JPH11236464A - ゴム組成物 - Google Patents

ゴム組成物

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JPH11236464A
JPH11236464A JP10056170A JP5617098A JPH11236464A JP H11236464 A JPH11236464 A JP H11236464A JP 10056170 A JP10056170 A JP 10056170A JP 5617098 A JP5617098 A JP 5617098A JP H11236464 A JPH11236464 A JP H11236464A
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rubber
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光正 松下
Makoto Mori
誠 毛利
Hirotaka Okamoto
浩孝 岡本
Norio Sato
紀夫 佐藤
Yasuyuki Suzuki
康之 鈴木
Masao Owaki
雅夫 大脇
Katsumi Nakajima
克己 中島
Hidenobu Honda
秀亘 本多
Katsumasa Takeuchi
勝政 竹内
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Toyoda Gosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 再生ゴムを含有したゴム組成物であって,ゴ
ム特性に優れたゴム成形品を得ることができ,使用済み
ゴム製品のリサイクル化を促進することができるゴム組
成物を提供すること。 【解決手段】 加硫ゴムに加熱と剪断力とを加えること
による再生処理を施すことにより得られた再生ゴムと未
加硫の新しい原料ゴムとを含むブレンド物よりなる。上
記再生ゴムはトルエン不溶のゲル成分を40重量%以上
残存した状態にあり,該ゲル成分中のゴムの網目鎖濃度
は加硫ゴムのゴムの網目鎖濃度の1/20〜1/4であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は,廃タイヤ等の加硫ゴムの再生処
理より得られる再生ゴムを利用したゴム組成物に関す
る。
【0002】
【従来技術】近年,環境意識の高まりにより,産業廃棄
物のリサイクルが重要な社会問題となってきている。そ
のような中で,廃タイヤ等のゴム製品のリサイクル率の
向上が急務となってきている。従来,廃タイヤ等のゴム
製品はセメント用キルン燃料や再生ゴム等の方法で再利
用されるのが一般的であった。勿論,再びゴム製品とし
てリサイクルされる再生ゴムとして利用することが最も
望ましいものである。
【0003】ここに加硫ゴムの再生方法としては,加硫
ゴムの粗粉砕物に再生剤を添加し,オートクレープ中で
熱処理(例えば200℃,14.5kg/cm2 ,5時
間といった条件)し,その後,仕上げロール等を用いて
精練し,再生ゴムとなす方法が知られている。なお,こ
の方法はPAN法と呼ばれている。
【0004】しかし,上述したPAN法で再生された再
生ゴム及び該再生ゴムを再加硫した再加硫ゴムはそれ単
独では強度が低く,使用範囲が極めて限られるようなゴ
ムであった。このため,この再生ゴム単独では実用的な
ゴム製品(再加硫ゴム等を含む)を作製することが困難
であった。このため,上記再生ゴムを配合材として新し
い原料ゴムに添加し,新しい原料ゴムの消費量の少ない
ゴム成形品を得ることが検討されていた。
【0005】また,他の加硫ゴムの再利用方法として
は,加硫ゴムを粒径が数百μmとなるよう微粉砕し,こ
れを未加硫の新しい原料ゴムに対し混合する方法が知ら
