JPH11240645A - サクション空気の制御装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 印刷機の印刷機胴のサクションオリフィスに
供給されるサクション空気の制御装置を改良して、前記
サクションオリフィスの精密段階づけを容易にしかつ諸
種の印刷材料種の確実な案内を保証する。 【解決手段】 本発明のサクション空気の制御装置で
は、サクション空気をタイミング制御するための第１の
空圧式制御装置３５以外に、サクション空気を印刷材料
の判型に関連して制御するための第２の空圧式制御装置
３６が配備されており、かつ弁３２が空圧で制御可能に
印刷機胴１６に配置されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、請求項１に発明の
上位概念として規定した通り、印刷機の印刷機胴のサク
ションオリフィスをサクション空気源と接続させる制御
可能な弁及びサクション空気をタイミング制御するため
の第１の空圧式制御装置を装備した形式の、前記サクシ
ョンオリフィスに負荷可能なサクション空気の制御装置
に関し、特に枚葉紙オフセット輪転印刷機の、枚葉紙後
縁用サクショングリッパを有する枚葉紙受渡し胴におけ
るサクション空気導管を開放・閉止するための装置に係
わる。

【０００２】

【従来の技術】前記形式の装置は、最大判型のために発
案されたサクションオリフィス群を配備した判型可変の
印刷機胴で小判型の印刷枚葉紙を搬送することを可能に
するために使用され、その場合、周辺外気の誤吸引は、
小判型の印刷枚葉紙によってカバーされていないサクシ
ョンオリフィスによって避けられる。このようにして高
いエネルギ消費量、好ましくない効率、極端な場合は真
空崩壊、比較的大きなダスト粒子の吸引並びに印刷機操
業時の高い騒音放射が避けられる。

【０００３】ドイツ連邦共和国特許出願公開第２１０９
２３７号明細書には、枚葉紙又は裁断紙などを吸着搬送
するための、サクション幅を調整可能なサクションロー
ラが記載されており、該サクションローラは、個々のサ
クションオリフィス群をサクション空気源に接続するた
めに使用される遠隔制御可能な弁を有している。該弁
は、制御ヘッドに装着されていて制御センターから操作
されるか、或いは制御センターに配置されていて管路を
介して複数の制御ヘッドに接続されており、決してサク
ションローラ自体に装着されているのではない。この公
知の装置によって、複数本のサクションローラのサクシ
ョン幅が、制御センターから最小切換え時間内で調整さ
れる。この場合の欠点は、制御ヘッドの、ディスク又は
リングとして形成された摩耗性の構成部品の構造が、サ
クションオリフィス群の分化度合が細かくなるに伴って
複雑化し、その結果製造コストが更に割高になることで
ある。従来技術において提案された装置は、３つのサク
ションオリフィス群にサクションオリフィスを大まかに
段階づけた封筒製造機ではうまく適用できるが、しかし
ながら細かく段階づけられたより多数のサクションオリ
フィス又はサクションオリフィス群を必要とする印刷機
胴の場合には適用不良である。特に適した弁制御態様と
しては電磁弁が顕著である。しかしこの場合好ましくな
い点は、印刷機に元々存在している空圧システム以外
に、第２のシステムが設置され、しかもこの電気的なシ
ステムはトラブル発生率が高いことである。電磁弁は比
較的高価であるので、細かなサクションオリフィス段階
付けを有する前記印刷機において電磁弁を多数使用する
ことは利点が少ない。しかも電磁弁はサクションローラ
に内設されてはいず、外設されている。賞用される電磁
弁は又、回転可能なサクションローラには配置しにく
い。それというのは電気的結合が厄介だからである。電
磁弁の外設に基づいて、弁から、サクションローラ周面
の、印刷材料などによって被覆されていないサクション
オリフィスへ通じるサクション空気通路は、異物、例え
ば蓄積する紙粉（ペーパー粒子）の侵入による汚染リス
クに曝されている。

【０００４】ドイツ連邦共和国特許出願公開第２７５４
３７０号明細書に開示されているパイリングローラのサ
クションオリフィスは、自動的に作用する閉鎖機構を装
備し、該閉鎖機構は、印刷材料によって被覆されていな
いサクションオリフィスをその都度閉鎖する。この弁は
空圧式に作動されるが、制御不能であり、むしろ自動的
に開閉する。この公知技術では、サクション空気を回転
角度に関連して正確にタイミング制御するための空圧式
制御装置は設けられていない。この場合好ましくない点
は、弁が比較的不確実に機能することである。確実な機
能は、サクションオリフィスに供給される真空の大きさ
に関連している。このように構成されたローラの周面
に、重量の異なった印刷材料、例えば薄紙及び厚紙をガ
イドしようとする場合には、サクション空気の強さを頻
繁に変化することが必要である。サクション空気の強さ
が弱いと、自動的な弁は遅延し、つまり比較的緩慢に反
応する結果になる。弁内に蓄積する不純物、例えば紙粉
は更にまた、案内される弁態の滑り摩擦状態に予測不能
な影響を及ぼすことになる。しかも印刷機胴周面におけ
る印刷材料の案内は、サクション空気の極めて正確なタ
イミング制御を必要とし、殊にいかなる印刷材料種にお
いても弁の絶対確実な機能を必要とする。このことが特
に重要になるのは例えば、枚葉紙を保持するサクション
オリフィスによって１つの印刷機胴上を案内された印刷
枚葉紙を後続の印刷機胴に引渡さねばならない場合であ
り、この場合、枚葉紙をもはや簡単に、吸引作用中のサ
クションオリフィスから引き離すことはできない。例え
ば１枚の印刷枚葉紙の１つの角隅の領域における弁が開
かず、或いは適正時点に開弁しないことに基づいて、確
保されなかった角隅にフラッタリングや折れ曲がりが発
生することがある。この現象効果は更にまた、印刷機の
センサによって誤認されることもある。折れ曲がった角
隅は例えば二重枚葉紙として解釈され、その結果センサ
は、必要もないのに印刷機を停止させることになる。比
較的短い保守インターバルをおいた弁座の規則的なクリ
ーニング、例えば吹き払いは、印刷機の操業停止時間を
高め、かつ前記の欠点を部分的にしか除去しない。それ
というのは、前記のような不確実な機能は、汚染に起因
するばかりでなく、構造の点に基づいても存在するから
である。それ自体公知の回転サッカーにこの自動弁を組
込むことは、構造の面で効果になる。

