以下、本発明の電子部品搬送装置および電子部品検査装置を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
以下、図1〜図23および図43〜図45を参照して、本発明の電子部品搬送装置および電子部品検査装置の第1実施形態について説明する。なお、以下では、説明の便宜上、図1に示すように、互いに直交する3軸をX軸、Y軸およびZ軸とする。また、X軸とY軸を含むXY平面が水平となっており、Z軸が鉛直となっている。また、X軸に平行な方向を「X方向(第3方向)」とも言い、Y軸に平行な方向を「Y方向(第2方向)」とも言い、Z軸に平行な方向を「Z方向(第1方向)」とも言う。また、各方向の矢印が向いた方向を「正(+)」、その反対方向を「負(−)」と言う。また、本願明細書で言う「水平」とは、完全な水平に限定されず、電子部品の搬送が阻害されない限り、水平に対して若干(例えば5°未満程度)傾いた状態も含む。また、図1、図4〜図11、図16〜図20および図43中の上側を「上」または「上方」、下側を「下」または「下方」と言うことがある。特に、第1方向および第2方向が互いに直交していることにより、電子部品搬送装置10の各部を作動させる制御動作を簡単に行うことができる。
なお、図16〜図19では、検査部の大きさを誇張して図示しており、実際の寸法とは、大きく異なる。
本発明の電子部品搬送装置10は、Z方向(第1方向)と、Z方向(第1方向)と異なるY方向(第2方向)とに移動可能であり、電子部品を把持可能なデバイス搬送ヘッド17A(第1把持部)と、デバイス搬送ヘッド17A(第1把持部)に対してY方向(第2方向)に並んで配置され、Z方向(第1方向)およびY方向(第2方向)に移動可能であり、電子部品を把持可能なデバイス搬送ヘッド17B(第2把持部)と、電子部品を載置可能な検査部16(電子部品載置部)を撮像可能な第1カメラ31(第1撮像部)と、第1カメラ31(第1撮像部)に対してY方向(第2方向)に並んで配置され、検査部16を撮像可能な第2カメラ32(第2撮像部)と、を有している。また、第1カメラ31(第1撮像部)は、デバイス搬送ヘッド17Aとデバイス搬送ヘッド17Bとの間から、検査部16の像を撮像可能で、第2カメラ32(第2撮像部)は、デバイス搬送ヘッド17Aとデバイス搬送ヘッド17Bとの間から、検査部16の像を撮像可能である。
これにより、デバイス搬送ヘッド17Aとデバイス搬送ヘッド17Bとの間から検査部16を撮像することができる。よって、例えば、これらの画像に基づいて、検査部16に対する電子部品の搬送動作を行った後に電子部品が検査部16に残留しているか否かを検出することができる。
本発明の電子部品検査装置1は、Z方向(第1方向)と、Z方向(第1方向)と異なるY方向(第2方向)とに移動可能であり、電子部品を把持可能なデバイス搬送ヘッド17A(第1把持部)と、デバイス搬送ヘッド17A(第1把持部)に対してY方向(第2方向)に並んで配置され、Z方向(第1方向)およびY方向(第2方向)に移動可能であり、電子部品を把持可能なデバイス搬送ヘッド17B(第2把持部)と、電子部品を載置可能な検査部16(電子部品載置部)を撮像可能な第1カメラ31(第1撮像部)と、第1カメラ31(第1撮像部)に対してY方向(第2方向)に並んで配置され、検査部16を撮像可能な第2カメラ32(第2撮像部)と、電子部品を検査する検査部16と、を有している。また、第1カメラ31(第1撮像部)は、デバイス搬送ヘッド17Aとデバイス搬送ヘッド17Bとの間から、検査部16の像を撮像可能で、第2カメラ32(第2撮像部)は、デバイス搬送ヘッド17Aとデバイス搬送ヘッド17Bとの間から、検査部16の像を撮像可能である。
これにより、前述した電子部品搬送装置10の利点を持つ電子部品検査装置1が得られる。また、検査部16にまで電子部品を搬送することができ、よって、当該電子部品に対する検査を検査部16で行なうことができる。また、検査後の電子部品を検査部16から搬送することができる。
なお、本明細書中では、第2輝度は、第1輝度よりも小さければよく、ゼロの状態、すなわち、光照射部が光を照射していない状態も含む。
以下、各部の構成について説明する。
図1、図2に示すように、電子部品搬送装置10を内蔵する電子部品検査装置1は、例えばBGA(Ball Grid Array)パッケージであるICデバイス等の電子部品を搬送し、その搬送過程で電子部品の電気的特性を検査・試験(以下単に「検査」と言う)する装置である。なお、以下では、説明の便宜上、前記電子部品としてICデバイスを用いる場合について代表して説明し、これを「ICデバイス90」とする。
なお、ICデバイスとしては、前記のものの他に、例えば、「LSI(Large Scale Integration)」「CMOS(Complementary MOS)」「CCD(Charge Coupled Device)」や、ICデバイスを複数モジュールパッケージ化した「モジュールIC」、また、「水晶デバイス」、「圧力センサー」、「慣性センサー(加速度センサー)」、「ジャイロセンサー」、「指紋センサー」等が挙げられる。
また、電子部品検査装置1(電子部品搬送装置10)は、ICデバイス90の種類ごとに交換される「チェンジキット」と呼ばれるものを予め搭載して用いられる。このチェンジキットには、ICデバイス90が載置される載置部があり、その載置部としては、例えば、後述する温度調整部12、デバイス供給部14等がある。また、ICデバイス90が載置される載置部としては、前記のようなチェンジキットとは別に、ユーザーが用意する検査部16やトレイ200もある。
電子部品検査装置1は、トレイ供給領域A1と、デバイス供給領域(以下単に「供給領域」と言う)A2と、検査領域A3と、デバイス回収領域(以下単に「回収領域」と言う)A4と、トレイ除去領域A5とを備え、これらの領域は、後述するように各壁部で分けられている。そして、ICデバイス90は、トレイ供給領域A1からトレイ除去領域A5まで前記各領域を矢印α90方向に順に経由し、途中の検査領域A3で検査が行われる。このように電子部品検査装置1は、各領域でICデバイス90を搬送する電子部品搬送装置10であるハンドラーと、検査領域A3内で検査を行なう検査部16と、制御部800とを備えたものとなっている。また、その他、電子部品検査装置1は、モニター300と、シグナルランプ400と、操作パネル700とを備えている。
なお、電子部品検査装置1は、トレイ供給領域A1、トレイ除去領域A5が配された方、すなわち、図2中の下側が正面側となり、検査領域A3が配された方、すなわち、図2中の上側が背面側として使用される。
トレイ供給領域A1は、未検査状態の複数のICデバイス90が配列されたトレイ200が供給される給材部である。トレイ供給領域A1では、多数のトレイ200を積み重ねることができる。
供給領域A2は、トレイ供給領域A1から搬送されたトレイ200上の複数のICデバイス90がそれぞれ検査領域A3まで搬送、供給される領域である。なお、トレイ供給領域A1と供給領域A2とを跨ぐように、トレイ200を1枚ずつ水平方向に搬送するトレイ搬送機構11A、11Bが設けられている。トレイ搬送機構11Aは、トレイ200を、当該トレイ200に載置されたICデバイス90ごとY方向の正側、すなわち、図2中の矢印α11A方向に移動させることができる移動部である。これにより、ICデバイス90を安定して供給領域A2に送り込むことができる。また、トレイ搬送機構11Bは、空のトレイ200をY方向の負側、すなわち、図2中の矢印α11B方向に移動させることができる移動部である。これにより、空のトレイ200を供給領域A2からトレイ供給領域A1に移動させることができる。
供給領域A2には、温度調整部(ソークプレート(英語表記:soak plate、中国語表記(一例):均温板))12と、デバイス搬送ヘッド13と、トレイ搬送機構15とが設けられている。
温度調整部12は、複数のICデバイス90が載置される載置部として構成され、当該載置されたICデバイス90を一括して加熱または冷却することができる「ソークプレート」と呼ばれる。このソークプレートにより、検査部16で検査される前のICデバイス90を予め加熱または冷却して、当該検査(高温検査または低温検査)に適した温度に調整することができる。図2に示す構成では、温度調整部12は、Y方向に2つ配置、固定されている。そして、トレイ搬送機構11Aによってトレイ供給領域A1から搬入されたトレイ200上のICデバイス90は、いずれかの温度調整部12まで搬送される。なお、この載置部としての温度調整部12は、固定されていることにより、当該温度調整部12上でのICデバイス90に対して安定して温度調整することができる。
デバイス搬送ヘッド13は、供給領域A2内でX方向およびY方向に移動可能に支持され、さらにZ方向にも移動可能な部分を有している。これにより、デバイス搬送ヘッド13は、トレイ供給領域A1から搬入されたトレイ200と温度調整部12との間のICデバイス90の搬送と、温度調整部12と後述するデバイス供給部14との間のICデバイス90の搬送とを担うことができる。なお、図2中では、デバイス搬送ヘッド13のX方向の移動を矢印α13Xで示し、デバイス搬送ヘッド13のY方向の移動を矢印α13Yで示している。
