JPH11237119A - 浴槽洗浄機能付き給湯器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 浴槽底面に湯溜まり部を設けない普通の浴槽
が使用できる浴槽洗浄機能付き給湯器を提供することを
目的とする。 【解決手段】 一口循環口５から浴槽２底面近傍まで吸
い込み管５ｅを延ばし、一口循環口５から浴水加熱用熱
交換器１５までの戻り管９の途中に自吸式循環ポンプ１
２と第１の切替弁１３を設け、浴水加熱用熱交換器１５
から浴槽２までの往き管１７の途中に第２の切替弁１８
を設け、第２の切替弁１８の出口の一方を前記一口循環
口５に接続し、第２の切替弁１８の出口のもう一方を洗
浄ノズル２０に接続し、給湯用熱交換器２２の出口側は
２つ以上に分岐され、一方はお湯はり電磁弁２５、逆止
弁２６を経て自吸式循環ポンプ１２の吐出側と第１の切
替弁１３の間の戻り管９に、他方は風呂や台所等の蛇口
につながる給湯配管となる構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、浴槽を自動的に洗浄す
る機能を持った浴槽洗浄機能付き給湯器および、浴槽洗
浄機能付き給湯器に使用する一口循環口に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、浴槽内の洗浄は、人手により、洗
剤やブラシ等を用いて行われているのが一般的である。
人手による浴槽の洗浄作業は、中腰の姿勢で行わなけれ
ばならず体力を要し、特に高齢者にとっては重労働であ
った。これらの問題点を解決するため、以下のものが開
示されている。 ａ．本件出願人が未公開ではあるが特願平８−２４５７
３５号（以下、イ号公報という）として出願した、浴槽
の底部に凹状に形成された湯溜まり部を設け、湯溜まり
部の底面に形成された循環口から吸水管を経て循環ポン
プに接続し、循環ポンプの吐出側を給水管から浴槽洗浄
ノズルに接続し、循環ポンプと給水管の間に加熱手段を
配設し、加熱手段と循環ポンプの間に切替弁を備えてい
るもの。 ｂ．実用新案登録第２５５５５０６号公報（以下、ロ号
公報という）に、浴槽の排水口と側壁から循環ポンプの
吸い込み口へ第１の戻り管と、第２の戻り管とを並列に
配管し、この第１の戻り管と、第２の戻り管の途中にそ
れぞれ切り替え弁を設け、循環ポンプの吐出側管路を浴
槽洗浄ノズルに接続し、吐出側管路の途中に給水管と、
洗剤供給管と、加熱器である電気ヒーターを接続した浴
槽洗浄装置が開示されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の浴槽洗浄装置は、以下の問題点を有していた。イ号公
報に記載の浴槽洗浄装置にあっては、浴槽の底面に凹状
に形成された湯溜まり部を設けているため、浴槽そのも
のが特殊なものとなり既設の浴槽の場合には取り付けで
きないという問題があった。

【０００４】ロ号公報に記載の浴槽洗浄装置にあって
は、浴槽の排水口と側面からそれぞれ第１の戻り管と第
２の戻り管を配管し、それぞれに切り替え電磁弁を取り
付けているため、配管施工が面倒であり、施工コストが
高くつくという問題があった。また浴槽洗浄のための洗
浄ノズルが排水口側の浴槽側面とともに、排水口の反対
側の浴槽側面にも取り付けられており、通常この排水口
の反対側の浴槽側面は入浴時の背もたれ側となるため入
浴のじゃまになるという問題があった。

【０００５】本発明は上記従来の課題を解決するもの
で、市販の浴槽が使用でき、配管も簡単で施工性の良い
浴槽洗浄機能付き給湯器を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記従来の課題を解決す
るために本発明における浴槽洗浄機能付き給湯器は、一
口循環口と、自吸式循環ポンプ（以下循環ポンプとい
う）と、第１の切替弁と、浴水加熱用熱交換器と、第２
の切替弁と、洗浄ノズルと、給湯用熱交換器と、お湯は
り電磁弁と、逆止弁とを有し、一口循環口から浴水加熱
用熱交換器までの戻り管の途中に循環ポンプと第１の切
替弁を設け、浴水加熱用熱交換器から浴槽までの往き管
の途中に第２の切替弁を設け、第２の切替弁の出口の一
方を前記一口循環口に接続し、第２の切替弁の出口のも
う一方を洗浄ノズルに接続している。給湯用熱交換器の
出口側は２つ以上に分岐され、一方はお湯はり電磁弁、
逆止弁を経て循環ポンプの吐出側と第１の切替弁の間の
戻り管に、他方は風呂や台所等の蛇口につながる給湯配
管となる構成としてある。

