JP5280918B2 - 形状測定装置 - Google Patents

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Description

本発明は,測定対象物の測定部位の三次元形状を測定する形状測定装置に関するものである。
半導体ウェーハ(以下,ウェーハという)の製造時や,ウェーハを用いたデバイス製造時において,ウェーハの端部(縁部)が,他の部品やウェーハ保持部材と接触することによって傷ついたり,欠けたりする場合がある。さらに,その傷や欠けが原因で,ウェーハが割れることもある。このウェーハの端部における傷や欠けの生じやすさは,ウェーハの端面の形状と関係があると考えられている。このため,ウェーハの端面の形状を正しく測定することは重要である。同様に,精密工具の先端部等についても,製品検査等の際にその形状を正しく測定することは重要である。
例えば,特許文献1には,試料の傾きを変化させつつ,試料の表面(鏡面)に向けて光を照射するとともに,その照射方向と同軸方向に反射してくる反射光のみの像をテレセントリックレンズを通じて取得し,得られた像から試料表面の角度分布を求め,その角度分布から試料表面の形状を求める表面検査装置が示されている。
また,特許文献2には,1つの平面内に配列された複数のLED各々から,ウェーハの測定部位に対して順次異なる照射角度で光を照射し,その照射ごとの測定部位の撮像画像と光の照射角度とに基づいて,測定部位のエッジプロファイルの演算を行う形状測定装置が示されている。
ところで,製品検査等において,測定対象物(製品)における光沢面(いわゆる鏡面)を有する部分の三次元形状を,極力簡易な装置により迅速に測定したいというニーズがある。例えば,ウェーハの検査においても,ウェーハにおける面取り加工された端面の三次元形状を測定し,三次元的な形状ゆがみの有無を検査したいというニーズがある。ウェーハの端面,特に,部分的に窪んで形成されたノッチ部の三次元形状のゆがみが,製品の歩留まり低下につながることが知られているからである。
特開平10−267636号公報 特開2007−256257号公報
しかしながら,特許文献1に示される測定技術を,ウェーハの端面等の測定部位の三次元形状測定に適用する場合,表面角度を求めたい複数の測定ポイントに光を照射するごとに,試料の傾きを変化させる必要が生じる。このため,特許文献1に示される測定技術は,表面角度がほぼ180°変化するようなウェーハの端面等の測定部位の三次元形状の測定に適用される場合,試料の支持機構が複雑になり,また,測定ポイントごとの試料の位置決めに時間がかるという問題点があった。
また,特許文献1に示される測定技術は,薄片試料のエッジプロファイル,即ち,端面の厚み方向断面の二次元の輪郭形状を測定するものであり,三次元形状の測定には適用できない。
従って,本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり,その目的とするところは,半導体ウェーハの端面や精密工具の先端部等の光沢面を有する測定部位における三次元形状を簡易な機構により短時間で測定できる形状測定装置を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明に係る形状測定装置は,測定対象物における光沢面を有する測定部位の三次元形状を測定する装置であり,以下の(1)〜(5)に示す各構成要素を備えるものである。
(1)前記測定部位の周りの三次元に渡る複数の位置各々で光源を点灯させることにより,前記測定部位に対して順次異なる方向から光を照射する光照射手段。
(2)前記光照射手段の光照射による前記測定部位からの正反射方向への反射光の像を撮像する撮像手段。
(3)前記光照射手段により順次異なる方向から光が照射されるごとの前記撮像手段による撮像によって得られる複数の撮像画像に基づいて,前記撮像画像における前記測定部位からの正反射光の像の位置と前記測定部位に対する光の照射方向との対応関係を表す位置・方向対応情報を導出する位置・方向対応関係導出手段。
(4)前記位置・方向対応情報に基づいて,その位置・方向対応情報における各位置に対応する前記測定部位上の複数の点各々における外接平面の傾きを算出する傾き算出手段。
(5)前記傾き算出手段により算出された前記測定部位上の隣り合う点それぞれにおける外接平面の傾きに基づいて,その隣り合う点相互間の位置の差を算出し,その算出結果に基づいて前記測定部位の三次元形状値を算出する三次元形状算出手段。
例えば,前記光照射手段が,前記測定部位の周りに円筒形又は球形の面に沿って配列された複数の前記光源を具備することが考えられる。
本発明に係る形状測定装置を用いれば,光沢面を有する測定部位の三次元形状を測定できる。
即ち,本発明に係る形状測定装置において,前記撮像手段を通じて得られる撮像画像は,測定部位に照射された光の正反射光の像を含み,その正反射光の像の部分の輝度が最も高くなる。このため,前記傾き算出手段は,光の入射角と反射角とが等しいという正反射の原理に基づいて,測定部位上の複数の点における外接平面の傾きを求めることができる。また,測定部位の表面形状は,その測定部位上の多数の位置(点)における前記外接平面が連なって形成された形状であると近似できる。その近似に基づけば,前記三次元形状算出手段は,前記測定部位上の隣り合う点それぞれにおける前記外接平面の傾きから,その隣り合う点相互間の位置の差(即ち,一方の点から他方の点への変位ベクトル)を算出でき,その算出結果から前記測定部位の表面形状(表面高さの分布)を算出できる。その詳細については後述する。
また,本発明に係る形状測定装置は,測定対象物を保持する向き(傾き)を高精度で変更する機構を必要とせず,簡易な構成により短時間での形状測定が可能となり,製品の検査工程等への利用に好適である。
