JPH11235752A - 中空成形品のブロー成形方法及びブロー成形装置 - Google Patents

中空成形品のブロー成形方法及びブロー成形装置

Info

Publication number
JPH11235752A
JPH11235752A JP4013498A JP4013498A JPH11235752A JP H11235752 A JPH11235752 A JP H11235752A JP 4013498 A JP4013498 A JP 4013498A JP 4013498 A JP4013498 A JP 4013498A JP H11235752 A JPH11235752 A JP H11235752A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nitrogen gas
molded product
mold
mist
cooling
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4013498A
Other languages
English (en)
Inventor
Takayasu Yagi
隆康 八木
Hiromasa Nishikawa
弘昌 西川
Kenichi Nakamura
賢一 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tosoh Corp
Original Assignee
Tosoh Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tosoh Corp filed Critical Tosoh Corp
Priority to JP4013498A priority Critical patent/JPH11235752A/ja
Publication of JPH11235752A publication Critical patent/JPH11235752A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 パリソン射出時からの樹脂の劣化を抑え、冷
却をできるだけ均一かつ短時間に行うことができ、更に
ブロー成形中に中空成形品内面の洗浄を行うことができ
るブロー成形方法及びこれに使用するブロー成形装置を
提供する。 【解決手段】 パリソンを金型の中空キャビティ内でブ
ローして中空成形品を成形するにおいて、パリソンは窒
素ガスを用いてプリブローを行い、パリソンを金型に収
納し、該金型内を循環する冷媒により中空成形品の外面
を冷却すると共に、この中空成形品の内面に窒素ガス及
び超純水の混合による冷却用ミストを噴霧した後、窒素
ガスを循環させ、かつ該成形品内を前記圧力に保ちなが
ら必要に応じて成形品内のガスを排気して該成形品の内
面を冷却する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高密度ポリエチレ
ン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビ
ニル、ABS等の樹脂製の中空成形品をブロー成形する
方法及びこれに使用するブロー成形装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、ボトルや容器等を製造する方
法として知られているブロー成形は、パリソン成形工
程、金型閉工程、ブロー工程、冷却・固化・排気工程、
金型開工程、取出し工程の各工程からなる多段の複雑な
成形法であり、最適な成形を行うために経験則はもとよ
り各工程の理論的な解析やシミュレーション等による研
究が進められている。
【0003】ところで、このブロー成形品の製造におい
ては、一般に成形時間を短縮して成形サイクルを効率化
し、生産性を向上させることが工業的には重要な課題と
され、ブロー工程、冷却・固化工程、排気・取出し工程
のうちで、特に、冷却・固化工程を短縮して成形品を金
型から取り出す際の成形品の収縮変形を防止するために
は十分な冷却を行う必要があるので、金型内においてブ
ローした成形品を強制冷却する方法として、パリソンか
らの成形品内部に冷却媒体を供給して強制冷却すること
が従来から行われている。
【0004】このブロー成形品の強制冷却に関する先行
技術としては、成形中のパリソンに向けて冷却ガスを噴
出するためのガス導入管とその冷却ガスを排出するガス
排出管とを金型に取付けた特開平3−222714号公
報に記載の方法、パリソン内部に水を混合した高圧空気
流を金型下方から吹込んでパリソンを膨張させながら、
