JP2000141462A - 中空成形品のブロー成形法 - Google Patents

中空成形品のブロー成形法

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JP2000141462A
JP2000141462A JP10314395A JP31439598A JP2000141462A JP 2000141462 A JP2000141462 A JP 2000141462A JP 10314395 A JP10314395 A JP 10314395A JP 31439598 A JP31439598 A JP 31439598A JP 2000141462 A JP2000141462 A JP 2000141462A
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parison
air
pressure
cooling
blow
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JP10314395A
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Takayasu Yagi
隆康 八木
Kazutoshi Nagahori
和敏 永堀
Satoshi Chiba
智 千葉
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TOHO ACETYLENE CO Ltd
Placo Co Ltd
Tosoh Corp
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TOHO ACETYLENE CO Ltd
Placo Co Ltd
Tosoh Corp
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
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  • Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ブロー成形品の全体において冷却をできるだ
け均一に行ないながら、短時間の冷却を実現する。 【解決手段】 ブロー成形金型内のパリソンを成形する
に際し、パリソン内部にエアを所定時間吹き込んで該パ
リソンを金型内面に密着させるブロー工程と、これに続
いて一定圧に保持されたパリソン内部に冷却用ミストを
噴霧しながらエアをパリソン内部と外気の間で給排する
冷却工程と、このミスト噴霧及びエア給排を停止して内
部エアを排気する排気工程とを行うと共に、上記のブロ
ー工程においては金型内面からキャビティ内の吸気を並
行して行うようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高密度ポリエチレ
ン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビ
ニル、ABS等の樹脂製の中空成形品をブロー成形する
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ABS等の樹脂
材料を用いてブロー成形される成形品は、従来から、パ
リソン成形工程、金型閉工程、ブロー工程、冷却・固化
工程(以下「冷却工程」と総称する)、排気工程、金型
開工程、取出し工程の各工程からなる多段の複雑な成形
法により製造されており、最適な成形を行うために経験
則はもとより各工程の理論的な解析やシミュレーション
等による研究が進められていが、ブロー成形品の製造に
おいては、成形時間を短縮して成形サイクルを効率化
し、生産性を向上させることが工業的には重要な課題と
されている。
【0003】ところで、上記の工程のうちで、ブロー工
程と、冷却・固化工程からなる冷却工程は、十分な冷却
を行って金型を開いて成形品を金型から取り出す際の成
形品の変形に影響するため時間短縮は必ずしも容易でな
く、一般に時間短縮のためには金型内においてブローし
た成形品を強制冷却する方法が行われる。強制冷却法
は、成形品の内部に冷却媒体(冷却空気等)を供給して
する方法であり、例えば、成形中のパリソンに向けて冷
却ガスを噴出するためのガス導入管とその冷却ガスを排