さらに、本発明に係る形状測定装置において、前記光照射手段は、複数の発光色のいずれか一つの発光色の光源が複数配列された基板を複数備え,前記複数の基板の光源の発光色が互いに異なり,前記複数の基板のそれぞれにおける一つの光源を同時に点灯及びその点灯の切り替えを行い,前記撮像手段は,前記複数の発光色のそれぞれに対応する色の像のカラー画像を撮像し,前記位置・方向対応関係導出手段は、前記複数の発光色のそれぞれに対応する前記撮像画像により構成される前記複数の撮像画像に基づいて、前記位置・方向対応情報を導出する。
ところで,前記光照射手段による光の照射方向の変化幅(変更幅)をごく小さくすれば,光の照射方向を変化させるごとに,反射光の輝度がピークとなる位置(画素)を求めることにより,高い空間分解能で測定部位の表面の傾きの分布を算出することができる。しかしながら,光の照射角度の変化幅を小さくすることには限界がある。また,光の照射角度の変化幅を小さくするほど,光源の切り替え及び撮像の回数が増え,測定時間が長くなる。
そこで,前記位置・方向対応関係導出手段による前記位置・方向対応情報の導出処理の好適な例として,次の(6)に示される処理が考えられる。
(6)前記撮像画像における画素ごとに,前記光照射手段による光の照射方向の変化に応じた当該画素の輝度値の変化から当該画素の輝度値がピークとなるときの前記測定部位に対する光の照射方向を推定し,前記撮像画像における各画素と前記推定の結果である光の照射方向との関係を前記位置・方向対応情報として導出する。
ここで,前記画素の輝度値がピークとなるときの前記光の照射方向の推定値は,例えば,前記光照射手段による光の照射方向と前記画素の輝度値との対応関係に基づく内挿演算処理などによって求めることができる。
これにより,光の照射方向の変化幅が比較的大きくても,高い空間分解能で測定部位の三次元形状を算出することができる。
一方,前記位置・方向対応関係導出手段による前記位置・方向対応情報の導出処理の他の例として,次の(7)に示される処理が考えられる。
(7)前記光照射手段により異なる照射方向から光が照射されるごとに得られる前記撮像画像それぞれにおける輝度値がピークとなる位置を検出し,その検出結果と前記光照射手段による光の照射方向との関係を前記位置・方向対応情報として導出する。
この(7)に示される処理によれば,前記光照射手段における光源の数に応じた分解能で,前記測定部位の表面高さの分布が測定される。
また,前記光照射手段が,複数の発光色の前記光源を備え,発光色の異なる複数の前記光源の組み合わせごとに同時に点灯及びその点灯の切り替えを行うことが考えられる。この場合,前記位置・方向対応関係導出手段が,カラー画像を撮像する前記撮像手段の撮像画像における前記光源の発光色それぞれに対応する色の像を区別しつつ前記位置・方向対応情報を導出すればよい。
これにより,測定時間をより短縮できる。
ところで,1つの前記撮像手段による撮像範囲(視野)には制限がある。この制限により,三次元形状測定において測定可能な表面の傾きの範囲が制限されることになる。
そこで,複数の前記撮像手段が,前記測定部位に対して各々異なる方向において撮像範囲の一部が重複するよう配置されることが考えられる。この場合,本発明に係る形状測定装置には,複数の前記撮像手段ごとに前記位置・方向対応関係導出手段,前記傾き算出手段及び前記三次元形状算出手段を通じて得られる前記測定部位の三次元形状値を,前記撮像範囲の重複領域に相当する部分におけるフィッティング処理により連結した三次元形状値を算出する三次元形状連結手段が設けられる。
これにより,1つの前記撮像手段の撮像範囲の制限を超えて,三次元形状の測定可能な範囲を広げることができる。
一方,本発明に係る形状測定装置が,次の(8)及び(9)に示される各構成要素を備えることも考えられる。
(8)前記光照射手段及び前記撮像手段と前記測定対象物とのいずれか一方又は両方を移動させ,前記撮像手段及び前記測定対象物の相対位置を前記撮像手段の撮像範囲の一部が重複する複数の位置それぞれに位置決めする位置変更手段。
(9)前記位置変更手段による前記複数の位置それぞれへの位置決めごとに前記位置・方向対応関係導出手段,前記傾き算出手段及び前記三次元形状算出手段を通じて得られた前記測定部位の三次元形状値を,前記撮像範囲の重複領域に相当する部分におけるフィッティング処理により連結した三次元形状値を算出する三次元形状連結手段。
このような構成によっても,複数の前記撮像手段が設けられる場合と同様に,1つの前記撮像手段の撮像範囲の制限を超えて,三次元形状の測定可能な範囲を広げることができる。
本発明によれば,測定対象物の光沢面を有する測定部位における三次元形状を簡易な機構により短時間で測定できる。
本発明の実施形態に係る形状測定装置Z1の概略構成図。 形状測定装置Z1に採用され得るカメラにおける結像状況を表す図。 形状測定装置Z1における測定部位の表面の傾きと光路との関係を表す模式図。 測定部位の形状及び形状測定装置Z1のカメラによる撮影画像の第1例を表す模式図。 測定部位の形状及び形状測定装置Z1のカメラによる撮影画像の第2例を表す模式図。 形状測定装置Z1における三次元空間の座標系の一例を表す図。 形状測定装置Z1による形状測定処理の手順の一例を表すフローチャート。 形状測定装置Z1における光の照射方向の変化に対するカメラによる撮影画像の変化を表す模式図。 形状測定装置Z1における光の照射方向と撮影画像におけるある画素の輝度との対応関係が二次元座標系で表された図。 形状測定装置Z1における光の照射方向と撮影画像におけるある画素の輝度との対応関係が3次元座標系で表された図。 形状測定装置Z1において球形状に光源が配置された場合の三次元座標系の一例を表す図。 形状測定装置Z1に2台のカメラが設けられる場合のカメラの配置の一例を表す図。 形状測定装置Z1における2台のカメラの撮像画像に基づき得られる2つの形状情報を連結する過程を表す模式図。
以下添付図面を参照しながら,本発明の実施の形態について説明し,本発明の理解に供する。尚,以下の実施の形態は,本発明を具体化した一例であって,本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