その内面を冷却する特公平6−365号公報に記載の方
法などが知られている。
【0005】また、半導体製造時に使用する高純度薬品
用の輸送及び貯蔵容器には、ブロー成形されたポリエチ
レン製容器が多く使用されるが、ブロー成形により得ら
れたポリエチレン製容器の内面には大気中のダストやポ
リエチレンの低分子量成分等が微粒子として存在し、内
容物である高純度薬品に対し悪影響を及ぼすため、通
常、この容器を成形した後、超純水等を用いて洗浄を数
回行い、微粒子を除去している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記各
公報に記載されたパリソンをブロー成形した成形品の強
制冷却技術には以下の問題がある。
【0007】すなわち、ガス導入管からガス排出管にわ
たって冷却ガスを流す特開平3−222714号公報記
載のブロー成形法においては、ガス導入管から冷却用ガ
スをパリソン内に吹き込む際に、パリソンのガス導入管
の先端に対向する部分が局所的に優先して冷却されやす
いため、パリソンの殻壁が全体としては不均一に冷却さ
れることになり、成形容器が不均質なものになってしま
うという問題がある。また、パリソン内に吹き込まれた
冷却用ガスは、パリソン内全体に循環することなく、圧
力的に抵抗の少ないガス排出管に向って直進して、この
ガス排出管から外部に排出されてしまい、冷却用ガスの
顕熱の有効利用が図れず、冷却時間を短縮するという効
果が十分に得られないという問題がある。
【0008】また、特公平6−365号公報記載のブロ
ー成形法は、成形品としてブロー比の小さいブローパレ
ットには適しているが、その成形品の内面に水滴が残留
することが免れず、最終製品の内面に水滴痕が残るとい
う問題を招くおそれがある。
【0009】以上のように、成形時間を短縮して成形サ
イクルを効率化する目的でブローしたパリソンに冷却媒
体を吹き込んで冷却する前記した従来の各方法は、成形
時間の短縮が不十分であったり、製品の内面に水滴痕が
残るという問題がある。
【0010】また、ブローダイヘッドから射出されたパ
リソンは溶融状態にて大気に触れ、冷却されるが、パリ
ソン内面は放熱が少ないため樹脂の劣化が促進されやす
く、成形後の容器の内面に劣化物が堆積して微粒子の原
因となる。
【0011】そして、微粒子の除去として、容器内を超
純水等にて洗浄する作業を数回行わないと製品の要求物
性が満足されないため、生産性の低下が起こる。
【0012】本発明は、以上のような従来技術の問題点
を解決するために鋭意検討してなされたものであって、
金型でブロー成形する樹脂製の中空成形品について、パ
リソン射出時からの樹脂の劣化を抑え、冷却をできるだ
け均一かつ短時間に行うことができ、更にブロー成形中
に中空成形品内面の洗浄を行うことができるブロー成形
方法及びこれに使用するブロー成形装置を提供すること
を目的としてなされたものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決する本願
請求項1のブロー成形方法の発明は、ダイヘッドからチ
ューブ状に押し出されて垂下したパリソンを金型の中空
キャビティ内でブローして樹脂製の中空成形品を成形
し、冷却して金型から取出すブロー成形において、押し
出されたパリソンは窒素ガスを用いてプリブローを行
い、パリソンを金型に収納し、該金型内を循環する冷媒
により中空成形品の外面を冷却すると共に、この中空成
形品の内面に窒素ガス及び超純水の混合による冷却用ミ
ストを噴霧した後、窒素ガスを循環させ、かつ該成形品
内を前記圧力に保ちながら必要に応じて成形品内のガス
を排気して該成形品の内面を冷却することを特徴とす
る。
【0014】前記した発明の方法において、ブロー成形
のために窒素ガスが吹込まれる時のパリソンの温度は、
成形しようとする樹脂が容易に変形する温度、例えば1
80℃程度であるため、この窒素ガスの吹込みによって
パリソンは金型の内面形状に合わせて容易に変形され
て、金型の内面に倣った形状を呈する。そして、本発明
においては、窒素ガスの吹込みによりパリソン内部が所
定圧に達し、該パリソンが所定形状に倣った形状に成形
された段階で、その内部圧力を保持し、金型の冷却によ
り成形品の外面を冷却すると共に、冷却用ミストを成形
品内に噴霧して内面の冷却を行うが、この際に、窒素ガ
スと超純水の混合により得られる冷却用ミストを用いる
ことで、成形品の殻壁全体は大きな冷却の不均一さを招
くことなく40℃程度まで冷却されると共に、容器内面
の微粒子数が少ない成形品が得られる。
【0015】前記において、ミスト噴霧は、一般的には
一定圧に保持されている成形品内の圧力よりも高い圧力
