JPH112356A - 電磁弁及び電磁弁駆動装置 - Google Patents

電磁弁及び電磁弁駆動装置

Info

Publication number
JPH112356A
JPH112356A JP9244171A JP24417197A JPH112356A JP H112356 A JPH112356 A JP H112356A JP 9244171 A JP9244171 A JP 9244171A JP 24417197 A JP24417197 A JP 24417197A JP H112356 A JPH112356 A JP H112356A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
valve
solenoid
power supply
power
plunger
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP9244171A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3760036B2 (ja
Inventor
Hisashi Komaki
久司 古牧
Noriaki Miyazaki
典明 宮崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Saginomiya Seisakusho Inc
Original Assignee
Saginomiya Seisakusho Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Saginomiya Seisakusho Inc filed Critical Saginomiya Seisakusho Inc
Priority to JP24417197A priority Critical patent/JP3760036B2/ja
Publication of JPH112356A publication Critical patent/JPH112356A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3760036B2 publication Critical patent/JP3760036B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Magnetically Actuated Valves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 急激な圧力変動により騒音の元となるウォー
ターハンマ現象が起こるのを抑制又は防止すること。 【解決手段】 プランジャ55に、ソレノイド5のコイ
ル53への通電時に吸引子51によって直接吸引される
基部55a、この基部55aとは別体に形成されるホル
ダ57、このホルダ57を挿通して基部55aに連結さ
れ主弁9のパイロット通路91を開閉するニードル弁5
5hが形成された弁部55e、この弁部55eに対して
ホルダ57を基部55a側に付勢するニードル弁バネ5
5jを設け、ソレノイド5のコイル53への通電電流を
定格電流の50%とすると、プランジャ55に働く吸引
力よりもニードル弁バネ55jの弾発力の方が上回り、
これによって、ニードル弁55hと主弁9のうちどちら
かだけが、対応するパイロット通路91と弁座35のう
ちどちらかだけを半開し、他方は全閉とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の冷房装置に
おける冷媒回路等に介設される電磁弁と、この電磁弁を
駆動させるための装置とに関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、車両の冷房装置においては一般
に、冷媒回路の凝縮器及びレシーバから蒸発器への冷媒
の供給量を調整する温度膨張弁等の絞り弁と、この絞り
弁よりも凝縮器及びレシーバ側において冷媒回路を開閉
する電磁弁とが冷媒回路中に介設されており、冷房温度
の設定に応じて、或は、被冷房空間において実際に測定
した温度に応じて、絞り弁を開閉させると共に、冷房装
置のオンオフに応じて電磁弁を開閉させるようにしてい
る。
【0003】ところで、上述した電磁弁については、開
閉動作に伴い騒音が発生すると使用者に不快感を与える
こととなるので、静音性には十分配慮する必要がある。
そこで、電磁弁の分野においては、静音性を確保するた
めに次のような技術が従来から提案されている。
【0004】まず、図28に断面図で示すパイロット弁
方式の電磁弁120においては、吸引子109とプラン
ジャ106との間にゴム等の材質よりなる緩衝材料11
2を取り付けて、ソレノイド107の通電に伴い移動す
るプランジャ106が吸引子109と衝突する際の衝撃
を緩和している。
【0005】また、図29に示す実公昭56−4936
号公報に開示された電磁弁201においては、弁座25
7を開閉する主弁250が連結されたプランジャ251
と吸引子203との間に緩衝用のバネ206を介設し
て、ソレノイド202の通電に伴い移動するプランジャ
251がバネ206の弾発力により吸引子203と衝突
しないようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、冷媒回路の
分野では、上述したプランジャと吸引子との衝突により
発生する騒音の他に、電磁弁を開くことで発生する凝縮
器及びレシーバ側から蒸発器側に向かう液冷媒の流れ
が、絞り弁において遮断され又は絞られて、一般にウォ
ーターハンマ現象による騒音が発生し、また、電磁弁を
閉じることによっても、凝縮器及びレシーバ側から蒸発
器側に向かう液冷媒の流れが急激に遮断されて、ウォー
ターハンマ現象による騒音が発生することが知られてい
る。
【0007】ここで、弁開時のウォーターハンマ現象に
ついて、上述した図28の電磁弁120を例に取って説
明する。ソレノイド107に通電すると、プランジャ1
06に形成されたニードル弁104が主弁102に形成
されたパイロット通路105を開き、これに伴って、チ
ャンバ108と主弁102との間に形成される隙間を介
して一次側に連通しているチャンバ108の圧力と、二
次側との圧力差が減少して、チャンバ108内の主弁1
02がプランジャ106側に移動し弁座103を開く。
【0008】この一連の動作においては、図30の特性
図に示すように、ニードル弁104がパイロット通路1
05を開くことで、圧力の低い二次側に吸引されるよう
に圧力の高い一次側から液冷媒が急速に流入して、一次
側の圧力P11が圧力の低い二次側の圧力P12に近づ
くように一時的に下がり、その後、プランジャ106の
移動に追従して主弁102が弁座103を開くと、一次
側から二次側に流入した液冷媒の流れが、二次側に接続
された絞り弁(図示せず)において遮断され又は絞られ
て、一次側と二次側との圧力P11,P12が一時的
に、元の一次側の圧力P11を上回る圧力まで一気に上
昇し、ウォーターハンマ現象が起こって騒音が発生して
しまう。
【0009】このように、上述した2つの従来技術はい
ずれも、ソレノイドのプランジャと吸引子との衝突とい
う構造的な要因による騒音の発生に対処することを目的
とした電磁弁であるため、そのような構造的要因による
騒音の発生は防止できても、上述した弁開時や弁閉時の
冷媒回路中での圧力変動に伴うウォーターハンマ現象の
発生には何ら対処することができないという不具合があ
った。
【0010】そして、ウォーターハンマ現象の解消に
は、弁の開閉時の当初において、液冷媒の流量を抑制
し、これにより、弁が最終的に全開や全閉となる時点で
の、一次側と二次側との圧力差を少なくしておくことが
必要であるが、そのような多段階の流量制御を従来の電
磁弁で行うには、ソレノイドの通電量を段階的に変化さ
せることが必要になり、そうすると、通電量が定格より
も低い中途段階で弁の開度を安定させて保持するため
に、その分だけ容量の大きいソレノイドを用いなければ
ならなくなり、コスト及びスペースの面で不利な面が発
生してしまう。
【0011】本発明は前記事情に鑑みなされたもので、
本発明の第1の目的は、冷媒回路における相互間に大き
な圧力差がある箇所に介設して動作させても、急激な圧
力変動により騒音の元となるウォーターハンマ現象が起
こるのを抑制又は防止することができる電磁弁を提供す
ることにあり、また、本発明の第2の目的は、この電磁
弁を開閉動作させる際に用いて好適な電磁弁駆動装置を
提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記第1の目的を達成す
るため請求項1に記載した本発明の電磁弁は、一次側と
二次側とを連通する弁座を開閉する主弁に形成された、
この主弁が収容されるチャンバと前記二次側とを連通す
るパイロット通路を、ソレノイドのプランジャに形成さ
れたニードル弁により開閉し、前記チャンバと前記一次
側及び前記二次側との圧力差により前記主弁による前記
弁座の開閉を行う電磁弁において、前記プランジャに嵌
装され前記ニードル弁による前記パイロット通路の開閉
方向において前記プランジャに対して相対移動可能なホ
ルダと、前記ホルダに形成され前記開閉方向において前
記主弁から離間する向きへの前記ホルダの移動を規制す
るホルダ移動規制部材と、前記ホルダ及び前記プランジ
ャのうち少なくとも一方に設けられ、前記ホルダ移動規
制部材により前記主弁から離間する向きへの移動が規制
された前記ホルダに対する前記プランジャの、前記主弁
に接近する向きへの移動を、前記弁座を閉じた前記主弁
の前記パイロット通路から前記ニードル弁が離間する箇
所までに規制するプランジャ移動規制部材と、前記ホル
ダに対して前記プランジャを前記主弁に接近する方向に
付勢するプランジャ付勢手段とを備え、前記プランジャ
付勢手段が、前記ソレノイドが通電により前記主弁から
離間する向きで前記プランジャに与える最大吸引力を下
回る付勢力を、前記プランジャ及び前記ホルダのうち一
方から他方に付与することを特徴とする。
【0013】また、請求項2に記載した本発明の電磁弁
は、前記プランジャが、前記ニードル弁が形成された弁
部と、該弁部を挟んで前記主弁側とは反対側に配置され
る基部とを有していて、前記ホルダを挿通して前記弁部
と前記基部とが連結されており、前記プランジャ付勢手
段が、前記ホルダを前記基部側から前記弁部側に向けて
付勢するものとした。
【0014】さらに、請求項3に記載した本発明の電磁
弁は、前記ソレノイドが、該ソレノイドの通電時に前記
プランジャを吸引する吸引子を有しており、該吸引子
が、前記ソレノイドの通電により前記最大吸引力で吸引
される前記プランジャとの衝突の衝撃を緩衝する緩衝部
材を有しているものとした。
【0015】また、前記第2の目的を達成するため、請
求項4に記載した本発明の電磁弁駆動装置は、請求項
1、2又は3記載の電磁弁を駆動させるための装置であ
って、供給源からの作動用電力を第1電力量で前記ソレ
ノイドに供給させる第1電力供給経路と、前記第1電力
供給経路と並列に設けられ、前記供給源からの前記作動
用電力を第2電力量で前記ソレノイドに供給させる第2
電力供給経路と、前記第1電力供給経路を開放状態と閉
成状態との間で変移させる第1スイッチ手段と、前記第
2電力供給経路を開放状態と閉成状態との間で変移させ
る第2スイッチ手段とを備え、前記第1電力量の前記作
動用電力の供給による前記ソレノイドの通電により、該
ソレノイドから前記プランジャに、前記付勢力を下回る
吸引力が前記主弁から離間する向きで与えられ、前記第
1電力量及び前記第2電力量を合成した電力量の前記作
動用電力の供給による前記ソレノイドの通電により、該
ソレノイドから前記プランジャに、前記最大吸引力が前
記主弁から離間する向きで与えられることを特徴とす
る。
【0016】さらに、請求項5に記載した本発明の電磁
弁駆動装置は、図1に基本構成図で示すように、前記ソ
レノイド5に対する前記作動用電力の供給指令と該作動
用電力の供給停止指令とを出力する電力供給指令手段1
3αと、前記供給指令の出力時に第1導通信号を出力す
ると共に、前記供給停止指令の出力時から所定時間t 2
経過後に前記第1導通信号の出力を停止する第1開閉指
令手段13βと、前記供給指令の出力時から所定時間t
1 経過後に第2導通信号を出力すると共に、前記供給停
止指令の出力時に前記第2導通信号の出力を停止する第
2開閉指令手段13γとをさらに備え、前記第1スイッ
チ手段TRaが、前記第1導通信号の入力により前記第
1電力供給経路αを開放状態から閉成状態に変移させる
と共に、前記第1導通信号の入力停止により前記第1電
力供給経路αを閉成状態から開放状態に変移させるよう
に構成されており、前記第2スイッチ手段TRbが、前
記第2導通信号の入力により前記第2電力供給経路βを
開放状態から閉成状態に変移すると共に、前記第2導通
信号の入力停止により前記第2電力供給経路βを閉成状
態から開放状態に変移するように構成されているものと
した。
【0017】また、請求項6に記載した本発明の電磁弁
駆動装置は、前記第1及び第2の各スイッチ手段が、外
部からの前記ソレノイドに対する前記作動用電力の供給
指令の入力により前記第1及び第2の各電力供給経路を
開放状態から閉成状態に各々変移させると共に、前記作
動用電力の供給停止指令の入力により前記第1及び第2
の各電力供給経路を閉成状態から開放状態に各々変移さ
せるように構成されており、前記第1スイッチ手段に対
する前記供給停止指令の出力を遅延させる停止指令遅延
手段と、前記第2スイッチ手段に対する前記供給指令の
出力を遅延させる供給指令遅延手段とをさらに備えるも
のとした。
【0018】さらに、請求項7に記載した本発明の電磁
弁駆動装置は、図2に基本構成図で示すように、前記供
給指令と前記供給停止指令とを出力する電力供給指令手
段13αをさらに備えるものとした。
【0019】また、請求項8に記載した本発明の電磁弁
駆動装置は、請求項1、2又は3記載の電磁弁を駆動さ
せるための装置であって、供給源からの作動用電力を第
1電力量で前記ソレノイドに供給させる第3電力供給経
路と、前記第3電力供給経路と並列に設けられ、前記供
給源からの前記作動用電力を第2電力量で前記ソレノイ
ドに供給させる第4電力供給経路と、前記供給源からの
前記作動用電力を基に生成される通電信号の入力により
前記第4電力供給経路を開放状態から閉成状態に変移さ
せると共に、前記通電信号の入力の停止により前記第4
電力供給経路を閉成状態から開放状態に変移させる第3
スイッチ手段と、前記第3スイッチ手段に入力される前
記通電信号を所定時間遅延させる通電信号遅延手段と、
前記ソレノイドに並列接続されたRC回路とを備え、前
記第1電力量の前記作動用電力の供給による前記ソレノ
イドの通電により、該ソレノイドから前記プランジャ
に、前記付勢力を下回る吸引力が前記主弁から離間する
向きで与えられ、前記第1電力量及び前記第2電力量を
合成した電力量の前記作動用電力の供給による前記ソレ
ノイドの通電により、該ソレノイドから前記プランジャ
に、前記最大吸引力が前記主弁から離間する向きで与え
られると共に、前記供給源からの前記作動用電力の供給
の停止により前記RC回路において過渡現象が発生し、
前記RC回路の前記過渡現象により、前記供給源からの
前記作動用電力の供給の停止後から、前記RC回路の時
定数に応じた所定時間に亘り継続して、前記第2電力量
未満で、且つ、前記第1電力量以上の前記作動用電力
が、前記RC回路から前記ソレノイドに供給されること
を特徴とする。
【0020】さらに、請求項9に記載した本発明の電磁
弁駆動装置は、図3に基本構成図で示すように、前記ソ
レノイド5に対する前記作動用電力の供給指令と該作動
用電力の供給停止指令とを出力する電力供給指令手段1
3αと、前記第3及び第4電力供給経路γ,δと前記供
給源11とを接続する第5電力供給経路εと、該第5電
力供給経路εを開放状態と閉成状態との間で変移させる
第4スイッチ手段TRdとをさらに備え、該第4スイッ
チ手段TRdが、前記作動用電力の供給指令の入力によ
り前記第5電力供給経路εを開放状態から閉成状態に変
移させると共に、前記作動用電力の供給停止指令の入力
により前記第5電力供給経路εを閉成状態から開放状態
に変移させるように構成されているものとした。
【0021】請求項1に記載した本発明の電磁弁によれ
ば、ソレノイドの通電によりプランジャが吸引される
際、その吸引力がプランジャ付勢手段の付勢力を下回る
程度の通電量であれば、ホルダがホルダ移動規制部材に
より主弁から離間する向きへの移動を規制された状態
で、プランジャ付勢手段によりホルダに対して主弁に接
近する方向に付勢されたプランジャが、弁座を閉じた場
合の主弁のパイロット通路をニードル弁が半開する箇所
において、プランジャ移動規制部材により、それ以上主
弁に接近する向きへの移動を規制される。
【0022】よって、電磁弁の開閉時に、ソレノイドの
通電量を当初は定格電流より小さい量に制御すると、ホ
ルダ移動規制部材によるホルダの主弁から離間する向き
への移動の規制により、チャンバと一次側及び二次側と
の圧力差によって定まる主弁の開方向への付勢力次第
で、主弁が弁座を閉じ且つニードル弁がパイロット通路
を半開する状態か、或は、主弁がプランジャに追従して
ニードル弁にパイロット通路が塞がれるまで移動して、
パイロット通路が全閉で主弁が弁座を半開した状態かの
どちらかに、安定して保持される。
【0023】従って、いずれにしても、弁座の開閉の際
に、弁座又はパイロット通路が半開されて、一次側と二
次側との圧力差が一気に変動するのではなく、徐々に変
動することとなり、これにより、弁座の開閉に伴う弁座
の通過流体の急激な流量変化の発生を抑制し、ひいて
は、これに伴うウォータハンマ現象の発生を確実に抑制
又は防止することが可能となる。
【0024】また、請求項2に記載した本発明の電磁弁
によれば、ソレノイドの通電停止時にプランジャを弁座
側に戻すのに復帰用付勢手段を用いる場合、ソレノイド
の通電量を抑制して弁座とパイロット通路とのうちどち
らかを半開状態にするのに、ホルダ移動規制部材やプラ
ンジャ移動規制部材による移動の規制、及び、プランジ
ャ付勢手段のバネ力は用いるものの、復帰用付勢手段の
バネ力は一切用いない。
【0025】従って、復帰用付勢手段のバネ力とソレノ
イドの通電によるプランジャの吸引力とのバランスで弁
座とパイロット通路とのうちどちらかを半開状態にする
という、ソレノイドの容量を大きくしなければ安定した
状態に保持できない構造になるのを防止することが可能
となる。
【0026】さらに、請求項3に記載した本発明の電磁
弁によれば、ソレノイドの通電によりプランジャがプラ
ンジャ付勢手段の付勢力を上回る吸引力で吸引されて吸
引子に衝突する際に、緩衝部材によりその衝突の衝撃が
緩和されるので、ウォータハンマによる騒音と共にプラ
ンジャの移動に伴う衝撃が原因の騒音の発生を合わせて
抑制し、電磁弁の起こす騒音を全体的に解消することが
可能となる。
【0027】また、請求項4に記載した本発明の電磁弁
駆動装置によれば、第1スイッチ手段により第1電力供
給経路が開放状態から閉成状態に変移されると、この第
1電力供給経路により供給源からの作動用電力が第1電
力量でソレノイドに供給され、プランジャ及びホルダの
うち一方から他方にプランジャ付勢手段が付与する付勢
力を下回る吸引力が、主弁から離間する向きでソレノイ
ドからプランジャに与えられる。
【0028】すると、主弁が弁座を閉じ且つニードル弁
がパイロット通路を半開する状態か、或は、主弁がプラ
ンジャに追従してニードル弁にパイロット通路が塞がれ
るまで移動して、パイロット通路が全閉で主弁が弁座を
半開した状態かのどちらかに、電磁弁が安定して保持さ
れる。
【0029】そして、第1スイッチ手段により第1電力
供給経路が開放状態から閉成状態に変移されたままの状
態で、第2スイッチ手段により第2電力供給経路が開放
状態から閉成状態に変移されると、この第2電力供給経
路による第2電力量の作動用電力と、既に閉成状態にあ
る第1電力供給経路による第1電力量の作動用電力とを
合成した電力量で、供給源からの作動用電力がソレノイ
ドに供給され、ソレノイドからプランジャに、主弁から
離間する向きの最大吸引力が与えられる。
【0030】すると、プランジャが主弁から離間する方
向に移動し、このプランジャに追従して主弁がニードル
弁にパイロット通路が塞がれるまで移動して、パイロッ
ト通路が全閉で主弁が弁座を全開した状態に、電磁弁が
安定して保持される。
【0031】従って、請求項1、2又は3記載の電磁弁
を弁閉状態から弁開状態に駆動させる際には、第1スイ
ッチ手段により第1電力供給経路を開放状態から閉成状
