性型硬膜剤を単独または併用して使用する事が好
ましい。特開昭61−249054号、同61−245
153号公報記載の化合物を使用する事が好ましい。ま
た写真性能や画像保存性に悪影響するカビや細菌の繁殖
を防ぐためコロイド層中に特開平3−157646号公
報記載のような防腐剤および抗カビ剤を添加する事が好
ましい。また感光材料または処理後の試料の表面の物性
を改良するため保護層に特開平6−118543号公報
や特開平2−73250号公報に記載の滑り剤やマット
剤を添加する事が好ましい。
【0103】本発明のハロゲン化銀写真感光材料に用い
る支持体としては、どのような材質を用いてもよく、ポ
リエチレンやポリエチレンテレフタレートで被覆した
紙、天然パルプや合成パルプからなる紙支持体、塩化ビ
ニルシート、白色顔料を含有してもよいポリプロピレ
ン、ポリエチレンテレフタレート支持体、バライタ紙な
どを用いることができる。なかでも、原紙の両面に耐水
性樹脂被覆層を有する支持体が好ましい。耐水性樹脂と
してはポリエチレンやポリエチレンテレフタレートまた
はそれらのコポリマーが好ましい。
【0104】支持体に用いられる白色顔料としては、無
機及び/または有機の白色顔料を用いることができ、好
ましくは無機の白色顔料が用いられる。例えば硫酸バリ
ウム等のアルカリ土類金属の硫酸塩、炭酸カルシウム等
のアルカリ土類金属の炭酸塩、微粉ケイ酸、合成ケイ酸
塩等のシリカ類、ケイ酸カルシウム、アルミナ、アルミ
ナ水和物、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、クレイ等が
あげられる。白色顔料は好ましくは硫酸バリウム、酸化
チタンである。
【0105】支持体の表面の耐水性樹脂層中に含有され
る白色顔料の量は、鮮鋭性を改良するうえで13重量%
以上が好ましく、さらには15重量%が好ましい。
【0106】本発明に用いられる紙支持体の耐水性樹脂
層中の白色顔料の分散度は、特開平2−28640号公
報に記載の方法で測定することができる。この方法で測
定したときに、白色顔料の分散度が前記公報に記載の変
動係数として0.20以下であることが好ましく、0.
15以下であることがより好ましい。
【0107】また支持体の中心面平均粗さ(SRa)の
値が通常0.15μm以下、さらには0.12μm以下
であるほうが光沢性の点で優れた効果が得られより好ま
しい。
【0108】また反射支持体の白色顔料含有耐水性樹脂
中や塗布された親水性コロイド層中に処理後の白地部の
分光反射濃度バランスを調整し白色性を改良するため群
青、油溶性染料等の微量の青味付剤や赤味付剤を添加す
る事が好ましい。
【0109】本発明のハロゲン化銀写真感光材料は、必
要に応じて支持体表面にコロナ放電、紫外線照射、火炎
処理等を施した後、直接または下塗層(支持体表面の接
着性、帯電防止性、寸度安定性、耐摩擦性、硬さ、ハレ
ーション防止性、摩擦特性及び/またはその他の特性を
向上するための1または2以上の下塗層)を介して塗布
されていてもよい。
【0110】ハロゲン化銀乳剤を用いた写真感光材料の
塗布に際して、塗布性を向上させるために増粘剤を用い
てもよい。塗布法としては2種以上の層を同時に塗布す
ることの出来るエクストルージョンコーティング及びカ
ーテンコーティングが特に有用である。
【0111】本発明のハロゲン化銀写真感光材料を用い
て、写真画像を形成するには、ネガ上に記録された画像
を、プリントしようとするハロゲン化銀写真感光材料上
に光学的に結像させて焼き付けてもよいし、画像を一旦
デジタル情報に変換した後その画像をCRT(陰極線
管)上に結像させ、この像をプリントしようとするハロ
ゲン化銀写真感光材料上に結像させて焼き付けてもよい
し、デジタル情報に基づいてレーザー光の強度を変化さ
せて走査することによって焼き付けてもよい。
【0112】本発明は現像主薬を感光材料中に内蔵して
いない感光材料に適用することが好ましく、特に反射支
持体を有する感光材料に適用する事が好ましい。
【0113】本発明において用いられる芳香族一級アミ
ン現像主薬としては、公知の化合物を用いることができ
る。これらの化合物の例として下記の化合物を挙げるこ
とができる。
【0114】CD−1) N,N−ジエチル−p−フェ
ニレンジアミン CD−2) 2−アミノ−5−ジエチルアミノトルエン CD−3) 2−アミノ−5−(N−エチル−N−ラウ
リルアミノ)トルエン CD−4) 4−(N−エチル−N−(β−ヒドロキシ
エチル)アミノ)アニリン CD−5) 2−メチル−4−(N−エチル−N−(β