トレイ搬送機構15は、全てのICデバイス90が除去された状態の空のトレイ200を供給領域A2内でX方向の正側、すなわち、矢印α15方向に搬送する機構である。そして、この搬送後、空のトレイ200は、トレイ搬送機構11Bによって供給領域A2からトレイ供給領域A1に戻される。
検査領域A3は、ICデバイス90を検査する領域である。この検査領域A3には、ICデバイス90に対して検査を行なう検査部16と、デバイス搬送ヘッド17とが設けられている。また、供給領域A2と検査領域A3とを跨ぐように移動するデバイス供給部14と、検査領域A3と回収領域A4とを跨ぐように移動するデバイス回収部18も設けられている。
デバイス供給部14は、温度調整部12で温度調整されたICデバイス90が載置される載置部として構成され、当該ICデバイス90を検査部16近傍まで搬送することができる「供給用シャトルプレート」または単に「供給シャトル」と呼ばれるものである。
また、この載置部としてのデバイス供給部14は、供給領域A2と検査領域A3との間をX方向、すなわち、矢印α14方向に沿って往復移動可能に支持されている。これにより、デバイス供給部14は、ICデバイス90を供給領域A2から検査領域A3の検査部16近傍まで安定して搬送することができ、また、検査領域A3でICデバイス90がデバイス搬送ヘッド17によって取り去られた後は再度供給領域A2に戻ることができる。
図2に示す構成では、デバイス供給部14は、Y方向に2つ配置されており、温度調整部12上のICデバイス90は、いずれかのデバイス供給部14まで搬送される。また、デバイス供給部14は、温度調整部12と同様に、当該デバイス供給部14に載置されたICデバイス90を加熱または冷却可能に構成されている。これにより、温度調整部12で温度調整されたICデバイス90に対して、その温度調整状態を維持して、検査領域A3の検査部16近傍まで搬送することができる。
デバイス搬送ヘッド17は、前記温度調整状態が維持されたICデバイス90が把持され、当該ICデバイス90を検査領域A3内で搬送する動作部である。このデバイス搬送ヘッド17は、検査領域A3内でY方向およびZ方向に往復移動可能に支持され、「インデックスアーム」と呼ばれる機構の一部となっている。これにより、デバイス搬送ヘッド17は、供給領域A2から搬入されたデバイス供給部14上のICデバイス90を検査部16上に搬送し、載置することができる。なお、図2中では、デバイス搬送ヘッド17のY方向の往復移動を矢印α17Yで示している。また、デバイス搬送ヘッド17は、Y方向に往復移動可能に支持されているが、これに限定されず、X方向にも往復移動可能に支持されていてもよい。
また、デバイス搬送ヘッド17は、第1方向であるZ方向と、Z方向と異なる第2方向であるY方向とに移動可能であり、ICデバイス90を把持可能な第1把持部としてのデバイス搬送ヘッド17Aと、デバイス搬送ヘッド17Aとは独立してY方向およびZ方向に移動可能であり、ICデバイス90を把持可能な第2把持部であるデバイス搬送ヘッド17Bと、を有する。特に、図18および図19に示すように、デバイス搬送ヘッド17Aおよびデバイス搬送ヘッド17Bが互いに独立してZ方向に移動する構成とすることにより、デバイス搬送ヘッド17Aおよびデバイス搬送ヘッド17Bの双方が下降して、後述する第1カメラ31および第2カメラ32の撮像可能エリアが小さくなるのを防止することができる。
第1把持部としてのデバイス搬送ヘッド17Aと第2把持部としてのデバイス搬送ヘッド17Bとは、第2方向であるY方向に並んで互いに離間して配置されている。また、これにより、例えば、検査部16よりも−Y側のデバイス供給部14またはデバイス回収部18と検査部16との間でのICデバイス90の搬送をデバイス搬送ヘッド17Aが担い、検査部16よりも+Y側のデバイス供給部14またはデバイス回収部18と検査部16との間でのICデバイス90の搬送をデバイス搬送ヘッド17Bが担う構成とすることができる。よって、デバイス搬送ヘッド17全体で見たときの移動距離を低減することができ、搬送効率に優れる。
また、第1把持部としてのデバイス搬送ヘッド17Aと第2把持部としてのデバイス搬送ヘッド17Bとは、第2方向であるY方向に同時に移動可能である。これにより、例えば、デバイス搬送ヘッド17AがICデバイス90を押圧しているときに、デバイス搬送ヘッド17Bが異なる動作(デバイス供給部14またはデバイス回収部18との間でのICデバイス90のやり取り等)を行うことができたり、その逆も行うことができる。よって、搬送効率や検査効率を高めることができる。
また、図1に示すように、電子部品搬送装置10は、第1把持部としてのデバイス搬送ヘッド17A、または、第2把持部としてのデバイス搬送ヘッド17Bの位置を検出する位置検出部としてのエンコーダー23を有する。本実施形態では、エンコーダー23は、デバイス搬送ヘッド17Aおよびデバイス搬送ヘッド17BのそれぞれのY方向およびZ方向の位置を検出する。これにより、後述するように、例えば、第1カメラ31および第2カメラ32が検査部16を撮像可能なときの、デバイス搬送ヘッド17Aおよびデバイス搬送ヘッド17Bの位置を検出することができる。このエンコーダー23は、図3に示すように、制御部800と電気的に接続され、デバイス搬送ヘッド17Aおよびデバイス搬送ヘッド17Bの位置情報が、制御部800に送信される。
このようなデバイス搬送ヘッド17は、温度調整部12と同様に、把持したICデバイス90を加熱または冷却可能に構成されている。これにより、ICデバイス90における温度調整状態を、デバイス供給部14から検査部16まで継続して維持することができる。
検査部16は、電子部品であるICデバイス90を載置して、当該ICデバイス90の電気的特性を検査する電子部品載置部である。この検査部16は、Z方向から見たとき、X方向に延在する長方形の板状をなしている。また、検査部16は、ICデバイス90を収納する複数(本実施形態では、16個)の凹部161を有している。各凹部は、X方向に8個並んで設けられ、この8個の列がY方向に2列設けられた格子状に配置されている。
また、図11に示すように、凹部161は、段差構造をなしており、第1凹部163と、第1凹部163の底部164に設けられた第2凹部165とを有している。また、第2凹部165は、ICデバイス90が載置される際、ICデバイス90を案内するテーパ状をなしている。すなわち、第2凹部165の内周面162は、第3方向であるX方向に対して傾斜している。
また、第1凹部163の深さD163(検査部16の上面160から底部164までの距離)は、3mm以上、7mm以下であるのが好ましく、4mm以上、6mm以下であるのがより好ましい。これにより、レーザー光L1のX方向に対する傾斜角度が比較的小さい場合であっても、レーザー光L1が第2凹部165の底部166に到達することができる。その結果、後述するように、ICデバイス90が凹部161内に残留しているか否かを検出することができる。
また、第2凹部165の深さD165(底部164から底部166までの距離)は、3mm以上、7mm以下であるのが好ましく、4mm以上、6mm以下であるのがより好ましい。これにより、レーザー光L1のX方向に対する傾斜角度が比較的小さい場合であっても、レーザー光L1が第2凹部165の底部166に到達することができる。その結果、後述するように、ICデバイス90が凹部161内に残留しているか否かを検出することができる。
また、凹部161の内周面162とZ方向とのなす角度θ2は、20°以上、30°以下であるのが好ましく、23°以上、27°以下であるのがより好ましく、25°であるのが特に好ましい。これにより、レーザー光L1のX方向に対する傾斜角度が比較的小さい場合であっても、レーザー光L1が第2凹部165の底部166に到達することができる。その結果、後述するように、ICデバイス90が凹部161内に残留しているか否かを検出することができる。
また、第2凹部165の底部166には、ICデバイス90の端子(図示せず)と電気的に接続される複数のプローブピン(図示せず)が設けられている。そして、ICデバイス90の端とプローブピンとが電気的に接続される、すなわち、接触することにより、ICデバイス90の検査を行なうことができる。ICデバイス90の検査は、検査部16に接続されるテスターが備える検査制御部に記憶されているプログラムに基づいて行われる。なお、検査部16でも、温度調整部12と同様に、ICデバイス90を加熱または冷却して、当該ICデバイス90を検査に適した温度に調整することができる。