まず,図1を参照しつつ,本発明の実施形態に係る形状測定装置Z1の構成について説明する。形状測定装置Z1は,測定対象物1における光沢のある測定部位Pの三次元形状を測定する装置である。前記測定部位Pは,例えば,半導体ウェーハの端部のように,機械加工が施されること等によってその表面が光沢を有する状態(いわゆる鏡面状態)となっている。なお,図1(a)は,形状測定装置Z1の平面図(一部ブロック図),図1(b)は,形状測定装置Z1の側面図(一部省略)である。
図1に示すように,形状測定装置Z1は,光照射装置10と,カメラ20と,パーソナルコンピュータ等の計算機30とを備えている。
前記光照射装置10は,それぞれ電子回路基板として構成された複数の光源基板10aを備え,それらが連結部材12により連結されている。前記光源基板10aそれぞれには,測定対象物1の測定部位Pに光を照射する光源である複数のLED12と,そのLED12各々の点滅を切り替えるLED駆動回路11とが実装されている。なお,図1(b)においては,前記計算機30について記載が省略されている。
図1に示される例では,前記光源基板10aそれぞれにおいて複数のLED12が円周に沿って配列され,その光源基板10aが重ねられるように配列されている。これにより,多数の前記LED12が,前記測定部位Pの周りに円筒形の面に沿っての三次元に渡る複数の位置に配列されている。
また,前記カメラ20は,複数の前記LED12が形成する円筒形の内側に向けられて配置されている。本実施形態では,前記カメラ20は,その光軸が複数の前記LED12が形成する円筒形の中心軸に直交するように配置されている。
ここで,複数の前記LED12が形成する円筒形の中心軸と,前記カメラ20の光軸との交点の位置を基準位置Qと称する。
前記光照射装置10を構成する電子回路基板には,測定対象物1の測定部位Pを基準位置Qに配置可能とするために,測定対象物1が挿入される切り欠き部13が形成されている。即ち,前記基準位置Qが,測定部位Pの配置位置となる。
ここで,前記LED12は,前記カメラ20と干渉する位置を除き,例えば前記円筒形の中心軸から見た方向が約2°ずつ異なるように等間隔(等角度の間隔)で配置されている。また,前記LED12それぞれの前記基準位置Q(測定部位P)からの距離は,測定部位Pの奥行き寸法に対して十分に長い距離(例えば150mm程度)に設定されている。
前記LED駆動回路11は,前記計算機30からの制御指令に従って,複数の前記LED12を順次切り替えて点滅させる。即ち,前記光照射装置10は,前記基準位置Qに配置された前記測定部位Pに対し,順次異なる方向から光を照射する光照射手段の一例である。
前記測定部位Pは,滑らかに加工されており,鏡面或いはそれに近い光沢のある面となっている。このため,前記LED12から出力された光は,前記測定部位Pにおいて概ね正反射し,ほとんど乱反射はしない。
前記カメラ20(後述する2つのカメラ20a,20bも同様)は,前記基準位置Qから所定間隔隔てた位置(例えば,50mm〜100mm程度)に固定され,前記測定部位Pを撮像する。即ち,前記カメラ20は,前記測定部位Pからの反射光を受光及び光電変換することにより,各LED12から前記測定部位Pに照射された光の正反射方向への反射光の像を含む二次元の輝度分布を表す画像データを生成するもの(撮像手段)である。
前記カメラ20の焦点は,前記基準位置Qに設定され,これにより,前記基準位置Qに対する被写体深度の範囲内で前記測定部位P表面の像が明瞭に撮像される。
前記計算機30は,前記光照射装置10における前記LED駆動回路11を制御(LED12の点滅制御)するとともに,前記カメラ20のシャッター制御と前記カメラ20による撮影画像(画像データ)の取り込みとを行う。その具体的な動作については後述する。ここで,図1には示されていないが,計算機30は,前記LED駆動回路11や前記カメラ20との間で,信号の授受や画像データの取得を行うためのインターフェースを備えている。
なお,以下に示す計算機30の処理は,前記計算機30が備えるCPUが,同じく前記計算機30が備えるハードディスクドライブなどの記憶装置に予め記憶されたプログラムを実行することにより実現される。
次に,形状測定装置Z1による三次元形状測定の原理について説明する。
前記LED12から前記測定部位Pに対して光が照射されると,その光は,光沢のある前記測定部位Pにおいて正反射する。そして,前記カメラ20による撮影画像は,その反射光の像を含む画像データ(二次元の輝度分布を表すデータ)である。
図2は,前記カメラ20がテレセントリックレンズ方式のカメラである場合における前記カメラ20の結像状況を表す図である。
また,図4及び図5は,前記測定部位Pの形状の一例(a)及びその測定部位Pの前記カメラ20による撮影画像の一例(b)を表す模式図である。
図4(a)には,表面の傾きが単純増加(或いは,単純減少)するような測定部位Pの一例が示され,図5(a)には,窪み形状を有する測定部位Pの一例が示されている。
前記測定部位Pを,ある1つのLED12から光を照射しながら前記カメラ20により撮像すると,図4(b)又は図5(b)に示されるような画像が得られる。その画像において,輝度のピークが生じる位置であるピーク輝度位置(Xpk,Ypk)は,前記LED12から発せられた光線が前記測定部位Pにおいて正反射した点(正反射点)に相当する。また,測定部位Pに,外接平面の傾きが同じである点が複数存在する場合,図5(b)に示されるように,撮像画像において複数の前記ピーク輝度位置(Xpk,Ypk)が観測される。
例えば,前記カメラ20が,テレセントリックレンズ方式のカメラである場合,図2(a)に示されるように,前記カメラ20のCCD(受光部)に到達する反射光の方向と,前記カメラ20の光軸方向(正面方向)とがほぼ平行となる。そして,図2(b)に示されるように,撮影画像において高輝度のピークが存在するピーク輝度位置Xpkは,そのまま前記測定部位Pにおける光の正反射点の位置P(x,y)を表す。
