JPH11231446A - ハロゲン化銀感光材料およびモノクロ画像形成ハロゲン化銀感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀感光材料およびモノクロ画像形成ハロゲン化銀感光材料

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JPH11231446A
JPH11231446A JP3281498A JP3281498A JPH11231446A JP H11231446 A JPH11231446 A JP H11231446A JP 3281498 A JP3281498 A JP 3281498A JP 3281498 A JP3281498 A JP 3281498A JP H11231446 A JPH11231446 A JP H11231446A
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JP
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silver halide
light
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sensitive material
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JP3281498A
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Inventor
Hideyuki Kobayashi
英幸 小林
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Konica Minolta Inc
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Konica Minolta Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、肌の陰周りであっても暗く
ならず、また適切な肌色と唇の差別化、および人間の視
感度と類似する唇の明度再現を得ることの出来るハロゲ
ン化銀感光材料、特にモノクロ画像形成ハロゲン化銀感
光材料を提供することにある。 【解決手段】 透明支持体上の一方の側に、それぞれ少
なくとも一層の感光性層及び非感光性層からなる写真構
成層を有するハロゲン化銀感光材料において、該ハロゲ
ン化銀感光材料の少なくとも一層の650nmの単色光
に対するDmin+0.7の濃度を与える感度Srと5
50nmの単色光に対するDmin+0.7の濃度を与
える感度Sgとの差であるSg−SrがlogHで0.
4以下であることを特徴とするハロゲン化銀感光材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はハロゲン化銀感光材
料(以下、単に感光材料ともいう)、特にモノクロ画像
形成ハロゲン化銀感光材料に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に広く普及している写真システム
は、撮影用ハロゲン化銀カラー感光材料(カラーネガフ
ィルム)をカメラに装填して撮影し、現像して得られた
いわゆるカラーネガからカラー印画紙にプリントしてポ
ジカラープリントを得るもの(ネガ−ポジシステム)で
ある。一方、反転処理型の撮影用ハロゲン化銀カラー感
光材料(カラーリバーサルフィルム)は撮影後、反転現
像するだけでポジ画像が得られるので、そのまま或いは
スライドプロジェクターによって鑑賞したり、またポジ
カラープリントにすること(ポジ−ポジシステム)もで
きるが、撮影ラチチュードが狭いために気軽な撮影に不
向きなことや、ポジカラープリントが高価であることな
どから前記ネガ−ポジシステムを凌駕するに至っていな
い。更に最近は未露光のカラーネガフィルムを撮影可能
な状態に包装した撮影ユニット、いわゆるレンズ付フィ
ルムの登場によって撮影の機会が従来よりも更に増大
し、ネガ−ポジシステムをゆるぎないものにしている。
【0003】かかるカラー写真システムの普及の中で、
撮影用白黒ハロゲン化銀感光材料が静かなブームを引き
起こしている。カラー写真が氾濫する中で、白黒画像は
かえって新鮮に感じられ、またその独特の描写が神秘的
に感じられることによると推定される。撮影用白黒ハロ
ゲン化銀感光材料はプロからアドバンストアマチュアが
主なユーザーであったが、1995年4月に発売された
コニカ(株)製の“撮りっきりコニカ白黒”によって誰
でも容易に白黒ハロゲン化銀感光材料による撮影が楽し
めるようになった。予想外の評判に写真業界も注目せざ
るをえない状況になっている。
【0004】しかしながら撮影用白黒ハロゲン化銀感光
材料は、広く普及しているネガ−ポジシステムのカラー
写真システムの現像処理とは大きく異なるために、市中
の現像所では白黒ハロゲン化銀感光材料を選別して取り
扱う煩雑さがあったり、また白黒ハロゲン化銀感光材料
のための新たな現像処理工程を設置する負荷があったり
して問題がある。
【0005】これに対して広く普及しているネガ−ポジ
システムのカラー写真現像処理に適合する撮影用白黒画
像形成ハロゲン化銀感光材料が知られており、米国特許
2,592,514号、同4,348,474号、特公
昭63−59136号、特開昭61−236550号等
にはブラックカプラーを用いた白黒画像形成ハロゲン化
銀感光材料が開示されている。
【0006】また通常のハロゲン化銀カラー感光材料に
用いられるイエローカプラー、マゼンタカプラー、シア
ンカプラーを混合して黒色色素画像を形成する技術につ
いては、米国特許2,181,944号、同2,18
6,736号、同4,368,255号、同5,14
1,844号、特開昭57−56838号、同57−5
8147号、同58−215645号、特開平3−10
7144号、同6−214357号、同7−19942
1号、特表平6−505580号等に開示されている。
しかしながら何れも、現像処理は共通化できても印画紙
へのプリントが煩雑であるという欠点を有している。ま
た上記技術をカラー現像処理に通した場合カプラーの反
