JPH11235724A - 再生ゴム成形体の製造方法 - Google Patents

再生ゴム成形体の製造方法

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JPH11235724A
JPH11235724A JP10056171A JP5617198A JPH11235724A JP H11235724 A JPH11235724 A JP H11235724A JP 10056171 A JP10056171 A JP 10056171A JP 5617198 A JP5617198 A JP 5617198A JP H11235724 A JPH11235724 A JP H11235724A
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JP
Japan
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rubber
vulcanized
reclaimed
vulcanizing agent
vulcanized rubber
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Application number
JP10056171A
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English (en)
Inventor
Mitsumasa Matsushita
光正 松下
Makoto Mori
誠 毛利
Hirotaka Okamoto
浩孝 岡本
Norio Sato
紀夫 佐藤
Yasuyuki Suzuki
康之 鈴木
Masao Owaki
雅夫 大脇
Katsumi Nakajima
克己 中島
Hidenobu Honda
秀亘 本多
Katsumasa Takeuchi
勝政 竹内
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Toyota Motor Corp
Toyoda Gosei Co Ltd
Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Toyoda Gosei Co Ltd
Toyota Central R&D Labs Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加硫ゴムの再生,加硫剤との混練,成形,再
加硫による再生ゴム成形体の製造を連続処理で行うこと
ができ,再生ゴム成形体の安定した品質を確保すること
ができる,再生ゴム成形体の製造方法を提供すること。 【解決手段】 加硫ゴムに熱と剪断力とを加えて再生ゴ
ムとなす再生工程と,該再生工程中に加硫剤を上記再生
ゴムに添加し,両者を混練してブレンド材となす混練工
程を行い,更にこれらの工程と上記ブレンド材を所定形
状に成形する成形工程とを連続的に行い,更に上記成形
工程中に上記ブレンド材を加硫する再加硫工程を行って
再生ゴム成形体となす。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は廃タイヤ等の加硫ゴムを再生して
再び新たなゴム製品となす,再生ゴム成形体の製造方法
に関する。
【0002】
【従来技術】加硫ゴムを再生する方法としてはPAN法
が一般的である。PAN法とは,加硫ゴムの粗粉砕物に
再生剤等を添加し,オートクレーブ等で加熱し,その後
仕上げロールを用いて精練を行い,再生ゴムを得る方法
である。上記再生ゴムは未加硫の状態であり,軟質状態
にある。
【0003】従って,この再生ゴムを再度ゴム製品とし
て使用するために,以下の工程を施す。つまり,未加硫
の再生ゴムに対し,別にロール等を用いて加硫剤を添加
し,混練する。混練された材料を押出成形機等を用いて
所定形状に押出成形し,その後加硫炉等を用いて加硫処
理を施す。これにより,再生ゴムは再加硫されて,再生
ゴム成形体となる。
【0004】