−ヒドロキシエチル)アミノ)アニリン CD−6) 4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N
−(β−(メタンスルホンアミド)エチル)アニリン CD−7) N−(2−アミノ−5−ジエチルアミノフ
ェニルエチル)メタンスルホンアミド CD−8) N,N−ジメチル−p−フェニレンジアミ
ン CD−9) 4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N
−メトキシエチルアニリン CD−10) 4−アミノ−3−メチル−N−エチル−
N−(β−エトキシエチル)アニリン CD−11) 4−アミノ−3−メチル−N−エチル−
N−(γ−ヒドロキシプロピル)アニリン 本発明においては、上記は色現像液を任意のpH域で使
用できるが、迅速処理の観点からpH9.5〜13.0
であることが好ましく、より好ましくはpH9.8〜1
2.0の範囲で用いられる。
【0115】本発明に用いられる発色現像の処理温度
は、35℃〜70℃が好ましい。温度が高いほど短時間
の処理が可能であり好ましいが、処理液の安定性からは
あまり高くない方が好ましく、37℃〜60℃で処理す
ることが好ましい。
【0116】発色現像時間は、従来一般には3分30秒
程度で行われているが、本発明では40秒以内が好まし
く、さらに25秒以内の範囲で行うことがさらに好まし
い。
【0117】発色現像液には、前記の発色現像主薬に加
えて、既知の現像液成分化合物を添加することが出来
る。通常、pH緩衝作用を有するアルカリ剤、塩化物イ
オン、ベンゾトリアゾール類等の現像抑制剤、保恒剤、
キレート剤などが用いられる。
【0118】本発明のハロゲン化銀写真感光材料は、発
色現像後、漂白処理及び定着処理を施される。漂白処理
は定着処理と同時に行なってもよい。定着処理の後は、
通常は水洗処理が行なわれる。また、水洗処理の代替と
して、安定化処理を行なってもよい。
【0119】本発明のハロゲン化銀写真感光材料の現像
処理に用いる現像処理装置としては、処理槽に配置され
たローラーに感光材料をはさんで搬送するローラートラ
ンスポートタイプであっても、ベルトに感光材料を固定
して搬送するエンドレスベルト方式であってもよいが、
処理槽をスリット状に形成して、この処理槽に処理液を
供給するとともに感光材料を搬送する方式や処理液を噴
霧状にするスプレー方式、処理液を含浸させた担体との
接触によるウエッブ方式、粘性処理液による方式なども
用いることができる。大量に処理する場合には、自動現
像機を用いてランニング処理されるのが通常だが、この
際、補充液の補充量は少ない程好ましく、環境適性等よ
り最も好ましい処理形態は、補充方法として錠剤の形態
で処理剤を添加することであり、公開技報94−169
35に記載の方法が最も好ましい。
【0120】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明の実施態様はこれらに限定されるもので
はない。
【0121】実施例1 坪量180g/m2の紙パルプの両面に高密度ポリエチ
レンをラミネートし、紙支持体を作製した。但し、乳剤
層を塗布する側には、表面処理を施したアナターゼ型酸
化チタンを15重量%の含有量で分散して含む溶融ポリ
エチレンをラミネートし、反射支持体を作製した。この
反射支持体をコロナ放電処理した後、ゼラチン下塗層を
設け、さらに以下に示す構成の各層を塗設し、ハロゲン
化銀写真感光材料を作製した。硬膜剤としては、H−
1、H−2、防腐剤としては、F−1を使用した。
【0122】
【表1】
【0123】
【表2】
【0124】DBP :ジブチルフタレート DNP :ジノニルフタレート DOP :ジオクチルフタレート DIDP:ジ−i−デシルフタレート PVP :ポリビニルピロリドン H−1 :テトラキス(ビニルスルホニルメチル)メタ
ン H−2 :2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−ト
リアジン・ナトリウム HQ−1:2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン HQ−2:2,5−ジ−sec−ドデシルハイドロキノ
ン HQ−3:2,5−ジ−sec−テトラデシルハイドロ
キノン HQ−4:2−sec−ドデシル−5−sec−テトラ
デシルハイドロキノン HQ−5:2,5−ジ〔(1,1−ジメチル−4−ヘキ
シルオキシカルボニル)ブチル〕ハイドロキノン 画像安定剤A:P−t−オクチルフェノール