応性の違いにより何れかの発色成分が他の発色成分との
バランスを崩すために、全濃度域にわたってニュートラ
ルグレイを得ることが困難であったり、現像主薬濃度、
pH、温度、コンタミ等による処理変動が生じ安定に白
黒画像を形成することは非常に困難である。更に白黒プ
リントであっても最終画像の色調としては暖かみがあ
り、ノスタルジックなセピア調が好まれており、このセ
ピア調のモノクロプリントが容易に作製できることも切
望されている。
【0007】ハロゲン化銀感光材料に関する近年の技術
進歩にはめざましいものがあるが、まだユーザーが満足
のいかない写真を手にすることが多いことも事実であ
る。
【0008】これらモノクロ写真において、ユーザーが
満足いかない写真のひとつに、ポートレートの写真では
適度に首や、髪の毛の陰周の肌の部分があまり露光不足
にならず適度に描写されるのが実は好ましいのである
が、これらのモノクロ写真の分光感度は長波側に行くほ
ど感度がなく、かつ露光過不足での中波〜長波側での分
光感度設計がされていないため、肌の陰周りが暗く、被
写体の表情が好ましく観察されないという問題がある。
【0009】また、人間の視感度は緑、赤色が高いため
に唇のような高純度の赤色は明るく感じるのに対し、モ
ノクロ写真では青、緑、および赤という色の分別はな
く、これらの色は単純に一つの明度再現でプリントが得
られてしまうという共通の問題がある。従来の(本発明
外の)これらモノクロ写真は、適切な分光感度分布設計
がないために、マゼンタ(緑色が少ない)+赤色で作ら
れた肌色と、唇のような高純度の赤色との差別化が無
く、唇の部分が肌色と同様な明度再現、もしくは逆に暗
くなり唇があるかどうかがわかりにくい、または口紅の
種類を変えても、実際に人間が感じるような視感度の口
元の変化が再現できず、すっきりとしたメリハリのあ
る、かつ視感度として適切な唇再現をする適切なプリン
トを得ることが難しかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の事情に
鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、肌の陰周
りであっても暗くならず、また適切な肌色と唇の差別
化、および人間の視感度と類似する唇の明度再現を得る
ことの出来るハロゲン化銀感光材料、特にモノクロ画像
形成ハロゲン化銀感光材料を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、下
記構成により達成される。
【0012】1.透明支持体上の一方の側に、それぞれ
少なくとも一層の感光性層及び非感光性層からなる写真
構成層を有するハロゲン化銀感光材料において、該ハロ
ゲン化銀感光材料の少なくとも一層の650nmの単色
光に対するDmin+0.7の濃度を与える感度Srと
550nmの単色光に対するDmin+0.7の濃度を
与える感度Sgとの差であるSg−SrがlogHで
0.4以下であることを特徴とするハロゲン化銀感光材
料。
【0013】2.透明支持体上の一方の側に、それぞれ
少なくとも一層の感光性層及び非感光性層からなる写真
構成層を有するハロゲン化銀感光材料において、該ハロ
ゲン化銀感光材料の少なくとも一層の650nmの単色
光に対するDmin+0.7の濃度を与える感度Srと
610nmの単色光に対するDmin+0.7の濃度を
与える感度S2との差であるS2−SrがlogHで
0.10以下であることを特徴とするハロゲン化銀感光
材料。
【0014】3.透明支持体上の一方の側に、それぞれ
少なくとも一層の感光性層及び非感光性層からなる写真
構成層を有するハロゲン化銀感光材料において、該ハロ
ゲン化銀感光材料の少なくとも一層の650nmの単色
光に対するDmin+0.7の濃度を与える感度Srと
550nmの単色光に対するDmin+0.7の濃度を
与える感度Sgとの差であるSg−SrがlogHで
0.4以下であり、且つ該感度Srと610nmの単色
光に対するDmin+0.7の濃度を与える感度S2と
の差であるS2−SrがlogHで0.10以下である
ことを特徴とするハロゲン化銀感光材料。
【0015】4.ハロゲン化銀感光材料の少なくとも一
層の650nmの単色光での感度Srと550nmの単
色光での感度Sgとの差である(Sg−Sr)におい
て、Dmin+0.3の濃度を与えるときの感度差が、
Dmin+0.7の濃度を与えるときの感度差より小さ
いことを特徴とする1〜3のいずれか1項記載のハロゲ
ン化銀感光材料。
【0016】5.前記感光材料がオレンジ着色されたこ
とを特徴とする1〜4のいずれか1項記載のハロゲン化
銀感光材料。
【0017】6.前記ハロゲン化銀感光材料の少なくと
も一層に含まれるオルソクロマチックに分光された乳剤
(乳剤O)に対し、パンクロマチックに分光増感された
乳剤(乳剤P)が金属銀に換算した重量で30%以上5
0%以下(即ち、(乳剤P/乳剤O)×100=30〜
50(金属銀wt%))であることを特徴とする1〜5
のいずれか1項記載のハロゲン化銀感光材料。
【0018】7.前記ハロゲン化銀感光材料に含まれる
オルソクロマチック増感色素(増感色素O)に対し、パ
ンクロマチック増感色素(増感色素P)のモル比が、3
0%以上50%以下(即ち、(増感色素P/増感色素
O)×100=30〜50(モル比%))であることを
特徴とする1〜6のいずれか1項記載のハロゲン化銀感
光材料。
【0019】8.1〜7のいずれか1項記載のハロゲン
化銀感光材料がモノクロ画像を形成することを特徴とす
るモノクロ画像形成ハロゲン化銀感光材料。
【0020】以下、本発明について詳述する。
【0021】本発明においては、650nmの単色光に
対するDmin+0.7の濃度を与える感度Srと55
0nmの単色光に対するDmin+0.7の濃度を与え
る感度Sgとの差であるSg−SrがlogH(露光量
の常用対数、Hは露光量)で0.4以下であることによ
って本発明の肌の陰周りであっても暗くならず、最適な
ポートレート写真を得るという本発明の効果を奏する。
0.4よりSg−Srが大きいと効果が認められるほど
に発現しない。下限としては顔の階調を考慮するとSg
−SrはlogHとしては−0.4以上が必要である。
−0.4より小さいと、非常に硬い肌の仕上がりとなる
場合がある。好ましくは露光過多の場合の再現を考える