【０００５】ドイツ連邦共和国特許出願公開第４１２６
６４３号明細書に開示されている枚葉紙を搬送しかつ引
渡すための渡し胴は、紙判型の理由から必要とされない
導管を閉止できるようにするために、締切コックを有し
ている。該締切コックは渡し胴に配置されており、かつ
制御可能ではなく、手操作で作動される。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】前記従来技術を出発点
とする本発明の課題は、印刷機の印刷機胴のサクション
オリフィスに供給されるサクション空気の制御装置を改
良して、前記サクションオリフィスの精密段階づけを容
易にしかつ諸種の印刷材料種の確実な案内を保証するこ
とである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】前記課題を解決する本発
明の構成手段は、請求項１の特徴部に記載した通りであ
る。サクション空気を印刷材料の判型に関連して制御す
るための第２の空圧式制御装置が設けられており、かつ
弁が空圧で制御可能に印刷機胴に配置されているまた本
発明のその他の有利な構成手段は請求項２以降に記載さ
れている。

【０００８】要するに、印刷機の印刷機胴のサクション
オリフィスをサクション空気源と接続させる遠隔制御可
能な弁及びサクション空気をタイミング制御するための
第１の空圧式制御装置を装備した形式の、前記サクショ
ンオリフィスに負荷可能なサクション空気を制御するた
めの本発明の制御装置は、サクション空気を印刷材料の
判型に関連して制御するための第２の空圧式制御装置が
設けられており、かつ弁が空圧で制御可能に印刷機胴に
配置されていることを特徴としている。本発明の制御装
置は、厄介な使用条件下にあっても印刷材料の確実な案
内を保証する。またサクションオリフィスの微細な段階
付けも、比較的経費をかけずに可能である。

【０００９】本明細書で以下に云う印刷機胴とは、ウェ
ッブ状又は枚葉紙状の印刷材料を案内かつ／又は搬送す
る回転体を意味するものとする。該回転体は、実質的に
閉じた円筒面状外側輪郭面を有する胴（ドラム）として
構成され、前記円筒面状外側輪郭面に、印刷枚葉紙がサ
クションオリフィスによって保持されて載っている。印
刷機胴の横断面は、回転軸方向で見て実質的に円形であ
り、かつ実質的に多辺形例えば菱形であってもよい。印
刷機胴の外周面は、相互に位置調整可能な複数のエレメ
ントから構成することができる。印刷機胴によって案内
かつ／又は搬送される印刷材料は、サクションオリフィ
スの作用に加えて、印刷機胴に配置された同一機能又は
別機能の別の保持手段、例えば保持フィンガー又はくわ
え爪及び穿刺針によって保持することもできる。更に前
記サクションオリフィスには、サクション空気を負荷す
る代わりに、或いはサクション空気の負荷に加えて、或
いは交互にブロー空気を供給することも可能である。サ
クションオリフィスは、印刷機胴の外周表面に単列又は
複列で配列することができ、その場合前記の単数又は複
数のオリフィス列は、印刷機胴の周方向つまり印刷材料
の搬送方向に延びると共に、印刷機胴の回転軸線に対し
て平行つまり横方向にも延びることができる。サクショ
ンオリフィス配列、特に印刷機胴軸線の方向に延びるサ
クションオリフィス列は、加工すべき印刷材料の判型幅
に関連して可変又は選択的に調整可能である。サクショ
ンオリフィス配列、特に周方向に延びるサクションオリ
フィス列は、判型長さに関連して制御することができ
る。サクションオリフィス列は、次のようにして制御さ
れる。すなわち当該列のサクションオリフィスは、一方
の列端部又は両方の列端部から、つまり左手端部及び／
又は右手端部或いは前端部及び／又は後端部を起点とし
てその都度他方の列端部の方へ向かって連続的に段階状
又は梯形状に接続又は遮断されるのである。印刷材料枚
葉紙の前縁又は後縁によって被覆されない横方向のサク
ションオリフィス列及び、印刷材料枚葉紙の一方又は両
方の側縁によって被覆されない周方向のサクションオリ
フィス列はその都度、各列の全てのサクションオリフィ
スが対応配設されている１つの弁を介して列毎に制御さ
れて非働化される。このようにサクションオリフィスを
機能的に纏めかつ共通の１つの弁に対応配設する以外
に、同一列の夫々１つ置き又は２つ置き…のサクション
オリフィス或いは複数のサクションオリフィスを、面状
に延びるサクションオリフィス配列もしくはマトリック
ス状のサクションオリフィス配列の特定位置で機能グル
ープを形成し、該機能グループのサクションオリフィス
を一緒に、つまり同時に能動化又は非働化させることも
同じく可能である。このようにして、印刷機胴の列又は
面積に関連して総サクション出力及び保持力のバリエー
ションを行なうことが可能である。サクション空気源
は、１つのコンプレッサとして、かつ複数の印刷ユニッ
ト又は複数の印刷機胴にサクション空気を供給する印刷
機の１つの中央サクション空気源として構成することが
できる。真空源つまり負圧源以外に、正圧源（過圧源）
を設けることが可能であるので、サクションオリフィス
をブロー空気とサクション空気で、例えば異なった時点
及び／又は異なった場所で或いは交互に負荷することが
可能である。本発明で云う空圧式制御装置とは、調整区
間が空圧系、例えばサクション空気系である制御装置を
意味し、その場合、当該系内を導かれて制御装置によっ
て制御される空気は、制御される出口側の調整量又は操
作可能な変数を表わしている。制御操作は機械的に行わ
れ、つまり空圧式制御装置の単数又は複数の部材の調整
は、手操作式にか又は調整駆動装置を介して自動式に行
なわれる。典型的な空圧式制御装置は例えば制御分配
器、多方向切換え制御弁又は回転弁である。例えば前掲
のドイツ連邦共和国特許出願公開第２１０９２３７号明
細書に開示されているようなそれ自体公知の回転弁を用
いて、或いはドイツ連邦共和国特許第３１１１８９４号
明細書に記載されているシールリング−耐摩耗ディスク
−転動体の複合体を用いて、サクション空気をタイミン
グ制御することが可能である。このタイミング制御と
は、印刷機胴の回転に関連して、もしくはこの回転に同
期的に、特定のサクションオリフィスをサクション空気
で負荷すること、すなわち、１つのサクションオリフィ
スと、該サクションオリフィスに対応配設されたサクシ
ョン空気源との間の空気導通路を、印刷機胴の回転角度
もしくは位相位置に関連して一時的に開閉することを意
味している。例えば印刷機胴に引渡されかつ該印刷機胴
によって受取られるべき印刷枚葉紙はタイミング制御に
よって正しい時点で正確にサクションオリフィスによっ
て確保され、かつ、該印刷機胴から放出つまり引渡すべ
き印刷枚葉紙は正しい時点にサクションオリフィスによ
って釈放される。本発明の空圧式弁は、周知のように電
気的に遠隔制御される公知の電磁弁の遠隔制御とは異な
って、サクション空気及び／又は圧力空気によって作動
又は制御可能である。やはり公知刊行物に記載されてい
るところの、被覆されない状態で自動的に閉弁する弁と
は異なって、本発明の弁では、第２の空圧式制御装置の
相応の調整によって、どのサクションオリフィスを非働
化し、どのサクションオリフィスを働化すべきかに応じ
て、所期のようにかつ選択的に弁を左右することが可能
である。必要に応じて例えば被覆されたサクションオリ
フィスへの空気供給を、印刷材料に対して作用する総サ
クション出力を低下させるために、弁によって閉止又は
絞ることも可能である。有利な実施形態では第２の空圧
式制御装置が、サクション空気を判型幅に関連して制御
するために使用される。各弁は、空圧で調整可能な調整
エレメントを有している。有利な実施形態では弁は、第
２の空圧式制御装置によって制御され、その場合前記調
整エレメントは、第２の空圧式制御装置により制御され
た制御空気によって空圧式に調整可能である。