ここで、ICデバイス90は、本実施形態では平板状をなし、その平面視で矩形をなすものである。また、ICデバイス90の平面視での大きさが大きいほど、ICデバイス90の有無を検出しやすくなるが、本発明では、ICデバイス90の平面視での大きさが比較的小さくてもICデバイス90の有無を正確に検出することができ、従来に比べて本発明の効果がより顕著になる。具体的なICデバイス90の最小値としては、ICデバイス90の平面視形状が正方形である場合、レーザー光L1の照射形状(ライン)の幅にもよるが、各辺の長さが、1mm以上、3mm以下であると本発明の効果が顕著に得られ、1.5mm以上、2.5mm以下であると本発明の効果がより顕著に得られ、2.0mmであると本発明の効果が特に顕著に得られる。ICデバイス90の平面視形状が長方形である場合、レーザー光L1の照射形状(ライン)の幅にもよるが、短辺の長さが、1mm以上、3mm以下であると本発明の効果が顕著に得られ、1.5mm以上、2.5mm以下であると本発明の効果がより顕著に得られ、2.0mmであると本発明の効果が特に顕著に得られる。このように、比較的小さいICデバイス90を用いることにより、本発明の効果をより顕著に得ることができる。なお、前述したが、ICデバイス90の平面視での大きさが大きいほど、ICデバイス90の有無を検出しやすくなるのは言うまでもない。
また、ICデバイス90の端子の構成材料は、例えば、アルミニウム、銅等の金属材料であるのが好ましい。また、ICデバイス90の上面(端子が形成されている面の反対側の面)は、例えば、樹脂製などであり、表面粗さRaは、7μm以上であるのが好ましく、10μm以上であるのがより好ましい。これにより、レーザー光L1の照射形状が鮮明になり、ICデバイス90が凹部161内に残留しているか否かをさらに正確に検出することができる。
デバイス回収部18は、検査部16で検査が終了したICデバイス90が載置され、当該ICデバイス90を回収領域A4まで搬送することができる載置部として構成され、「回収用シャトルプレート」または単に「回収シャトル」と呼ばれる。
また、デバイス回収部18は、検査領域A3と回収領域A4との間をX方向、すなわち、矢印α18方向に沿って往復移動可能に支持されている。また、図2に示す構成では、デバイス回収部18は、デバイス供給部14と同様に、Y方向に2つ配置されており、検査部16上のICデバイス90は、いずれかのデバイス回収部18に搬送され、載置される。この搬送は、デバイス搬送ヘッド17によって行なわれる。
回収領域A4は、検査領域A3で検査され、その検査が終了した複数のICデバイス90が回収される領域である。この回収領域A4には、回収用トレイ19と、デバイス搬送ヘッド20と、トレイ搬送機構21とが設けられている。また、回収領域A4には、空のトレイ200も用意されている。
回収用トレイ19は、検査部16で検査されたICデバイス90が載置される載置部であり、回収領域A4内で移動しないよう固定されている。これにより、デバイス搬送ヘッド20等の各種可動部が比較的多く配置された回収領域A4であっても、回収用トレイ19上では、検査済みのICデバイス90が安定して載置されることとなる。なお、図2に示す構成では、回収用トレイ19は、X方向に沿って3つ配置されている。
また、空のトレイ200も、X方向に沿って3つ配置されている。この空のトレイ200も、検査部16で検査されたICデバイス90が載置される載置部となる。そして、回収領域A4に移動してきたデバイス回収部18上のICデバイス90は、回収用トレイ19および空のトレイ200のうちのいずれかに搬送され、載置される。これにより、ICデバイス90は、検査結果ごとに分類されて、回収されることとなる。
デバイス搬送ヘッド20は、回収領域A4内でX方向およびY方向に移動可能に支持され、さらにZ方向にも移動可能な部分を有している。これにより、デバイス搬送ヘッド20は、ICデバイス90をデバイス回収部18から回収用トレイ19や空のトレイ200に搬送することができる。なお、図2中では、デバイス搬送ヘッド20のX方向の移動を矢印α20Xで示し、デバイス搬送ヘッド20のY方向の移動を矢印α20Yで示している。
トレイ搬送機構21は、トレイ除去領域A5から搬入された空のトレイ200を回収領域A4内でX方向、すなわち、矢印α21方向に搬送する機構である。そして、この搬送後、空のトレイ200は、ICデバイス90が回収される位置に配されることとなる、すなわち、前記3つの空のトレイ200のうちのいずれかとなり得る。
トレイ除去領域A5は、検査済み状態の複数のICデバイス90が配列されたトレイ200が回収され、除去される除材部である。トレイ除去領域A5では、多数のトレイ200を積み重ねることができる。
また、回収領域A4とトレイ除去領域A5とを跨ぐように、トレイ200を1枚ずつY方向に搬送するトレイ搬送機構22A、22Bが設けられている。トレイ搬送機構22Aは、トレイ200をY方向、すなわち、矢印α22A方向に往復移動させることができる移動部である。これにより、検査済みのICデバイス90を回収領域A4からトレイ除去領域A5に搬送することができる。また、トレイ搬送機構22Bは、ICデバイス90を回収するための空のトレイ200をY方向の正側、すなわち、矢印α22B方向に移動させることができる。これにより、空のトレイ200をトレイ除去領域A5から回収領域A4に移動させることができる。
制御部800は、例えば、トレイ搬送機構11Aと、トレイ搬送機構11Bと、温度調整部12と、デバイス搬送ヘッド13と、デバイス供給部14と、トレイ搬送機構15と、検査部16と、デバイス搬送ヘッド17と、デバイス回収部18と、デバイス搬送ヘッド20と、トレイ搬送機構21と、トレイ搬送機構22Aと、トレイ搬送機構22Bの各部の作動を制御することができる。なお、制御部800は、PC(Personal Computer)外付けのCPU(Central Processing Unit)やMPU(micro Processing Unit)、または、FPGA(Field Programmable Gate Array)であってもよい。また、制御部800は、撮像部に内蔵されたCPU(Central Processing Unit)やMPU(micro Processing Unit)、または、FPGA(Field Programmable Gate Array)であってもよい。
また、図3に示すように、制御部800は、メモリー802(記憶部)を有している。メモリー802は、例えば不揮発性半導体メモリーの一種であるEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)等を有し、上記検査等の各種プログラム等が記憶されている。
また、図3に示すように、制御部800は、後述する光照射部であるレーザー光源41がレーザー光Lを照射する方向が、予め定められた方向か否かの判断する照射位置判断部801を有する。これにより、例えば、レーザー光源41がレーザー光Lを照射する方向が所望の方向か否かを判断することができる。
オペレーターは、モニター300を介して、電子部品検査装置1の動作条件等を設定したり、確認したりすることができる。このモニター300は、例えば液晶画面で構成された表示画面301を有し、電子部品検査装置1の正面側上部に配置されている。図1に示すように、トレイ除去領域A5の図中の右側には、マウスを載置するマウス台600が設けられている。このマウスは、モニター300に表示された画面を操作する際に用いられる。
また、モニター300に対して図1の右下方には、操作パネル700が配置されている。操作パネル700は、モニター300とは別に、電子部品検査装置1に所望の動作を命令するものである。
また、シグナルランプ400は、発光する色の組み合わせにより、電子部品検査装置1の作動状態等を報知することができる。シグナルランプ400は、電子部品検査装置1の上部に配置されている。なお、電子部品検査装置1には、スピーカー500が内蔵されており、このスピーカー500によっても電子部品検査装置1の作動状態等を報知することもできる。
これら、モニター300およびスピーカー500は、後述するように、検査部16の凹部161にICデバイス90が配置されているか否かの判断の結果を報知する報知部24として機能する。これにより、電子部品搬送装置10のオペレーターに判断の結果を知らせることができる。
電子部品検査装置1は、トレイ供給領域A1と供給領域A2との間が第1隔壁231によって区切られており、供給領域A2と検査領域A3との間が第2隔壁232によって区切られており、検査領域A3と回収領域A4との間が第3隔壁233によって区切られており、回収領域A4とトレイ除去領域A5との間が第4隔壁234によって区切られている。また、供給領域A2と回収領域A4との間も、第5隔壁235によって区切られている。
電子部品検査装置1は、最外装がカバーで覆われており、当該カバーには、例えばフロントカバー241、サイドカバー242、サイドカバー243、リアカバー244、トップカバー245がある。
次に、検出ユニット2について説明する。
図4および図5に示すように、検出ユニット2は、検出ユニット2Aと、検出ユニット2Bとを有している。検出ユニット2Aおよび検出ユニット2Bは、デバイス搬送ヘッド17の+Z側に設けられ(図5参照)、この順で+X方向から並んで配置されている。
