JPH11236324A - 口腔用組成物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ソフトな使用感でかつ歯垢を効果的に除
去することができる口腔用組成物を提供する。 【解決手段】 セルロース粉末が９９〜１０重量部と水
溶性物質（例えば、乳糖、キシリトール等）が１〜９０
重量部からなり平均粒径が５０μｍ〜２０００μｍであ
る球形顆粒を０．２〜２０重量％配合してなることを特
徴とする口腔用組成物。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、セルロース粉末と
水溶性物質からなる球形顆粒を配合することにより、ソ
フトな使用感を付与し、かつ歯垢を効果的に除去できる
口腔用組成物に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来から、口腔内の２大疾患である齲触
および歯周疾患の原因は、主に歯垢であることが知られ
ている。また、歯垢は歯と歯の間に蓄積しやすく、これ
が原因となり、齲触のほとんどがこのような隙間から発
生し、歯周病も歯と歯肉の隙間である歯周ポケットより
発生することも知られている。この歯垢の除去あるいは
歯垢の形成抑制を目的として殺菌剤や歯垢分解酵素等を
配合した歯磨き剤、各種歯ブラシやデンタルフロスなど
が開発され上市されている。

【０００３】しかしながら、歯磨き剤と歯ブラシの併用
によるブラッシングだけでは、歯と歯の隙間や、裂溝部
などの歯ブラシの毛先の届かない部分の歯垢除去は困難
である。また、デンタルフロスは、歯と歯の間の歯垢除
去には効果はあるが、裂溝部や歯と歯肉の間の歯垢はほ
とんど除去できないという欠点があった。

【０００４】一方、口腔用組成物に顆粒剤を配合するこ
とは従来一般に行われており、様々な顆粒を含有する口
腔用組成物が提案されている。例えば、研磨効果による
歯垢除去を目的とした口腔用組成物の提案として、特開
昭５５−９８１１１号公報、特開平１−２９９２１１号
公報、特開平４−２４３８１６号公報等があるが、いず
れの方法に於いても口腔内での歯垢除去の程度は、充分
満足できるものではなかった。

【０００５】また、特開平９−４０５３７号公報では、
セルロース粉末を造粒した粒状化セルロースを配合した
口腔用組成物の提案があるが、これを用いた場合、粒状
化セルロースが硬く、歯肉に当たったり義歯との隙間に
挟まった時に痛く、ソフトな使用感に欠ける問題点があ
り、使用感の改良が望まれていた。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、ソフトな使
用感を付与し、かつ齲触・歯周病等の原因となる歯垢を
効果的に除去できる口腔用組成物を提供することを目的
とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成するために鋭意検討を重ねた結果、口腔用組成物
に、セルロース粉末と水溶性物質からなる球形顆粒を配
合することにより、ソフトな使用感を付与しかつ歯垢を
効果的に除去出来ることを見出し、本発明をなすに至っ
た。

【０００８】即ち、本発明は、セルロース粉末が９９〜
１０重量部と水溶性物質が１〜９０重量部からなり平均
粒径が５０μｍ〜２０００μｍである球形顆粒を０．２
〜２０重量％の割合で配合してなることを特徴とする口
腔用組成物に関する。

【０００９】本発明の口腔用組成物は、練り歯磨、液状
歯磨、液体歯磨、歯肉マッサージクリーム、ペースト状
の局所塗布剤等として、好適に用いられ、粒状化セルロ
ースを用いた場合のような使用中に痛みを感じたりする
ことが無く、齲触・歯周病等の原因となる歯垢を効果的
に除去することができる。

【００１０】本発明で用いられるセルロース粉末として
は、例えば、パルプを機械的に処理したもの、パルプを
酸加水分解又はアルカリ酸化分解したもの、パルプを酸
加水分解又はアルカリ分解の前又は後で機械的処理した
もの、不溶性粉末セルロース、及び粉末αセルロース、
その他の不溶性セルロース粉末等が挙げられ、これらの
１種又は２種以上が好適に用いられる。