態に変移させ、それから時間をおいて、第2スイッチ手
段により第2電力供給経路を開放状態から閉成状態に変
移させることで、ソレノイドへの通電量を、ゼロから第
1電力量へ、次いで、第1電力量から第1電力量と第2
電力量とを合成した電力量へと、段階的に増加させて、
弁座を開く際に、弁座又はパイロット通路が半開された
状態を途中で確実に発生させることが可能となる。
【0032】同様に、請求項1、2又は3記載の電磁弁
を弁開状態から弁閉状態に駆動させる際には、第2スイ
ッチ手段により第2電力供給経路を閉成状態から開放状
態に変移させ、それから時間をおいて、第1スイッチ手
段により第1電力供給経路を閉成状態から開放状態に変
移させることで、ソレノイドへの通電量を、第1電力量
と第2電力量とを合成した電力量から第1電力量へ、次
いで、第1電力量からゼロへと、段階的に減少させて、
弁座を閉じる際に、弁座又はパイロット通路が半開され
た状態を途中で確実に発生させることが可能となる。
【0033】さらに、請求項5に記載した本発明の電磁
弁駆動装置によれば、ソレノイド5に対する作動用電力
の供給指令が電力供給指令手段13αから出力される
と、その時点で第1スイッチ手段TRaにより第1電力
供給経路αが開放状態から閉成状態に変移されて、この
第1電力供給経路αにより供給源11からの作動用電力
が第1電力量でソレノイド5に供給され、プランジャ5
5及びホルダのうち一方から他方にプランジャ付勢手段
が付与する付勢力を下回る吸引力が、主弁から離間する
向きでソレノイド5からプランジャ55に与えられる。
【0034】そして、ソレノイド5に対する作動用電力
の供給指令が電力供給指令手段13αから出力された時
点から所定時間t1 が経過すると、第2スイッチ手段T
Rbにより第2電力供給経路βが開放状態から閉成状態
に変移されて、この第2電力供給経路βによる第2電力
量の作動用電力と、先に閉成状態に変移された第1電力
供給経路αによる第1電力量の作動用電力とを合成した
電力量で、供給源11からの作動用電力がソレノイド5
に供給され、ソレノイド5からプランジャ55に、主弁
から離間する向きの最大吸引力が与えられる。
【0035】また、ソレノイド5に対する作動用電力の
供給停止指令が電力供給指令手段13αから出力される
と、その時点で第2スイッチ手段TRbにより第2電力
供給経路βが閉成状態から開放状態に変移されて、供給
源11からソレノイド5に供給される作動用電力が、第
1電力量及び第2電力量を合成した電力量から第1電力
量に変移する。
【0036】そして、ソレノイド5に対する作動用電力
の供給停止指令が電力供給指令手段13αから出力され
た時点から所定時間t2 が経過すると、第1スイッチ手
段TRaにより第1電力供給経路αが閉成状態から開放
状態に変移されて、供給源11からソレノイド5への作
動用電力の供給が停止され、ソレノイド5からの吸引力
がプランジャ55に付与されなくなる。
【0037】従って、請求項1、2又は3記載の電磁弁
の弁座を開く際や閉じる際に、弁座又はパイロット通路
が半開された状態が途中で発生するように、弁閉状態か
ら弁開状態に駆動させる際には、ソレノイド5への通電
量を、ゼロから第1電力量へ、次いで、第1電力量から
第1電力量と第2電力量とを合成した電力量へと、段階
的に確実に増加させ、同様に、電磁弁を弁開状態から弁
閉状態に駆動させる際には、ソレノイド5への通電量
を、第1電力量と第2電力量とを合成した電力量から第
1電力量へ、次いで、第1電力量からゼロへと、段階的
に確実に減少させることが可能となる。
【0038】また、請求項6に記載した本発明の電磁弁
駆動装置によれば、外部からの作動用電力の供給指令の
第2スイッチ手段に対する出力を供給指令遅延手段によ
り遅延させることで、第2スイッチ手段により第2電力
供給経路が開放状態から閉成状態に変移する時点を、第
1スイッチ手段により第1電力供給経路が開放状態から
閉成状態に変移する時点よりも遅延させ、これにより、
電磁弁を弁閉状態から弁開状態に駆動させる際に、ソレ
ノイドへの通電量を、ゼロから第1電力量へ、次いで、
第1電力量から第1電力量と第2電力量とを合成した電
力量へと、段階的に確実に増加させることが可能とな
る。
【0039】同様に、外部からの作動用電力の供給停止
指令の第1スイッチ手段に対する出力を停止指令遅延手
段により遅延させることで、第1スイッチ手段により第
1電力供給経路が閉成状態から開放状態に変移する時点
を、第2スイッチ手段により第2電力供給経路が閉成状
態から開放状態に変移する時点よりも遅延させ、これに
より、これにより、電磁弁を弁開状態から弁閉状態に駆
動させる際に、ソレノイドへの通電量を、第1電力量と
第2電力量とを合成した電力量から第1電力量へ、次い
で、第1電力量からゼロへと、段階的に確実に減少させ
ることが可能となる。
【0040】さらに、請求項7に記載した本発明の電磁
弁駆動装置によれば、ソレノイド5に対する作動用電力
の供給指令が電力供給指令手段13αから出力される
と、その時点で供給指令が入力される第1スイッチ手段
TRaにより、第1電力供給経路αが開放状態から閉成
状態に変移されて、この第1電力供給経路αにより供給
源11からの作動用電力が第1電力量でソレノイド5に
供給され、プランジャ55及びホルダのうち一方から他
方にプランジャ付勢手段が付与する付勢力を下回る吸引
力が、主弁から離間する向きでソレノイド5からプラン
ジャ55に与えられる。
【0041】そして、ソレノイド5に対する作動用電力
の供給指令が電力供給指令手段13αから出力された時
点から所定時間t1 が経過すると、その時点で供給指令
遅延手段DL2により遅延された供給指令が入力される
第2スイッチ手段TRbにより、第2電力供給経路βが
開放状態から閉成状態に変移されて、この第2電力供給
経路βによる第2電力量の作動用電力と、先に閉成状態
に変移された第1電力供給経路αによる第1電力量の作
動用電力とを合成した電力量で、供給源11からの作動
用電力がソレノイド5に供給され、ソレノイド5からプ
ランジャ55に、主弁から離間する向きの最大吸引力が
与えられる。
【0042】また、ソレノイド5に対する作動用電力の
供給停止指令が電力供給指令手段13αから出力される
と、その時点で供給停止指令が入力される第2スイッチ
手段TRbにより、第2電力供給経路βが閉成状態から
開放状態に変移されて、供給源11からソレノイド5に
供給される作動用電力が、第1電力量及び第2電力量を
合成した電力量から第1電力量に変移する。
【0043】そして、ソレノイド5に対する作動用電力
の供給停止指令が電力供給指令手段13αから出力され
た時点から所定時間t2 が経過すると、その時点で停止
指令遅延手段DL1により遅延された供給停止指令が入
力される第1スイッチ手段TRaにより、第1電力供給
経路αが閉成状態から開放状態に変移されて、供給源1
1からソレノイド5への作動用電力の供給が停止され、
ソレノイド5からの吸引力がプランジャ55に付与され
なくなる。
【0044】従って、供給指令の第2スイッチ手段TR
bへの出力を供給指令遅延手段DL2により遅延させる
ことで、第1スイッチ手段TRaによる第1電力供給経
路αの開放状態から閉成状態への変移よりも、第2スイ
ッチ手段TRbによる第2電力供給経路βの開放状態か
ら閉成状態への変移を遅延させて、電磁弁11を弁閉状
態から弁開状態に駆動させる際に、電磁弁11の駆動の
ために供給指令や供給停止指令から時間差のある2つの
信号を生成する必要をなくし、その分だけ信号生成系及
び信号出力系の動作を簡略化することが可能となる。
【0045】同様に、供給停止指令の第1スイッチ手段
TRaへの出力を停止指令遅延手段DL1により遅延さ
せることで、第2スイッチ手段TRbによる第2電力供
給経路βの閉成状態から開放状態への変移よりも、第1
スイッチ手段TRaによる第1電力供給経路αの閉成状
態から開放状態への変移を遅延させて、電磁弁11を弁
開状態から弁閉状態に駆動させる際に、電磁弁11の駆
動のために供給指令や供給停止指令から時間差のある2
つの信号を生成する必要をなくし、その分だけ信号生成
系及び信号出力系の動作を簡略化することが可能とな
る。
【0046】また、請求項8に記載した本発明の電磁弁
駆動装置によれば、供給源からの作動用電力の供給が開
始されると、この時点で作動用電力が第3電力供給経路
により第1電力量でソレノイドに供給され、プランジャ
及びホルダのうち一方から他方にプランジャ付勢手段が
付与する付勢力を下回る吸引力が、主弁から離間する向
きでソレノイドからプランジャに与えられる。
【0047】すると、主弁が弁座を閉じ且つニードル弁
がパイロット通路を半開する状態か、或は、主弁がプラ
ンジャに追従してニードル弁にパイロット通路が塞がれ
るまで移動して、パイロット通路が全閉で主弁が弁座を
半開した状態かのどちらかに、電磁弁が安定して保持さ
れる。
【0048】そして、供給源からの作動用電力の供給が
開始された時点から所定時間経過し、供給源からの作動
用電力を基に生成されて通電信号遅延手段により遅延さ
れた通電信号が第3スイッチ手段に入力されて、第4電
力供給経路が開放状態から閉成状態に変移されると、こ
の第4電力供給経路による第2電力量の作動用電力と、
既に第3電力供給経路により供給されている第1電力量
の作動用電力とを合成した電力量で、供給源からの作動
用電力がソレノイドに供給され、ソレノイドからプラン
ジャに、主弁から離間する向きの最大吸引力が与えられ
る。
【0049】すると、プランジャが主弁から離間する方
向に移動し、このプランジャに追従して主弁がニードル
弁にパイロット通路が塞がれるまで移動して、パイロッ
ト通路が全閉で主弁が弁座を全開した状態に、電磁弁が
安定して保持される。
【0050】また、供給源からの作動用電力の供給が停
止されると、その時点で第3スイッチ手段により第4電
力供給経路が閉成状態から開放状態に変移されて、第4
電力供給経路による第2電力量での供給源からの作動用
電力の供給が停止すると共に、第3電力供給経路による
第1電力量での供給源からの作動用電力の供給が停止す
る。
【0051】その一方で、供給源からの電力の供給が停
止されると、ソレノイドに並列接続されたRC回路にお
いて発生する過渡現象によって、RC回路の時定数に応
じた所定時間に亘ってこのRC回路を電流が流れ、この
電流の流れによって、RC回路が並列接続されたソレノ
イドに、第2電力量未満で、且つ、第1電力量以上の作
動用電力が供給される。
【0052】これにより、供給源からの電力の供給が停
止された後、RC回路の時定数に応じた所定時間に亘っ
て、主弁が弁座を閉じ且つニードル弁がパイロット通路
を半開する状態か、或は、主弁がプランジャに追従して
ニードル弁にパイロット通路が塞がれるまで移動して、
パイロット通路が全閉で主弁が弁座を半開した状態かの
どちらかに、電磁弁が安定して保持される。
【0053】そして、RC回路の時定数に応じた所定時
間が経過すると、過渡現象によりRC回路を流れる電流
の低下で、RC回路からソレノイドに供給される作動用
電力の電力量が第1電力量未満となり、やがては、RC
回路の過渡現象の終了で、RC回路からソレノイドに作
動用電力が供給されなくなって、ソレノイドからの吸引
力が付与されなくなったプランジャが、主弁のパイロッ
ト通路を全閉したまま主弁を押しながら元の位置に復帰
して、チャンバと一次側及び二次側との圧力差により主
弁が弁座を全閉する状態に電磁弁が復帰する。
【0054】従って、請求項1、2又は3記載の電磁弁
を弁閉状態から弁開状態に駆動させる際に、ソレノイド
への通電量を、ゼロから第1電力量へ、次いで、第1電
力量から第1電力量と第2電力量とを合成した電力量へ
と、段階的に増加させ、同様に、電磁弁を弁開状態から
弁閉状態に駆動させる際においても、ソレノイド5の通
電量を、第1電力量と第2電力量とを合成した電力量か
ら、第2電力量未満で、且つ、第1電力量以上の電力量
へ、次いで、第2電力量未満で、且つ、第1電力量以上
の電力量からゼロへと、段階的に減少させて、弁座を開
く際や閉じる際に、弁座又はパイロット通路が半開され
た状態を途中で確実に発生させることが可能となる。
【0055】さらに、請求項9に記載した本発明の電磁
弁駆動装置によれば、ソレノイド5に対する作動用電力
の供給指令が電力供給指令手段13αから出力される
と、その時点で第4スイッチ手段TRdにより第5電力
供給経路εが開放状態から閉成状態に変移されて、この
第5電力供給経路εと第3電力供給経路γにより供給源
11からの作動用電力が第1電力量でソレノイド5に供
給され、プランジャ55及びホルダのうち一方から他方
にプランジャ付勢手段が付与する付勢力を下回る吸引力
が、主弁から離間する向きでソレノイド5からプランジ
ャ55に与えられる。
【0056】そして、ソレノイド5に対する作動用電力
の供給指令が電力供給指令手段13αから出力された時
点から所定時間t1 が経過すると、その時点で通電信号
遅延手段DL3により遅延された通電信号が入力される
第3スイッチ手段TRcにより、第4電力供給経路δが
開放状態から閉成状態に変移されて、この第4電力供給
経路δによる第2電力量の作動用電力と、既に供給源1
1に接続されている第3電力供給経路γによる第1電力
量の作動用電力とを合成した電力量で、供給源11から
の作動用電力がソレノイド5に供給され、ソレノイド5
からプランジャ55に、主弁から離間する向きの最大吸
引力が与えられる。
【0057】また、ソレノイド5に対する作動用電力の
供給停止指令が電力供給指令手段13αから出力される
と、その時点で通電信号の入力が停止される第3スイッ
チ手段TRcにより、第4電力供給経路δが閉成状態か
ら開放状態に変移されて、第4電力供給経路δによる第
2電力量での供給源11からの作動用電力の供給が停止
すると共に、第3電力供給経路γによる第1電力量での
供給源11からの作動用電力の供給が停止する。
【0058】その一方で、供給源11からの電力の供給
が停止されると、ソレノイド5に並列接続されたRC回
路Xにおいて発生する過渡現象によって、RC回路Xの
時定数に応じた所定時間t2 に亘ってこのRC回路Xを
電流が流れ、この電流の流れによって、RC回路Xが並
列接続されたソレノイド5に、第2電力量未満で、且
つ、第1電力量以上の作動用電力が供給される。
【0059】そして、RC回路Xの時定数に応じた所定
時間t2 が経過すると、過渡現象によりRC回路Xを流
れる電流の低下で、RC回路Xからソレノイド5に供給
される作動用電力の電力量が第1電力量未満となり、や
がては、RC回路Xの過渡現象の終了で、RC回路Xか
らソレノイド5に作動用電力が供給されなくなって、ソ
レノイド5からの吸引力がプランジャ55に付与されな
くなる。
【0060】従って、第4スイッチ手段TRdによる第
5電力供給経路εの開放状態から閉成状態への変移に伴
って生成される通電信号の、第3スイッチ手段TRcへ
の出力を、通電信号遅延手段DL3により遅延させるこ
とで、第3電力供給経路γによる第1電力量での供給源
11からの作動用電力の供給の開始よりも、第3スイッ
チ手段TRcによる第4電力供給経路δの開放状態から
閉成状態への変移を遅延させて、電磁弁11を弁閉状態
から弁開状態に駆動させる際に、電磁弁11の駆動のた
めに供給指令や供給停止指令から時間差のある2つの信
号を生成する必要をなくし、その分だけ信号生成系及び
信号出力系の動作を簡略化することが可能となる。
【0061】同様に、第4スイッチ手段TRdによる第
5電力供給経路εの閉成状態から開放状態への変移に伴
って発生する過渡現象により、RC回路Xを流れる電流
によって、RC回路Xが並列接続されたソレノイド5
に、第2電力量未満で、且つ、第1電力量以上の作動用
電力を、RC回路Xの時定数に応じた所定時間t2 に亘
って供給させることで、第3スイッチ手段TRcによる
第4電力供給経路δの閉成状態から開放状態への変移よ
りも、RC回路Xの過渡現象に起因してソレノイド5に
供給される作動用電力が第1電力量を下回る時点を遅延
させて、電磁弁11を弁開状態から弁閉状態に駆動させ
る際に、電磁弁11の駆動のために供給指令や供給停止
指令から時間差のある2つの信号を生成する必要をなく
し、その分だけ信号生成系及び信号出力系の動作を簡略
化することが可能となる。
【0062】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態について
図面を参照して説明する。
【0063】尚、ここでは、車両の冷房装置において冷
媒回路を開閉する電磁弁と、この電磁弁を駆動させるた
めの装置とを有する、本発明の電磁弁と電磁弁駆動装置
とが適用される電磁弁システムを例に取り、第1乃至第
3の3つの実施形態について説明することにする。
【0064】まず、本発明の第1乃至第3の各実施形態
に係る電磁弁システムに共通して用いられる電磁弁を、
図4乃至図13を参照して説明する。
【0065】図4は第1乃至第3の各実施形態に係る電
磁弁の断面図で、図4中引用符号1で示す本実施形態の
電磁弁は、本体部3、ソレノイド5、これら本体部3と
ソレノイド5とを連結する連結部7、並びに、主弁9を
備えている。
【0066】前記本体部3は、凝縮器及びレシーバ(い
ずれも図示せず)側、つまり、一次側に接続されて液冷
媒(図示せず)が流入する流入口31と、蒸発器側、つ
まり、二次側に接続されて前記液冷媒が流出する流出口
33と、この流出口33に連通して形成された弁座35
と、前記流入口31に連通して形成されその内部に前記
弁座35が開口された弁室37とを有している。
【0067】前記流入口31及び流出口33は略一直線
上に配置されていて、流出口33の流入口31寄り部分
が略L字状に折曲されており、この折曲された流出口3
3部分の終端に前記弁座35が形成され、この弁座35
を囲み弁座35と同心円上に位置するように、前記弁室
37が略円筒状に形成されていて、弁室37の内周に
は、前記連結部7の取付用の雌ねじ部37aが形成され
ている。
【0068】前記ソレノイド5は、固定鉄心を構成する
吸引子51と、この吸引子51の回りに巻回されたコイ
ル53と、前記吸引子51と同軸上に位置するようにコ
イル53内に挿通されたプランジャ55と、このプラン
ジャ55に嵌挿されたホルダ57とを有しており、前記
吸引子51のプランジャ55側の端面には、深くなるに
つれて径が若干小さくなる略円錐台状の凹部51aが形
成されていて、この凹部51a内に、中心に突起51b
を有する円板状の弾性体からなる緩衝部材51cが収容
されている。
【0069】前記ホルダ57は、図5に弁部分の要部拡
大断面図で示すように、前記吸引子51と略等しい外径
の円柱状を呈しており、このホルダ57の一端外周には
環状のフランジ57aが形成されている。また、フラン
ジ57a側のホルダ57の端部には円柱状の凹部57b
が形成されており、フランジ57a側とは反対側のホル
ダ57の端部には、凹部57bよりも小さい内径で通孔
57cが形成されている。
【0070】前記プランジャ55は、基部55a、弁部
55e、並びに、ニードル弁バネ55jを有している。
【0071】前記基部55aは、前記ホルダ57と略等
しい外径の円筒状に形成されており、基部55aの内部
で軸方向略中間付近の部分には、内径が大径から小径に
変わる段差部55bが形成されていて、この段差部55
bよりも大径側の基部55a箇所には、基部55aの軸
心を通り径方向に貫通する通孔55cが形成されてお
り、段差部55bよりも小径部側の基部55aの端部に
は、先細りの略円錐台状を呈し吸引子51の凹部51a
に対応する凸部55dが突設されている。尚、基部55
aのうち段差部55bよりも大径側は、ホルダ57の通
孔57cと略等しい内径で形成されている。
【0072】前記弁部55eは、基部55aの大径部分
の内径に対応する外径の円柱状を呈しており、弁部55
eの一端寄り部分には、弁部55eの軸心を通り径方向
に貫通する通孔55fが、基部55aの通孔55cより
も小さい内径で形成されており、この通孔55fとは反
対側の弁部55eの端部には、ホルダ57の凹部57b
に挿入可能な大径で環状のフランジ55gが形成されて
いて、このフランジ55gの略中心に円錐状のニードル
弁55hが突設されている。
【0073】前記ニードル弁バネ55j(プランジャ付
勢手段に相当)は、ホルダ57の凹部57bに収容可能
で且つフランジ55gを除く弁部55e部分に嵌装可能
な寸法で形成されている。
【0074】これら基部55a、弁部55e、並びに、
ニードル弁バネ55jを有するプランジャ55及びホル
ダ57の組み付けは、次のようにして行う。
【0075】まず、ホルダ57の通孔55f側の端部
を、基部55aの段差部55bよりも大径側の端部に当