と0.1以上でかつ0.4以下が特に好ましい。
【0022】また、本発明においては650nmの単色
光に対するDmin+0.7の濃度を与える感度Srと
610nmの単色光に対するDmin+0.7の濃度を
与える感度S2との差であるS2−SrがlogHで
0.10以下であることによって適切な肌色と唇の差別
化、および人間の視感度と類似する唇の明度再現を得る
という本発明の効果を奏する。
【0023】これは、人間の肌の分光反射分布の長波側
が化粧などの人工付加物によって610nm付近から変
動するのに対し、唇の高純度の赤色は主に、より長波側
の部分で変化し、口紅などの人工付加物によってもこれ
らのより長波側の反射率に注目することで肌色(マゼン
タ+やや比較すると低純度の赤)と区別することが出
来、かつ口紅などの変化を再現できることがわかったこ
とと、人間の赤と緑(マゼンタ)の視感度が写真上での
これら明度再現とどこで一致するかを鋭意検討したこと
により本発明を成すに至った。
【0024】更に、S2−Srは最適な唇としてのプリ
ント上での濃度ののりを考えると好ましくはlogHで
−0.10〜+0.10が更に好ましい。
【0025】更に本発明は前記ハロゲン化銀感光材料の
650nmの単色光に対する感度Srと550nmの単
色光に対する感度Sgとの差である(Sg−Sr)にお
いて、Dmin+0.7の濃度を与えるときの差(Sg
−Sr)をBとし、Dmin+0.3の濃度のときの差
(Sg−Sr)をAとしたときにB>Aとすることで、
露光過多の肌のハイライト部での適切な再現、濃度のノ
リを得ることが出来好ましい。更には、これらの差(B
−A)としては0.2以上の差であることが特に好まし
い。
【0026】本発明は更に、前記感光材料を露光現像処
理した後の未露光部がオレンジ着色されたことによって
プリントする際のネガ判定、およびプリンター適性が向
上しプリントし易くなり好ましい。
【0027】本発明においては、透明支持体の一方の側
にそれぞれ少なくとも感光性層及び非感光性層からなる
写真構成層を有し、該感光性層がオルソクロマチックに
分光増感された乳剤とパンクロマチック分光増感された
乳剤を同一層中に含有することが好ましい。ここでオル
ソクロマチックに分光増感された乳剤とは500nm以
上の光に対し、520nm〜570nmの間に感度の極
大を持つ乳剤であり、パンクロマチックに分光増感され
た乳剤とは500nm以上の光に対し610nm〜66
0nmの間に感度の極大をもつ乳剤である。
【0028】また同様に、オルソクロマチック増感色素
とはハロゲン化銀に吸着して、520nm〜570nm
の間に分光増感極大を形成せしめる増感色素であり、パ
ンクロマチック増感色素とは、610nm〜660nm
の間に分光増感極大を形成せしめる増感色素である。こ
れらの増感色素としては、写真用として知られている公
知のものが利用できる。
【0029】本発明においては、前記オルソクロマチッ
クに分光増感された乳剤に対し、パンクロマチックに分
光増感された乳剤が、金属銀に換算した重量で30%以
上50%以下の割合でもちいられることが好ましく、5
0%より多くても、また30%より少なくても本発明の
効果は得られない。同様に、オルソクロマチック増感色
素に対し、パンクロマチック増感色素のモル比が、30
%以上50%以下の割合でもちいられることが好まし
く、50%より多くても、また30%より少なくても本
発明の効果は得られない。すなわち、本発明の特定の比
率の範囲において、露光量の強弱に対して重心感度波長
がシフトする効果が発現するのである。
【0030】本発明のハロゲン化銀感光材料が色素画像
を形成する場合は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラ
ック等の公知のカプラーを用いる事ができる。特に、イ
エロー、マゼンタ、シアンのカプラーを同一層中に添加
してモノクロ画像を得る場合は、イエロー、マゼンタ、
シアンとも2当量カプラーであることが好ましい。特に
好ましい2当量カプラーに関しては、特願平8−136
765号(平成8年5月30日出願、岩崎他)に示され
ている。
【0031】本発明において、2当量イエローカプラー
の添加量は好ましくは5×10-5〜2×10-3モル/m
2であり、より好ましくは1×10-4〜2×10-3モル
/m2であり、特に2×10-4〜2×10-3モル/m2
好ましく、2当量マゼンタカプラーの添加量は、好まし
くは2×10-5〜1×10-3モル/m2であり、より好
ましくは5×10-5〜1×10-3モル/m2であり、特
に1×10-4〜1×10-3モル/m2が好ましく、2当
量シアンカプラーの添加量は、好ましくは5×10-5
2×10-3モル/m2であり、より好ましくは1×10
-4〜2×10-3モル/m2であり、特に2×10-4〜2
×10-3モル/m2が好ましい。
【0032】本発明のカプラーをハロゲン化銀乳剤中に
添加するにはカプラーを高沸点溶媒中に必要に応じて低
沸点溶媒と共に溶解し界面活性剤を含むゼラチン水溶液
と混合して、高速回転ミキサー、コロイドミル、超音波
分散機、毛細管式乳化装置等により乳化分散する。この
際用いる高沸点溶媒としてはカルボン酸エステル類、リ
ン酸エステル類、カルボン酸アミド類、エーテル類、置
換された炭化水素類などがあり、具体的には、ジ−n−
ブチルフタール酸エステル、ジイソオクチルフタール酸
エステル、ジメトオキシエチルフタール酸エステル、ジ
−n−ブチルアジピン酸エステル、ジイソオクチルアジ
ピン酸エステル、トリ−n−ブチルクエン酸エステル、
ブチルラウリン酸エステル、ジ−n−セバシン酸エステ
ル、トリクレジルリン酸エステル、トリ−n−ブチルリ
ン酸エステル、トリイソオクチルリン酸エステル、N,
N−ジエチルカプリル酸アミド、N,N−ジメチルパル
ミチン酸アミド、n−ブチルペンタデシルフェニルエー
テル、エチル−2,4−ジ−tert−ブチルフェニル
エーテル、コハク酸ジオクチルエステル、マレイン酸ジ
オクチルエステルなどがある。また低沸点溶媒としては
酢酸エチル、酢酸ブチル、シクロヘキサン、プロピオン
酸ブチル等がある。
【0033】本発明のハロゲン化銀感光材料に含有され
るハロゲン化銀粒子はハロゲン化銀乳剤粒子内部のハロ
ゲン化銀組成に特に制限はないが、沃臭化銀粒子の場合