【０００７】

【実施例】以下、本発明における浴槽洗浄機能付き給湯
器の実施例について図面を用いて説明する。図１は実施
の形態における浴槽洗浄機能付き給湯器を含むシステム
全体を示す系統図であり、図２は実施の形態における一
口循環口の断面図、図３は前記一口循環口の正面図、図
４は実施の形態における洗浄ノズルの断面図、図５は前
記洗浄ノズルの正面図である。

【０００８】図において、１は実施の形態における浴槽
洗浄機能付き給湯器、２は浴槽、３は前記浴槽２の底部
に設けられた排水口で、ゴムやプラスチック製の浴槽排
水栓４を取り付ける。５は一口循環口で、二重管構造で
内管側が吸い込み側、外管側が吐出側となる。内管側は
ストレーナーケース５ａで、シール材５ｂを介して着脱
自在のストレーナー５ｃが収納され、吸い込み口５ｄに
連通している。吸い込み口５ｄには吸い込み管５ｅが取
りつけられ浴槽の側壁と底面の接続部の曲面部を避ける
ため所定の長さＬ１、また浴槽排水栓４の着脱を可能に
するため浴槽排水栓４の半径に吸い込み管５ｅの半径を
加えた長さより大きい所定の長さＬ２だけ中心をずらし
てある。さらに吸い込み管５ｅは施工時の浴槽側壁の穴
開け位置のずれを調節できるようにするため、上下方向
に摺動可能になっており、摺動面にはシール材５ｆが取
りつけられている。なお吸い込み管５ｅを簡易的に制作
しようとすれば吸い込み口５ｄにホースを差し込み、長
すぎれば適当な長さに切断するといった方法でも事足り
る。

【０００９】外管側は追い焚き時、循環水の吐出口５ｈ
となる部分で、カバー５ｇの外周に所定の間隔で孔を設
ける。この吐出口５ｈはカバー５ｇの正面に設けても良
い。外管側は大径部と小径部の２段に形成され、大径部
は前記カバー５ｇとなり、小径部は外側にねじ部５ｉを
施して浴槽２との締め付けに使用される。大径部と小径
部のつなぎ部分はフランジ状に形成されており浴槽２と
の締め付けの際、パッキン６の締め付け部となる。

【００１０】一口循環口外側ケース８も二重管構造で、
内管側は前記ストレーナーケース５ａと連通し戻り管９
に連なり、外管側は後述の追い焚き管１０に連通してお
り内面にはねじ加工が施され前記小径部のねじ部５ｉと
組み合わされている。前記戻り管９は、循環ポンプ１
２、第１の切替弁１３の出口側の一方を経て浴水加熱用
熱交換器１５に接続されている。第１の切替弁１３の出
口側のもう一方は排水口１４となる。浴水加熱用熱交換
器１５の出口側は往き管１７となり、第２の切替弁１
８、追い焚き管１０を経て一方は前記一口循環口５の外
管側へ、もう一方は洗浄管１９を経て洗浄ノズル２０へ
と回路が形成される。本実施例では第１の切替弁１３を
循環ポンプ１２と浴水加熱用熱交換器１５の間に配置し
たが、循環ポンプ１２と第２の切替弁１８の間であれば
どこでもよい。

【００１１】洗浄ノズル２０は回転可能になっており、
回転部２０ａを正面から見ると略円形で、取りつけ面の
反対側は外側に膨出した形状をしており、円の接線方向
に回転用孔２０ｂと、取付面の反対側の膨出部に複数の
洗浄孔２０ｃを穿っている。回転部の内部空間には、衝
突部材２０ｄが設けられている。

【００１２】次に給湯回路について説明する。給湯用熱
交換器２２は、入口側に給水管２１出口側に給湯管２４
が接続され、給湯管２４は２方向以上に分岐される。分
岐された一方はお湯はり電磁弁２５、逆止弁２６を経て
前記循環ポンプ１２の吐出側に接続され自動お湯はり回
路となる。分岐されたもう一方は風呂や台所等の蛇口に
接続されている。なお、戻り管９、浴水加熱用熱交換器
１５の出口、給湯用熱交換器２２の出口にはそれぞれサ
ーミスタ等の温度検知センサー１１、１６、２３が取り
付けられている。