て付けると共に、ホルダ57の凹部57b内にニードル
弁バネ55jを収容しておく。次に、この状態で通孔5
5f寄りの端部側から弁部55eをホルダ57の凹部5
7bに挿入してニードル弁バネ55jの内部を挿通さ
せ、さらに、ホルダ57の通孔57cを挿通して基部5
5aの内部に挿入し、弁部55eの通孔55f寄りの端
部を基部55aの段差部55bに当て付ける。
【0076】これにより、基部55aの軸方向における
基部55aの通孔55cと弁部55eの通孔55fとの
位置が一致するので、周方向においても互いの位置を合
わせた上で、これら通孔55c,55fに亘ってストッ
パピン55kを嵌挿する。
【0077】以上の作業でプランジャ55及びホルダ5
7の組み付けが完了し、これによりプランジャ55及び
ホルダ57は、図6に図5とは周方向に90゜向きを変
えた拡大断面図に示すように、弁部55eの通孔55f
に嵌挿したストッパピン55kが基部55aの通孔55
cのホルダ57寄りに偏心して位置すると共に、ニード
ル弁バネ55jがホルダ57の凹部57bの底面と弁部
55eのフランジ55gとの間に収縮状態に配置された
状態となる。
【0078】従って、ニードル弁バネ55jの弾発力に
よりホルダ57は基部55aに当て付けられ、また、弁
部55eはホルダ57の凹部57bから突出する方向に
付勢され、この付勢により弁部55eのフランジ55g
は、ホルダ57のフランジ57aからホルダ57の外方
に突出した箇所に位置する。即ち、本実施形態では、請
求項中のプランジャ移動規制部材が基部55aで構成さ
れている。
【0079】尚、図5中引用符号59はプランジャチュ
ーブを示し、このプランジャチューブ59は、プランジ
ャ55及びホルダ57のフランジ57aを除く部分が挿
通可能な内径の円筒状の薄板により形成されている。
【0080】前記連結部7は、略円筒状を呈しており、
連結部7の内部には、内径が大径から小径に変わる段差
部71が形成されていて、この段差部71よりも小径側
の部分は、プランジャチューブ59の外径に対応する内
径で形成されており、段差部71に対応する連結部7の
外周部分には環状のフランジ73が形成されている。
【0081】そして、前記段差部71よりも大径側の連
結部7部分の外周には、本体部3の弁室37に形成され
た雌ねじ部37aに螺着可能な雄ねじ部75が形成され
ており、この雄ねじ部75を本体部3の雌ねじ部37a
に螺着した状態で弁室37に連通するチャンバ77が、
連結部7の内部で段差部71よりも大径側の部分によっ
て構成されている。
【0082】前記主弁9は、前記連結部7のチャンバ7
7の内径よりも僅かに小さい外径の円筒状に形成されて
いて、主弁9の中心軸上には、プランジャ55の弁部5
5eのニードル弁55hにより開閉されるパイロット通
路91が貫設されており、本体部3の雌ねじ部37aに
連結部7の雄ねじ部75を螺着した状態で、主弁9がチ
ャンバ77の内部を段差部71に対して接近離間する方
向に、ニードル弁55hの突出高さAよりも大きいスト
ロークで移動できるように構成されている。
【0083】また、前記主弁9は、外径が次第に変わる
略円錐台状を呈する主弁バネ93と共に本体部3の弁室
37に収容され、本体部3の雌ねじ部37aに連結部7
の雄ねじ部75を螺着した状態で、主弁バネ93の小径
側が主弁9の一端に当接すると共に大径側が弁室37の
底面に当接し、この主弁バネ93により主弁9は、弁座
35から離間してこれを開く方向に、極めて僅かな力で
付勢されている。
【0084】そして、以上に説明した構成の本体部3、
ソレノイド5、連結部7、並びに、主弁9を備える本実
施形態の電磁弁1の組み付けは、次のようにして行う。
【0085】まず、吸引子51の凹部51a側にプラン
ジャチューブ59の一端側を溶接等により取着し、さら
に、プランジャチューブ59の他端側を、連結部7の段
差部71よりも小径側の部分の内周壁部分にろう付け等
により取着する。
【0086】次に、プランジャ55の基部55aの凸部
55d側から、基部55aの内部の段差部55bよりも
小径部側の部分に、プランジャバネ55mを収容して、
このプランジャバネ55mの部分を凸部55dから基部
55aの外方に突出させた状態で、連結部7側からプラ
ンジャチューブ59の内部に、プランジャ55を基部5
5aの凸部55d側から挿入し、この凸部55dから基
部55aの外方に突出するプランジャバネ55mの部分
を、吸引子51の緩衝部材51cの突起51bに嵌着す
る。
【0087】続いて、主弁9を連結部7のチャンバ77
に収容すると共に、主弁9の端部外周に主弁バネ93の
一端を係合し、この状態で、連結部7の雄ねじ部75を
本体部3の雌ねじ部37aに螺着して、本体部3の弁座
35に主弁9の端面を当て付けると共に、弁座35の外
側に主弁バネ93を収縮状態で配置する。
【0088】最後に、上述したようにして連結部7及び
本体部3がプランジャチューブ59を介して取着された
吸引子51をコイル53内に挿通し、ボルト51dによ
り吸引子51を固定する。これにより、電磁弁1の組み
付けが終了する。
【0089】上述した構成の電磁弁1は、ソレノイド5
のコイル53に全く通電していない状態では、図5に示
すように、プランジャバネ55mの弾発力によりプラン
ジャ55の基部55aが吸引子51から離間して弁座3
5側に押し出され、且つ、ニードル弁バネ55jの弾発
力によりホルダ57が基部55aに当て付けられてい
て、ホルダ57のフランジ57aが連結部7の段差部7
1よりも、ニードル弁55hの突出高さAよりも小さい
間隔Bだけ離間して弁座35寄りに位置する。
【0090】また、ソレノイド5のコイル53に全く通
電していない状態では、ニードル弁バネ55jの弾発力
によりホルダ57の凹部57bから突出する方向に付勢
された弁部55eのフランジ55gが、連結部7の段差
部71よりも弁座35寄りに位置したフランジ57aか
らホルダ57の外方に突出した箇所に位置し、このフラ
ンジ55gのニードル弁55hが主弁9に押し付けられ
て、パイロット通路91がニードル弁55hにより全閉
されると共に、プランジャ55の弁部55eから主弁9
を介して押された主弁バネ93が収縮して、主弁9が弁
座35に押し当てられてこの弁座35が全閉される。
【0091】尚、本実施形態における前記ニードル弁バ
ネ55j、プランジャバネ55m、及び、主弁バネ93
のバネ力については、以下の電磁弁1の動作説明の際に
解説することとする。
【0092】次に、上述した構成による本実施形態の電
磁弁1の動作(作用)について説明する。
【0093】まず、上述したソレノイド5のコイル53
に全く通電していない電磁弁1の弁閉状態では、流入口
31側の液冷媒が主弁9の外周との僅かな隙間を通って
チャンバ77に流入し、これにより、チャンバ77内の
液冷媒の圧力は、流入口31側、つまり、凝縮器及びレ
シーバ側と同じ圧力となり、弁座35に連通する流出口
33、つまり、蒸発器側より高くなる。
【0094】ここで、電磁弁1を弁開状態とするため
に、まずは、定格電流よりも低い電流、例えば、本実施
形態の場合には、定格電流の50%の電流をコイル53
に通電してプランジャ55に吸引子51側への吸引力を
働かせると、プランジャバネ55mはその弾発力よりも
プランジャ55の吸引力の方が勝るため収縮するもの
の、ニードル弁バネ55jはその弾発力の方がプランジ
ャ55の吸引力よりも勝るため全く収縮しない。
【0095】従って、プランジャ55の基部55aにホ
ルダ57が当て付けられて、弁部55eのフランジ55
gがホルダ57の凹部57bから突出したままの状態
で、ホルダ57のフランジ57aが連結部7の段差部7
1に当接するまでプランジャ55が吸引子51側に移動
する。
【0096】そして、プランジャバネ55mの弾発力よ
りもプランジャ55の吸引力の方が勝り、且つ、このプ
ランジャ55の吸引力よりもニードル弁バネ55jの弾
発力の方が勝ることから、プランジャ55は、上述し
た、基部55aにホルダ57が当て付けられて弁部55
eのフランジ55gがホルダ57の凹部57bから突出
し、且つ、ホルダ57のフランジ57aが連結部7の段
差部71に当接した状態に安定して保持される。
【0097】このときの主弁9の動作は、チャンバ77
内の液冷媒の圧力と流入口31側の液冷媒の圧力との差
圧、及び、チャンバ77内の液冷媒の圧力と流出口33
側の液冷媒の圧力との差圧のバランスにより、2通りに
分かれ、この差圧のバランスは、ニードル弁55hがパ
イロット通路91を全閉している状態では、流入口31
側の液冷媒が主弁9の外周との僅かな隙間を通ってチャ
ンバ77に流入する流量によって定まる。
【0098】また、ニードル弁55hがパイロット通路
91を僅かでも開いている状態では、流入口31からチ
ャンバ77への液冷媒の流入量に加えて、パイロット通
路91を介してチャンバ77から流出口33へ流出する
液冷媒の量によって定まる。
【0099】そして、チャンバ77内の液冷媒の圧力を
流入口31側の液冷媒の圧力が上回って主弁9を弁座3
5から離間させる向きに働く力よりも、チャンバ77内
の液冷媒の圧力を流出口33側の液冷媒の圧力が下回っ
て主弁9を弁座35側に吸引するように働く力が勝って
いれば、図7に要部拡大断面図で示すように、主弁バネ
93が収縮して主弁9が弁座35を全閉したままとな
り、従って、プランジャ55の吸引子51側への移動に
伴って、ニードル弁55hがその突出高さAよりも小さ
い間隔Bだけ主弁9のパイロット通路91から離間し
て、パイロット通路91が半開状態となる。
【0100】一方、チャンバ77内の液冷媒の圧力を流
入口31側の液冷媒の圧力が上回って主弁9を弁座35
から離間させる向きに働く力が、チャンバ77内の液冷
媒の圧力を流出口33側の液冷媒の圧力が下回って主弁
9を弁座35側に吸引するように働く力よりも勝ってい
れば、図8に拡大断面図で示すように、主弁バネ93の
弾発力により主弁9が、プランジャ55の吸引子51側
への移動に追従して、前記間隔Bだけ主弁9が弁座35
から離間し、これにより、ニードル弁55hはパイロッ
ト通路91を全閉したまま、弁座35が半開状態とな
る。
【0101】そして、図7に示すように、主弁9が弁座
35を全閉したままニードル弁55hがパイロット通路
91を半開すると、チャンバ77内の液冷媒が僅かずつ
パイロット通路91を通って流出口33側に流入し、ま
た、図8に示すように、ニードル弁55hがパイロット
通路91を全閉したまま主弁9が弁座35を半開する
と、弁室37内の液冷媒が僅かずつ弁座35を通って流
出口33側に流入する。
【0102】この場合、流入口31側と流出口33側と
の各圧力の変動特性は、パイロット通路91が半開した
際と弁座35が半開した際とでは厳密には一致しないも
のの、おおよそ、図9の特性図に示すようになる。
【0103】即ち、定格電流の50%の電流をコイル5
3に通電して、プランジャ55に吸引子51側への吸引
力を働かせた時点T1以降の流入口31側の液冷媒の圧
力P1は、流出口33側への液冷媒の流入が僅かずつで
あることから、一瞬僅かに下がるものの直ぐに元の圧力
に戻って、それ以降は略変動しない。
【0104】一方、流出口33側の液冷媒の圧力P2
は、半開のパイロット通路91か弁座35を通って流入
口31乃至チャンバ77側から流入する液冷媒により徐
々に上がって、流入口31側の液冷媒の圧力P1に近づ
いていく。
【0105】その後、流出口33側の液冷媒の圧力P2
と流入口31側の液冷媒の圧力P1との差圧がある程度
の大きさ以内に収まりそうなタイミングを見計らって、
コイル53に定格電流の100%の電流を通電してプラ
ンジャ55に吸引子51側への吸引力を最大に働かせる
と、ニードル弁バネ55jが、その弾発力よりもプラン
ジャ55の吸引力の方が勝るため収縮する。
【0106】従って、弁部55eと基部55aが吸引子
51に吸引されて、ニードル弁55hの突出高さAより
も大きい最大間隔C(図10及び図11参照)だけ、弁
座35から離間するようにホルダ57に対して相対移動
し、弁部55eのフランジ55gがホルダ57の凹部5
7bに収容される。
【0107】すると、この時点では、流出口33側の液
冷媒の圧力P2が流入口31側の液冷媒の圧力P1にあ
る程度近づいており、その分だけ、チャンバ77内の液
冷媒の圧力を流出口33側の液冷媒の圧力が下回って主
弁9を弁座35側に吸引するように働く力が弱まってい
ることから、チャンバ77内の液冷媒の圧力を流入口3
1側の液冷媒の圧力が上回って主弁9を弁座35から離
間させる向きに働く力の方が勝ることとなる。
【0108】このため、図7に示す、主弁9が弁座35
を全閉しニードル弁55hがパイロット通路91を半開
した状態から、コイル53に定格電流の100%の電流
を通電したのであれば、図10に拡大断面図で示すよう
に、主弁9が弁座35を全閉したまま、弁部55eのニ
ードル弁55hがその突出高さAよりも大きい最大間隔
Cだけ主弁9のパイロット通路91から離間して、パイ
ロット通路91が全開状態となる。
【0109】そして、この状態をほんの一瞬だけ経て、
さらに図11に拡大断面図で示すように、流入口31側
の液冷媒の圧力により主弁9に働く力によって、主弁9
が弁部55eに追従して弁座35から離間し、パイロッ
ト通路91がニードル弁55hに当たって全閉状態にな
ると共に、主弁9が前記最大間隔Cだけ弁座35から離
間して全開状態となり、これにより、電磁弁1が弁開状
態となる。
【0110】一方、図8に示す、ニードル弁55hがパ
イロット通路91を全閉し主弁9が弁座35を半開した
状態から、コイル53に定格電流の100%の電流を通
電したのであれば、図12に拡大断面図で示すように、
主弁9が弁座35を半開した状態のまま、弁部55eの
ニードル弁55hがその突出高さAだけ主弁9のパイロ
ット通路91から離間して、パイロット通路91が全開
状態となる。
【0111】そして、この状態をほんの一瞬だけ経て、
さらに図11に示すように、流入口31側の液冷媒の圧
力により主弁9に働く力によって、主弁9が弁部55e
に追従して弁座35から離間し、パイロット通路91が
ニードル弁55hに当たって全閉状態になると共に、主
弁9が前記最大間隔Cだけ弁座35から離間して全開状
態となり、これにより、電磁弁1が弁開状態となる。
【0112】この場合の流入口31側と流出口33側と
の各圧力の変動特性は、パイロット通路91の半開から
弁座35が全開した際と、弁座35が半開から全開に変
わった際とでは厳密には一致しないものの、パイロット
通路91や弁座35の半開の際と同じく、おおよそ、図
9に示す通りになる。
【0113】即ち、定格電流の100%の電流をコイル
53に通電してプランジャ55に吸引子51側への吸引
力を働かせた時点T2以降の流入口31側の液冷媒の圧
力P1は、流出口33側の液冷媒の圧力P2との差圧が
ある程度の大きさ以内に収まっていることから、パイロ
ット通路91や弁座35の半開状態に比べて流入口31
側から流出口33側への液冷媒の流入量が増えているも
のの、その影響で下がることはない。
【0114】一方、流出口33側の液冷媒の圧力P2
は、全開の弁座35を通って流入口31乃至チャンバ7
7側から流入する液冷媒により、パイロット通路91や
弁座35の半開状態の際よりも加速して上がり、流入口
31側の液冷媒の圧力P1に略一致する。
【0115】そして、定格電流の100%の電流のコイ
ル53への通電により弁座35が全開する時点では、パ
イロット通路91や弁座35の半開状態における、流入
口31側から流出口33側への液冷媒の僅かずつの流入
によって、流入口31側の液冷媒の圧力P1と流出口3
3側の液冷媒の圧力P2との差圧がある程度の大きさ以
内に収まっていることから、その差圧が弁座35の全開
によって一気になくなったとしても、ウォータハンマ現
象は殆ど起こらず、従って、これによる大きな騒音が発
生することはない。
【0116】これに対し、電磁弁1の弁閉状態とするた
めに、まずは、コイル53への通電量を定格電流の10
0%から50%に下げて、プランジャ55に働く吸引子
51側への吸引力を下げると、プランジャバネ55mは
その弾発力よりもプランジャ55の吸引力の方が勝るた
め収縮したままであるが、ニードル弁バネ55jはその
弾発力の方がプランジャ55の吸引力よりも勝るため伸
張する。
【0117】従って、ニードル弁バネ55jの伸張によ
り、ホルダ57のフランジ57aが連結部7の段差部7
1に当接したまま、弁部55eのフランジ55gがホル
ダ57の凹部57bから突出すると共に、これに連動し
てプランジャ55の基部55aが吸引子51から離間
し、また、弁部55eに押されて、ニードル弁55hに
よりパイロット通路91が全閉された主弁9が主弁バネ
93の弾発力に抗して弁座35側に移動して、図8に示
す、ニードル弁55hがパイロット通路91を全閉し主
弁9が弁座35を半開した状態に移行する。
【0118】すると、流入口31側から流出口33側へ
の液冷媒の流入量が減少し、蒸発器側での液冷媒の蒸発
に伴って、流出口33側の液冷媒の圧力P2が次第に流
入口31側の液冷媒の圧力P1よりも低くなっていく。
【0119】その後、流出口33側の液冷媒の圧力P2
と流入口31側の液冷媒の圧力P1との差圧がある程度
の大きさ以上に開きそうなタイミングを見計らって、コ
イル53への通電を停止すると、プランジャ55に吸引
子51側への吸引力が全く働かなくなり、従って、ニー
ドル弁バネ55jに加えてプランジャバネ55mが、そ
の弾発力によって伸張する。
【0120】従って、プランジャバネ55mの伸張によ
り、弁部55eのフランジ55gがホルダ57の凹部5
7bから突出したまま、ホルダ57のフランジ57aが
連結部7の段差部71から離間し、これにより、プラン
ジャ55の全体が弁座35側に移動すると共に、このプ
ランジャ55全体で移動する弁部55nに押されて、ニ
ードル弁55hによりパイロット通路91が全閉された
主弁9が主弁バネ93の弾発力に抗して弁座35側に移
動して、図5に示す、ニードル弁55h及び主弁9がパ
イロット通路91及び弁座35を各々全閉した状態に移
行し、これにより、電磁弁1が弁開状態となる。
【0121】すると、ニードル弁55h及び主弁9がパ
イロット通路91及び弁座35を各々全閉することで、
流入口31側から流出口33側への液冷媒の流入が一切
遮断され、これにより、蒸発器側での液冷媒の蒸発に伴
い流出口33側の液冷媒の圧力P2が流入口31側の液
冷媒の圧力P1よりも低くなる度合いが、弁座35を主
弁9が半開していた状態から加速される。
【0122】しかし、ニードル弁55h及び主弁9がパ
イロット通路91及び弁座35を各々全閉する時点で
は、弁座35を主弁9が半開していた間に、蒸発器側で
の液冷媒の蒸発に伴い流出口33側の液冷媒の圧力P2
が流入口31側の液冷媒の圧力P1よりもある程度以上
低くなっていることから、ニードル弁55h及び主弁9
がパイロット通路91及び弁座35を各々全閉すること
によって、流出口33側の液冷媒の圧力P2の下がる度
合いが加速されても、ウォータハンマ現象は殆ど起こら
ず、従って、これによる大きな騒音が発生することはな
い。
【0123】尚、図13はプランジャ55のニードル弁
55hの位置、つまり、プランジャリフトLを横軸に取
り、ソレノイド5のコイル53に対する通電量に応じた
プランジャ55に与える吸引力Fや、プランジャバネ5
5m及びニードル弁バネ55jがプランジャ55に作用
するバネ力Wを縦軸に取った、これらの相関を示すグラ
フである。
【0124】この図13のグラフを見ても明らかなよう
に、図5に示す主弁9及びニードル弁55hが弁座35
及びパイロット通路91を各々全閉するリフトL1の位
置から、図7に示す主弁9が弁座35を全閉したままニ
ードル弁55hがパイロット通路91を半開するか、或
は、図8に示すニードル弁55hがパイロット通路91
を全閉したまま主弁9が弁座35を半開する、リフトL
2の位置まで、プランジャ55を移動させるのに必要な
力は、プランジャバネ55mの弾発力に相当するバネ力
W1〜W2と、次に説明する液冷媒からプランジャ55
が受ける圧力との合力である。
【0125】上述した液冷媒からプランジャ55が受け
る圧力とは、プランジャ55をリフトL1の位置からリ
フトL2の位置まで移動させるのに伴いニードル弁55
hがパイロット通路91から離間し始める、電磁弁1の
弁開時におけるごく当初の段階にだけ発生するもので、
チャンバ77内の液媒体の圧力と、これよりも低い二次
側の液冷媒の圧力との差圧に、パイロット通路91の開
口径を乗じた値となるが、上述の通りこの圧力はごく限
られた時点でしか発生しないので、以後の動作説明にお
いてはこの圧力を考慮しないこととする。
【0126】また、前記リフトL2の位置から、図11