【解決しようとする課題】しかしながら,上記従来の再
生ゴム成形体の製造には以下に示すごとき問題点があっ
た。即ち,従来方法はバッチ処理であり,加硫ゴムの再
生工程,加硫剤等の混練工程,成形工程,再加硫による
硬化の工程とが独立しており,それぞれ独立した設備が
必要であって,製造工程が複雑であった。そのため,生
産性が悪く,製造に時間がかかり,また安定した品質の
再生ゴム成形体を安価に供給することが困難であった。
【0005】また,押出機を用いて加硫ゴムに熱と剪断
力とを同時に加えて加硫ゴムを連続再生する連続再生技
術が知られているが(特開平9−227724号),こ
の方法においても再生ゴム成形体を製造するに当たって
は,製造工程,製造時間を充分短縮することは困難であ
った。
【0006】本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてな
されたもので,加硫ゴムの再生,加硫剤との混練,成
形,再加硫による再生ゴム成形体の製造を連続処理で行
うことができ,再生ゴム成形体の安定した品質を確保す
ることができる,再生ゴム成形体の製造方法を提供する
ことである。
【0007】
【課題の解決手段】請求項1の発明は,加硫ゴムに熱と
剪断力とを加えて再生ゴムとなす再生工程と,該再生工
程中に加硫剤を上記再生ゴムに添加し,両者を混練して
ブレンド材となす混練工程を行い,更にこれらの工程と
上記ブレンド材を所定形状に成形する成形工程とを連続
的に行い,更に上記成形工程中に上記ブレンド材を加硫
する再加硫工程を行って再生ゴム成形体となすことを特
徴とする再生ゴム成形体の製造方法にある。
【0008】なお,本明細書における再生ゴムとは,加
硫ゴムを脱硫して作製され,未架橋の状態にあり,ゴム
としての弾性等の性状を呈さない軟質の物質である。再
生ゴム成形体は上記未架橋の状態にあった再生ゴムにお
いてゴム分子間が架橋された状態の物質を示している。
【0009】また,上記加硫剤の添加に当たっては,後
述するごとく加硫ゴムに熱と剪断力とを加えた状態にお
いて行うことが好ましい。特に剪断力が加わった状態で
添加,混練が行われることが好ましい。
【0010】次に,上記加硫ゴムとしては,例えば,炭
素主鎖からなる長い鎖状有機化合物の集合体である生ゴ
ムに,硫黄または硫黄化合物を混合し,上記生ゴム中の
炭素主鎖間等に−S−結合,−S−S−結合,−S−S
−S−結合等の多種の硫黄架橋結合を形成させ,エラス
トマまたはゴムの性状を呈するようにした物質を使用す
ることができる。
【0011】上記鎖状有機化合物としては,例えば,天
然ゴム,ブタジエンゴム,イソプレンゴム,ブチルゴ
ム,エチレン−プロピレンゴム,スチレン−ブタジエン
ゴム,クロロプレンゴム,ニトリルゴム,アクリルゴ
ム,エピクロルヒドリンゴム,クロロスルホン化ポリエ
チレン,塩素化ポリエチレン,EPDM(エチレンプロ
ピレンジエンターポリマー)等が挙げられる。
【0012】また,熱と剪断力とを加えるに当たり,二
軸押出機を使用することが好ましい。これにより,連
続,均一に熱と剪断力とを加えることができ,安定した
品質の再生ゴムを生産性よく得ることができる。
【0013】また,本発明においては再生工程において
熱と剪断力とを加硫ゴムに対し加えるが,この場合の加
熱は加硫ゴムにおける架橋点が切断され,かつ加硫ゴム
を構成するゴム分子の主鎖の切断が生じない程度の温度
で行うことが好ましい。また,加える剪断力が大きけれ
ば大きいほど低い温度で架橋点の切断が生じ易くなるた
め,剪断力が大きければ大きいほど,加硫ゴムの再生工
程の温度を低くする必要がある。
【0014】具体的には,加熱は180〜350℃で行
うことが好ましい。180℃未満で行う場合には,架橋
点の切断が充分に進行しないおそれがある。また,35
0℃より高い場合には,主鎖の切断まで進行し,再生ゴ
ムの物性が低下するおそれがある。
【0015】また,上記温度範囲の最適な範囲は使用す
る加硫ゴムの種類によって異なる。例えば,硫黄加硫天
然ゴム等には,180〜250℃が好ましい温度範囲と
なる。また,硫黄加硫EPDMには,280〜330℃
