JPH11240097A - 樹脂製品 - Google Patents

樹脂製品

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JPH11240097A
JPH11240097A JP10215384A JP21538498A JPH11240097A JP H11240097 A JPH11240097 A JP H11240097A JP 10215384 A JP10215384 A JP 10215384A JP 21538498 A JP21538498 A JP 21538498A JP H11240097 A JPH11240097 A JP H11240097A
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synthetic resin
thermoplastic
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Tsugunori Sugiura
嗣典 杉浦
Hiroaki Shichida
裕章 七田
Atsushi Goto
篤 後藤
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Toyoda Gosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱変形が少なく,意匠性に優れ,かつ安価に
製造できる樹脂製品を提供する。 【解決手段】 合成樹脂よりなる本体部2と,本体部に
よって少なくともその一部が囲まれた状態で部分的に異
なる合成樹脂を用いた異種材料部3とよりなる。本体部
と異種材料部とは,その表面を同一面状に互いに隣接配
置してあり,異種材料部の表面及び本体部の少なくとも
一部の表面には,これらを連続して被覆する表面層4を
設けている。本体部は,曲げ弾性率が2000〜400
0MPaであり,線膨張係数が3〜12×10-5/℃の
合成樹脂からなる。異種材料部は,曲げ弾性率が100
〜700MPaであり,線膨張係数が1〜10×10-5
/℃の合成樹脂からなる。表面層は,曲げ弾性率が30
0〜2000MPaであり,線膨張係数が3〜12×1
-5/℃の合成樹脂からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は,樹脂製品に関し,特にエアバッ
グを内臓した自動車の内装部材に関する。
【0002】
【従来技術】近年,自動車には,エアバッグ装置が取り
付けられている。図9に示すごとく,エアバッグ装置9
は,衝突時に膨らんで乗員を衝撃から保護するエアバッ
グ92と,エアバッグ92を収納するエアバッグカバー
91と,エアバッグ92に瞬時にガスを送り込むインフ
レータ93とを有している。エアバッグカバー91は,
例えば,図9,図10に示すごとく,助手席の前面に設
けたインストルメントパネル96にはめ込まれている。
エアバッグカバー91は,衝突時のエアバッグ92の膨
張によって,図9に示す破断予定部99において開裂す
る。そのため,エアバッグカバー91は,比較的柔らか
い材質で成形されている。
【0003】
【解決しようとする課題】しかしながら,上記従来のエ
アバッグカバー91は,インストルメントパネル96と
別部材である。そのため,図9に示すごとく,エアバッ
グカバー91とその周囲を囲むインストルメントパネル
96との間に段差が形成されてしまい,意匠性を損なう
おそれがある。
【0004】また,エアバッグカバー91とインストル
メントパネル96とを別々に成形するための工程とエア
バッグカバー91をインストルメントパネル96に組み
込む工程が必要となり,製造コストが高くなる。また,
エアバッグカバー91のはめ込み構造は,インストルメ
ントパネル96のデザインの自由度を制限する。
【0005】そこで,エアバッグカバーをインストルメ
ントパネルと一体成形することが考えられる。しかし,
この場合には,比較的柔らかい材質からなるエアバッグ
カバーが熱変形するおそれがある。
【0006】本発明はかかる従来の問題点に鑑み,熱変
形が少なく,意匠性に優れ,かつ安価に製造できる樹脂
製品を提供しようとするものである。
【0007】
【課題の解決手段】請求項1の発明は,合成樹脂よりな
る本体部と,該本体部によって少なくともその一部が囲