出するガス排出管とを金型に取付けた特開平3−222
714号公報に記載の方法、水を混合した高圧空気流を
金型下方からパリソン内部に吹込んで該パリソンを膨張
させながら、その内面を冷却する特公平6−365号公
報に記載の方法、冷却媒体を中心位置の延伸ロッドから
周囲に噴出させながら成形金型の型開きを開始する特開
平3−9831号公報に記載の方法などが知られてい
る。
【0004】しかし、前記各公報に記載されたパリソン
をブロー成形した成形品の強制冷却技術には以下の問題
がある。
【0005】成形中のパリソンに冷却ガスを吹込む特開
平3−222714号公報記載のブロー成形法では、ガ
ス導入管から冷却用ガスをパリソン内に吹き込む際に、
パリソンのガス導入管の先端に対向する部分が局所的に
優先して冷却され易く、膨張するパリソンの殻壁が全体
としては不均一に冷却されることになって成形容器が不
均質になり易い。またパリソン内に吹き込まれた冷却用
ガスは、パリソン内で全体に循環することなく圧力的に
抵抗の少ないガス排出管に向って直進して外部に排出さ
れてしまい、冷却用ガスの顕熱の有効利用が図れずに冷
却時間を短縮するという効果が十分に得られない。
【0006】特公平6−365号公報記載の水を混合し
た高圧エアを吹込むブロー成形法は、成形品としてブロ
ー比の小さい例えばブローパレットなどには適している
が、成形品の内面に水滴が残留することが免れず、最終
製品の内面に水滴痕が残るという問題を招く。
【0007】特開平3−9831号公報記載のブロー成
形法は、延伸ロッドが成形容器の中心軸上に配置される
ので、該軸を中心とした回転体の構造をもつ成形容器で
はよいが、略直方体や略楕円柱のような成形容器では、
冷却媒体の吹込み口となる延伸ロッドの位置と、パリソ
ン(プリフォーム)内面との距離が場所により異なるこ
とになるため、延伸ロッドから吹き出される冷却媒体の
パリソンへの当り方が不均一となり、パリソンの殻壁は
全体として不均一に冷却されることになって、成形容器
が不均質なものとなってしまう。
【0008】以上のように、成形サイクルを効率化する
目的で、成形時間を短縮すべくブローしたパリソンに冷
却媒体を吹き込んで冷却する前記した従来の各方法は、
成形時間の短縮が不十分であったり、成形品が全体とし
て均一に冷却されずに不均質な製品になってしまうとい
う問題がある。
【0009】そこで本発明者等は、該空間へのエアの吹
込みを該エアの吹込みにより該成形品内部の空間の概ね
全域を循環するように生ずるエアの流れの始端側から行
うと共に、該エアの流れの終端側から排気するエア循環
(給排)操作と、このエア吹込みと同時にミストを噴霧
する操作とからなるミスト噴霧方式の冷却工程を行うブ
ロー成形法を提案した。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記したミ
スト噴霧方式の冷却を行うブロー成形法を更に改良する
ものである。
【0011】すなわち、ブロー成形法による成形時間を
短縮して成形サイクルを効率化し、生産性を向上させる
ためには、冷却工程のみならず、多段に行われる各工程
のそれぞれにおいても工夫されることが望ましいこと、
並びに、ミスト噴霧による冷却操作において、ブロー成
形品の全体において冷却をできるだけ均一に行ないなが
ら、短時間の冷却を実現することが、良質な成形品を提
供するために望ましいことが挙げられる。そこで本発明
は、ミスト噴霧方式のブロー成形法においてこれらに適
した方法を提供するためになされたものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本願発明が課題とする上
記目的は上記特許請求の範囲に記載した各請求項の発明
により達成される。
【0013】本願請求項1の中空成形品のブロー成形法
の発明は、ダイヘッドから押し出されてブロー成形金型
のキャビティ内に垂下したパリソンを所定形状の樹脂成
形品に成形する方法であって、パリソン内部にエアを所
定時間吹き込んで該パリソンを金型内面に密着させるブ
ロー工程と、これに続いて一定圧に保持されたパリソン
内部に冷却用ミストを噴霧しながらエアをパリソン内部
と外気の間で給排(循環)する冷却工程と、このミスト
噴霧及びエア給排を停止して内部エアを排気する排気工
程とを備え、前記ブロー工程においては、前記冷却工程
時にパリソン内部に保持する設定圧よりも高圧のエアを