検出ユニット2Aおよび検出ユニット2Bは、それぞれ、撮像ユニット3と、光照射ユニット4と、照明5とを有している。検出ユニット2Aおよび検出ユニット2Bは、撮像ユニット3と、光照射ユニット4と、照明5との配置位置がY軸に対して線対称であること以外は、同じ構成であるため、以下、検出ユニット2Aについて代表的に説明する。
図6および図7に示すように、撮像ユニット3は、第1カメラ31(第1撮像部)と、第2カメラ32(第2撮像部)と、光反射部33とを有している。
第1カメラ31は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)カメラを用いることができる。また、第1カメラ31は、−Y方向を向いて配置されており、−Y側を撮像する。この第1カメラ31は、図3に示すように、制御部800と電気的に接続されており、その作動が制御される。
第2カメラ32は、第1カメラ31と同様の構成とすることができる。また、第2カメラ32は、+Y方向を向いて配置されており、+Y側を撮像する。この第2カメラ32は、図3に示すように、制御部800と電気的に接続されており、その作動が制御される。
光反射部33は、第1カメラ31と第2カメラ32との間に設けられている。この光反射部33は、検査部16の像を第1カメラ31および第2カメラ32に向って反射させるものである。
光反射部33は、光を反射する第1光反射面331(第1光反射部)と、光を反射する第2光反射面332(第2光反射部)とを有する。この光反射部33は、X方向から見たときに二等辺三角形(本実施形態では、直角二等辺三角形)の三角柱の部材であり、頂角が−Z側に位置するよう配置されている。
また、光反射部33では、+Y側の面が第1光反射面331として機能し、−Y側の面が第2光反射面332として機能する。
第1光反射面331は、第1カメラ31(第1撮像部)と第2カメラ32(第2撮像部)との間に設けられ、検査部16(電子部品載置部)の像を第1カメラ31に向って反射させるものである。第1光反射面331は、デバイス搬送ヘッド17A(第1把持部)とデバイス搬送ヘッド17B(第2把持部)との間から、第1カメラ31が、検査部16の像を撮像可能とする。第2光反射面332は、第2カメラ32(第2撮像部)と第1光反射面331との間に設けられ、検査部16(電子部品載置部)の像を第2カメラ32に向って反射させるものである。第2光反射面332は、デバイス搬送ヘッド17A(第1把持部)とデバイス搬送ヘッド17B(第2把持部)との間から、第2カメラ32が、検査部16の像を撮像可能とする。これにより、デバイス搬送ヘッド17Aとデバイス搬送ヘッド17Bとの間隙Sが比較的狭くても、第1カメラ31および第2カメラ32は、それぞれ、検査部16を撮像することができる。なお、本明細書における第1カメラ31および第2カメラ32の撮像方向は、Z方向とする。
また、図20に示すように、第1カメラ31(第1撮像部)の第1光反射面331(第1光反射部)までの光軸と、第2カメラ32(第2撮像部)の光軸とは、Y方向(第2方向)に沿っている。すなわち、第1カメラ31(第1撮像部)の第1光反射面331(第1光反射部)までの光軸と、第2カメラ32(第2撮像部)の光軸とは、平行である。これにより、第1カメラ31、第2カメラ32および光反射部33の設置を容易に行うことができる。
第1カメラ31(第1撮像部)と第2カメラ32(第2撮像部)とは、光が入射する方向が互いに反対方向である。すなわち、第1カメラ31と第2カメラ32とは、互いに向かい合って反対方向を撮像する配置である。これにより、デバイス搬送ヘッド17Aとデバイス搬送ヘッド17Bとの間隙Sが比較的狭くても、第1カメラ31と第2カメラ32との間に光反射部33を設けることにより、第1カメラ31と第2カメラ32とは、それぞれ、検査部16を撮像することができる。
このような構成とすることにより、第1カメラ31(第1撮像部)および第2カメラ32(第2撮像部)は、検査部16(電子部品載置部)において、互いに位置が異なる領域を撮像することができる。よって、検査部16のより多くの領域を撮像することができる。
また、図7に示すように、第1撮像部である第1カメラ31は、その光軸O32が、後述する各光反射部であるミラー42が並んでいる方向(X方向)の延長線L42と交わるよう配置されている。これにより、第1カメラ31は、各ミラー42で反射したレーザー光L1が検査部16に照射された部分を撮像することができる。
光照射ユニット4は、4つのレーザー光源(光照射部)41と、各レーザー光源41に対応して設けられ、レーザー光源41から出射されたレーザー光L1を反射する4つのミラー42と、各ミラー42を回動させる4つのモーター43とを有している。すなわち、光照射ユニット4では、光照射部であるレーザー光源41および光反射部であるミラー42は、複数(4つ)ずつ設けられている。
レーザー光源41としては、公知のレーザー光源を用いることができ、出射するレーザー光L1の色は、特に限定されない。また、光照射部としてのレーザー光源41は、照射先(検査部16または検査部16上のICデバイス90)での照射形状が、Y方向(第2方向)の延在する線状のレーザー光L1(光)を照射するものである。これにより、後述するように、第1カメラ31および第2カメラ32が撮像した画像において、ICデバイス90の有無に応じて、照射されたレーザー光L1の位置の変化を分かり易くすることができる。よって、ICデバイス90が検査部16に残留しているか否かをより正確に検出することができる。
また、図4および図5に示すように、レーザー光源41が照射するレーザー光L1は、照射先の検査部16では、Y方向に並んだ2つの凹部161を包含するよう構成されている。すなわち、1つのレーザー光源41は、Y方向に並んだ2つの凹部161に一括してレーザー光L1を照射する。このようなレーザー光源41(光照射部)が、4つ(複数)設けられており、かつ、第3方向であるX方向に沿って並んで配置されていることにより、4つのレーザー光源41で8つの凹部161にレーザー光L1を照射することができる。そして、検出ユニット2Aおよび検出ユニット2Bで、合計8つのレーザー光源41が設けられていることにより、16個の凹部161の各々にレーザー光L1を照射することができる。
また、図8に示すように、Y方向から見たとき、各レーザー光源41は、X方向に対して傾斜して配置されている。このため、レーザー光源41が隣接するミラー42と干渉するのを防止することができる。その結果、レーザー光源41とミラー42とのX方向の距離を可及的に小さくすることができ、光照射ユニット4の小型化に寄与する。特に、電子部品搬送装置10では、デバイス搬送ヘッド17の+Z側のスペースは限られており、光照射ユニット4の小型化を図ることにより、電子部品搬送装置10全体の小型化に寄与する。
このようなレーザー光源41は、制御部800と電気的に接続されており、その作動が制御される(図3参照)。
図6および図7に示すように、光照射ユニット4は、光照射部であるレーザー光源41が出射したレーザー光L1を反射する光反射部としてのミラー42を有する。これにより、レーザー光源41の向きを問わずレーザー光源41を配置することができる。よって、レーザー光源41の配置の自由度を高めることができる。
このミラー42は、図8に示すように、レーザー光L1を反射する反射面421を有しており、反射面421がレーザー光源41側に臨むように配置されている。
また、各ミラー42は、Z方向(第1方向)およびY方向(第2方向)に対して交わるX方向(第3方向)に並んで配置されている。これにより、各レーザー光源41の配置形態に合わせることができるとともに、各ミラー42の配置形態を簡素にすることができる。
また、光照射ユニット4は、光反射部としてのミラー42を回動させる光反射部駆動部としての4つのモーター43を有している。ミラー42が、回動可能に構成されていることにより、ミラー42の反射面421の向きを調整することができ、レーザー光L1の照射位置を調整することができる。
また、図9に示すように、ミラー42は、その回動軸Oが、前記光反射面上に位置するよう、モーター43に接続されている。これにより、ミラー42を回動させてレーザー光L1の照射方向を調整する際、その調整を正確に行うことができる。
このように、電子部品搬送装置10では、光照射部としてのレーザー光源41が照射するレーザー光L1の方向を調整可能であるため、レーザー光L1の検査部16での照射位置を調整したり、凹部161の配置箇所が図4および図5に示す構成とは異なる検査部にも対応することができる。
また、光照射部であるレーザー光源41が、少なくとも第1方向であるZ方向に対して傾斜した、すなわち、交差し、かつ、直交しない方向にレーザー光L1を照射するように調整することにより、後述するように、ICデバイス90の有無に応じて、照射されたレーザー光L1の位置の変化を分かり易くすることができる。