れている。この場合も新しい原料ゴムの消費量の少ない
ゴム成形品を得ることができる。
【0006】
【解決しようとする課題】しかしながら,再生ゴムを配
合材として新しい原料ゴムに添加しても,破壊特性,耐
摩耗性,加硫特性等が低下し,その後加硫剤を添加し,
再加硫したとしても実用的なゴム製品を作製することは
やはり困難であった。
【0007】また,加硫ゴムの微粉砕物を新しい原料ゴ
ムに混合して作製したブレンドゴムは,加硫ゴムの分子
と新しい原料ゴムの分子との界面での結合が不充分であ
ることから,界面から破壊等が進行しやすくなる。よっ
て,これらの再利用方法から優れた良質の再生ゴム等を
得ることは困難であった。
【0008】本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてな
されたもので,再生ゴムを含有したゴム組成物であっ
て,ゴム特性に優れたゴム成形品を得ることができ,使
用済みゴム製品のリサイクル化を促進することができる
ゴム組成物を提供することにある。
【0009】
【課題の解決手段】請求項1の発明は,加硫ゴムに加熱
と剪断力とを加えることによる再生処理を施すことによ
り得られた再生ゴムと未加硫の新しい原料ゴムとを含む
ブレンド物よりなるゴム組成物であって,上記再生ゴム
はトルエン不溶のゲル成分を40重量%以上残存した状
態にあり,該ゲル成分中のゴムの網目鎖濃度は加硫ゴム
のゴムの網目鎖濃度の1/20〜1/4であることを特
徴とするゴム組成物にある。
【0010】本発明は熱と剪断力との併用により加硫ゴ
ムを再生し,熱あるいは剪断力だけでの再生では到底得
ることができない高品位なゴム組成物を得る技術であ
る。従来から行われている加熱だけによる再生(PAN
法)でタイヤ(天然ゴムとブタジエン系ゴムのブレンド
物)を再生すると,硫黄等の架橋点の切断と共に天然ゴ
ムの主鎖切断による軟化とブタジエン系ゴムの酸化によ
る硬化が同時に進行する。
【0011】この天然ゴムとブタジエン系ゴムの劣化を
極力抑制することにより,良好な特性の再生ゴムを得る
ことができるが,PAN法では再生との両立は困難であ
った。そのため,これら従来方法により得られた再生ゴ
ムは限られた用途にしか使用できなかった。
【0012】一方,本発明においては熱と剪断力との併
用により加硫ゴムを再生する。本発明によって,剪断力
の効果により架橋点切断が促進され,ゴムの劣化が抑制
されることが見出された。本発明にかかるゴム組成物が
添加されたタイヤは,タイヤ特性の低下も抑制され,再
生ゴムよりなるゴム組成物が添加されることから未加硫
の新しい原料ゴムの使用量も抑制され,資源保護,リサ
イクルの観点からも大変好ましいものである。
【0013】また,剪断力を与えて再生を行うことによ
り,再生ゴム中のゲル成分の粒子が微細化されるため,
再加硫により得られるゴム製品の外観品質及び機械的特
性等を高めることができる。これに対してPAN法では
再生処理後にロールにより可塑化処理が行われるが,ロ
ール処理では本発明にかかるレベルまでのゲル成分の粒
子の微細化は困難であった。
【0014】仮にトルエン不溶のゲル成分が40重量%
未満である場合には,架橋結合切断だけでなく,ゴム分
子の主鎖の切断も進行するおそれがあり,粘着性をおび
やすくなり,物性が低下するおそれがある。
【0015】またゲル成分の上限であるが,80重量%
未満が望ましい。80重量%以上では加硫ゴムの再生が
不充分となり,未加硫の新しい原料ゴムへの分散性,粘
着性が低下するおそれがある。そのため,得られるゴム
製品の表面品質や機械的特性等が低くなるおそれがあ
る。なお,上記ゲル成分は加硫ゴムの種類によって異な
るが,例えばゴムの三次元架橋により形成されたポリマ
ーゲル,ゴムとカーボンブラックからなるカーボンゲ
ル,カーボンブラック等の無機物等からなる。