【００１０】本発明は、例えばオフセット印刷法で稼働
する巻取紙輪転印刷機又は枚葉紙輪転印刷機において使
用可能であるばかりでなく、印刷材料加工機械において
も使用可能である。

【００１１】

【発明の実施の形態】次に図面に基づいて本発明の有利
な実施形態を詳説する。

【００１２】但し全ての図面において同一構成要素又は
機能の等しい構成要素は、たとえ構成要素相互間の配置
が異なっていても、概ね同一符号を付して示した。

【００１３】図１には、印刷機の１つの印刷機胴のサク
ションオリフィスに供給されるサクション空気を制御す
るための複数のサクション空気制御装置３１を配備した
多色刷り枚葉紙オフセット輪転印刷機１（以下略して印
刷機と呼ぶ）が図示されている。該印刷機１は１つの枚
葉紙給紙装置２、最初の印刷ユニット３、２基以上の別
の印刷ユニット４，５、最後の印刷ユニット６及び枚葉
紙排紙装置７から成っている。各印刷ユニット３，４，
５，６は印刷装置８を有し、該印刷装置によって印刷イ
ンキが印刷材料に転移される。図示の印刷装置８は、１
本の版胴９と１本のゴムブランケット胴１０と１本の圧
胴１１とから成っている。印刷ユニット３，４，５，６
の相互間には、枚葉紙受渡し装置１２，１３，１４が配
置されており、しかも前記枚葉紙受渡し装置の内の１つ
は特に枚葉紙ターニング装置（枚葉紙裏返し装置）１３
として構成されている。各枚葉紙受渡し装置１２，１
３，１４は３本の胴１５，１６，１７から成っている。
第１の胴１５は、受渡し装置１２；１３；１４に前置さ
れた印刷ユニット３；４；５から（特に圧胴１１から）
受取った印刷材料つまり枚葉紙１８を第２の胴１６に引
渡し、該第２の胴は枚葉紙１８を第３の胴１７へ引渡
し、該第３の胴から枚葉紙１８は、公知の印刷ユニット
４；５；６へ（特に圧胴１１へ）引渡される。図示の実
施例では、枚葉紙受渡し胴１５、枚葉紙貯え胴１６及び
枚葉紙ターニング胴１７を配備した枚葉紙ターニング装
置１３が図示されている。該枚葉紙ターニング装置１３
は選択的に２つの操業モードで運転可能である。第１の
操業モード（表刷りモード）では、印刷ユニット４にお
いて表面に印刷された枚葉紙１８は裏返されずに、枚葉
紙ターニング装置１３に後置の印刷ユニット５に引渡さ
れるので、枚葉紙１８はこの印刷ユニット５でもやはり
表面に印刷される。枚葉紙ターニング胴１７はその旋回
可能なくわえ爪形のグリッパ１９によって、表面印刷モ
ードでは枚葉紙搬送方向で見て枚葉紙１８をその前縁２
０をくわえて受取る。第２の操業モード、つまり裏面印
刷モードでは、印刷ユニット４において表面に印刷され
た枚葉紙１８は、搬送方向に対して直角に延びる水平軸
線（横軸線）を中心として転回されて、後置の印刷ユニ
ット５に引渡されて、該印刷ユニット５において枚葉紙
１８はその裏面に印刷される。枚葉紙ターニング胴１７
は裏面印刷モードにおいては枚葉紙１８の後縁２２を受
取る。それと同時に枚葉紙貯え胴１６のグリッパ２１
と、複数のサクションオリフィスから成るサッカー２３
が枚葉紙１８を解放する。枚葉紙ターニング胴１７が更
に回転すると、該枚葉紙ターニング胴１７のグリッパ１
９は、枚葉紙１８の横軸線に対して平行な軸線を中心と
して約１８０゜旋回する。枚葉紙貯え胴１６と枚葉紙タ
ーニング胴１７との間の枚葉紙受渡し部位において、枚
葉紙をくわえるグリッパ１９のくわえ爪開口は、枚葉紙
ターニング胴１７の回転方向で見れば前向きである。枚
葉紙ターニング胴１７と圧胴１１との間の枚葉紙受渡し
部位においては、くわえ爪開口は枚葉紙ターニング胴１
７の回転方向とは逆向きである。図１ではグリッパ１９
はこの終端位置にほぼ半分到達した状態で図示されてい
る。枚葉紙貯え胴１６は１枚貯え用であっても複数枚貯
え用であってもよい。複数枚貯え用の枚葉紙貯え胴１６
は同時に複数枚の枚葉紙１８を案内する。本実施例で
は、２列のグリッパ２１と２列のサッカー２３を有する
２枚貯え用の枚葉紙貯え胴１６が図示されている。枚葉
紙１８は同時にグリッパ２１とサッカー２３とによって
枚葉紙貯え胴１６の外周面に一時的に保持され、しかも
グリッパ２１は枚葉紙１８の前縁２０を緊締して保持
し、かつサッカー２３は枚葉紙１８を後縁２２の近傍域
で保持する。１枚の枚葉紙１８を案内するグリッパ２１
と、該グリッパ２１に対応配設されたサッカー２３との
間の間隔はは、紙判型に応じて調整可能であるので、種
々異なった長さの枚葉紙１８を選択的に前記の方式で確
実に保持することが可能である。このためにサッカー２
３は、グリッパ２１を支持するダブルセクター２５に対
して相対回動可能なダブルセクター２４に配置されてい
る。枚葉紙貯え胴１６と枚葉紙ターニング胴１７は、図
示を省いた歯車列と、該歯車列内に組込まれた摩擦クラ
ッチとを介して互いに駆動接続されている。前記摩擦ク
ラッチは駆動運動を、第１のクラッチ半部と結合された
第１の歯車から、第２のクラッチ半部と結合された第２
の歯車へ伝達する。クラッチエレメント間の摩擦接続は
解離可能であるので、第１歯車を第２歯車に対して相対
的に無段階に回動することが可能であり、かつ枚葉紙タ
ーニング胴１７に対する枚葉紙貯え胴１６の位相位置を
無段階に調整することが可能である。この調整可能性に
よって、選択的にグリッパ１９をグリッパ２１と協働さ
せたり（表面印刷モード）、或いはグリッパ１９をサッ
カー２３と協働させたり（裏面印刷モード）することが
可能になり、かつグリッパ１９及びサッカー２３相互の
紙判型調整も可能になる。本発明のサクション空気制御
装置３１及び、該サクション空気制御装置を含む枚葉紙
貯え胴１６の構成は、図２以降の図面に基づいて追って
詳説する。この図１では更に又、枚葉紙受渡し装置１
２，１４並びに枚葉紙ターニング装置１３の枚葉紙受渡
し胴１５及び枚葉紙貯え胴１６以外に、枚葉紙を案内す
る別のドラム、胴又はローラにも本発明のサクション空
気制御装置を装備可能であることが示されている。例え
ば給紙装置２は本発明のサクション空気制御装置を配備
したサクションローラ２６を有することができ、この場
合サクションローラ２６は給紙パイル２７からの枚葉紙
１８の個別化を助成する。また排紙装置７は、例えば本
発明のサクション空気制御装置を配備した制動ローラ２
８を有することができ、この場合制動ローラ２８は、チ
ェーングリッパ系２９によって搬送されて排紙パイル３
０の上に卸すべき枚葉紙１８の速度を減速する。枚葉紙
貯え胴１６、サクションローラ２６及び制動ローラ２８
は、その周壁面に開口する多数のサクションオリフィス
２３を有し、かつ該サクションオリフィスに接続された
弁３２を備えている。サクション空気及び制御空気はサ
クション空気源３３によって供給され、該サクション空
気源は、サクション空気導管３４，４０を介して並びに
空気をタイミング制御するための第１の空圧式制御装置
３５及び紙判型に関連して空気を制御するための第２の
空圧式制御装置３６を介してサクションオリフィス２３
と接続可能である。印刷機１及び特にサクション空気源
３３並びに空圧式制御装置３５，３６は、相互に関連し
て、かつその他の運転パラメータに関連して、マイクロ
プロセッサを有する電子制御装置３７によって制御され
る。