また、光反射部駆動部としての各モーター43は、第3方向であるX方向に沿って並んで配置されている。そして、X方向に隣り合うモーター43は、第2の方向であるY方向にずれて配置されており、いわゆる千鳥配置となっている。これにより、モーター43同士のX方向の間隔を比較的小さくしても、X方向に隣り合うモーター43同士が干渉し合うのを防止することができる。その結果、光照射ユニット4の小型化を図ることができる。
照明5(第2光照射部)は、レーザー光L1よりも輝度が小さい光L2を照射するものである。また、光L2は、レーザー光L1よりも指向性が低く、検査部16全体を照らすよう構成されている。照明5は、光照射部であるレーザー光源41よりも輝度が小さい光L2を出射する第2光照射部である。これにより、レーザー光源41が照射する光に足りない照射条件(例えば、レーザー光L1よりも低い指向性)の光L2を照射することができる。また、照明5は、光照射ユニット4の+X側に配置されている。
また、第2光照射部である照明5は、出射する光の輝度を調整可能であるこれにより、照明5が出射する光L2の照度を調整することができる。よって、後述する判断(第2判断)に際し、より良い条件の画像を用いることができる。
このような検出ユニット2によれば、検査部16の凹部161におけるICデバイス90の有無を検出することができる。以下、この原理について、図10〜図13を用いて説明するが、各凹部161において同様の検出を行うため、1つの凹部161での検出について代表的に説明する。また、以下では、第1カメラ31が撮像した凹部161の画像のひとつを代表的に説明するが、第2カメラ32が撮像した凹部161の画像についても同様の制御を行うことができる。
図10は、検出ユニット2を模式的に示した図であって、検出ユニット2をY方向から見た図である。また、図10では、レーザー光源41からレーザー光L1を検査部16に向って照射している。ICデバイス90が検査部16上に載置されていた場合(以下、この状態を「残留状態」と言う)には、レーザー光L1は、ICデバイス90上の位置P1に照射され、この位置P1には、照射形状が線状をなすレーザー光L1のラインが形成される。一方、ICデバイス90が検査部16上に無かった場合(以下、この状態を「除去状態」と言う)には、レーザー光L1は、検査部16の第2凹部165の底部166の位置P2に照射され、この位置P2には、照射形状が線状をなすレーザー光L1のラインが形成される。なお、本明細書中での「線状」とは、1本の直線や、互いに離間して一方向に並んだ点の集合体や、楕円形や、長方形等、長尺な形状のもののことを言う。
また、第1カメラ31は、残留状態および除去状態において、それぞれ画像(第1画像)を撮像する。図12には、残留状態で第1カメラ31が撮像した画像D1の一部を示しており、図13には、除去状態で第1カメラ31が撮像した画像D2の一部を示している。これら画像D1および画像D2は、撮像した画像のうち、必要な部分(凹部161が映っている部分)がトリミングされて用いられる。
図12に示すように、画像D1では、ICデバイス90上でのレーザー光L1のラインの位置P1は、第1凹部163の底部164でのレーザー光L1のラインの位置Pよりも−X側(図中左右方向)にずれている。これは、ICデバイス90の上面が、第1凹部163の底部164よりも低い、すなわち、−Z側に位置しているためである。なお、位置Pと位置P1とのX方向(図中左右方向)のずれ量を、ずれ量ΔD1とする。
一方、図13に示すように、画像D2では、第2凹部165の底部166上でのレーザー光L1のラインの位置P2は、第1凹部163の底部164でのレーザー光L1のラインの位置Pよりも−X側にずれている。これは、第2凹部165の底部166が、第1凹部163の底部164よりも低い、すなわち、−Z側に位置しているためである。なお、位置Pと位置P2とのX方向(図中左右方向)のずれ量を、ずれ量ΔD2とする。
また、ずれ量ΔD1は、ずれ量ΔD2よりも小さい。これは、ICデバイス90の上面が、第2凹部165の底部166よりも+Z側に位置しているためである。電子部品搬送装置10では、例えば、画像D1および画像D2におけるずれ量が、ずれ量ΔD1であるかずれ量ΔD2であるかにより、残留状態か除去状態かを検出(判断)することができる。
ここで、ICデバイス90の厚さΔdは、薄ければ薄いほど、ずれ量ΔD1およびずれ量ΔD2の差が小さくなり、ずれ量ΔD1であるかずれ量ΔD2であるかを判別しにくい。従って、比較的薄いICデバイス90において、残留状態か除去状態かを判断するには、比較的高い分解能を有する第1カメラ31を用いる必要がある。具体的には、図10中、位置P1と第1カメラ31の中心(光軸)とを結んだ線分と、位置P2と第1カメラ31の中心(光軸)とを結んだ線分とのなす角度Δαを認識可能な分解能を有する第1カメラ31を用いれば、残留状態か除去状態かを判断することができる。例えば、ICデバイス90の厚さΔdが分かっていたら、どの程度の角度Δαを認識可能なカメラを用いればよいか、また、第1カメラ31の分解能が分かっていたらどの程度の厚さΔdのICデバイス90において上記判断が可能かということを知るために、本発明者らは、以下の2つの式(1)および式(2)を導き出した。
位置P2と第1カメラ31の中心(光軸)とを結んだ線分とX軸とのなす角度をαとし、レーザー光L1の光軸とX軸とのなす角度をβとし、第1カメラ31での光軸と第2凹部165の底部166との離間距離をdcamとしたとき、ICデバイス90の厚さΔdは、式(1)で表すことができ、角度Δαは、式(2)で表すことができる。
例えば、角度Δαが分かっていたら、式(1)に代入することにより、上記判断が可能なICデバイス90の最小の厚さΔdを知ることができる。また、厚さΔdが分かっていたら式(2)に代入することにより、第1カメラ31に必要な分解能を知ることができる。
なお、厚さΔdが0.2mm以上のICデバイス90に対して前記判断を行うことが可能であるのが好ましく、0.1mm以上の電子部品に対して前記判断を行うことが可能であるのがより好ましい。これにより、比較的薄いICデバイス90であっても、検査部16にICデバイス90が残留しているか否かを検出することができる。なお、厚さΔdが薄すぎると、比較的高い分解能の第1カメラ31を用いる必要がありコストがかかる。
なお、レーザー光L1の光軸とX軸とのなす角度βは、小さければ小さいほど、ずれ量ΔD1およびずれ量ΔD2が大きくなり、画像において、ずれ量ΔD1であるかずれ量ΔD2であるかを判別しやすくすることができる。角度βが小さすぎると、レーザー光L1は、凹部161内への入射が困難となる場合がある。
そこで、図11に示すように、光照射部であるレーザー光源41が出射するレーザー光L1の入射角θ1は、凹部161の内周面162とZ方向とのなす角度θ2よりも小さくするのが好ましい。これにより、凹部161内にレーザー光L1を照射することができる。その結果、ICデバイス90が凹部161内に残留しているか否かを検出することができる。
以上、レーザー光L1を用いた判断(以下、この判断を「第1判断」とも言う)について説明した。電子部品搬送装置10は、第1判断とは異なる方式でも判断(以下、この判断を「第2判断」とも言う)を行うことができる。以下、このことについて図14および図15を用いて説明する。
図14および図15は、照明5によって検査部16に向って光L2を照射し、この状態で第1カメラ31を用いて検査部16を撮像した画像(第2画像)を示している。また、図14は残留状態での画像D1’の一部を示しており、図15は、除去状態での画像D2’の一部を示している。
電子部品搬送装置10では、撮像した画像D1’および画像D2’に基づいて、ICデバイス90の色や、明るさを検出し、残留状態か除去状態かを検出(判断)することができる。
このように、電子部品搬送装置10は、第1判断と第2判断とを行うことができる。
さて、電子部品搬送装置10では、検出ユニット2を設置するスペースを確保するのが困難である。例えば、検査部16の近傍、すなわち、Z方向から見て、検査部16から外れた位置に検出ユニット2を配置したとしても、レーザー光L1や光L2の照射可能範囲が限られてきたり、第1カメラ31および第2カメラ32の撮像可能エリアが限られてきたりする。これらのことを鑑みると、検査部16の直上、すなわち、検査部16の+Z側に配置して撮像を行うのが好ましいが、検査部16+Z側には、デバイス搬送ヘッド17が設けられている。
そこで、電子部品搬送装置10では、検出ユニット2を、デバイス搬送ヘッド17の+Z側に配置し、2つのデバイス搬送ヘッド17Aおよびデバイス搬送ヘッド17Bの間の間隙Sを介して検出を行う構成とした。すなわち、間隙Sを介して検査部16に向って、レーザー光L1および光L2のうちの少なくとも一方を照射し、間隙Sを介して、第1カメラ31および第2カメラ32を用いて画像を撮像し、第1判断および第2判断のうちの少なくとも一方を行う構成とした。これにより、上記構成であっても、残留状態か除去状態かを正確に検出(判断)することができる。