【0016】また,ブタジエンゴム,スチレン−ブタジ
エンゴム,アクリロニトリル−ブタジエンゴム等のブタ
ジエン成分を含むゴムでは,上記再生ゴム中のゲル成分
中のブタジエン成分において,末端ビニル基が,再生処
理前の加硫ゴム中における末端ビニル基の50%以上が
残存した状態にあることが好ましい。
【0017】これにより,ブタジエン成分のゴムとして
の特性を保持できる。仮に50%未満である場合には,
ゴムとしての特性が失われ,ゴム成形品の機械的特性が
低下する。また,このようなゴム組成物をタイヤ材とし
て使用した場合には,耐摩耗性が大幅に低下するため,
実用的な性能を有するタイヤを得られないおそれがあ
る。なお,残存量が多いほどブタジエンゴムとしての特
性を保持できるので,残存量は多ければ多いほど好まし
い。
【0018】また,仮にゲル成分中のゴムの網目鎖濃度
が加硫ゴム中の網目鎖濃度の1/4を越える場合には,
再生が不充分となり,未加硫のゴムへの分散性,相溶性
が低下する。そのため得られるゴム製品の表面品質や機
械的特性が低くなるおそれがある。一方,1/20未満
の場合には,架橋切断だけではなく,ゴム分子主鎖の切
断も進行するおそれがあり,粘性を帯び易くなり,物性
が低下するおそれがある。
【0019】次に,上記加硫ゴムとしては,例えば,炭
素主鎖からなる長い鎖状有機化合物の集合体である生ゴ
ムに,硫黄または硫黄化合物を混合し,上記生ゴム中の
炭素主鎖間等に−S−結合,−S−S−結合,−S−S
−S−結合等の多種の硫黄架橋結合を形成させ,エラス
トマまたはゴムの性状を呈するようにした物質を挙げる
ことができる。
【0020】上記鎖状有機化合物としては,例えば,天
然ゴム,ブタジエンゴム,イソプレンゴム,ブチルゴ
ム,エチレン−プロピレンゴム,スチレン−ブタジエン
ゴム,クロロプレンゴム,ニトリルゴム,アクリルゴ
ム,エピクロルヒドリンゴム,クロロスルホン化ポリエ
チレン,塩素化ポリエチレン,EPDM等が挙げられ
る。ただし,本発明はブタジエンゴムの単独または上記
ゴムとブタジエンゴムとの1種以上の組み合わせに対し
て適応されるものである。
【0021】なお,上記加硫ゴムはタイヤ等のゴム製品
を利用することが好ましい。特にタイヤ類は大量に廃棄
される物品であるため,本発明のリサイクル効果が高く
なる。また,加硫ゴムは,1種類からなるものであって
もよいが,2種類以上のものが混合していてもよい。そ
の混合状態はある程度の大きさのゴムの塊が集合した状
態でもよいし,また1mm以下に分散されている状態で
もよい。また,単独加硫物の粉砕物の2種類以上が混合
されているようなものであってもよい。
【0022】混合されるゴムの種類は基本的にはどのよ
うなものでもよいが,安定した特性を有する再生物を得
る観点から,ゴムの分子構造,極性等が近いものほど好
ましい。具体的には,例えば天然ゴムとスチレン−ブタ
ジエンゴム,天然ゴムとスチレン−ブタジエンゴムとブ
タジエンゴムとの組み合わせがある。
【0023】加硫ゴムは種々のゴム材から得られる。例
えばゴムタイヤ,ウェザーストリップ,ホース,ピスト
ンカップ,ベルト,フロアーカーペット等のゴム部品,
使用済み廃材,新材の端材,成形不良品等から得られ
る。これら各種のゴム材は混合して用いてもよいが,安
定した特性を有する再生物を得る観点から,単一部材を
用いたほうが好ましい。
【0024】また,未加硫の新しい原料ゴムとしては,
例えば,天然ゴム,ブタジエンゴム,イソプレンゴム,
ブチルゴム,エチレン−プロピレンゴム,スチレン−ブ
タジエンゴム,クロロプレンゴム,ニトリルゴム,アク
リルゴム,エピクロルヒドリンゴム,EPDM等が挙げ
られる。
【0025】また,再生ゴムと新しい原料ゴムとの組み
合わせとしては,2種以上の同一組成の混合や2種以上
の異なる組成を混合することができる。混合するゴムの