に示すニードル弁55hがパイロット通路91を全閉し
たまま主弁9が弁座35を全開するリフトL3の位置ま
で、プランジャ55を移動させるのに必要な力は、プラ
ンジャバネ55mの弾発力にニードル弁バネ55jの弾
発力を加えた合成バネ力W3〜W4である。
【0127】これに対し、定格電流の50%の電流をコ
イル53に通電することでプランジャ55に働くソレノ
イド5の吸引力F50は、バネ力W1〜W2を上回り、且
つ、合成バネ力W3〜W4を下回る。
【0128】また、定格電流の100%の電流をコイル
53に通電することでプランジャ55に働くソレノイド
5の吸引力F100 は、バネ力W1〜W2と合成バネ力W
3〜W4とをいずれも上回る。
【0129】従って、定格電流の50%の電流をコイル
53に通電してソレノイド5を作動させると、ニードル
弁55h及び主弁9のうちどちらか一方が、パイロット
通路91及び弁座35の対応するどちらか一方を半開し
た、図7や図8に示す状態に必ずなるが、その通電量で
は、ニードル弁55hがパイロット通路91を全閉した
まま主弁9が弁座35を全開する、図11に示すに示す
状態には絶対にならない。
【0130】また、定格電流の100%の電流をコイル
53に通電してソレノイド5を作動させると、ニードル
弁55hがパイロット通路91を全閉したまま主弁9が
弁座35を全開する、図11に示すに示す状態に必ずな
る。
【0131】そして、プランジャ55をリフトL1とリ
フトL2との間で移動させるために必要なバネ力W1〜
W2と、プランジャ55をリフトL2とリフトL3との
間で移動させるために必要な合成バネ力W3〜W4との
間には、W3−W2のギャップがあるため、例えば、定
格電流の50%の電流をコイル53に通電してソレノイ
ド5を作動させた場合のプランジャ55に働くソレノイ
ド5の吸引力F50に、図13中に破線で示すばらつき上
限吸引力F50MAX と、図13中に一点鎖線で示すばらつ
き下限吸引力F50MIN との間のばらつきがあっても、プ
ランジャ55の移動に影響はない。
【0132】従って、電磁弁1の弁開時と弁閉時とで、
つまり、ソレノイド5のコイル53に通電する電流の増
加時と減少時とで、ヒステリシス特性による通電電圧の
ばらつきがあったとしても、或は、周辺温度の変化によ
り通電電圧のばらつきがあったとしても、それらのばら
つきが、上述したリフトL1とリフトL2との間、及
び、リフトL2とリフトL3との間の各々の移動に必要
な、バネ力W1〜W2と合成バネ力W3〜W4とのギャ
ップW3−W2により吸収されて、プランジャ55がリ
フトL1とリフトL2の間、及び、リフトL2とリフト
L3との間を各々正確に移動する。
【0133】尚、参考までに、ニードル弁バネ55jを
設けない従来のパイロット弁方式のプランジャとした場
合の、リフトL2とリフトL3との間のバネ力を、図1
3中に二点鎖線で示す。
【0134】続いて、上述した電磁弁1と共に、本発明
の第1実施形態に係る電磁弁システムを構成する電磁弁
駆動装置について、図14乃至図19を参照して説明す
る。
【0135】図14は本発明の第1実施形態に係る電磁
弁システムにおける電磁弁駆動装置の概略構成を示すブ
ロック図で、図14中引用符号10で示す第1実施形態
の電磁弁駆動装置は、電源11と、マイクロコンピュー
タ(以下、マイコンと略記する)13と、ドライブ回路
15とを備えている。
【0136】前記ドライブ回路15は、図15に回路図
で示すように、第1及び第2の2つのスイッチングトラ
ンジスタTR1,TR2と、第1及び第2の2つの信号
入力端子In1,In2等を備えている。
【0137】そして、第1及び第2の各スイッチングト
ランジスタTR1,TR2は、互いのエミッタどうしが
抵抗R1により接続され、各々のコレクタがいずれも接
地されていると共に、第1スイッチングトランジスタT
R1(第1スイッチ手段に相当)のベースは抵抗R2を
介して第1信号入力端子In1に接続され、第2スイッ
チングトランジスタTR2(第2スイッチ手段に相当)
のベースは抵抗R3を介して第2信号入力端子In2に
接続され、第1スイッチングトランジスタTR1のエミ
ッタと抵抗R1との間に、ソレノイド5のコイル53の
接地側端子が接続されている。
【0138】また、電源11(供給源に相当)は、ソレ
ノイド5のコイル53の電源側端子に接続されている。
【0139】そして、ドライブ回路15は、マイコン1
3から出力されて第1信号入力端子In1に入力される
後述の第1駆動信号がローレベルの際には、第1スイッ
チングトランジスタTR1のエミッタ−コレクタ間が非
導通状態となり、第1駆動信号がハイレベルの際には、
第1スイッチングトランジスタTR1のエミッタ−コレ
クタ間が導通状態となると共に、マイコン13から出力
されて第2信号入力端子In2に入力される後述の第2
駆動信号がローレベルの際には、第2スイッチングトラ
ンジスタTR2のエミッタ−コレクタ間が非導通状態と
なり、第2駆動信号がハイレベルの際には、第2スイッ
チングトランジスタTR2のエミッタ−コレクタ間が導
通状態となるように構成されている。
【0140】そして、ドライブ回路15は、第1スイッ
チングトランジスタTR1のエミッタ−コレクタ間が導
通することにより、このエミッタ−コレクタ間と抵抗R
1とをを介して接地側端子が接地されるソレノイド5の
コイル53に、電源11からの電力が定格電流の50%
の電流分(第1電力量に相当)だけ供給されるように構
成されている。
【0141】また、ドライブ回路15は、第2スイッチ
ングトランジスタTR2のエミッタ−コレクタ間が導通
することにより、このエミッタ−コレクタ間を介して接
地側端子が接地されるソレノイド5のコイル53に、電
源11からの電力が電源11の電圧に応じた電流分(第
2電力量に相当)だけ供給されるように構成されてい
る。
【0142】そして、ドライブ回路15は、第1及び第
2の両スイッチングトランジスタTR1,TR2のエミ
ッタ−コレクタ間が共に導通することにより、ソレノイ
ド5のコイル53に、電源11からの電力が、定格電流
の100%の電流分(第1電力量と第2電力量とを合成
した電力量に相当)だけ供給されるように構成されてい
る。
【0143】尚、第1実施形態においては、請求項中の
第1電力供給経路αが、抵抗R1と第1スイッチングト
ランジスタTR1のエミッタ−コレクタ間とで構成され
ており、第2電力供給経路βが第2スイッチングトラン
ジスタTR2のエミッタ−コレクタ間により構成されて
いる。
【0144】前記マイコン13は、図14に示すよう
に、CPU(Central Processing Unit 、中央処理装
置)13aと、RAM(Ramdom Access Memory)13b
と、ROM(Read-Only Memory)13cとで構成されて
いる。
【0145】前記CPU13aには、RAM13b及び
ROM13cの他、車両(図示せず)の室内温度を検知
してオンオフするサーモスタット17と、この車両のイ
ンパネに設けられた冷房装置のオンオフスイッチ19
と、前記第1及び第2の2つの信号入力端子In1,I
n2等が接続されている。
【0146】前記RAM13bは、各種データ記憶用の
データエリア及び各種処理作業に用いるワークエリアを
有しており、このうち、ワークエリアには、サーモスタ
ット作動中フラグエリア等が設けられている。
【0147】前記ROM13cには、CPU13aに各
種処理動作を行わせるための制御プログラムが格納され
ている。
【0148】次に、前記マイコン13のROM13cに
格納された制御プログラムに従いCPU13aが行う処
理を、図16乃至図18のフローチャートを参照して説
明する。
【0149】不図示の電源の投入によりマイコン13が
起動してプログラムがスタートすると、CPU13a
は、図16にメインルーチンのフローチャートで示すよ
うに、RAM13bのワークエリアに設けられたサーモ
スタット作動中フラグエリアのフラグF1を「0」に設
定する初期設定を行い(ステップS1)、次に、オンオ
フスイッチ19がオフからオンに切り換わったか否かを
確認する(ステップS3)。
【0150】オンオフスイッチ19がオフからオンに切
り換わっていない場合は(ステップS3でN)、切り換
わるまでステップS3をリピートし、切り換わった場合
は(ステップS3でY)、弁開処理を行う(ステップS
5)。
【0151】ステップS5の弁開処理においては、図1
7にサブルーチンのフローチャートで示すように、ドラ
イブ回路15の第1信号入力端子In1に出力する第1
駆動信号をローレベルからハイレベルに変移させ(ステ
ップS5a)、次に、第1駆動信号のレベルを変移させ
てからの経過時間tが所定時間t1 を上回ったか否かを
確認する(ステップS5b)。
【0152】経過時間tが所定時間t1 を上回っていな
い場合は(ステップS5bでN)、経過時間tが所定時
間t1 を上回るまでステップS5bをリピートし、上回
った場合は(ステップS5bでY)、ドライブ回路15
の第2信号入力端子In2に出力する第2駆動信号をロ
ーレベルからハイレベルに変移させ(ステップS5
c)、その後、メインルーチンに戻ってステップS7に
進む。
【0153】ステップS5の弁開処理が済んだ後に進む
ステップS7では、図16に示すように、サーモスタッ
ト17がオンからオフに切り換わったか否かを確認し、
サーモスタット17がオンからオフに切り換わった場合
は(ステップS7でY)、サーモスタット作動中フラグ
F1を「1」に設定した後(ステップS9)、後述する
ステップS13に進む。
【0154】一方、ステップS7において、サーモスタ
ット17がオンからオフに切り換わっていない場合
(N)は、オンオフスイッチ19がオンからオフに切り
換わったか否かを確認する(ステップS11)。
【0155】オンオフスイッチ19がオンからオフに切
り換わった場合は(ステップS11でY)、ステップS
13に進み、切り換わっていない場合は(ステップS1
1でN)、ステップS7にリターンする。
【0156】ステップS9においてサーモスタット作動
中フラグF1を「1」に設定した後と、ステップS11
においてオンオフスイッチ19がオンからオフに切り換
わった場合(Y)とに進むステップS13では、弁閉処
理を行う。
【0157】ステップS13の弁閉処理では、図18に
サブルーチンのフローチャートで示すように、ドライブ
回路15の第2信号入力端子In2に出力する第2駆動
信号をハイレベルからローレベルに変移させ(ステップ
S13a)、次に、第2駆動信号のレベルを変移させて
からの経過時間tが所定時間t2 を上回ったか否かを確
認する(ステップS13b)。
【0158】経過時間tが所定時間t2 を上回っていな
い場合は(ステップS13bでN)、経過時間tが所定
時間t2 を上回るまでステップS5bをリピートし、上
回った場合は(ステップS13bでN)、ドライブ回路
15の第1信号入力端子In1に出力する第1駆動信号
をハイレベルからローレベルに変移させ(ステップS1
3c)、その後、メインルーチンに戻ってステップS1
5に進む。
【0159】ステップS13の弁閉処理が済んだ後に進
むステップS15では、図16に示すように、サーモス
タット作動中フラグF1が「0」であるか否かを確認
し、フラグF1が「0」である場合(Y)は、一連の処
理を終了し、「0」でない場合(N)は、サーモスタッ
ト17がオフからオンに切り換わったか否かを確認する
(ステップS17)。
【0160】サーモスタット17がオフからオンに切り
換わった場合は(ステップS17でY)、サーモスタッ
ト作動中フラグF1を「1」に設定した後(ステップS
19)、後述するステップS13に進む。
【0161】一方、ステップS17において、サーモス
タット17がオンからオフに切り換わっていない場合
(N)は、オンオフスイッチ19がオンからオフに切り
換わったか否かを確認し(ステップS21)、オンオフ
スイッチ19がオンからオフに切り換わっていない場合
は(ステップS21でY)、ステップS17にリターン
し、切り換わった場合は(ステップS21でN)、サー
モスタット作動中フラグF1を「0」に設定した後(ス
テップS23)、ステップS13にリターンする。
【0162】以上の説明からも明らかなように、第1実
施形態では、請求項中の作動用電力の供給指令が、図1
6のフローチャートにおけるステップS5に相当してお
り、作動用電力の供給停止指令が、図16中のステップ
S13で相当していて、これらステップS5及びステッ
プS13により、請求項中の電力供給指令手段13αが
構成されている。
【0163】また、第1実施形態では、請求項中の第1
導通信号がハイレベルの第1駆動信号に相当しており、
この第1駆動信号のハイレベルからローレベルへの変移
が第1導通信号の出力停止に相当していると共に、請求
項中の第2導通信号がハイレベルの第2駆動信号に相当
しており、この第2駆動信号のハイレベルからローレベ
ルへの変移が第2導通信号の出力停止に相当している。
【0164】そして、第1実施形態では、請求項中の第
1開閉指令手段13βが、図17のフローチャートにお
けるステップS5aと、図18のフローチャートにおけ
るステップS13cとにより構成されており、請求項中
の第2開閉指令手段13γが、図17中のステップS5
cと、図18中のステップS13aとにより構成されて
いる。
【0165】次に、上述のように構成された第1実施形
態の電磁弁システムの動作(作用)について、電磁弁駆
動装置10の動作(作用)を中心に説明する。
【0166】まず、オンオフスイッチ19がオフの状態
では、第1及び第2の両駆動信号ともローレベルとなっ
ていて、第1及び第2の両スイッチングトランジスタT
R1,TR2のエミッタ−コレクタ間が、いずれも非導
通状態となっているため、ソレノイド5のコイル53に
は電源11からの電力が供給されず、従って、電磁弁1
は、図5に示すように、弁閉状態となっている。
【0167】ここで、オンオフスイッチ19の状態がオ
フからオンに変わると、その時点で第1駆動信号がロー
レベルからハイレベルに変移し、第1スイッチングトラ
ンジスタTR1のエミッタ−コレクタ間が非導通状態か
ら導通状態に変移して、ソレノイド5のコイル53に電
源11からの電力が定格電流の50%の電流分だけ供給
される。
【0168】これにより、電磁弁1は、図5に示す弁閉
状態から、図7に示す、主弁9が弁座35を全閉してニ
ードル弁55hがパイロット通路91を半開した状態と
なるか、或は、図8に示す、ニードル弁55hがパイロ
ット通路91を全閉して主弁9が弁座35を半開した状
態となる。
【0169】そして、オンオフスイッチ19の状態がオ
フからオンに変わった時点から所定時間t1 が経過する
と、第1駆動信号をハイレベルとしたまま、第2駆動信
号がローレベルからハイレベルに変移し、第2スイッチ
ングトランジスタTR2のエミッタ−コレクタ間が非導
通状態から導通状態に変移して、ソレノイド5のコイル
53に電源11からの電力が定格電流の100%の電流
分だけ供給される。
【0170】これにより、電磁弁1は、図7に示す、主
弁9が弁座35を全閉してニードル弁55hがパイロッ
ト通路91を半開した状態から、図10に示す、主弁9
が弁座35を全閉してニードル弁55hがパイロット通
路91を全開した状態を経た後に、図11に示す弁開状
態となる。
【0171】或は、電磁弁1は、図8に示す、ニードル
弁55hがパイロット通路91を全閉して主弁9が弁座
35を半開した状態から、図12に示す、主弁9が弁座
35を半開してニードル弁55hがパイロット通路91
を全開した状態を経た後に、図11に示す弁開状態とな
る。
【0172】その後、オンオフスイッチ19の状態がオ
ンからオフに変わると、その時点で第2駆動信号がハイ
レベルからローレベルに変移し、第2スイッチングトラ
ンジスタTR2のエミッタ−コレクタ間が導通状態から
非導通状態に変移して、ソレノイド5のコイル53に電
源11から供給される電力が、定格電流の100%の電
流分から50%の電流分に低下する。
【0173】これにより、電磁弁1は、図11に示す弁
開状態から、図8に示す、ニードル弁55hがパイロッ
ト通路91を全閉し主弁9が弁座35を半開した状態と
なる。
【0174】そして、オンオフスイッチ19の状態がオ
ンからオフに変わった時点から所定時間t2 が経過する
と、第2駆動信号をローレベルとしたまま、第1駆動信
号がハイレベルからローレベルに変移し、第1スイッチ
ングトランジスタTR1のエミッタ−コレクタ間が導通
状態から非導通状態に変移して、ソレノイド5のコイル
53に電源11からの電力が供給されなくなる。
【0175】これにより、電磁弁1は、図8に示す、ニ
ードル弁55hがパイロット通路91を全閉し主弁9が
弁座35を半開した状態から、図5に示す弁閉状態とな
る。
【0176】尚、電磁弁1の弁開時と弁閉時との第1及
び第2の両駆動信号の信号レベルの変移を、図19のタ
イミングチャートに示す。
【0177】そして、オンオフスイッチ19がオンの状
態において、サーモスタット17の状態がオンからオフ
に変わった場合には、オンオフスイッチ19の状態がオ
ンからオフに変わった場合と同様の動作が行われ、ま
た、サーモスタット17の状態がオフからオンに変わっ
た場合には、オンオフスイッチ19の状態がオフからオ
ンに変わった場合と同様の動作が行われる。
【0178】このように第1実施形態の電磁弁システム
によれば、プランジャ55に、ソレノイド5のコイル5
3への通電時に吸引子51によって直接吸引される基部
55aと、この基部55aとは別体に形成されるホルダ
57と、このホルダ57を挿通して基部55aに連結さ
れ、主弁9のパイロット通路91を開閉するニードル弁
55hが形成された弁部55eと、この弁部55eに対
してホルダ57を基部55a側に付勢するニードル弁バ
ネ55jとを設け、ソレノイド5のコイル53への通電
電流を定格電流の50%とすると、コイル53への通電
によりプランジャ55に働く吸引力よりもニードル弁バ
ネ55jの弾発力の方が上回り、これによって、ニード
ル弁55hと主弁9のうちどちらか一方だけが、対応す
るパイロット通路91と弁座35のうちどちらか一方だ
けを半開し、残る他方は全閉となるように、電磁弁1を
構成した。
【0179】そして、第1実施形態の電磁弁システムに
よれば、電源側端子が電源11に接続されたソレノイド
5のコイル53の接地側端子を、抵抗R1と第1スイッ
チングトランジスタTR1のエミッタ−コレクタ間とを
介して接地させると共に、これらと並列に接続された、
第2スイッチングトランジスタTR2のエミッタ−コレ
クタ間を介してさらに接地させるドライブ回路15を設
け、電磁弁1の弁開動作時には、マイコン13によっ
て、第1駆動信号よりも第2駆動信号を所定時間t1
らせてローレベルからハイレベルに変移させることで、
ソレノイド5のコイル53への通電電流をゼロから定格
電流の50%へ、50%から100%へと2段階に増加
させると共に、電磁弁1の弁閉動作時には、第2駆動信
号よりも第1駆動信号を所定時間t2 遅らせてハイレベ
ルからローレベルに変移させることで、ソレノイド5の
コイル53への通電電流を定格電流のから100%50
%へ、50%からゼロへと2段階に減少させる構成とし
た。
【0180】このため、電磁弁1の弁開時及び弁閉時の
いずれにおいても、ニードル弁55hと主弁9のうちど
ちらか一方だけが、対応するパイロット通路91と弁座
35のうちどちらか一方だけを半開し、残る他方は全閉
となる状態を確実に発生させて、これにより、流入口3
1側や流出口33側の双方に大きな圧力変動が発生しな
いようにして、騒音の元となるウォータハンマ現象が起
こるのを抑制又は防止することができる。
【0181】しかも、上述した構成により、プランジャ
55がリフトL1とリフトL2の間を移動する際と、リ
フトL2とリフトL3との間をプランジャ55が移動す
る際とに各々必要な、バネ力W1〜W2と合成バネ力W
3〜W4との間にギャップW3−W2があるため、ソレ
ノイド5のコイル53への通電電流の増減時のヒステリ
シスや、周辺温度の変動によって、同じ通電電流であっ
てもプランジャ55に働く吸引力がばらつく場合であっ
ても、プランジャ55を正確に移動させ、ニードル弁5
5hによるパイロット通路91の半開状態や、主弁9に
よる弁座35の半開状態を、安定して保持することがで
きる。
【0182】また、第1実施形態の電磁弁システムによ
れば、ニードル弁55hによるパイロット通路91の半
開状態や、主弁9による弁座35の半開状態の実現を、
吸引子51からプランジャ55の基部55aを離間する
方向に付勢するプランジャバネ55mに何ら頼らずに行
うように電磁弁1を構成したので、プランジャバネ55
mが中途半端に収縮した状態でプランジャ55をソレノ