【００１４】図２には、図１とは異なった変化態様のサ
クション空気制御装置を配備した枚葉紙貯え胴１６が図
示されている。図１に関連して説明された、サクション
空気制御を直接には必要としない、例えばグリッパ２１
のような構成要素の図示は、図面を判り易くするために
省かれた。しかし図示を省いたとは云え、図１に示した
特徴的な構成手段と図２に示した特徴的な構成手段との
技術的に合目的的なコンビネーションは本発明の思想の
範囲に属するものである。このことは、図３以降の図面
に関連して挙げた特徴的な構成手段と、その他の図面に
関連して挙げた特徴的な構成手段とのコンビネーション
についても同じく当て嵌まる。印刷機１の両側壁３８に
設けた軸受３９内に軸支されていて枚葉紙１８を支持す
る枚葉紙貯え胴１６は、胴周方向及び特に胴軸線方向に
可動又は調整可能なサクションオリフィス４４もしくは
開口を有する列状に配列された調整可能なサッカー２３
ａ，２３ｂ，２３ｃ，２３ｄを備えており、該サッカー
は図示のように回転サッカーとして構成されているのが
殊に有利である。サッカー２３ａ〜２３ｄは枚葉紙貯え
胴１６内に回動可能に支承されており、かつ、回転軸線
４５に対して距離４６だけ偏心的にずらして開口する１
つの旋回可能なサクションオリフィス４４を有し、該サ
クションオリフィスは枚葉紙１８を、枚葉紙貯え胴１６
の周方向にも、また枚葉紙中心から外向きに相反する両
サイド方向５０，５１にも平滑に引張るので、枚葉紙後
縁は、グリッパ１９によって見当正しく受取られること
を保証するために、サクション条片及び胴周壁面にフラ
ットに載る。各サッカー２３ａ〜２３ｄには、サクショ
ン空気導管４０に接続した弁３２が配設されており、そ
の場合サクション空気の供給又は排気は、弁３２と空圧
式制御装置３５を介して真空源又はサクション空気源３
３によって行われる。弁３２は、入口側及び出口側の例
えば管状、ダクト状又はホース状の制御導管４１，４２
と、第２の空圧式制御装置３６とを介して圧力空気源４
３と空気導通接続可能であり、或いは該圧力空気源に連
結可能である。圧力空気源４３と第２の空圧式制御装置
３６とは、可撓導管４７、例えばホースを介して接続さ
れているので、この第２の空圧式制御装置の位置決め４
８及び調整４９が支障なく可能である。第２空圧式制御
装置３６は２部分から構成されており、かつ、枚葉紙貯
え胴１６に結合された第２の制御エレメント５３に接続
・離間可能に移動調整可能な第１の制御エレメント４２
から成っている。移動調整可能な第１の制御エレメント
５２の位置決め４８もしくは断ち接ぎは、駆動装置５
４、例えば図示のように空圧シリンダとして構成された
リニア駆動装置を介して行われる。第１の制御エレメン
ト５２は回転軸受５５を介してピストン棒５６の外周に
回動可能に支承されており、かつ複数の、又は図示のよ
うに１つの凹設部５７を有し、該凹設部は、殊に有利に
は、回転軸線及び胴軸線５９に対して距離５８だけ偏心
的にずらして配置されていて前記胴軸線５９に対して共
軸に円弧状に延びる長穴状の溝として形成されている。
前記凹設部５７には、可撓導管４７を介して圧力空気を
供給することが可能であり、該圧力空気は、図２に一点
鎖線で示した第１の制御エレメント５２の連結位置で
は、前記凹設部５７から、前記胴軸線５９に対して共軸
に第２の制御エレメント５３に円弧状に配置されて（も
しくはグループ別に配置されて）前記凹設部５７と協働
する複数の入口ポート６０を経て、制御導管４１，４２
内へ流入することができる。凹設部５７は、第１と第２
の制御エレメント５２，５３相互の相対的な調整によっ
て、選択的に単数又は複数の入口ポート６０と合致する
ことができる。この調整は、駆動装置６１から伝動装
置、例えば歯車６２に噛み合う歯車６３を介して枚葉紙
貯え胴１６へ運動を伝達する際に、例えば枚葉紙貯え胴
１６の回動によって、ひいては第１の制御エレメント５
２に対する第２の制御エレメント５３の回動によって行
われる。この場合印刷機１の駆動装置６１が有利に利用
される。また前記調整は、伝動装置を介して、この場合
は例えば歯車６４に噛み合わされ歯車６３を介して第２
の制御エレメント５３に対して第１の制御エレメント５
２を回動することによって行なうこともできる。駆動装
置６１として機能するモータは問題なく適当な回転位置
へ電子式に制御可能である。更に両制御エレメント５
２，５３の相互位置を確保するロック機構、例えばラチ
ェット、或いは駆動装置６１によって駆動されるステッ
プギヤを設けることも可能である。空圧式に切換え可能
な弁３２の制御は次のステップで行われる。すなわち：
先ず両制御エレメント５２，５３は、例えば印刷機の駆
動装置６１で枚葉紙貯え胴１６を回動することによっ
て、選択された相互回転角度位置へもたらされる。また
両制御エレメント５２，５３の別様の運動もしくは調
整、例えば列状に配置された入口ポート６０及び直線状
に延びる凹設部５７の線形移動調整も同じく可能であ
る。その場合第１の制御エレメント５２は第１の位置
（実線位置）から第２の位置（一点鎖線位置）へもたら
される。両制御エレメント５２，５３相互の図示位置で
は、入口側の制御導管４２、ひいては全てのサッカー２
３ａ〜２３ｄの弁３２の調整エレメントは、印刷機１及
び枚葉紙貯え胴１６の静止状態で圧力空気で負荷される
一方、出口側の制御導管４１は排気される。圧力空気の
負荷に基づいて、全ての弁３２の、図示を省いた調整エ
レメントもしくは弁体は、サクション空気をサッカー２
３ａ〜２３ｄから弁３２を通ってサクション空気導管４
０内へ自由に通流できるように調整されるので、最大紙
判型の枚葉紙１８はその判型の全幅にわたって確実に保
持される。次いで第１の制御エレメント５２が第２の制
御エレメント５３から解離され、かつ印刷機１が運転さ
れ、その場合、例えば係止する調整エレメントでもって
実際の切換え状態を自動的に保持する弁３２の、最終的
にプログラミング又は調整された切換え状態が維持され
る。第１の空圧式制御装置３５は、構造及び機能の点で
前記の第２の空圧式制御装置３６に大体において等し
い。この第２の空圧式制御装置３６と異なっている点
は、第３の制御エレメント６５と第４の制御エレメント
６６が、図示のように常時互いに結合されていることで
あり、従って第３と第４の制御エレメント６５，６６相
互の相応の回転角度位置において、かつ特定の回転角度
にわたっては、サクション空気はサクション空気導管４
０から入口ポート６７を経て、導管６８を介してサクシ
ョン空気源３３に接続された例えばただ１つの凹設部６
９又は複数の凹設部６９へ流入することができ、従って
タイミング制御される。軸受装置７０は調整可能である
ので、第３の制御エレメント６５が、ひいては凹設部６
９も、枚葉紙貯え胴１６の周方向で調整され、かつ枚葉
紙貯え胴１６の位相位置（回転角度位置）に関するサク
ション空気タイミング制御が変化され、つまりサッカー
２３ａ〜２３ｄのサクション空気の負荷開始時点と負荷
終了時点が変化される。第２の空圧式制御装置３６とは
異なって、第１の空圧式制御装置３５の入口ポート６７
と第３の制御エレメント６５は互いに常に接触してい
る。円形の入口ポート６７と円弧状の凹設部６９とを互
いに置換配置するように第１の空圧式制御装置３５を構
成する変化実施形態も造作なく可能である。