が好ましい温度範囲となる。
【0016】また,上記剪断力は10〜150kg/c
2 であることが望ましい。10kg/cm2 未満で行
う場合には,剪断力が小さすぎて架橋点の切断の促進を
充分実行できず,再生効率が低下するおそれがある。一
方,150kg/cm2 より大である場合には,剪断力
により架橋点の切断だけでなく,主鎖の切断も進行し,
再生ゴムの物性が低下するおそれがある。
【0017】剪断力の最適な範囲も加硫ゴムの種類によ
り異なるが,例えば天然ゴム等では10〜50kg/c
2 とすることが好ましい。またEPDM等を利用する
場合には10〜30kg/cm2 とすることが好まし
い。
【0018】また,上記再生工程では熱と剪断力とを加
えるが,この場合,熱と剪断力とを同時に加えてもよい
し,加熱終了後,ゴムの温度が適正範囲内にある間に剪
断力を加えてもよい。また,熱と剪断力を交互に加えて
もよい。
【0019】また,再加硫工程で用いる加硫剤,加硫助
剤としては,硫黄,テトラメチルチウラムジスルフィ
ド,ジベンゾチアジルジスルフィド,N,N’−m−フ
ェニレンジマレイミド等を使用することができる。
【0020】また,この加硫剤,加硫助剤は,原料とし
て使用する加硫ゴムの種類によってそれぞれ適当なもの
が異なる。仮に加硫速度の速すぎる加硫剤を用いた場合
には,再生の最中に再生ゴムの再加硫が進行してしまう
おそれがある。従って,部分的に再加硫されたゴムが剪
断力により粉体化してしまうおそれがあり,最終的に得
られた再生ゴム成形体の表面品質を劣悪なものとするお
それがある。逆に加硫速度の遅すぎる加硫剤を用いた場
合には,再生ゴム成形体の製造工程が長時間化するおそ
れがあり,生産効率を損なうおそれがある。
【0021】上記問題を避けるためには,再生工程中の
加硫ゴムの網目鎖密度が再生前の加硫ゴムの網目鎖密度
の1/4以下にある状態で,成形工程が終了するような
加硫速度を有する加硫剤を使用することが好ましい。言
い換えると,再生を行う温度でのスコーチ時間が30秒
以上ある加硫剤を使用することが好ましい。
【0022】具体的には,例えば,加硫ゴムがEPDM
である場合には,加硫剤,加硫助剤として硫黄,ジベン
ゾチアジルジスルフィド,N,N’−m−フェニレンジ
マレイミドを使用することが好ましい。
【0023】本発明にかかる作用効果について説明す
る。本発明においては,加硫ゴムに熱と剪断力とを加え
て再生工程を行う。そして,この再生工程において,該
再生工程を行う装置と同じ装置を用いて加硫剤を添加し
て混練する(混練工程)。
【0024】つまり,加硫ゴムの再生中に加硫剤を添加
するため,従来のようにバッチ材として作られた再生ゴ
ムに改めて,かつ別の装置を用いて加硫剤を添加し,混
練する必要がなくなり,工程を短縮することができると
共に再生ゴムを混練する装置や工程等も省略することが
できる。また,再生中に加わる剪断力等で加硫ゴムと加
硫剤とを充分混合することができるため,品質に優れた
再生ゴム成形体を作製することができる。
【0025】更に,再生ゴムには加硫剤が添加されてい
ることから,再生工程において使用した押出機等の装置
に所定形状の開口を有するダイス等を設けることで,該
開口を介して押出成形等を行うことができ,即ち,所定
形状に成形する成形工程とを連続的に行うことができ
る。
【0026】更に,成形工程が行われる上記開口等の直
後に加硫炉等の加硫工程を行う装置を配置して,この装
置で再加硫することによって,連続的に再生ゴム成形体
として製造することができる。以上のようにして加硫ゴ
ムから連続的に再生ゴム成形体を得ることができる。
【0027】更に,本発明によれば加硫ゴムから連続的
に再生ゴム成形体を得ることができ,工程間の移行に伴
う時間のロスを減らすことができる。これらの点より本
発明によれば大いに生産効率を高めることができる。
【0028】また,加硫ゴムには熱と剪断力とが加えら
れるため,架橋結合の熱安定性が低下し切断され易くな
り,よって加硫ゴムの架橋点は速やかに切断される。加
硫剤による架橋反応はその後(剪断力が加わらなくなっ
