JPH11232959A - スイッチとその製造法 - Google Patents

スイッチとその製造法

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JPH11232959A
JPH11232959A JP10046171A JP4617198A JPH11232959A JP H11232959 A JPH11232959 A JP H11232959A JP 10046171 A JP10046171 A JP 10046171A JP 4617198 A JP4617198 A JP 4617198A JP H11232959 A JPH11232959 A JP H11232959A
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JP
Japan
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switch
key top
head
thermoplastic polyester
polyester elastomer
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Application number
JP10046171A
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English (en)
Inventor
Naoki Ando
直樹 安藤
Shiro Toyoshima
資朗 豊島
Yasuo Wada
安雄 和田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
MUSASHI KAKO KK
Original Assignee
MUSASHI KAKO KK
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Publication date
Application filed by MUSASHI KAKO KK filed Critical MUSASHI KAKO KK
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Publication of JPH11232959A publication Critical patent/JPH11232959A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01HELECTRIC SWITCHES; RELAYS; SELECTORS; EMERGENCY PROTECTIVE DEVICES
    • H01H2221/00Actuators
    • H01H2221/002Actuators integral with membrane
    • H01H2221/006Adhesive
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01HELECTRIC SWITCHES; RELAYS; SELECTORS; EMERGENCY PROTECTIVE DEVICES
    • H01H2221/00Actuators
    • H01H2221/056Modular conception

Landscapes

  • Manufacture Of Switches (AREA)
  • Push-Button Switches (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 デザインの違うキートップを乗せたキーボ
ードスイッチ数種を併産しようとするとき、キートップ
部分での材料や表示方法が異なるものに途中から取り替
える場合、またキーボードスイッチ部分だけ作っておい
て後から好きなキーを自由にはめ込みたい場合、それが
容易に可能なスイッチを提供すること。 【解決手段】 熱可塑性樹脂製の頭部(11)が印
刷インキ層(12)を介して熱可塑性ポリエステルエラ
ストマー組成物製の押し圧部(13)に接着しており押
し圧部の周囲を同材料の薄肉の可変形部(14)が取り
囲みその周囲は同材料による基盤部(15)となってい
る一体化成形品を一旦製作し、別作成したキートップ
(10)をこの樹脂製頭部(11)に接着したりはめ込
んであることを特徴とするスイッチ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スイッチ、特にキ
ーボードスイッチおよびその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】パソコン用キーボード、携帯電話・PH
