JPH11235489A - ミシンのメス機構 - Google Patents

ミシンのメス機構

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JPH11235489A
JPH11235489A JP3853198A JP3853198A JPH11235489A JP H11235489 A JPH11235489 A JP H11235489A JP 3853198 A JP3853198 A JP 3853198A JP 3853198 A JP3853198 A JP 3853198A JP H11235489 A JPH11235489 A JP H11235489A
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JP
Japan
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upper blade
holder
lower blade
blade holder
sewing machine
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JP3853198A
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Inventor
Katsuya Watarai
克也 渡会
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Brother Industries Ltd
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Brother Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 下刃と上刃との協働により加工布の縁部を切
断するものにあって、切断幅の調節を容易に行うと共
に、常に適切な刃圧を得る。 【解決手段】 下刃15を保持する下刃ホルダ21にシ
ャフト24を設け、本体機枠12に矢印B,C方向に移
動可能に挿通支持させ、その先端側部分に位置調節機構
20を設ける。上刃16を保持する上刃ホルダ22を、
下刃ホルダ21に取付けられるホルダガイド23によ
り、ほぼ上下方向に摺動可能に設ける。上刃16を下刃
15に対し一定の力で押付けるための板ばね26をホル
ダガイド23に設ける。位置調節機構20を、シャフト
24先端の位置規制ピン48が係止されるカム部材4
6、操作つまみ47、コイルばね44等から構成する。
操作つまみ47の回動操作により、下刃ホルダ21、ホ
ルダガイド23、上刃ホルダ22の位置関係を保ったま
まで一体的に変位させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばオーバーロ
ックミシンに組込まれ、針板部分にて加工布の縁部を切
断するためミシンのメス機構に関するものである。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】例えばオーバーロック
ミシンにおいては、メス機構により加工布の縁部を切り
揃えながら、かがり縫いを行う機能が備えられている。
前記メス機構は、針板の側部(縫製位置の手前部分)に
位置して、固定的に配置される下刃と、この下刃に対し
て摺接しながら斜め上下方向に揺動を行う上刃とを備え
てなり、それらの協働により加工布の縁部が切断される
ようになっている。このとき、前記下刃は、下刃ホルダ
を介してミシンベッド内の本体機枠に取付けられ、また
前記上刃は、上刃ホルダを介して上刃駆動アームに連結
状態に取付けられている。
【0003】ところで、上記したメス機構においては、
切断幅(針落ち位置から加工布の縁部までの幅ひいては
かがり幅)を調節するために、前記下刃を保持する下刃
ホルダが、本体機枠に対して左右方向の若干量の位置変
更が可能にねじ止めされていると共に、前記上刃を保持
する上刃ホルダも、上刃駆動アームに対して左右方向の
位置変更が可能にねじ止めされている。これにて、使用
者は、切断幅を変更したい場合には、例えば下刃ホルダ
を本体機枠に固定するねじを緩めて下刃ホルダを所望位
置に移動させた上で再びねじを締付け、これと共に、変
更された下刃の位置に合わせて上刃ホルダ側も同様に位
置変更するようになっている。
【0004】しかしながら、上記従来のメス機構では、
切断幅の調節のために、使用者は下刃ホルダ及び上刃ホ
ルダの双方の位置変更の作業を行わなければならず、調
節作業が比較的面倒なものであった。しかも、下刃ホル
ダ及び上刃ホルダを個別に移動させる構成であるため、
下刃と上刃との間の位置関係が微妙に変化して適切な刃
圧(摺接圧)が得られなくなる虞もあった。
【0005】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的は、下刃と上刃との協働により加工布の縁
部を切断するものにあって、切断幅の調節を容易に行う
ことができると共に、常に適切な刃圧を得ることができ
るミシンのメス機構を提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1のミシ
ンのメス機構は、ミシンベッドの針板部分に設けられ、
固定的に配置された下刃と、この下刃に摺接しながら揺
動する上刃との協働により、縫製される加工布の縁部を
切断するためのものにあって、前記下刃を保持する下刃
ホルダと前記上刃を保持する上刃ホルダとを、前記針板
に対して一体的に左右方向に位置変更させる切断幅調節
手段を設けたところに特徴を有する。
【0007】これによれば、下刃ホルダと上刃ホルダと
の双方を、切断幅調節手段により一体的に左右方向に位