た状態)に始まるため,充分再生された加硫ゴム(つま
り再生ゴムとなっている)に対し加硫剤が作用すること
ができる。これにより,再生不充分の状態にある加硫ゴ
ムに加硫剤が作用することが防止でき,品質の高い再生
ゴム成形体を得ることができる。
【0029】以上,本発明によれば,加硫ゴムの再生,
加硫剤との混練,成形,再加硫による再生ゴム成形体の
製造を連続処理で行うことができ,再生ゴム成形体の安
定した品質を確保することができる,再生ゴム成形体の
製造方法を提供することができる。
【0030】また,上記加硫ゴムは粗粉砕物の状態にし
て再生工程を施すことが好ましい。また,加硫ゴムに対
し熱と剪断力とを加えて加硫ゴムが再生ゴムとなった後
に加硫剤を添加することが好ましい。この場合,再生途
中の加硫ゴム中のゾル成分が20%以上生成し,ゲル成
分のポリマーの網目鎖濃度が再生前の加硫ゴムと比較し
て1/4以下に低下した後に,加硫剤を添加することが
好ましい。これにより,品質の優れた再生ゴム成形体を
確実に得ることができる。なお,加硫ゴム中のゾル成分
の増大は加硫ゴムの架橋点の切断量に比例する。また,
ゲル成分の網目鎖濃度の低下は未加硫のゴムの架橋点の
切断量に比例する。
【0031】各条件が満たされていない状態で加硫剤を
添加した場合で,加硫剤の添加時期が早かった場合に
は,加硫ゴムの再生が不充分であることから,表面品質
の悪い再生ゴム成形体,機械的特性の悪い再生ゴム成形
体が製造されてしまうおそれがある。
【0032】また,加硫剤の添加の時期が遅すぎた場合
には,再生ゴムはゴム分子の主鎖切断が進行したり,加
硫剤が充分に再生ゴムに対し分散することができず,機
械的特性に劣る再生ゴム成形体が製造されてしまうおそ
れがある。
【0033】また,本発明においても通常の加硫ゴムの
製造に使用されるような各種の添加物を添加することが
できる。例えば,未加硫ゴム,カーボンブラック,フィ
ラー,酸化防止剤,紫外線吸収剤,加硫助剤等を添加す
ることができる。また,これらの添加物は再生を行う前
の加硫ゴムに対しドライ混練添加を行うことができる。
また,再生工程中にサイドフィーダや液添ポンプを用い
て添加することもできる。
【0034】
【発明の実施の形態】実施形態例1 本発明の実施形態例にかかる再生ゴム成形体の製造方法
及びこれより得られた再生ゴム成形体の性能等について
説明する。本例にかかる再生ゴム成形体の製造方法の概
略は,加硫ゴムに熱と剪断力とを加えて再生ゴムとなす
再生工程と,該再生工程中に加硫剤を上記再生ゴムに添
加し,両者を混練してブレンド材となす混練工程を行
い,更にこれらの工程と上記ブレンド材を所定形状に成
形する成形工程とを連続的に行い,更に上記成形工程中
に上記ブレンド材を加硫する再加硫工程を行うことであ
る。
【0035】以下,詳細に説明する。まず,本例にかか
る再生ゴム成形体の製造方法について詳細に説明する。
加硫ゴムである硫黄加硫のブチルチューブ端材を10m
m角程度に粉砕し,これをニーディング部を5箇所持つ
二軸押出機(スクリュ径30mm,スクリュ長さ120
0mm)に投入し,脱硫・再生を行った。この時のスク
リュ回転数は300rpm,処理温度は第1〜第3ニー
ディング部で200℃,第4ニーディング部で190
℃,第5ニーディング部で180℃,へッド部で180
℃とした。また,処理能力5kg/hとした。
【0036】そして,上記脱硫・再生の際に第5ニーデ
ィング部の手前からプロセスオイルでスラリー化した薬
剤を液添ポンプで加えた。この薬剤は加硫剤(フェノー
ルアルデヒド樹脂及び臭素化ブチルゴム)とその他の添
加物とよりなり,再生ゴム中のゴム成分100重量部に
対し,フェノールアルデヒド樹脂が10重量部,臭素化
ブチルゴムが48重量部,酸化亜鉛が4.2重量部,ス
テアリン酸が1.5重量部となるよう配合されている。
【0037】そして,上記二軸押出機より加硫ゴムの粉
砕物は未架橋の再生ゴム(但し,加硫剤を含んでいる)
となって,厚さ2mmの板状に押し出された。上記二軸
押出機はトンネル型加硫炉に接続されており,押出され
