JP3319715B2 - 難再生ゴムの再生方法 - Google Patents

難再生ゴムの再生方法

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  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Processing And Handling Of Plastics And Other Materials For Molding In General (AREA)
  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は,パーオキサイド架橋ゴム等の難
再生ゴムの再生方法に関する。
【0002】
【従来技術】従来,廃タイヤ等の加硫ゴムよりなるゴム
成形品の廃棄物,ゴム成形品の製造工程において生じる
端材,不良品等の加硫ゴムの再利用方法としては,以下
に示す方法が知られている。
【0003】(再利用方法1)加硫ゴムを粒径が数百μ
mとなるよう微粉砕し,得られたゴム粉を未加硫ゴムに
ブレンドして利用する再利用方法がある。
【0004】(再利用方法2)また,廃タイヤ等の架橋
ゴムを粉砕し,得られた粗粉砕物に再生剤を添加し,オ
ートクレーブ中で200℃,14.5kg/cm2 ,5
時間程度という条件の加圧熱処理を施す。その後,得ら
れた処理物を仕上げロールを用いて精練し,可塑性に富
む再生ゴムとなす再利用方法がある。なお,この方法は
PAN法と呼ばれている。
【0005】(再利用方法3)また,加硫ゴムに熱と剪
断力とを加え,該加硫ゴムにおける架橋点を切断して再
生ゴムとなす再生方法が考えられる。
【0006】
【解決しようとする課題】しかしながら,上記従来の各
種方法には以下に示すごとき問題がある。(再利用方法
1)での加硫されているゴム粉は未加硫ゴムとのなじみ
が悪く,性能の低い再利用品しか得られない。(再利用
方法2)のPAN法ではパーオキサイド架橋ゴムを再生
できないという問題がある。仮に,パーオキサイド架橋
ゴムを他の加硫ゴムと共に混合し,オートクレーブ中で
再生し,その後にロール混練等を施したとしても,パー
オキサイド架橋ゴムの架橋点を切断することは困難であ
った。
【0007】このため,(再利用方法2)で得られた再
生ゴムは粒径が数百μm以上あるような塊状粒子とな
り,これより作製した再生ゴム成形品の表面品質や物性
は通常のゴム成形品と比較して大きく劣るおそれがあっ
た。また,(再利用方法3)においても,パーオキサイ
ド架橋ゴム等を再生することは困難であった。
【0008】本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてな
されたもので,パーオキサイド架橋ゴム等の各種難再生
ゴムを再生することができ,かつ得られた再生ゴムより
ゴム物性に優れた再生ゴム成形品を得ることができる,
難再生ゴムの再生方法を提供するものである。
【0009】請求項1の発明は,炭素主鎖間に炭素−炭
素結合を有するゴム及び硫黄加硫したブタジエン系ゴム
のいずれかよりなる難再生ゴムと,炭素主鎖間にS架橋
結合を有する天然ゴム,イソプレンゴム,ブチルゴム,
エチレン−プロピレンゴム,EPDM,アクリルゴムの
いずれかよりなる易再生ゴムとを共存した状態となし,
かつ難再生ゴムと易再生ゴムとの合計量に対する難再生
ゴムの割合は90重量%以下となし,これに熱と剪断力
とを加えて,難再生ゴムと易再生ゴムとよりなる再生ゴ
ムを得ることを特徴とする難再生ゴムの再生方法にあ
る。
【0010】まず,上記易再生ゴムについて説明する。
上記易再生ゴムとは,炭素主鎖からなる長い鎖状有機化
合物の集合体である生ゴムに,硫黄又は硫黄化合物等を
混合し架橋結合を形成させて,エラストマーまたはゴム
の性状を示すようにしたものである。
【0011】また,上記易再生ゴムは,上記生ゴムに硫
黄または硫黄化合物を混合し,炭素主鎖間に−S−結
合,−S−S−結合,−S−S−S−結合等の多種のS
架橋結合を形成させて,脱硫時に架橋部が選択的に切断
されやすい状態になっているエラストマーまたはゴム
ある。また,上記易再生ゴムとして,熱崩壊型のゴムな
どを利用することが好ましい。
【0012】上記易再生ゴムの具体例としては,天然ゴ
ム,イソプレンゴム,ブチルゴム,エチレン−プロピレ
ンゴム,EPDM,アクリルゴムが挙げられる。
【0013】また,上記難再生ゴムについて説明する。
上記難再生ゴムは,炭素主鎖からなる長い鎖状有機化合