でミストを噴霧させることで、ミストが錐状に広がるよ
うに噴霧される。成形品内の圧力は、例えば排気系に設
けたリリーフ弁などにより前記の所定圧に維持すること
ができる。なお、ミスト噴霧時には該リリーフ弁を閉じ
ておくこともできる。
【0016】この発明によれば、金型の冷却とミスト蒸
発による気化の潜熱作用とにより、パリソン(成形品)
を金型のキャビティの形状に合わせて変形させた状態
で、中空成形品を内・外面から迅速にかつ成形品の殻壁
全体について可及的に均一化した強制冷却が実現され
る。
【0017】また、冷却用ミストとして窒素ガス及び超
純水の混合によるミストを用いることで、中空成形品内
面の洗浄を成形と同時に行うことができ、微粒子成分の
大幅な除去が達成される。
【0018】また、上記の発明において、冷却用ミスト
を成形品の内部に吹込んで成形品内面を冷却した後、該
ミストの噴霧を停止し、次いで窒素ガス吹込み口位置を
通じて冷却用窒素ガスの吹込みと成形品内ガスの排気を
並行して行って、成形品内に冷却用窒素ガスを給排・循
環させることも可能である。
【0019】この冷却用窒素ガスの吹込みにより上昇し
た圧力は、上述したのと同様に排気系のリリーフ弁等の
圧力保持手段を介して外部に排気され、差圧分の給排が
行われることになる。
【0020】この方法によれば、成形品内の温められた
ガスが排気され、冷却用窒素ガスが吹込まれるので、冷
却がスムースに進行する。
【0021】本願請求項2の発明は、上記の発明におい
て、噴霧する冷却用ミストの大きさが20μm以下であ
ることを特徴とし、これによって中空成形品の内面に水
滴痕が残るおそれが更に低減される。
【0022】本願請求項3のブロー成形装置の発明は、
樹脂製の中空成形品をブロー成形するブロー成形装置で
あって、前記中空成形品の成形形状をなす中空キャビテ
ィを有していて、かつブローダイヘッドから供給される
パリソンをプリブローするためのプリブロー窒素ガス吹
込ノズルと、パリソンを該キャビティ内に閉じ込める金
型と、この金型を冷却する金型冷却手段と、金型に閉じ
込められたパリソンに対して成形のための窒素ガスを吹
込むために該金型内に臨むように設けられた窒素ガス吹
込ノズルとを備え、前記窒素ガス吹込ノズルは、冷却用
ミストを噴霧するためのミスト噴霧口と、ブロー成形さ
れた成形品内への冷却用窒素ガスの吹込み口と、成形品
内のガスを外部に排気する排気口とを有し、該排気口は
成形品内のガス圧を所定圧力に保持するための圧力保持
手段に接続されていることを特徴とする。
【0023】前記成形用金型の冷却手段は、通常、肉厚
内部に冷却媒体を循環させるジャケット型の冷却構造と
して設けられ、冷媒としては一般に水が用いられる。
【0024】前記構成において、窒素ガス吹込みノズル
は、ブロー用窒素ガスの吹込み口、冷却用ミストの噴霧
口、冷却用窒素ガスの供給と排気を行う冷却用窒素ガス
吹込み口及び排気口を有するように設けられるが、これ
は、ブロー成形される中空成形品に対してブロー用窒素
ガスの吹込み口以外に外部との窒素ガス給排口を設ける
ことができない場合に不可避な構成である。なお、該ブ
ロー成形のための窒素ガス吹込みノズルに冷却用ミスト
の噴霧口、冷却用窒素ガス吹込み口及び排気口を設ける
構造は特に限定されるものではないが、一般的には、窒
素ガスの吹込みノズル内を窒素ガス供給路、窒素ガス排
気路に区分し、該窒素ガス供給路をブロー用窒素ガスの
吹込みと冷却用窒素ガスの吹込みに兼用して、これらの
先端開口をそれぞれブロー用窒素ガスの吹込み口、冷却
用窒素ガスの吹込み口及び排気口とする構成を例示する
ことができる。また、ミスト噴霧口は、ミスト噴霧ノズ
ルを窒素ガスの吹込みノズル内に内装させた構成を例示
することができる。また、ミスト噴霧ノズルは、窒素ガ
スの吹込みノズルに対して軸方向に相対移動可能に設け
ることもでき、このようにすることで噴霧ミストの噴霧
口を金型内まで挿入させて、ミスト噴霧を好ましく与え
ることができる。ミスト噴霧ノズルは限定されるもので
はないが、ノズル先端を半球状、錐状の壁面形状に形成
し、噴霧口となる小孔の一つまたは複数を先端壁面の噴
霧方向に開口させた構成のものを例示することができ
る。また、ノズル先端壁面を中心軸に対し傾斜して噴霧
方向に向いた楕円状の平面とし、この平面に噴霧口とな
る小孔の一つまたは複数を開口させることもできる。
【0025】上記構成において、ブロー用窒素ガス吹込
みノズルは、窒素ガス及び超純水の混合による冷却用ミ
ストを噴霧するミスト噴霧部を有することが好ましい。
【0026】また上記構成において、圧力保持手段がリ