イド5からの吸引力だけによって保持する必要がなく、
従って、この点においても、ニードル弁55hによるパ
イロット通路91の半開状態や、主弁9による弁座35
の半開状態を、安定して保持することができる。
【0183】さらに、第1実施形態の電磁弁システムに
よれば、ソレノイド5のコイル53への通電電流を定格
電流の100%とした際に、プランジャ55の基部55
aが衝突する吸引子51に、緩衝部材51cを設けるよ
うに電磁弁1を構成したので、ウォーターハンマ現象に
よる騒音の抑制又は防止と合わせて、構造的要因による
騒音の発生を防止し、電磁弁1の動作に伴い発生する可
能性がある騒音を総合的に抑制又は防止することができ
る。
【0184】次に、本発明の第2実施形態に係る電磁弁
システムを、図20乃至図23を参照して説明する。
【0185】図20は本発明の第2実施形態に係る電磁
弁システムにおける電磁弁駆動装置の概略構成を示すブ
ロック図で、図20中引用符号10Aで示す第2実施形
態の電磁弁駆動装置は、電源11と、マイコン13A
と、ドライブ回路15Aとを備えている。
【0186】前記ドライブ回路15Aは、図21に回路
図で示すように、第3及び第4の2つのスイッチングト
ランジスタTR3,TR4と、第3信号入力端子In3
と、第1及び第2の2つの遅延回路DL1,DL2等を
備えている。
【0187】そして、第3及び第4の各スイッチングト
ランジスタTR3,TR4は、互いのエミッタどうしが
抵抗R4により接続され、各々のコレクタがいずれも接
地されている。
【0188】また、第3スイッチングトランジスタTR
3(第1スイッチ手段に相当)のベースは、抵抗R5及
びコンデンサC1による前記第1遅延回路DL1(停止
指令遅延手段に相当)とダイオードD1とを介して、第
3信号入力端子In3に接続されており、第4スイッチ
ングトランジスタTR4(第2スイッチ手段に相当)の
ベースは、抵抗R6及びコンデンサC2による前記第2
遅延回路DL2(供給指令遅延手段に相当)を介して、
第3信号入力端子In3に接続され、第3スイッチング
トランジスタTR3のエミッタと抵抗R4との間に、ソ
レノイド5のコイル53の接地側端子が接続されてい
る。
【0189】さらに、電源11は、ソレノイド5のコイ
ル53の電源側端子に接続されている。
【0190】そして、ドライブ回路15Aは、マイコン
13Aから出力されて第3信号入力端子In3に入力さ
れる後述の第3駆動信号がローレベルの際には、第3及
び第4の両スイッチングトランジスタTR3,TR4の
エミッタ−コレクタ間が各々非導通状態となると共に、
第3駆動信号がハイレベルの際には、第3及び第4の両
スイッチングトランジスタTR3,TR4のエミッタ−
コレクタ間が各々導通状態となるように構成されてい
る。
【0191】また、ドライブ回路15Aは、第3スイッ
チングトランジスタTR3のエミッタ−コレクタ間が非
導通状態と導通状態との間で切り換わる時点と、第4ス
イッチングトランジスタTR4のエミッタ−コレクタ間
が非導通状態と導通状態との間で切り換わる時点とが、
第1及び第2遅延回路DL1,DL2により各々ずらさ
れるように構成されている。
【0192】そして、ドライブ回路15Aは、第3スイ
ッチングトランジスタTR3のエミッタ−コレクタ間が
導通することにより、このエミッタ−コレクタ間と抵抗
R4とを介して接地側端子が接地されるソレノイド5の
コイル53に、電源11からの電力が定格電流の50%
の電流分(第1電力量に相当)だけ供給されるように構
成されている。
【0193】また、ドライブ回路15Aは、第4スイッ
チングトランジスタTR4のエミッタ−コレクタ間が導
通することにより、このエミッタ−コレクタ間を介して
接地側端子が接地されるソレノイド5のコイル53に、
電源11からの電力が電源11の電圧に応じた電流分
(第2電力量に相当)だけ供給されるように構成されて
いる。
【0194】そして、ドライブ回路15Aは、第3及び
第4の両スイッチングトランジスタTR3,TR4のエ
ミッタ−コレクタ間が共に導通することにより、ソレノ
イド5のコイル53に、電源11からの電力が、定格電
流の100%の電流分(第1電力量と第2電力量とを合
成した電力量に相当)だけ供給されるように構成されて
いる。
【0195】尚、第2実施形態においては、請求項中の
第1電力供給経路αが、抵抗R4と第3スイッチングト
ランジスタTR3のエミッタ−コレクタ間とで構成され
ており、第2電力供給経路βが第2スイッチングトラン
ジスタTR4のエミッタ−コレクタ間により構成されて
いる。
【0196】前記マイコン13Aは、図20に示すよう
に、CPU13dと、RAM13eと、ROM13fと
で構成されている。
【0197】前記CPU13dには、RAM13e及び
ROM13fの他、前記サーモスタット17やオンオフ
スイッチ19と、前記第3信号入力端子In3等が接続
されている。
【0198】前記RAM13eは、各種データ記憶用の
データエリア及び各種処理作業に用いるワークエリアを
有しており、このうち、ワークエリアには、サーモスタ
ット作動中フラグエリア等が設けられている。
【0199】前記ROM13fには、CPU13dに各
種処理動作を行わせるための制御プログラムが格納され
ている。
【0200】次に、前記マイコン13AのROM13f
に格納された制御プログラムに従いCPU13dが行う
処理を、図22のフローチャートを参照して説明する。
【0201】不図示の電源の投入によりマイコン13A
が起動してプログラムがスタートすると、CPU13d
は、RAM13eのワークエリアに設けられたサーモス
タット作動中フラグエリアのフラグF1を「0」に設定
する初期設定を行い(ステップSA1)、次に、オンオ
フスイッチ19がオフからオンに切り換わったか否かを
確認する(ステップSA3)。
【0202】オンオフスイッチ19がオフからオンに切
り換わっていない場合は(ステップSA3でN)、切り
換わるまでステップSA3をリピートし、切り換わった
場合は(ステップSA3でY)、ドライブ回路15Aの
第3信号入力端子In3に出力する第3駆動信号をロー
レベルからハイレベルに変移させた後(ステップSA
5)、サーモスタット17がオンからオフに切り換わっ
たか否かを確認する(ステップSA7)。
【0203】サーモスタット17がオンからオフに切り
換わった場合は(ステップSA7でY)、サーモスタッ
ト作動中フラグF1を「1」に設定した後(ステップS
A9)、後述するステップSA13に進み、切り換わっ
ていない場合は(ステップSA7でN)、オンオフスイ
ッチ19がオンからオフに切り換わったか否かを確認す
る(ステップSA11)。
【0204】オンオフスイッチ19がオンからオフに切
り換わった場合は(ステップSA11でY)、ステップ
SA13に進み、切り換わっていない場合は(ステップ
SA11でN)、ステップSA7にリターンする。
【0205】ステップSA9においてサーモスタット作
動中フラグF1を「1」に設定した後と、ステップSA
11においてオンオフスイッチ19がオンからオフに切
り換わった場合(Y)とに進むステップSA13では、
ドライブ回路15Aの第3信号入力端子In3に出力す
る第3駆動信号をハイレベルからローレベルに変移さ
せ、その後、サーモスタット作動中フラグF1が「0」
であるか否かを確認する(ステップSA15)。
【0206】サーモスタット作動中フラグF1が「0」
である場合(Y)は、一連の処理を終了し、「0」でな
い場合は(ステップSA15でN)、サーモスタット1
7がオフからオンに切り換わったか否かを確認し(ステ
ップSA17)、切り換わった場合は(ステップSA1
7でY)、サーモスタット作動中フラグF1を「1」に
設定した後(ステップSA19)、後述するステップS
A13に進む。
【0207】一方、ステップSA17において、サーモ
スタット17がオンからオフに切り換わっていない場合
(N)は、オンオフスイッチ19がオンからオフに切り
換わったか否かを確認し(ステップSA21)、オンオ
フスイッチ19がオンからオフに切り換わっていない場
合は(ステップSA21でY)、ステップSA17にリ
ターンし、切り換わった場合は(ステップSA21で
N)、サーモスタット作動中フラグF1を「0」に設定
した後(ステップSA23)、ステップSA13にリタ
ーンする。
【0208】以上の説明からも明らかなように、第2実
施形態では、請求項中の作動用電力の供給指令が、図2
2のフローチャートにおけるステップSA5に相当して
おり、作動用電力の供給停止指令が、図22中のステッ
プSA13に相当していて、これらステップSA5及び
ステップSA13により、請求項中の電力供給指令手段
13αが構成されている。
【0209】次に、上述のように構成された第2実施形
態の電磁弁システムの動作(作用)について、電磁弁駆
動装置10Aの動作(作用)を中心に説明する。
【0210】まず、オンオフスイッチ19がオフの状態
では、第3駆動信号がローレベルとなっていて、第3及
び第4の両スイッチングトランジスタTR3,TR4の
エミッタ−コレクタ間が、いずれも非導通状態となって
いるため、ソレノイド5のコイル53には電源11から
の電力が供給されず、従って、電磁弁1は、図5に示す
ように、弁閉状態となっている。
【0211】ここで、オンオフスイッチ19の状態がオ
フからオンに変わると、その時点で第3駆動信号がロー
レベルからハイレベルに変移し、第3スイッチングトラ
ンジスタTR3側では、第3駆動信号のローレベルから
ハイレベルへの変移と略同時にベース電位が上昇し、従
ってエミッタ−コレクタ間が非導通状態から導通状態に
変移する。
【0212】これに対して、第4スイッチングトランジ
スタTR4側では、第3駆動信号のローレベルからハイ
レベルへの変移が第2遅延回路DL2により所定時間t
1 遅延され、所定時間t1 後にベース電位が上昇するこ
とから、第3駆動信号がローレベルからハイレベルに変
移した時点では、エミッタ−コレクタ間は非導通状態の
ままとなる。
【0213】従って、ソレノイド5のコイル53には電
源11からの電力が定格電流の50%の電流分だけ供給
され、これにより、電磁弁1は、図5に示す弁閉状態か
ら、図7に示す、主弁9が弁座35を全閉してニードル
弁55hがパイロット通路91を半開した状態となる
か、或は、図8に示す、ニードル弁55hがパイロット
通路91を全閉して主弁9が弁座35を半開した状態と
なる。
【0214】そして、オンオフスイッチ19の状態がオ
フからオンに変わった時点から所定時間t1 が経過し
て、第4スイッチングトランジスタTR4のベース電位
が上昇すると、第3スイッチングトランジスタTR3の
エミッタ−コレクタ間が導通状態となったまま、第4ス
イッチングトランジスタTR4のエミッタ−コレクタ間
が非導通状態から導通状態に変移して、ソレノイド5の
コイル53に電源11からの電力が定格電流の100%
の電流分だけ供給される。
【0215】これにより、電磁弁1は、図7に示す、主
弁9が弁座35を全閉してニードル弁55hがパイロッ
ト通路91を半開した状態から、図10に示す、主弁9
が弁座35を全閉してニードル弁55hがパイロット通
路91を全開した状態を経た後に、図11に示す弁開状
態となる。
【0216】或は、電磁弁1は、図8に示す、ニードル
弁55hがパイロット通路91を全閉して主弁9が弁座
35を半開した状態から、図12に示す、主弁9が弁座
35を半開してニードル弁55hがパイロット通路91
を全開した状態を経た後に、図11に示す弁開状態とな
る。
【0217】その後、オンオフスイッチ19の状態がオ
ンからオフに変わると、その時点で第3駆動信号がハイ
レベルからローレベルに変移し、第4スイッチングトラ
ンジスタTR4側では、第3駆動信号のハイレベルから
ローレベルへの変移と略同時にベース電位が降下し、従
ってエミッタ−コレクタ間が導通状態から非導通状態に
変移する。
【0218】これに対して、第3スイッチングトランジ
スタTR3側では、第3駆動信号のハイレベルからロー
レベルへの変移が第1遅延回路DL1により所定時間t
2 遅延され、この所定時間t2 後にベース電位が降下す
ることから、第3駆動信号がハイレベルからローレベル
に変移した時点では、エミッタ−コレクタ間は非導通状
態のままとなる。
【0219】従って、ソレノイド5のコイル53に電源
11から供給される電力が、定格電流の100%の電流
分から50%の電流分に低下する。
【0220】これにより、電磁弁1は、図11に示す弁
開状態から、図8に示す、ニードル弁55hがパイロッ
ト通路91を全閉し主弁9が弁座35を半開した状態と
なる。
【0221】そして、オンオフスイッチ19の状態がオ
ンからオフに変わった時点から所定時間t2 が経過する
と、第4スイッチングトランジスタTR4のエミッタ−
コレクタ間が非導通状態となったまま、第3スイッチン
グトランジスタTR3のエミッタ−コレクタ間が導通状
態から非導通状態に変移して、ソレノイド5のコイル5
3に電源11からの電力が供給されなくなる。
【0222】これにより、電磁弁1は、図8に示す、ニ
ードル弁55hがパイロット通路91を全閉し主弁9が
弁座35を半開した状態から、図5に示す弁閉状態とな
る。
【0223】尚、電磁弁1の弁開時と弁閉時との第3駆
動信号の信号レベルと、第3及び第4の両スイッチング
トランジスタTR3,TR4のベース電位と、第3及び
第4の両スイッチングトランジスタTR3,TR4の導
通、非導通の状態との変移を、図23のタイミングチャ
ートに示す。
【0224】そして、オンオフスイッチ19がオンの状
態において、サーモスタット17の状態がオンからオフ
に変わった場合には、オンオフスイッチ19の状態がオ
ンからオフに変わった場合と同様の動作が行われ、ま
た、サーモスタット17の状態がオフからオンに変わっ
た場合には、オンオフスイッチ19の状態がオフからオ
ンに変わった場合と同様の動作が行われる。
【0225】上述のように構成された第2実施形態の電
磁弁システムによっても、第1実施形態の電磁弁システ
ムと同様の効果を得ることができる。
【0226】しかも、第2実施形態の電磁弁システムに
よれば、マイコン13Aが単一の第3駆動信号をローレ
ベルとハイレベルとの間で変移させれば、後は、第3駆
動信号のローレベルからハイレベルへの変移が第2遅延
回路DL2により所定時間t 1 遅延されて第4スイッチ
ングトランジスタTR4のベースに伝達されると共に、
第3駆動信号のハイレベルからローレベルへの変移が第
1遅延回路DL1により所定時間t2 遅延されて第3ス
イッチングトランジスタTR3のベースに伝達されるの
で、サーモスタット17やオンオフスイッチ19のオン
オフ状態が変わる際に、マイコン13Aがその都度、第
1実施形態の場合のように、時間差のある2つの信号を
生成して出力する必要がない分、信号生成系及び信号出
力系の動作を簡略化することができる。
【0227】次に、本発明の第3実施形態に係る電磁弁
システムを、図24乃至図27を参照して説明する。
【0228】図24は本発明の第3実施形態に係る電磁
弁システムにおける電磁弁駆動装置の概略構成を示すブ
ロック図で、図24中引用符号10Bで示す第3実施形
態の電磁弁駆動装置は、電源11と、マイコン13B
と、ドライブ回路15Bとを備えている。
【0229】前記ドライブ回路15Bは、図25に回路
図で示すように、第5及び第6の2つのスイッチングト
ランジスタTR5,TR6と、電源端子Vinと、第4
信号入力端子In4と、第3遅延回路DL3(通電信号
遅延手段に相当)と、過渡回路RC(RC回路に相当)
等を備えている。
【0230】そして、第5スイッチングトランジスタT
R5(第3スイッチ手段に相当)のエミッタ−コレクタ
間には、抵抗R7が接続され、第5スイッチングトラン
ジスタTR5のコレクタは接地されていると共に、第5
スイッチングトランジスタTR5のベースは、抵抗R8
及びコンデンサC3による前記第3遅延回路DL3と、
第6スイッチングトランジスタTR6のエミッタ−コレ
クタ間とを介して、電源端子Vinに接続されている。
【0231】また、第5スイッチングトランジスタTR
5のエミッタには、ソレノイド5のコイル53の接地側
端子が接続されており、このコイル53の電源側端子
は、第6スイッチングトランジスタTR6(第4スイッ
チ手段に相当)のコレクタに接続されていて、このコイ
ル53と並列に、コンデンサC4及び抵抗R9による前
記過渡回路RCが、第5スイッチングトランジスタTR
5のエミッタと第6スイッチングトランジスタTR6の
コレクタとの間に接続されている。
【0232】さらに、前記電源11は、電源端子Vin
に接続されており、第6スイッチングトランジスタTR
6のベースには、抵抗R10を介して前記信号入力端子
In4が接続されている。
【0233】そして、ドライブ回路15Bは、マイコン
13Bから出力されて第4信号入力端子In4に入力さ
れる後述の第4駆動信号がローレベルの際には、第6ス
イッチングトランジスタTR6のエミッタ−コレクタ間
が非導通状態となると共に、第4駆動信号がハイレベル
の際には、第6スイッチングトランジスタTR6のエミ
ッタ−コレクタ間が導通状態となるように構成されてい
る。
【0234】また、ドライブ回路15Bは、第6スイッ
チングトランジスタTR6のエミッタ−コレクタ間の導
通に連動して、第5スイッチングトランジスタTR5の
エミッタ−コレクタ間が導通すると共に、第6スイッチ
ングトランジスタTR6のエミッタ−コレクタ間の非導
通に連動して、第5スイッチングトランジスタTR5の
エミッタ−コレクタ間が非導通となり、第5スイッチン
グトランジスタTR5のエミッタ−コレクタ間が導通す
る時点と、第6スイッチングトランジスタTR6のエミ
ッタ−コレクタ間が導通する時点とが、第3遅延回路D
L3によりずらされるように構成されている。
【0235】そして、ドライブ回路15Bは、第6スイ
ッチングトランジスタTR6のエミッタ−コレクタ間が
導通することにより、このエミッタ−コレクタ間と抵抗
R7とを介して接地側端子が接地されるソレノイド5の
コイル53に、電源11からの電力が定格電流の50%
の電流分(第1電力量に相当)だけ供給されるように構
成されている。
【0236】さらに、ドライブ回路15Bは、第5スイ
ッチングトランジスタTR5のエミッタ−コレクタ間が
導通することにより、このエミッタ−コレクタ間を介し
て接地側端子が接地されるソレノイド5のコイル53
に、電源11からの電力が電源11の電圧に応じた電流
分(第2電力量に相当)だけ供給されるように構成され
ている。
【0237】そして、ドライブ回路15Bは、第5及び
第6の両スイッチングトランジスタTR5,TR6のエ
ミッタ−コレクタ間が共に導通することにより、ソレノ
イド5のコイル53に、電源11からの電力が、定格電
流の100%の電流分(第1電力量と第2電力量とを合
成した電力量に相当)だけ供給されるように構成されて
いる。
【0238】また、ドライブ回路15Bは、第6スイッ
チングトランジスタTR6のエミッタ−コレクタ間が導
通状態から非導通状態に移行して、電源11とコイル5
3の電源側端子との接続が遮断された際に、過渡回路R
Cにおいて発生する過渡現象によりこの過渡回路RCを
過渡的に流れる電流によって、抵抗R7を介して接地側
端子が接地されるソレノイド5のコイル53に、電源1
1からの電力に代わって過渡回路RCを流れる電流によ
る電力が、所定時間t2 の間、定格電流の50%の電流
分を上回り定格電流の100%の電流分を下回る電力量
で、供給されるように構成されている。
【0239】以上の説明からも明らかなように、第3実
施形態では、請求項中の第3電力供給経路γが抵抗R7
により構成されており、請求項中の第4電力供給経路δ
が第5スイッチングトランジスタTR5のエミッタ−コ
レクタ間により構成されており、請求項中の第5電力供
給経路εが第6スイッチングトランジスタTR6のエミ
ッタ−コレクタ間により構成されている。
【0240】また、第3実施形態では、第6スイッチン
グトランジスタTR6のエミッタ−コレクタ間が導通し
ている際に、電源11から電源端子Vin及び第3遅延
回路DL3を介して第5スイッチングトランジスタTR
5のベースに印加される電圧が、請求項中の通電信号に
相当しており、第6スイッチングトランジスタTR6の
エミッタ−コレクタ間が導通状態から非導通状態に移行
して、第5スイッチングトランジスタTR5のベースに
対する電源11からの電圧印加が遮断されることが、請
求項中の通電信号の入力の停止に相当している。
【0241】前記マイコン13Bは、図24に示すよう
に、CPU13gと、RAM13hと、ROM13jと
で構成されている。
【0242】前記CPU13gには、RAM13h及び