また、間隙Sは、比較的狭いため、第1カメラ31および第2カメラ32で検査部16の全エリア、特に、検査部16のY方向の全域を撮像するのは困難な場合がある。そこで、図16に示すように、デバイス搬送ヘッド17の移動中において、16個の凹部161のうち、−Y側の8個の凹部161を撮像可能なときに撮像を行い、図17に示すように、+Y側の8個の凹部161を撮像可能なときに撮像を行う。これにより、検査部16のY方向の全域の撮像が困難であっても、複数の画像に基づいて、各凹部161の撮像を行うことができ、各凹部161において残留状態か除去状態かを検出(判断)することができる。なお、撮像可能な状態におけるデバイス搬送ヘッド17の位置は、エンコーダー23によって検出され、撮像可能なときのエンコーダー値がメモリー802に記憶されている。
なお、電子部品搬送装置10では、デバイス搬送ヘッド17A(第1把持部)が、ICデバイス90を検査部16(電子部品載置部)に対して押圧しているとき、デバイス搬送ヘッド17Aは、第1カメラ31(撮像部)とICデバイス90との間に位置している場合がある(図18参照)。この場合、デバイス搬送ヘッド17Aが遮って、−Y側の8個の凹部161の撮像が困難となる。一方、デバイス搬送ヘッド17B(第2把持部)が、ICデバイス90を検査部16(電子部品載置部)に対して押圧しているとき、デバイス搬送ヘッド17Bは、第1カメラ31(撮像部)とICデバイス90との間に位置している場合がある(図19参照)。この場合、デバイス搬送ヘッド17Bが遮って、+Y側の8個の凹部161の撮像が困難となる。この問題を利用すると、例えば、第1カメラ31が、ICデバイス90を撮像可能なときだけ撮像する構成とする場合には、撮影が困難なタイミングが分かっているため、どのタイミングで撮像を省略するかの設定を容易に行うことができる。その結果、無駄な画像を撮像するのを防止することができる。
また、第1カメラ31および第2カメラ32は、撮像開始時刻から撮像終了時刻の間、デバイス搬送ヘッド17A(第1把持部)とデバイス搬送ヘッド17B(第2把持部)の間を介して検査部16(電子部品載置部)を撮像可能である。すなわち、検査部16がデバイス搬送ヘッド17Aまたはデバイス搬送ヘッド17Bに遮られるときに撮像するのを省略する。よって、無駄なく撮像を行うことができるとともに、無駄に画像データが増えるのを防止することができる。
このように、第1カメラ31(第1撮像部)および第2カメラ32(第2撮像部)が撮像する画像D1、D2に基づいて、検査部16(電子部品載置部)にICデバイス90(電子部品)が配置されているか否かの判断を行うことが可能である。このため、ICデバイス90が不本意に凹部161内に残留しているのを検出することができる。
ここで、検査部16は、電子部品搬送装置10において、着脱可能に構成され、ICデバイス90の種類に応じて、最適なものに取り換えられて用いられることがある。このため、検査部16では、凹部161の配置位置や、配置個数が検査部16毎に異なる場合がある。以下、図20および図43に示すように、検査部16の凹部161がY方向に奇数列(図示の構成では、3列)設けられていた場合について説明する。なお、図20および図43は、検査部16を−X方向から見た図であり、これら図において、各凹部161を、+Y側から順に、凹部161A、凹部161Bおよび凹部161Cと言う。また、以下に述べることは、第1判断および第2判断の双方に適用可能であり、第1判断および第2判断を総称して「判断」とも言う。
図43では、仮に、第1カメラ31および第2カメラ32を、第1カメラ31の光軸O31と第2カメラ32の光軸O32とが一致した状態で配置し、光反射部33を、第1カメラ31と第2カメラ32の中間に配置した場合を示している。
この場合、図44に示すように、第1カメラ31で撮像した画像D31’の図中上半分には、各凹部161Aの全域と、各凹部161Bの一部(半分)が映っている。また、画像31D’の図中下半分には、光反射部33よりも−Y側の像が映っている。この画像D31’では、図中上半分の領域が判断に用いられる使用領域A31’であり、図中下半分の領域が、判断の際に不要となる不要領域a31’である。
一方、図45に示すように、第2カメラ32で撮像した画像D32’の図中上半分には、光反射部33よりも+Y側の像が映っている。また、画像D32’の図中下半分には、凹部161Bの一部(半分)と、凹部161Cの全域とが映っている。この画像D32’では、図中上半分の領域が、判断の際に不要となる不要領域a32’であり、図中下半分の領域が判断に用いられる使用領域A32’である。
このような画像D31’および画像D32’に基づいて判断を行う場合、凹部161Aにおける判断は、画像D31’に基づいて行うことができる。また、凹部161Cにおける判断は、画像D32’に基づいて行うことができる。
そして、例えば、画像D31’および画像D32’を繋ぎ合わせ、凹部161Bを繋ぎ合わせた画像に基づいて、凹部161Bにおける判断を行うことができる。しかしながら、第1カメラ31および第2カメラ32の種類によっては、使用領域A31’と不要領域a32’との境界部で、ピントがぼけて不鮮明になる。すなわち、撮像した画像のうち、凹部161Bが映っている部分が不鮮明になる。この不鮮明な画像に基づいて凹部161Bの判断を行うと、その判断の信頼性が乏しくなる。そこで、電子部品搬送装置10では、この問題を以下の構成とすることにより、解消することができる。
図20に示すように、電子部品搬送装置10では、光反射部33は、その頂点330が、検査部16のY方向の中心よりも−Y側にずれて配置されている。そして、さらに、第1カメラ31(第1撮像部)と、第2カメラ32(第2撮像部)とは、Z方向(第1方向)における位置が異なる。すなわち、第1カメラ31と第2カメラ32とは、設置高さ(鉛直方向での位置)が異なる。本実施形態では、第1カメラ31の方が第2カメラ32よりも高い位置、すなわち、+Z側に配置されている。このような構成により、第1カメラ31の第1光反射面331に対する高さと、第2カメラ32の第2光反射面332に対する高さとを異ならせることができる。よって、第1カメラ31が第1光反射面331を介して検査部16を撮像可能な領域と、第2カメラ32が第2光反射面332を介して検査部16を撮像可能な領域とで、検査部16における撮像位置を異ならせることができる。
図21に示すように、第1カメラ31が撮像する画像D31には、凹部161Aおよび凹部161Bが映っている。なお、画像D31では、使用領域A31に凹部161Aおよび凹部161Bが映っており、画像D31の下側の不要領域a31には、凹部161Aおよび凹部161Bは映っていない。一方、第2カメラ32が撮像する画像D32には、凹部161Cが映っている。なお、画像D32では、使用領域A32に凹部161Cが映っており、画像D32の下側の不要領域a32には、凹部161Cは映っていない。
このように、電子部品搬送装置10では、凹部161Aおよび凹部161Bの撮像を第1カメラ31が担い、凹部161Cの撮像を第2カメラ32が担っている。これにより、前述したような凹部161Bにおける画質の劣化を防止することができる。よって、凹部161Aおよび凹部161Cについてはもちろん、凹部161Bにおいても、ICデバイス90の有無の判断を正確に行うことができる。
このように、検査部16(電子部品載置部)における第1カメラ31(第1撮像部)が撮像する領域(第1撮像領域)と、検査部16(電子部品載置部)における第2カメラ32(第2撮像部)が撮像する領域(第2撮像領域)とは、大きさが異なる。すなわち、使用領域A31と使用領域A32との大きさが異なる。これにより、第1撮像領域と第2撮像領域との境界部の位置を検査部16のY方向の中心部からずらすことができる。よって、検査部16のY方向の中心部に位置する凹部161Bにおいても、ICデバイス90の有無の判断を正確に行うことができる。
また、第1カメラ31(第1撮像部)の、第1光反射面331(第1光反射部)から検査部16(電子部品載置部)までの光軸O31は、第2光反射面332(光反射部)を含む仮想平面と第2カメラ32(第2撮像部)の光軸O32との交点と交わっている。これにより、図20に示すように、第1カメラ31および第2カメラ32が撮像するアングルを、同じにすることができる。さらに、第1カメラ31および第2カメラ32が撮像するアングルを、理想の位置Pbestに撮像部を載置して撮像した場合のアングルと同じにすることができる。
なお、前述したように、デバイス搬送ヘッド17の+Z側のスペースは限られているため、理想の位置Pbestに撮像部を配置するのは困難である。しかしながら、第1カメラ31および第2カメラ32をY方向に沿って配置し、光反射部33を設けることにより、装置の小型化を図りつつ、検査部16の撮像を行うことができる。
なお、図20に示すように、第1光反射面331の法線N1と、第2光反射面332の法線N2とのなす角度θ3は、85°以上、95°以下であるのが好ましく、88°以上、92°以下であるのがより好ましい。これにより、光反射部33をX方向から見たときの頂角を略直角とすることができ、第1カメラ31および第2カメラ32を設置する際、第1カメラ31の光軸と第2カメラ32の光軸とを平行に設置すればよく、これらの設置を容易に行うことができる。