また,前記LED12,前記カメラ20及び前記測定部位P(前記基準位置Q)との位置関係が既知であることから,前記LED12から測定部位Pへの光の照射方向と,測定部位Pから前記カメラ20に向かう方向は既知である。
なお,前記測定部位P上の位置に応じて,前記LED12それぞれとの位置関係に若干の差異が生じるが,測定部位Pの表面変位に対し,前記LED12と前記測定部位Pとの距離が十分に長く設定されることにより,その差異は無視できる程度に抑えられる。
従って,撮影画像においてピーク輝度位置Xpkを画像処理によって特定することにより,正反射点の位置P(x,y)とその位置への光の照射方向との対応関係を特定できる。
また,前記測定部位Pにおける正反射点での外接平面において,その法線方向を基準として光の入射方向と出射方向(正反射方向)とが対称となる。
図3は,前記測定部位Pにおける正反射点P(x,y)を基点として,前記LED12の方向を表すベクトルIv(x,y),前記カメラ20に向かう方向(ここでは,前記カメラ20の光軸方向)を表すベクトルCv(x,y)及び前記正反射点P(x,y)における外接平面Fxyの法線ベクトルIv(x,y)を表した図である。
前述したように,前記外接平面Fxyの法線方向基準として光の入射方向と正反射方向とが対称となる。このことから,ある正反射点P(x,y)について,光源方向のベクトルIv(x,y)と前記カメラ20の方向のベクトルCv(x,y)とに基づいて,それらの中間方向を表す前記正反射点P(x,y)における外接平面Fxyの法線ベクトルMv(x,y)や,その法線ベクトルMv(x,y)に直交する前記外接平面Fxyの傾きを算出することができる。
ここで,前記光照射装置10による光の照射方向の変化幅(変更幅)をごく小さくすれば,光の照射方向を変化させるごとに前記ピーク輝度位置Xpk,反射光の輝度が最も高くなる位置を求めることにより,高い空間分解能で測定部位の表面の傾きの分布を算出することができる。
しかしながら,光の照射角度の変化幅を小さくすること,即ち,前記LED12の配置密度には限界がある。また,光の照射角度の変化幅を小さくするほど,光源の切り替え及び撮像の回数が増え,測定時間が長くなる。
そこで,形状測定装置Z1においては,後述するように,撮像画像における画素ごとに,即ち,各画素に対応する測定部位P上の測定点ごとに,その測定点に対応する測定部位P上の点からの正反射光の像が得られる光の照射方向の推定が行われる。これにより,光の照射方向の変化幅が比較的大きくても,高い空間分解能で測定部位Pの表面の傾きの分布を測定することができる。その詳細については後述する。
次に,図6を参照しつつ,形状測定装置Z1における三次元空間の座標系の一例について説明する。
以下の説明においては,図6に示されるように,形状測定装置Z1が設置される三次元空間を,前記基準位置Qを原点,前記LED12が形成する円筒形の中心軸の方向をX軸,それに直交する2方向をY軸及びZ軸とする三次元座標系により表す。この三次元座標系のことを,以下,基準の三次元座標系と称するなお,以下の説明及び各図において,添え字vが付された記号は,ベクトルであることを表す。
また,前記基準の三次元座標系において,点灯中の1つの前記LED12から前記測定部位P(前記基準位置Q)に向かうベクトルをPv,その単位ベクトルをIvとする。また,前記測定部位Pの所定の点における前記LED12からの光の正反射光の方向の単位ベクトルをRv,その所定の点の外接平面の法線方向の単位ベクトルをMvとする。以下,以下,ベクトルPv,Iv,Rv及びMvを,それぞれ点灯光源ベクトルPv,入射光ベクトルIv,反射光ベクトルRv及び反射面法線ベクトルMvと称する。
また,前記入射光ベクトルIvがY−Z平面に対してなす角度,即ち,点灯中の光源の開き角度をψ,X軸方向から見たときにその単位ベクトルIvがX−Y平面に対してなす角度をωとする。以下,角度ψ,ω及びθを,それぞれ光源開き角度ψ,光源中心角度ω及び光入射角θと称する。
また,円周上に配列されている前記LED12の中心位置をLoとする。以下,Loを光源配列中心点と称する。また,前記光源配列中心点Loを中心として前記LED12が配列された円の半径をrとする。
なお,図6に示される前記基準の三次元座標系は,説明の便宜上定義された座標系の一例であり,他の基準に基づく座標系が用いられてもよい。
前記基準の三次元座標系において,前記点灯光源ベクトルPvは,次の(1)式で表される。
Figure 0005280918
また,(1)式に基づいて,前記点灯光源ベクトルPvの大きさ(長さ)を表す次の(2)式が導かれる。
Figure 0005280918
また,前記入射光ベクトルIvは,前記点灯光源ベクトルPvと同一方向の単位ベクトルである。そのため,前記入射光ベクトルIvは,次の(3)式で表される。
Figure 0005280918
また,前記入射光ベクトルIvと前記反射面法線ベクトルMvとの内積はcosθであるので,前記反射光ベクトルRvは次の(4)式で表される。
Figure 0005280918
ここで,前記カメラ20の光軸を前記基準の三次元座標系の原点である前記基準位置Qに合わせると,テレセントリック光学系においては,前記反射光ベクトルRvと前記カメラ20の位置ベクトルCvとが平行である場合にのみ,前記測定部位Pでの反射光が前記カメラ20に入射して像を結ぶ。従って,前記カメラ20の位置ベクトルCvと前記反射光ベクトルRvとは,次の(5)式の関係を有している。
Figure 0005280918
但し,(5)式におけるαは定数である。なお,前記カメラ20のレンズの焦点を前記基準の三次元の座標系の原点(前記基準位置Q)に合わせている状況下では,定数αは,前記カメラ20のレンズの焦点距離に相当する定数である。
一方,前記カメラ20の位置の開き角度,即ち,前記カメラ20の位置ベクトルCvがY−Z平面に対してなす角度をρ,X軸方向から見たときに前記カメラ20の位置ベクトルCvがX−Y平面に対してなす角度をσとすると,前記カメラ20の位置ベクトルCvは,次の(6)式により表される。