置変更させ、加工布の切断幅を調節することができる。
従って、下刃及び上刃を個別に位置変更する必要がなく
なり、1回の作業で容易に切断幅を調節することができ
る。また、下刃と上刃との間の位置関係を変化させるこ
となくそれらの位置を変更することができる。
【0008】この場合、前記上刃と前記下刃を互いに接
近させる方向に付勢する付勢手段を備え、前記付勢手段
を前記上刃ホルダ及び下刃ホルダと共に前記切断幅調節
手段によって左右方向に移動する構成とすることができ
(請求項2の発明)、これにより、切断幅にかかわら
ず、付勢手段による刃圧が一定となり、安定した切断を
行うことができる。
【0009】本発明の請求項3のミシンのメス機構は、
ミシンベッド内の本体機枠に左右方向の位置変更可能に
取付けられ下刃を保持する下刃ホルダと、上刃が取付け
られる上刃ホルダと、前記下刃ホルダに設けられ前記上
刃ホルダを揺動方向の移動を許容した状態に支持するホ
ルダガイドと、このホルダガイドと上刃ホルダとの間に
設けられ該上刃ホルダを前記下刃ホルダ側に付勢して前
記下刃と上刃との間に所定の刃圧を付与するための加圧
部材と、駆動軸の回転駆動力を前記上刃ホルダの揺動に
変換して伝達する上刃駆動機構と、下刃ホルダの本体機
枠に対する左右方向の位置を調節する位置調節機構とを
具備するところに特徴を有する。
【0010】これによれば、上刃ホルダを揺動方向の移
動を許容した状態に支持するホルダガイドが、下刃ホル
ダに設けられているので、位置調節機構により、下刃ホ
ルダの本体機枠に対する左右方向の位置を調節すること
によって、上刃ホルダの左右方向の位置調節が同時に行
われることになる。そして、その際に、下刃ホルダに対
する上刃ホルダの位置が変化することはないので、加圧
部材により付与される刃圧は常に一定となる。従って、
下刃及び上刃を個別に位置変更する必要がなくなり、1
回の作業で容易に切断幅を調節することができ、また、
下刃と上刃との間の位置関係を変化させることなくそれ
らの位置を変更することができる。
【0011】この場合、上記加圧部材を、板ばねから構
成することができる(請求項4の発明)。これにより、
加圧部材たる板ばねにより一定の刃圧を付与することが
でき、しかも板ばねを採用したことにより、加圧部材の
配設を薄いスペースで済ませることができる。
【0012】また、例えばフラットロック縫いやブライ
ンドステッチなどのステッチタングを用いた縫製を行う
場合、切断幅が変更されることにより、ステッチ幅も変
更されることになるため、そのステッチ幅の変更に伴い
ステッチタングの位置変更も必要となる。このとき、ス
テッチタングを、下刃ホルダあるいはホルダガイドに取
付ける構成とすれば(請求項5の発明)、切断幅の変更
と同時に自動的にステッチタングの位置調節も行われる
ようになり、ステッチタングの位置調節を別途に行う必
要がなくなる。
【0013】ところで、この種のミシンにおいては、メ
ス機構を使用しない縫製を行う場合にも対応するため、
使用者のレバー操作によって、上刃駆動機構の駆動力の
上刃に対する伝達,切離しを切替える構成とされてい
た。ところが、上記レバーの切替えに、大きな操作力が
必要となる事情があり、その操作力の軽減が要望されて
いた。そこで、上記上刃駆動機構を、駆動軸側のアーム
と上刃ホルダ側のアームとの連結部を連結ピンにより切
離可能に連結して構成すると共に、その連結ピンを、て
この原理を応用して移動させることにより、上刃駆動機
構の上刃ホルダに対する駆動力の伝達,切離しを切替え
る切替部材を設けることができる(請求項6の発明)。
これによれば、切替部材はてこの原理を利用して連結ピ
ンを移動させるものであるから、小さい力で伝達,切離
しの切替が可能となる。
【0014】そして、本発明の請求項7のミシンのメス
機構は、上刃が取付けられる上刃ホルダと、ミシンベッ
ド内の本体機枠に左右方向の位置変更可能に取付けられ
前記上刃ホルダを揺動方向の移動を許容した状態に支持
するホルダガイドと、駆動軸の回転駆動力を前記上刃ホ
ルダの揺動に変換して伝達する上刃駆動機構と、本体機
枠に左右方向の移動可能に設けられ下刃を保持する下刃
ホルダと、この下刃ホルダを前記上刃ホルダ側に付勢し
て前記下刃と上刃との間に所定の刃圧を付与するための
加圧部材と、前記ホルダガイドの本体機枠に対する左右
方向の位置を調節する位置調節機構とを具備するところ
に特徴を有する。
【0015】これによれば、位置調節機構により、上刃
ホルダを支持するホルダガイドの本体機枠に対する左右
方向の位置を調節することができる。このとき、下刃ホ
ルダは加圧部材によって上刃ホルダ側に付勢されている
ので、そのホルダガイドつまり上刃ホルダの位置変更に
伴って一体的に位置変更されることになる。また、加圧
部材により付与される刃圧を常にほぼ一定とすることが
できる。
【0016】この場合も、ステッチタングを、ホルダガ
イドに取付ける構成とすれば(請求項8の発明)、切断
幅の変更と同時に自動的にステッチタングの位置調節も
行われるようになり、ステッチタングの位置調節を別途
に行う必要がなくなる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明を家庭用オーバーロ
ックミシンに適用したいくつかの実施の形態について、
図面を参照しながら説明する。
【0018】(1)第1の実施の形態 図1ないし図9を参照して、本発明の第1の実施の形態
(請求項1,2,3,4,6に対応)について述べる。
図8は、家庭用オーバーロックミシン1の外観を示して
おり、まず、このミシン1の全体の概略構成について簡
単に述べる。
【0019】このミシン1は、ミシンベッド2の上部に
アーム部3を一体に有して構成されている。このうちア
ーム部3の左端部には、先端に2本の縫い針4が装着可