【００１３】以上のように構成された浴槽洗浄装置にお
いて、以下その洗浄動作とお湯はり動作について説明す
る。浴槽洗浄装置１の使用に先立ち循環ポンプ１２に呼
び水を行う。呼び水の方法としては吸い込み管５ｅに水
道蛇口からホースをつないで水を送る方法と、浴槽洗浄
装置１の自動お湯はり機能を利用して行う方法がある。
この呼び水は最初の１回だけ行えば、循環ポンプ１２か
ら排水しない限り行う必要はない。呼び水がすむと浴槽
１に少量のお湯と洗剤を入れ台所や浴室に設けられたリ
モコン（図示せず）を操作して自動洗浄を開始する。ま
ず循環ポンプ１２が回り吸い込み管５ｅ、ストレーナー
５ｃ、戻り管９を通じて浴槽にたまったお湯と洗剤の混
合液（以下混合液という）を汲み上げる。このとき混合
液の中にゴミがあればストレーナー５ｃで捕集する。汲
み上げられた混合液は循環ポンプ１２で加圧され浴水加
熱用熱交換器１５、往き管１７、第２の切替弁１８、洗
浄管１９を経て洗浄ノズル２０の回転用孔２０ｂ及び洗
浄用孔２０ｃより勢いよく浴槽内に噴出されこれにより
回転しながら浴槽の洗浄を行う。回転部２０ａの内部空
間に設けられた衝突部材２０ｄは、洗浄管１９から流入
した混合液が直接回転部２０ａの内面に当たってスラス
ト方向の荷重がかからないようにしている。

【００１４】また、洗浄時混合液の温度がある程度高い
方が汚れ落ちがよいので、戻り管９に取りつけたセンサ
ー１１で温度を検出し、温度が第１の設定温度より低け
れば浴水加熱用バーナーを作動させ浴水加熱用熱交換器
１５で沸きあげ、センサー１１及び１６で検出した温度
がそれぞれ第１の設定温度、第２の設定温度を上回れば
浴水加熱用バーナーの作動を停止する。

【００１５】このようにして１５分〜２０分程度洗浄運
転すると浴槽についた汚れはほとんど洗い落とされるの
で、第１の切替弁１３を排水管１４に連通するよう切り
替え、混合液を排水する。排水が終わると第１の切替弁
１３を再度循環側に切り替え、浴槽洗浄装置１の自動お
湯張り回路、すなわち給湯用熱交換器２２、給湯管２
４、お湯張り電磁弁２５、逆止弁２６を通してすすぎ用
の水を浴槽に注ぎ循環ポンプ１２を運転して循環回路に
付着した混合液を洗い落とす。この排水・すすぎの動作
を１〜２回行った後給湯用バーナーを燃焼しながら自動
お湯張り回路により設定量まで給湯を行う。設定量は循
環回路の一部に設けられた圧力スイッチ（図示せず）や
自動お湯張り回路に設けた水量センサー（図示せず）等
で行う。

【００１６】次に追い焚き動作について説明する。自動
お湯張りが完了すると循環ポンプ１２を起動させ温度検
知センサー１１で浴槽２内の湯の温度を確認し、設定温
度より低ければ浴水加熱用バーナーを作動させ浴水加熱
用熱交換器１５で沸きあげ、温度検知センサー１１で検
出した温度が第３の設定温度になれば浴水加熱用バーナ
ーの作動を停止する。このとき第２の切替弁１８は往き
管１７と追い焚き管１０が連通するように切り替わり、
浴槽２内の温度が第３の設定温度になるまで沸きあげ動
作を繰り返す。またストレーナー５ｃがゴミ詰まりした
ときや、循環ポンプ１２の不具合で循環量が減少したと
きには温度検知センサー１１の検出温度は低いのに浴水
加熱用熱交換器１５の出口に取りつけた温度検知センサ
ー１６が高温になることがある。このとき温度検知セン
サー１６が第４の設定温度に達すると浴水加熱用バーナ
ーの作動を停止し、循環ポンプ１２の運転を継続し、警
報動作を行う。また、この追い焚き動作はリモコン（図
示せず）に設けた追い焚きスイッチを操作することによ
り任意の時間に行うこともできる。

【００１７】

【作用】以上のように実施の形態における浴槽洗浄機能
付き給湯器は構成されているため、以下の作用を有す
る。浴水加熱用熱交換器、給湯用熱交換器、自動お湯張
り回路、循環ポンプ、第１の切替弁、第２の切替弁をそ
なえたので、循環ポンプへの呼び水から浴槽洗浄、自動
排水、すすぎ、自動お湯張り、追い焚きまでがスイッチ
一つで自動的に行うことができるという作用を有する。