Figure 0005280918
なお,(6)式におけるβは既知の定数であり,前記カメラ20と前記基準の三次元座標系の原点との距離に相当する。
ここで,前記カメラ20のスクリーンをX−Z平面,前記カメラ20の光軸をY軸とする三次元座標系をカメラの三次元座標系と称する。前記カメラの三次元座標系における座標を(x",y",z")とすると,その座標と前記基準の三次元座標系における座標(x,y,z)との関係は,次の(7)式により表される。
Figure 0005280918
なお,(7)式の行列Tは,前記基準の三次元座標系の原点を前記カメラの三次元座標系の原点にシフトさせるための行列であり,行列TにおけるCx,Cy,Czは既知の定数である。
なお,前記カメラ20の光軸が,前記基準の三次元座標系の原点を通るように誤差なく設定され,かつ,前記カメラ20の焦点が,前記基準の三次元座標系の原点に対して誤差なく合わせされている場合は,Cx=Cy=Cz=0である。
また,前記カメラ20の撮像画像における各画素が正方形であるとみなし,それら各画素の縦及び横の長さに対応する前記カメラの三次元座標系における寸法をΔLとする。そうすると,前記測定部位Pの表面は,前記カメラ20の光軸方向から見て一辺の寸法がΔLの正方形の多数の単位鏡面が連なっている状態であると近似できる。ここで,前記単位鏡面それぞれの番号をi(i=1,2,3,・・・,n)とする。
そして,前記測定部位Pの表面におけるある点Piを中心とする前記単位鏡面の法線ベクトルをMivとすると,そのベクトルMivは,次の(4')式により表される。この(4')式は,前記入射光ベクトルIvと前記反射光ベクトルRvとの内積がcos2θであることと,(4)式とに基づき導かれる式である。
Figure 0005280918
この(4')式における各ベクトルは既知であるため,その既知のベクトルの値を(4')式に適用すれば,前記法線ベクトルをMivを算出することができる。
また,点Piを中心とする前記単位鏡面の一辺の寸法ΔLは既知である。
ここで,前記カメラの撮像画像における前記点Piの座標を(xi",zi")とする。そして,画素間の距離をΔLとし,前記基準の三次元座標系において,点Piから,その点Piを中心とする画素の端辺の位置までX軸に沿って移動することを考える。以下,この移動のベクトルを(ΔXxi,ΔYxi,ΔZxi)とする。この移動ベクトル(ΔXxi,ΔYxi,ΔZxi)を(7)式に代入すると,次の(7a')式が得られる。
Figure 0005280918
そして,実空間での移動ベクトル(ΔXxi,ΔYxi,ΔZxi)と前記点Piを中心とする前記単位鏡面の法線方向の単位ベクトルをMivとの内積が0であることに基づいて(7a')式を解けば,移動ベクトル(ΔXxi,ΔYxi,ΔZxi)を算出することができる。
同様に,前記基準の三次元座標系において,点Piから,その点Piを中心とする画素の端辺の位置までZ軸に沿って移動することを考える。以下,この移動のベクトルを(ΔXzi,ΔYzi,ΔZzi)とする。この移動ベクトル(ΔXzi,ΔYzi,ΔZzi)を(7)式に代入すると,次の(7b')式が得られる。
Figure 0005280918
そして,実空間での移動ベクトル(ΔXzi,ΔYzi,ΔZzi)と前記点Piを中心とする前記単位鏡面の法線方向の単位ベクトルをMivとの内積が0であることに基づいて(7b')式を解けば,移動ベクトル(ΔXzi,ΔYzi,ΔZzi)を算出することができる。
そして,隣接する画素の端辺が一致しているという境界条件は,次の(8)式で表される。
Figure 0005280918
以上より,前記測定部位Pにおけるある一点を基準とし,前記移動ベクトル(ΔXzi,ΔYzi,ΔZzi),(ΔXzi,ΔYzi,ΔZzi)に基づいて前記単位鏡面それぞれの相対位置を算出することにより,前記測定部位Pの三次元形状を算出することができる。
次に,図7に示されるフローチャートを参照しつつ,形状測定装置Z1による前記測定部位Pの三次元形状の測定手順について説明する。以下,S1,S2,…は,処理手順(ステップ)の識別符号を表す。なお,測定対象物1における前記測定部位Pが,前記基準位置Qに位置するように配置された状態で,図7に示される処理が開始されるものとする。
[ステップS1〜S5]
まず,前記計算機30は,前記LED12各々を識別する番号iを初期化(i=1)する(S1)。
続いて,前記計算機30は,LED駆動回路11を制御することによるi番目の前記LED12の点灯(S2),その点灯状態における前記カメラ20による測定部位Pの撮像(シャッターON)及び撮影画像の記憶処理(S3)を,番号iを順次カウントアップ(S5)しながら,全てのLED12について点灯及び撮像が終了するまで繰り返す(S4)。前記カメラ20による撮影画像(画像データ)は,計算機30が備えるハードディスクなどの記憶装置に記憶される。
このステップS1〜S4の処理により,前記光照射装置10において,前記測定部位Pの周りの三次元に渡る複数の位置(ここでは,円筒形の面に沿った位置)各々に配置された前記LED12が順次1つずつ点灯される。これにより,前記測定部位Pに対して順次異なる方向から光が照射される。さらに,異なる方向から光が照射されるごとに,前記計算機30により,前記測定部位Pからの反射光の輝度分布を表す画像データ(撮影画像)が,前記カメラ20を通じて取得される。
[ステップS6,S7]
次に,前記計算機30は,ステップS1〜S5の処理により得られた複数の前記LED12それぞれに対応する複数の撮像画像と,前記LED12から前記測定部位Pへの既知の光の照射方向(ωi,ψi)とに基づいて,撮像画像における前記測定部位Pからの正反射光の像の位置(x,y)と,前記測定部位Pに対する光の照射方向(ωpk,ψpk)との対応関係を表す情報(以下,位置・方向対応情報という)を導出する(S6,S7:位置・方向対応関係導出手順)。