ROM13jの他、前記サーモスタット17やオンオフ
スイッチ19と、前記第4信号入力端子In4等が接続
されている。
【0243】前記RAM13hは、各種データ記憶用の
データエリア及び各種処理作業に用いるワークエリアを
有しており、このうち、ワークエリアには、サーモスタ
ット作動中フラグエリア等が設けられている。
【0244】前記ROM13jには、CPU13gに各
種処理動作を行わせるための制御プログラムが格納され
ている。
【0245】次に、前記マイコン13BのROM13j
に格納された制御プログラムに従いCPU13gが行う
処理を、図26のフローチャートを参照して説明する。
【0246】不図示の電源の投入によりマイコン13B
が起動してプログラムがスタートすると、CPU13g
は、RAM13hのワークエリアに設けられたサーモス
タット作動中フラグエリアのフラグF1を「0」に設定
する初期設定を行い(ステップSB1)、次に、オンオ
フスイッチ19がオフからオンに切り換わったか否かを
確認する(ステップSB3)。
【0247】オンオフスイッチ19がオフからオンに切
り換わっていない場合は(ステップSB3でN)、切り
換わるまでステップSB3をリピートし、切り換わった
場合は(ステップSB3でY)、ドライブ回路15Bの
第4信号入力端子In4に出力する第4駆動信号をロー
レベルからハイレベルに変移させた後(ステップSB
5)、サーモスタット17がオンからオフに切り換わっ
たか否かを確認する(ステップSB7)。
【0248】サーモスタット17がオンからオフに切り
換わった場合は(ステップSB7でY)、サーモスタッ
ト作動中フラグF1を「1」に設定した後(ステップS
B9)、後述するステップSB13に進み、切り換わっ
ていない場合は(ステップSB7でN)、オンオフスイ
ッチ19がオンからオフに切り換わったか否かを確認す
る(ステップSB11)。
【0249】オンオフスイッチ19がオンからオフに切
り換わった場合は(ステップSB11でY)、ステップ
SB13に進み、切り換わっていない場合は(ステップ
SB11でN)、ステップSB7にリターンする。
【0250】ステップSB9においてサーモスタット作
動中フラグF1を「1」に設定した後と、ステップSB
11においてオンオフスイッチ19がオンからオフに切
り換わった場合(Y)とに進むステップSB13では、
ドライブ回路15Bの第4信号入力端子In4に出力す
る第4駆動信号をハイレベルからローレベルに変移さ
せ、その後、サーモスタット作動中フラグF1が「0」
であるか否かを確認する(ステップSB15)。
【0251】サーモスタット作動中フラグF1が「0」
である場合(Y)は、一連の処理を終了し、「0」でな
い場合は(ステップSB15でN)、サーモスタット1
7がオフからオンに切り換わったか否かを確認し(ステ
ップSB17)、切り換わった場合は(ステップSB1
7でY)、サーモスタット作動中フラグF1を「1」に
設定した後(ステップSB19)、後述するステップS
B13に進む。
【0252】一方、ステップSB17において、サーモ
スタット17がオンからオフに切り換わっていない場合
(N)は、オンオフスイッチ19がオンからオフに切り
換わったか否かを確認し(ステップSB21)、オンオ
フスイッチ19がオンからオフに切り換わっていない場
合は(ステップSB21でY)、ステップSB17にリ
ターンし、切り換わった場合は(ステップSB21で
N)、サーモスタット作動中フラグF1を「0」に設定
した後(ステップSB23)、ステップSB13にリタ
ーンする。
【0253】以上の説明からも明らかなように、第3実
施形態では、請求項中の作動用電力の供給指令が、図2
6のフローチャートにおけるステップSB5に相当して
おり、作動用電力の供給停止指令が、図26中のステッ
プSB13で相当していて、これらステップSB5及び
ステップSB13により、請求項中の電力供給指令手段
13αが構成されている。
【0254】次に、上述のように構成された第3実施形
態の電磁弁システムの動作(作用)について、電磁弁駆
動装置10Bの動作(作用)を中心に説明する。
【0255】まず、オンオフスイッチ19がオフの状態
では、第4駆動信号がローレベルとなっていて、第5及
び第6の両スイッチングトランジスタTR5,TR6の
エミッタ−コレクタ間が、いずれも非導通状態となって
いるため、ソレノイド5のコイル53には電源11から
の電力が供給されず、従って、電磁弁1は、図5に示す
ように、弁閉状態となっている。
【0256】ここで、オンオフスイッチ19の状態がオ
フからオンに変わると、その時点で第4駆動信号がロー
レベルからハイレベルに変移し、第6スイッチングトラ
ンジスタTR6側では、第4駆動信号のローレベルから
ハイレベルへの変移と略同時にベース電位が上昇し、従
ってエミッタ−コレクタ間が非導通状態から導通状態に
変移する。
【0257】これに対して、第5スイッチングトランジ
スタTR5側では、第4駆動信号のローレベルからハイ
レベルへの変移により、ベースが電源端子Vin及び第
3遅延回路DL3を介して電源11に接続されるが、そ
の接続の時点が、第4駆動信号のローレベルからハイレ
ベルへの変移の時点から第3遅延回路DL3により所定
時間t1 遅延され、所定時間t1 後にベース電位が上昇
することから、第4駆動信号がローレベルからハイレベ
ルに変移した時点では、エミッタ−コレクタ間は非導通
状態のままとなる。
【0258】従って、ソレノイド5のコイル53には電
源11からの電力が定格電流の50%の電流分だけ供給
され、これにより、電磁弁1は、図5に示す弁閉状態か
ら、図7に示す、主弁9が弁座35を全閉してニードル
弁55hがパイロット通路91を半開した状態となる
か、或は、図8に示す、ニードル弁55hがパイロット
通路91を全閉して主弁9が弁座35を半開した状態と
なる。
【0259】そして、オンオフスイッチ19の状態がオ
フからオンに変わった時点から所定時間が経過して、第
5スイッチングトランジスタTR5のベース電位が上昇
すると、第6スイッチングトランジスタTR6のエミッ
タ−コレクタ間が導通状態となったまま、第5スイッチ
ングトランジスタTR5のエミッタ−コレクタ間が非導
通状態から導通状態に変移して、ソレノイド5のコイル
53に電源11からの電力が定格電流の100%の電流
分だけ供給される。
【0260】これにより、電磁弁1は、図7に示す、主
弁9が弁座35を全閉してニードル弁55hがパイロッ
ト通路91を半開した状態から、図10に示す、主弁9
が弁座35を全閉してニードル弁55hがパイロット通
路91を全開した状態を経た後に、図11に示す弁開状
態となる。
【0261】或は、電磁弁1は、図8に示す、ニードル
弁55hがパイロット通路91を全閉して主弁9が弁座
35を半開した状態から、図12に示す、主弁9が弁座
35を半開してニードル弁55hがパイロット通路91
を全開した状態を経た後に、図11に示す弁開状態とな
る。
【0262】その後、オンオフスイッチ19の状態がオ
ンからオフに変わると、その時点で第4駆動信号がハイ
レベルからローレベルに変移し、第5及び第6の両スイ
ッチングトランジスタTR5,TR6において、第4駆
動信号のハイレベルからローレベルへの変移と略同時に
ベース電位が各々降下し、従ってエミッタ−コレクタ間
が導通状態から非導通状態に各々変移する。
【0263】これにより、ソレノイド5のコイル53
は、電源11から遮断されて電力が供給されない状態と
なるが、第6スイッチングトランジスタTR6のエミッ
タ−コレクタ間が導通状態から非導通状態に変移する時
点で、過渡回路RCに過渡現象が発生して、この過渡回
路RCを過渡的に電流が流れてこの電流による電力がソ
レノイド5のコイル53に供給される。
【0264】そして、この過渡回路RCを流れる電流に
よるコイル53への供給電力が、オンオフスイッチ19
の状態がオンからオフに変わった時点から所定時間t2
の間、定格電流の100%の電流分を下回り定格電流の
50%の電流分を上回る電力量であることから、電磁弁
1は、第4駆動信号のローレベルへの変移の時点から所
定時間t2 の間、図11に示す弁開状態から、図8に示
す、ニードル弁55hがパイロット通路91を全閉し主
弁9が弁座35を半開した状態となる。
【0265】そして、オンオフスイッチ19の状態がオ
ンからオフに変わった時点から所定時間t2 が経過する
と、過渡回路RCを流れる電流によるコイル53への供
給電力が、定格電流の50%の電流分を下回る電力量と
なり、やがては、過渡回路RCの過渡現象の終了で、過
渡回路RCに電流が流れなくなるので、電磁弁1は、図
8に示す、ニードル弁55hがパイロット通路91を全
閉し主弁9が弁座35を半開した状態から、図5に示す
弁閉状態となる。
【0266】尚、電磁弁1の弁開時と弁閉時との第4駆
動信号の信号レベルと、第5スイッチングトランジスタ
TR5のベース電位と、第5スイッチングトランジスタ
TR5の導通、非導通の状態と、コイル53の電源側端
子の電位との変移を、図27のタイミングチャートに示
す。
【0267】そして、オンオフスイッチ19がオンの状
態において、サーモスタット17の状態がオンからオフ
に変わった場合には、オンオフスイッチ19の状態がオ
ンからオフに変わった場合と同様の動作が行われ、ま
た、サーモスタット17の状態がオフからオンに変わっ
た場合には、オンオフスイッチ19の状態がオフからオ
ンに変わった場合と同様の動作が行われる。
【0268】上述のように構成された第3実施形態の電
磁弁システムによっても、第2実施形態の電磁弁システ
ムと同様の効果を得ることができる。
【0269】尚、上述した第1乃至第3実施形態におい
て、電磁弁1の緩衝部材51cは省略してもよく、ま
た、ホルダ57に対して弁部55eを付勢するニードル
弁バネ55jは、例えば、基部55aとホルダ57との
間に設けられてこれらを互いに接近する方向に付勢する
ような、他の付勢手段に代えてもよいのは勿論のことで
ある。
【0270】また、ニードル弁55hによるパイロット
通路91の半開状態や、主弁9による弁座35の半開状
態とするための、ソレノイド5のコイル53に対する通
電量は、上述した第1乃至第3実施形態では定格電流の
50%としたが、定格電流の100%よりも低い値であ
れば、ニードル弁バネ55jやプランジャバネ55mの
弾発力、或は、ソレノイド5の吸引力等の条件に応じて
任意に変更、設定してもよいことは言うまでもない。
【0271】
【発明の効果】以上説明したように請求項1に記載した
本発明の電磁弁によれば、一次側と二次側とを連通する
弁座を開閉する主弁に形成された、この主弁が収容され
るチャンバと前記二次側とを連通するパイロット通路
を、ソレノイドのプランジャに形成されたニードル弁に
より開閉し、前記チャンバと前記一次側及び前記二次側
との圧力差により前記主弁による前記弁座の開閉を行う
電磁弁において、前記プランジャに嵌装され前記ニード
ル弁による前記パイロット通路の開閉方向において前記
プランジャに対して相対移動可能なホルダと、前記ホル
ダに形成され前記開閉方向において前記主弁から離間す
る向きへの前記ホルダの移動を規制するホルダ移動規制
部材と、前記ホルダ及び前記プランジャのうち少なくと
も一方に設けられ、前記ホルダ移動規制部材により前記
主弁から離間する向きへの移動が規制された前記ホルダ
に対する前記プランジャの、前記主弁に接近する向きへ
の移動を、前記弁座を閉じた前記主弁の前記パイロット
通路から前記ニードル弁が離間する箇所までに規制する
プランジャ移動規制部材と、前記ホルダに対して前記プ
ランジャを前記主弁に接近する方向に付勢するプランジ
ャ付勢手段とを備え、前記プランジャ付勢手段が、前記
ソレノイドが通電により前記主弁から離間する向きで前
記プランジャに与える最大吸引力を下回る付勢力を、前
記プランジャ及び前記ホルダのうち一方から他方に付与
する構成とした。
【0272】このため、ソレノイドの通電によりプラン
ジャが吸引される際、その吸引力がプランジャ付勢手段
の付勢力を下回る程度の通電量であれば、ホルダがホル
ダ移動規制部材により主弁から離間する向きへの移動を
規制された状態で、プランジャ付勢手段によりホルダに
対して主弁に接近する方向に付勢されたプランジャが、
弁座を閉じた場合の主弁のパイロット通路をニードル弁
が半開する箇所において、プランジャ移動規制部材によ
り、それ以上主弁に接近する向きへの移動を規制され
る。
【0273】よって、電磁弁の開閉時に、ソレノイドの
通電量を当初は定格電流より小さい量に制御すると、ホ
ルダ移動規制部材によるホルダの主弁から離間する向き
への移動の規制により、チャンバと一次側及び二次側と
の圧力差によって定まる主弁の開方向への付勢力次第
で、主弁が弁座を閉じ且つニードル弁がパイロット通路
を半開する状態か、或は、主弁がプランジャに追従して
ニードル弁にパイロット通路が塞がれるまで移動して、
パイロット通路が全閉で主弁が弁座を半開した状態かの
どちらかに、安定して保持される。
【0274】従って、いずれにしても、弁座の開閉の際
に、弁座又はパイロット通路が半開されて、一次側と二
次側との圧力差が一気に変動するのではなく、徐々に変
動することとなり、これにより、弁座の開閉に伴う弁座
の通過流体の急激な流量変化の発生を抑制し、ひいて
は、これに伴うウォータハンマ現象の発生を確実に抑制
又は防止することができる。
【0275】また、請求項2に記載した本発明の電磁弁
によれば、前記プランジャが、前記ニードル弁が形成さ
れた弁部と、該弁部を挟んで前記主弁側とは反対側に配
置される基部とを有していて、前記ホルダを挿通して前
記弁部と前記基部とが連結されており、前記プランジャ
付勢手段が、前記ホルダを前記基部側から前記弁部側に
向けて付勢する構成とした。
【0276】このため、ソレノイドの通電停止時にプラ
ンジャを弁座側に戻すのに復帰用付勢手段を用いる場
合、ソレノイドの通電量を抑制して弁座とパイロット通
路とのうちどちらかを半開状態にするのに、ホルダ移動
規制部材やプランジャ移動規制部材による移動の規制、
及び、プランジャ付勢手段のバネ力は用いるものの、復
帰用付勢手段のバネ力は一切用いない。
【0277】従って、復帰用付勢手段のバネ力とソレノ
イドの通電によるプランジャの吸引力とのバランスで弁
座とパイロット通路とのうちどちらかを半開状態にする
という、ソレノイドの容量を大きくしなければ安定した
状態に保持できない構造になるのを防止することができ
る。
【0278】さらに、請求項3に記載した本発明の電磁
弁によれば、前記ソレノイドが、該ソレノイドの通電時
に前記プランジャを吸引する吸引子を有しており、該吸
引子が、前記ソレノイドの通電により前記最大吸引力で
吸引される前記プランジャとの衝突の衝撃を緩衝する緩
衝部材を有している構成とした。
【0279】このため、ソレノイドの通電によりプラン
ジャがプランジャ付勢手段の付勢力を上回る吸引力で吸
引されて吸引子に衝突する際に、緩衝部材によりその衝
突の衝撃が緩和されるので、ウォータハンマによる騒音
と共にプランジャの移動に伴う衝撃が原因の騒音の発生
を合わせて抑制し、電磁弁の起こす騒音を全体的に解消
することができる。
【0280】また、請求項4に記載した本発明の電磁弁
駆動装置によれば、請求項1、2又は3記載の電磁弁を
駆動させるための装置であって、供給源からの作動用電
力を第1電力量で前記ソレノイドに供給させる第1電力
供給経路と、前記第1電力供給経路と並列に設けられ、
前記供給源からの前記作動用電力を第2電力量で前記ソ
レノイドに供給させる第2電力供給経路と、前記第1電
力供給経路を開放状態と閉成状態との間で変移させる第
1スイッチ手段と、前記第2電力供給経路を開放状態と
閉成状態との間で変移させる第2スイッチ手段とを備
え、前記第1電力量の前記作動用電力の供給による前記
ソレノイドの通電により、該ソレノイドから前記プラン
ジャに、前記付勢力を下回る吸引力が前記主弁から離間
する向きで与えられ、前記第1電力量及び前記第2電力
量を合成した電力量の前記作動用電力の供給による前記
ソレノイドの通電により、該ソレノイドから前記プラン
ジャに、前記最大吸引力が前記主弁から離間する向きで
与えられる構成とした。
【0281】このため、第1スイッチ手段により第1電
力供給経路が開放状態から閉成状態に変移されると、こ
の第1電力供給経路により供給源からの作動用電力が第
1電力量でソレノイドに供給され、プランジャ及びホル
ダのうち一方から他方にプランジャ付勢手段が付与する
付勢力を下回る吸引力が、主弁から離間する向きでソレ
ノイドからプランジャに与えられる。
【0282】すると、主弁が弁座を閉じ且つニードル弁
がパイロット通路を半開する状態か、或は、主弁がプラ
ンジャに追従してニードル弁にパイロット通路が塞がれ
るまで移動して、パイロット通路が全閉で主弁が弁座を
半開した状態かのどちらかに、電磁弁が安定して保持さ
れる。
【0283】そして、第1スイッチ手段により第1電力
供給経路が開放状態から閉成状態に変移されたままの状
態で、第2スイッチ手段により第2電力供給経路が開放
状態から閉成状態に変移されると、この第2電力供給経
路による第2電力量の作動用電力と、既に閉成状態にあ
る第1電力供給経路による第1電力量の作動用電力とを
合成した電力量で、供給源からの作動用電力がソレノイ
ドに供給され、ソレノイドからプランジャに、主弁から
離間する向きの最大吸引力が与えられる。
【0284】すると、プランジャが主弁から離間する方
向に移動し、このプランジャに追従して主弁がニードル
弁にパイロット通路が塞がれるまで移動して、パイロッ
ト通路が全閉で主弁が弁座を全開した状態に、電磁弁が
安定して保持される。
【0285】従って、請求項1、2又は3記載の電磁弁
を弁閉状態から弁開状態に駆動させる際には、第1スイ
ッチ手段により第1電力供給経路を開放状態から閉成状
態に変移させ、それから時間をおいて、第2スイッチ手
段により第2電力供給経路を開放状態から閉成状態に変
移させることで、ソレノイドへの通電量を、ゼロから第
1電力量へ、次いで、第1電力量から第1電力量と第2
電力量とを合成した電力量へと、段階的に増加させて、
弁座を開く際に、弁座又はパイロット通路が半開された
状態を途中で確実に発生させることができる。
【0286】同様に、請求項1、2又は3記載の電磁弁
を弁開状態から弁閉状態に駆動させる際には、第2スイ
ッチ手段により第2電力供給経路を閉成状態から開放状
態に変移させ、それから時間をおいて、第1スイッチ手
段により第1電力供給経路を閉成状態から開放状態に変
移させることで、ソレノイドへの通電量を、第1電力量
と第2電力量とを合成した電力量から第1電力量へ、次
いで、第1電力量からゼロへと、段階的に減少させて、
弁座を閉じる際に、弁座又はパイロット通路が半開され
た状態を途中で確実に発生させることができる。
【0287】さらに、請求項5に記載した本発明の電磁
弁駆動装置によれば、前記ソレノイドに対する前記作動
用電力の供給指令と該作動用電力の供給停止指令とを出
力する電力供給指令手段と、前記供給指令の出力時に第
1導通信号を出力すると共に、前記供給停止指令の出力
時から所定時間経過後に前記第1導通信号の出力を停止
する第1開閉指令手段と、前記供給指令の出力時から所
定時間経過後に第2導通信号を出力すると共に、前記供
給停止指令の出力時に前記第2導通信号の出力を停止す
る第2開閉指令手段とをさらに備え、前記第1スイッチ
手段が、前記第1導通信号の入力により前記第1電力供
給経路を開放状態から閉成状態に変移させると共に、前
記第1導通信号の入力停止により前記第1電力供給経路
を閉成状態から開放状態に変移させるように構成されて
おり、前記第2スイッチ手段が、前記第2導通信号の入
力により前記第2電力供給経路を開放状態から閉成状態
に変移すると共に、前記第2導通信号の入力停止により
前記第2電力供給経路を閉成状態から開放状態に変移す
る構成とした。
【0288】このため、ソレノイドに対する作動用電力
の供給指令が電力供給指令手段から出力されると、その
時点で第1スイッチ手段により第1電力供給経路が開放
状態から閉成状態に変移されて、この第1電力供給経路
により供給源からの作動用電力が第1電力量でソレノイ
ドに供給され、プランジャ及びホルダのうち一方から他
方にプランジャ付勢手段が付与する付勢力を下回る吸引
力が、主弁から離間する向きでソレノイドからプランジ
ャに与えられる。
【0289】そして、ソレノイドに対する作動用電力の
供給指令が電力供給指令手段から出力された時点から所
定時間が経過すると、第2スイッチ手段により第2電力
供給経路が開放状態から閉成状態に変移されて、この第
2電力供給経路による第2電力量の作動用電力と、先に
閉成状態に変移された第1電力供給経路による第1電力