【００１５】図３には本発明を一層良く理解するため
に、回転サッカー２３ａ〜２３ｄの原理例が図示されて
いる。各サッカー群は少なくとも夫々１つのサッカーを
有している。カム伝動装置として構成された伝動装置７
２を介して、レバー伝動装置として構成された別の伝動
装置７３が、枚葉紙貯え胴１６の回転に関連して、かつ
該枚葉紙貯え胴１６の駆動装置によって駆動される。こ
のようにしてサッカー２３ａ〜２３ｄのサクション通路
７１のポートには、周期的なかつ枚葉紙貯え胴１６の回
転角度に関連した運動７４が生ぜしめられ、その場合該
運動７４は、胴軸線５９に対して平行な第１の運動成分
７５ａ，７５ｂと、枚葉紙貯え胴１６の周方向のかつ枚
葉紙搬送方向とは逆方向の第２の運動成分７６とを有し
ている。第１のサッカー群２３ａ，２３ｂの第１の運動
成分７５ａは、第２のサッカー群２３ｃ，２３ｄの第１
の運動成分７５ｂとは逆向きであるので、枚葉紙１８は
枚葉紙中央から両外縁の方向に張設されて緊張状態に維
持される。この保持位置７７からサッカー２３ａ〜２３
ｄもしくは該サッカーのサクションオリフィス４４は、
伝動装置７２，７３によって枚葉紙貯え胴１６の回転に
関連して再び出発位置７８へ戻される。