まれた状態で上記本体部の合成樹脂とは異なる合成樹脂
を用いた異種材料部とよりなり,上記本体部と異種材料
部とは,その表面を同一面状に互いに隣接配置してあ
り,かつ,上記異種材料部の表面及び上記本体部の少な
くとも一部の表面には,これらを連続して被覆する表面
層を設けてなる樹脂製品において,上記本体部は,曲げ
弾性率が2000〜4000MPaであり,線膨張係数
が3〜12×10-5/℃の合成樹脂からなり,上記異種
材料部は,曲げ弾性率が100〜700MPaであり,
線膨張係数が1〜10×10-5/℃の合成樹脂からな
り,上記表面層は,曲げ弾性率が300〜2000MP
aであり,線膨張係数が3〜12×10-5/℃の合成樹
脂からなることを特徴とする樹脂製品である。
【0008】本発明において最も注目すべきことは,本
体部,異種材料部及び表面層のそれぞれの曲げ弾性率並
びに線膨張係数を一定の範囲内に規定したことにある。
【0009】即ち,本体部は,曲げ弾性率が2000〜
4000MPaであり,線膨張係数が3〜12×10-5
/℃の合成樹脂からなる。曲げ弾性率が2000MPa
未満の場合には,製品剛性が低くなり,取扱い時に変形
する場合がある。4000MPaを超える場合には,樹
脂製品が脆くなり。亀裂,割れ等が発生しやすくなる。
【0010】また,本体部は,その線膨張係数が3×1
-5/℃未満の場合には,製品剛性が低くなり,取扱い
時に変形する場合がある。12×10-5/℃を超える場
合には,隣接する部品(例えば,ドアパネル等)との合
わせ品質が低下するとともに,固定部材(例えば,車
体)に固定した状態で変形する場合がある。
【0011】異種材料部は,曲げ弾性率が100〜70
0MPaであり,線膨張係数が1〜10×10-5/℃の
合成樹脂からなる。曲げ弾性率が100MPa未満の場
合には,衝突物(例えば,膨張するエアバッグ)の反発
応力が抑制できない。特に高温時の反発応力に対する抑
制力が低減しやすい。700MPaを超える場合には,
低温衝突強度の低下や脆化温度の上昇により開裂特性が
悪くなる場合がある。
【0012】また,異種材料部は,その線膨張係数が1
×10-5/℃未満の場合には,樹脂製品が脆くなり,亀
裂,割れ等が発生しやすくなる場合がある。10×10
-5/℃を超える場合には,隣接する部品(例えば,ドア
パネル等)との合わせ品質が低下するとともに,固定部
材(例えば,車体)に固定した状態で変形する場合があ
る。
【0013】表面層は,曲げ弾性率が300〜2000
MPaであり,線膨張係数が3〜12×10-5/℃の合
成樹脂からなる。曲げ弾性率が300MPa未満の場合
には,本体部及び異種材料部による表面層へのダメージ
が大きく,意匠性を損なう。また,予め所定形状に賦形
した表面層を金型のキャビティにセットし,本体部及び
異種材料を射出成形する場合に,剛性が低下しすぎて金
型への取付けが困難となる場合がある。2000MPa
を超える場合には,予め所定形状に賦形した表面層を金
型のキャビティにセットし,本体部及び異種材料を射出
成形する場合に,金型のキャビティに表面層の追従性が
低下する場合がある。
【0014】また,表面層は,その線膨張係数が3×1
-5/℃未満の場合には,樹脂製品が脆くなり,亀裂,
割れ等が発生しやすくなる場合がある。12×10-5
℃を超える場合には,隣接する部品(例えば,ドアパネ
ル等)との合わせ品質が低下するとともに,固定部材
(例えば,車体)に固定した状態で変形する場合があ
る。
【0015】本発明の作用及び効果について説明する。
本発明においては,本体部は,上記の曲げ弾性率と線膨
張係数を有するため,剛性が高く,機械的強度に優れて
いる。一方,異種材料部は,上記の曲げ弾性率と線膨張
係数とを有するため,本体部と比べて柔らかく,衝撃を
受けることによって,開裂用の凹所等の破断予定部で確
実に開裂しやすい。
【0016】また,本体部と異種材料部と表面層とは,
上記の曲げ弾性率と線膨張係数とを有する。そのため,
これらを一体成形することができる。また,熱変形も殆
ど生じない。従って,本体部と異種材料部との境界に段
差がなく,樹脂製品の表面を面一にすることができ,意
匠性が高い。また,樹脂製品は一体成形品であるため,
デザインの自由度が高い。また,安価に製造することが
できる。
【0017】本体部に用いる合成樹脂は,上記の曲げ弾
性率及び線膨張係数を有するものであれば,特に限定し