には、コア/シェル構造を有することが好ましい。コア
相の沃化銀含有率は10mol%以上であることが好ま
しく、20mol%以上が更に好ましい。また、最外部
のシェル層の沃化銀含有率は10mol%以下であるこ
とが好ましく、5mol%以下が更に好ましい。この様
なハロゲン化銀粒子の組成を分析する方法としては、例
えば特開平4−142531号に記載の方法を参考にで
きる。
【0034】本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は粒
子間の沃化銀含有率がより均一になっていることが好ま
しい。
【0035】写真業界で一般的に用いられるXMA法に
よって個々のハロゲン化銀粒子の平均沃化銀含有率を測
定したとき、測定値の相対標準偏差が20%以下である
ことが好ましい。更に好ましくは、15%以下、最も好
ましくは5%以上〜12%以下である。
【0036】ここに相対標準偏差とは、例えば少なくと
も100個のハロゲン化銀乳剤の沃化銀含有率を測定し
た際の沃化銀含有率の標準偏差をそのときの平均沃化銀
含有率で除した値×100である。
【0037】本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は、
単分散性のハロゲン化銀乳剤であることが好ましい。
【0038】本発明において、単分散性のハロゲン化銀
乳剤とは、平均粒径dを中心に±20%の粒径範囲内に
含まれるハロゲン化銀重量が全ハロゲン化銀重量の70
%以上であるものが好ましく、より好ましくは80%以
上、更に好ましくは90%以上100%以下である。
【0039】ここに平均粒径dは、粒径diを有する粒
子の頻度niとdi3との積ni×di3が最大になると
きの粒径diと定義する(有効数字3桁、最小数字は4
捨5入とする)。
【0040】ここでいう粒径とは、粒子の投影像を同面
積の円像に換算したときの直径である。粒径は、例えば
前記粒子を電子顕微鏡で1万倍乃至5万倍に拡大して投
影し、そのプリント上の粒子直径又は投影時の面積を測
定することによって得ることができる(測定粒子個数は
無差別に100個以上あることとする)。
【0041】本発明の特に好ましい高度の単分散乳剤
は、 (粒径標準偏差/平均粒径)×100=分布の広さ
(%) によって定義した分布の広さが20%以下のものであ
り、更に好ましくは5%以上15%以下のものである。
【0042】ここに粒径測定方法は前記の測定方法に従
うものとし、平均粒径は算術平均とする。
【0043】平均粒径=Σdini/Σni 本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤の平均粒径は0.
1〜10.0μmであることが好ましく、更に好ましく
は0.2〜5.0μm、最も好ましくは0.3〜3.0
μmである。
【0044】本発明に好ましく用いられるハロゲン化銀
が平均アスペクト比3以上の平板状ハロゲン化銀粒子を
含有することが好ましく、該平均アスペクト比は4以上
20以下がより好ましい。
【0045】本発明でいう平均アスペクト比は乳剤粒子
の平均直径と平均厚みの比として求められるものであ
り、その具体的な定義及び測定法は、特開昭63−10
6746号、同63−316847号、特開平2−19
3138号において開示されたものと同様である。
【0046】又、上記ハロゲン化銀はAgBrIである
ことが好ましい。
【0047】本発明によるハロゲン化銀乳剤はハロゲン
化銀粒子を生成、成長させる液相中のpAgとpH、温
度と攪拌等を所定のパターンに制御すること、塩化ナト
リウム、臭化カリウム、沃化カリウムなどのハロゲン化
物、硝酸銀の添加を制御する、ダブルジェット法による
乳剤製造装置により製造される。又、本発明においては
実質的に非感光性のハロゲン化銀粒子(好ましくは平均
径が0.01〜0.2μmの微粒子乳剤)を、保護層、
中間層等に用いることによって効を奏する。特に感光材
料の総塗布銀量に対する非感光性ハロゲン化銀の割合
が、9%以上15%以下であることが好ましい。
【0048】実質的に非感光性とは感光性乳剤層に存在
する最低感度の粒子の1/50以下の感度を言う。
【0049】本発明において広い露光ラチチュードを得
るために同一構成層内に粒径、或いはハロゲン化物組成
の異なるハロゲン化銀乳剤を任意の割合で混合使用する
ことができる。
【0050】混合使用される粒径の異なるハロゲン化銀
粒子としては、平均粒径が0.2〜2.0μmの最大平
均粒径を有するハロゲン化銀粒子と平均粒径が0.05
〜1.0μmの最小平均粒径を有するハロゲン化銀粒子
の組み合わせが好ましく、更に中間の平均粒径を有する
ハロゲン化銀粒子を1種以上組み合わせてもよい。又、
最大平均粒径のハロゲン化銀粒子の平均粒径が、最小平
均粒径のハロゲン化銀粒子の平均粒径の1.5〜40倍
であることが好ましい。
【0051】本発明においてはハロゲン化銀感光材料、
モノクロ画像形成ハロゲン化銀感光材料が、カラードカ
プラーを含有することが好ましい。カラードカプラーは
カラー写真分野では周知のものであり、未反応の状態で
も色相を有し、発色現像主薬とのカップリング反応によ
ってイエロー、マゼンタ、シアン、ブラック等の色素画
像を形成してもよいし、無色になってもよい。一般的に
は未反応の色相と発色後の色相が異なるものを言う。
【0052】本発明において好ましいカラードカプラー
は、イエローカラードマゼンタカプラー、マゼンタカラ
ードシアンカプラー、イエローカラードシアンカプラー
から選ばれる少なくとも一つである。
【0053】本発明において、カプラーによって白黒画
像を形成するハロゲン化銀感光材料は、露光後、発色現
像液で処理する工程を有する一般的なカラー現像処理に
よってモノクロ画像を形成することができる。
【0054】カラー現像処理としては、市中において広
く実施されているイーストマンコダック社製C−41処
理や、コニカ(株)製CNK−4処理、富士写真フイル
ム(株)製CN−16処理が好ましい。
【0055】本発明においては、カラー現像処理済の本
発明のモノクロ画像ネガフィルムから、白黒印画紙やカ
ラー印画紙にプリントして、モノクロ画像を得ることが
できるが、特にカラー印画紙にプリントしてセピア調の
モノクロ画像プリントを得ることが好ましい。