た未架橋の再生ゴムはここにおいて再加硫され,同時に
脱 処理(脱臭及び低分子量物の除去)が行われた。ま
た,加硫炉の雰囲気温度は180℃,加硫時間は15分
であった。以上により加硫ゴムよりなる端材の粉砕物は
厚さ2mmの板状再生ゴム成形体となった。
【0038】また,第5ニーディング部での再生ゴム中
のゾル成分の比率は40%であり,ゲル成分中のゴムの
網目鎖濃度は再生前の1/10であった(但し,加硫ゴ
ムのゾル成分量は3%である)。また,加硫剤を添加し
て押出した直後の未架橋の再生ゴム中のゾル成分量は3
0%であり,ゲル成分中のゴムの網目鎖濃度は再生前の
1/4であった。
【0039】なお,再生ゴムのゾル成分量とゲル成分中
のゴムの網目鎖濃度は以下のようにして求めた。即ち,
再生ゴム試験片0.1gを正確に測定し,その100倍
量(重量)のトルエンに48時間浸漬し,膨潤させた。
次に,トルエンより膨潤試験片を取出し,表面の余分な
トルエンを拭き取って,密閉容器に入れて重量を測定し
た。その後,膨潤試験片を容器から取出し,12時間真
空乾燥してトルエンを除去し,乾燥試験片とした。その
後,この乾燥試験片の重量を測定した。
【0040】以上の測定より,(ゾル成分)=1−
[(乾燥試験片の重量)/(再生ゴム試験片の重量)]
を算出した。この結果がゾル成分量となる。また,網目
鎖濃度であるが,再生ゴム試験片の乾燥試験片の重量と
膨潤試験片の重量とを用いてFlory−Rehner
の式により算出した。
【0041】また,本例にかかる製造方法において,再
生から加硫剤の添加,混練,成形,再加硫により再生ゴ
ム成形体が得られるまでの時間は20分程度であった。
しかしながら,ブチルチューブの粗粉砕物をオートクレ
ーブ中で熱処理し,その後仕上げロールを用いて精練す
るというPAN法により上記と同様の硫黄加硫ブチルチ
ューブの端材を再生した。この再生ゴムに前述の加硫剤
等を添加し,ロール混練,プレス成形により再生ゴム成
形体を作製したところ,合わせて6時間以上を要した
(この製法の詳細は実施形態例2の試料2参照)。
【0042】更に,上述の製造方法にて用いた二軸押出
機を用いて加硫ゴムに熱と剪断力とを同時に加えるとい
う連続再生技術により上記と同様の硫黄加硫ブチルチュ
ーブの端材を再生した。得られた再生ゴムに前述の加硫
剤等を添加し,ロール混練,プレス成形により,再生ゴ
ム成形体を作製したところ,合わせて1.5時間以上を
要した。これにより,上述した本例の方法が生産効率に
優れていることが分かった。
【0043】次に,本例にかかる作用効果について説明
する。本例においては,加硫ゴムに熱と剪断力とを加え
て再生工程を行う。そして,この再生工程において,該
再生工程を行う装置と同じ装置(上述の二軸押出機)を
用いて加硫剤を添加して混練する(混練工程)。
【0044】つまり,加硫ゴムの再生中に加硫剤を添加
するため,従来のようにバッチ材として作られた再生ゴ
ムに改めて,かつ別の装置を用いて加硫剤を添加し,混
練する必要がなくなり,工程を短縮することができると
共に再生ゴムを混練する装置や工程等も省略することが
できる。また,再生中に加わる剪断力等で加硫ゴムと加
硫剤とを充分混合することができるため,品質に優れた
再生ゴム成形体を作製することができる。
【0045】更に,再生ゴムには加硫剤が添加されてい
ることから,再生工程において使用し二軸押出機の押出
口から押出成形を行うことができる。よって,再生工
程,混練工程と成形工程とを連続的に行うことができ
る。更に,成形工程が行われる二軸押出機は再加硫工程
が行われる加硫炉に接続されている。以上のようにして
本例によれば,加硫ゴムから連続的に再生ゴム成形体を
得ることができる。
【0046】更に,本例によれば加硫ゴムから連続的に
再生ゴム成形体を得ることができ,工程間の移行に伴う
時間のロスを減らすことができる。これらの点より大い
に生産効率を高めることができる。
【0047】また,加硫ゴムには熱と剪断力とが加えら
れるため,架橋結合の熱安定性が低下し切断され易くな
り,よって加硫ゴムの架橋点は速やかに切断される。加