吹込むことを特徴とする。
【0014】上記において、ブロー成形のための吹込み
エアと、エア給排のための吹込みエアは、通常は同じエ
ア吹込みピンを用いて吹込まれる。
【0015】冷却工程において噴霧されるミストは、一
般的には200μm以下、好ましくは20μm以下、最
適には10μm以下とするのがよく、200μmを超え
るとミストが内部空間に浮遊しないで、水滴としてパリ
ソン内面にたまり易くなるので好ましくない。また、冷
却工程におけるエア給排とミスト噴霧は、同時に行うこ
とができる他、エア給排の途中にミスト噴霧を行うこと
もでき、またミスト噴霧時にはエア給排を停止し、噴霧
後にエア給排させることもできる。特に、ミスト噴霧時
にエア給排を停止する方法は、内部空間に残留した浮遊
ミストを空間全域に誘導して冷却を全体に平均化してゆ
き渡らせる点で有利である。更に、一度のミスト噴霧で
は飽和蒸発量に限界があるので、ミスト噴霧は間欠して
行うことがよい。この場合、1回の噴霧量は、噴霧時の
温度に対応したミストの飽和蒸発量を最大として、噴霧
回数を繰り返す毎に噴霧量を減量するのが製品内面に水
滴跡を残さないので好ましく、この方法は内部空間が比
較的小さい場合には特に有効である。なお、エア給排
は、吹込口から排気口にエアが循環するように流れるの
で「エア循環」と称することもできる。
【0016】また、ブロー工程において吹込むエア圧
は、冷却工程時のパリソン内部設定圧よりも十分に高圧
とすることがよく、一般的には、冷却工程で保持するパ
リソン内部圧の1.1倍〜3倍、好ましくは1.4倍〜
2倍程度とすることがよい。
【0017】この発明によれば、ブロー工程において、
金型キャビティ内のパリソンは高圧のエア吹込みにより
短時間に膨らんで金型内面に接し、速やかに冷却される
と共に、金型内面に倣って所定の形状に成形される。
【0018】また形状形成のための所定の時間が経過し
た後、冷却工程のエア給排及びミスト噴霧により効果的
に冷却が行われるので、内面の冷却を迅速に促進でき
る。更にまた、冷却工程時のエア給排を行う際に、この
発明では内部空間を所定の圧力(加圧)状態に保持する
ので、成形体と金型内面を効果的に密着させることがで
き、金型からの外部冷却を促進させる上で好ましい。な
お、パリソン内部を所定の一定圧に保持するのは、排気
系にリリーフ弁を設けることで行うことができる。
【0019】請求項2の発明は、ダイヘッドから押し出
されてブロー成形金型のキャビティ内に垂下したパリソ
ンを所定形状の樹脂成形品に成形する方法であって、パ
リソン内部にエアを所定時間吹き込んで該パリソンを金
型内面に密着させるブロー工程と、これに続いて一定圧
に保持されたパリソン内部に冷却用ミストを噴霧しなが
らエアをパリソン内部と外気の間で給排する冷却工程
と、このミスト噴霧及びエア給排を停止して内部エアを
排気する排気工程とを備え、前記ブロー工程において
は、金型内面よりキャビティ内の吸気を並行して行うこ
とを特徴とする。
【0020】この発明によれば、ブロー工程でブローエ
アを高圧で吹込むことによる工程の短縮化を、吹込みエ
アを高圧にせずに金型内面より吸気を行うことで実現で
きる。
【0021】請求項3の発明は、上記請求項2の発明に
おいて、金型内面からのキャビティ内の吸気を、冷却工
程においても行うことを特徴とする。
【0022】この発明によれば、上記の作用に加えて、
冷却工程においても該吸気を行うことで、給排エアの吹
込み圧を低くしても成形体と金型内面を効果的に密着さ
せることができ、したがって、低い圧力状態の空間に噴
霧するミストの微細化、噴霧量の増大化に有効である。
【0023】請求項4の発明は、上記の各発明における
冷却工程において、パリソン内部圧力をリリーフ弁によ
り設定圧に保持すると共に、該設定圧よりも高圧のエア
を噴霧ミストと共に吹込んで差圧により前記エア給排を
行わせることを特徴とする。高圧エアの吹き込みとパリ
ソン内部の一定圧保持は、例えば上記したように排気系
にリリーフ弁を設けることで行うことができ、また、一
定圧の状態でミストの噴霧を行うためには、排気系に圧
力検知手段を設けることでミストの噴霧開始時点を決め
ることで行うことができる。
【0024】また、冷却工程において吹込むエア圧は、
パリソン内部に保持する設定圧よりも十分に高圧とする
ことがよく、一般的には、該パリソン内部設定圧の1.