具体的には,前記計算機30は,撮像画像における各画素を順次選択し(S6),その選択した画素(座標(x,y))それぞれについて,前記光照射装置10による光の照射方向(ω,ψ)の変化に応じた当該画素の輝度値Eの変化から,当該画素の輝度値Eがピークとなるときの前記測定部位Pに対する光の照射方向(ωpk,ψpk)を推定する(S7)。なお,前記撮像画像におけるステップS6で選択された画素の座標(x,y)と,その画素についてステップS7で推定された光の照射方向(ωpk,ψpk)とが対応付けられた情報が,前記位置・方向対応情報の一例である。
以下,図8〜図10を参照しつつ,ステップS7の処理について説明する。
前述したように,光照射装置10による光の照射方向(ω,ψ)の変化幅(ここでは,前記LED12の間隔)をごく小さくすれば,光の照射方向(ω,ψ)を変化させるごとに,反射光の輝度(撮像画像における画素の輝度値)が最も高くなる位置(図4及び図5における座標(Xpk,Ypk))を求めることにより,図3に示される前記正反射点P(x,y),及びその点で正反射する光の照射方向を表す光源方向ベクトルIv(x,y)とを算出することができる。
しかしながら,光の照射方向の変化幅を小さくすることには限界がり,また,その変化幅を小さくするほど,前記カメラ20による撮像回数が増えて測定時間が長くなる。
図8は,光の照射方向(角度ωのみ)の変化に対する前記カメラ20の撮影画像の変化の一例を表す模式図である。また,図9は,図8に対応するものであり,光の照射方向(角度ωのみ)と撮影画像における座標(x,y)の画素の輝度Eとの対応関係が二次元座標系で表された図である。また,図10は,光の照射方向(ω,ψ)と撮影画像におけるある画素の輝度値Eとの対応関係を3次元座標系で表された図である。
図8に示されるように,光照射方向ωの変化に応じて,前記測定部位Pからの正反射光の像の位置が変化する。この変化を,ある座標(x,y)の画素について注目すると,図9に示されるように,光の照射方向(ω)と反射光の輝度値Eとの対応関係が得られる。この対応関係を表すデータは,前記LED12ごとに得られる撮像画像に基づくものであるため,離散的なデータとなる。ここで,複数の前記LED12が極端に広い間隔で配置されているような場合を除けば,図9に示される対応関係に基づく内挿演算処理により,輝度値Eがピーク値となるときの光の照射方向(ωpk)を推定することができる。ここで,図8及び図9は,説明の便宜上,光の照射方向の変化が角度ωのみの変化であり,その正反射光の像の位置変化がY軸方向のみである例について示されている。しかしながら,実際は,光の照射方向は,角度ω及びψ(図6参照)の両方が変化し,また,正反射光の像の位置も二次元方向(X軸方向及びY軸方向)において変化する。そのため,角度ω,ψ及び輝度Eの関係は,図10に実線で示されるような関係となる。なお,図10には,前記内挿演算処理により得られる内挿データを表すグラフ線(波線)と,その内挿演算処理による,座標(x,y)の画素において輝度値Eがピーク値となるときの光の照射方向の推定結果(ωpk,ψpk)とが示されている。以下,その推定結果(ωpk,ψpk)を,推定光照射方向という。
前記内挿演算処理の具体例としては,重心法に基づく内挿演算処理や,2次関数やガウス分布関数に回帰するフィッティング処理に基づく内挿演算処理などが考えられる。また,内挿演算処理を施さず,単に最大の輝度を示すときの光照射方向(ω,ψ)を,前記推定光照射方向(ωpk,ψpk)とすることも考えられる。但し,この場合,各LED12の間隔によっては,誤差が大きくなる点に留意する必要がある。
次に,前記計算機30は,ステップS6で選択された画素(座標(x,y))に対応する前記測定部位P上の測定点Piにおける法線ベクトルMivを前述した方法により算出する(S8,傾き算出手順)。前記法線ベクトルMivは,測定点Piの前記外接平面Fxyの三次元の傾きを表すパラメータであることはいうまでもない。
次に,前記計算機30は,測定点PiからX軸方向及びZ軸方向(撮像画像におけるY軸方向)それぞれにおける隣りの測定点への前記移動ベクトル(ΔXzi,ΔYzi,ΔZzi),(ΔXzi,ΔYzi,ΔZzi)を算出する(S9)。その算出結果は,前記計算機30の記憶装置に記録される(S9)。
そして,前記計算機30は,撮像画像における全ての画素(座標)について,以上に示したステップS6〜S9の処理を繰り返す(S10)。
最後に,前記計算機30は,ステップS9の処理により得られた複数の測定点における前記法線ベクトルMiv及び前記移動ベクトル(ΔXzi,ΔYzi,ΔZzi),(ΔXzi,ΔYzi,ΔZzi)とに基づいて前記測定部位Pの三次元形状を算出する(S11,三次元形状算出手順)。このステップS11で算出された前記測定部位Pの三次元形状値は,前記計算機30の記憶装置に記録される。また,前記計算機30は,ディスプレイに前記三次元形状値に基づいて,三次元形状を表すグラフィックイメージを表示させる機能も備えている。
以上に示した形状測定装置Z1によれば,半導体ウェーハの端面等の光沢面を有する測定部位Pにおける三次元形状を簡易な機構により短時間で測定できる。
以上に示した実施形態では,前記光照射装置10における複数の前記LED12が,円筒形の面に沿って配列された例(図1)を示した。
一方,複数の前記LED12は,前記測定部位Pの周りの三次元に渡る複数の位置において他の態様で配列されてもよい。
例えば,前記光照射装置10において,複数の前記LED12が,前記測定部位Pの周りに球形の面に沿って配列されることも考えられる。
図11は,複数の前記LED12が,前記測定部位Pの周りに球形の面に沿って配列された場合の前記LED12及び前記カメラ20と前記測定部位P(前記基準位置Q)との位置関係の一例を表す図である。図11に示される例では,複数の前記LED12により形成される球の中心に前記基準位置Qが位置している。