【0125】
【化5】
【0126】
【化6】
【0127】
【化7】
【0128】
【化8】
【0129】(青感性ハロゲン化銀乳剤の調製)40℃
に保温した2%ゼラチン水溶液1リットル中に下記(A
液)及び(B液)をpAg=7.3、pH=3.0に制
御しつつ30分かけて同時添加し、更に下記(C液)及
び(D液)をpAg=8.0、pH=5.5に制御しつ
つ180分かけて同時添加した。この時、pAgの制御
は特開昭59−45437号記載の方法により行い、p
Hの制御は硫酸又は水酸化ナトリウム水溶液を用いて行
った。
【0130】 (A液) 塩化ナトリウム 3.42g 臭化カリウム 0.03g 水を加えて 200ml (B液) 硝酸銀 10g 水を加えて 200ml (C液) 塩化ナトリウム 102.7g K2IrCl6 4×10-8モル/モルAg K4Fe(CN)6 2×10-5モル/モルAg 臭化カリウム 1.0g 水を加えて 600ml (D液) 硝酸銀 300g 水を加えて 600ml 添加終了後、花王アトラス社製デモールNの5%水溶液
と硫酸マグネシウムの20%水溶液を用いて脱塩を行っ
た後、ゼラチン水溶液と混合して平均粒径0.71μ
m、粒径分布の変動係数0.07、塩化銀含有率99.
5モル%の単分散立方体乳剤EMP−1を得た。次に
(A液)と(B液)の添加時間および(C液)と(D
液)の添加時間を変更した以外はEMP−1と同様にし
て平均粒径0.64μm、粒径分布の変動係数0.0
7、塩化銀含有率99.5モル%の単分散立方体乳剤E
MP−1Bを得た。
【0131】上記EMP−1に対し、下記化合物を用い
60℃にて最適に化学増感を行った。またEMP−1B
に対しても同様に最適に化学増感した後、増感されたE
MP−1とEMP−1Bを銀量で1:1の割合で混合
し、青感性ハロゲン化銀乳剤(Em−B)を得た。
【0132】 チオ硫酸ナトリウム 0.8mg/モルAgX 塩化金酸 0.5mg/モルAgX 安定剤 STAB−1 3×10-4モル/モルAgX 安定剤 STAB−2 3×10-4モル/モルAgX 安定剤 STAB−3 3×10-4モル/モルAgX 増感色素 BS−1 4×10-4モル/モルAgX 増感色素 BS−2 1×10-4モル/モルAgX (緑感性ハロゲン化銀乳剤の調製)(A液)と(B液)
の添加時間及び(C液)と(D液)の添加時間を変更す
る以外はEMP−1と同様にして平均粒径0.40μ
m、変動係数0.08、塩化銀含有率99.5%の単分
散立方体乳剤EMP−2を得た。次に平均粒径0.50
μm、変動係数0.08、塩化銀含有率99.5%の単
分散立方体乳剤EMP−2Bを得た。
【0133】上記EMP−2に対し、下記化合物を用い
55℃にて最適に化学増感を行った。またEMP−2B
に対しても同様に最適に化学増感した後、増感されたE
MP−2とEMP−2Bを銀量で1:1の割合で混合
し、緑感性ハロゲン化銀乳剤(Em−G)を得た。
【0134】 チオ硫酸ナトリウム 1.5mg/モルAgX 塩化金酸 1.0mg/モルAgX 安定剤 STAB−1 3×10-4モル/モルAgX 安定剤 STAB−2 3×10-4モル/モルAgX 安定剤 STAB−3 3×10-4モル/モルAgX 増感色素 GS−1 4×10-4モル/モルAgX (赤感性ハロゲン化銀乳剤の調製)(A液)と(B液)
の添加時間及び(C液)と(D液)の添加時間を変更す
る以外はEMP−1と同様にして平均粒径0.40μ
m、変動係数0.08、塩化銀含有率99.5%の単分
散立方体乳剤EMP−3を得た。また平均粒径0.38
μm、変動係数0.08、塩化銀含有率99.5%の単
分散立方体乳剤EMP−3Bを得た。
【0135】上記EMP−3に対し、下記化合物を用い
60℃にて最適に化学増感を行った。またEMP−3B
に対しても同様に最適に化学増感した後、増感されたE
MP−3とEMP−3Bを銀量で1:1の割合で混合し
赤感性ハロゲン化銀乳剤(Em−R)を得た。
【0136】 チオ硫酸ナトリウム 1.8mg/モルAgX 塩化金酸 2.0mg/モルAgX 安定剤 STAB−1 3×10-4モル/モルAgX 安定剤 STAB−2 3×10-4モル/モルAgX 安定剤 STAB−3 3×10-4モル/モルAgX 増感色素 RS−1 1×10-4モル/モルAgX 増感色素 RS−2 1×10-4モル/モルAgX STAB−1:1−(3−アセトアミドフェニル)−5
−メルカプトテトラゾール STAB−2:1−フェニル−5−メルカプトテトラゾ