S用ダイヤルスイッチ、PDA、業務用電子端末、その
他あらゆる所で押しボタンスイッチ、特に複数個の押し
ボタンが羅列したキーボードスイッチ(以下KBSW)
が使用されている。KBSWには多くの場合、各種ボタ
ンが何のスイッチかを示す表示が為されていて指押し部
に表示されている。 この表示は摩耗により消えたり見
え難くなることは許されない。 また多くで、表示や押
しボタンの形状、色、材質を含め、KBSWは極めてデ
ザイン的で機能以外の要素も大きい。また、携帯型パソ
コン、携帯電話、PHS等は近年、機能UPや軽量化が
進展中であり製造数量も多く新型機が次々登場する。
これに対応し使用されるKBSWも軽量化を進めるとと
もにコストを下げる為の製造方法の改良が必要である。
【0003】本発明者らは図1に示す様なKBSWを開
発し携帯電話・PHS用に供給している。 図1に示す
KBSWは透明樹脂製のキートップ(1)があり、その
裏面に表示印刷インキ層(2)があり、さらにその下に
は熱可塑性エラストマー製のスイッチ本体部分(3、
4、5、6)があるが、印刷工程を除きインサート成形
の手段を使って自動生産できるためにコストが安い。
即ち、印刷に特殊インキを使用しているために金型に印
刷済みキートップをインサートし熱可塑性ポリエステル
系エラストマーを射出すると、熱と圧力で熱可塑性ポリ
エステル系エラストマーと印刷層が接着することができ
る。 このためキートップとスイッチ本体部を接着剤で
接着するというやっかいな工程がなく簡単に一体化でき
るので非常に合理化された。ただ、この方法も難点があ
る。 印刷表示のキートップ使用品には有効であるがそ
の他の表示や加飾キートップに対しては有効性が生かせ
ないことである。デザインの違うキートップを乗せたキ
ーボードスイッチ数種を併産しようとするとき、キート
ップ部分での材料や表示方法が異なるものに途中から取
り替える可能性があるとき、また数あるキートップの内
の数個を図1に示したキートップ(1)と違うタイプ
(例えば金属鍍金したキートップ)にしたい場合、など
では図1のキートップ製造方法は必ずしも得策でない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】できるだけ無人化合理
化された製造工程を使用しながら多少のデザイン変化に
対しても少ない費用で対応できるKBSW製造法、キー
トップの取り替えが比較的簡単にできてコストも安いK
BSW製造法、また図1で示した裏面表示印刷型キート
ップ以外の加飾や表示方法のキートップも併用して使え
るKBSWの製造法について鋭意開発努力した。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明を図2で説明す
る。 本発明は、熱可塑性樹脂製の頭部(11)が印刷
インキ層(12)を介して熱可塑性ポリエステルエラス
トマー組成物製の押し圧部(13)に接着しており押し
圧部の周囲を同材料の薄肉の可変形部(14)が取り囲
みその周囲は同材料による基盤部(15)となっている
一体化成形品を一旦製作し、別作成したキートップ(1
0)をこの樹脂製頭部に接着したりはめ込んであること
を特徴とするスイッチまたはキーボードスイッチを提供
する。また、本発明は、頭部形状をした熱可塑性樹脂製
成形品を作り、この裏面側を少なくとも2液硬化性イン
キで印刷し硬化して金型にインサートし、熱可塑性ポリ
エステルエラストマー組成物を射出して前記する一体化
成形品を製造することを特徴とする上記のスイッチまた
はキーボードスイッチの製造法を提供する。
【0006】
【発明の実施の形態】更に図を使って本発明を具体的に
説明する。図2は本発明によるKBSWの例である。図
2中の右のスイッチは従来本発明者らが開発して上市し
ている物であり左のスイッチは本発明による物である
が、この様に従来型と混在した物も本発明に含まれる。
この様に混在できること自体が本発明の特徴でもあ
る。キートップ(10)は別に製造したもので、通常は
射出成形による。 加飾や表示は自由である。 鍍金さ
れていても良い。 要するに隣のキー(右のキー)の様
に透明樹脂キートップでその裏面に表示印刷層がある様
なタイプでは困るというようなケースに応える物であ
る。
【0007】図3、4は別途作るキートップの形状の例
を示している。 図3でのキートップ(20)は楕円形
をしているが底部に方形をした僅かな高さの出っ張りが
ある。これを受けとめるスイッチ本体部の頭部(21)
には同じ形状の凹部があって位置決めに迷うことなくは
め込むことが出来る。 キートップ(20)、頭部(2
1)ともに樹脂製であるので市販の接着剤で簡単に接着