ないが,例えば,請求項2の発明のように,上記本体部
は,熱可塑性オレフィン系樹脂,熱可塑性スチレン系樹
脂,熱可塑性ウレタン系樹脂及び熱硬化性ウレタン樹脂
のグループから選ばれる合成樹脂を用いることができ
る。
【0018】異種材料部に用いる合成樹脂は,上記の曲
げ弾性率及び線膨張係数を有するものであれば,特に限
定しないが,例えば,請求項3の発明のように,上記異
種材料部は,熱可塑性オレフィン系樹脂,熱可塑性スチ
レン系樹脂,熱可塑性ウレタン系樹脂,熱硬化性ウレタ
ン樹脂及び熱可塑性ポリエステル樹脂のグループから選
ばれる合成樹脂を用いることができる。
【0019】表面層に用いる合成樹脂は,上記の曲げ弾
性率及び線膨張係数を有するものであれば,特に限定し
ないが,例えば,請求項4の発明のように,上記表面層
は,熱可塑性オレフィン系樹脂,熱可塑性スチレン系樹
脂,ポリ塩化ビニル系樹脂,熱可塑性ウレタン系樹脂,
熱硬化性ウレタン樹脂及び熱可塑性ポリアミド系樹脂の
グループから選ばれる合成樹脂を用いることができる。
【0020】表面層は,1層でも2層以上でもよい。例
えば,請求項5の発明のように,上記表面層は,バッキ
ング材と表皮とからなる積層材であることが好ましい。
これにより,表面層の外観が向上する。表皮は,例え
ば,表面外観のよい材料を用いることが好ましい。かか
る表皮の材料としては,表面外観性の観点から,例え
ば,熱可塑性ポリオレフィン系樹脂,ポリ塩化ビニル樹
脂等が好ましく,また表皮としてファブリック,織布,
不織布としたり,表皮の表面に植毛,塗装を施すことも
できる。
【0021】バッキング材は,本体部及び異種材料部と
融着する性質を有することが好ましい。これにより,表
面層を,本体部及び異種材料部とともに一体成形するこ
とができる。かかるバッキング材としては,例えば,熱
可塑性ポリオレフィン系樹脂等を用いることができる
が,本体部と異種材料部との接着性又は粘着性があれば
よい。
【0022】また,請求項6の発明のように,上記表面
層は,バッキング材と表皮との間に,弾力性を有する発
泡層が介在されていることが好ましい。これにより,高
圧で本体部及び異種材料部を一体成形した場合にも,凹
凸のない平滑な表面を有する樹脂製品を得ることができ
る。発泡層としては,例えば,熱硬化性ポリウレタン,
熱可塑性ポリオレフィン樹脂,架橋ポリオレフィン樹
脂,ポリスチレン樹脂等の発泡体等を用いることが好ま
しい。
【0023】本体部及び異種材料部の厚みは,1〜10
mmであることが好ましい。1mm未満の場合には,本
体部の機械的強度が低下する場合がある。一方,10m
mを越える場合には,本体部及び異種材料部のヒケ(え
くぼ状の浅いくぼみ)が目立ちやすくなり,意匠性が低
下するとともに,異種材料部の衝撃開裂性が低下するお
それがある。
【0024】表面層の厚みは,0.3〜8mmであるこ
とが好ましい。0.3mm未満の場合には,本体部及び
異種材料部の成形時の表面層へのダメージが大きく樹脂
製品の意匠性が低下するおそれがある。一方,8mmを
越える場合には,予め所定形状に賦形した表面層を金型
のキャビティにセットし,本体部及び異種材料を射出成
形する場合に,金型のキャビティに表面層の追従性が低
下する場合がある。
【0025】請求項7の発明のように,上記樹脂製品
は,インストルメントパネルであることが好ましい。イ
ンストルメントパネルとは,自動車の車室内前部に設け
られたメータ,各種スイッチ,空調用吹出し口等の格納
部材をいう。インストルメントパネルは,剛性,機械的
強度,耐熱性,及び耐熱変形性が要求される部材であ
る。本発明の樹脂製品は,これらのインストルメントパ
ネルの要求される性質を具備する。そのため,本発明の
樹脂製品をインストルメントパネルに用いることによ
り,その特徴を最も有効に発揮させることができる。
【0026】請求項8の発明のように,上記異種材料部
は,エアバッグカバーであることが好ましい。エアバッ
グカバーは,衝撃時のエアバッグの膨張により,開裂用
の凹所等の破断予定部から確実に開裂しなければならな
い。異種材料部は,開裂性能を有しているため,エアバ
ッグカバーとして用いられることにより,その特徴を最
も有効に発揮することができる。
【0027】本発明の樹脂製品は,例えば,インサート
成形法及び射出成形法を用いて一体成形することができ