量の作動用電力とを合成した電力量で、供給源からの作
動用電力がソレノイドに供給され、ソレノイドからプラ
ンジャに、主弁から離間する向きの最大吸引力が与えら
れる。
【0290】また、ソレノイドに対する作動用電力の供
給停止指令が電力供給指令手段から出力されると、その
時点で第2スイッチ手段により第2電力供給経路が閉成
状態から開放状態に変移されて、供給源からソレノイド
に供給される作動用電力が、第1電力量及び第2電力量
を合成した電力量から第1電力量に変移する。
【0291】そして、ソレノイドに対する作動用電力の
供給停止指令が電力供給指令手段から出力された時点か
ら所定時間が経過すると、第1スイッチ手段により第1
電力供給経路が閉成状態から開放状態に変移されて、供
給源からソレノイドへの作動用電力の供給が停止され、
ソレノイドからの吸引力がプランジャに付与されなくな
る。
【0292】従って、請求項1、2又は3記載の電磁弁
の弁座を開く際や閉じる際に、弁座又はパイロット通路
が半開された状態が途中で発生するように、弁閉状態か
ら弁開状態に駆動させる際には、ソレノイドへの通電量
を、ゼロから第1電力量へ、次いで、第1電力量から第
1電力量と第2電力量とを合成した電力量へと、段階的
に確実に増加させ、同様に、電磁弁を弁開状態から弁閉
状態に駆動させる際には、ソレノイドへの通電量を、第
1電力量と第2電力量とを合成した電力量から第1電力
量へ、次いで、第1電力量からゼロへと、段階的に確実
に減少させることができる。
【0293】また、請求項6に記載した本発明の電磁弁
駆動装置によれば、前記第1及び第2の各スイッチ手段
が、外部からの前記ソレノイドに対する前記作動用電力
の供給指令の入力により前記第1及び第2の各電力供給
経路を開放状態から閉成状態に各々変移させると共に、
前記作動用電力の供給停止指令の入力により前記第1及
び第2の各電力供給経路を閉成状態から開放状態に各々
変移させるように構成されており、前記第1スイッチ手
段に対する前記供給停止指令の出力を遅延させる停止指
令遅延手段と、前記第2スイッチ手段に対する前記供給
指令の出力を遅延させる供給指令遅延手段とをさらに備
える構成とした。
【0294】このため、外部からの作動用電力の供給指
令の第2スイッチ手段に対する出力を供給指令遅延手段
により遅延させることで、第2スイッチ手段により第2
電力供給経路が開放状態から閉成状態に変移する時点
を、第1スイッチ手段により第1電力供給経路が開放状
態から閉成状態に変移する時点よりも遅延させ、これに
より、電磁弁を弁閉状態から弁開状態に駆動させる際
に、ソレノイドへの通電量を、ゼロから第1電力量へ、
次いで、第1電力量から第1電力量と第2電力量とを合
成した電力量へと、段階的に確実に増加させることがで
きる。
【0295】同様に、外部からの作動用電力の供給停止
指令の第1スイッチ手段に対する出力を停止指令遅延手
段により遅延させることで、第1スイッチ手段により第
1電力供給経路が閉成状態から開放状態に変移する時点
を、第2スイッチ手段により第2電力供給経路が閉成状
態から開放状態に変移する時点よりも遅延させ、これに
より、これにより、電磁弁を弁開状態から弁閉状態に駆
動させる際に、ソレノイドへの通電量を、第1電力量と
第2電力量とを合成した電力量から第1電力量へ、次い
で、第1電力量からゼロへと、段階的に確実に減少させ
ることができる。
【0296】さらに、請求項7に記載した本発明の電磁
弁駆動装置によれば、前記供給指令と前記供給停止指令
とを出力する電力供給指令手段をさらに備える構成とし
た。
【0297】このため、ソレノイドに対する作動用電力
の供給指令が電力供給指令手段から出力されると、その
時点で供給指令が入力される第1スイッチ手段により、
第1電力供給経路が開放状態から閉成状態に変移され
て、この第1電力供給経路により供給源からの作動用電
力が第1電力量でソレノイドに供給され、プランジャ及
びホルダのうち一方から他方にプランジャ付勢手段が付
与する付勢力を下回る吸引力が、主弁から離間する向き
でソレノイドからプランジャに与えられる。
【0298】そして、ソレノイドに対する作動用電力の
供給指令が電力供給指令手段から出力された時点から所
定時間が経過すると、その時点で供給指令遅延手段によ
り遅延された供給指令が入力される第2スイッチ手段に
より、第2電力供給経路が開放状態から閉成状態に変移
されて、この第2電力供給経路による第2電力量の作動
用電力と、先に閉成状態に変移された第1電力供給経路
による第1電力量の作動用電力とを合成した電力量で、
供給源からの作動用電力がソレノイドに供給され、ソレ
ノイドからプランジャに、主弁から離間する向きの最大
吸引力が与えられる。
【0299】また、ソレノイドに対する作動用電力の供
給停止指令が電力供給指令手段から出力されると、その
時点で供給停止指令が入力される第2スイッチ手段によ
り、第2電力供給経路が閉成状態から開放状態に変移さ
れて、供給源からソレノイドに供給される作動用電力
が、第1電力量及び第2電力量を合成した電力量から第
1電力量に変移する。
【0300】そして、ソレノイドに対する作動用電力の
供給停止指令が電力供給指令手段から出力された時点か
ら所定時間が経過すると、その時点で停止指令遅延手段
により遅延された供給停止指令が入力される第1スイッ
チ手段により、第1電力供給経路が閉成状態から開放状
態に変移されて、供給源からソレノイドへの作動用電力
の供給が停止され、ソレノイドからの吸引力がプランジ
ャに付与されなくなる。
【0301】従って、供給指令の第2スイッチ手段への
出力を供給指令遅延手段により遅延させることで、第1
スイッチ手段による第1電力供給経路の開放状態から閉
成状態への変移よりも、第2スイッチ手段による第2電
力供給経路の開放状態から閉成状態への変移を遅延させ
て、電磁弁を弁閉状態から弁開状態に駆動させる際に、
電磁弁の駆動のために供給指令や供給停止指令から時間
差のある2つの信号を生成する必要をなくし、その分だ
け信号生成系及び信号出力系の動作を簡略化することが
できる。
【0302】同様に、供給停止指令の第1スイッチ手段
への出力を停止指令遅延手段により遅延させることで、
第2スイッチ手段による第2電力供給経路の閉成状態か
ら開放状態への変移よりも、第1スイッチ手段による第
1電力供給経路の閉成状態から開放状態への変移を遅延
させて、電磁弁を弁開状態から弁閉状態に駆動させる際
に、電磁弁の駆動のために供給指令や供給停止指令から
時間差のある2つの信号を生成する必要をなくし、その
分だけ信号生成系及び信号出力系の動作を簡略化するこ
とができる。
【0303】また、請求項8に記載した本発明の電磁弁
駆動装置によれば、請求項1、2又は3記載の電磁弁を
駆動させるための装置であって、供給源からの作動用電
力を第1電力量で前記ソレノイドに供給させる第3電力
供給経路と、前記第3電力供給経路と並列に設けられ、
前記供給源からの前記作動用電力を第2電力量で前記ソ
レノイドに供給させる第4電力供給経路と、前記供給源
からの前記作動用電力を基に生成される通電信号の入力
により前記第4電力供給経路を開放状態から閉成状態に
変移させると共に、前記通電信号の入力の停止により前
記第4電力供給経路を閉成状態から開放状態に変移させ
る第3スイッチ手段と、前記第3スイッチ手段に入力さ
れる前記通電信号を所定時間遅延させる通電信号遅延手
段と、前記ソレノイドに並列接続されたRC回路とを備
え、前記第1電力量の前記作動用電力の供給による前記
ソレノイドの通電により、該ソレノイドから前記プラン
ジャに、前記付勢力を下回る吸引力が前記主弁から離間
する向きで与えられ、前記第1電力量及び前記第2電力
量を合成した電力量の前記作動用電力の供給による前記
ソレノイドの通電により、該ソレノイドから前記プラン
ジャに、前記最大吸引力が前記主弁から離間する向きで
与えられると共に、前記供給源からの前記作動用電力の
供給の停止により前記RC回路において過渡現象が発生
し、前記RC回路の前記過渡現象により、前記供給源か
らの前記作動用電力の供給の停止後から、前記RC回路
の時定数に応じた所定時間に亘り継続して、前記第2電
力量未満で、且つ、前記第1電力量以上の前記作動用電
力が、前記RC回路から前記ソレノイドに供給される構
成とした。
【0304】このため、供給源からの作動用電力の供給
が開始されると、この時点で作動用電力が第3電力供給
経路により第1電力量でソレノイドに供給され、プラン
ジャ及びホルダのうち一方から他方にプランジャ付勢手
段が付与する付勢力を下回る吸引力が、主弁から離間す
る向きでソレノイドからプランジャに与えられる。
【0305】すると、主弁が弁座を閉じ且つニードル弁
がパイロット通路を半開する状態か、或は、主弁がプラ
ンジャに追従してニードル弁にパイロット通路が塞がれ
るまで移動して、パイロット通路が全閉で主弁が弁座を
半開した状態かのどちらかに、電磁弁が安定して保持さ
れる。
【0306】そして、供給源からの作動用電力の供給が
開始された時点から所定時間経過し、供給源からの作動
用電力を基に生成されて通電信号遅延手段により遅延さ
れた通電信号が第3スイッチ手段に入力されて、第4電
力供給経路が開放状態から閉成状態に変移されると、こ
の第4電力供給経路による第2電力量の作動用電力と、
既に第3電力供給経路により供給されている第1電力量
の作動用電力とを合成した電力量で、供給源からの作動
用電力がソレノイドに供給され、ソレノイドからプラン
ジャに、主弁から離間する向きの最大吸引力が与えられ
る。
【0307】すると、プランジャが主弁から離間する方
向に移動し、このプランジャに追従して主弁がニードル
弁にパイロット通路が塞がれるまで移動して、パイロッ
ト通路が全閉で主弁が弁座を全開した状態に、電磁弁が
安定して保持される。
【0308】また、供給源からの作動用電力の供給が停
止されると、その時点で第3スイッチ手段により第4電
力供給経路が閉成状態から開放状態に変移されて、第4
電力供給経路による第2電力量での供給源からの作動用
電力の供給が停止すると共に、第3電力供給経路による
第1電力量での供給源からの作動用電力の供給が停止す
る。
【0309】その一方で、供給源からの電力の供給が停
止されると、ソレノイドに並列接続されたRC回路にお
いて発生する過渡現象によって、RC回路の時定数に応
じた所定時間に亘ってこのRC回路を電流が流れ、この
電流の流れによって、RC回路が並列接続されたソレノ
イドに、第2電力量未満で、且つ、第1電力量以上の作
動用電力が供給される。
【0310】これにより、供給源からの電力の供給が停
止された後、RC回路の時定数に応じた所定時間に亘っ
て、主弁が弁座を閉じ且つニードル弁がパイロット通路
を半開する状態か、或は、主弁がプランジャに追従して
ニードル弁にパイロット通路が塞がれるまで移動して、
パイロット通路が全閉で主弁が弁座を半開した状態かの
どちらかに、電磁弁が安定して保持される。
【0311】そして、RC回路の時定数に応じた所定時
間が経過すると、過渡現象によりRC回路を流れる電流
の低下で、RC回路からソレノイドに供給される作動用
電力の電力量が第1電力量未満となり、やがては、RC
回路の過渡現象の終了で、RC回路からソレノイドに作
動用電力が供給されなくなって、ソレノイドからの吸引
力が付与されなくなったプランジャが、主弁のパイロッ
ト通路を全閉したまま主弁を押しながら元の位置に復帰
して、チャンバと一次側及び二次側との圧力差により主
弁が弁座を全閉する状態に電磁弁が復帰する。
【0312】従って、請求項1、2又は3記載の電磁弁
を弁閉状態から弁開状態に駆動させる際に、ソレノイド
への通電量を、ゼロから第1電力量へ、次いで、第1電
力量から第1電力量と第2電力量とを合成した電力量へ
と、段階的に増加させ、同様に、電磁弁を弁開状態から
弁閉状態に駆動させる際においても、ソレノイド5の通
電量を、第1電力量と第2電力量とを合成した電力量か
ら、第2電力量未満で、且つ、第1電力量以上の電力量
へ、次いで、第2電力量未満で、且つ、第1電力量以上
の電力量からゼロへと、段階的に減少させて、弁座を開
く際や閉じる際に、弁座又はパイロット通路が半開され
た状態を途中で確実に発生させることができる。
【0313】さらに、請求項9に記載した本発明の電磁
弁駆動装置によれば、前記ソレノイドに対する前記作動
用電力の供給指令と該作動用電力の供給停止指令とを出
力する電力供給指令手段と、前記第3及び第4電力供給
経路と前記供給源11とを接続する第5電力供給経路
と、該第5電力供給経路を開放状態と閉成状態との間で
変移させる第4スイッチ手段とをさらに備え、該第4ス
イッチ手段が、前記作動用電力の供給指令の入力により
前記第5電力供給経路を開放状態から閉成状態に変移さ
せると共に、前記作動用電力の供給停止指令の入力によ
り前記第5電力供給経路を閉成状態から開放状態に変移
させる構成とした。
【0314】このため、ソレノイドに対する作動用電力
の供給指令が電力供給指令手段から出力されると、その
時点で第4スイッチ手段により第5電力供給経路が開放
状態から閉成状態に変移されて、この第5電力供給経路
と第3電力供給経路により供給源からの作動用電力が第
1電力量でソレノイドに供給され、プランジャ及びホル
ダのうち一方から他方にプランジャ付勢手段が付与する
付勢力を下回る吸引力が、主弁から離間する向きでソレ
ノイドからプランジャに与えられる。
【0315】そして、ソレノイドに対する作動用電力の
供給指令が電力供給指令手段から出力された時点から所
定時間が経過すると、その時点で通電信号遅延手段によ
り遅延された通電信号が入力される第3スイッチ手段に
より、第4電力供給経路が開放状態から閉成状態に変移
されて、この第4電力供給経路による第2電力量の作動
用電力と、既に供給源に接続されている第3電力供給経
路による第1電力量の作動用電力とを合成した電力量
で、供給源からの作動用電力がソレノイドに供給され、
ソレノイドからプランジャに、主弁から離間する向きの
最大吸引力が与えられる。
【0316】また、ソレノイドに対する作動用電力の供
給停止指令が電力供給指令手段から出力されると、その
時点で通電信号の入力が停止される第3スイッチ手段に
より、第4電力供給経路が閉成状態から開放状態に変移
されて、第4電力供給経路による第2電力量での供給源
からの作動用電力の供給が停止すると共に、第3電力供
給経路による第1電力量での供給源からの作動用電力の
供給が停止する。
【0317】その一方で、供給源からの電力の供給が停
止されると、ソレノイドに並列接続されたRC回路にお
いて発生する過渡現象によって、RC回路の時定数に応
じた所定時間に亘ってこのRC回路を電流が流れ、この
電流の流れによって、RC回路が並列接続されたソレノ
イドに、第2電力量未満で、且つ、第1電力量以上の作
動用電力が供給される。
【0318】そして、RC回路の時定数に応じた所定時
間が経過すると、過渡現象によりRC回路を流れる電流
の低下で、RC回路からソレノイドに供給される作動用
電力の電力量が第1電力量未満となり、やがては、RC
回路の過渡現象の終了で、RC回路からソレノイドに作
動用電力が供給されなくなって、ソレノイドからの吸引
力がプランジャに付与されなくなる。
【0319】従って、第4スイッチ手段による第5電力
供給経路の開放状態から閉成状態への変移に伴って生成
される通電信号の、第3スイッチ手段への出力を、通電
信号遅延手段により遅延させることで、第3電力供給経
路による第1電力量での供給源からの作動用電力の供給
の開始よりも、第3スイッチ手段による第4電力供給経
路の開放状態から閉成状態への変移を遅延させて、電磁
弁を弁閉状態から弁開状態に駆動させる際に、電磁弁の
駆動のために供給指令や供給停止指令から時間差のある
2つの信号を生成する必要をなくし、その分だけ信号生
成系及び信号出力系の動作を簡略化することができる。
【0320】同様に、第4スイッチ手段による第5電力
供給経路の閉成状態から開放状態への変移に伴って発生
する過渡現象により、RC回路を流れる電流によって、
RC回路が並列接続されたソレノイドに、第2電力量未
満で、且つ、第1電力量以上の作動用電力を、RC回路
の時定数に応じた所定時間に亘って供給させることで、
第3スイッチ手段による第4電力供給経路の閉成状態か
ら開放状態への変移よりも、RC回路の過渡現象に起因
してソレノイドに供給される作動用電力が第1電力量を
下回る時点を遅延させて、電磁弁を弁開状態から弁閉状
態に駆動させる際に、電磁弁の駆動のために供給指令や
供給停止指令から時間差のある2つの信号を生成する必
要をなくし、その分だけ信号生成系及び信号出力系の動
作を簡略化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電磁弁駆動装置の基本構成図である。
【図2】本発明の電磁弁駆動装置の基本構成図である。
【図3】本発明の電磁弁駆動装置の基本構成図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る電磁弁の断面図であ
る。
【図5】図4の弁座及びパイロット通路が共に全閉状態
の場合の弁部分を示す要部拡大断面図である。
【図6】図5のプランジャを周方向に90゜向きを変え
て見た要部断面図である。
【図7】図4の弁座が全閉状態でパイロット通路が半開
状態の場合の弁部分を示す要部拡大断面図である。
【図8】図4の弁座が半開状態でパイロット通路が全閉
状態の場合の弁部分を示す要部拡大断面図である。
【図9】図4の電磁弁の弁開閉に伴う流入口側及び流出
口側の液媒体の圧力変化を示す特性図である。
【図10】図4の弁座が全閉状態でパイロット通路が全
開状態の場合の弁部分を示す要部拡大断面図である。
【図11】図4の弁座が全開状態でパイロット通路が全
閉状態の場合の弁部分を示す要部拡大断面図である。
【図12】図4の弁座が半開状態でパイロット通路が全
開状態の場合の弁部分を示す要部拡大断面図である。
【図13】図4のプランジャのニードル弁の位置(プラ
ンジャリフト)を横軸に取り、ソレノイドのコイルに対
する通電量に応じたプランジャに与える吸引力や、プラ
ンジャバネ及びニードル弁バネがプランジャに作用する
バネ力を縦軸に取った、これらの相関を示すグラフであ
る。
【図14】本発明の第1実施形態に係る電磁弁システム
における電磁弁駆動装置の概略構成を示すブロック図で
ある。
【図15】図14に示すドライブ回路の回路図である。
【図16】図14のマイコンCPUがROMに格納され
たプログラムに従って行う処理を示すメインルーチンの
フローチャートである。
【図17】図16の弁開処理のサブルーチンのフローチ
ャートである。
【図18】図16の弁閉処理のサブルーチンのフローチ
ャートである。
【図19】電磁弁の弁開時と弁閉時とにおける第1及び
第2の両駆動信号の信号レベルの変移を示すタイミング
チャートである。
【図20】本発明の第2実施形態に係る電磁弁システム
における電磁弁駆動装置の概略構成を示すブロック図で
ある。
【図21】図20に示すドライブ回路の回路図である。
【図22】図20のマイコンCPUがROMに格納され
たプログラムに従って行う処理を示すフローチャートで
ある。
【図23】電磁弁の弁開時と弁閉時とにおける第3駆動
信号の信号レベルと第3及び第4の両スイッチングトラ
ンジスタのベース電位と、第3及び第4の両スイッチン
グトランジスタの導通、非導通の状態との変移を示すタ
イミングチャートである。
【図24】本発明の第3実施形態に係る電磁弁システム
における電磁弁駆動装置の概略構成を示すブロック図で
ある。
【図25】図24に示すドライブ回路の回路図である。
【図26】図24のマイコンCPUがROMに格納され
たプログラムに従って行う処理を示すフローチャートで
ある。
【図27】電磁弁の弁開時と弁閉時とにおける第4駆動
信号の信号レベルと、第5スイッチングトランジスタの
ベース電位と、第5スイッチングトランジスタの導通、
非導通の状態と、コイルの電源側端子の電位との変移を
示すタイミングチャートである。
【図28】従来例に係るパイロット弁方式の電磁弁の断
面図である。
【図29】従来例に係る電磁弁の断面図である。
【図30】図28の電磁弁の弁開閉に伴う流入口側及び
流出口側の液媒体の圧力変化を示す特性図である。
【符号の説明】