1倍〜3倍、好ましくは1.4倍〜2倍程度とすること
がよい。
【0025】この発明によれば、圧力変動がない一定の
状態でミスト噴霧を行うことができるので、ミストの発
生状態や循環状態が安定する。
【0026】
【発明の実施の形態】実施形態1 この実施の形態は、図1に示され、円筒形型のブロック
状成形品をブロー成形する装置10を説明するものであ
る。
【0027】このブロー成形装置10は、図1の紙面に
垂直な方向に一対をなす凹形空所を有する金型片の組合
せからなる金型11によって構成されており、図1は、
ブローダイヘッド(図示せず)から金型11に上方から
下方向に供給される図示しないパリソン(成形品の符号
を「1」とする)を、金型片の対が閉型して閉じ込めた
状態を縦断面図で示している。なおこの金型11には、
冷媒流通流路が型の肉厚内に形成されて冷却装置を構成
しているが、図が煩雑となるため省略した。
【0028】12はエア給排手段としてのノズル装置
(以下「エア給排ノズル」という)であり、金型11の
下方から該金型11に閉じ込められたパリソンの下端か
ら嵌挿されるように設けられ、各エア給排ノズル12は
それぞれ、ブローエア及び冷却用エアを吹込むためのエ
ア供給路13と、成形品内のエアを排気するエア排気路
15とを有し、エア供給路13内にミストを噴霧するミ
ストノズル14が内装されている。これらが全体として
一つのピンを構成している。なおエア供給路13と、エ
ア排気路15は図示しない仕切りにより区画した。
【0029】ミストノズル14は、例えば、その円錐形
状をなす先端閉塞壁面に、複数の小孔がミスト噴霧穴と
して設けられ、このミスト噴霧穴からミストを噴霧する
ようになっている。このミストノズル14は、好ましく
は10μm以下のミストを発生するものが用いられる。
【0030】上記したエア給排ノズル12のエア供給路
13は、図示しないエアポンプ(図示せず)に接続され
て、ブローエア及び冷却用エアを吹込むように利用され
る。またエア排気路15は、リリーフ弁16を介してブ
ロアなどの強制排気装置(図示せず)と大気開放とが切
換えできるように接続されている。なお、エア給排ノズ
ル12には、エア排気路15のリリーフ弁16の上流位
置に圧力検知器17が接続されていて、成形体内部の空
間の圧力状態を検知できるようになっている。次に本例
の成形装置によるブロー成形の手順と作用を説明する。
【0031】まず開型している金型11に、パリソンを
ブローダイヘッドから押出す。
【0032】次いで、前記金型llを閉じてエア給排ノ
ズル12を下方からエア吹込位置まで上動させ、中空キ
ャビティ内に嵌挿させ、まず初めに、エア給排ノズル1
2のエア供給路131からブローエアを吹き込んでブロ
ー成形してパリソンを金型11の内面に接触させる。こ
の際吹込むブローエアは、後述する冷却時にパリソン内
に保持されるエア圧よりも高圧とすることでパリソンの
成形を迅速に行わせる。
【0033】パリソン形状は金型のキャビティ内面に倣
った状態(この状態になったものが「成形品1」)にな
ったことを、圧力検知器17でパリソン内の圧力が所定
圧に達したことで検知し、ブローエアの吹込みを停止
し、冷却工程に移行する。
【0034】冷却工程では、前記ミストノズル14の先
端からパリソン内に向かって例えば10μm以下のミス
トを噴霧して、パリソン内面とミストを直接接触させる
ようにする。このミスト噴霧により、パリソン内面に接
触したミストが蒸発することで気化する際の潜熱によ
り、パリソン内面が急冷される。この際、ミストが10
μm以下であれば、中空成形品の内面と接触した瞬間に
ミストが蒸発するので、中空成形品への衝突に伴って中
空成形品内面に凹凸面を生じさせないことは実験的に確
認されている。