リーフ弁と圧力検知器からなり、リリーフ弁はミスト噴
霧時及び循環時に成形品中空部の内圧を保持し、圧力検
知器はブローによる設定圧力を検知後、ミストの噴霧を
開始することができる。
【0027】そして、ミスト噴霧部の元部には、ミスト
発生のための窒素ガス供給装置と超純水供給装置が備え
てあり、ミスト噴霧部にて内部あるいは外部混合により
ミストを形成し、特に、ミストの大きさを20μm以下
とすることにより、蒸発性向上による冷却が促進され、
また中空部内面へのミスト衝突時の水滴跡が残らないの
で好ましい。
【0028】また本装置において、前記窒素ガス供給装
置を窒素ボンベとし、前記超純水供給装置は超純水をタ
ンクに蓄え、ガスにて供給する装置とすることもでき
る。
【0029】なお、本例でブロー成形される樹脂製の中
空成形品としては、上下端閉塞の縦型筒状(円筒状,楕
円筒状,長円筒状)、直方体型、立方体型など種々の形
状のものを挙げることができ、特に限定されるものでは
ないが、代表的には、半導体製造に使用される高純度薬
品用容器等の製品を挙げることができる。
【0030】ブロー用窒素ガスの吹込み、ミストの噴
霧、冷却用窒素ガスの給排、成形品内圧の排気の各工程
操作の進行は、コンピュータ技術を用いたシーケンスプ
ログラム制御等によって行うことができる。
【0031】
【発明の実施の形態】この実施の形態は、請求項1〜2
に記載の方法及び請求項3〜6に記載の装置の代表的な
実施の形態を示すものである。
【0032】図1に示される本例のブロー成形装置10
は、金型15によって円柱状の中空容器を倒立状態で成
形するためのものであり、この金型15には冷媒流通流
路が型の肉厚内に形成されて冷却装置を構成している
が、図が煩雑となるため省略した。また図1において、
ブローダイヘッド11から供給されるパリソン12に窒
素ガス供給口14より窒素ガスを吹込むための窒素ガス
発生装置13とパリソンを閉じ込める金型15と共に、
金型15内に閉じ込められたパリソンに窒素ガスを吹込
むための窒素ガス吹込口16とミストを供給するミスト
噴霧部17とミスト循環時には排気口となるガス排出口
18が内装されているガス給排型のノズル(以下「窒素
ガス吹込みノズル」という)19が設けてある。
【0033】前記ガス排出口18には、リリーフ弁20
と圧力検知器21が設けてある。
【0034】前記ミスト噴霧部17の供給源として、窒
素ガス発生装置13と超純水発生装置22が設けてあ
る。
【0035】本例の装置を用いて行うブロー成形のブロ
ー圧力及びブロー時間は、中空成形品の容量や窒素ガス
吹込ノズル19の径により異なるが、例えば次の通りで
ある。
【0036】ミストの大きさが10μmの場合におい
て、中空成形品の内面を濡らさないようにするために、
ブロー時間は5〜30秒の範囲、ミスト噴霧時間は20
〜90秒の範囲、ミスト噴霧停止後の冷却用窒素ガスの
給排・循環の時間は20〜90秒の範囲、排気時間は5
〜20秒の範囲とすることが好ましい。
【0037】次に、本例の成形装置によるブロー成形の
手順と作用を説明する。
【0038】まず、開型している金型15にパリソン1
2をブローダイヘッドから押し出す。次いで、窒素ガス
供給口14より窒素ガスにてプリブローを行い、前記金
型15に挟み込む。
【0039】前記金型l5を閉じて、窒素ガス吹込ノズ
ル19を下方から窒素ガス吹込位置まで上動させ、中空
キャビティ内に収納したパリソンに対し、窒素ガス吹込
口16から窒素ガスを吹込んでブロー成形する。パリソ
ン内が所定圧に達した時点で形状は金型15のキャビテ
ィ内面に倣った状態となり(以下、この状態になったパ
リソンを「成形品」という)、窒素ガスの吹込みを停止
し、前記ミスト噴霧部17の先端から成形品内面に向か
って、好ましくは20μm以下のミストを噴霧して、成
形品内面とミストを直接接触させるようにする。このミ
スト噴霧により、成形品内面に接触したミストが蒸発す
ることで気化する際の潜熱作用により、成形品内面が急
冷され、また成形品内面が洗浄される。また、噴霧する
ミストが特に10μm以下である場合には、成形品の内
面と接触した瞬間にミストが蒸発するので、中空成形品
への衝突に伴って中空成形品内面に凹凸面を生じさせる
ことはない。
【0040】ミスト噴霧を所定時間行った後、噴霧を停
止し、次いで、この窒素ガスの吹込み圧力による内圧を
保ちながら窒素ガスの給排・循環を行ない、窒素ガスを
中空成形品の内部で循環させ、中空成形品の内面を更に
均一に冷却する。その後、成形品内のガスを排気して大
気圧にし、金型15を開型して中空成形品を取り出す。
なお、ミスト噴霧時及び窒素ガス給排・循環時には、排