物の集合体である生ゴムに,過酸化物等を混合し架橋結
合を形成させて,エラストマーまたはゴムの性状を示す
ようにしたものであり,炭素主鎖間に−炭素−炭素−結
合等を形成させたゴムである。
【0014】従来技術において,上記ゴムの架橋点を選
択的に切断することは困難であった。特に,側鎖に二重
結合を有するEPDMなどでは主鎖骨格と同一の架橋構
造が形成されているため,架橋点を選択的に切断するこ
とは大変困難であった。
【0015】上記難再生ゴムの具体例としては,ブタジ
エンゴム,エチレン−プロピレンゴム,スチレン−ブタ
ジエンゴム,EPDM,アクリルゴム,アクリロニトリ
ル−ブタジエンゴム等が挙げられる。また,硫黄加硫の
ブタジエン系ゴムであっても,再生剤を添加しない場合
は,難再生ゴムに含まれる。
【0016】次に,本発明の作用につき説明する。本発
明にかかる再生方法においては,難再生ゴムと易再生ゴ
ムとを共存した状態となし,これに熱と剪断力とを加え
て,難再生ゴムと易再生ゴムとよりなる再生ゴムを得
る。
【0017】易再生ゴムは,通常の脱硫処理等により容
易に再生することができるゴムである。このゴムと難再
生ゴムとを共存させた状態となし,この状態で熱及び剪
断力を加えることにより,易再生ゴムの架橋点が切断さ
れる。それと共に,難再生ゴムがブタジエン系ゴムの場
合では,易再生ゴムによるブタジエン系ゴムの分子間で
の環化が抑制され,また剪断力により易再生ゴム中に微
粒子化して分散する(微粒子化により高性能化する)。
【0018】また,難再生ゴムがパーオキサイド架橋ゴ
ムの場合には,再生ゴムは剪断力により易再生ゴム中に
微粒子化して分散する(微粒子化により高性能化す
る)。よって,優れたゴム特性を有する再生ゴムを得る
ことができる。
【0019】なお,『優れたゴム特性を有する再生ゴ
ム』とは,再生ゴムより得られた再生ゴム成形品の性能
が通常のゴム成形品と少なくとも同程度であることを示
している。この場合の性能とは,例えば引張強度,引張
伸び,破断伸び等の弾力性にまつわる性能である。
【0020】更に,本発明の再生方法では,再生途中に
ラジカルが発生するが,該ラジカルにより難再生ゴムと
易再生ゴムとが複合化し,両者の相乗効果による高品位
な再生ゴムを得ることができる。
【0021】以上,本発明によれば,パーオキサイド架
橋ゴム等の各種難再生ゴムを再生することができ,かつ
得られた再生ゴムよりゴム物性に優れた再生ゴム成形品
を得ることができる難再生ゴムの再生方法を提供するこ
とができる。
【0022】次に,難再生ゴムと易再生ゴムとを共存さ
せるに当たり,難再生ゴム易再生ゴムとの合計量に対
する難再生ゴムの割合は90重量%以下とすることが好
ましい。また,70重量%以下とすることがより好まし
い。これにより,易再生ゴムの再生と難再生ゴムの粉砕
・微細化を確実に行うことができ,易再生ゴム中に難再
生ゴムが100μm以下の微細粒子となって分散した再
生ゴムを得ることができる。この再生ゴムからはゴム物
性に優れた再生ゴム成形品を得ることができる。
【0023】上記割合が90重量%より多い場合には,
難再生ゴムは剪断力により粉体化するが,難再生ゴムを
100μm以下に微粒子化するのが困難となるおそれが
ある。
【0024】なお,易再生ゴム中に難再生ゴムが100
μm以下の微細粒子となって分散した状態にある再生ゴ
ムは,微細化による表面積が増大することにより易再生
ゴムと難再生ゴムとの界面における接着性が大幅に向上
する。また,100μm以下まで微細化することにより
表面品質も良くなる。
【0025】また,難再生ゴムと易再生ゴムとを共存し
た状態とするには,難再生ゴムに易再生ゴムを添加する
他,予め両者が混合した状態にあるものを使用すること
もできる。例えば,難再生ゴムを粉砕して得られた粉末
に対し,易再生ゴムを粉砕して得られた粉末を添加する
ことにより,両者が共存した状態とすることができる。
また,両者の粉砕物を混合し,1mm以下で分散させて
共存状態とすることもできる。
【0026】また,例えば難再生ゴム及び易再生ゴムと
を張り合わせた塊状ゴムを再生に使用することもでき
る。更に,易再生ゴムの再生過程で難再生ゴムを加えて
両者を共存させてもよいし,難再生ゴムを粉砕しつつ,
ここに易再生ゴムを加えることもできる。
【0027】なお,本発明にかかる再生方法において使
用する難再生ゴムと易再生ゴムとの組み合わせは,基本
的にはいかなる組み合わせであっても構わない。より好