次に、図23に示すフローチャートに基づいて、制御部800の制御動作を説明する。以下の制御動作は、ICデバイス90を検査部16に搬送して検査を行い、検査部16からICデバイス90を除去した状態での制御動作である。
まず、ステップS101において、レーザー光源41を作動させて、各凹部161にレーザー光L1を照射する(図5参照)。なお、このとき、本実施形態では、照明5は消灯させた状態としておく。これにより、次のステップS102で得られる画像D1または画像D2において、レーザー光L1のラインを際立たせることができる。
次いで、ステップS102において、第1カメラ31を用いて検査部16を撮像する。これにより、図12または図13に示すような、画像D1(第1画像)または画像D2(第1画像)を得ることができる。なお、ステップS102における撮像は、図16および図17に示す撮像可能状態のときに行われる。なお、撮像が終わると、レーザー光L1の照射を停止する。
次いで、ステップS103において、残留状態か除去状態かを判断する。本実施形態では、予め、ずれ量ΔD2の画像D2を取得してメモリー802に記憶しておき、画像D2でのレーザー光L1のずれ量に基づいて、残留状態か除去状態かの判断が行われる。なお、ステップS103において、残留状態であると判断した場合には、後述するステップS105に移行する。
ステップS104において、除去状態であると判断した場合、デバイス搬送ヘッド17に把持異常が生じていないか否かを判断する。なお、把持異常とは、例えば、ICデバイス90をデバイス搬送ヘッド17が把持していない状態のことを言う。この把持異常は、例えば、デバイス搬送ヘッド17の吸引圧を検出することにより行われる。
ステップS104において、把持異常が生じていると判断した場合、すなわち、電子部品載置部である検査部16にICデバイス90(電子部品)が配置されていると判断した場合、把持部であるデバイス搬送ヘッド17の作動を停止する。なお、ステップS105では、ICデバイス90を把持したまま、移動を停止する。これにより、残留状態で、搬送動作を継続するのを防止することができる。
そして、ステップS106において、照明5を点灯して、検査部16全体に光L2を照射する。
次いで、ステップS107において、第1カメラ31により検査部16を撮像する。これにより、図14または図15に示すような、画像D1’(第2画像)または画像D2’(第2画像)を得ることができる。なお、ステップS107における撮像は、図16および図17に示す撮像可能状態のときに行われる。
次いで、ステップS108において、残留状態か除去状態かを判断する。ステップS108では、前述したように、撮像した画像D1’および画像D2’に基づいて、ICデバイス90の色や、明るさを検出し、残留状態か除去状態かを判断する。本実施形態では、予め、除去状態の画像D2’を取得し、メモリー802に記憶しておき、得られた画像D1’または画像D2’と比較する。
ステップS108において残留状態であると判断した場合には、ステップS109において、残留状態であることを報知する。この報知は、報知部24を作動させることにより行われる。この報知により、オペレーターは、検査部16のICデバイス90を取り除き、残留状態を解消することができる。そして、オペレーターは、例えば、操作パネル700により、搬送再開のボタンを押すことができる。
そして、ステップS110において、再開ボタンが押されたと判断した場合、ステップS111において、検査部16を再度撮像し、ステップS112において残留状態か除去状態かを判断する。なお、ステップS112では、第1判断を行ってもよく、第2判断を行ってもよく、第1判断および第2判断の双方を行ってもよい。また、ステップS112での判断に応じて、ステップS111で撮像する際にレーザー光源41を点灯させるか照明5を点灯させるか、または、双方を点灯させるかが決定される。また、ステップS111での撮像が完了したら、点灯させたレーザー光源41または照明5を消灯させる。
ステップS112において、除去状態であると判断した場合、ステップS113において、搬送を再開する。ステップS112において、残留状態であると判断した場合、ステップS109に戻り、残留状態であることを報知する。
このように本実施形態では、第1画像である画像D1または画像D2に基づいて判断(第1判断)を行った後に、第2画像である画像D1’または画像D2’に基づいて判断(第2判断)を行う。このように輝度が異なる光を照射して撮像した第1画像および第2画像を用いて2段階で残留状態か除去状態かを判断するため、その判断をより正確に行うことができる。
また、電子部品搬送装置10では、上記判断は、デバイス搬送ヘッド13やデバイス搬送ヘッド20にも適用することができるが、検査領域A3のデバイス搬送ヘッド17に適用することにより、すなわち、電子部品載置部は、ICデバイス90の検査が行われる検査部16であるのが好ましい。これにより、検査部16において、残留状態か除去状態かを判断する構成とすることにより、ICデバイス90の検査を効率よく行うことができる。
以上説明したように、電子部品搬送装置10によれば、光照射部としてのレーザー光源41が第1輝度のレーザー光L1を出射した状態で検査部16(電子部品載置部)を撮像した第1画像である画像D1または画像D2と、レーザー光源41が第1輝度よりも小さい第2輝度の光L2を出射している状態で検査部16を撮像した第2画像である画像D1’または画像D2’とのうちの少なくとも一方の画像に基づいて、検査部16に電子部品であるICデバイス90が配置されているか否の判断を行う。
これにより、電子部品載置部に対する電子部品の搬送動作を行った後に、電子部品が電子部品載置部に残留しているか否かを検出することができる。特に、輝度が異なる光を照射して撮像した2つの画像のうちの少なくとも一方の画像に基づいて、ICデバイス90が検査部16に残留しているか否かを判断するため、その判断をより正確に行うことができる。
また、第2輝度は、第1輝度よりも低ければよく、ゼロの状態、すなわち、照明5が光L2を照射していない状態も含む。
<第2実施形態>
以下、図24を参照して本発明の電子部品搬送装置および電子部品検査装置の第2実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、制御部の制御動作が異なること以外は前記第1実施形態と略同様である。
なお、以下の制御動作は、ICデバイス90を検査部16に搬送して検査を行い、検査部16からICデバイス90を除去した状態での制御動作である。
まず、ステップS201において、第1判断を行うか第2判断を行うかを選択する。ステップS201では、光照射部であるレーザー光源41や照明5の照射条件、検査部16(電子部品載置部)の色、ICデバイス90(電子部品)の色、第1カメラ31の分解能のうちの少なくとも1つの条件に基づいて、第1画像(画像D1、D2)および第2画像(画像D1’、D2’)から、残留状態か除去状態かの判断の際に用いる画像を選択する。これにより、残留状態か除去状態かの判断を行うのに際し、より良い条件の画像を用いることができる。よって、ICデバイス90が検査部16に残留しているか否かをより正確に判断することができる。
なお、照射条件とは、例えば、レーザー光L1の出射角度や、レーザー光L1の輝度や、光L2の輝度等が挙げられる。これらの条件と、例えば、検査領域A3内の明るさとの検量線を予めメモリー802に記憶しておき、検量線に基づいて、ステップS201の判断を行うことができる。
ステップS201において第1画像を用いると判断した場合、ステップS202において、レーザー光源41を作動させて、各凹部161にレーザー光L1を照射する(図5参照)。
そして、ステップS203において、第1カメラ31を用いて検査部16を撮像する。これにより、図12または図13に示すような、画像D1(第1画像)または画像D2(第1画像)を得ることができる。
次いで、ステップS204において、第1実施形態のステップS103と同様に、残留状態か除去状態かを判断する。ステップS204において、残留状態であると判断した場合、ステップS205において、デバイス搬送ヘッド17の作動を停止し、ステップS206において、報知部24により、残留状態であることを報知する。
そして、ステップS207において、再開ボタンが押されたと判断した場合、ステップS208において、検査部16を再度撮像し、ステップS209において残留状態か除去状態かを判断する。なお、ステップS209では、第1判断を行ってもよく、第2判断を行ってもよく、第1判断および第2判断の双方を行ってもよい。また、ステップS209での判断に応じて、ステップS208で撮像する際にレーザー光源41を点灯させるか照明5を点灯させるか、または、双方を点灯させるかが決定される。また、ステップS208での撮像が完了したら、点灯させたレーザー光源41または照明5を消灯させる。