硫剤による架橋反応はその後(剪断力が加わらなくなっ
た状態)に始まるため,充分再生された加硫ゴム(つま
り再生ゴムとなっている)に対し加硫剤が作用すること
ができる。これにより,再生不充分の状態にある加硫ゴ
ムに加硫剤が作用することが防止でき,品質の高い再生
ゴム成形体を得ることができる。
【0048】以上,本例によれば,加硫ゴムの再生,加
硫剤との混練,成形,再加硫による再生ゴム成形体の製
造を連続処理で行うことができ,再生ゴム成形体の安定
した品質を確保することができる,再生ゴム成形体の製
造方法を提供することができる。
【0049】実施形態例2 本例は,実施形態例1にかかる製造方法を従来方法等と
共に比較説明し,得られた再生ゴム成形体の性能につい
て示すものである。実施形態例1にかかる製造方法によ
って作られた再生ゴム成形体を試料1とする。
【0050】次に,試料2について説明する。実施形態
例1にかかる製造方法と同様の条件で加硫剤を含有した
薬剤を加えずに加硫ゴムを再生した。得られた再生ゴム
中のゴム成分100重量部に対し,フェノールアルデヒ
ド樹脂を10重量部,臭素化ブチルゴムを8重量部,酸
化亜鉛を4.2重量部,ステアリン酸を1.5重量部を
加えてロール混合後,100℃で30分間プレス加硫
し,厚さ2mm,39cm角の再生ゴム成形体を得た。
これが試料2である。
【0051】次に,試料3について説明する。加硫ゴム
である硫黄加硫のEPDM端材を10mm角程度に粉砕
し,これをニーディング部を5箇所持つ二軸押出機(ス
クリュ径30mm,スクリュ長さ1200mm)に投入
し,脱硫・再生を行った。この時のスクリュ回転数は3
00rpm,処理温度は第1〜第3ニーディング部で3
00℃,第4ニーディング部で210℃,第5ニーディ
ング部で200℃,へッド部で190℃とした。また,
処理能力5kg/hとした。
【0052】そして,上記脱硫・再生の際に第3ニーデ
ィング部と第4ニーディング部の間の送り部へサイドフ
ィーダを用いてEPDMの新しいゴム材料(カーボンブ
ラック含有)を添加(添加量5kg/h)した。さら
に,第5ニーディング部の手前に,プロセスオイルでス
ラリー化した薬剤を液添ポンプで加えた。この薬剤は加
硫剤とその他の添加物となり,再生ゴム中のゴム成分に
対して硫黄が1.5重量部,酸化亜鉛が2.5重量部,
ステアリン酸が0.8重量部,バルノックPM(大内新
興化学社製)が0.85重量部,ノクセラーM(大内新
興化学社製)が20重量部となるよう配合されている。
【0053】そして,上記二軸押出機より加硫ゴムは未
架橋の再生ゴム(但し,加硫剤を含んでいる)となっ
て,厚さ2mmの板状に押出された。上記二軸押出機は
トンネル型加硫炉に接続されており,押出された未架橋
の再生ゴムはここにおいて再加硫処理と同時に脱硫処理
が行われた。また,加硫炉の雰囲気温度は180℃,加
硫時間は15分であった。以上により端材の加硫ゴムは
厚さ2mmの板状再生ゴム成形体となった。
【0054】また,第5ニーディング部での再生EPD
Mゴム中のゾル成分の比率は40%であり,ゲル成分中
のゴムの網目鎖濃度は再生前の1/8であった。また,
加硫剤を添加して押出した直後の未架橋の再生ゴム中の
ゾル成分量は30%であり,ゲル成分中のゴムの網目鎖
濃度は再生前の1/4であった。なお,これらの値の測
定は実施形態例1と同様に行った。これが試料3の再生
ゴム成形体である。
【0055】次に,試料4〜6について説明する。ま
た,試料3にかかる製造方法と同様の条件で加硫剤を含
有した薬剤を加えずに加硫ゴムを再生した。得られた再
生ゴム中のゴム成分100重量部に対し,EPDM新ゴ
ム(カーボンブラック含有)100重量部,硫黄1.5
重量部,酸化亜鉛2.5重量部,ステアリン酸0.8重
量部,バルノックPM(大内新興化学社製)0.85重
量部,ノクセラーM(大内新興化学社製)1.20重量
部を加えてロール混合後,160℃で30分間プレス加
硫し,厚さ2mm,30cm角の再生ゴム成形体を得
た。これが試料4である。
【0056】また,試料3にかかる製造方法において,