【００１１】本発明で用いられる水溶性物質としては、
例えば、白糖、乳糖、ブドウ糖、トレハロースなどの糖
類や各種オリゴ糖、デキストリン、アルファー化デンプ
ンなどのデンプン加工品、キシリトール、ソルビトー
ル、マンニトールなどの糖アルコール、ポリビニルピロ
リドン、ポリエチレングリコールなどの合成高分子、塩
化ナトリウム、塩化カリウムなどの水溶性金属塩、アラ
ビアガム、カラギーナン、キサンタンガム、プルランな
どの多糖類、ヒドロオキシエチルセルロース、カルボキ
シメチルセルロース、ヒドロオキシプロピルセルロース
などのセルロース誘導体など口腔用組成物として使用で
きる水溶性物質の１種又は２種以上を組み合わせて用い
ることができる。

【００１２】球形顆粒におけるセルロース粉末と水溶性
物質の割合は、セルロース粉末９９〜１０重量部に対し
水溶性物質１〜９０重量部、好ましくはセルロース粉末
９０〜１５重量部に対し水溶性物質１０〜８５重量部、
より好ましくはセルロース粉末８５〜２０重量部に対し
水溶性物質１５〜８０重量部である。水溶性物質が、１
重量部未満では球形顆粒が硬く、使用時に歯肉に当たっ
たり義歯との隙間に挟まった時に痛みを感じることがあ
り使用感に問題がある。９０重量部を越えると口腔用組
成物中で球形顆粒がもろくなり、歯垢除去効果が劣る。

【００１３】球形顆粒の平均粒径は、乾燥状態で５０μ
ｍ〜２０００μｍ、好ましくは７０μｍ〜１７００μ
ｍ、より好ましくは１００μｍ〜１５００μｍである。
球形顆粒の平均粒径が５０μｍより小さいと歯垢除去効
果が劣り、また２０００μｍより大きいと該口腔用組成
物を使用した際に違和感が生じる。

【００１４】球形顆粒の配合割合は、本発明の口腔用組
成物の全量に対し０．２〜２０重量％、好ましくは０．
５〜１５重量％、より好ましくは、０．８〜１０重量％
である。配合割合が０．２重量％未満では、本発明の効
果が十分に発揮できず、２０重量％を越えると使用感に
悪影響を与える場合がある。

【００１５】球形顆粒は上記原料と適量の水を用い、攪
拌造粒機、転動造粒機、流動層造粒機なと汎用の造粒機
を用いる一般的な造粒法で製造した造粒物を乾燥して得
ることができる。造粒機は１種又は２種以上を組み合わ
せて使用することができる。

【００１６】本発明の口腔用組成物は、常法に従って製
造され、本発明におけるセルロース粉末と水溶性物質か
らなる球形顆粒と通常の口腔用組成物に使用される粘結
剤、粘稠剤、界面活性剤、甘味料、香料、薬効成分、水
等の成分を必要に応じて配合することができる。

【００１７】本発明の口腔用組成物において、球形顆粒
に各種の薬効成分、香料等を配合あるいは、色素で染色
することができる。

【００１８】

【発明の実施の形態】次に実施例によって本発明を更に
詳細に説明する。なお、以下の方法で球形顆粒の平均粒
径を測定した。

【００１９】・球形顆粒の平均粒径（μｍ） ロータップ式篩振盪機（平工製作所製、シーブシェーカ
ーＡ型）により、ＪＩＳ標準篩（Ｚ８８０１−１９８
７）を用いて試料５０ｇを５分間篩分し、累積５０重量
％の粒度を球形顆粒の平均粒径とした。

【００２０】

【実施例１】結晶セルロース９５重量部と乳糖５重量部
の割合からなる平均粒径１００μｍの球形顆粒を１８重
量％、無水ケイ酸２０重量％、グリセリン１０重量％、
ソルビット液２０重量％、イオタカラギーナン２重量
％、ラウリル硫酸ナトリウム１．２重量％、サッカリン
ナトリウム０．１重量％、メチルパラベン０．１重量
％、香料１重量％、水２７．６重量％の組成の歯磨き剤
を調整し、使用感及び歯垢除去効果を判定した。表１に
判定結果を示す。

【００２１】

【実施例２】結晶セルロース６０重量部と精製塩４０重
量部の割合からなる平均粒径１０００μｍの球形顆粒を
５重量％、無水ケイ酸２０重量％、リン酸水素カルシウ
ム１０重量％、グリセリン１５重量％、ソルビット液２
５重量％、イオタカラギーナン２重量％、ラウリル硫酸
ナトリウム１．２重量％、サッカリンナトリウム０．１
重量％、メチルパラベン０．１重量％、水２０．６重量
％の組成の歯磨き剤を調整し、使用感及び歯垢除去効果
を判定した。表１に判定結果を示す。