種類は基本的にはどのようなものでもよいが,安定した
特性を有するゴム組成物を得る観点から,ゴムの分子構
造,極性等が近いもの同士を用いることが好ましい。具
体的には例えば天然ゴムとスチレン−ブタジエンゴム,
天然ゴムとスチレン−ブタジエンゴムとブタジエンゴム
との組み合わせがある。なお,加硫ゴムの再生方法は後
述する。
【0026】また,再生ゴムと新しい原料ゴムとの配合
量は,新しい原料ゴム100重量部に対し,再生ゴムは
100重量部以下であることが好ましい。これにより,
新しい原料ゴム単味と同等の成形性,材料物性,表面品
質を得ることができる。仮に100重量部を越えた場合
には,成形性,材料物性,表面品質が低下するおそれが
ある。なお,あまり再生ゴムの添加量が少ないと使用済
みゴム成形品のリサイクルという目的が達せられないた
め,少なくとも5重量部は添加することが好ましい。
【0027】また,本発明にかかるゴム組成物中におい
て再生ゴムは100μm以下の微粒子となって分散した
状態にあることが好ましい。これにより,表面品質及び
材料物性の低下を防止することができる。また,このよ
うな状態のゴム組成物を得るために,再生ゴムは新しい
原料ゴムに対し,通常のゴムの混練に使用している方法
で混合すればよい。例えばロール,ニーダ,押出機等を
利用して混合させることが好ましい。
【0028】また,上記再生ゴムがNR/SBR(天然
ゴム/スチレンブタジエンゴム),NR/BR(天然ゴ
ム/ブタジエンゴム),NR/SBR/BR(天然ゴム
/スチレンブタジエンゴム/ブタジエンゴム)である時
は,NRの含有量が30重量%以上であることが好まし
い。
【0029】これにより再生が容易な天然ゴムと再生が
困難なSBR,BR等のブタジエン系ゴムとを共存させ
ることができ,ブタジエン系ゴムの分子内及び分子間で
の架橋による硬化を抑制し,再生ゴムの物性を向上させ
ることができる。含有量が30重量%未満である場合に
は,上記の効果が少なくなり,ブタジエン系ゴムの硬化
による劣化を抑制できないおそれがある。なお,NRの
含有量の上限は特にない。
【0030】次に,本発明の作用につき説明する。本発
明にかかるゴム組成物は再生ゴムを含有している。この
再生ゴム中には加硫ゴム中におけるトルエン不溶のゲル
成分が40重量%以上残存している。これは再生ゴム中
のゴム分子が低分子量化していないことを示している。
【0031】また,ゲル成分中のゴムの網目鎖濃度は加
硫ゴムの1/20〜1/4である。これはゴム分子が架
橋構造を保持していることを示している。このような再
生ゴムは流動性があると同時に新しい原料ゴムとのなじ
みがよく,新しい原料ゴム中へ微細に分散できる。よっ
て,上記再生ゴムは新しい原料ゴムとよく結合するた
め,両者のブレンド物を含有するゴム組成物のゴム特性
は高くなる。
【0032】そして,本発明にかかるゴム組成物は新し
い原料ゴムに対して再生ゴムがいくらか添加された状態
にあるため,その分新しい原料ゴムの量を減らすことが
できる。このため,使用済みゴム製品のリサイクル化を
促進することができる。
【0033】なお,『ゴム特性が高い』とは,仮に上記
再生ゴムを再加硫して再加硫ゴム成形品とした場合,こ
の再加硫ゴム成形品の引張強度,破断伸び,弾力性等の
性質が,新しい原料ゴムより作成した加硫ゴム成形品と
同等,あるいはこれより優れているという意味である。
【0034】以上のように,本発明によれば,再生ゴム
を含有したゴム組成物であって,ゴム特性に優れたゴム
成形品を得ることができ,使用済みゴム製品のリサイク
ル化を促進することができるゴム組成物を提供すること
ができる。
【0035】なお,本発明にかかるゴム組成物は上記ブ
レンド物以外にも,ガラス繊維,熱可塑性樹脂繊維,粘
土鉱物等の充填剤等を含有させることができる。更に,