気路をリリーフ弁20に接続することで、成形品内を所
定圧(一般的には、窒素ガス吹込み最終段階の圧力)に
維持できるようにする。
【0041】以上の中空成形品内面の冷却と並行して、
成形品の外面は、前記金型15の冷媒通し孔(図示せ
ず)に流した冷媒により冷却する。
【0042】以上によって本例のブロー成形が終了す
る。この一連のブロー成形に伴う窒素ガスの供給(吹込
み)、ミストの供給(噴霧)、排気の手順を図3に示し
た。
【0043】なお、前記のミスト噴霧部17は窒素ガス
吹込ノズル19に対して固定的な関係に設けることもで
きるが、相対的に平行移動が可能なように設けることも
でき、これによって窒素ガス吹込ノズル19の先端開口
からミスト噴霧に適する位置までミスト噴霧部17が突
出して噴霧を行うようにすることもできる。
【0044】
【実施例】上記実施形態の装置を用い、以下の条件で、
下記の実施例1、比較例1〜2で樹脂製中空成形品をブ
ロー成形した。また、成形の一定時間後に成形品の外表
面温度を測定し、その結果を表1に示した。
【0045】対象材料: 高密度ポリエチレン 8022 <東ソー(株)製>
(メルトインデックス MI=0.35g/10分、密
度 d=0.956g/cm3) ブロー成形品: 18lの工薬缶(平均肉厚 3mm) ブロー成形方法: 下吹込式 成形条件(窒素ガスによるブロー成形を基準とする): 押出シリンダー温度 180℃ 金型冷却温度 23℃ 射出時間 10秒 ブロー圧力 5kg/cm2 ブロー成形品外面の温度測定法:型開き開始後90秒経
過した時点で、このブロー成形品外面の温度をサーモグ
ラフィ(日本アビオニクス(株)製、TVS−2100
MKII ST)により、図2に示す5点について測定
した。
【0046】ブロー成形品内面のクリーン度の測定方
法:成形後、容器に超純水(モデル4100にて製造
(オルガノ(株)製)10lを入れ、15秒間振とう洗
浄して排水した。この振とう洗浄を行った最終回の洗浄
水から5ml採取し、その中に浸出した0.2μm以下
の微粒子の数をパーティクルカウンター(ミニクリヤー
DC610(ハイアックロイコ社製))で測定した。
【0047】実施例1 中空成形品の内面の冷却媒体をミストとし、冷却時間4
0秒(ブロー時間5秒とミスト時間15秒と循環時間1
5秒と排気時間5秒の総計)で成形した。
【0048】この時、ミストは窒素ガスと超純水により
発生させた。タイミングチャートを図4に示す。
【0049】超純水での洗浄を2回行い、2回目の洗浄
水を測定液とした。
【0050】比較例1 通常のエアを用い、冷却時間60秒(ブロー時間55秒
と排気時間5秒の総計)で成形した。
【0051】超純水での洗浄を6回行い、6回目の洗浄
水を測定液とした。
【0052】比較例2 通常のエアを用い、冷却時間60秒(ブロー時間55秒
と排気時間5秒の総計)で成形した。
【0053】超純水での洗浄を2回行い、2回目の洗浄
水を測定液とした。
【0054】
【表1】
【0055】この表から分かるように、ミスト噴霧によ
る冷却時間40秒の温度分布が、通常行われるエア成形
による冷却時間60秒のものとほぼ同じ分布を示してお
り、約33%の冷却時間が短縮されている。
【0056】また、超純水を用いたミスト噴霧を行うこ
とにより、中空成形品内に残留する微粒子の数が少なく
なっている。
【0057】
【発明の効果】本発明のブロー成形方法及びブロー成形
装置によれば、パリソンを金型のキャビティの形状に合
わせて変形させた状態で、外面は金型の冷却によって冷
却され、また内面は、噴霧されたミストが高温状態の中
空成形品の内面に接触し、蒸発されることによって、そ
の蒸発時の気化潜熱の作用により急冷され、これらによ
って中空成形品を内・外面から均一及び迅速に強制冷却
することができる。従って、冷却工程を効率化し、成形
サイクルの時間が短縮されて高い生産性を得ることがで
きる。
【0058】また、プリブロー、ブロー、ミスト噴霧及
び循環時のガスを窒素ガス、ミスト噴霧時の冷媒を超純
水とすることにより、成形中の樹脂の劣化を抑え、成形
後の中空成形品内の微粒子の残留を少なくすることがで
きる。
【0059】更に、10μm以下のミストを用いること
で、ミストは中空成形品の内面との接触時に瞬間的に蒸
発し、冷却した中空成形品の内面に大きな水滴痕が発生
せず、ミストと中空成形品の衝突時に中空成形品に凹凸
面は生じないという効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態のブロー成形装置の構成概
要を、特に金型と窒素ガス吹込ノズルの位置関係につい
て示した縦断正面図である。