できる。 もし、キートップ(20)と熱可塑性ポリエ
ステル系エラストマー製の押し圧部(23)を直接接着
しようとすると量産に適した適当な接着剤がない。一
方、図4は接着剤を使用しない場合であるが、爪を持っ
たキートップ(30)を頭部(31)に押し込む方法で
ある。 頭部(31)の裏面への特殊インキの印刷を
(32)に示す様に中心部のみにしておいてスイッチ本
体(31、32、33)を一体化すると、頭部(31)
と押し圧部(33)の接着は中心部のみになり端部は接
着していないので、キートップの爪は柔らかい熱可塑性
ポリエステル系エラストマー部分に食い込んで簡単には
外れないようにできる。別途作成するキートップをスイ
ッチ本体の頭部に固定する方法はこれら以外にも色々考
えられよう。 樹脂製の頭部(11、21、31など)
がスイッチ本体に強固に接着していることで、固定のた
めの種々の手法が取れる。
【0008】次に、図2と図2’を使ってキートップ
(10)以外の部分、即ちスイッチ本体部分の製造方法
について述べる。 これは既に本発明者らが公開してい
るが簡単に述べておく。まず熱可塑性樹脂を原料として
従来型KBSWでのキートップ(1)と頭部(11)を
成形する。 通常、(1)と(11)の部分は図2’で
示す様に枠でつながった形にして成形する。 材料とし
ては、本来は成形に適した熱可塑性樹脂ならいいのだが
図2にように混在型で使用するときは透明樹脂であるこ
とが必要であり、ポリカーボネート樹脂、透明ABS樹
脂などが特に適している。 成形で得られた図2’の様
な成形品は裏面をスクリーン印刷機などで印刷する。
(1)の方では、表示に多色刷りが必要であれば使用樹
脂に適した1液性インキで順次印刷する。 最後に2液
硬化型インキを使用して(1)と(11)の双方を印刷
する。 この2液硬化型インキは特にウレタン硬化型イ
ンキが好ましい。続いてインキメーカーで指定された硬
化条件で加熱しインキを硬化させる。
【0009】得られた印刷済みの図2’で示される成形
品を自動ロボットでサイドゲート(17)を切断しつつ
スイッチ本体用金型に樹脂部分(1)(11)だけをイ
ンサートする。 金型を閉めて熱可塑性ポリエステルエ
ラストマー組成物を射出する。 熱可塑性ポリエステル
エラストマー組成物と硬化した2液硬化型インキ層は接
着するので樹脂部分(1)(11)と熱可塑性ポリエス
テルエラストマー組成物の形成部分は強固に接着する。
即ち、図2でのキートップ(10)の部分以外の構造
が一挙に出来上がる。 なお図2中の導電接点部(6)
(16)はインサート成形後に印刷したものである。熱
可塑性ポリエステルエラストマー組成物構造部分につい
て述べると、可変形部分(14)は押し圧により屈曲変
形する部分であり幅は0.5〜1mmで厚さは0.1〜
0.15mmが好ましい。 立ち角を45〜70度にす
ることで適度のクリック感を与えられる。 もし熱可塑
性ポリエステルエラストマー構造部によってクリック感
を得る必要がないとき(図2に類似した構造を有するが
通電機能やクリック機能を金属タクトスイッチやPET
ドームスイッチに任せる場合)は、立ち角は0〜30度
が好ましい。 基盤部(15)の厚さは0.6〜1mm
が好ましい。
【0010】次に熱可塑性ポリエステルエラストマー組
成物について述べる。 これは、現在多くのメーカーか
ら販売されている熱可塑性ポリエステルエラストマーを
主成分として使用したものである。 市販熱可塑性ポリ
エステルエラストマーそのままでもよいが、これに未加
硫ゴム、可塑剤、顔料、染料、結晶化核剤、その他添加
剤などを含めていてもよい。市販されている熱可塑性ポ
リエステルエラストマーは、ポリテトラメチレンテレフ
タル酸エステル(PBT)からなるハードセグメントと
ポリメチレングリコールからなるソフトセグメントが交
互に結合したブロックポリマーであり、これらは好まし
く使用できる。 特に、ソフトセグメントがポリテトラ
メチレングリコールの物でハードセグメントとソフトセ
グメントが交互に連結したマルチブロックポリマーがよ
り好ましく使用できる。
【0011】一般に可塑剤を含まない組成物は硬度が高
くクリック感を得たい場合に使用する。 また可塑剤を
含めると硬度は低くなりクリックを必要としない物、即
ち金属タクトスイッチやPETドームスイッチを併用す
る場合に適している。 同様に未加硫ゴムの添加は硬度
を低くするのに便利である。結晶化核剤は、本来結晶性
で不透明な熱可塑性ポリエステルエラストマーを透光性
にするための添加剤である。 携帯電話・PHS用キー
ボードスイッチの製造時に使用することが多い。
【0012】以下、本発明の具体的実施例について説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【実施例1】ABS樹脂「JSRABS#42(JSR