本発明にかかるゴム組成物は加硫処理等によりゴム成形
品となして,使用することができる。
【0036】また,本発明にかかる再生ゴムは加硫ゴム
に再生処理を施すことにより得られた再生ゴムである。
この再生処理は,加硫ゴムを加熱すると共に剪断力を加
えることにより行う。この場合の加熱は,加硫ゴムにお
ける架橋点が切断され,かつゴム分子の主鎖の優先的な
切断が生じない程度の温度で行うことが好ましい。ま
た,加える剪断力が大きければ大きいほど架橋点の切
断,主鎖の切断が生じ易くなるため,剪断力が大きけれ
ば大きいほど,温度を低くする必要がある。
【0037】具体的には,加熱は180℃〜350℃で
行うことが好ましい。180℃未満で行う場合には,架
橋点の切断が充分に進行しないおそれがある。また,3
50℃より高い場合には,主鎖の切断まで進行し,再生
ゴムの物性が低下するおそれがある。
【0038】また,上記温度範囲の最適な範囲は使用す
る加硫ゴムの種類によって異なる。例えば,硫黄加硫天
然ゴム等には,180〜250℃が最も好ましい温度範
囲となる。また,硫黄加硫EPDMには,280〜33
0℃が最も好ましい温度範囲となる。
【0039】また,上記剪断力は10〜150kg/c
2 であることが望ましい。10kg/cm2 未満で行
う場合には,剪断力が小さすぎ,架橋点切断の促進が充
分に行えず再生効率が低下するおそれがある。一方,1
50kg/cm2 より大である場合には,剪断力により
架橋点の切断だけでなく,主鎖の切断も進行し,再生ゴ
ムの物性が低下するおそれがある。
【0040】剪断力の最適な範囲も加硫ゴムの種類によ
り異なるが,例えば天然ゴムとスチレン−ブタジエンゴ
ム,天然ゴムとスチレン−ブタジエンゴムとブタジエン
ゴム等を利用する場合には10〜50kg/cm2 とす
ることが最も好ましい。また,剪断力を加える装置とし
ては二軸押出機等を利用することができる。また,剪断
力の大きさは,剪断を加えるにあたり使用した装置にお
ける剪断速度とその時のゴムの粘度との積より算出する
ことができる。
【0041】また,再生処理において,脱硫剤を加える
こともできる。これにより,脱硫反応を容易に進行させ
ることができる。利用可能な脱硫剤としては,ジフェニ
ルジスルフィド,フェニルヒドラジン−塩化鉄,過酸化
物等を挙げることができる。また,再生処理において,
フィラー,酸化防止剤,紫外線吸収剤等の添加剤を添加
することができる。また,必要に応じて再生油等を添加
してもよい。
【0042】また,上記再生処理は,熱と剪断力とを同
時に加えるが,この場合の『同時』とは,熱と剪断力と
を同時に加えることは当然であるが,加熱終了後,ゴム
の温度が適正範囲内にある間に剪断力を加える場合,熱
と剪断力を交互に加える場合等も含まれる。
【0043】
【発明の実施の形態】実施形態例1 本発明の実施形態例にかかるゴム組成物について説明す
る。本例にかかるゴム組成物は,加硫ゴムに加熱と剪断
力とを加えることによる再生処理を施すことにより得ら
れた再生ゴムと未加硫の新しい原料ゴムとを含むブレン
ド物よりなるゴム組成物であって,上記再生ゴムはトル
エン不溶のゲル成分を40重量%以上残存した状態にあ
り,該ゲル成分中のゴムの網目鎖濃度は加硫ゴムのゴム
の網目鎖濃度の1/20〜1/4である。
【0044】本例にかかる加硫ゴムは廃タイヤであっ
て,天然ゴム(NR)とスチレンブタジエンゴム(SB
R)とよりなるブレンドゴムである。また,両者の重量
混合比はNR/SBR=7/3である。
【0045】また,上記再生ゴムを得る方法について説
明する。廃タイヤのトレッド部分を10mm以下に粉砕
する。その後,粉砕物をスクリュ径30mm,スクリュ
長さ1200mmの二軸押出機に投入し,温度200
℃,剪断力30kg/cm2 の条件で再生処理を行なっ
た。これにより再生ゴムを得た。上記再生ゴムにトルエ