能な針棒5が設けられると共に、布押え6が設けられて
いる。また、このアーム部3には、この場合4個の糸調
子装置7が設けられ、さらに、アーム部3の背面側に
は、糸立て台8や糸掛け9等が設けられている。
【0020】一方、前記ミシンベッド2には、図9にも
一部示すように、その上面に位置して前記針棒5と対向
する針板10が設けられている。また、このミシンベッ
ド2内には、針板10の下方に位置して送り歯機構(図
9に送り歯11の一部のみ図示)が組込まれていると共
に、図示はしないが、縫目形成用のオーバールーパー及
びアンダールーパーが設けられている。これら針板10
や送り歯機構、各ルーパー等は、本体機枠12(図1,
図5など参照)に組付けられるようになっている。
【0021】さらに、図示はしないが、ミシンベッド2
の右側部位には、針棒5や送り歯機構、各ルーパー等の
駆動源となるミシンモータが配設されている。このミシ
ンモータの駆動力は図示しない駆動軸に伝達されて各機
構を動作させるようになっている。また、このミシンベ
ッド2は布板カバー13により覆われるようになってい
る。
【0022】そして、このミシンベッド2には、本実施
の形態に係るメス機構14が設けられる。図9に一部示
すように、このメス機構14は、前記針板10の右側部
に形成された切欠凹部10a内に位置して固定的に設け
られた下刃(固定刃)15と、この下刃15に対してほ
ぼ上下方向(図2で両矢印A方向)に揺動(往復動)す
る上刃(可動刃)16との協働により、縫製される加工
布(図示せず)の縁部を縫目形成直前の位置で切断する
ようになっている。
【0023】さて、前記メス機構14について、図1な
いし図7を参照して詳述する。このメス機構14は、大
きく分けて、前記下刃15や上刃16が支持される切断
機構部17(図1〜図3参照)、前記上刃16を駆動
(揺動)するための上刃駆動機構18(図2等参照)、
この上刃駆動機構18の途中部に設けられ駆動力の伝
達,切離しを行うための切替機構19(図5〜図7参
照)、前記切断機構部17の左右方向の位置を調節する
ための切断幅調節手段たる位置調節機構20(図1等参
照)から構成されている。
【0024】図1ないし図4に示すように、前記切断機
構部17は、下刃ホルダ21及び上刃ホルダ22並びに
ホルダガイド23等を有して構成される。このうち下刃
ホルダ21は、縦長の板状をなすと共に、その上端に右
方に凸となる下刃取付部21aを一体に有し、その下刃
取付部21aの右側面部に前記下刃15がねじ止め固定
されている。
【0025】また、下刃ホルダ21の左側面中央部に
は、左方へ突出するシャフト24が設けられ、このシャ
フト24が前記本体機枠12を貫通するようにして軸方
向(図1等に矢印B及び矢印Cで示す左右方向)に移動
可能に挿通支持されている。このシャフト24の先端側
部分に、後述する位置調節機構20が設けられるように
なっている。さらに、下刃ホルダ21の前記シャフト2
4のやや上部には、回り止め軸25が設けられ、同様に
本体機枠12に軸方向の移動が可能に挿通されている。
【0026】前記上刃ホルダ22は、上下方向に長い角
棒状をなし、その上端部に前記上刃16がねじ止め固定
されている。また、この上刃ホルダ22の下端部には、
後述する上刃駆動機構18に連結されるやや横長の矩形
状の連結穴22aが設けられている。そして、前記ホル
ダガイド23は、図4に示すように、その左側面側に前
記上刃ホルダ22の途中部が摺動自在に挿通される縦方
向に延びる溝部23aを有して構成されている。
【0027】これにて、前記上刃ホルダ22は、前記ホ
ルダガイド23の溝部23aに挿通された状態で、該ホ
ルダガイド23が前記下刃ホルダ21に複数箇所でねじ
止め固定されることにより、該下刃ホルダ21に対して
図2に両矢印Aで示すほぼ上下方向(揺動方向)に摺動
可能な状態に支持されるようになっている。このとき、
図3に示すように、下刃ホルダ21の右側面の下端部に
は突起21bが形成されており、これにて上刃ホルダ2
2がいわば点接触状態とされて摺動抵抗が小さくなるよ
うに構成されている。また、このとき、前記上刃16が
下刃15に対して摺接するようになっている。
【0028】さらに、前記ホルダガイド23の右側壁部
には、上刃ホルダ22を下刃ホルダ21側に付勢するた
めの加圧部材(付勢手段)たる板ばね26が取付けられ
ている。この板ばね26は、基端側(下端側)がホルダ
ガイド23にねじ止めされており、先端側(上端部)が
左方に緩やかに折曲げられた形態をなし、その先端部が
上刃ホルダ22の右側面に圧接して左方に押圧するよう
になっている。これにて、板ばね26のばね力により、
上刃16が下刃15に常に一定の力で押付けられ、所定
の刃圧が得られるようになっているのである。この場
合、加圧部材として板ばね26を採用したことにより、
薄いスペースに配設することができる。
【0029】そして、前記上刃駆動機構18は、図2,
図4等に示すように、前記切断機構部17の左側奥方に
配置され前記駆動軸により回転される偏心輪27、この
偏心輪27によってほぼ上下方向(図2で両矢印D方
向)に往復動されるリンク28、このリンク28の下端
部に後端部が連結されて前方に延びる第1アーム29、
この第1アーム29に連結される第2アーム30、この
第2アーム30の前端部に基端部が連結され図1に示す
ように先端側が右方に延びる作動軸31、前記上刃ホル
ダ22の下端の連結穴22a内に摺動可能に収容される
と共に前記作動軸31の先端部に挿入,連結される角コ
マ32等から構成されている。
【0030】このとき、図5,図6にも示すように、前
記第1アーム29の前端部は、本体機枠12に設けられ
た支点軸33に挿通され、前記第2アーム30の途中部
も、前記第1アーム29の左側に重なるようにして前記