社製)」を使用し図2の(10)で示す特殊形状のキー
トップを射出成形した。次にポリカーボネート樹脂「パ
ンライトL1225L(帝人化成社製)」を使用して図
2’で示す形状の成形品を射出成形した。 この成形品
の(1)部分の裏面をPC用スクリーン印刷インキで2
色印刷し、続いてウレタン硬化型2液性インキで(1)
(11)の裏面部をベタ印刷し指定された硬化条件の9
0℃×1時間で焼付けた。次に、熱可塑性ポリエステル
エラストマー「PIBIFLEX35M(エニケム・ポ
リメリ社製)」100重量部とシリコーンオイル「シリ
コーンオイルSH(東レダウコーニング社製)」0.0
5重量部と結晶化核剤0.8重量部とを、ヘンシェルミ
キサーにより混合した後、2軸押し出し機により加熱温
度200℃、スクリュー回転数150RPMの条件で混
練し、熱可塑性ポリエステルエラストマー組成物を作成
した。 なお、「PIBIFLEX35M」はPBTの
ハードセグメントとポリテトラメチレングリコールのソ
フトセグメントが複数交互に連結したマルチブロックポ
リマーであり、分子量が100000〜150000、
軟化点175℃、融点192℃、JISA硬度93度の
ものである。
【0013】自動切断インサートロボットによって印刷
焼付済みの図2’で示した形状の成形品を処理し、スイ
ッチ用金型に頭部(11)とキートップ(1)をインサ
ートした。 熱可塑性ポリエステルエラストマー組成物
を射出成形し、熱可塑性ポリエステルエラストマー組成
物部分と頭部(11)、キートップ(1)が一体化した
構造物が得られた。 ここで可変形部(4)(14)の
幅は0.8mm、厚さは0.13mm、立ち角は50度
であり基盤部(15)の厚さは0.8mmであった。
この構造物を裏返しにして導電インキ「JEF225
(日本アチソン社製)」で必要な部分(6)(16)に
スクリーン印刷し焼き付けた。導電印刷済みの構造物の
頭部(11)の上に市販のプラスチック用接着剤を一滴
落としキートップ(10)を押しつけて接着した。
【0014】
【発明の効果】本発明によれば、デザインの違うキート
ップを乗せたキーボードスイッチ数種を併産しようとす
るとき、キートップ部分での材料や表示方法が異なるも
のに途中から取り替える可能性があるとき、数ある印刷
表示キートップの内の数個を印刷表示と違うタイプ(例
えば金属鍍金したキートップ)にしたい場合、またキー
ボードスイッチ部分だけ作っておいて後から好きなキー
を自由にはめ込みたい場合、等で非常に有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のキーボードスイッチの簡単な構造図であ
る。
【図2】本発明のキーボードスイッチの簡単な構造図で
ある。
【図2’】本発明のキーボードスイッチを得るために使
用する透明樹脂成形品の例である。
【図3】本発明のキーボードスイッチの簡単な構造図で
ある。
【図4】本発明のキーボードスイッチの簡単な構造図で
ある。
【符号の説明】
(1) 透明樹脂製のキートップ (2) 表示印刷インキ層 (3) 押し圧部 (4) スカート部 (5) 基盤部 (6) 導電印刷部 (10)キートップ (11)頭部 (12)印刷インキ層 (13)押し圧部 (14)スカート部 (15)基盤部 (16)導電印刷部 (17)サイドゲート (18)枠部 (20)キートップ (21)頭部 (22)印刷インキ層 (23)押し圧部 (24)スカート部 (25)基盤部 (26)導電印刷部 (30)キートップ (31)頭部 (32)印刷インキ層 (33)押し圧部 (34)スカート部 (35)基盤部 (40)キートップ (43)押し圧部 (44)スカート部 (45)基盤部 (47)金属タクトスイッチ (48)スイッチ基板
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年6月30日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スイッチ、特にキ
ーボードスイッチおよびその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】パソコン用キーボード、携帯電話・PH
S用ダイヤルスイッチ、PDA、業務用電子端末、その
他あらゆる所で押しボタンスイッチ、特に複数個の押し
ボタンが羅列したキーボードスイッチ(以下KBSW)
が使用されている。KBSWには多くの場合、各種ボタ
ンが何のスイッチかを示す表示が為されていて指押し部
に表示されている。この表示は摩耗により消えたり見え
難くなることは許されない。また多くで、表示や押しボ
タンの形状、色、材質を含め、KBSWは極めてデザイ