ール STAB−3:1−(4−エトキシフェニル)−5−メ
ルカプトテトラゾール また赤感光性乳剤には、SS−1をハロゲン化銀1モル
当り2.0×10-3添加した。
【0137】
【化9】
【0138】
【化10】
【0139】このようにして、作製した試料を試料10
1とする。次に、第6層および第4層に添加する紫外線
吸収剤を表3に示す組み合わせに変更した以外は同様に
して各試料を作製した。
【0140】但し、各試料の作製においては、各層の油
相成分を疎水性微粒子分散物として含有する塗布液は、
大量生産に対応させるため、40℃で、5時間保存後に
塗布を行った。
【0141】このようにして作製した各試料を、常法に
より赤色光楔露光した後、下記現像処理工程により現像
処理を行い、シアンウェッジ画像のあるカラープリント
を作製した。
【0142】 (実施例、処理工程) 処理工程 処 理 温 度 時間 補充量 発色現像 38.0±0.3℃ 45秒 80cc 漂白定着 35.0±0.5℃ 45秒 120cc 安 定 化 30〜34℃ 60秒 150cc 乾 燥 60〜80℃ 30秒 現像処理液の組成を下記に示す。
【0143】 発色現像液タンク液及び補充液 タンク液 補充液 純水 800ml 800ml トリエチレンジアミン 2g 3g ジエチレングリコール 10g 10g 臭化カリウム 0.01g − 塩化カリウム 3.5g − 亜硫酸カリウム 0.25g 0.5g N−エチル−N−(βメタンスルホンアミドエチル)−3−メチル−4 −アミノアニリン硫酸塩 6.0g 10.0g N,N−ジエチルヒドロキシルアミン 6.8g 6.0g トリエタノールアミン 10.0g 10.0g ジエチレントリアミン五酢酸五ナトリウム塩 2.0g 2.0g 蛍光増白剤(4,4′−ジアミノスチルベンジスルホン酸誘導体) 2.0g 2.5g 炭酸カリウム 30g 30g 水を加えて全量を1リットルとし、タンク液はpH=1
0.10に、補充液はpH=10.60に調整する。
【0144】 漂白定着液タンク液及び補充液 ジエチレントリアミン五酢酸第二鉄アンモニウム2水塩 65g ジエチレントリアミン五酢酸 3g チオ硫酸アンモニウム(70%水溶液) 100ml 2−アミノ−5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール 2.0g 亜硫酸アンモニウム(40%水溶液) 27.5ml 水を加えて全量を1リットルとし、炭酸カリウム又は氷
酢酸でpH=5.0に調整する。
【0145】 安定化液タンク液及び補充液 o−フェニルフェノール 1.0g 5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン 0.02g 2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン 0.02g ジエチレングリコール 1.0g 蛍光増白剤(チノパールSFP) 2.0g 1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸 1.8g 塩化ビスマス(45%水溶液) 0.65g 硫酸マグネシウム・7水塩 0.2g PVP 1.0g アンモニア水(水酸化アンモニウム25%水溶液) 2.5g ニトリロ三酢酸・三ナトリウム塩 1.5g 水を加えて全量を1リットルとし、硫酸又はアンモニア
水でpH=7.5に調整する。
【0146】このようにして得られた、シアン画像の各
試料を、85℃、相対湿度60%で、2週間保存した
後、各シアン画像の段差部分の滲みを10人の観察者に
より、下記基準で、10段階評価で目視観察し、その平
均点で滲み耐性の目安とした。
【0147】また同様に発汗耐性も評価した。
【0148】 画像滲み評価基準: 滲みが非常に悪く画像段差不明 :1 滲みが悪く画像段差がぼやける :3 滲みが発生し画像段差やや不鮮明:5 滲みが若干発生 :8 滲みの発生なし :10 発汗耐性評価基準: 表面に大粒油状成分が多発 :1 表面に油状成分が発生 :5 表面の油状成分若干発生 :8 表面の発汗なし :10 また、塗布直後の試料面での表面凹凸欠陥の数を測定
し、析出性の目安とした。
【0149】また、上記の2週間保存後の各試料のシア
ン反射濃度1.0の部分の耐光性を、アンダーグラス屋
外暴露台を用いて、90日間太陽光を曝斜した時の、退
色前後での赤色光反射濃度を測定した。光による退色率
を以下のようにして求めた。
【0150】退色率(%)=100×(D−D0)/D00=光退色前反射濃度 D=光退色後反射濃度 このようにして得られた結果を表3に示す。