る。また,貼り込み成形法等により樹脂製品を製造する
こともできる。
【0028】
【発明の実施の形態】実施形態例1 本発明の実施形態例に係る樹脂製品について,図1〜図
4を用いて説明する。本例の樹脂製品は,エアバッグを
内蔵した,自動車のインストルメントパネルである。樹
脂製品1は,図1に示すごとく,合成樹脂からなる本体
部2と,本体部2によって囲まれた状態で,本体部2の
合成樹脂とは異なる合成樹脂を用いた異種材料部3とよ
りなる。本体部2と異種材料部3とは,その表面を同一
面状に互いに隣接配置してある。
【0029】図1,図2に示すごとく,異種材料部3の
表面及びその周囲を囲む本体部2の表面には,これらを
被覆する表面層4を設けている。表面層4は,異種材料
部3からその周囲を囲む本体部2に渡って,これらの表
面を連続的に被覆している。本体部2のほぼ全面は,表
面層4により被覆されている。
【0030】図1に示すごとく,異種材料部3は,エア
バッグ51を格納するエアバッグカバーである。表面層
4は,バッキング材41と,表皮43と,両者の間に介
在する弾力性を有する発泡層42とからなる,3層積層
材である。
【0031】本体部2は,曲げ弾性率が2500〜26
00MPaであり,線膨張係数が6×10-5/℃の合成
樹脂からなる。異種材料部3は,曲げ弾性率が200〜
320MPaであり,線膨張係数が4〜8×10-5/℃
の合成樹脂からなる。表面層4は,曲げ弾性率が720
〜1250MPaであり,線膨張係数が4〜10×10
-5/℃の合成樹脂からなる。上記の線膨張係数の測定
は,JIS K 7197に準処した。
【0032】本体部2及び異種材料部3は,ポリプロピ
レン(以下,PPという。)等の熱可塑性ポリオレフィ
ン樹脂に,エチレン−αオレフィンゴム又はスチレン−
エチレン−ブチレン−スチレン共重合体を加え,これに
フィラーとしてタルクを混合したものを用いる。表面層
4の3層積層材のうち,バッキング材41はPP等の熱
可塑性ポリオレフィン樹脂からなり,発泡層42は架橋
ポリオレフィン樹脂からなり,表皮43はPP等の熱可
塑性ポリオレフィン樹脂又はポリ塩化ビニル(以下,P
VCという。)からなる。
【0033】なお,本例においては,フィラーとしてタ
ルクを用いたが,タルク以外に,ガラス繊維,マイカ,
炭酸カルシウム,ワラストナイト,クレー,硫酸バリウ
ム,チタン酸カリウムウィスカー,硝酸マグネシウムウ
ィスカー,炭酸カルシウムウィスカー,シリカ等を用い
ることもできる。
【0034】本体部2の厚みは3.5mmであり,異種
材料部3の厚みは,4.5mmであり,表面層4は4.
7mmである。表面層4の中のバッキング材41は1.
0mmであり,発泡層42は3.0mmであり,表皮4
1は0.7mmである。異種材料部3の略中央部には,
破断予定部としての凹所39が設けられている。
【0035】なお,エアバッグ51は,その背面に設け
たインフレータ52により,衝撃時にエアバッグ51に
瞬時にガスが送り込まれる。異種材料部3の略中央に
は,凹所39が設けられており,ここから衝撃時に異種
材料部3が開裂する。
【0036】上記樹脂製品の製造方法について説明す
る。まず,図3に示すごとく,発泡層42の上に表皮4
3をカレンダー成形法により成形し,これらを熱融着又
は接着剤により貼り合わせる。次いで,貼り合わせたシ
ートの発泡層側に,更にバッキング材を及び表皮を,カ
レンダー成形法により成形し,これらを熱融着又は接着
剤により貼り合わせる。これにより,図3に示すごと
く,バッキング材41と発泡層42と表皮43との3層
一体成形品からなる表面層4を得る。次いで,表面層4
を所定の大きさに裁断する。
【0037】次いで,図4に示すごとく,インストルメ
ントパネルの形状を有するキャビティ70を有する樹脂
製品成形用の成形型7を準備する。あらかじめ成形した
上記の表面層4をキャビティ70内にインサートする。
【0038】次いで,キャビティ70の中に,ゲート7
11から本体部用の合成樹脂60を射出し,異種材料部
成形部を除いてキャビティ70内を合成樹脂60で満た
し,硬化させる。次いで,ゲート712から,キャビテ
ィ70における空洞状の異種材料部成形部に,異種材料
部成形用の合成樹脂90を射出する。なお,異種材料部
を先に成形しその後本体部を成形してもよい。これによ
り,上記の樹脂製品1が得られる。
【0039】次に,本例の樹脂製品の作用及び効果につ