【図2】 ブロー成形品外面の温度測定箇所を示した図
である。
【図3】 成形時の窒素ガスの給排及びミスト噴霧の操
作手順関係の一例を示した図である。
【図4】 実施例1における成形時の窒素ガスの給排及
びミスト噴霧の操作手順を示した図である。
【符号の説明】
10:ブロー成形装置 11:ブローダイヘッド 12:パリソン 13:窒素ガス発生装置 14:窒素ガス供給口 15:金型 16:窒素ガスの吹込口 17:ミスト噴霧部 18:ガス排気口 19:窒素ガス吹込ノズル 20:リリーフ弁 21:圧力検知器 22:超純水発生装置

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ダイヘッドからチューブ状に押し出され
    て垂下したパリソンを金型の中空キャビティ内でブロー
    して樹脂製の中空成形品を成形し、冷却して金型から取
    出すブロー成形方法において、押し出されたパリソンは
    窒素ガスを用いてプリブローを行い、パリソンを金型に
    収納し、該金型内を循環する冷媒により中空成形品の外
    面を冷却すると共に、この中空成形品の内面に窒素ガス
    及び超純水の混合による冷却用ミストを噴霧した後、窒
    素ガスを循環させ、かつ該成形品内を前記圧力に保ちな
    がら必要に応じて成形品内のガスを排気して該成形品の
    内面を冷却することを特徴とする中空成形品のブロー成
    形方法。
  2. 【請求項2】請求項1において、噴霧する冷却用ミスト
    の大きさを20μm以下とすることを特徴とする中空成
    形品のブロー成形方法。
  3. 【請求項3】樹脂製の中空成形品をブロー成形するブロ
    ー成形装置であって、前記中空成形品の成形形状をなす
    中空キャビティを有していて、かつブローダイヘッドか
    ら供給されるパリソンをプリブローするためのプリブロ
    ー窒素ガス吹込ノズルと、パリソンを該キャビティ内に
    閉じ込める金型と、この金型を冷却する金型冷却手段
    と、金型に閉じ込められたパリソンに対して成形のため
    の窒素ガスを吹込むために該金型内に臨むように設けら
    れた窒素ガス吹込ノズルとを備え、前記窒素ガス吹込ノ
    ズルは、冷却用ミストを噴霧するためのミスト噴霧口
    と、ブロー成形された成形品内への冷却用窒素ガスの吹
    込み口と、成形品内のガスを外部に排気する排気口とを
    有し、該排気口は成形品内のガス圧を所定圧力に保持す
    るための圧力保持手段に接続されていることを特徴とす
    るブロー成形装置。
  4. 【請求項4】請求項3において、窒素ガス吹込ノズルが
    窒素ガス及び超純水の混合による冷却用ミストを噴霧す
    るミスト噴霧部を有することを特徴とするブロー成形装
    置。
  5. 【請求項5】請求項3または4において、圧力保持手段
    がリリーフ弁と圧力検知器からなることを特徴とするブ
    ロー成形装置。
  6. 【請求項6】請求項3ないし5において、ミスト噴霧部
    がミスト発生のための窒素ガス供給装置と超純水供給装
    置を備え、内部あるいは外部混合により20μm以下の
    ミストを噴霧するものであることを特徴とするブロー成
    形装置。
JP4013498A 1998-02-23 1998-02-23 中空成形品のブロー成形方法及びブロー成形装置 Pending JPH11235752A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4013498A JPH11235752A (ja) 1998-02-23 1998-02-23 中空成形品のブロー成形方法及びブロー成形装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4013498A JPH11235752A (ja) 1998-02-23 1998-02-23 中空成形品のブロー成形方法及びブロー成形装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11235752A true JPH11235752A (ja) 1999-08-31

Family

ID=12572336