ン抽出を施したところ,残存量は60重量%であった。
また,ゲル成分中のゴムの網目鎖密度は再生前の加硫ゴ
ムの1/10であった。
【0046】この再生ゴムを新しい原料ゴムであるNR
とSBRとのコンパウンド(重量混合比は7/3)に対
して添加して,ニーダ混練により本例にかかるゴム組成
物を得た。なお,上記ゴム組成物において,再生ゴムと
新しい原料ゴムとの重量比は1/2とした。
【0047】次に,本例のゴム組成物の性能について試
料1〜7,表1を用いて説明する。試料1は上述した再
生ゴムと新しい原料ゴムとよりなるゴム組成物である。
また,試料2,試料3は試料1と同じ製法,同じ材料に
より作製されたゴム組成物である。但し,試料2は15
0℃,試料3は300℃という温度で加硫ゴムの再生処
理を行った。試料7は試料1と同様のゴム組成物であ
る。但し,添加した再生ゴムの添加量が試料1とは異な
った。
【0048】また,試料4は新しい原料ゴムのみよりな
るゴム組成物,試料5は再生ゴムの代わりに加硫ゴム粗
粉砕物が新しい原料ゴムに対し添加して作成されたゴム
組成物,試料6はPAN法により得られた再生ゴムを新
しい原料ゴムに対し添加して作成されたゴム組成物であ
る。なお,上記PAN法は加硫ゴムの粗粉砕物に再生剤
を添加し,オートクレープ中で例えば200℃,14.
5kg/cm2 ,5時間といった条件で熱処理し,その
後,仕上げロール等を用いて精練することにより行っ
た。
【0049】次に,試料1〜4及び6,7にかかるゴム
組成物に対し添加した各再生ゴムのゲル成分量,網目鎖
濃度,ビニル基残量について測定した。まず,再生ゴム
のゲル成分量であるが,再生ゴムの試験片(これをA片
とする)0.1gを正確に測定し,その100倍量(重
量)のトルエンに48時間浸漬し,膨潤させた。
【0050】次に,膨潤した再生ゴムの試験片(これを
B片とする)を取出し,表面の余分なトルエンを拭き取
って,密閉容器に入れて重量を測定した。膨潤した再生
ゴムの試験片(B片)を容器から取出し,12時間乾燥
してトルエンを除去した。この乾燥した試験片(これを
C片とする)の重量を測定した。以上の測定より,(ゲ
ル成分量)=(膨潤させた後に乾燥させた試験片[C
片]の重量)/(試験片[A片]の重量)を算出した。
この結果をゲル成分量の欄に記載した。
【0051】また,再生ゴムの網目鎖濃度であるが,膨
潤させた後に乾燥させた試験片[C片]の重量と膨潤し
た試験片(B片)の重量とを用いてFlory−Reh
nerの式により算出した。この結果を網目鎖濃度の欄
に記載した。また,再生ゴムのビニル基残存比である
が,固体NMR分析により測定した。この結果をビニル
基残量に記載した。なお,以上の各試験において,試料
4は該試料4を構成する未加硫の新しい原料ゴムを試験
片となして測定した。
【0052】また,試料1〜7にかかるゴム組成物を加
硫して,加硫ゴム成形品とした。この場合,各ゴム組成
物100重量部に対し,表1に示すごとく,硫黄3重量
部,酸化亜鉛5重量部,ステアリン酸1重量部,加硫促
進剤CBS1重量部を添加して,温度141℃,20分
にて加硫処理を行った。得られた加硫ゴム成形品に対し
JISK6301に基づいて物性試験を行った。得られ
た強度及び伸びを表1に記載した。また,上記加硫ゴム
成形品にランボーン試験を施して,耐摩耗性を得た。こ
れも表1に記載した。
【0053】同表によれば,試料2は再生ゴム中の網目
鎖濃度が高すぎ,更に試料3は網目鎖濃度及びゲル成分
量が低すぎる。このため両者共に新しい原料ゴムのみよ
りなる試料4と比べて強度,伸び,耐摩耗性のすべてに
ついて劣っていた。また,試料5は単なるゴムの粉末を
ブレンドしたものであるため,同様に試料4と比べて強
度,伸び,耐摩耗性のすべてについて劣っていた。
【0054】更に,試料6は加硫ゴムの再生処理として