【００１６】図４には、図２に示した第１の空圧式制御
装置３５が側面図で図示されており、該側面図におい
て、すでに説明した事項の細部を確認することができ、
かつ空気タイミング制御の調整可能性８１が示されてい
る。第３の制御エレメント６５は、軸受装置７０の回転
軸線５９を中心として旋回可能であるので、入口ポート
６７は、枚葉紙貯え胴１６の位相位置に対して変化可能
な回転角度範囲内にわたって凹設部６９と協働し、しか
もこの回転角度範囲内で空気は入口ポート６７から凹設
部６９内へ侵入する。このようにして枚葉紙貯え胴の回
転に関する吸込み位相の開始時点と終了時点は印刷機速
度に関連して可変である。第３の制御エレメント６５
は、例えば緊締ねじから成っていて印刷機１の架台９６
に装着された緊定装置９７によって、調整位置に保持さ
れる。

【００１７】図５には第２の空圧式制御装置３６が側面
図で図示されている。図２では明示されなかった入口ポ
ート６０の配列を、この図５の図示に基づいて確認する
ことが可能である。入口ポート６０はポート７９ａ〜７
９ｄとポート８０ａ〜８０ｄから成っている。ポート７
９ａは、サッカー２３ａの弁３２に対応配設された制御
導管４１の開口であり、またポート８０ａは前記弁３２
の制御導管４２の開口である。同様にポート７９ｂ，８
０ｂはサッカー２３ｂの弁３２に接続されており、また
ポート７９ｃ，８０ｃはサッカー２３ｃに、かつポート
７９ｄ，８０ｄはサッカー２３ｄに対応配設されてい
る。図示の調整位置では４つの全ての弁３２は、凹設部
５７からポート８０ａ〜８０ｄ内へ侵入しかつ弁３２か
ら全ての制御導管４２を介して供給される圧力空気を同
時に供給されかつ空圧式に切換え可能又は調整可能であ
るので、例えば４つの弁３２は全て、サクション空気を
通す開弁位置に切換えられている。ポート７９ａ〜７９
はこの調整位置で弁３２に排気接続する。第１の制御エ
レメント５２は例えば約９０゜逆時計回り方向に回動可
能であるので、それに従って凹設部５７はポート７９
ｃ，７９ｄ，８０ａ，８０ｂと協働する。この位置で
は、サッカー２３ａ，２３ｂに対応配設された弁３２の
開弁切換え位置が維持されており、かつサッカー２３
ｃ，２３ｄに対応配設された弁３２は閉弁されるか又は
絞られる。この位置ではポート７９ａ，７９ｂ，８０
ｃ，８０ｄは排気のために働く。変化実施形態では、各
弁３２に２つ又はそれ以上のサクションオリフィス２３
ａ〜２３ｄを配設することも可能である。このように構
成すれば、例えば１対ずつ又はグループ毎に纏められた
サクションオリフィス２３ａ，２３ｄ；２３ｂ，２３ｃ
を同時にサクション空気と接続するか又は同時にサクシ
ョン空気から遮断することが可能である。例えばサクシ
ョンオリフィス列のサクションオリフィス２３ａ〜２３
ｄを梯形的に１対ずつ、サクションオリフィス列の両端
を起点として該サクションオリフィス列の中央へ向かっ
て連続的に遮断することも可能である。

【００１８】図６には、図２に示した本発明の構成のた
めに特に適したプログラミング可能な弁３２が図示され
ており、該弁は、枚葉紙１８を保持する周期的又は連続
的に付勢されるサクション空気には無関係に、弁ユニッ
トの弁３２を改めてプログラミングするまで、最終的に
調整された切換え位置を自動的に維持する。空圧受圧可
能な両方の端面８４ａ，８４ｂと１つの環状溝８５を有
する摺動可能なプランジャとして構成された、弁３２の
調整エレメントは、ケーシング８７の孔として形成され
た中空室８６内に配置されてガイドされている。環状溝
８５は、前記弁３２の開弁切換え位置（図示せず）に相
当する、調整エレメント８３の第１の位置において入口
ポート８８から出口ポート８９へ空気流を解放する。環
状溝８５として形成された貫通路に代えて、調整エレメ
ント８３のテーバー部又は調整エレメント８３を貫通す
る孔を使用することも可能である。図示の第２の位置
（閉弁切換え位置）では、例えば図示のように、入口ポ
ート８８と出口ポート８９を共にプランジャ周面によっ
て被覆し、つまり完全に締切って、実質的なサクション
空気の通流を不可能にすることによって、空圧式に移動
調整可能な調整エレメント８３は、入口ポート８８から
出口ポート８９へ、第１の位置とは異なった空気通流量
を解放する。単数又は複数の係止装置９０、例えば球９
１又は別のロック体と押圧ばね９２を有する係止機構に
よって、前記調整エレメント８３を前記第２の位置に保
持することが可能である。球９１は調整エレメント８３
の一方の端面８４ａに対して、該調整エレメントをロッ
クするように作用し、その場合調整エレメント８３はそ
の都度他方の端面８４ｂでもってケーシング壁９４に当
接している。もっとも前記球９１を、例えば複数の溝状
の切欠部９３内に係合可能にし、これによって調整エレ
メント８３に２つ以上の切換え位置を得させるようにす
ることも可能である。制御導管４１，４２を介して端面
８４ａ，８４ｂをサクション空気で負荷するか又は殊に
有利には圧力空気で負荷することによって、調整エレメ
ント８３は、例えばばね９２の作用に抗して球９１を孔
９５内へ押し戻すことによって、係止作用を克服して両
方の方向へシフト可能である。