支点軸33に挿通されている。そして、第1アーム29
の途中部と、第2アーム30の後端部とが連結ピン34
により切離可能に連結され、もってこの部分が連結部3
5とされている。この連結部35が、後述する切替機構
19によって連結あるいは切離しされるようになている
のである。
【0031】これにて、図2に示すように、駆動軸によ
って偏心輪27が回転するとリンク28の往復動によっ
て駆動軸側の第1アーム29が支点軸33を中心として
矢印E方向に揺動する。ここで上刃ホルダ22側の第2
アーム30がその第1アーム29と連結されているとき
には、第2アーム30の一端側が支点軸33を中心とし
て矢印F方向に揺動する。そして、その揺動が作動軸3
1及び角コマ32を介して上刃ホルダ22の矢印A方向
の揺動に変換されて伝達され、もって下刃15と上刃1
6との協働による切断動作が行われるようになるのであ
る。
【0032】ここで、前記切替機構19について述べ
る。図5及び図6に示すように、前記連結部35は、第
2アーム30の後端部に貫通孔30aを設けると共に、
それに対応して第1アーム29に差込穴29aを設け、
第2アーム30側から連結ピン34を差込んでその先端
部が差込穴29aに挿入されることにより両者の連結が
行われるようになっている。このとき、図4及び図7に
も示すように、連結ピン34はその基端部に鍔状の径大
部34aを有し、その径大部34aと第2アーム30と
の間に引張コイルばね36が掛渡されていて、連結ピン
34は常に差込穴29aへの挿入方向に付勢されてい
る。
【0033】前記切替機構19は、てこの原理を応用し
て前記連結ピン34を移動させる切替部材37や、その
切替部材37を動作させるための切替レバー38を備え
て構成されている。前記切替部材37は、図5,図6に
示すように、金属板を上面から見てく字状(V字状)に
折曲して構成され、その一辺側が前記第2アーム30の
左側壁に沿うように位置されると共に、他辺側が左方に
斜めに延びるようにして、第2アーム30の左側壁部に
設けられている。このとき、切替部材37は回り止めピ
ン39により第2アーム30に対してずれ動くことのな
いように設けられている。そして、図4,図7に示すよ
うに、この切替部材37の一辺側の先端部は二又状の係
止部37aとされており、前記連結ピン34の径大部3
4aの内面部を係止するようになっている。
【0034】一方、前記切替レバー38は、本体機枠1
2に軸38aを中心に揺動可能に取付けられており、そ
の先端部(右端部)は、前記切替部材37の他辺側の先
端部に対応位置する押圧部38bとされている。また、
切替レバー38の左端部には操作つまみ部40が設けら
れている。この操作つまみ部40は、図8にも示すよう
に、ミシンベッド2の布板カバー13の開口から左側面
に露出し、外部からの操作が可能とされている。さら
に、前記本体機枠12には、この切替レバー38の先端
部の上部に位置して板ばね製の押えばね41が設けられ
ている。この押えばね41は、切替レバー38の先端部
の上方に折曲げられた突片部38cに対して作用するこ
とにより、切替に節度を付与してトグル作用を呈すると
共に、切替レバー38の位置規制を行うようになってい
る。
【0035】これにて、切替レバー38は、図5に示す
メス作動位置と、図6に示すメス解除位置との間で揺動
変位可能に設けられている。図5に示す切替レバー38
のメス作動位置においては、押圧部38bが切替部材3
7の他辺側から離れていて、引張コイルばね36のばね
力により、連結ピン34が第1アーム29に第2アーム
30を連結させており、切替部材37の一辺側が第2ア
ーム30の左側壁に沿うように位置されている。
【0036】これに対し、操作つまみ部40が奥側に操
作されて切替レバー38がメス解除位置に変位される
と、図6に示すように、押圧部38bが、引張コイルば
ね36のばね力に抗して、切替部材37の他辺側を手前
側に押圧し、切替部材37の一辺側の係止部37aが、
連結ピン34を引抜く方向に変位し、もって第1アーム
29と第2アーム30とのを連結を切離すようになって
いる。このとき、押圧部38bが切替部材37を押圧す
る位置が力点、切替部材37の中央の折曲部が支点、係
止部37aが作用点となるてこの原理によって、連結ピ
ン34が引抜き方向に移動されるようになるのである。
このメス解除位置から、操作つまみ部40が手前側に操
作されると、メス作動位置に戻るようになることは勿論
である。
【0037】さて、前記位置調節機構20は、次のよう
に構成されている。即ち、図1及び図4に示すように、
前記下刃ホルダ21に固定されているシャフト24の途
中部には、前記本体機枠12の左方に位置してばね受け
用のリング42が固着されている。これに対し、前記本
体機枠12には、上面から見てL字状をなすダイヤル押
え板43がねじ止め固定されている。このダイヤル押え
板43の左側の主板部43aには、前記シャフト24の
先端部(前記リング24よりも左側部分)が挿通するU
字状の切込み(図4参照)が設けられ、この主板部43
aの右側面と前記リング42との間に、コイルばね44
が嵌挿されている。
【0038】これにて、コイルばね44のばね力によ
り、シャフト24(ひいては下刃ホルダ21)は、本体
機枠12に対して常に右方(矢印C方向)に付勢されて
いる。また、前記ダイヤル押え板43の主板部43aの
左側面には、前記シャフト24が通されるようにして、
リング状のつまみダイヤル45が固着されている。この
つまみダイヤル45の左側面には、放射方向に延びる細
かい凹凸部45aが円周方向全体に交互に形成されてい
る。
【0039】そして、前記シャフト24の先端部側に
は、カム部材46が設けられる。このカム部材46は、
右端面にて開口し前記シャフト24の先端が挿入される