【0056】セピア色とは一般には、ごく暗い黄色であ
って、JIS Z 8721(三属性による色の表示方
法)において、10YR 2.5/2と記載されてい
る。またJIS Z 8701(XYZ表色系及びX1
0Y10Z10表色系による色の表示方法)において
は、黄から黄赤に属する色である。これらについては
「色彩科学事典」(日本色彩学会編)等に記載がある。
また「色の名前ポケット図鑑」(福田邦夫、主婦の友
社)にはオフセット印刷での網点密度C60,M74,
Y85,B57で表示され、代表色が示されている。
【0057】本発明においてはL*a*b*座標系にお
いて、以下を満足する領域をセピア調と定義する。b*
≧a*かつb≦3.5a*かつ60≦L*≦90かつ5
≦c*。
【0058】本発明においては、未露光のハロゲン化銀
感光材料、モノクロ画像形成ハロゲン化銀感光材料を、
撮影可能な状態に包装した撮影ユニットであり、撮影ユ
ニット本体としては、カラーフィルム用の撮影ユニット
となんら変更する必要はなく、公知の技術を適用でき
る。図2に本発明の一例を示す撮影ユニットを示す。
【0059】本発明に用いられる他のハロゲン化銀乳剤
は、リサーチ・ディスクロージャー(RDと標記する)
308119に記載されているものを用いることができ
る。
【0060】以下に記載箇所を示す。
【0061】 項 目 RD308119 ヨード組織 993I−A項 製造方法 993I−A項 及び994 E項 晶癖 正常晶 994 E項 双晶 994 E項 エピタキシャル 994 E項 ハロゲン組成 一様 993I−B項 一様でない 993I−B項 ハロゲンコンバージョン 994I−C項 ハロゲン 置換 994I−C項 金属含有 995I−D項 単分散 995I−F項 溶媒添加 995I−F項 潜像形成位置 表面 995I−G項 内面 995I−G項 適用感材 ネガ 995I−H項 ポジ(内部カブリ粒子含) 995I−H項 乳剤を混合して用いる 995I−J項 脱塩 995II−A項 本発明においてハロゲン化銀乳剤は物理熟成、本発明に
よる化学熟成、分光増感を行った乳剤を使用する。この
ような工程で使用される添加剤としてはRD1764
3、同18716、同308119に記載されている。
以下に記載箇所を示す。
【0062】
【表1】
【0063】
【表2】
【0064】本発明には種々のカプラーを使用すること
ができ、その具体例は前記RDに記載されている。以下
に関連ある記載箇所を示す。
【0065】
【表3】
【0066】本発明に使用する添加剤は、RD3081
19XIVに記載されている分散法などにより、添加する
ことができる。本発明においては前述のRD1764
3、28頁、RD18716、647〜8頁及びRD3
08119のXIXに記載されている支持体を使用するこ
とができる。
【0067】本発明の感光材料には、前述のRD308
119VII−K項に記載されているフィルター層や中間
層等の補助層を設けることができる。
【0068】本発明の感光材料は、前述のRD3081
19VII−K項に記載されている順層、逆層、ユニット
構成等の様々な層構成をとることができる。
【0069】本発明は、一般用若しくは映画用のカラー
ネガフィルム、スライド用若しくはテレビ用のカラー反
転フィルム、カラーポジフィルムに代表される種々のカ
ラー感光材料に適用することができる。
【0070】本発明の感光材料には例えば、写真感光材
料の種類・製造番号、メーカー名、乳剤No.等の写真
感光材料に関する各種の情報、例えば、撮影日・時、絞
り、露出時間、照明の条件、使用フィルター、天候、撮
影枠の大きさ、撮影機の機種、アナモルフィックレンズ
の使用等のカメラ撮影時の各種の情報、例えば、プリン
ト枚数、フィルターの選択、顧客の色の好み、トリミン
グ枠の大きさ等のプリント時に必要な各種の情報、例え
ば、プリント枚数、フィルターの選択、顧客の色の好
み、トリミング枠の大きさ等のプリント時に得られた各
種の情報、その他顧客情報等を入力するために、磁気記
録層を設けてもよい。
【0071】本発明においては、磁気記録層は支持体に
対して写真構成層とは反対側に塗設されることが好まし
く、支持体側から順に、下引き層、帯電防止層(導電
層)、磁気記録層、滑り層が構成されることが好まし
い。
【0072】
【実施例】以下実施例により本発明を更に詳細に説明す
るが、本発明の態様はこれらに限定されない。
【0073】なお以下においては特に断りの無い限り、
塗布量はg/m2で、ハロゲン化銀は金属銀に換算し
て、増感色素はハロゲン化銀1モル当たりのモル数で示
す。
【0074】実施例1 (試料101の作製)下引層を施した厚さ122μmの
透明トリアセチルセルロース支持体上に、下記のような
組成の各層を順次、支持体側から形成して多層モノクロ
感光材料試料101を作製した。
【0075】 第1層:ハレーション防止層 黒色コロイド銀 0.16 紫外線吸収剤(UV−1) 0.25 高沸点有機溶媒(Oil−1) 0.26 高沸点有機溶媒(Oil−2) 0.19 高沸点有機溶媒(Oil−3) 0.58 カラードカプラー(CM−1) 0.26 カラードカプラー(CC−1) 0.10 ゼラチン 1.53 第2層:中間層 ゼラチン 0.80 第3層:低感度乳剤層 沃臭化銀乳剤A(0.40μm、沃化銀4モル%) 0.98 増感色素(SD−1) 7.1×10-5 増感色素(SD−2) 1.3×10-5 増感色素(SD−3) 0.6×10-5 増感色素(SD−4) 8.5×10-4 増感色素(SD−5) 9.3×10-5 イエローカプラー(Y−1) 0.31 マゼンタカプラー(M−1) 0.13 シアンカプラー(C−1) 0.28 DIR化合物(D−1) 0.03 ステイン防止剤(AS−1) 0.04 高沸点有機溶媒(Oil−3) 0.72 ゼラチン 2.10 第4層:中感度乳剤層 沃臭化銀乳剤B(0.60μm、沃化銀7モル%) 1.50 増感色素(SD−2) 1.4×10-5 増感色素(SD−3) 2.0×10-5 増感色素(SD−6) 7.9×10-5 増感色素(SD−7) 5.1×10-5 増感色素(SD−8) 2.4×10-5 増感色素(SD−9) 2.7×10-4 イエローカプラー(Y−1) 0.23 マゼンタカプラー(M−1) 0.12 