ン的で機能以外の要素も大きい。また、携帯型パソコ
ン、携帯電話、PHS等は近年、機能UPや軽量化が進
展中であり製造数量も多く新型機が次々登場する。これ
に対応し使用されるKBSWも軽量化を進めるとともに
コストを下げる為の製造方法の改良が必要である。
【0003】本発明者らは図1に示す様なKBSWを開
発し携帯電話・PHS用に供給している。図1に示すK
BSWは透明樹脂製のキートップ(1)があり、その裏
面に表示印刷インキ層(2)があり、さらにその下には
熱可塑性エラストマー製のスイッチ本体部分(3、4、
5、6)があるが、印刷工程を除きインサート成形の手
段を使って自動生産できるためにコストが安い。即ち、
印刷に特殊インキを使用しているために金型に印刷済み
キートップをインサートし熱可塑性ポリエステル系エラ
ストマーを射出すると、熱と圧力で熱可塑性ポリエステ
ル系エラストマーと印刷層が接着することができる。こ
のためキートップとスイッチ本体部を接着剤で接着する
というやっかいな工程がなく簡単に一体化できるので非
常に合理化された。ただ、この方法も難点がある。印刷
表示のキートップ使用品には有効であるがその他の表示
や加飾キートップに対しては有効性が生かせないことで
ある。デザインの違うキートップを乗せたキーボードス
イッチ数種を併産しようとするとき、キートップ部分で
の材料や表示方法が異なるものに途中から取り替える可
能性があるとき、また数あるキートップの内の数個を図
1に示したキートップ(1)と違うタイプ(例えば金属
鍍金したキートップ)にしたい場合、などでは図1のキ
ートップ製造方法は必ずしも得策でない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】できるだけ無人化合理
化された製造工程を使用しながら多少のデザイン変化に
対しても少ない費用で対応できるKBSW製造法、キー
トップの取り替えが比較的簡単にできてコストも安いK
BSW製造法、また図1で示した裏面表示印刷型キート
ップ以外の加飾や表示方法のキートップも併用して使え
るKBSWの製造法について鋭意開発努力した。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明を図2で説明す
る。本発明は、熱可塑性樹脂製の頭部(11)が印刷イ
ンキ層(12)を介して熱可塑性ポリエステルエラスト
マー組成物製の押し圧部(13)に接着しており押し圧
部の周囲を同材料の薄肉の可変形部(14)が取り囲み
その周囲は同材料による基盤部(15)となっている一
体化成形品を一旦製作し、別作成したキートップ(1
0)をこの樹脂製頭部に接着したりはめ込んであること
を特徴とするスイッチまたはキーボードスイッチを提供
する。また、本発明は、頭部形状をした熱可塑性樹脂製
成形品を作り、この裏面側を少なくとも2液硬化性イン
キで印刷し硬化して金型にインサートし、熱可塑性ポリ
エステルエラストマー組成物を射出して前記する一体化
成形品を製造することを特徴とする上記のスイッチまた
はキーボードスイッチの製造法を提供する。
【0006】
【発明の実施の形態】更に図を使って具体的に説明す
る。図2は本発明によるKBSWの例である。図2中の
右のスイッチは従来本発明者らが開発して上市している
物であり左のスイッチは本発明による物であるが、この
様に従来型と混在した物も本発明に含まれる。この様に
混在できること自体が本発明の特徴でもある。キートッ
プ(10)は別に製造したもので、通常は射出成形によ
る。加飾や表示は自由である。鍍金されていても良い。
要するに隣のキー(右のキー)の様に透明樹脂キートッ
プでその裏面に表示印刷層がある様なタイプでは困ると
いうようなケースに応える物である。
【0007】図3、4は別途作るキートップの形状の例
を示している。図3でのキートップ(20)は楕円形を
しているが底部に方形をした僅かな高さの出っ張りがあ
る。これを受けとめるスイッチ本体部の頭部(21)に
は同じ形状の凹部があって位置決めに迷うことなくはめ
込むことが出来る。キートップ(20)、頭部(21)
ともに樹脂製であるので市販の接着剤で簡単に接着でき
る。もし、キートップ(20)と熱可塑性ポリエステル
系エラストマー製の押し圧部(23)を直接接着しよう
とすると量産に適した適当な接着剤がない。一方、図4
は接着剤を使用しない場合であるが、爪を持ったキート
ップ(30)を頭部(31)に押し込む方法である。頭
部(31)の裏面への特殊インキの印刷を(32)に示
す様に中心部のみにしておいてスイッチ本体(31、3
2、33)を一体化すると、頭部(31)と押し圧部
(33)の接着は中心部のみになり端部は接着していな
いので、キートップの爪は柔らかい熱可塑性ポリエステ