ましくは,ゴムの分子構造,極性等が近いものを選択す
る。特に,同一のゴム種で架橋系が異なるものを選択す
ることが最も好ましい。これにより,より容易に再生を
進行させることができると共に,優れた再生ゴムを得る
ことができる。また,易再生ゴム及び難再生ゴムのそれ
ぞれを複数種類用いることもできる。
【0028】具体的にはパーオキサイド架橋EPDM及
び硫黄加硫EPDM,硫黄加硫スチレン−ブタジエンゴ
ム及び硫黄加硫天然ゴム(再生剤のない時)パーオキサ
イド架橋スチレン−ブタジエンゴム及び硫黄加硫天然ゴ
ム,パーオキサイド架橋スチレン−ブタジエンゴム,パ
ーオキサイド架橋ブタジエンゴム及び硫黄加硫天然ゴム
等という組み合わせを挙げることができる。なお,これ
らの組み合わせの羅列において,前者が難再生ゴム,後
者が易再生ゴムである。
【0029】また,本発明にかかる再生方法の加熱は,
易再生ゴムにおける架橋点が切断され,かつゴム分子の
主鎖の切断が生じない程度の温度で行うことが好まし
い。また,加える剪断力が大きければ大きいほど架橋点
の切断が生じ易くなるため,剪断力が大きければ大きい
ほど,温度を低くすることができる。
【0030】具体的には,加熱は180℃〜350℃で
行うことが好ましい。180℃未満で行う場合には,架
橋点の切断が充分に進行しないおそれがある。また,3
50℃より高い場合には,主鎖の切断まで進行し,再生
ゴムの物性が低下するおそれがある。
【0031】また,上記温度範囲の最適な範囲は易再生
ゴムの種類によって異なる。例えば,硫黄加硫天然ゴム
等が易再生ゴムである場合には,180〜250℃が好
ましい温度範囲となる。また,硫黄加硫EPDMが易再
生ゴムである場合には,280℃〜330℃が好ましい
温度範囲となる。
【0032】本発明において加えられる剪断力は10〜
150kg/cm2 であることが望ましい。10kg/
cm2 未満で行う場合には,難再生ゴムと易再生ゴムと
の分散が不充分となるおそれがあり,再生ゴムの物性が
低下するおそれがある。150kg/cm2 より大であ
る場合には,剪断力により架橋点の切断だけでなく,主
鎖の切断も進行し,再生ゴムの物性が低下するおそれが
ある。
【0033】剪断力の最適な範囲も易再生ゴムの種類に
より異なるが,例えば天然ゴムでは10〜50kg/c
2 とすることが最も好ましい。また,易再生ゴムとし
て硫黄架橋EPDMを利用する場合には10〜30kg
/cm2 とすることが好ましい。
【0034】また,剪断力を加える装置としては二軸押
出機等を利用することができる。また,剪断力は,剪断
を加えるに当たり使用した装置における剪断速度とその
時のゴムの粘度との積より算出することができる。
【0035】また,本発明にかかる再生方法において,
脱硫剤を加えることもできる。これにより,脱硫反応及
び易再生ゴムと難再生ゴムとの結合を容易に進行させる
ことができる。利用可能な脱硫剤としては,ジフェニル
ジスルフィド,フェニルヒドラジン−塩化鉄,過酸化物
等を挙げることができる。
【0036】また,本発明にかかる再生方法において,
フィラー,酸化防止剤,紫外線吸収剤等の添加剤を添加
することができる。また,必要に応じて再生油等を添加
してもよい。更に,本発明にかかる再生方法に先立っ
て,難再生ゴムに対し再生油,プロセスオイルを用いた
膨潤処理を施しておくことが好ましい。
【0037】また,本発明にかかる再生方法は,熱と剪
断力とをほぼ同時に加えることが好ましい。この場合,
熱と剪断力とを同時に加えても良いし,加熱終了後,ゴ
ムの温度が適正範囲内にある間に剪断力を加えても良
い。また,熱と剪断を交互に加えても良い。
【0038】また,本発明にかかる再生方法は不要とな
った加硫ゴムの再生に利用する他,再生ゴムに対し再び
再生処理を施す場合においても利用することができる。
また,未加硫ゴムを加硫した後に再生処理を施す場合に
おいても利用することができる。
【0039】本発明にかかる再生方法より再生ゴムが得
られるが,この再生ゴムを,成形,再加硫することによ
りゴム成形品を得ることができる。この場合,再生ゴム
だけを用いて成形品とすることもできるが,新材未加硫
ゴムに混入して成形品を作製することもできる。また,
上記ゴム成形は一般的に用いられる添加剤,フィラー等
を添加して行うこともできる。
【0040】また,本発明にかかる再生方法により得ら
れた再生ゴムは,易再生ゴム中に難再生ゴムが微細粒子
となって分散した状態にあり,該微細粒子の最大粒径が