シアンカプラー(C−1) 0.24 DIR化合物(D−2) 0.006 ステイン防止剤(AS−1) 0.03 高沸点有機溶媒(Oil−3) 0.55 ゼラチン 2.20 第5層:高感度乳剤層 沃臭化銀乳剤C(0.75μm、沃化銀8モル%) 1.50 増感色素(SD−2) 0.3×10-5 増感色素(SD−3) 4.5×10-5 増感色素(SD−6) 5.5×10-5 増感色素(SD−7) 6.3×10-5 増感色素(SD−8) 4.4×10-5 増感色素(SD−9) 3.2×10-4 イエローカプラー(Y−1) 0.12 マゼンタカプラー(M−1) 0.07 シアンカプラー(C−1) 0.13 DIR化合物(D−2) 0.006 ステイン防止剤(AS−1) 0.02 高沸点有機溶媒(Oil−3) 0.33 ゼラチン 1.60 第6層:第1保護層 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.05μm、沃化銀3モル%) 0.30 紫外線吸収剤(UV−1) 0.30 ゼラチン 1.44 第7層:第2保護層 アルカリ可溶性マット剤PM−1(平均粒径2μm) 0.15 ポリメチルメタクリレート(平均粒径3μm) 0.04 滑り剤(WAX−1) 0.02 ゼラチン 0.55 なお、上記組成物の他に、塗布助剤SU−1、SU−
2、SU−3、分散助剤SU−4、粘度調整剤V−1、
安定剤ST−1、染料AI−1、AI−2、カブリ防止
剤AF−1、AF−2(重量平均分子量=10,000
及び100,000の2種のポリビニルピロリドン)、
硬膜剤H−1、H−2及び防腐剤DI−1を添加した。
【0076】Oil−1:トリクレジルホスフェート Oil−2:ジオクチルフタレート Oil−3:ジブチルフタレート AS−1:2−ブトキシ−5−t−オクチル−N,N−
ジブチルアニリン SU−1:スルホ琥珀酸ジオクチル・ナトリウム SU−2:C817SO2N(C37)CH2COOK SU−3:C817SO2NH(CH23+(CH33
・Br- SU−4:トリ−i−プロピルナフタレンスルホン酸ナ
トリウム ST−1:4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3
a,7−テトラザインデン AF−1:1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール H−1:2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリ
アジン・ナトリウム
【0077】
【化1】
【0078】
【化2】
【0079】
【化3】
【0080】
【化4】
【0081】
【化5】
【0082】
【化6】
【0083】以上で試料101を作製した。
【0084】(試料102の作製)試料101の第4層
の前記増感色素SD−2の添加量を1.7×10-5、S
D−3の添加量を3.2×10-5、第5層の前記増感色
素SD−2の添加量を0.4×10-5、SD−3の添加
量を5.6×10-5にそれぞれ変更した他は試料101
と同様にして試料102を作製した。
【0085】(試料103〜110の作製)試料101
の第4層、第5層の前記増感色素の添加量を適宜変更調
節して、表4記載の特性値(Dmin+0.7の感度、
Dmin+0.3の感度)を示すようにした他は試料1
01と同様にして、試料103〜110を作製した。
【0086】(評価方法) 〈感度、分光感度、分光感度分布曲線〉 得られた各試料について380nm〜700nmまで5
nm間隔でのスペクトル光で規定の露光を与えカラー現
像処理(コニカ製CNK−4)を行い最低濃度+0.
3、最低濃度+1.0の濃度を与える分光感度分布曲線
を求めた(図1に示す)。
【0087】〈肌の陰周り〉 屋外、屋内でポートレート撮影を行い、撮影済みの前記
試料をコニカカラーネガフィルム用現像処理CNK−4
1−J1にて現像処理し、乾燥してモノクロネガ画像を
有するフィルム試料を得た。更にコニカ ミニラボシス
テムNPS−858J TypeII(チャンネルはコニ
カLVシリーズのプリントレベルチャンネル設定済み)
を用いて、コニカカラーペーパータイプQAA6にプリ
ントしモノクロ調プリントを得た。
【0088】得られたプリントを用いて被験者20人に
評価してもらった。陰周りも含めたシャドー〜ハイライ
トを含め、全体が違和感のない適度な調子再現になって
いるかどうかを評価し次の3段階で評価してもらった。
【0089】 ○:良好 △:普通 ×:シャドーの陰周りが冴えない 〈唇再現〉 で得られたポートレート撮影のプリントを用いて被験
者20人に評価してもらった。唇の視感度、明度が実際
と近似、もしくは好ましい調子再現になっているかどう
かを評価し次の3段階で評価してもらった。
【0090】 ○:良好 △:普通 ×:暗い再現で汚い、または違和感がある 〈総合評価〉 上記肌の陰回り、唇再現を合わせて総合評価とし
て、下記の4グレードで表4に合わせて示した。
【0091】 ◎: ,が2つとも○のとき ○: ,が○と△のとき △: ,が2つとも△のとき ×: ,が1つでも×のとき 評価した結果を表4に示す。
【0092】また、Dmin+0.3の濃度を与えると
きの分光感度は全ての試料101〜104で同じであっ
た。
【0093】
【表4】
【0094】表4から明らかなように650nmの単色
光に対するDmin+0.7の濃度を与える感度Srと
550nmの単色光に対するDmin+0.7の濃度を
与える感度Sgとの差であるSg−SrがlogHで
0.4以下である本発明(請求項1記載の発明)は肌の
陰周りが好ましくポートレートで特に好ましいことが分
かる。Dmin+0.7の濃度を与える感度Srと61
0nmの単色光に対するDmin+0.7の濃度を与え
る感度S2との差であるS2−SrがlogHで0.1
0以下である本発明(請求項2記載の発明)は唇再現が
好ましく、ポートレートで特に好ましいことが分かる。
更に、Sg−SrがlogHで0.4以下であり、且つ
S2−SrがlogHで0.10以下である本発明(請
求項3記載の発明)は、肌の陰周り、唇再現共に好まし
くポートレートで特別に好ましいことがわかる。
【0095】表4の試料103と試料108との対比、
および試料106と試料109との対比から明らかなよ