なお,図11においては,簡略化して前記LED12が1つしか示されていないが,実際は,図1に示された構成と同様に,波線で表される球形の面に沿って多数のLED12が配列される。
また,図11に示される例では,形状測定装置Z1が設置される三次元空間が,前記基準位置Qに向けられた前記カメラ20の光軸の方向をY軸,前記基準位置Q(複数のLED12が形成する球の中心)を通りY軸に直交する平面内で相互に直交する方向をそれぞれX軸及びZ軸とする三次元座標系により表されている。
なお,図11に示される座標系は,説明の便宜上定義された座標系の一例であり,他の基準に基づく座標系が用いられてもよい。
図11に示される例の場合においても,図6に示した例と同様に,前記測定部位Pの三次元形状を測定することができる。
図11に示されるような前記LED12の配列は,前記測定部位Pの形状が球形に近い形状である場合に好適である。
また,前記形状測定装置Z1において,前記光照射装置10が,複数の発光色の前記LED12を備え,発光色の異なる複数の前記前記LED12の組み合わせごとに同時に点灯及びその点灯の切り替えを行うことが考えられる。
例えば,複数の前記光源基板10aが,赤色の前記LED12のみを備えた基板,緑色の前記LED12のみを備えた基板,及び青色の前記LED12のみを備えた基板を含むことが考えられる。そして,前記ステップS2の処理において,発光色が異なる複数の前記光源基板10aそれぞれにおける1つの前記LED12を同時に点灯させることが考えられる。
この場合,前記カメラ20は,カラー画像を撮像するカメラが採用される。そして,前記ステップS3において,前記計算機30は,前記LED12の発光色それぞれに対応する色の画像データを個別に記録する。
さらに,前記計算機30は,前記ステップS6〜S10の処理を,前記LED12の発光色それぞれに対応する色の画像データごとに区別して実行する。
これにより,前記LED12の点灯切り替え及び前記カメラ20の撮像の回数が減り,測定時間がより短縮される。
また,前記形状測定装置Z1において,複数の前記カメラ20が,前記測定部位Pに対して各々異なる方向において撮像範囲の一部が重複するよう配置されることが考えられる。
図12は,図6に示されたY−Z平面内において,Z軸方向に対して対称の位置(Z軸とカメラの光軸との角度がωcの位置)に2台のカメラ20a,20bが設けられた状態を表す図である。なお,図12に示される例は,ωc=45°である場合の例である。
この場合,前記ステップ3において,前記計算機30は,2台のカメラ20a,20bそれぞれの撮像画像を記録する。
また,前記計算機30は,2台のカメラ20a,20bそれぞれの撮像画像ごとに,前記ステップS6,S7の処理(位置・方向対応関係導出手順),前記ステップS8の処理(傾き算出手順)及び前記ステップS9,S11の処理(三次元形状算出手順)を実行する。
ここで,前記計算機30が,前記カメラ20a,20bそれぞれについて,例えば図6に示した三次元の座標系を共通に用いることが考えられる。この場合,前記計算機30は,前記カメラ20a,20bそれぞれの位置に応じて各カメラ20a,20bの方向のベクトルCvを個別に設定した上で,前記ステップS6〜S11の処理を実行すればよい。
また,前記計算機30が,前記カメラ20a,20bそれぞれについて,例えば図6に示した三次元の座標系が,各カメラ20a,20bの光軸とZ軸とが一致するように回転された個別の座標系を用いることも考えられる。
さらに,前記計算機30は,ステップS6〜S11の処理によって前記カメラ20a,20bごとに得られる前記測定部位Pの三次元形状値を,各カメラ20a,20bの撮像範囲の重複領域に相当する部分におけるフィッティング処理により連結した三次元形状値を算出する(三次元形状連結手順)。
図13は,2台の前記カメラ20a,20bの撮像画像に基づき得られる2つの形状情報を連結する過程を表す模式図である。
2台の前記カメラ20a,20bそれぞれについて前記ステップS6〜S11の処理が実行されることにより前記カメラ20a,20bごとの三次元形状値Z(x,y),Z2(x,y)が算出される。
ここで,前記カメラ20a,20bごとに個別の三次元座標系が設定された場合,図13(a),(b)に示されるように,前記カメラ20a,20bごとに向きの異なる三次元形状値Z(x,y),Z2(x,y)が算出される。
また,2つの三次元形状値Z(x,y),Z2(x,y)それぞれには,前記測定部位Pにおいて重複する領域Wcに対応する部分の形状値が含まれる。各カメラ20a,20bの位置及び向きは既知であるので,重複する領域Wcの位置も既知である。
そして,前記カメラ20a,20bごとに個別の三次元座標系が設定された場合,前記計算機30は,2つの三次元形状値Z(x,y),Z2(x,y)の一方又は両方に対し回転処理を施すことにより,それらの向きを一致させる。例えば,一方の三次元形状値Z(x,y)に対し,Y−Z平面に沿って角度−ωcの回転処理を施し,他方の三次元形状値Z2(x,y)に対し,Y−Z平面に沿って角度+ωcの回転処理を施す。或いは,一方の三次元形状値Z(x,y)に対してのみ角度−2ωの回転処理を施すことや,他方の三次元形状値Z2(x,y)に対してのみ角度+2ωの回転処理を施すことも考えられる。
さらに,前記計算機30は,向きが揃えられた2つの三次元形状値Z(x,y),Z2(x,y)を,前記重複する領域Wcに対応する部分についてフィッティング処理を行うことにより,図13(c)に示されるように,2つの三次元形状値Z(x,y),Z2(x,y)を連結した三次元形状値を算出する。
これにより,1台のカメラの撮像範囲の制限を超えて,三次元形状の測定可能な範囲を広げることができる。
一方,前記形状測定装置Z1が,前記光照射装置10及び前記カメラ20と,前記測定対象物1とのいずれか一方又は両方を移動させ,前記カメラ20及び前記測定対象物1の相対位置を,前記カメラ20の撮像範囲の一部が重複する複数の位置それぞれに位置決めする位置変更装置を備えることが考えられる。