100μm以下であり,平均粒径が10μm以下とする
ことが好ましい。最大粒径が100μmを越えた微細粒
子が多く存在する場合,平均粒径が10μmを越えてい
る場合には,再生ゴムより得られた再生ゴム成形品の表
面品質や物性が低下するおそれがある。
【0041】
【発明の実施の形態】実施形態例 本発明の実施形態例にかかる再生方法及びこれにより得
られた再生ゴムの特性について表1及び表2を用いて説
明する。
【0042】本例にかかる再生方法の概略について説明
する。難再生ゴムであるパーオキサイド架橋のEPDM
(エチレンプロピレンジエンターポリマー)と易再生ゴ
ムである硫黄加硫のEPDMとを共存した状態となし,
これに対し熱と剪断力とを同時に加える。以上により,
難再生ゴムと易再生ゴムとよりなる再生ゴムを得た。即
ち,硫黄架橋のEPDMゴム端材(易再生ゴム)とパー
オキサイド架橋のEPDMゴム端材(難再生ゴム)とを
10mm角程度に粉砕し,両者を混合した。なお,両E
PDMはいずれもカーボンブラックを含有したゴムであ
る。また,易再生ゴムと難再生ゴムとの重量比は80/
20とした。即ち,易再生ゴムと難再生ゴムとの合計量
(100重量%)に対する難再生ゴムの割合は,20重
量%である。
【0043】次に,上記混合物をドライブレンドにより
二軸押出機に投入し,熱と剪断力とを同時に与えた。こ
の時のスクリュ回転数は400rpmで,処理能力は5
kg/hであった。以上により易再生ゴムの再生と同時
に難再生ゴムの微細分散化が発生し,表面が滑らかで,
ストランド状の再生ゴムを得た。
【0044】次に,上記再生方法により得られた再生ゴ
ムの物性について調べるため,以下の試験を行った。ム
ーニー粘度は75であった。これが試料1であり,表1
に記載した。また,試料1を電子顕微鏡で観察したとこ
ろ,易再生ゴム中に難再生ゴムが10μm程度の粒子と
なって微細分散していることが分かった。
【0045】試料1と比較するため,表1に示すごと
く,硫黄加硫EPDM単独,パーオキサイド架橋EPD
M単独,易再生ゴムと難再生ゴムとの重量比を5/95
としたもの,この三者をそれぞれ用いて試料1にかかる
再生処理と同様の処理を行い,比較試料C1〜C3を得
た。結果を表1に記載した。
【0046】比較試料C1はストランド状である。しか
しながら,比較試料C2においてはボソボソの粉体しか
得ることができなかった。比較試料C1はいわゆる易再
生ゴムの再生処理に相当し,比較試料C2より難再生ゴ
ムは単なる熱と剪断力との付与では再生きないことが分
かった。更に,比較試料C3より,易再生ゴムの分量が
少ない場合にも再生ゴムを得ることができないことが分
かった。
【0047】次に,表1にかかる試料1,比較試料C1
とよりゴム成形品を作製し,それぞれの性能について比
較した。試料1,比較試料C1中の再生ゴム100重量
部に対し,硫黄0.8重量部,酸化亜鉛1.7重量部,
ステアリン酸0.3重量部,ノクセラーTT[大内新興
化学(株)製]0.67重量部,ノクセラーM[大内新
興化学(株)製]0.17重量部を加えてロール混合を
行った。その後,温度100℃で20分間プレス加硫
し,厚さ2mmの30cm角の再生ゴム成形品を得た。
試料1にかかる成形品を成形品1,比較試料C1にかか
る成形品を成形品C1とした。
【0048】上記成形品1及びC1よりJlSK‐63
01に従って試験片を切り出した。この試験片に対し物
性試験を実施し,その結果を表2に記載した。なお,上
記物性試験としては引張強度の測定,引張伸びの測定,
硬度の測定,また肉眼による成形品の表面観察を行っ
た。また,硬度の測定はJIS−Aに準じて行った。同
表に示すごとく,両者は略同等の性能を有しており,本
例にかかる再生方法により得られた再生ゴムの性能が優
れていることが分かった。
【0049】また,比較試料C1にかかる易再生ゴム8
0重量部に対し,パーオキサイド架橋EPDMの粉末
(凍結粉砕品;最大粒径100μm)を20重量部添加
して,比較試料C4を作製した。なお,比較試料C4の
ムーニー粘度は75であった。
【0050】更に,比較試料C4を上述した成形方法に
てゴム成形品とした。得られた成形品C4は硬度こそ成
形品1,C1と略同等であるが,引張強度,引張伸び,
表面品質のいずれも成形品1,C1より劣っていること
が分かった。これにより,本発明により得られる再生ゴ
ムの性能が,ゴム粉を加えただけの従来技術よりも優れ
ていることがわかる。
【0051】次に,本例の作用効果につき説明する。本