ル系エラストマー部分に食い込んで簡単には外れないよ
うにできる。図5に示した物も同様な物である。別途作
成するキートップをスイッチ本体の頭部に固定する方法
はこれら以外にも色々考えられよう。樹脂製の頭部(1
1、21、31など)がスイッチ本体に強固に接着して
いることで、固定のための種々の手法が取れる。
【0008】次に、図2と図6を使ってキートップ(1
0)以外の部分、即ちスイッチ本体部分の製造方法につ
いて述べる。これは既に本発明者らが公開しているが簡
単に述べておく。まず熱可塑性樹脂を原料として従来型
KBSWでのキートップ(1)と頭部(11)を成形す
る。通常、(1)と(11)の部分は図6で示す様に枠
でつながった形にして成形する。材料としては、本来は
成形に適した熱可塑性樹脂ならいいのだが図2に示すよ
うに混在型で使用するときは透明樹脂であることが必要
であり、ポリカーボネート樹脂、透明ABS樹脂などが
特に適している。成形で得られた図6の様な成形品は裏
面をスクリーン印刷機などで印刷する。(1)の方で
は、表示に多色刷りが必要であれば使用樹脂に適した1
液性インキで順次印刷する。最後に2液硬化型インキを
使用して(1)と(11)の双方を印刷する。この2液
硬化型インキは特にウレタン硬化型インキが好ましい。
続いてインキメーカーで指定された硬化条件で加熱しイ
ンキを硬化させる。
【0009】得られた印刷済みの図6で示される成形品
を自動ロボットでサイドゲート(17)を切断しつつス
イッチ本体用金型に樹脂部分(1)(11)だけをイン
サートする。金型を閉めて熱可塑性ポリエステルエラス
トマー組成物を射出する。熱可塑性ポリエステルエラス
トマー組成物と硬化した2液硬化型インキ層は接着する
ので樹脂部分(1)(11)と熱可塑性ポリエステルエ
ラストマー組成物の形成部分は強固に接着する。即ち、
図2でのキートップ(10)の部分以外の構造が一挙に
出来上がる。なお図2中の導電接点部(6)(16)は
インサート成形後に印刷したものである。熱可塑性ポリ
エステルエラストマー組成物構造部分について述べる
と、可変形部分(14)は押し圧により屈曲変形する部
分であり幅は0.5〜1mmで厚さは0.1〜0.15
mmが好ましい。立ち角を45〜70度にすることで適
度のクリック感を与えられる。もし熱可塑性ポリエステ
ルエラストマー構造部によってクリック感を得る必要が
ないとき(図2に類似した構造を有するが通電機能やク
リック機能を金属タクトスイッチやPETドームスイッ
チに任せる場合)は、立ち角は0〜30度が好ましい。
基盤部(15)の厚さは0.6〜1mmが好ましい。
【0010】次に熱可塑性ポリエステルエラストマー組
成物について述べる。これは、現在多くのメーカーから
販売されている熱可塑性ポリエステルエラストマーを主
成分として使用したものである。市販熱可塑性ポリエス
テルエラストマーそのままでもよいが、これに未加硫ゴ
ム、可塑剤、顔料、染料、結晶化核剤、その他添加剤な
どを含めていてもよい。市販されている熱可塑性ポリエ
ステルエラストマーは、ポリテトラメチレンテレフタル
酸エステル(PBT)からなるハードセグメントとポリ
メチレングリコールからなるソフトセグメントが交互に
結合したブロックポリマーであり、これらは好ましく使
用できる。特に、ソフトセグメントがポリテトラメチレ
ングリコールの物でハードセグメントとソフトセグメン
トが交互に連結したマルチブロックポリマーがより好ま
しく使用できる。
【0011】一般に可塑剤を含まない組成物は硬度が高
くクリック感を得たい場合に使用する。また可塑剤を含
めると硬度は低くなりクリックを必要としない物、即ち
金属タクトスイッチやPETドームスイッチを併用する
場合に適している。同様に未加硫ゴムの添加は硬度を低
くするのに便利である。結晶化核剤は、本来結晶性で不
透明な熱可塑性ポリエステルエラストマーを透光性にす
るための添加剤である。携帯電話・PHS用キーボード
スイッチの製造時に使用することが多い。
【0012】以下、本発明の具体的実施例について説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【実施例1】ABS樹脂「JSRABS#42(JSR
社製)」を使用し図2の(10)で示す特殊形状のキー
トップを射出成形した。次にポリカーボネート樹脂「パ
ンライトL1225L(帝人化成社製)」を使用して図
6で示す形状の成形品を射出成形した。この成形品の
(1)部分の裏面をPC用スクリーン印刷インキで2色
印刷し、続いてウレタン硬化型2液性インキで(1)
(11)の裏面部をベタ印刷し指定された硬化条件の9
0℃×1時間で焼付けた。次に、熱可塑性ポリエステル
エラストマー「PIBIFLEX35M(エニケム・ポ