中空部を有する円筒状をなすと共に、その上面部分に、
前記中空部に連通する四角形の開口部46aが形成され
ている。このとき、開口部46aの右内壁面が、軸方向
に対して次第に傾斜するカム斜面46bとされている。
また、カム部材46の右端面には、前記つまみダイヤル
45の凹凸部45aに対応した同様の凹凸部46cが設
けられている。さらに、このカム部材46の左端部に
は、操作つまみ47が取付けられている。この操作つま
み47は、図8にも示すように、ミシンベッド2の布板
カバー13の左側面に露出し、外部からの回動操作が可
能とされている。
【0040】これに対し、前記シャフト24の先端の上
面部には、上方に凸となる位置規制ピン48がねじ止め
固着されている。この位置規制ピン48は、前記カム部
材46の開口部46aから上方に突出し、前記コイルば
ね44の付勢力により前記カム斜面46bに圧接するよ
うになっている。これにて、本体機枠12に対するシャ
フト24の軸方向位置は、位置規制ピン48がカム斜面
46bのどこに圧接しているかによって決まり、操作つ
まみ47の操作によってカム部材46が回動されること
により、位置規制ピン48がカム斜面46bを相対的に
移動することによって変更されるのである。
【0041】この場合、ミシンベッド2の左側から見て
右回り(時計回り)方向に操作つまみ47が回動操作さ
れると、位置規制ピン48がカム斜面46bを相対的に
右方に移動し、切断機構部17が本体機枠12に対して
右方に変位し、加工布の切断幅を広げるようになってい
る。逆に操作つまみ47が左回り(反時計回り)方向に
回動操作されると、位置規制ピン48がカム斜面46b
を相対的に左方に移動し、切断機構部17が本体機枠1
2に対して左方に変位し、加工布の切断幅を狭めるよう
になっている。
【0042】また、このとき、カム部材46の凹凸部4
6cと前記つまみダイヤル45の凹凸部45aとが噛合
うことにより、操作つまみの操作時の適度な抵抗(節度
感)が得られると共に、カム部材46が、がたつくこと
なく回動操作された位置に保持されるようになってい
る。これにより、操作つまみ47の回動操作によって、
下刃ホルダ21ひいては切断機構部17の左右方向の位
置を調節することができ、もって加工布の切断幅を調節
する切断幅調節手段が構成されるのである。尚、図示は
しないが、布板カバー13の左側面部には、操作つまみ
47の周囲部に位置して、その操作つまみ47の回動位
置に対する切断幅の関係を示す目盛が設けられている。
【0043】次に、上記構成の作用について述べる。上
記したミシン1にあって、メス機構14により加工布の
縁部を切断しながら縁かがり縫いを行う場合には、切替
機構19の切替レバー38を図5に示すメス作動位置に
位置させて上刃駆動機構18における連結ピン34が第
1アーム29と第2アーム30とを連結させている状態
とする共に、後述するように、下刃15及び上刃16
(切断機構部17)針板10に対する左右方向位置を加
工布の切断幅に応じた適切な位置に調節した状態で、縫
製動作を実行させる。
【0044】ミシンモータにより駆動軸が駆動されるこ
とに伴い、針棒5、ルーパー、送り歯11等が同期駆動
されると共に、メス機構14が同期駆動されて、加工布
の縁部が切断されながら縁かがり縫いの縫目が形成され
るようになる。このとき、メス機構14においては、上
述のように、駆動軸の駆動により上刃駆動機構18の偏
心輪27が回転し、リンク28が矢印D方向に往復動し
て第1アーム29を矢印E方向に揺動させ、この揺動が
第2アーム30に伝達されて作動軸31が矢印F方向に
揺動され、上刃ホルダ22が、固定配置された下刃ホル
ダ21に対して矢印A方向に揺動する。これにより、上
刃16が下刃15に対して、板ばね26のばね力により
一定の力で押しつけられて摺動しながらほぼ上下方向に
揺動し、加工布の切断動作が実行されるのである。
【0045】しかして、このとき、かがり縫い幅に応じ
た切断幅となるように、針板10に対する下刃15及び
上刃16の左右方向位置(本体機枠17に対する切断機
構部17の左右方向位置)の調節が必要な場合がある。
本実施の形態においては、使用者は位置調節機構20に
より、加工布の切断幅を自在に調節することができる。
即ち、加工布の切断幅を広げたい、つまり下刃15及び
上刃16の位置を右方に移動させたい場合には、使用者
は、操作つまみ47を右回り(時計回り)方向に回動操
作する。
【0046】すると、上述のように、コイルばね44の
ばね力によって右方に付勢されたシャフト24の先端の
位置規制ピン48が、カム部材46のカム斜面46bを
相対的に右方に移動し、シャフト24に連結された下刃
ホルダ21ひいては切断機構部17全体が、本体機枠1
2に対して右方(矢印C方向)に変位するのである。こ
の場合、下刃ホルダ21、ホルダガイド23、上刃ホル
ダ22がその位置関係を保ったままで同時に一体的に変
位するようになるので、下刃15及び上刃16を個別に
位置変更する必要はなく、下刃15に対する上刃16の
位置関係は一定に保たれる。また、このとき、板ばね2
6はホルダガイド23に設けられ、上刃ホルダ22及び
下刃ホルダ21と共に移動するので、板ばね26の弾性
変形状態は常に一定であり、板ばね26により付与され
る上刃16と下刃15の刃圧は常に一定となり、加工布
の安定した切断が可能となる。
【0047】一方、加工布の切断幅を狭めたい、つまり
下刃15及び上刃16の位置を左方に移動させたい場合
には、使用者は、操作つまみ47を左回り(反時計回
り)方向に回動操作する。すると、シャフト24の先端
の位置規制ピン48が、コイルばね44のばね力に抗し
てカム部材46のカム斜面46bを相対的に左方に移動
し、シャフト24に連結された下刃ホルダ21ひいては