【0035】ミスト噴霧を所定時間行った後、噴霧を停
止し、次いで、エア給排ノズル12から高圧の冷却エア
ー(循環用エア)を吹込み、同時にリリーフ弁16を介
し大気に開放する。このリリーフ弁16によって該内部
空間の内圧を所定圧に保ちながら、エア循還流を生じさ
せ、噴霧したミストを成形品の内面全体に行き渡らせ
る。これにより、中空成形品の内面をミストを含む循環
エアによってさらに均一に冷却する。なお、循環エアの
吹込みはミストの噴霧時にも行わせることができる。ま
たミストの噴霧は連続的に行う場合の他、間欠的行うこ
とも好ましい。
【0036】以上のようなミストの噴霧と循環エアの吹
込み操作を所定手順で行った後、成形品内の圧力エアを
強制排気して大気圧にし、金型11を開型して成形品1
を取出す。
【0037】以上の中空成形品内面の冷却と並行して、
成形品の外面は、前記金型11の冷媒通し孔(図示せ
ず)に流した冷媒により冷却する。
【0038】以上によって本例のブロー成形が終了す
る。
【0039】なお、前記のミストノズル14はエア給排
ノズル12に対して固定的な関係に設けることもできる
が、相対的に平行移動が可能に設けることもでき、これ
によってエア給排ノズル12の先端開口からミスト噴霧
に適する位置までミストノズル14が突出して噴霧を行
うようにすることもできる。
【0040】本例の装置を用いて行うブロー成形のブロ
ー圧力及びブロー時間は、中空成形品の容量やエア給排
ノズル12の径により異なる。限定されるものではない
が、例えば次の通りである。
【0041】ミストの大きさが10μmの場合において
は、中空成形品の内面を濡らさないようにするために、
ブロー時間は5〜30秒の範囲、ミスト噴霧時間は20
〜90秒の範囲、ミスト噴霧停止後の冷却エアの給排・
循環の時間は排気時間は20〜90秒の範囲、排気時間
は5〜20秒の範囲とすることが好ましい。
【0042】この実施形態の成形装置によれば、高圧エ
アの吹込によりブロー工程における迅速なパリソンの成
形が実現でき、またこれに続く冷却工程において、ミス
ト噴霧による促進された冷却が行われる。
【0043】実施形態2 本例2のブロー成形装置100は図3に示され、金型1
1の内面に吸気のための吸気開孔19が多数設けられる
と共に、この吸気開孔19を吸気管20を介して吸気源
(真空源)18に接続されている構成において図1と異
なるだけで、他は図1の構成と同じである。
【0044】この実施形態の成形装置100によれば、
ブロー工程及び冷却工程において高圧のエアを吹込まな
くても、迅速なブロー成形と、冷却時の成形体と金型内
面の密着が実現でき、また、ミスト噴霧による促進され
た冷却が行われる。
【0045】
【実施例】以下の条件で、下記の実施例1〜4、比較例
1〜3で樹脂製中空成形品をブロー成形した。
【0046】対象材料: 高密度ポリエチレン(HDPE) 8700<東ソー
(株)製> (メルトインデックス HLMI=8.5g/10分、
密度d=0.949g/cm3 ) ブロー成形品: 内容積 100リットル(平均肉厚 5mm) 15cm×200cm×高さ20cm) ブロー成形方法: 下吹き法 成形条件(エアによるブロー成形を基準とする): 押出シリンダー温度 190℃ 金型冷却温度 23℃ 射出時間 10秒 (ブロー成形品内面の温度測定法)型開き開始後90秒
経過した時点で、このブロー成形品内面の温度をサーモ
グラフィ(日本アビオニクス株式会社製、機種TVS−
2100MKII ST)により、図2(実施例1,2、
比較例1,2)、図4(実施例3,4、比較例3)に示
す5点について測定した。
【0047】(実施形態1に対応する実施例) 実施例1 実施形態1の成形装置10を用いて、金型に取り込まれ
たパリソンに、エア給排ノズル12からブロー圧力0.