うに、前記ハロゲン化銀感光材料の650nmの単色光
での感度Srと550nmの単色光での感度Sgとの差
である(Sg−Sr)が、Dmin+0.3の濃度を与
えるときの感度差がDmin+0.7の濃度を与えると
きの感度差より小さい場合(請求項4記載の発明)に、
陰周り、唇再現の両者に影響を与え予想される以上の効
果を発現し更に好ましいことが分かる。
【0096】実施例2 (試料201の作製) (オルソクロマチック乳剤の調製)沃臭化銀乳剤A
(0.40μm、沃化銀4モル%)に増感色素SD−
4、SD−7、チオ硫酸ナトリウム、塩化金酸、チオシ
アン酸カリウムを添加し、常法に従いカブリ−感度関係
が最適になるように化学増感を施し、オルソクロマチッ
ク乳剤OEM−1を調製した。
【0097】沃臭化銀乳剤B(0.60μm、沃臭化銀
7モル%)、沃臭化銀乳剤C(0.75μm、沃化銀8
モル%)それぞれに増感色素SD−7、SD−9、チオ
硫酸ナトリウム、塩化金酸、チオシアン酸カリウムを添
加し、常法に従いカブリ−感度関係が最適になるように
化学増感を施し、それぞれオルソクロマチック乳剤OE
M−2、OEM−3を調製した。
【0098】(パンクロマチック乳剤の調製)オルソク
ロマチック乳剤の調製と同様に、それぞれ沃臭化銀乳剤
A、B、Cに増感色素SD−2、SD−3、SD−6、
SD−8、チオ硫酸ナトリウム、塩化金酸チオシアン酸
カリウムを添加し、常法に従いカブリ−感度関係が最適
になるように化学増感を施し、それぞれパンクロマチッ
ク乳剤PEM−1、PEM−2、PEM−3を調製し
た。
【0099】下引層を施した厚さ122μmの透明トリ
アセチルセルロース支持体上に、下記のような組成の各
層を順次、支持体側から形成して多層モノクロ感光材料
試料201を作製した。
【0100】 第1層:ハレーション防止層 黒色コロイド銀 0.16 紫外線吸収剤(UV−1) 0.25 高沸点有機溶媒(Oil−1) 0.26 高沸点有機溶媒(Oil−2) 0.19 高沸点有機溶媒(Oil−3) 0.58 カラードカプラー(CM−1) 0.26 カラードカプラー(CC−1) 0.10 ゼラチン 1.53 第2層:中間層 ゼラチン 0.80 第3層:低感度乳剤層 オルソクロマチック乳剤(OEM−1) 0.59 パンクロマチック乳剤(PEM−1) 0.39 イエローカプラー(Y−1) 0.31 マゼンタカプラー(M−1) 0.13 シアンカプラー(C−1) 0.28 DIR化合物(D−1) 0.03 ステイン防止剤(AS−1) 0.04 高沸点有機溶媒(Oil−3) 0.72 ゼラチン 2.10 第4層:中感度乳剤層 オルソクロマチック乳剤(OEM−2) 0.9 パンクロマチック乳剤(PEM−2) 0.6 イエローカプラー(Y−1) 0.23 マゼンタカプラー(M−1) 0.12 シアンカプラー(C−1) 0.24 DIR化合物(D−2) 0.006 ステイン防止剤(AS−1) 0.03 高沸点有機溶媒(Oil−3) 0.55 ゼラチン 2.20 第5層:高感度乳剤層 オルソクロマチック乳剤(OEM−3) 0.9 パンクロマチック乳剤(PEM−3) 0.6 イエローカプラー(Y−1) 0.12 マゼンタカプラー(M−1) 0.07 シアンカプラー(C−1) 0.13 DIR化合物(D−2) 0.006 ステイン防止剤(AS−1) 0.02 高沸点有機溶媒(Oil−3) 0.33 ゼラチン 1.60 第6層:第1保護層 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.05μm、沃化銀3モル%) 0.30 紫外線吸収剤(UV−1) 0.30 ゼラチン 1.44 第7層:第2保護層 アルカリ可溶性マット剤PM−1(平均粒径2μm) 0.15 ポリメチルメタクリレート(平均粒径3μm) 0.04 滑り剤(WAX−1) 0.02 ゼラチン 0.55 なお、上記組成物の他に、塗布助剤SU−1、SU−
2、SU−3、分散助剤SU−4、粘度調整剤V−1、
安定剤ST−1、染料AI−1、AI−2、カブリ防止
剤AF−1、AF−2(重量平均分子量=10,000
及び100,000の2種のポリビニルピロリドン)、
硬膜剤H−1、H−2及び防腐剤DI−1を添加した。
【0101】Oil−1:トリクレジルホスフェート Oil−2:ジオクチルフタレート Oil−3:ジブチルフタレート AS−1:2−ブトキシ−5−t−オクチル−N,N−
ジブチルアニリン SU−1:スルホ琥珀酸ジオクチル・ナトリウム SU−2:C817SO2N(C37)CH2COOK SU−3:C817SO2NH(CH23+(CH33
・Br- SU−4:トリ−i−プロピルナフタレンスルホン酸ナ
トリウム ST−1:4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3
a,7−テトラザインデン AF−1:1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール H−1:2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリ
アジン・ナトリウム
【0102】
【化7】
【0103】
【化8】
【0104】
【化9】
【0105】
【化10】
【0106】
【化11】
【0107】
【化12】
【0108】(試料202の作製)試料201の第3層
のOEM−1の添加量を0.79、PEM−1の添加量
を0.19に、第4層のOEM−2の添加量を1.0
5、PEM−2の添加量を0.45、第5層のOEM−
3の添加量を0.98、PEM−3の添加量を0.48
に変更し試料202を作製した。
【0109】(試料203の作製)試料201の第3層
のOEM−1の添加量を1.20、PEM−1の添加量
を0.03、第4層のOEM−2の添加量を1.15、
PEM−2の添加量を0.38、第5層のOEM−3の
添加量を1.00、PEM−3の添加量を0.52に変
更し試料203を作製した。
【0110】得られた試料201、202、203を用
いて屋外、室内でポートレート撮影を行い、撮影済の前
記試料をコニカミニラボシステム NPS−858J
TypeII(プリンター部はコニカLVシリーズのプリ
ントレベルチャンネル設定済)を用いて、コニカカラー