切断機構部17全体が、本体機枠12に対して左方(矢
印B方向)に変位するのである。
【0048】この場合も、下刃ホルダ21、ホルダガイ
ド23、上刃ホルダ22がその位置関係を保ったままで
同時に一体的に変位し、下刃15に対する上刃16の位
置関係つまり板ばね26により付与される刃圧が常に一
定となることはいうまでもない。これにて、使用者は、
加工布の切断幅の調節を容易に行うことができるように
なっている。尚、上述のように、前記カム部材46は、
その凹凸部46cが、本体機枠12に対して固定的に設
けられるつまみダイヤル45の凹凸部45aに噛合うこ
とにより、その位置に確実に保持されるようになってい
る。
【0049】ところで、このミシン1において、上記し
たメス機構14を使用しない縫製を行う場合には、使用
者が、操作つまみ部40を操作して切替レバー38をメ
ス解除位置に変位させることにより、切替機構19によ
って連結部35における連結が切離されるようになる。
即ち、上述のように、切替レバー38のメス作動位置に
おいては、図5に示すように、切替レバー38の押圧部
38bが切替部材37から離れていて、連結ピン34が
第1アーム29と第2アーム30とを連結し、上刃駆動
機構18における駆動力の伝達がなされるようになって
いる。
【0050】そして、その状態から、切替レバー38が
メス解除位置に変位されると、図6に示すように、その
押圧部38bが切替部材37を手前側に押圧,変位さ
せ、てこの原理により、連結ピン34が引抜かれる方向
に移動されるようになる。これにて、第1アーム29と
第2アーム30との連結が切離され、駆動力が第2アー
ム30ひいては上刃ホルダ22に伝達されなくなるので
ある。
【0051】この場合、切替部材37は、てこの原理を
利用して連結ピン34を移動させるものであるから、使
用者が切替レバー38を操作するにあたっての操作力を
小さく済ませることができるのである。尚、この切替レ
バー38のメス解除位置においては、押えばね41が突
片部38cを係止することにより、引張コイルばね36
によるばね力に抗して切替レバー38をその位置に保持
するようになっている。また、この状態から、操作つま
み部40が操作されて切替レバー38がメス作動位置に
変位されると、連結ピン34が挿入方向に移動されて第
1アーム29と第2アーム30との連結(駆動力の伝
達)がなされることは勿論である。
【0052】このように本実施の形態のメス機構14に
よれば、使用者の操作つまみ47の回動操作に基づき、
位置調節機構20によって、下刃15を保持する下刃ホ
ルダ21と上刃16を保持する上刃ホルダ22との双方
を、一体的に左右方向に位置変更させ、加工布の切断幅
を調節することができる。従って、下刃及び上刃を個別
に位置変更する必要のあった従来のものと異なり、切断
幅の調節の作業を容易に行うことができる。このとき、
下刃15と上刃16との間の位置関係を変化させること
なくそれらの位置を変更することができるので、常に適
切な刃圧を得ることができるものである。
【0053】また、特に本実施の形態では、上刃駆動機
構18の駆動力の上刃ホルダ22に対する伝達,切離し
を切替えるための切替機構19を、てこの原理を応用し
て連結ピン34を移動させる切替部材37を備えて構成
したことにより、連結ピン34を小さい力で移動させる
ことが可能となり、その切替に要する使用者の操作力の
軽減を図ることができるという利点も得ることができる
ものである。
【0054】尚、上述した実施の形態では、板ばね26
の上端の自由端を上刃ホルダ22に直接摺動可能に接触
させているが、図10に示すように、ガイド板49に板
ばね26の自由端を摺動可能に接触させ、板ばね26が
上刃16と下刃15を互いに接近するように付勢するよ
うにすることもできる。これによれば、その摺動による
騒音が低減される。また、上刃ホルダ22とは別にガイ
ド板49をミシンから着脱可能に構成すれば、ガイド板
49が上刃ホルダ22自体の代わりに摩耗したとして
も、摩耗部分の交換作業はそのガイド板49のみの交換
で良く、上刃ホルダ22ごとを交換する場合に比べて非
常に簡便に行なえる。
【0055】(2)第2の実施の形態 図11及び図12は、本発明の第2の実施の形態(請求
項5に対応)を示している。この実施の形態が、上記第
1の実施の形態と異なるところは、前記ホルダガイド2
3に、ステッチタング51を取付けるようにした点にあ
る。即ち、ステッチタング51は、その下端部がステッ
チタングホルダ52により保持され、そのステッチタン
グホルダ52が、ホルダガイド23の右側面部に例えば
ねじ止めにより固着されるようになっている。また、ス
テッチタング51は、ステッチタングホルダ52に対し
て若干の上下方向位置調整可能に設けられている。
【0056】ここで、例えばフラットロック縫いやブラ
インドステッチなどのステッチタング51を用いた縫製
を行う場合、加工布の切断幅が変更されることに伴い、
ステッチ幅も変更されることになるため、そのステッチ
幅の変更に伴いステッチタング51の左右方向の位置変
更も必要となる。この実施の形態によれば、ステッチタ
ング51は、切断機構部17と一体的に取付けられてい
るので、切断幅の変更と同時に自動的にステッチタング
51の位置調節も行われるようになり、ステッチタング
51の位置調節を別途に行う必要がなくなるものであ
る。
【0057】(3)第3の実施の形態 次に、本発明の第3の実施の形態(請求項7に対応)に
ついて、図13及び図14を参照しながら説明する。
尚、この第3の実施の形態においても、位置調節機構の
一部や上刃駆動機構18,切替機構19等は、上記第1
の実施の形態と共通するので、同一部分については同一
符号を付して詳しい説明を省略し、以下、異なる点につ
いてのみ述べる。