いて説明する。本例の樹脂製品1は,本体部2と異種材
料部3と表面層4とが上記の曲げ弾性率と線膨張係数と
を有する。そのため,本体部2は剛性及び機械的強度に
優れ,異種材料部3はエアバッグ5の膨張時に開裂す
る。また,樹脂製品1は,一体成形品であるとともに,
熱変形も少ない。そのため,意匠外観性が良く,デザイ
ンの自由度が高い。また,安価に製造できる。
【0040】また,バッキング材41は,本体部用,異
種材料部用の合成樹脂60,90を射出するときの圧力
から表皮43を保護する。従って,表皮本来の優れた外
観を損なうことなく,樹脂製品1を成形することができ
る。また,発泡層42と表皮43との優れた触感2を損
なうことなく,樹脂製品1を成形することができる。
【0041】実施形態例2 本例の樹脂製品においては,図5に示すごとく,本体部
2が,異種材料部3の周囲の一部分を囲むように設けら
れている。異種材料部3の全表面及び本体部2のほぼ全
表面には,これらを被覆する表面層4を設けている。表
面層4は,実施形態例1と同様の3層積層材からなる
(図2参照)。その他は,実施形態例1と同様である。
本例においても,実施形態例1と同様の効果を得ること
ができる。
【0042】実施形態例3 本例の樹脂製品においては,図6に示すごとく,本体部
2が,異種材料部3の全周囲を囲むように設けられてい
る。表面層4は,異種材料部3からその三方の本体部2
にわたって,これらの表面を連続的に被覆している。表
面層4は,実施形態例1と同様の3層積層材からなる
(図2参照)。その他は,実施形態例1と同様である。
本例においても実施形態例1と同様の効果を得ることが
できる。
【0043】実施形態例4 本例の樹脂製品は,図7に示すごとく,表面層4が,バ
ッキング材41と表皮43とからなる。バッキング材4
1及び表皮43は,PPからなる。本体部2及び異種材
料部3の射出成形の際には,表皮43にダメージを与え
ないために,比較的低圧で射出することが好ましい。そ
の他は,実施形態例1と同様である。本例においても,
実施形態例1と同様の効果を得ることができる。
【0044】実施形態例5 本例においては,本体部と異種材料部と表面層の組成を
変えて樹脂製品を一体成形し,製品性能を評価した。ま
ず,表1に示すごとく,本体部,異種材料部及び表面層
の組成を変えて,実施形態例1と同様に樹脂製品を成形
した。ただし,表面層はバッキング材からなる1層と
し,その厚みは1.0mmとした。本体部及び異種材料
部の厚みは,それぞれ3.5mm,4.5mmとした。
得られた樹脂製品を試料1〜9(本発明品)及び試料C
1〜C4(比較例)とした。表2に示すごとく,表面層
用の合成樹脂としては樹脂1,2を用い,異種材料部用
の合成樹脂としては樹脂3〜8を用い,本体部用の合成
樹脂としては樹脂8,9を用いた。
【0045】各樹脂1〜9の線膨張係数及び曲げ弾性率
を表1,表2に示した。本体部及び異種材料部の線膨張
係数は,試料サイズ3mm×3mm×20mmで,熱応
力歪測定装置を用いて110℃の条件で測定した。表面
層の熱膨張係数は,200mm×30mmの試料を切り
出して,常温と110℃時での実寸法を測定した。曲げ
弾性率はJIS7203の規格に準じて測定した。
【0046】得られた樹脂製品の製品性能を,耐熱後の
変形量と衝撃開裂性により評価した。図8に示すごと
く,耐熱後の変形量は,樹脂製品1を110℃に載置し
た後に,異種材料部3の最大変形量Aをスケールで測定
して得た。また,衝撃開裂性は,樹脂製品を実施形態例
1のように異種材料部を自動車用エアバッグカバーとし
て用いた場合に,異種材料部がエアバッグの膨張時の衝
撃によって開裂するか否かを調査した。開裂する場合を
○,開裂しない場合を×とした。以上の評価結果を表2
に示した。
【0047】表2より知られるように,本発明(試料1
〜9)にかかる樹脂製品は,耐熱変形量は僅かで,衝撃
開裂性能も良好であった。一方,比較用(試料C1〜C
3)の樹脂製品は,耐熱変形量が大きかった。比較用
(試料C4)の樹脂製品は,本体部と異種材料部とを同
一の樹脂から成形したものであり,衝撃開裂性能が悪か
った。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】
【発明の効果】本発明によれば,熱変形が少なく,意匠