【００１９】図７に図示した本発明の更に有利な実施形
態では、複数のサッカー２３，２３ａはグループ別に纏
められて、導管系９９を介して前記サッカーに一緒にサ
クション空気が供給される。本実施形態では、持続的に
互いに接続されて互いに調整可能な制御エレメント５
２，５３の断ち継ぎの必要はない。この場合有利な点
は、印刷機に何れにしても存在しているサクション空気
源３３から供給される、枚葉紙１８を保持するためのサ
クション空気９８（図８）が、弁３２を制御するための
制御空気１０２（図８）として付加的に使用されること
である。第１の空圧式制御装置３５によってタイミング
制御される空気は、タイミング制御されるサクション空
気９８として、かつ該サクション空気に対してタイミン
グをずらしてタイミング制御される制御空気１９２とし
て弁３２に供給され、つまり厳密に云えば弁３２から導
出される。それというのは外気圧が枚葉紙１８を枚葉紙
貯え胴１６の周面に保持するからである。接続導管１０
１を介して第１の空圧式制御装置３５と接続されている
第２の空圧式制御装置３６は、選択された調整位置に相
応して制御空気１０２を弁３２に配分する。図７から判
る通り、この場合円弧状の凹設部１０３，１０４は、枚
葉紙貯え胴１６と一緒に回転する第４の制御エレメント
６６に配設されており、またサクション空気源３３に通
じる導管６８の入口ポート１０５は第３の制御エレメン
ト６５に配設されている。互いに接続されていない、つ
まり互いに隔離された凹設部１０３と１０４は、枚葉紙
貯え胴１６の回転時に空気通流を交互に行なうように配
置されており、しかも一方では制御空気１０２が凹設部
１０３から入口ポート１０５内へ導入されるが、その
間、サクション空気９８は弁３２には供給されず、かつ
時間的にこれとは交互にサクション空気９８が凹設部１
０４から入口ポート１０５内へ導入されるが、この間、
制御導管４１，４２は排気される。接続導管１０１内に
配置されたばねを有する逆止弁１００は、第１の空圧式
制御装置３５から第２の空圧式制御装置３６への空気通
流を遮断し、かつ逆方向の空気通流を解放する。このよ
うにして調整エレメント８３の位置確保が得られ、かつ
制御導管４１，４２の一時的な排気期に基づく該制御エ
レメント８３のチャッタリングを避けることが可能であ
る。前記実施形態では、調整エレメント８３を段付きプ
ランジャとして構成することは必ずしも必要ではない
が、段付きプランジャを使用することも可能である。調
整エレメント８３は単純な円筒形のプランジャとして構
成することもできる。別の実施形態では、制御空気１０
２として作用するサクション空気９８によって弁３２を
作動制御し、かつサクション空気９８によるサクション
オリフィス２３，２３ａの負荷を時差なしに、つまりタ
イミングをずらさずに行うことも可能である。この実施
形態では凹設部１０４は省かれ、かつサクション空気導
管４０は凹設部１０３に接続されている。しかしながら
この場合は、図８に示したように、段付きプランジャと
して構成された調整エレメント８３が必要である。この
構成は、サクションオリフィス２３，２３ａにサクショ
ン空気９８が負荷された場合に、調整エレメント８３を
開弁位置に確実に位置決めすることを保証する。前記サ
クション空気９８は、調整エレメント８３の小面積端面
に作用する一方、調整エレメント８３を位置決めする制
御空気１０２が大面積端面に作用する。

【００２０】図８には、図７に示した本発明のサクショ
ン空気制御装置にとって格別有利な実施形態の弁３２が
図示されている。この弁３２は実際の切換え状態を、図
６に示したプログラミング可能な弁３２に対比して極く
短時間保持するにすぎず、この場合枚葉紙貯え胴６の回
転に関連して、例えば胴１回転当り、選択された切換え
状態の更新又は再生が複数回行なわれる。例えば枚葉紙
１８によってカバーされていないサクションオリフィス
２３ａを非作動にしようとする場合には、サクションオ
リフィス２３ａに対応配設された弁３２は、調整に相応
して凹設部５７と空気導通接続された制御導管４２を介
して、サクション周期外で作動制御されるので、調整エ
レメント８３は壁面１０７に吸着され、かつ摩擦接続に
よって、かつ／又は逆止弁１００によって、サクション
周期中も前記壁面１０７に接して保持される。場合によ
っては調整エレメント８３は、弾性的なパッキン、例え
ばプラスチックリングを装備することもでき、中空室８
６の案内面に対するパッキンの高い摩擦作用によって、
付加的な位置確保が得られる。能動的なサッカー２３の
弁３２の調整エレメント８３は、該調整エレメント８３
が、各能動的なサッカー２３に対応配設された弁３２の
制御導管４１を介してサクション空気によって負荷され
ることによって、対向した壁面１０６に同時に保持され
る。従って凹設部５７は、開いた弁３２の制御導管４１
の入口ポート６０及び閉じた弁３２の制御導管４２の入
口ポート６０と同時に協働する。弁３２の前記の両切換
え位置は図８では一点鎖線で調整エレメント８３の第１
の切換え位置１０８として、また実線で調整エレメント
８３の第２の切換え位置１０９として図示されている。