前記位置変更装置としては,例えば,図1に示される構成において,前記測定対象物1を支持し,その支持位置をX軸方向(複数の前記LED12が形成する円筒形の中心軸の方向)にスライド移動させて位置決めする装置が考えられる。
また,図1に示される構成において,前記測定対象物1を支持し,その測定対象物1を前記基準位置Qを中心に回転させて前記測定部位Pの向きを変更する前記位置変更装置も考えられる。
また,それとは逆に,図1に示される構成において,前記光照射装置10及び前記カメラ20を支持し,前記光照射装置10及び前記カメラ20をX軸を中心に回動させて位置決めする前記位置変更装置も考えられる。
そして,前記計算機30は,前記位置変更装置による複数の位置それぞれへの位置決めごとに,前記ステップS1〜S11の処理(位置・方向対応関係導出手順,傾き算出手順及び三次元形状算出手順を含む)を実行する。
さらに,前記計算機30は,前記位置変更装置による位置決めごとに得られた複数組の前記測定部位Pの三次元形状値に対し,撮像範囲の重複領域Wcに相当する部分におけるフィッティング処理を行うことにより,それらを連結した三次元形状値を算出する(三次元形状連結手順)。その連結の方法は,複数のカメラ20a,20bが設けられた場合(図12,図13)と同様である。
このような構成によっても,複数のカメラ20a,20bが設けられる場合と同様に,1台のカメラの撮像範囲の制限を超えて,三次元形状の測定可能な範囲を広げることができる。
本発明は,半導体測定対象物,ハードディスク用のアルミサブストレートやガラスサブストレート等の薄片試料の形状測定装置への利用が可能である。
Z1:形状測定装置
1 :測定対象物
10:光照射装置
11:LED駆動回路
12:LED
13:切り欠き部
20,20a,20b:カメラ
30:計算機
S1,S2,…:処理手順(ステップ)

Claims (6)

  1. 測定対象物における光沢面を有する測定部位の三次元形状を測定する形状測定装置であって,
    前記測定部位の周りの三次元に渡る複数の位置各々で光源を点灯させることにより,前記測定部位に対して順次異なる方向から光を照射する光照射手段と,
    前記光照射手段の光照射による前記測定部位からの正反射方向への反射光の像を撮像する撮像手段と,
    前記光照射手段により順次異なる方向から光が照射されるごとの前記撮像手段による撮像によって得られる複数の撮像画像に基づいて,前記撮像画像における前記測定部位からの正反射光の像の位置と前記測定部位に対する光の照射方向との対応関係を表す位置・方向対応情報を導出する位置・方向対応関係導出手段と,
    前記位置・方向対応情報に基づいて,該位置・方向対応情報における各位置に対応する前記測定部位上の複数の点各々における外接平面の傾きを算出する傾き算出手段と,
    前記傾き算出手段により算出された前記測定部位上の隣り合う点それぞれにおける外接平面の傾きに基づいて,該隣り合う点相互間の位置の差を算出し,その算出結果に基づいて前記測定部位の三次元形状値を算出する三次元形状算出手段と,を備え,
    前記光照射手段は、複数の発光色のいずれか一つの発光色の光源が複数配列された基板を複数備え,前記複数の基板の光源の発光色が互いに異なり,前記複数の基板のそれぞれにおける一つの光源を同時に点灯及びその点灯の切り替えを行い,
    前記撮像手段は,前記複数の発光色のそれぞれに対応する色の像のカラー画像を撮像し,
    前記位置・方向対応関係導出手段は、前記複数の発光色のそれぞれに対応する前記撮像画像により構成される前記複数の撮像画像に基づいて、前記位置・方向対応情報を導出することを特徴とする形状測定装置。
  2. 前記位置・方向対応関係導出手段が,前記撮像画像における画素ごとに,前記光照射手段による光の照射方向の変化に応じた当該画素の輝度値の変化から当該画素の輝度値がピークとなるときの前記測定部位に対する光の照射方向を推定し,前記撮像画像における各画素と前記推定の結果である光の照射方向との関係を前記位置・方向対応情報として導出してなる請求項1に記載の形状測定装置。
  3. 前記位置・方向対応関係導出手段が,前記光照射手段により異なる照射方向から光が照射されるごとに得られる前記撮像画像それぞれにおける輝度値がピークとなる位置を検出し,該検出の結果と前記光照射手段による光の照射方向との関係を前記位置・方向対応情報として導出してなる請求項1に記載の形状測定装置。
  4. 複数の前記撮像手段が,前記測定部位に対して各々異なる方向において撮像範囲の一部が重複するよう配置され,
    複数の前記撮像手段ごとに前記位置・方向対応関係導出手段,前記傾き算出手段及び前記三次元形状算出手段を通じて得られる前記測定部位の三次元形状値を,前記撮像範囲の重複領域に相当する部分におけるフィッティング処理により連結した三次元形状値を算出する三次元形状連結手段を具備してなる請求項1〜3のいずれかに記載の形状測定装置。
  5. 前記光照射手段及び前記撮像手段と前記測定対象物とのいずれか一方又は両方を移動させ,前記撮像手段及び前記測定対象物の相対位置を前記撮像手段の撮像範囲の一部が重複する複数の位置それぞれに位置決めする位置変更手段と,
    前記位置変更手段による前記複数の位置それぞれへの位置決めごとに前記位置・方向対応関係導出手段,前記傾き算出手段及び前記三次元形状算出手段を通じて得られた前記測定部位の三次元形状値を,前記撮像範囲の重複領域に相当する部分におけるフィッティング処理により連結した三次元形状値を算出する三次元形状連結手段を具備してなる請求項1〜のいずれかに記載の形状測定装置。
  6. 前記光照射手段が,前記測定部位の周りに円筒形又は球形の面に沿って配列された複数の前記光源を具備してなる請求項1〜のいずれかに記載の形状測定装置。
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