性に優れ,かつ安価に製造できる樹脂製品を提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例1の樹脂製品の断面図。
【図2】実施形態例1の樹脂製品の斜視図。
【図3】実施形態例1における,表面層の断面図。
【図4】実施形態例1における,樹脂製品の成形方法を
示す説明図。
【図5】実施形態例2の樹脂製品の斜視図。
【図6】実施形態例3の樹脂製品の斜視図。
【図7】実施形態例4の樹脂製品の断面図。
【図8】実施形態例5における,加熱による異種材料部
の変形量の測定方法を示す説明図。
【図9】従来例における,エアバッグ装置の断面図。
【図10】従来例における,エアバッグを格納したイン
ストルメントパネルの正面図。
【符号の説明】
1...樹脂製品, 2...本体部, 3...異種材料部, 4...表面層, 41...バッキング材, 42...発泡層, 43...表皮, 51...エアバッグ,

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成樹脂よりなる本体部と,該本体部に
    よって少なくともその一部が囲まれた状態で上記本体部
    の合成樹脂とは異なる合成樹脂を用いた異種材料部とよ
    りなり,上記本体部と異種材料部とは,その表面を同一
    面状に互いに隣接配置してあり,かつ,上記異種材料部
    の表面及び上記本体部の少なくとも一部の表面には,こ
    れらを連続して被覆する表面層を設けてなる樹脂製品に
    おいて,上記本体部は,曲げ弾性率が2000〜400
    0MPaであり,線膨張係数が3〜12×10-5/℃の
    合成樹脂からなり,上記異種材料部は,曲げ弾性率が1
    00〜700MPaであり,線膨張係数が1〜10×1
    -5/℃の合成樹脂からなり,上記表面層は,曲げ弾性
    率が300〜2000MPaであり,線膨張係数が3〜
    12×10-5/℃の合成樹脂からなることを特徴とする
    樹脂製品。
  2. 【請求項2】 請求項1において,上記本体部は,熱可
    塑性オレフィン系樹脂,熱可塑性スチレン系樹脂,熱可
    塑性ウレタン系樹脂及び熱硬化性ウレタン樹脂のグルー
    プから選ばれる合成樹脂であることを特徴とする樹脂製
    品。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において,上記異種材料
    部は,熱可塑性オレフィン系樹脂,熱可塑性スチレン系
    樹脂,熱可塑性ウレタン系樹脂,熱硬化性ウレタン樹脂
    及び熱可塑性ポリエステル樹脂のグループから選ばれる
    合成樹脂であることを特徴とする樹脂製品。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項において,
    上記表面層は,熱可塑性オレフィン系樹脂,熱可塑性ス
    チレン系樹脂,ポリ塩化ビニル系樹脂,熱可塑性ウレタ
    ン系樹脂,熱硬化性ウレタン樹脂及び熱可塑性ポリアミ
    ド系樹脂のグループから選ばれる合成樹脂であることを
    特徴とする樹脂製品。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項において,
    上記表面層は,バッキング材と表皮とからなる積層材で
    あることを特徴とする樹脂製品。
  6. 【請求項6】 請求項5において,上記表面層は,バッ
    キング材と表皮との間に,弾力性を有する発泡層が介在
    されていることを特徴とする樹脂製品。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項において,
    上記樹脂製品は,インストルメントパネルであることを
    特徴とする樹脂製品。
  8. 【請求項8】 請求項7において,上記異種材料部は,
    エアバッグカバーであることを特徴とする樹脂製品。
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JP2013047030A (ja) * 2011-08-29 2013-03-07 Kasai Kogyo Co Ltd 自動車用内装部品とその製造方法

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