【００２２】

【実施例３】結晶セルロース２５重量部とアラビアガム
７５重量部の割合からなる平均粒径１８００μｍの球形
顆粒を０．５重量％、無水ケイ酸２０重量％、リン酸水
素カルシウム１０重量％、グリセリン１５重量％、ソル
ビット液３０重量％、イオタカラギーナン２重量％、ラ
ウリル硫酸ナトリウム１．２重量％、サッカリンナトリ
ウム０．１重量％、メチルパラベン０．１重量％、、水
２０．１重量の組成の歯磨き剤を調整し、使用感及び歯
垢除去効果を判定した。表１に判定結果を示す。

【００２３】

【実施例４】結晶セルロース９０重量部とキシリトール
１０重量部の割合からなる平均粒径１０００μｍの球形
顆粒を１８重量％、無水ケイ酸２０重量％、グリセリン
１０重量％、ソルビット液２０重量％、イオタカラギー
ナン２重量％、ラウリル硫酸ナトリウム１．２重量％、
サッカリンナトリウム０．１重量％、メチルパラベン
０．１重量％、香料１重量％、水２７．６重量％の組成
の歯磨き剤を調整し、使用感及び歯垢除去効果を判定し
た。表１に判定結果を示す。

【００２４】

【比較例１】結晶セルロースのみからなる平均粒子径６
００μｍの球形顆粒に替えた以外は実施例２と同様にし
て歯磨き剤を調整し、使用感及び歯垢除去効果を判定し
た。表１に判定結果を示す。

【００２５】

【比較例２】球形顆粒を０．１重量％、水を２５．５重
量％に替えた以外は、実施例２と同様にして歯磨き剤を
調整し、使用感及び歯垢除去効果を判定した。表１に判
定結果を示す。

【００２６】

【比較例３】球形顆粒を２５重量％、水を２０．６重量
％に替えた以外は、実施例１と同様にして歯磨き剤を調
整し、使用感及び歯垢除去効果を判定した。表１に判定
結果を示す。

【００２７】

【比較例４】球形顆粒の平均粒径を２５００μｍに替え
た以外は、実施例２と同様にして歯磨き剤を調整し、使
用感及び歯垢除去効果を判定した。表１に判定結果を示
す。

【００２８】

【比較例５】球形顆粒の平均粒径を４０μｍに替えた以
外は、実施例１と同様にして歯磨き剤を調整し、使用感
及び歯垢除去効果を評価した。表１に評価結果を示す。

【００２９】

【比較例６】結晶セルロース５重量部と白糖９５重量部
の割合からなる平均粒径１０００μｍの球形顆粒に替え
た以外は、実施例２と同様にして歯磨き剤を調整し、使
用感及び歯垢除去効果を判定した。表１に判定結果を示
す。

【００３０】

【表１】

【００３１】なお、表１における判定方法は、次の通り
である。

【００３２】（１）使用感：パネラー２０名に各歯磨き
剤で歯を磨いてもらい、使用感が良好かつソフトである
と回答した人数によって下記の通り判定した。

【００３３】○：１５名以上、△：１０〜１４名、×：
９名以下 （２）歯垢除去効果：上下顎前歯部を対象とし、歯垢顕
示液で染色した、歯磨き前の歯垢面積と歯磨き後の歯垢
面積を画像解析装置にて測定し、下記式より歯垢除去率
を算出し、下記の通り判定した。

【００３４】歯垢除去率（％）＝〔１−（歯磨き後の面
積）／（歯磨き前の面積）×１００ ○：歯垢除去率７０％以上、△：歯垢除去率４０〜６９
％、 ×：歯垢除去率３９％以下

【００３５】

【発明の効果】本発明の口腔用組成物は、特定割合のセ
ルロース粉末と水溶性物質からなる球形顆粒を配合する
ことにより、ソフトな使用感を付与し、かつ歯垢を効果
的に除去することができる。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 セルロース粉末が９９〜１０重量部と水
   溶性物質が１〜９０重量部からなり平均粒径が５０μｍ
   〜２０００μｍである球形顆粒を０．２〜２０重量％配
   合してなることを特徴とする口腔用組成物。