ネガフィルム用現像処理CNK−41−J1にて現像処
理し、乾燥してモノクロネガ画像を有するフィルム試料
を得た。更にコニカカラーペーパータイプQAA6にプ
リントしてモノクロ調プリントを得た。
【0111】試料202(請求項5,6に記載の本発明
の試料)から得られたプリント試料は試料201に比べ
陰周りでも適度な調子再現、及び唇再現を持っていた。
【0112】試料203から得られたプリントは唇再現
が特に暗い仕上がりとなり好ましくなかった。
【0113】次に、試料201、202、203を図2
に示す撮影ユニットに装填し、屋外、室内などで撮影を
行った。撮影済みの前記試料をコニカミニラボシステム
NPS−858J TypeII(プリンター部はコニカ
LVシリーズのプリントレベルチャンネル設定済み)を
用いて、コニカカラーネガフィルム用現像処理CNK−
41−J1にて現像処理し、乾燥してモノクロネガ画像
を有するフィルム試料をそれぞれ得た。更にコニカカラ
ペーパータイプQAA6にそれぞれをプリントしてモノ
クロ調プリントをそれぞれ得た。
【0114】試料201、202、203から得られた
それぞれのプリントを20名の観察者により主観評価を
行った結果、20名全員が試料202のプリントの方が
最も好ましいという回答であった。
【0115】以上、実施例で実証した如く、本発明によ
るハロゲン化銀感光材料は、肌の陰周りであっても暗く
ならず、また適切な肌色と唇の差別化、および人間の視
感度と類似する唇の明度再現が得るという優れた効果を
有する。
【0116】
【発明の効果】本発明により、肌の陰周りであっても暗
くならず、また適切な肌色と唇の差別化、および人間の
視感度と類似する唇の明度再現を得ることの出来るハロ
ゲン化銀感光材料、特にモノクロ画像形成ハロゲン化銀
感光材料を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の試料110(本発明)、試料107
(比較例)の分光感度分布曲線を示す図である。
【図2】本発明で用いた撮影ユニットの斜視図を示す。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明支持体上の一方の側に、それぞれ少
    なくとも一層の感光性層及び非感光性層からなる写真構
    成層を有するハロゲン化銀感光材料において、該ハロゲ
    ン化銀感光材料の少なくとも一層の650nmの単色光
    に対するDmin+0.7の濃度を与える感度Srと5
    50nmの単色光に対するDmin+0.7の濃度を与
    える感度Sgとの差であるSg−SrがlogHで0.
    4以下であることを特徴とするハロゲン化銀感光材料。
  2. 【請求項2】 透明支持体上の一方の側に、それぞれ少
    なくとも一層の感光性層及び非感光性層からなる写真構
    成層を有するハロゲン化銀感光材料において、該ハロゲ
    ン化銀感光材料の少なくとも一層の650nmの単色光
    に対するDmin+0.7の濃度を与える感度Srと6
    10nmの単色光に対するDmin+0.7の濃度を与
    える感度S2との差であるS2−SrがlogHで0.
    10以下であることを特徴とするハロゲン化銀感光材
    料。
  3. 【請求項3】 透明支持体上の一方の側に、それぞれ少
    なくとも一層の感光性層及び非感光性層からなる写真構
    成層を有するハロゲン化銀感光材料において、該ハロゲ
    ン化銀感光材料の少なくとも一層の650nmの単色光
    に対するDmin+0.7の濃度を与える感度Srと5
    50nmの単色光に対するDmin+0.7の濃度を与
    える感度Sgとの差であるSg−SrがlogHで0.
    4以下であり、且つ該感度Srと610nmの単色光に
    対するDmin+0.7の濃度を与える感度S2との差
    であるS2−SrがlogHで0.10以下であること
    を特徴とするハロゲン化銀感光材料。
  4. 【請求項4】 ハロゲン化銀感光材料の少なくとも一層
    の650nmの単色光での感度Srと550nmの単色
    光での感度Sgとの差である(Sg−Sr)において、
    Dmin+0.3の濃度を与えるときの感度差が、Dm
    in+0.7の濃度を与えるときの感度差より小さいこ
    とを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のハロ
    ゲン化銀感光材料。
  5. 【請求項5】 前記感光材料がオレンジ着色されたこと
    を特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載のハロゲ
    ン化銀感光材料。
  6. 【請求項6】 前記ハロゲン化銀感光材料の少なくとも
    一層に含まれるオルソクロマチックに分光された乳剤
    (乳剤O)に対し、パンクロマチックに分光増感された
    乳剤(乳剤P)が金属銀に換算した重量で30%以上5
    0%以下(即ち、(乳剤P/乳剤O)×100=30〜
    50(金属銀wt%))であることを特徴とする請求項
    1〜5のいずれか1項記載のハロゲン化銀感光材料。
  7. 【請求項7】 前記ハロゲン化銀感光材料に含まれるオ
    ルソクロマチック増感色素(増感色素O)に対し、パン
    クロマチック増感色素(増感色素P)のモル比が、30
    %以上50%以下(即ち、(増感色素P/増感色素O)
    ×100=30〜50(モル比%))であることを特徴
    とする請求項1〜6のいずれか1項記載のハロゲン化銀
    感光材料。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか1項記載のハロ
    ゲン化銀感光材料がモノクロ画像を形成することを特徴
    とするモノクロ画像形成ハロゲン化銀感光材料。
JP3281498A 1998-02-16 1998-02-16 ハロゲン化銀感光材料およびモノクロ画像形成ハロゲン化銀感光材料 Withdrawn JPH11231446A (ja)

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