1 電磁弁 31 流入口(一次側) 33 流出口(二次側) 35 弁座 5 ソレノイド 51 吸引子 51c 緩衝部材 55 プランジャ 55a プランジャ基部(プランジャ移動規制部材) 55e プランジャ弁部 55h ニードル弁 55j ニードル弁バネ(プランジャ付勢手段) 57 ホルダ 57a フランジ(ホルダ移動規制部材) 77 チャンバ 9 主弁 91 パイロット通路 10,10A,10B 電磁弁駆動装置 11 供給源 13,13A,13B マイクロコンピュータ 13a,13d,13g CPU 13b,13e,13h RAM 13c,13f,13j ROM 13α 電力供給指令手段 13β 第1開閉指令手段 13γ 第2開閉指令手段 α 第1電力供給経路 β 第2電力供給経路 γ 第3電力供給経路 δ 第4電力供給経路 ε 第5電力供給経路 DL1 停止指令遅延手段 DL2 供給指令遅延手段 DL3 通電信号遅延手段 P1 流入口液冷媒圧力(一次側圧力) P2 流出口液冷媒圧力(二次側圧力) T1 ,T2 所定時間 TRa 第1スイッチ手段 TRb 第2スイッチ手段 TRc 第3スイッチ手段 TRd 第4スイッチ手段 X RC回路

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一次側と二次側とを連通する弁座を開閉
    する主弁に形成された、この主弁が収容されるチャンバ
    と前記二次側とを連通するパイロット通路を、ソレノイ
    ドのプランジャに形成されたニードル弁により開閉し、
    前記チャンバと前記一次側及び前記二次側との圧力差に
    より前記主弁による前記弁座の開閉を行う電磁弁におい
    て、 前記プランジャに嵌装され前記ニードル弁による前記パ
    イロット通路の開閉方向において前記プランジャに対し
    て相対移動可能なホルダと、 前記ホルダに形成され前記開閉方向において前記主弁か
    ら離間する向きへの前記ホルダの移動を規制するホルダ
    移動規制部材と、 前記ホルダ及び前記プランジャのうち少なくとも一方に
    設けられ、前記ホルダ移動規制部材により前記主弁から
    離間する向きへの移動が規制された前記ホルダに対する
    前記プランジャの、前記主弁に接近する向きへの移動
    を、前記弁座を閉じた前記主弁の前記パイロット通路を
    前記ニードル弁が半開する箇所までに規制するプランジ
    ャ移動規制部材と、 前記ホルダに対して前記プランジャを前記主弁に接近す
    る方向に付勢するプランジャ付勢手段とを備え、 前記プランジャ付勢手段は、前記ソレノイドが通電によ
    り前記主弁から離間する向きで前記プランジャに与える
    最大吸引力を下回る付勢力を、前記プランジャ及び前記
    ホルダのうち一方から他方に付与する、 ことを特徴とする電磁弁。
  2. 【請求項2】 前記プランジャは、前記ニードル弁が形
    成された弁部と、該弁部を挟んで前記主弁側とは反対側
    に配置される基部とを有していて、前記ホルダを挿通し
    て前記弁部と前記基部とが連結されており、前記プラン
    ジャ付勢手段は、前記ホルダを前記基部側から前記弁部
    側に向けて付勢する請求項1記載の電磁弁。
  3. 【請求項3】 前記ソレノイドは、該ソレノイドの通電
    時に前記プランジャを吸引する吸引子を有しており、該
    吸引子は、前記ソレノイドの通電により前記最大吸引力
    で吸引される前記プランジャとの衝突の衝撃を緩衝する
    緩衝部材を有している請求項1又は2記載の電磁弁。
  4. 【請求項4】 請求項1、2又は3記載の電磁弁を駆動
    させるための装置であって、 供給源からの作動用電力を第1電力量で前記ソレノイド
    に供給させる第1電力供給経路と、 前記第1電力供給経路と並列に設けられ、前記供給源か
    らの前記作動用電力を第2電力量で前記ソレノイドに供
    給させる第2電力供給経路と、 前記第1電力供給経路を開放状態と閉成状態との間で変
    移させる第1スイッチ手段と、 前記第2電力供給経路を開放状態と閉成状態との間で変
    移させる第2スイッチ手段とを備え、 前記第1電力量の前記作動用電力の供給による前記ソレ
    ノイドの通電により、該ソレノイドから前記プランジャ
    に、前記付勢力を下回る吸引力が前記主弁から離間する
    向きで与えられ、 前記第1電力量及び前記第2電力量を合成した電力量の
    前記作動用電力の供給による前記ソレノイドの通電によ
    り、該ソレノイドから前記プランジャに、前記最大吸引
    力が前記主弁から離間する向きで与えられる、 ことを特徴とする電磁弁駆動装置。
  5. 【請求項5】 前記ソレノイドに対する前記作動用電力
    の供給指令と該作動用電力の供給停止指令とを出力する
    電力供給指令手段と、前記供給指令の出力時に第1導通
    信号を出力すると共に、前記供給停止指令の出力時から
    所定時間経過後に前記第1導通信号の出力を停止する第
    1開閉指令手段と、前記供給指令の出力時から所定時間
    経過後に第2導通信号を出力すると共に、前記供給停止
    指令の出力時に前記第2導通信号の出力を停止する第2
    開閉指令手段とをさらに備え、前記第1スイッチ手段
    は、前記第1導通信号の入力により前記第1電力供給経
    路を開放状態から閉成状態に変移させると共に、前記第
    1導通信号の入力停止により前記第1電力供給経路を閉
    成状態から開放状態に変移させるように構成されてお
    り、前記第2スイッチ手段は、前記第2導通信号の入力
    により前記第2電力供給経路を開放状態から閉成状態に
    変移すると共に、前記第2導通信号の入力停止により前
    記第2電力供給経路を閉成状態から開放状態に変移する
    ように構成されている請求項4記載の電磁弁駆動装置。
  6. 【請求項6】 前記第1及び第2の各スイッチ手段は、
    外部からの前記ソレノイドに対する前記作動用電力の供
    給指令の入力により前記第1及び第2の各電力供給経路
    を開放状態から閉成状態に各々変移させると共に、前記
    作動用電力の供給停止指令の入力により前記第1及び第
    2の各電力供給経路を閉成状態から開放状態に各々変移
    させるように構成されており、前記第1スイッチ手段に
    対する前記供給停止指令の出力を遅延させる停止指令遅
    延手段と、前記第2スイッチ手段に対する前記供給指令
    の出力を遅延させる供給指令遅延手段とをさらに備える
    請求項4記載の電磁弁駆動装置。
  7. 【請求項7】 前記供給指令と前記供給停止指令とを出
    力する電力供給指令手段をさらに備える請求項6記載の
    電磁弁駆動装置。
  8. 【請求項8】 請求項1、2又は3記載の電磁弁を駆動
    させるための装置であって、 供給源からの作動用電力を第1電力量で前記ソレノイド
    に供給させる第3電力供給経路と、 前記第3電力供給経路と並列に設けられ、前記供給源か
    らの前記作動用電力を第2電力量で前記ソレノイドに供
    給させる第4電力供給経路と、 前記供給源からの前記作動用電力を基に生成される通電
    信号の入力により前記第4電力供給経路を開放状態から
    閉成状態に変移させると共に、前記通電信号の入力の停
    止により前記第4電力供給経路を閉成状態から開放状態
    に変移させる第3スイッチ手段と、 前記第3スイッチ手段に入力される前記通電信号を所定
    時間遅延させる通電信号遅延手段と、前記ソレノイドに
    並列接続されたRC回路とを備え、 前記第1電力量の前記作動用電力の供給による前記ソレ
    ノイドの通電により、該ソレノイドから前記プランジャ
    に、前記付勢力を下回る吸引力が前記主弁から離間する
    向きで与えられ、 前記第1電力量及び前記第2電力量を合成した電力量の
    前記作動用電力の供給による前記ソレノイドの通電によ
    り、該ソレノイドから前記プランジャに、前記最大吸引
    力が前記主弁から離間する向きで与えられると共に、 前記供給源からの前記作動用電力の供給の停止により前
    記RC回路において過渡現象が発生し、 前記RC回路の前記過渡現象により、前記供給源からの
    前記作動用電力の供給の停止後から、前記RC回路の時
    定数に応じた所定時間に亘り継続して、前記第2電力量
    未満で、且つ、前記第1電力量以上の前記作動用電力
    が、前記RC回路から前記ソレノイドに供給される、 ことを特徴とする電磁弁駆動装置。
  9. 【請求項9】 前記ソレノイドに対する前記作動用電力
    の供給指令と該作動用電力の供給停止指令とを出力する
    電力供給指令手段と、前記第3及び第4電力供給経路と
    前記供給源とを接続する第5電力供給経路と、該第5電
    力供給経路を開放状態と閉成状態との間で変移させる第
    4スイッチ手段とをさらに備え、該第4スイッチ手段
    は、前記作動用電力の供給指令の入力により前記第5電
    力供給経路を開放状態から閉成状態に変移させると共
    に、前記作動用電力の供給停止指令の入力により前記第
    5電力供給経路を閉成状態から開放状態に変移させるよ
    うに構成されている請求項8記載の電磁弁駆動装置。
JP24417197A 1997-04-16 1997-09-09 電磁弁及び電磁弁駆動装置 Expired - Fee Related JP3760036B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24417197A JP3760036B2 (ja) 1997-04-16 1997-09-09 電磁弁及び電磁弁駆動装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9-98968 1997-04-16
JP9896897 1997-04-16
JP24417197A JP3760036B2 (ja) 1997-04-16 1997-09-09 電磁弁及び電磁弁駆動装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH112356A true JPH112356A (ja) 1999-01-06
JP3760036B2 JP3760036B2 (ja) 2006-03-29

Family

ID=26440053

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24417197A Expired - Fee Related JP3760036B2 (ja) 1997-04-16 1997-09-09 電磁弁及び電磁弁駆動装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3760036B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002139169A (ja) * 2000-11-06 2002-05-17 Saginomiya Seisakusho Inc 電磁弁
JP2002260920A (ja) * 2001-02-27 2002-09-13 Denso Corp 電磁弁駆動装置
JP2005023975A (ja) * 2003-06-30 2005-01-27 Toyoda Mach Works Ltd 水素ガス用高圧バルブ及び水素ガス用減圧装置
CN109073159A (zh) * 2016-05-10 2018-12-21 永都产业株式会社 流体控制用电磁阀
CN115401453A (zh) * 2022-09-19 2022-11-29 博格华纳联合传动系统有限公司 一种适合集成式电磁阀组装的匹配方法

Citations (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS55109864A (en) * 1979-02-19 1980-08-23 Hitachi Ltd Electromagnetic valve driving circuit
JPS564936Y2 (ja) * 1975-11-21 1981-02-03
JPS57913U (ja) * 1980-05-09 1982-01-06
JPS5973678A (ja) * 1982-10-15 1984-04-25 Nichiden Kogyo Kk 電磁弁
JPS61191574U (ja) * 1985-05-22 1986-11-28
JPS636708U (ja) * 1986-06-30 1988-01-18
JPH0351626A (ja) * 1989-07-19 1991-03-06 Hanshin Electric Co Ltd 燃焼機器用電磁弁の駆動回路
JPH0648004U (ja) * 1992-11-27 1994-06-28 株式会社堀場製作所 電磁弁駆動回路
JPH06207684A (ja) * 1992-08-28 1994-07-26 Taiheiyo Kogyo Kk 無音電磁弁
JPH07161525A (ja) * 1993-12-01 1995-06-23 Nordson Kk 電磁弁作動の応答時間を早める方法とその回路
JPH08210546A (ja) * 1995-02-07 1996-08-20 Aisan Ind Co Ltd 車両用パイロット式制御弁
WO1997007002A1 (de) * 1995-08-12 1997-02-27 Itt Automotive Europe Gmbh Elektromagnetventil, insbesondere für hydraulische kraftfahrzeugbremsanlagen mit radschlupfregelung
JPH09100933A (ja) * 1996-07-16 1997-04-15 Fuji Koki:Kk 電磁弁
JPH09210240A (ja) * 1996-02-05 1997-08-12 Ckd Corp 電磁弁

Patent Citations (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS564936Y2 (ja) * 1975-11-21 1981-02-03
JPS55109864A (en) * 1979-02-19 1980-08-23 Hitachi Ltd Electromagnetic valve driving circuit
JPS57913U (ja) * 1980-05-09 1982-01-06
JPS5973678A (ja) * 1982-10-15 1984-04-25 Nichiden Kogyo Kk 電磁弁
JPS61191574U (ja) * 1985-05-22 1986-11-28
JPS636708U (ja) * 1986-06-30 1988-01-18
JPH0351626A (ja) * 1989-07-19 1991-03-06 Hanshin Electric Co Ltd 燃焼機器用電磁弁の駆動回路
JPH06207684A (ja) * 1992-08-28 1994-07-26 Taiheiyo Kogyo Kk 無音電磁弁
JPH0648004U (ja) * 1992-11-27 1994-06-28 株式会社堀場製作所 電磁弁駆動回路
JPH07161525A (ja) * 1993-12-01 1995-06-23 Nordson Kk 電磁弁作動の応答時間を早める方法とその回路
JPH08210546A (ja) * 1995-02-07 1996-08-20 Aisan Ind Co Ltd 車両用パイロット式制御弁
WO1997007002A1 (de) * 1995-08-12 1997-02-27 Itt Automotive Europe Gmbh Elektromagnetventil, insbesondere für hydraulische kraftfahrzeugbremsanlagen mit radschlupfregelung
JPH09210240A (ja) * 1996-02-05 1997-08-12 Ckd Corp 電磁弁
JPH09100933A (ja) * 1996-07-16 1997-04-15 Fuji Koki:Kk 電磁弁

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002139169A (ja) * 2000-11-06 2002-05-17 Saginomiya Seisakusho Inc 電磁弁
JP4565589B2 (ja) * 2000-11-06 2010-10-20 株式会社鷺宮製作所 電磁弁
JP2002260920A (ja) * 2001-02-27 2002-09-13 Denso Corp 電磁弁駆動装置
JP4596353B2 (ja) * 2001-02-27 2010-12-08 株式会社デンソー 電磁弁駆動装置
JP2005023975A (ja) * 2003-06-30 2005-01-27 Toyoda Mach Works Ltd 水素ガス用高圧バルブ及び水素ガス用減圧装置
US7730905B2 (en) 2003-06-30 2010-06-08 Toyooki Kogyo Co., Ltd. High pressure valve for hydrogen gas and decompression device for hydrogen gas
CN109073159A (zh) * 2016-05-10 2018-12-21 永都产业株式会社 流体控制用电磁阀
CN115401453A (zh) * 2022-09-19 2022-11-29 博格华纳联合传动系统有限公司 一种适合集成式电磁阀组装的匹配方法
CN115401453B (zh) * 2022-09-19 2024-05-17 博格华纳联合传动系统有限公司 一种适合集成式电磁阀组装的匹配方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3760036B2 (ja) 2006-03-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0919754B1 (en) Proportional variable force solenoid control valve with armature damping
US6328065B1 (en) Electromagnetic hydraulic valve
JP2758064B2 (ja) 燃料噴射弁
US5035306A (en) Adjustable damping force hydraulic shock absorber
EP1705435B1 (en) Constant flow rate expansion valve
EP0222223B1 (en) Inline solenoid operated slide valve
JP2004504566A (ja) 比例圧力制御弁
US6779558B1 (en) Valve, especially a pressure control valve
CN112696522B (zh) 一种电磁阀
JPH112356A (ja) 電磁弁及び電磁弁駆動装置
US20020067100A1 (en) Solenoid valve
JP2971745B2 (ja) 電磁弁
EP1380801B1 (en) Expansion valve
US20030189112A1 (en) Fuel injection valve
US6708725B2 (en) Valve, particularly solenoid valve
JPH05106752A (ja) バルブシステム
CN221569601U (zh) 电磁阀
CN217583355U (zh) 一种具有节流功能的电磁阀及制冷系统
JPH10152042A (ja) ブレーキ液圧調節弁装置
CN111981160A (zh) 一种多通阀及热泵系统
JPH0894211A (ja) ステップ式パイロット電磁開閉弁
JPH10318425A (ja) パイロット式電磁弁
JP2002115937A (ja) 複合弁
CN219911334U (zh) 一种带油路卸压功能的插装阀结构和液压设备
JP2001304441A (ja) バルブ構造

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20051130

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20051213

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060106

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees