JPH11230718A - ボールグリッドアレイのボール高さ計測方法 - Google Patents

ボールグリッドアレイのボール高さ計測方法

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JPH11230718A
JPH11230718A JP2861198A JP2861198A JPH11230718A JP H11230718 A JPH11230718 A JP H11230718A JP 2861198 A JP2861198 A JP 2861198A JP 2861198 A JP2861198 A JP 2861198A JP H11230718 A JPH11230718 A JP H11230718A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ボールグリッドアレイのボール高さ計測時間を
大幅に短縮するボールグリッドアレイのボール高さ計測
方法を提供する。 【解決手段】ボールグリッドアレイ基板10を円筒状の
発光面を有する円筒状面発光照明装置16によって照明
し、その画像データをステレオ光学系18の撮像装置1
8A、18Bによって取得する。そして、この取得した
画像データ内に含まれる各ボールの高さを画像処理によ
って算出する。これにより、1度の撮像で多数のボール
高さ計測を同時に行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はボールグリッドアレ
イのボール高さ計測方法に係り、特に半導体製品を表面
実装する際に使用されるボールグリッドアレイの各々の
ボールの高さ(ボールの精度)を計測するボールグリッ
ドアレイのボール高さ計測方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ボールグリッドアレイは、基板に略球状
に形成されたはんだ(以下、単にボールという。)が碁
盤の目状に埋め込まれると共に、各ボールの略半球部分
が基板表面から露出するように形成されたものである。
このように形成されたボールグリッドアレイは、ICチ
ップ等のピンを基板上のボールに当接して熱を加えるだ
けで回路部品を容易に実装することができる。
【0003】ところで、従来、ボールグリッドアレイの
品質検査では、各々のボール高さを計測し、全てのボー
ルが略一様の高さで形成されているか否かを判定してい
る。従来のボールグリッドアレイのボール高さ計測手順
を図21のフローチャートに示す。まず、計測対象のボ
ールグリッドアレイ基板を測定テーブル上に載置し、ボ
ールグリッドアレイ基板をアライメントする(ステップ
S100)。そして、ボールグリッドアレイ基板上の各
ボールの並び方向を抽出する(ステップS102)。各
ボールの並び方向を抽出したら、測定テーブル上に配置
された非接触型の高さ測定器をXY平面内で移動させて
計測対象のボールの位置に移動させ(ステップS10
4)、そのボールの高さを、例えばオートフォーカス法
やレーザ測距法等を用いて計測する(ステップS10
6)。同様の処理をボールグリッドアレイ基板上の全て
のボールに対して行い、全てのボールの高さを計測した
場合には(ステップS108)、ボール高さ計測を終了
する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ボール高さ計測の方法では計測に要する時間は、(ボー
ルグリッドアレイ基板をロードする時間)+(アライメ
ントに要する時間)+(XYの移動時間+ボールの高さ
計測時間)×(ボールの個数)となり、ボールグリッド
アレイ基板上のボールの数が100個を越える(200
〜300程度)現状からは、計測に大変時間がかかると
いう問題があった。
【0005】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、ボールグリッドアレイ基板のボール計測に要す
る時間のなかで時間的に大変長くかかるボール高さの計
測時間、即ち(XYの移動時間+ボールの高さ計測時
間)×(ボールの個数)を画像処理とステレオ光学系の
高さ検出機能により、ボールを1つ1つ移動して計測す
るのではなく、画像データ上に撮影されたボールの全て
を一度に計測する方法又は一列に並んだボールを一度に
計測する方法により、ボールグリッドアレイ上のボール
の総計測時間を大幅に短縮するボールグリッドアレイの
ボール高さ計測方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成
するために、ボールグリッドアレイ基板上に格子状に配
列されたボールの高さを計測するボールグリッドアレイ
のボール高さ計測方法において、前記ボールグリッドア
レイ基板上に円筒状の発光面から光を照射すると共に、
前記ボールグリッドアレイ基板上を異なる方向から撮像
して撮像方向が異なる2つの画像データを取得するステ
レオ画像データ取得工程と、前記取得した2つの画像デ
ータ上において、各ボールの像の形状に基づいて各ボー
ルの頂点の座標を検出するボール頂点座標検出工程と、
前記2つの画像データ上における各ボールの頂点の座標
に基づいて各ボールの高さを算出するボール高さ算出工
程と、からなることを特徴としている。
【0007】また、前記目的を達成するために、ボール
グリッドアレイ基板上に格子状に配列されたボールの高
さを計測するボールグリッドアレイのボール高さ計測方
法において、前記ボールグリッドアレイ基板上に一列に
並んだボールの頂点を結ぶ直線上に線状の光を照射する
と共に、前記一列に並んだボールを異なる方向から撮像
して撮像方向が異なる2つ画像データを取得するステレ
オ画像データ取得工程と、前記取得した2つの画像デー
タ上において、前記線状の光の像の形状に基づいて前記
一列に並んだ各ボールの頂点の座標を検出するボール頂
点座標検出工程と、前記2つの画像データ上における各
ボールの頂点の座標に基づいて前記一列に並んだ各ボー
ルの高さを算出するボール高さ算出工程と、からなるこ
とを特徴としている。
【0008】本発明によれば、ステレオ光学系によって
得られる画像データを画像処理で解析することにより、
画像データ上に撮像されたすべてのボール、又は一列に
並んだボールの高さを一回の撮像で処理することがで
き、ボールグリッドアレイの各々のボール高さ計測に要
する時間を大幅に短縮する効果がある。
【0009】
【発明の実施の形態】以下添付図面に従って本発明に係
るボールグリッドアレイのボール高さ計測方法の好まし
い実施の形態を詳述する。図1は、本発明が適用された
ボールグリッドアレイのボール高さ測定装置の概略構成
を示した構成図である。同図に示すようにこの高さ測定
装置は、ボールグリッドアレイ基板10が載置される測
定テーブル14を有し、この測定テーブル14は、図示
しない制御部の制御によって左右(X)、前後(Y)、
上下(Z)、回転(θ)方向に移動できるようになって
いる。尚、ボールグリッドアレイ基板10上には半球状
に露出したはんだのボール12、12、12、…が格子
状に配列されている。
【0010】測定テーブル14の周辺部には、円筒状の
発光面が内周側に設けられた円筒状面発光照明装置16
が配設される。この円筒状面発光照明装置16は、ボー
ルグリッドアレイのボール高さを測定する際に円筒状の
面発光によって一様の明るさで照明光を発光し、この照
明光によって測定テーブル14上のボールグリッドアレ
イ基板10を照明する。尚、円筒状面発光照明装置16
は、後述の左右のステレオ光学系18の光軸を妨げない
範囲でできるだけ大きくするのが望ましいが、本実施の
形態では、直径180mmで高さ150mmの形状を有
している。
【0011】測定テーブル14の上方には測定テーブル
14上に載置されたボールグリッドアレイ基板10を左
右から撮像するステレオ光学系18が配設される。この
ステレオ光学系18は、左側の撮像装置18Aと右側の
撮像装置18Bとから構成され、これらの撮像装置18
A、18Bは、交差角度が30〜60度となるように設
置される。尚、高さ方向の精度を高くする場合にはでき
るだけ交差角度を大きくするように設置することが望ま
しい。また、ステレオ光学系18の倍率は、測定対象物
の大きさにより変える必要があるが、ボールグリッドア
レイ基板10の大きさが10mm×10mm程度であれ
ば、0.5倍から0.8倍に設定される。
【0012】これらのステレオ光学系18の撮像装置1
8A、18Bによって撮像された画像(画像データ)
は、図示しない画像処理用のコンピュータに入力され、
このコンピュータによって以下に示す処理に基づきボー
ルグリッドアレイ基板10上の各ボール12の高さが計
測されるようになっている。また、測定テーブル14の
上方には、アライメント用照明装置20が配設され、ボ
ールグリッドアレイ基板10を所定位置にアライメント
する場合にはこのアライメント用照明装置20から照明
光が照射されるようになっている。尚、このアライメン
ト用照明装置20とボール高さ計測時に使用される上記
円筒状面発光照明装置16とは、図示しない制御部の制
御によって自動で切り換えられるようになっている。
【0013】次に上述の如く構成されたボールグリッド
アレイのボール高さ計測装置のボール高さ計測方法につ
いて説明する。まず、測定前に行われるステレオ光学系
18の撮像位置及び撮像方向の標定手順について図2の
フローチャートに従って説明する。図3はステレオ光学
系18の撮像位置、撮像方向を示した説明図である。図
3に示すようにまず左右のステレオ光学系18(撮像装
置18A、18B)の撮像位置FA、FBから左右の撮
像面PA、PBまでの距離、即ち投影距離(焦点距離)
fa、fbをキャリブレーションにより求める(ステッ
プS10、ステップS12)。ここでfa、fbは対象
物までの距離が十分長い時には、焦点距離に一致するた
め、以降投影距離を焦点距離と表現する。そして、この
キャリブレーションの後、正確な間隔をもつ格子を撮像
し、この格子の画像データから図3に示す上記撮像位置
FA、FBの座標(xa,ya,za)、(xb,y
b,zb)と撮像方向DA、DBのベクトル(ωa,ψ
a,κa)、(ωb,ψb,κb)を求める(ステップ
S14)。
【0014】この標定を行うことにより、図3に示すよ
うに、空間上のA点(XA ,YA ,ZA )をステレオ光
学系18で撮像した場合に、左撮像面PA上でのA点の
座標(xla,yla)と右撮像面PB上でのA点の座
標(xra,yra)から対象物であるA点の3次元座
標値(XA ,YA ,ZA )を算出することができる。具
体的には、左撮像面PA上のA点(xla,yla)と
左光学系の撮像位置FA(xa,ya,za)を通る空
間直線lと、右撮像面PB上のA点(xra,yra)
と右光学系の撮像位置FB(xb,yb,zb)を通る
空間直線mとの交点としてA点の3次元座標値(XA ,
YA ,ZA )が求められる。
【0015】尚、上記ステレオ光学系18の標定は一度
実施した後、光学系を固定した状態に保てば、次回の計
測前に実施する必要はない。以上のステレオ光学系18
の標定が終了すると、次にボール高さ計測処理を実行す
る。図4は、ボール高さ計測処理の手順を示したフロー
チャートである。まず、測定対象となるボールグリッド
アレイ基板10を測定テーブル14にロードし、ステレ
オ光学系18の計測位置に移動させる。次にアライメン
ト用照明装置20の照明を点灯させ、予め登録してある
ボールグリッドアレイ基板10の四隅位置の画像データ
をリファレンスパターンとしてパターンマッチングの方
法によりボールグリッドアレイ基板10のアライメント
を行う(ステップS20)。図5にアライメントに使用
するリファレンスパターンの領域を示す。ボールグリッ
ドアレイ基板10の四隅周辺に回路パターンのような特
徴のある領域がある場合は同図実線eで示す領域をリフ
ァレンスパターンとし、四隅周辺に特徴のある領域がな
い場合には、破線fで示すボールグリッドアレイ基板1
0の四隅位置をリファレンスパターンとする。
【0016】アライメントによりボールグリッドアレイ
基板10がXY軸に対して傾いている角度をθ軸方向で
調整し、ボールグリッドアレイ基板10をXY軸と平行
にした後、アライメント用パターンの左右の画像データ
上での検出位置データから基板面の高さを求め、ボール
グリッドアレイ基板10のアライメント位置の3次元座
標値を求める(ステップS22)。そして、ボールグリ
ッドアレイ基板10上の基準のボールを所定の位置に移
動させる(ステップS24)。
【0017】このようにしてアライメントが終了する
と、アライメント用照明装置20を消灯させ、次に円筒
状面発光照明装置16を点灯させる。そして予め登録し
てあるボールのパターン画像データをリファレンスとし
て各ボールの位置をパターンマッチングにより求める
(ステップS26)。ここで、円筒状面発光照明装置1
6によってボールグリッドアレイ基板10上のボール1
2を照射した場合に得られるボール12の画像について
図6乃至図9を用いて説明する。図6は、簡単のために
ボールグリッドアレイ基板10上の1つのボール12に
着目してそのボール12に円筒状面発光照明装置16か
ら照明光を照射した状況を示した断面図であり、図7
(A)、(B)は、図6においてステレオ光学系18の
左右の撮像装置18A、18Bで撮像されるボール12
の画像を示した図である。これらの図に示すように、円
筒状面発光照明装置16から一様に光線が照射される
と、ボール表面で反射された光線の中でステレオ光学系
18の光軸方向に反射された光線が存在する場合にボー
ル表面の位置は明るく撮像され、そのような光線が存在
しない場合は暗く撮像される。即ち、図7に示すように
ボール12の頂点付近は、円筒状面発光照明装置16か
らステレオ光学系18の左右の光軸方向に反射する光線
が存在しないため暗く撮像される。一方、ボール12の
頂点から離れた部分は、円筒状面発光照明装置16から
の反射する光線が存在するため明るく撮像される。
【0018】図8は、この状況を単純化して示した図で
ある。図8では、ステレオ光学系18の右側の撮像装置
18Bにおいてボール12の表面で明るく撮像される部
分を白く、暗く撮像される部分を黒く示している。同図
に示すようにボール表面に、略水平方向から照射される
光線が一番角度の低い光線で、このような水平方向から
の光線で照射される位置L1、L2よりボール12の高
い部分が明るい部分となる。円筒状面発光照明装置16
の一番高い位置から照射される光線が最も高い角度の光
線となり、この光線が反射されて、ステレオ光学系18
の右側の光軸方向と一致する位置L3、L4までが明る
く撮像される領域となる。ボール表面でこの位置より高
い部分は、暗く撮像される。
【0019】図9は、ステレオ光学系18の右側の撮像
装置18Bで撮像される画像データを図8と対応させて
模式的に示したもので、図面上の横方向の線が図8の断
面と一致する。図8、9はボールの半球が基板面より突
出した状態を示したものであるため図9に示す輪郭C1
はボール外周を表し、この輪郭C1は円のように見える
が厳密には円とはならない。図8、図9で示されるL5
の位置はボールの外径上の位置であるが、L6の位置は
ステレオ光学系18の右光学系で撮像した時にボール1
2の外径上の位置ではないため、L5とL6の距離はボ
ールの直径とはならない。図8では、単純化し、見やす
くするためにボール12を大きく描いたが、実際のボー
ル12は大変小さいため、ボール表面を照射する最も高
い角度の光線は、図で示される光線より大きい角度とな
り、ボールの頂点付近の暗く撮像される領域D1は小さ
くなる。
【0020】上述のように図4のステップS26におい
てパターンマッチングにより各ボールの位置を求める
と、次に、各ボール12の座標値を2次元的にソートす
ることにより、ステレオ光学系18の左右の撮像装置1
8A、18Bで得られた画像データ上で各ボール12の
対応をとる(ステップS28)。次いで、各ボール頂点
付近の暗く撮像されている領域D1(図9参照)の大き
さを画像処理により解析し、ボール12の頂点位置を算
出する。図6、図7及び図9に示したように左右の画像
で暗く撮像される領域は一致していないが、ボールの頂
点は、ボール12のXY座標値と円筒照明の位置と大き
さが既知であれば暗く撮像された領域D1から求めるこ
とができる。ボール12のXY座標値と円筒照明の位置
と大きさからボール12の頂点を求める計算は、予めボ
ール12の位置と間隔に対応するように計算して、デー
タベースとして画像処理用のコンピュータの中に格納し
ておく。尚、データベースの作成手順については後述す
る。測定時にはこの作成したデータベースを参照して暗
く撮像された領域D1からボール12の頂点の画像上の
位置を検出する。尚、上記ステップS24において基準
となる1つのボール位置をデータベースとして格納され
ている基準位置と一致する位置に移動させておくことに
より、撮像されている全てのボール12に対して即座に
頂点の画像上の位置を検出することができる。
【0021】そして、ボール頂点の画像上の位置からボ
ール頂点の3次元座標値を算出し(ステップS30)、
すべてのボールについて頂点の位置を算出すると(ステ
ップS32)、測定を終了し、次のボールグリッドアレ
イ基板10を測定テーブル14にロードする。以上のよ
うに、円筒状の照明光によってボールグリッドアレイ基
板10を照明し、ステレオ光学系18で画像データを取
得し、この取得した画像データ上で所定の解析を行うこ
とにより、ボールグリッドアレイ基板10上のボールの
高さを一度の撮像で多数同時に求めることができ、ボー
ル高さ計測に要する時間を大幅に短縮することができ
る。
【0022】次に、上記データベースの作成手順につい
て図10のフローチャートを用いて説明する。まず、ボ
ール12の直径と間隔のパラメータを設定する(ステッ
プS40)。そして、基準となるボール位置を決定し
(ステップS42)、この基準となるボール位置とボー
ル間隔から暗く撮像される領域D1(図9参照)とボー
ル頂点の位置を算出するボール中心の座標値を求める
(ステップS44)。次いでボール中心の座標値に対し
て極座標系を設定し、適当な角度間隔を求め、各角度で
円筒照明の最上端からステレオ光学系18の左右光学系
の光軸方向に反射する半径方向の長さを求める(ステッ
プS46)。これにより、頂点付近の暗い領域D1が求
まる。
【0023】そして、頂点周辺の暗く撮像される領域D
1とボール頂点の位置関係をボール座標値と半径をパラ
メータとしてデータベースに格納する(ステップS4
8)。この後、ボールの直径と間隔の設定を換えて上記
処理を繰り返す(ステップS50、ステップS52)。
これにより、ボール12の暗く撮像された領域D1から
ボール12の頂点位置を検出するためのデータベースが
作成される。
【0024】次に上記ボールグリッドアレイ基板10の
アライメントにおいて誤差がある場合について考察する
と、図11に示す状況においてボール12の中心付近で
例えば、0.1mmの差異があると照明の照射角度は最
大0.05度(以下)の差異となる。0.05度の照射
角の差異は、ボール表面で暗く撮像される範囲を2倍の
角度(0.1度)に広げる。1mm直径のボールの場合
暗く撮像される領域D1は、2μm(以下)ずれること
となる。しかしながら2μm(以下)はボールの大きさ
から考慮すると十分に小さい値であり、また、アライメ
ントも0.1mm以内の精度を確保することは十分可能
であることから、この測定方法ではアライメントの誤差
は問題とならない。
【0025】次に本発明に係るボールグリッドアレイの
高さ測定方法の第2の実施の形態について説明する。図
12は、本発明が適用されるボールグリッドアレイのボ
ール高さ測定装置の概略構成を示した構成図である。
尚、図1に示したボールグリッドアレイのボール高さ測
定装置と同一又は類似構成部材には同一番号を付し、そ
の説明は省略する。同図に示すように、測定テーブル1
4の上方に光源24A、シリンドリカルレンズ24B及
び固定反射ミラー24Cから構成される線照明装置24
が配置される。この線照明装置24は、レーザ又は通常
のランプを光源24Aとし、光源24Aから出射された
光をシリンドリカルレンズ24Bでライン化し、測定テ
ーブル14の中央真上の固定ミラー24Cで反射させて
ライン状の照明光を測定テーブル14上に載置されたボ
ールグリッドアレイ基板10に照射する。
【0026】図13は、上記ボール高さ測定装置におけ
るボール高さ計測処理の手順を示したフローチャートで
ある。まず、測定に先立ち、上記図2のフローチャート
に示したようにステレオ光学系18の焦点距離をキャリ
ブレーションし、次に精度の高い格子を使用してステレ
オ光学系18の撮像位置、撮像方向を標定する。上記実
施の形態でも示したようにこのステレオ光学系18の標
定は、一度実施した後、光学系を固定した状態に保てば
次回の計測前に実施する必要はない。
【0027】次に測定対象となるボールグリッドアレイ
基板10を測定テーブル14にロードし、ステレオ光学
系18の測定位置に移動させる。次いでアライメント用
照明装置20を点灯させ、予め登録してあるボールグリ
ッドアレイ基板10の四隅位置の画像データをリファレ
ンスパターンとしてパターンマッチングの方法によりボ
ールグリッドアレイ基板10のアライメントを行う(ス
テップS60)。尚、アライメントについては上記図5
を用いて説明した通りである。
【0028】また、アライメント用パターンの左右画像
データ上での検出位置データから基板面の高さを求め、
ボールグリッドアレイ基板10のアライメント位置の3
次元座標値を算出する(ステップS62)。アライメン
トが終了すると、第1列目のボール位置に測定テーブル
14を移動させる(ステップS64)。そして、アライ
メント用照明装置20の照明を消灯させると共に線照明
装置24を点灯させ、第1列目のボールのラインデータ
をステレオ光学系18の左右の撮像装置18A、18B
で取得する(ステップS66)。
【0029】ここで、線照明装置24によってボールグ
リッドアレイ基板10のボール12を照射した場合に得
られる画像について図14乃至図17を用いて説明す
る。図14は、1つのボール12に着目してボール12
に線照明を照射した状況を斜め方向から示した図であ
り、図15は、この状況を断面で示した図である。図1
5に示すように、ボールグリッドアレイ基板10上のA
点がステレオ光学系18の左右の光学系で撮像される
と、撮像される画像データ上の位置は同図に示すA′点
(左画像データ上)とA″点(右画像データ上)とな
る。これに対しボール12の頂点位置Bは、画像データ
上のB′点(左画像データ)とB″点(右画像データ)
の位置に撮像される。このように線状の照明光を照射す
ると、照射した照明光を垂直の平面として対象物との断
面が撮像され、平面上に照射された位置は直線となり、
断面の中で最も高い位置が、この直線から最もずれた位
置に撮像される。
【0030】線照明の照明線と平行になるようにボール
グリッドアレイ基板10をアライメントし、XY位置を
調整して図16に示すように線照明を一列に並んだ各ボ
ール12の頂点付近に照射すると、図17(A)、
(B)に示すように直線の中に曲線がある画像データが
得られる。尚、図17(A)、(B)はそれぞれステレ
オ光学系18の左撮像装置18Aと右撮像装置18Bで
得られる画像データを示している。線照明をほぼ真上か
ら照射すると、画像データ上で直線から最も離れている
点(図17上のAとA′、BとB′、CとC′等)は、
ボール表面で線照明により照射された最も高い位置であ
り、左右の画像データ上で対応する位置となる。
【0031】このように、線照明によって図17に示す
ような1列のボールのラインデータを得ると、左右の画
像データ上で同一のボール12を示す曲線部分の対応を
取る。この対応は、予めボール12の個数を登録してお
けば容易に行うことができる。そして、各曲線部分でベ
ースとなる直線から最も離れた位置を抽出する。この処
理は、画像データのY軸方向と線照明の方向を一致させ
ておくことによって、画像データ上でX軸方向に最も離
れた位置を抽出するだけで簡単に行うことができる。こ
のようにして左右の画像データ上で線照明された位置の
対応に基づき、線照明で照射されたライン上のボールの
最も高い位置の3次元座標を求める(ステップS6
8)。
【0032】次いで、上記線照明によってボールの頂点
が照射されていない場合を避けるため(アライメントの
精度に依存する。)、X方向に微小距離(0.1mm内
程度)移動させて、2〜3回測定して各ボール位置で最
も高いものを求める(ステップS70)。このようにし
て第1列目のボールの高さ測定が終了した後、第2列目
のボール位置に測定用テーブルを移動させ、上述と同様
の計測を行う。以下最後のボール列まで計測し、ステッ
プS72において全てのボール列が計測されたと判定し
た場合には、測定を終了する。
【0033】以上説明した第2の実施の形態のように、
線照明光によってボールグリッドアレイ基板10上の一
列に並んだボールを照明し、ステレオ光学系18でこの
線照明の部分の画像データを取得してこの取得した画像
データ上で所定の解析を行うことにより、ボールグリッ
ドアレイ基板10上の一列に並んだ複数のボールの高さ
を一度の撮像で求めることができ、ボール高さ計測に要
する時間を短縮することができる。
【0034】次に本発明に係るボールグリッドアレイの
ボール高さ計測方法の第3の実施の形態について説明す
る。図18は、本発明が適用されるボールグリッドアレ
イのボール高さ計測装置の概略構成を示した構成図であ
る。尚、図12に示したボールグリッドアレイのボール
高さ測定装置と同一又は類似構成部材には同一番号を付
し、その説明は省略する。同図に示すように、測定テー
ブル14の上方に上記線照明装置24の他に光源26
A、シリンドリカルレンズ26B及び可動ミラー26C
から構成される線照明装置26が配設される。この線照
明装置26は、レーザ又は通常のランプを光源26Aと
し、光源26Aから出射された光をシリンドリカルレン
ズ26Bでライン化し、測定テーブル14の斜め上の可
動ミラー26Cで反射させ、ライン状の照明光を測定テ
ーブル14上に載置されたボールグリッドアレイ基板1
0に照射する。この線照明は、上記線照明装置24によ
って照射される照明光と直交する方向に照射され、ま
た、可動ミラー26Cによって照射される位置が移動す
るようになっている。
【0035】尚、上記線照明装置24による線照明を測
定用線照明と称し、上記線照明装置26による照明を補
助線照明と称する。図19は、ボール高さ計測処理の処
理手順を示したフローチャートである。まず、測定に先
立ち、上記図2のフローチャートに示したようにステレ
オ光学系18の焦点距離をキャリブレーションし、次に
精度の高い格子を使用してステレオ光学系18の撮像位
置、撮像方向を標定する。上記第1、第2の実施の形態
でも示したようにこのステレオ光学系の標定は、一度実
施した後、光学系を固定した状態に保てば次回の計測前
に実施する必要はない。
【0036】次に測定対象となるボールグリッドアレイ
基板10を測定テーブル14にロードし、ステレオ光学
系18の測定位置に移動させる。次いでアライメント用
照明装置20を点灯させ、予め登録してあるボールグリ
ッドアレイ基板10の四隅位置の画像データをリファレ
ンスパターンとしてパターンマッチングの方法によりボ
ールグリッドアレイ基板10のアライメントを行う(ス
テップS80)。尚、アライメントについては上記図5
で説明した通りである。
【0037】また、アライメント用パターンの左右の画
像データ上での検出位置データから基板面の高さを求
め、ボールグリッドアレイ基板10のアライメント位置
の3次元座標値を算出する(ステップS82)。アライ
メントが終了すると、第1列目のボール位置に測定テー
ブル14を移動させた後(ステップS84)、アライメ
ント用照明装置20の照明を消灯させ、線照明装置24
の測定用線照明を点灯させる。そして、第1列目のボー
ルのラインデータをステレオ光学系18の左右の撮像装
置18A、18Bで取得し、この画像をコンピュータの
メモリに格納しておく(ステップS86)。
【0038】次に線照明装置24の測定用線照明を消灯
させ、線照明装置26の補助線照明を点灯させる。そし
て、補助線照明を可動ミラー26CでY軸方向に動か
し、複数の照明位置で画像データをステレオ光学系18
から取得し、コンピュータ内のメモリに格納する(ステ
ップS88)。そして、コンピュータのメモリに格納さ
れた画像データを左右別々に全て足し合わせた画像デー
タを求める(ステップS90)。
【0039】図20(A)、(B)は、取得した画像デ
ータを全て足し合わせた画像データを示した図である。
同図に示すように、測定用線照明で照射する範囲をボー
ルグリッドアレイ基板10内に収まるように調整してお
くと、OとO′及びEとE′が左右の画像データで対応
する位置となる。また、測定用照明とそれと直交する補
助線照明との交点は、対象物上で同一の点であり、左画
像データから交点間を切り出した線図形(例えばBとC
の間のデータ)は、右画像データの同一交点間を切り出
した線図形(例えばB′とC′の間のデータ)と対応す
る。
【0040】このようにして測定用線照明と補助線照明
の交点間の区間を切り出した後、次にエピポーラ線を用
いて左右画像データの対応をとり、第1列のボールの3
次元座標値を算出する(ステップS94)。尚、エピポ
ーラ線を用いて左右画像データの対応をとる方法につい
ては、特願平8−211652号明細書に記載されたボ
ンディングワイヤの3次元位置を求める方法と同じ手法
によるものである。簡単に説明すると、左右画像データ
上で対応する交点間をそれぞれ所定比で分割して、分割
した点を通るエピポーラ線と上記補助線照明のデータと
の交点を左右画像データ上でそれぞれ求める。このよう
にした求めた交点は、左右画像データの対応する点であ
り、これらの交点の画像データ上の座標値から3次元座
標を求めることができる。
【0041】上記ステップS94の後、ボールの頂点が
測定用線照明で照射されない場合を避けるため、X方向
に微小距離(0.1mm以内程度)移動させて、2、3
回同一の測定を行い、各ブール位置で最も高いものを求
める(ステップS94)。第1列目のボールの高さ測定
が終了したら、第2列目のボール位置に測定テーブル1
4を移動させ、第2列目のボールに対しても同様の計測
を行う。以下最後のボール列まで計測すると(ステップ
S96)、この処理を終了する。
【0042】以上第3の実施の形態によっても第2の実
施の形態と同様に、ボールグリッドアレイ基板10上の
一列に並んだ複数のボールの高さを一度の撮像で求める
ことができ、ボール高さ計測に要する時間を短縮するこ
とができる。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係るボール
グリッドアレイのボール高さ計測方法によれば、ステレ
オ光学系によって得られる画像データを画像処理で解析
することにより、画像データ上に撮像されたすべてのボ
ール、又は一列に並んだボールの高さを一回の撮像で処
理することができ、ボールグリッドアレイの各々のボー
ル高さ計測に要する時間を大幅に短縮する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明が適用されるボールグリッドア
レイの高さ測定装置の概略構成を示した構成図である。
【図2】図2は、ステレオ光学系の撮像位置及び撮像方
向の標定手順を示したフローチャートである。
【図3】図3は、ステレオ光学系の撮像位置、撮像方向
を示した説明図である。
【図4】図4は、ボール高さ計測処理の手順を示したフ
ローチャートである。
【図5】図5は、ボールグリッドアレイ基板のアライメ
ントに使用するリファレンスパターンの領域を示した図
である。
【図6】図6は、ボールに円筒状面発光照明装置から照
明光を照射した状況を示した断面図である。
【図7】図7(A)、(B)は、ステレオ光学系で撮像
されるボールの画像を示した図である。
【図8】図8は、円筒状面発光装置から右光学系の光軸
方向に反射される光線の分布を示した図である。
【図9】図9は、ステレオ光学系の右光学系で撮像され
る画像データを図8と対応させて模式的に示した図であ
る。
【図10】図10は、データベースの作成手順を示した
フローチャートである。
【図11】図11は、ボールグリッドアレイ基板のアラ
イメントにおいて誤差がある場合の説明に用いた説明図
である。
【図12】図12は、本発明の第2の実施の形態が適用
されるボールグリッドアレイのボール高さ測定装置の概
略構成を示した構成図である。
【図13】図13は、ボール高さ計測処理の手順を示し
たフローチャートである。
【図14】図14は、ボールに線照明を照射した状況を
斜め方向から示した図である。
【図15】図15は、図14の状況を断面で示した図で
ある。
【図16】図16は、一列に並んだボールに線照明を照
射した状況を示した図である。
【図17】図17(A)、(B)は、図16の状況をス
テレオ光学系で撮像した場合に左右の光学系で得られる
画像を示した図である。
【図18】図18は、本発明の第3の実施の形態が適用
されるボールグリッドアレイのボール高さ計測装置の概
略構成を示した構成図である。
【図19】図19は、ボール高さ計測処理の処理手順を
示したフローチャートである。
【図20】図20(A)、(B)は、測定用線照明と補
助線照明によって得られた画像データを全て足し合わせ
た画像データを示した図である。
【図21】図21は、従来のボールグリッドアレイのボ
ール高さ計測手順を示したフローチャートである。
【符号の説明】
10…ボールグリッドアレイ基板 12…ボール 14…測定テーブル 16…円筒状面発光照明装置 18…ステレオ光学系 18A、18B…撮像装置 20…アライメント用照明装置 24、26…線照明装置 24A、26A…光源 24B、26B…シリンドリカルレンズ 24C、26C…固定ミラー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池田 穂高 東京都東大和市湖畔2丁目1044番地の121

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ボールグリッドアレイ基板上に格子状に配
    列されたボールの高さを計測するボールグリッドアレイ
    のボール高さ計測方法において、 前記ボールグリッドアレイ基板上に円筒状の発光面から
    光を照射すると共に、前記ボールグリッドアレイ基板上
    を異なる方向から撮像して撮像方向が異なる2つの画像
    データを取得するステレオ画像データ取得工程と、 前記取得した2つの画像データ上において、各ボールの
    像の形状に基づいて各ボールの頂点の座標を検出するボ
    ール頂点座標検出工程と、 前記2つの画像データ上における各ボールの頂点の座標
    に基づいて各ボールの高さを算出するボール高さ算出工
    程と、 からなることを特徴とするボールグリッドアレイのボー
    ル高さ計測方法。
  2. 【請求項2】ボールグリッドアレイ基板上に格子状に配
    列されたボールの高さを計測するボールグリッドアレイ
    のボール高さ計測方法において、 前記ボールグリッドアレイ基板上に一列に並んだボール
    の頂点を結ぶ直線上に線状の光を照射すると共に、前記
    一列に並んだボールを異なる方向から撮像して撮像方向
    が異なる2つ画像データを取得するステレオ画像データ
    取得工程と、 前記取得した2つの画像データ上において、前記線状の
    光の像の形状に基づいて前記一列に並んだ各ボールの頂
    点の座標を検出するボール頂点座標検出工程と、 前記2つの画像データ上における各ボールの頂点の座標
    に基づいて前記一列に並んだ各ボールの高さを算出する
    ボール高さ算出工程と、 からなることを特徴とするボールグリッドアレイのボー
    ル高さ計測方法。
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