8MPa(ブロー工程、冷却工程において同じ)でエア
を吹込み、パリソン内部保持圧力を0.55MPa(ミ
スト噴霧時(ミストの大きさ20μm)、エア循環時に
おいて同じ)として、ブロー成形(ブロー時間5秒)、
冷却(合計冷却時間50秒:ミスト噴霧25秒、エア循
環25秒)、強制排気5秒の順序で実施して中空成形品
を得た(ブロー成形の合計時間60秒)。各部の温度測
定の結果を下記表1に示した。
【0048】実施例2 エア給排ノズル12からの成形工程におけるブロー圧力
を0.9MPa、冷却工程におけるブロー圧力を0.6
MPaとし、ブロー成形(ブロー時間3秒)、冷却(合
計冷却時間50秒:ミスト噴霧25秒、エア循環25
秒)、強制排気5秒の順序で実施した他は、実施例1と
同様にして中空成形品を得た(ブロー成形の合計時間5
8秒)。各部の温度測定の結果を下記表1に示した。
【0049】また比較のために、同じ実施形態1の成形
装置10を用いて、以下の比較例1,2の試験を行い、
各部の温度測定の結果を下記表1に示した。
【0050】比較例1 エア給排ノズル12からのブロー圧力を0.6MPa
(ブロー工程、冷却工程において同じ)、パリソン内部
保持圧力を0.55MPa(ミスト噴霧時、エア循環時
において同じ)として、ブロー成形(ブロー時間13
秒)、冷却(合計冷却時間50秒:ミスト噴霧25秒、
エア循環25秒)、強制排気7秒の順序で実施した他
は、実施例1と同様にして中空成形品を得た(ブロー成
形の合計時間70秒)。
【0051】比較例2 エア給排ノズル12からのブロー圧力を0.55MPa
(ブロー工程、冷却工程において同じ)、パリソン内部
保持圧力を0.55MPa(ミスト噴霧時、エア循環時
において同じ)として、ブロー成形(ブロー時間25
秒)、冷却(合計冷却時間50秒:ミスト噴霧25秒、
エア循環25秒)、強制排気7秒の順序で実施した他
は、実施例1と同様にして中空成形品を得た(ブロー成
形の合計時間82秒)。
【0052】
【表1】
【0053】(実施形態2に対応する実施例) 実施例3 実施形態1の成形装置100を用いて、金型に取り込ま
れたパリソンに、エア給排ノズル12からエアを吹込む
と同時に、金型12内面から吸気(真空引き)を行い、
パリソン内面を金型11に密着させ、エア吹込を停止し
た。
【0054】次に圧力検知器17で予め設定したブロー
圧力(0.35MPa)が検出された時点で、パリソン
内部圧力を該0.35MPaに保持するようにエア吹込
を行い、ミスト噴霧、及びエア循環を行った。この時、
ミスト噴霧のために、ミストノズルに水を供給する元圧
(吹込み圧)を0.45MPa、エア元圧を0.8MP
aとし、エア循環時のブロー元圧を0.65MPaとし
た。
【0055】成形工程(ブロー工程)の時間は5秒、冷
却工程はミスト噴霧25秒とエア循環25秒で、強制排
気を5秒に設定し、ブロー成形の合計時間は60秒とし
た。以上の操作のタイミングチャートを図5に示した。
【0056】各部の温度測定の結果を下記表2に示し
た。得られた中空成形品は、ガス溜りが発生せず、製品
角のエッジがシャープに得られた。
【0057】実施例4 実施例3のブロー工程の終期に設定ブロー圧力(0.3
5MPa)が検出された時点で、パリソン内部を2秒の
強制排気で一旦大気圧に戻した(図5のエア排気の点線
参照)。その後、ミスト噴霧25秒、次いでパリソン内
部を0.35MPaに保持しながらエア循環25秒の冷
却工程を行い、その後更に、5秒間の強制排気を行っ
た。ブロー成形の合計時間は62秒であった。この時、
ミスト噴霧のために、ミストノズルに水を供給する元圧
を0.1MPa、エア元圧を0.45MPaとし、エア
循環時のブロー元圧を0.65MPaとした。他は実施
例1と同様にして行った。各部の温度測定の結果を下記
表2に示した。
【0058】得られた中空成形品は、ガス溜りが発生せ
ず、製品角のエッジがシャープに得られた。また、ミス
ト噴霧時のエア供給量が実施例1の1/5となった。
【0059】比較例3 成形工程(ブロー工程)から冷却工程に渡る吸気(真空
引き)を行わなかった他は、実施例3と同様にしてブロ
ー成形を行い、中空成形品を得た。
【0060】ブロー成形開始からその終期を定める設定
圧(0.35MPa)の検出までの時間は13秒を要
し、ブロー成形の合計時間は68秒かかった。各部の温
度測定の結果を下記表2に示した。
【0061】得られた中空成形品は、ガス溜りが数カ所
にわたり発生していた。
【0062】
【表2】
【0063】
【発明の効果】本願の各請求の発明によれば、ブロー成
形品の全体において冷却をできるだけ均一に行ないなが
ら、短時間の冷却を実現することができるという効果が
奏される他、以下の効果が奏される。
【0064】また形状形成のための所定時間が経過した
後、更に冷却工程のエア給排及びミスト噴霧により効果
的に冷却が行われるので、冷却が迅速に促進され、しか
も内部空間を所定の圧力(加圧)状態に保持するので、