薬剤を添加する位置を第4ニーディング部の手前として
再生処理を行った。これが試料5である。更に,試料2
の製造方法において,薬剤を添加する位置を第5ニーデ
ィング部直後とした。これが試料6である。
【0057】次に,試料7及び試料8について説明す
る。また,試料3,試料4において使用した薬剤を酸化
亜鉛2.5重量部,ステアリン酸0.8重量部,バルノ
ックPM(大内新興化学社製)1.05重量部,パーヘ
キサ25H(日本油脂社製)2.25重量部に変更して
同様の製造方法でそれぞれ再生ゴム成形体を得た。これ
らがそれぞれ試料7,試料8である。
【0058】以上の試料1〜8にかかる製造方法にて得
られた再生ゴム成形体よりJIS−K6301に従って
試験片を切り出し,材料特性を評価した。この結果を表
1に記載した。同表によれば,試料1〜4,試料7,8
はいずれも略同程度の強度と伸びを有し,再生ゴム成形
体のゴムとしての性能に殆ど差はなかった。しかしなが
ら,本発明にかかる製造方法により製造された試料1,
3,7の生産性は他の試料2,4,8と比べて非常に高
いことが分かった。なお,この生産性の数値は,加硫ゴ
ムを再生ゴムとなし,更に再生されたゴム成形体を得る
までの処理時間から算出することができる数値である。
【0059】また,試料5は二軸押出機の中で加硫が進
行しすぎて,内部で硬化が発生し,押出が不可能となっ
た。これは加硫剤の添加が早すぎたためである。また,
試料6は加硫剤の混練が不均一となり,安定した品質の
再生ゴム成形体を得ることができなかった。これは加硫
剤の添加が遅すぎたためである。
【0060】
【表1】
【0061】
【発明の効果】上述のごとく,本発明によれば,加硫ゴ
ムの再生,加硫剤との混練,成形,再加硫による再生ゴ
ム成形体の製造を連続処理で行うことができ,再生ゴム
成形体の安定した品質を確保することができる,再生ゴ
ム成形体の製造方法を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松下 光正 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 毛利 誠 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 岡本 浩孝 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 佐藤 紀夫 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 鈴木 康之 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 大脇 雅夫 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 中島 克己 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑1 番地 豊田合成株式会社内 (72)発明者 本多 秀亘 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑1 番地 豊田合成株式会社内 (72)発明者 竹内 勝政 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑1 番地 豊田合成株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加硫ゴムに熱と剪断力とを加えて再生ゴ
    ムとなす再生工程と,該再生工程中に加硫剤を上記再生
    ゴムに添加し,両者を混練してブレンド材となす混練工
    程を行い,更にこれらの工程と上記ブレンド材を所定形
    状に成形する成形工程とを連続的に行い,更に上記成形
    工程中に上記ブレンド材を加硫する再加硫工程を行って
    再生ゴム成形体となすことを特徴とする再生ゴム成形体
    の製造方法。
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