【0058】この実施の形態に係るメス機構61は、大
きく分けて、下刃15や上刃16が支持される切断機構
部62、前記上刃16を駆動(揺動)するための上刃駆
動機構18、この上刃駆動機構18の途中部に設けられ
駆動力の伝達,切離しを行うための切替機構19(図示
を省略している)、前記切断機構部62の左右方向の位
置を調節するための切断幅調節手段たる位置調節機構6
3を備えて構成されている。
【0059】前記切断機構部62は、下刃15が取付け
られる下刃ホルダ64、上刃16が取付けられる上刃ホ
ルダ22、この上刃ホルダ22を両矢印Aで示すほぼ上
下方向(揺動方向)に摺動可能な状態に支持するホルダ
ガイド65等を有して構成される。この場合、前記下刃
ホルダ64は、ほぼ三角形の板状に構成され、その背面
側(左側面)には、左方へ突出するシャフト66が設け
られ、このシャフト66が本体機枠67を貫通するよう
にして軸方向(矢印B及び矢印Cで示す左右方向)に移
動可能に挿通支持されている。
【0060】また、この下刃ホルダ64には、前記シャ
フト66のやや下部に位置して回り止め軸68が設けら
れ、同様に本体機枠67に軸方向の移動が可能に挿通さ
れている。そして、前記シャフト66の回りには、前記
本体機枠67と下刃ホルダ64との間に加圧部材たるコ
イルばね69が嵌挿されている。これにて、コイルばね
69のばね力により、下刃ホルダ64が本体機枠67に
対して右方(矢印C方向)即ち上刃ホルダ22側に付勢
され、以て下刃15が上刃16に対して常にほぼ一定の
力で押付けられ、所定の刃圧が得られるようになってい
るのである。
【0061】一方、前記ホルダガイド65は、全体とし
て、前記上刃ホルダ22の途中部の周囲を抱くような形
状の角筒状に構成されると共に、その左側面に、左方へ
突出するシャフト70が設けられ、このシャフト70
が、前記回り止め軸68のやや下部に位置して、前記本
体機枠67を貫通するようにして軸方向(矢印B及び矢
印Cで示す左右方向)に移動可能に挿通支持されてい
る。また、このホルダガイド65には、前記シャフト7
0のやや下部に位置して回り止め軸71が設けられ、同
様に本体機枠67に軸方向の移動が可能に挿通されてい
る。
【0062】そして、前記シャフト70の先端側部分に
は、上記第1の実施の形態と同様に、リング42、ダイ
ヤル押え板43、コイルばね44、つまみダイヤル4
5、カム部材46、操作つまみ47、位置規制ピン48
が配設され、もって、ホルダガイド65の本体機枠67
に対する左右方向の位置を調節する位置調節機構63が
構成されているのである。
【0063】上記構成においては、位置調節機構63に
おける、位置規制ピン48がカム部材46のカム斜面4
6bに係止されている位置により、本体機枠67に対す
るホルダガイド65ひいては上刃ホルダ22及び上刃1
6の左右方向の位置が固定的に決定される。このとき、
下刃ホルダ64はコイルばね69により上刃ホルダ22
側に付勢され、下刃15が上刃16に対して常にほぼ一
定の力で押付けられるようになっている。
【0064】そして、使用者が、操作つまみ47を回動
操作することにより、その回動方向及び回動操作量に応
じて、ホルダガイド65ひいては上刃16の本体機枠6
7(針板10)に対する左右方向の位置を調節すること
ができる。この場合、下刃ホルダ64は、コイルばね6
9により上刃ホルダ22側に付勢されているので、その
ホルダガイド65の位置変更に伴って下刃ホルダ64ひ
いては下刃15も一体的に位置変更されることになる。
また、コイルばね69により付与される刃圧を、常にほ
ぼ一定とすることができるものである。
【0065】従って、この第3の実施の形態にあって
も、位置調節機構63により、ホルダガイド65及び上
刃ホルダ22並びに下刃ホルダ64が、その位置関係を
保ったままで同時に一体的に変位するようになるので、
下刃15及び上刃16を個別に位置変更する必要はな
く、切断幅の調節を容易に行うことができる。また、コ
イルばね69により付与される刃圧は常にほぼ一定とな
るので、常に適切な刃圧を得ることができるものであ
る。
【0066】(4)第4の実施の形態 図15及び図16は、本発明の第4の実施の形態(請求
項8に対応)を示している。この実施の形態が、上記第
3の実施の形態と異なる点は、前記ホルダガイド65
に、上記第2の実施の形態と同様に、ステッチタング5
1を取付けるようにしたところにある。
【0067】従って、この第4の実施の形態によれば、
ステッチタング51は、切断機構部62と一体的に取付
けられているので、切断幅の変更と同時に自動的にステ
ッチタング51の位置調節も行われるようになり、ステ
ッチタング51の位置調節を別途に行う必要がなくなる
ものである。
【0068】尚、本発明は上記した各実施の形態に限定
されるものではなく、例えば下刃や上刃、下刃ホルダや
上刃ホルダ、ホルダガイド等の形状、上刃駆動機構や位
置調節機構、切替機構の構造などについては種々の変形
が可能である等、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更し
て実施し得るものである。
【0069】
【発明の効果】以上の説明にて明らかなように、本発明
のミシンのメス機構によれば、下刃と上刃との協働によ
り加工布の縁部を切断するものにあって、下刃を保持す
る下刃ホルダと、上刃を保持する上刃ホルダとを一体的
に左右方向に位置変更させる構成としたので、切断幅の
調節を容易に行うことができると共に、常に適切な刃圧
を得ることができるという優れた実用的効果を奏するも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示すもので、メス
機構部分の正面図
【図2】メス機構部分の右側面図
【図3】切断機構部の縦断正面図