【００１８】請求項２に記載の浴槽洗浄機能付き給湯器
によれば、一口循環口を略二重管構造とし、内管側にシ
ール材を介して着脱自在にストレーナーを取りつけたの
でストレーナーの掃除が容易に行えるという作用を有す
る。一口循環口の吸い込み管を浴槽底面近傍まで延ばし
たので、浴槽底面に湯溜まりを設ける必要がなく標準の
浴槽が使用でき既設の浴槽にも取付可能になるという作
用を有する。更に浴槽側壁から離れる方向にＬ１偏心し
ており浴槽の側壁と底部のつなぎの曲面部を避けるよう
に形成されているので、浴槽底部の最低面部に位置する
ことができ、混合水の量がわずかでも汲み上げるという
作用を有する。一口循環口の吸い込み管は一口循環口の
中心からＬ２偏心しているので排水栓の脱着が支障なく
行えるという作用を有する。一口循環口の吸い込み管は
上下方向に摺動可能となっており吸い込み口との摺動面
にはシール材が取りつけられているので一口循環口取付
工事の際、浴槽の孔開け位置出しを厳密にする必要がな
くなり取付工事が容易に行え、さらに摺動面にシール材
を取りつけているので循環ポンプに空気が入ることがな
く安定した運転をすることができるという作用を有す
る。

【００１９】

【発明の効果】以上のように本発明における浴槽洗浄機
能付き給湯器は構成されているので、以下の優れた効果
を実現できる。 ａ．浴槽底面に湯溜まり部を設けなくても良いので、既
設の浴槽にも設置可能であり普通の浴槽を自動洗浄機能
付きとすることができる。 ｂ．戻り配管が１本ですむので配管コストが安くすむ。 ｃ．洗浄ノズルを浴槽の排水側側壁だけに設けたので入
浴時のじゃまにならない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例にかかる浴槽洗浄機能付き給湯
器を含むシステム全体を示す系統図である。

【図２】実施例に使用した一口循環口の断面構造図であ
る

【図３】ａ．実施例に使用した一口循環口の正面図であ
る。 ｂ．他の実施例に使用した一口循環口の正面図である。

【図４】実施例に使用した洗浄ノズルの断面図である。

【図５】実施例に使用した洗浄ノズルの正面図である。

【符号の説明】

１ 浴槽洗浄機能付き給湯器 ２ 浴槽 ３ 排水口 ４ 浴槽排水栓 ５ 一口循環口 ５ａ ストレーナーケース ５ｂ シール材 ５ｃ ストレーナー ５ｄ 吸い込み口 ５ｅ 吸い込み管 ５ｆ シール材 ５ｇ カバー ５ｈ 吐出口 ５ｉ ねじ部 ６ パッキン ７ パッキン ８ 一口循環口外側ケース ９ 戻り管 １０ 追い焚き管 １１ 温度検知センサー １２ 自吸式循環ポンプ １３ 第１の切替弁 １４ 排水口 １５ 浴水加熱用熱交換器 １６ 温度検知センサー １７ 往き管 １８ 第２の切替弁 １９ 洗浄管 ２０ 洗浄ノズル ２０ａ 回転部 ２０ｂ 回転用孔 ２０ｃ 洗浄孔 ２０ｄ 衝突部材 ２１ 給水管 ２２ 給湯用熱交換器 ２３ 温度検知センサー ２４ 給湯管 ２５ お湯張り電磁弁 ２６ 逆止弁 ２７ 蛇口

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 浴槽と、浴槽の壁面の下部に取りつけた
   一口循環口と、浴槽の壁面に取りつけた洗浄ノズルと、
   ケーシング内に収納した循環ポンプと、第１の切替弁
   と、浴水加熱用熱交換器と、第２の切替弁と、給湯用熱
   交換器と、お湯はり電磁弁とを有する浴槽洗浄機能付き
   給湯器において、 一口循環口から浴水加熱用熱交換器までの戻り管の途中
   に循環ポンプを設け、浴水加熱用熱交換器から浴槽まで
   の往き管の途中に第２の切替弁を設け、前記第２の切替
   弁の出口の一方と前記一口循環口に接続した追い焚き管
   とを接続し、前記第２の切替弁の出口のもう一方を洗浄
   ノズルに接続し、前記循環ポンプと前記第２の切替弁と
   の間に第１の切替弁を設け、前記第１の切替弁の出口の
   一方は排水口に、前記第１の切替弁の出口のもう一方は
   循環回路を通して前記第２の切替弁に向けて接続したこ
   とを特徴とする浴槽洗浄機能付き給湯器。
2. 【請求項２】 一口循環口は二重管構造で、一方を吸い
   込み側、他方を吐出側とし、吸い込み側のストレーナー
   ケースにはシール材を介して着脱自在にストレーナーが
   収納され吸い込み口に連通し、吸い込み口には吸い込み
   管が取りつけられ、浴槽底面の近傍まで延びた吸い込み
   管を有する一口循環口を使用したことを特徴とする請求
   項１記載の浴槽洗浄機能付き給湯器。