【0151】
【化11】
【0152】下記UV−Aは、III−11(MW39
3)、UV−Bは、III−14(MW381)、UV−
Cは、III−15(MW435)、比較UV−3(MW
287)、比較UV−1(MW351)実施例記載UV
−1、比較UV−2(MW323)実施例記載UV−
2、UV−DはIII−13(MW451)、UV−EはI
II−16(MW385)。
【0153】
【表3】
【0154】表3から明らかなように、本発明の試料
は、比較の試料に比して画像滲みの少ない画像が得られ
た。分子量360未満の紫外線吸収剤を含有する試料1
01,102,103に比して、試料104が画像滲み
耐性がより優れていることがわかる。
【0155】また本発明に分子量360以上の紫外線吸
収剤を2種併用している試料105より3種併用してい
る試料104のほうが本発明の効果が大きい事がわか
る。
【0156】また、分子量400以上の紫外線吸収剤
を、2種以上併用している試料106のほうが、分子量
400以上の紫外線吸収剤が1種である試料104より
本発明の効果が大きいことがわかる。
【0157】また、高沸点有機溶剤を除いた試料107
は試料106より本発明の効果が大きい事がわかる。ま
た紫外線吸収剤に塩素を含有する試料108より塩素を
含有しない試料104のほうが本発明の効果が大きい事
がわかる。
【0158】また、本発明の試料は、発汗耐性や、析出
耐性、耐光性も良好な画像が得られた。
【0159】実施例2 実施例1の試料102と同様の試料を作製し、試料20
1とした。試料201の第4層、第6層の紫外線吸収剤
のうち、UV−2のみを、表4に示すように変化した以
外は試料201と同様の各試料を作製した。
【0160】このように作製した試料を、実施例1と同
様に評価した。結果を表4に示す。
【0161】下記UV−Xは、メチル−3−[3−t−
ブチル−5−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)
−4−ヒドロキシフェニル]プロピオネート−ポリエチ
レングリコール(分子量約300)との縮合物(log
P5以下)。
【0162】下記UV−Yは、2−ヒドロキシ−4−メ
トキシベンゾフェノン−5−スルホン酸(logP7以
下)。
【0163】
【表4】
【0164】表4から明らかなように本発明の試料は、
析出耐性のよい試料が得られた。
【0165】また、耐光性の良好な画像が得られた。ま
た、FA−22を使用している試料204は試料203
より本発明の効果が大きい事がわかる。
【0166】実施例3 実施例1の試料102と同様の試料を作製し、試料30
1とした。試料301の第4層の紫外線成分の構成を、
表5に示すように変化した以外は試料301と同様の各
試料を作製した。
【0167】このように作製した試料を、実施例1と同
様に評価した。結果を表5に示す。
【0168】下記UV−AはIII−13(MW39
3)、P−1は「平均一次粒子径24nmのルチル型微
粒子酸化チタン(1重量%Fe23含有)」。
【0169】
【表5】
【0170】表5から明らかなように本発明の試料は、
析出耐性のよい試料が得られた。
【0171】また耐光性などの良好な画像が得られた。
無機塩とアニオン性界面活性剤を併用している試料30
8では特に本発明の効果をより奏していることが分か
る。
【0172】実施例4 実施例1、2において下記の様に変更した処理を行っ
た。
【0173】 処理工程 処 理 温 度 時間 補充量 発色現像 38.0±0.3℃ 22秒 81ml 漂白定着 35.0±0.5℃ 22秒 54ml 安定化 30〜34℃ 25秒 150ml 乾 燥 60〜80℃ 30秒 現像処理液の組成を下記に示す。
【0174】 発色現像液タンク液及び補充液 タンク液 補充液 純水 800ml 800ml ジエチレングリコール 10g 10g 臭化カリウム 0.01g − 塩化カリウム 3.5g − 亜硫酸カリウム 0.25g 0.5g N−エチル−N−(βメタンスルホンアミドエチル)−3−メチル−4 −アミノアニリン硫酸塩 6.5g 10.5g N,N−ジエチルヒドロキシルアミン 3.5g 6.0g N,N−ビス(2−スルホエチル)ヒドロキシアミン 3.5g 6.0g トリエタノールアミン 10.0g 10.0g ジエチレントリアミン五酢酸五ナトリウム塩 2.0g 2.0g 蛍光増白剤(4,4′−ジアミノスチルベンジスルホン酸誘導体) 2.0g 2.5g 炭酸カリウム 30g 30g 水を加えて全量を1リットルlとし、タンク液はpH=