リメリ社製)」100重量部とシリコーンオイル「シリ
コーンオイルSH(東レダウコーニング社製)」0.0
5重量部と結晶化核剤0.8重量部とを、ヘンシェルミ
キサーにより混合した後、2軸押し出し機により加熱温
度200℃、スクリュー回転数150RPMの条件で混
練し、熱可塑性ポリエステルエラストマー組成物を作成
した。なお、「PIBIFLEX35M」はPBTのハ
ードセグメントとポリテトラメチレングリコールのソフ
トセグメントが複数交互に連結したマルチブロックポリ
マーであり、分子量が100000〜150000、軟
化点175℃,融点192℃、JISA硬度93度のも
のである。
【0013】自動切断インサートロボットによって印刷
焼付済みの図6で示した形状の成形品を処理し、スイッ
チ用金型に頭部(11)とキートップ(1)をインサー
トした。熱可塑性ポリエステルエラストマー組成物を射
出成形し、熱可塑性ポリエステルエラストマー組成物部
分と頭部(11)、キートップ(1)が一体化した構造
物が得られた。ここで可変形部(4)(14)の幅は
0.8mm、厚さは0.13mm、立ち角は50度であ
り基盤部(15)の厚さは0.8mmであった。この構
造物を裏返しにして導電インキ「JEF225(日本ア
チソン社製)」で必要な部分(6)(16)にスクリー
ン印刷し焼き付けた。導電印刷済みの楕造物の頭部(1
1)の上に市販のプラスチック用接着剤を一滴落としキ
ートップ(10)を押しつけて接着した。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明者らによって提供してきたキーボードス
イッチの簡単な構造図である。
【図2】本発明のキーボードスイッチの簡単な構造図で
ある。
【図3】本発明のキーボードスイッチの簡単な構造図で
ある。
【図4】本発明のキーボードスイッチの簡単な構造図で
ある。
【図5】本発明のキーボードスイッチの簡単な構造図で
ある。
【図6】本発明のキーボードスイッチを得るために使用
する透明樹脂成形品の例である。
【符号の説明】 (1) 透明樹脂製のキートップ (2) 表示印刷インキ層 (3) 押し圧部 (4) スカート部 (5) 基盤部 (6) 導電印刷部 (10)キートップ (11)頭部 (12)印刷インキ層 (13)押し圧部 (14)スカート部 (15)基盤部 (16)導電印刷部 (17)サイドゲート (18)枠部 (20)キートップ (21)頭部 (22)印刷インキ層 (23)押し圧部 (24)スカート部 (25)基盤部 (26)導電印刷部 (30)キートップ (31)頭部 (32)印刷インキ層 (33)押し圧部 (34)スカート部 (35)基盤部 (40)キートップ (43)押し圧部 (44)スカート部 (45)基盤部 (47)金属タクトスイッチ (48)スイッチ基板
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂製の頭部(11)が印刷イ
    ンキ層(12)を介して熱可塑性ポリエステルエラスト
    マー組成物製の押し圧部(13)に接着しており押し圧
    部の周囲を同材料の薄肉の可変形部(14)が取り囲み
    その周囲は同材料による基盤部(15)となっている一
    体化成形品を一旦製作し、別作成したキートップ(1
    0)をこの樹脂製頭部(11)に接着したりはめ込んで
    あることを特徴とするスイッチ。
  2. 【請求項2】 頭部形状をした熱可塑性樹脂製成形品を
    作り、この裏面側を少なくとも2液硬化性インキで印刷
    し硬化して金型にインサートし、熱可塑性ポリエステル
    エラストマー組成物を射出して特許請求第1項に示す一
    体化成形品を製造することを特徴とする請求項1記載の
    スイッチの製造法。
  3. 【請求項3】スイッチがキーボードスイッチである請求
    項1記載のスイッチ。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2003082494A (ja) * 2001-09-13 2003-03-19 Taisei Plas Co Ltd 樹脂鍍金物とその使用方法
JP2006209989A (ja) * 2005-01-25 2006-08-10 Sunarrow Ltd 補強板付きキーシート及びその製造方法
JP2009293121A (ja) * 2008-05-07 2009-12-17 Iris Co Ltd めっき面を有する複合成形体とその製造方法
KR200448592Y1 (ko) * 2008-08-29 2010-04-28 조수환 소형 키보드
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