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4013498A Pending JPH11235752A (ja) 1998-02-23 1998-02-23 中空成形品のブロー成形方法及びブロー成形装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11235752A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100698512B1 (ko) 2006-02-09 2007-03-21 대창기계공업 주식회사 패리슨 냉각장치를 갖는 블로우 성형기용 다이스
JP2010519359A (ja) * 2007-02-23 2010-06-03 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア n−アルカノールの混合物及びその使用方法
KR20190087658A (ko) * 2017-10-19 2019-07-24 닛세이 에이. 에스. 비 기카이 가부시키가이샤 수지제 용기의 제조방법, 금형 유닛 및 성형기

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100698512B1 (ko) 2006-02-09 2007-03-21 대창기계공업 주식회사 패리슨 냉각장치를 갖는 블로우 성형기용 다이스
JP2010519359A (ja) * 2007-02-23 2010-06-03 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア n−アルカノールの混合物及びその使用方法
KR20190087658A (ko) * 2017-10-19 2019-07-24 닛세이 에이. 에스. 비 기카이 가부시키가이샤 수지제 용기의 제조방법, 금형 유닛 및 성형기
US11260575B2 (en) 2017-10-19 2022-03-01 Nissei Asb Machine Co., Ltd. Method for producing resin vessel made of resin, mould unit and moulding apparatus

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4327045A (en) Cooling process suitable for foam molding of a synthetic resin and its cooling apparatus
US5052626A (en) Coolant introduction in blow molding
JP4317449B2 (ja) 成形後における成形品の首部冷却装置およびその方法
US20160318267A1 (en) Method of forming plastic materials
JPH11235752A (ja) 中空成形品のブロー成形方法及びブロー成形装置
JPH05345350A (ja) 二軸延伸ブロー容器の成形方法とその金型
JP2000141462A (ja) 中空成形品のブロー成形法
JP2000141464A (ja) 冷却速度に部分的な差のある中空成形品のブロー成形方法及び成形装置
JPH11170353A (ja) 中空成形品のブロー成形法及びブロー成形装置
JP2000135734A (ja) 中空成形品のブロー成形法及びブロー成形装置
JP3597268B2 (ja) 中空成形内部冷却用吹込ピン
JP2000108199A (ja) 中空成形品のブロー成形方法及びブロー成形装置
US6358462B1 (en) Method of manufacturing a liquid cooled blow molded article
JP2000071322A (ja) 中空成形品のブロー成形法
KR100782295B1 (ko) 수냉식 블로우몰딩 쿨링 장치 및 방법
JPH09164584A (ja) ブロー成形品の冷却方法及びこれに使用するブロー成形装置
JP2569241B2 (ja) ブロー成形方法
KR0157104B1 (ko) 튜브용기의 블로우성형방법
TWI699276B (zh) 樹脂製容器的製造方法及吹塑成型裝置
JPH11254512A (ja) 中空成形容器の製造方法
US11305475B1 (en) Stretch rod for inflating a preform
JPH06126740A (ja) 合成樹脂製ボトル用パリソンの射出成形方法
JPH06234153A (ja) ブロー成形方法
WO1994011178A1 (en) Method for blow molding tubular container
JPH04219222A (ja) プラスチック製品のブロー成形方法及びブロー成形装置