10.10に、補充液はpH=10.60に調整する。
【0175】 漂白定着液タンク液及び補充液 タンク液 補充液 ジエチレントリアミン五酢酸第二鉄アンモニウム2水塩 100g 50g ジエチレントリアミン五酢酸 3g 3g チオ硫酸アンモニウム(70%水溶液) 200ml 100ml 2−アミノ−5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール 2.0g 1.0g 亜硫酸アンモニウム(40%水溶液) 50ml 25ml 水を加えて全量を1リットルとし、炭酸カリウム又は氷
酢酸でタンク液はpH=7.0に、補充液はpH=6.
5に調整する。
【0176】 安定化液タンク液及び補充液 o−フェニルフェノール 1.0g 5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン 0.02g 2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン 0.02g ジエチレングリコール 1.0g 蛍光増白剤(チノパールSFP) 2.0g 1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸 1.8g PVP 1.0g アンモニア水(水酸化アンモニウム25%水溶液) 2.5g エチレンジアミン四酢酸 1.0g 亜硫酸アンモニウム(40%水溶液) 10ml 水を加えて全量を1リットルとし、硫酸又はアンモニア
水でpH=7.5に調整する。
【0177】実施例1と同様に評価した結果、本発明の
試料は、比較の試料に比して優れていることが分かっ
た。
【0178】実施例5 実施例1、2において、自動現像機としてコニカ(株)
製NPS−868J、処理ケミカルとしてECOJET
−Pを使用し、プロセス名CPK−2−J1に従ってラ
ンニング処理した。実施例1と同様に評価した結果、本
発明の試料は、比較の試料に比して優れていることが分
かった。
【0179】
【発明の効果】実施例で実証した如く、本発明による紫
外線吸収剤含有写真用分散液及び該紫外線吸収剤を含有
するハロゲン化銀写真感光材料は、経時保存しても画像
滲み発生が少なく、経時保存しても発汗の発生が少な
く、且つ、製造時の析出耐性に優れた効果を有する。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも二種の紫外線吸収剤を含有す
    る写真用分散液において、少なくとも二種の紫外線吸収
    剤がいづれも分子量360以上であり、かつ分子量36
    0未満の紫外線吸収剤を含有しない事を特徴とする紫外
    線吸収剤を含有する写真用分散液。
  2. 【請求項2】 感光性層および非感光性層を有する写真
    感光材料において、少なくとも1層に、logPが7以
    下の紫外線吸収剤およびアニオン性界面活性剤を含有す
    る事を特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
  3. 【請求項3】 感光性層および非感光性層を有する写真
    感光材料において、上記少なくとも1層に、平均一次粒
    子径が、1〜100nmの顔料および無機塩を含有する
    事を特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
  4. 【請求項4】 感光性層および非感光性層を有する写真
    感光材料において、上記少なくとも1層に、平均一次粒
    子径が、1〜100nmの顔料およびアニオン性界面活
    性剤を含有する事を特徴とするハロゲン化銀写真感光材
    料。
  5. 【請求項5】 感光性層および非感光性層を有する写真
    感光材料において、上記少なくとも1層に二種の紫外線
    吸収剤を含有し、かつ該紫外線吸収剤がいづれも分子量
    360以上であり、かつ分子量360未満の紫外線吸収
    剤を含有しない事を特徴とするハロゲン化銀写真感光材
    料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004012008A1 (ja) * 2002-07-25 2004-02-05 Konica Corporation ハロゲン化銀写真感光材料

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