PAN法を採用したため,ビニル基残量が低くなりすぎ
た再生ゴムしか得ることができず,強度,伸び,耐摩耗
性の劣るものしか得られなかった。これらと比較して本
発明にかかる試料1及び試料7から得られた加硫ゴム成
形品は新しい原料ゴムのみよりなる試料4から得られた
加硫ゴム成形品とほぼ同等の性能を有することが分かっ
た。
【0055】本例にかかる作用効果について説明する。
本例にかかるゴム組成物は再生ゴムを含有している。こ
の再生ゴム中には加硫ゴム中におけるトルエン不溶のゲ
ル成分が40重量%以上残存している。これは再生ゴム
中のゴム分子が低分子量化していないことを示してい
る。
【0056】また,ゲル成分中のゴムの網目鎖濃度は加
硫ゴムの1/20〜1/4である。これはゴム分子が架
橋構造を保持していることを示している。このような再
生ゴムは流動性があると同時に新しい原料ゴムとのなじ
みがよく,新しい原料ゴムに中へ微細に分散できる。よ
って,上記再生ゴムは新しい原料ゴムとよく結合するた
め,両者のブレンド物を含有するゴム組成物のゴム特性
は高くなる(表1参照)。
【0057】そして,本例にかかるゴム組成物は新しい
原料ゴムに対して再生ゴムがいくらか添加された状態に
あるため,その分新しい原料ゴムの量を減らすことがで
きる。このため,使用済みゴム製品のリサイクル化を促
進することができる。
【0058】
【表1】
【0059】
【発明の効果】上述のごとく,本発明によれば,再生ゴ
ムを含有したゴム組成物であって,ゴム特性に優れたゴ
ム成形品を得ることができ,使用済みゴム製品のリサイ
クル化を促進することができるゴム組成物を提供するこ
とができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松下 光正 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 毛利 誠 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 岡本 浩孝 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 佐藤 紀夫 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 鈴木 康之 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 大脇 雅夫 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 中島 克己 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑1 番地 豊田合成株式会社内 (72)発明者 本多 秀亘 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑1 番地 豊田合成株式会社内 (72)発明者 竹内 勝政 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑1 番地 豊田合成株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加硫ゴムに加熱と剪断力とを加えること
    による再生処理を施すことにより得られた再生ゴムと未
    加硫の新しい原料ゴムとを含むブレンド物よりなるゴム
    組成物であって,上記再生ゴムはトルエン不溶のゲル成
    分を40重量%以上残存した状態にあり,該ゲル成分中
    のゴムの網目鎖濃度は加硫ゴムのゴムの網目鎖濃度の1
    /20〜1/4であることを特徴とするゴム組成物。
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