【図面の簡単な説明】

【図１】複数の本発明の制御装置と１つの貯え胴を配備
した印刷機の概略的な側面図である。

【図２】貯え胴と本発明の制御装置の概略的な断面図で
ある。

【図３】回転サッカーの概略的な平面図である。

【図４】一部破断して示した第１の空圧式制御装置の概
略側面図である。

【図５】一部破断して示した第２の空圧式制御装置の概
略側面図である。

【図６】空圧式に制御可能な弁の概略的な断面図であ
る。

【図７】本発明の制御装置の異なった実施形態の概略構
成図である。

【図８】異なった実施形態の空圧式に制御可能な弁の概
略的な断面図である。

【符号の説明】

１ 多色刷り枚葉紙オフセット輪転印刷機、 ２ 枚葉
紙給紙装置、 ３，４，５，６ 印刷ユニット、 ７
枚葉紙排紙装置、 ８ 印刷装置、 ９ 版胴、 １０
ゴムブランケット胴、 １１ 圧胴、 １２ 枚葉紙
受渡し装置、１３ 枚葉紙ターニング装置、 １４ 枚
葉紙受渡し装置、 １５ 枚葉紙受渡し胴、 １６ 枚
葉紙貯え胴、 １７ 枚葉紙ターニング胴、 １８ 枚
葉紙、１９ グリッパ、 ２０ 前縁、 ２１ グリッ
パ、 ２２ 後縁、 ２３，２３ａ〜２３ｄ サクショ
ンオリフィス又はサッカー、 ２４，２５ ダブルセク
ター、 ２６ サクションローラ、 ２７ 給紙パイ
ル、 ２８ 制動ローラ、 ２９ チェーングリッパ
系、 ３０ 排紙パイル、 ３１ サクション空気制御
装置、 ３２ 弁、 ３３ サクション空気源、 ３４
サクション空気導管、 ３５ 第１の空圧式制御装
置、 ３６ 第２の空圧式制御装置、 ３７電子制御装
置、 ３８ 側壁、 ３９ 軸受、 ４０ サクション
空気導管、４１，４２ 制御導管、 ４３ 圧力空気
源、 ４４ サクションオリフィス、４５ 回転軸線、
４６ 距離、 ４７ 可撓導管、 ４８ 位置決め方
向、４９ 調整方向、 ５０，５１ サイド方向を示す
矢印、 ５２ 第１の制御エレメント、 ５３ 第２の
制御エレメント、 ５４ 駆動装置、 ５５ 回転軸
受、 ５６ ピストン棒、 ５７ 凹設部、 ５８ 距
離、 ５９ 回転軸線及び胴軸線、 ６０ 入口ポー
ト、 ６１ 駆動装置、 ６２，６３，６４ 歯車、
６５ 第３の制御エレメント、 ６６ 第４の制御エレ
メント、 ６７入口ポート、 ６８ 導管、 ６９ 凹
設部、 ７０ 軸受装置、 ７１ サクション通路、
７２ カム伝動装置として構成された伝動装置、 ７３
レバー伝動装置として構成された伝動装置、 ７４
運動、 ７５ａ，７５ｂ 第１の運動成分、 ７６ 第
２の運動成分、 ７７ 保持位置、 ７８ 出発位置、
７９ａ〜７９ｄ，８０ａ〜８０ｄ ポート、 ８１ 調
整可能性、 ８２ レバー、 ８３ 調整エレメント、
８４ａ，８４ｂ 端面、 ８５ 環状溝、 ８６ 中
空室、 ８７ ケーシング、 ８８ 入口ポート、 ８
９ 出口ポート、９０ 係止装置、 ９１ 球、 ９２
押圧ばね、 ９３ 切欠部、 ９４ケーシング壁、
９５ 孔、 ９６ 架台、 ９７ 緊定装置、 ９８
サクション空気、 ９９ 導管系、 １００ 逆止弁、
１０１ 接続導管、 １０２制御空気、 １０３，１
０４ 凹設部、 １０５ 入口ポート、 １０６，１０
７ 壁面、 １０８ 第１の切換え位置、 １０９ 第
２の切換え位置

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 390009232 Ｋｕｒｆｕｅｒｓｔｅｎ−Ａｎｌａｇｅ 52−60，Ｈｅｉｄｅｌｂｅｒｇ，Ｆｅｄｅ ｒａｌ Ｒｅｐｕｂｌｉｃ ｏｆ Ｇｅｒ ｍａｎｙ (72)発明者 ライムント シュレーダー ドイツ連邦共和国 ホッケンハイム エル ンスト−ブラウホ−シュトラーセ 31

Claims (13)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 印刷機（１）の印刷機胴（１５，１６，
   １７，２６，２８）のサクションオリフィス（４４）を
   サクション空気源（３３）と接続させる制御可能な弁
   （３２）及びサクション空気（９８）をタイミング制御
   するための第１の空圧式制御装置（３５）を装備した形
   式の、前記サクションオリフィス（４４）に負荷可能な
   サクション空気（９８）の制御装置（３１）において、 サクション空気（９８）を印刷材料の判型に関連して制
   御するための第２の空圧式制御装置（３６）が設けられ
   ており、かつ弁（３２）が空圧で制御可能に印刷機胴
   （１５，１６，１７，２６，２８）に配置されているこ
   とを特徴とする、サクション空気の制御装置。
2. 【請求項２】 第２の空圧式制御装置（３６）が、サク
   ション空気（９８）を判型幅に関連して制御するために
   使用される、請求項１記載の制御装置。
3. 【請求項３】 各弁（３２）が、空圧で調整可能な調整
   エレメント（８３）を有している、請求項１又は２記載
   の制御装置。
4. 【請求項４】 弁（３２）が、第２の空圧式制御装置
   （３６）によって制御される、請求項１から３までのい
   ずれか１項記載の制御装置。
5. 【請求項５】 調整エレメント（８３）が、第２の空圧
   式制御装置（３６）により制御された制御空気（１０
   ２）によって空圧式に調整可能である、請求項４記載の
   制御装置。
6. 【請求項６】 制御空気（１０２）として、サクション
   空気源（３３）のサクション空気（９８）が使用され
   る、請求項５記載の制御装置。
7. 【請求項７】 各弁（３２）が、ケーシング（８７）に
   よって包囲された中空室（８６）を有し、該中空室（８
   ６）内に調整エレメント（８３）が配置されておりかつ
   第１の切換え位置（１０８）と第２の切換え位置（１０
   ９）とに切換え調整可能であり、第１の導管（７１）
   が、入口ポート（８８）を形成して前記中空室（８６）
   内へ開口し、第２の導管（４０）が、出口ポート（８
   ９）を形成して前記中空室（８６）内へ開口しており、
   前記調整エレメント（８３）が前記第１の切換え位置
   （１０８）において、前記第２の切換え位置（１０９）
   とは異なった空気通流量を前記入口ポート（８８）から
   前記出口ポート（８９）へ解放する、請求項３から６ま
   でのいずれか１項記載の制御装置。
8. 【請求項８】 弁（３３）が第２の空圧式制御装置（３
   ６）と空気導通接続されており、前記第２の空圧式制御
   装置（３６）が、接続導管（１０１）を介して第１の空
   圧式制御装置（３５）と接続されており、かつサクショ
   ン空気源（３３）と空気導通接続されている、請求項１
   から７までのいずれか１項記載の制御装置。
9. 【請求項９】 接続導管（１０８）内に逆止弁（１０
   ０）が配置されている、請求項８記載の制御装置。
10. 【請求項１０】 第２の空圧式制御装置（３６）が、相
    互に調整可能な第１と第２の制御エレメント（５２，５
    ３）を有しており、前記第１の制御エレメント（５２）
    が凹設部（５７）を有し、制御導管（４１，４２）が入
    口ポート（６０）を形成して前記第２の制御エレメント
    （５３）内へ開口しており、かつ前記の両制御エレメン
    ト（５２，５３）の調整に関連して前記凹設部（５７）
    が異なった入口ポート（６０）に対応配設可能である、
    請求項８又は９記載の制御装置。
11. 【請求項１１】 印刷機胴（１５，１６，１７，２６，
    ２８）が、両面刷り印刷機として構成された印刷機
    （１）のターニング装置（１３）の枚葉紙移し胴（１
    ５，１６，１７）である、請求項１から１０までのいず
    れか１項記載の制御装置。
12. 【請求項１２】 サクションオリフィス（４４）が、枚
    葉紙後縁を把持して印刷枚葉紙を緊張させる回転サッカ
    ー（４４，４５）として構成されている、請求項１から
    １１までのいずれか１項記載の制御装置。
13. 【請求項１３】 請求項１から１２までのいずれか１項
    記載のサクション空気の制御装置（３１）を装備した印
    刷機（１）。