【図4】メス機構の分解斜視図
【図5】切替機構部分のメス作動位置における平面図
【図6】切替機構部分のメス解除位置における平面図
【図7】連結部部分の左側面図
【図8】ミシンの斜視図
【図9】針板の切欠凹部部分の拡大斜視図
【図10】第1の実施の形態の変形例を示す図3相当図
【図11】本発明の第2の実施の形態を示す図1相当図
【図12】図2相当図
【図13】本発明の第3の実施の形態を示す図1相当図
【図14】図2相当図
【図15】本発明の第4の実施の形態を示す図1相当図
【図16】図2相当図
【符号の説明】
図面中、1はミシン、2はミシンベッド、10は針板、
12,67は本体機枠、14,61はメス機構、15は
下刃、16は上刃、17,62は切断機構部、18は上
刃駆動機構、19は切替機構、20,63は位置調節機
構(切断幅調節手段)、21,64は下刃ホルダ、22
は上刃ホルダ、23,65はホルダガイド、24,70
はシャフト、26は板ばね(加圧部材)、29は第1ア
ーム、30は第2アーム、34は連結ピン、35は連結
部、37は切替部材、38は切替レバー、46はカム部
材、46bはカム斜面、47は操作つまみ、48は位置
規制ピン、51はステッチタング、52はステッチタン
グホルダ,69はコイルばね(加圧部材)を示す。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ミシンベッドの針板部分に設けられ、固
    定的に配置された下刃と、この下刃に摺接しながら揺動
    する上刃との協働により、縫製される加工布の縁部を切
    断するためのミシンのメス機構において、 前記下刃を保持する下刃ホルダと前記上刃を保持する上
    刃ホルダとを、前記針板に対して一体的に左右方向に位
    置変更させる切断幅調節手段を設けたことを特徴とする
    ミシンのメス機構。
  2. 【請求項2】 前記上刃と前記下刃を互いに接近させる
    方向に付勢する付勢手段を備え、前記付勢手段を前記上
    刃ホルダ及び下刃ホルダと共に前記切断幅調節手段によ
    って左右方向に移動することを特徴とする請求項1記載
    のミシンのメス機構。
  3. 【請求項3】 ミシンベッドの針板部分に設けられ、固
    定的に配置された下刃と、この下刃に摺接しながら揺動
    する上刃との協働により、縫製される加工布の縁部を切
    断するためのミシンのメス機構において、 前記ミシンベッド内の本体機枠に左右方向の位置変更可
    能に取付けられ前記下刃を保持する下刃ホルダと、 前記上刃が取付けられる上刃ホルダと、 前記下刃ホルダに設けられ前記上刃ホルダを揺動方向の
    移動を許容した状態に支持するホルダガイドと、 このホルダガイドと前記上刃ホルダとの間に設けられ該
    上刃ホルダを前記下刃ホルダ側に付勢して前記下刃と上
    刃との間に所定の刃圧を付与するための加圧部材と、 駆動軸の回転駆動力を前記上刃ホルダの揺動に変換して
    伝達する上刃駆動機構と、 前記下刃ホルダの前記本体機枠に対する左右方向の位置
    を調節する位置調節機構とを具備することを特徴とする
    ミシンのメス機構。
  4. 【請求項4】 前記加圧部材は、板ばねからなることを
    特徴とする請求項3記載のミシンのメス機構。
  5. 【請求項5】 ステッチタングが、前記下刃ホルダある
    いはホルダガイドに取付けられることを特徴とする請求
    項1ないし4のいずれかに記載のミシンのメス機構。
  6. 【請求項6】 前記上刃駆動機構は、前記駆動軸側のア
    ームと上刃ホルダ側のアームとの連結部を連結ピンによ
    り切離可能に連結して構成されると共に、 前記連結ピンを、てこの原理を応用して移動させること
    により、該上刃駆動機構の前記上刃ホルダに対する駆動
    力の伝達,切離しを切替える切替部材を備えることを特
    徴とする請求項3ないし5のいずれかに記載のミシンの
    メス機構。
  7. 【請求項7】 ミシンベッドの針板部分に設けられ、固
    定的に配置された下刃と、この下刃に摺接しながら揺動
    する上刃との協働により、縫製される加工布の縁部を切
    断するためのミシンのメス機構において、 前記上刃が取付けられる上刃ホルダと、 前記ミシンベッド内の本体機枠に左右方向の位置変更可
    能に取付けられ前記上刃ホルダを揺動方向の移動を許容
    した状態に支持するホルダガイドと、 駆動軸の回転駆動力を前記上刃ホルダの揺動に変換して
    伝達する上刃駆動機構と、 前記本体機枠に左右方向の移動可能に設けられ前記下刃
    を保持する下刃ホルダと、 前記下刃ホルダを前記上刃ホルダ側に付勢して前記下刃
    と上刃との間に所定の刃圧を付与するための加圧部材
    と、 前記ホルダガイドの前記本体機枠に対する左右方向の位
    置を調節する位置調節機構とを具備することを特徴とす
    るミシンのメス機構。
  8. 【請求項8】 ステッチタングが、前記ホルダガイドに
    取付けられることを特徴とする請求項7記載のミシンの
    メス機構。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6981458B2 (en) 2003-12-12 2006-01-03 Janome Sewing Machine Co., Ltd. Sewing machine with work edge cutting mechanism
CN108360164A (zh) * 2017-01-26 2018-08-03 曾贤长 以偏心驱动活动舌件座的定位结构

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