例にかかる再生方法においては,難再生ゴムと易再生ゴ
ムとを共存した状態となし,これに熱と剪断力とを同時
に加えて,難再生ゴムと易再生ゴムとよりなる再生ゴム
を得る。易再生ゴムは,通常の脱硫処理等により容易に
再生することができるゴムである(比較試料C1参
照)。このような易再生ゴムと難再生ゴムとを共存させ
た状態となし,この状態で熱及び剪断力を加えることに
より,易再生ゴムの架橋点が切断される。それと共に,
パーオキサイド架橋ゴムである難再生ゴムは,剪断力に
より易再生ゴム中に微粒子して分散し,微粒子化により
高性能化する。よって,優れたゴム特性を有する再生ゴ
ムを得ることができる。
【0052】更に,本例の再生方法では,再生途中にラ
ジカルが発生するが,該ラジカルにより難再生ゴムと易
再生ゴムとが複合化し,両者の相乗効果による高品位な
再生ゴムを得ることができる。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
【0055】
【発明の効果】上述のごとく,本発明によれば,パーオ
キサイド架橋ゴム等の各種難再生ゴムを再生することが
でき,かつ得られた再生ゴムよりゴム物性に優れた再生
ゴム成形品を得ることができる,難再生ゴムの再生方法
を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松下 光正 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41 番地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 毛利 誠 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41 番地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 岡本 浩孝 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41 番地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 佐藤 紀夫 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41 番地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 鈴木 康之 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 大脇 雅夫 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 中島 克己 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑 1番地 豊田合成株式会社内 (72)発明者 本多 秀亘 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑 1番地 豊田合成株式会社内 (72)発明者 竹内 勝政 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑 1番地 豊田合成株式会社内 (56)参考文献 特開 平10−202658(JP,A) 特開 平9−194639(JP,A) 特開 昭51−82374(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29B 17/00 - 17/02 C08J 11/00 - 11/28 C08L 17/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素主鎖間に炭素−炭素結合を有するゴ
    ム及び硫黄加硫したブタジエン系ゴムのいずれかよりな
    る難再生ゴムと,炭素主鎖間にS架橋結合を有する天然
    ゴム,イソプレンゴム,ブチルゴム,エチレン−プロピ
    レンゴム,EPDM,アクリルゴムのいずれかよりなる
    易再生ゴムとを共存した状態となし, かつ難再生ゴム易再生ゴムとの合計量に対する難再生
    ゴムの割合は90重量%以下となし, これに熱と剪断力とを加えて,難再生ゴムと易再生ゴム
    とよりなる再生ゴムを得ることを特徴とする難再生ゴム
    の再生方法。
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