成形体と金型内面を効果的に密着させた状態を維持で
き、金型からの外部冷却を促進させる上で好ましい。
【0065】請求項2の発明によれば、成形工程で金型
内のエアを吸気することで、吹込みエアを高圧にせずに
該工程の短縮化を実現できる。
【0066】請求項3の発明によれば、金型内面からの
キャビティ内の吸気を、冷却工程においても行うことで
冷却時のパリソンと金型の密着性を維持できしたがっ
て、低い圧力状態の空間に噴霧するミストの微細化、噴
霧量の増大化に有効である。
【0067】請求項4の発明によれば、圧力変動がない
一定の状態でミスト噴霧を行うことができるので、ミス
トの発生状態や循環状態が安定する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1のブロー成形装置の構成概要を示し
た縦断面図。
【図2】実施形態1のブロー成形装置で成形した成形体
の温度状態を測定した位置を示した図。
【図3】実施形態2のブロー成形装置の構成概要を示し
た縦断面図。
【図4】実施形態2のブロー成形装置で成形した成形体
の温度状態を測定した位置を示した図。
【図5】実施例3の各操作を行った関係を示したタイミ
ングチャート。
【符号の説明】
1:成形品 10,100:ブロー成形装置 11:金型 12:エア給排ノズル 13:エア供給路 14:ミストノズル 15:エア排気路 16:リリーフ弁 17:圧力検知器 18:吸気源 19:吸気開孔 20:吸気管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 永堀 和敏 埼玉県岩槻市笹久保新田550 株式会社プ ラコー内 (72)発明者 千葉 智 宮城県多賀城市栄2−3−32−44 Fターム(参考) 4F208 AK02 AR02 LA07 LA09 LD14 LN01 LN10 LN14

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ダイヘッドから押し出されてブロー成形
    金型のキャビティ内に垂下したパリソンを所定形状の樹
    脂成形品に成形する方法であって、パリソン内部にエア
    を所定時間吹き込んで該パリソンを金型内面に密着させ
    るブロー工程と、これに続いて一定圧に保持されたパリ
    ソン内部に冷却用ミストを噴霧しながらエアをパリソン
    内部と外気の間で給排する冷却工程と、このミスト噴霧
    及びエア給排を停止して内部エアを排気する排気工程と
    を備え、前記ブロー工程においては、前記冷却工程時に
    パリソン内部に保持する設定圧よりも高圧のエアを吹込
    むことを特徴とする中空成形品のブロー成形法。
  2. 【請求項2】 ダイヘッドから押し出されてブロー成形
    金型のキャビティ内に垂下したパリソンを所定形状の樹
    脂成形品に成形する方法であって、パリソン内部にエア
    を所定時間吹き込んで該パリソンを金型内面に密着させ
    るブロー工程と、これに続いて一定圧に保持されたパリ
    ソン内部に冷却用ミストを噴霧しながらエアをパリソン
    内部と外気の間で給排する冷却工程と、このミスト噴霧
    及びエア給排を停止して内部エアを排気する排気工程と
    を備え、前記ブロー工程においては、金型内面からキャ
    ビティ内の吸気を並行して行うことを特徴とする中空成
    形品のブロー成形法。
  3. 【請求項3】 請求項2において、金型内面からのキャ
    ビティ内の吸気は、冷却工程においても行うことを特徴
    とする中空成形品のブロー成形法。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2の冷却工程において、パ
    リソン内部圧力をリリーフ弁により設定圧に保持すると
    共に、該設定圧よりも高圧のエアを噴霧ミストと共に吹
    込んで差圧により前記エア給排を行わせることを特徴と
    する中空成形品のブロー成形法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011173150A (ja) * 2010-02-24 2011-09-08 Aisin Seiki Co Ltd 鋼材加工方法
JP2013086319A (ja) * 2011-10-17 2013-05-13 Tahara Machinery Ltd 中空成形機の制御方法
CN114728709A (zh) * 2019-11-21 2022-07-08 大日本印刷株式会社 无菌填充方法和无菌填充机

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JP2013086319A (ja) * 2011-10-17 2013-05-13 Tahara Machinery Ltd 中空成形機の制御方法
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