ステップS209において、除去状態であると判断した場合、ステップS210において、搬送を再開する。ステップS209において、残留状態であると判断した場合、ステップS206に戻り、残留状態であることを報知する。
なお、ステップS201において、第2画像を用いる、すなわち、第2判断を行うと判断した場合、ステップS211において、照明5を点灯させ、ステップS212において、第1カメラ31により検査部16を撮像し、第2画像を得る。そして、ステップS213において、第1実施形態でのステップS108と同様にして、残留状態か除去状態かを判断する。ステップS213において、残留状態であると判断した場合、ステップS205に移行し、以下のステップを行う。
<第3実施形態>
以下、図25〜図27を参照して本発明の電子部品搬送装置および電子部品検査装置の第3実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、制御部の制御動作が異なること以外は前記第1実施形態と略同様である。
図25に示すように、本実施形態では、検査部16の+X側には、照度を検出する照度センサー25が設けられている。この照度センサー25は、図示はしないが、制御部800と電気的に接続されており、照度センサー25が検出した照度の情報は、制御部800に送信される。
また、検査部16の上面のうち、−X軸側の端部近傍には、マーカー26が設けられている。マーカー26は、互いに色が異なる領域を有する着色部等により構成されている。
次に、図27に示すフローチャートを用いて、本実施形態での制御部800の制御動作について説明するが、以下の制御動作は、ICデバイス90を検査部16に搬送して検査を行い、検査部16からICデバイス90を除去した状態での制御動作である。
まず、ステップS301において、レーザー光源41および照明5を点灯させる。このとき、レーザー光L1を際立たせるためには、光L2の輝度を小さくするのが好ましいが、光L2の輝度が小さすぎると、第2判断を正確に行うのが困難になる可能性が有る。
そこで、ステップS302において、レーザー光L1および光L2のうちの少なくとも一方の輝度の調整を行う。なお、この調整は、照度センサー25が検出した照度の情報(検査領域A3内の明るさ)または画像の輝度分布から得られる情報等に応じて、レーザー光源41および照明5のうちの少なくとも一方の出力を調整することにより行われる。
そして、この調整状態で、ステップS303において、第1カメラ31を用い、図26に示す画像D3を撮像する。この画像D3は、図12および図13に示す画像D1、D2よりも大きく、凹部161の周辺部も撮像されているものである。
そして、ステップS304において、残留状態か除去状態かの判断を行う。ステップS304の判断は、第1実施形態でのステップS108および第2実施形態でのステップS204と同様にして行われる。なお、ステップS304では、例えば、図26に示すように、検査部16の上面にICデバイス90が不本意に配置されてしまった場合であっても、そのことを検出することができる。なお、本実施形態では、この場合も残留状態に含む。特に、検査部16の上面にICデバイス90が不本意に配置されてしまった場合、本実施形態では、レーザー光L1のラインがICデバイス90の上面にてX方向の位置がずれる。このため、検査部16の上面にICデバイス90が不本意に配置されてしまったことを正確に検出することができる。
ステップS304において、残留状態であると判断した場合には、ステップS305において、デバイス搬送ヘッド17の作動を停止させ、ステップS306において、報知部24により、残留状態であることを報知する。
そして、ステップS307において、再開ボタンが押されたと判断した場合、ステップS308において、検査部16を再度撮像し、ステップS309において残留状態か除去状態かを判断する。なお、ステップS309では、第1判断を行ってもよく、第2判断を行ってもよく、第1判断および第2判断の双方を行ってもよい。また、ステップS309での判断に応じて、ステップS308で撮像する際にレーザー光源41を点灯させるか照明5を点灯させるか、または、双方を点灯させるかが決定される。また、ステップS308での撮像が完了したら、点灯させたレーザー光源41または照明5を消灯させる。
ステップS309において、除去状態であると判断した場合、ステップS310において、搬送を再開する。ステップS309において、残留状態であると判断した場合、ステップS306に戻り、残留状態であることを報知する。
<第4実施形態>
以下、図28を参照して本発明の電子部品搬送装置および電子部品検査装置の第4実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、カメラが3つ設けられていること以外は前記第1実施形態と同様である。
図28に示すように、本実施形態では、撮像部は、第1画像である画像D1、D2を撮像する第1撮像部である第1カメラ31と、第2撮像部である第2カメラ32とに加え、第2画像である画像D1’、D2’を撮像する第3撮像部であるカメラ34とを有する。すなわち、本実施形態では、画像D1、D2を撮像する専用の第1カメラ31および第2カメラ32と、画像D1’、D2’を撮像する専用のカメラ34とを有する構成となっている。このため、第1カメラ31および第2カメラ32を比較的高い分解能を有するものとし、カメラ34を、第1カメラ31および第2カメラ32よりも低い分解能を有するものとすることができる。その結果、第2判断において、制御部800とカメラ34との間でのデータのやり取りにかかる時間を短縮することができる。
<第5実施形態>
以下、図29〜図31を参照して本発明の電子部品搬送装置および電子部品検査装置の第5実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、制御部800の制御動作が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
以下、図29に示すフローチャートを用いて本実施形態での制御部800の制御動作について説明するが、以下の制御動作は、ICデバイス90を検査部16に搬送して検査を行うのに先立って行われる制御動作である。
まず、ステップS401に示すように、照明5を作動させて、光L2を出射する。そして、第1カメラ31により、検査部16を撮像する(ステップS402)。次いで、ステップS403において、照明5を消灯させる。
次いで、ステップS404において、レーザー光源41を作動させて、レーザー光L1を検査部16に照射し、その状態で第1カメラ31により、検査部16を撮像する(ステップS405)。
そして、ステップS406において、ミラー42のモーター43を回動させて、レーザー光L1の照射位置を調整する。この調整は、ステップS402で撮像された画像において、中心位置Pcを割り出し(図30参照)、この中心位置Pcの座標を記憶し、ステップS405で撮像された画像において、レーザー光L1が、中心位置Pcに位置するまで調整する(図31参照)。これにより、レーザー光L1をより確実に凹部161に照射することができる。特に、検査部16の凹部161の数や配置形態は、テスト毎に異なる場合があり、この場合、検査部16の凹部161の位置に合わせて、画像を取得することができる。
なお、本実施形態では、レーザー光L1の調整は、光反射部33の回動角度と、レーザー光L1の照射位置との検量線に基づいて行われる。
<第6実施形態>
以下、図32を参照して本発明の電子部品搬送装置および電子部品検査装置の第6実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、検査部にマーカーおよび表示部が設けられていること以外は、前記第5実施形態と同様である。
図32に示すように、本実施形態では、検査部16の上面に、マーカー27と、表示部28とが設けられている。
マーカー27は、各凹部161の縁部に設けられており、凹部161におけるX方向の中心位置Pcを示すものである。このマーカー27に合わせて、レーザー光L1の照射位置を合わせることにより、ステップS402における撮像を省略することができる。よって、レーザー光L1の照射位置の調整工程の簡素化を図ることができる。
また、表示部28は、例えば、二次元バーコードで構成されている。レーザー光L1の照射位置の調整工程終了後に、表示部28を読み取り、レーザー光L1の照射位置と表示部28の情報とを紐づけてメモリー802に記憶しておくことができる。これにより、例えば、検査毎に凹部161の配置形態が異なる検査部16を使用したとしても、表示部28を読み取ることにより、レーザー光L1の照射位置が分かる。すなわち、レーザー光L1の照射位置の再現性を高めることができる。よって、レーザー光L1の照射位置の調整を簡単に行うことができる。
<第7実施形態>
以下、図33を参照して本発明の電子部品搬送装置および電子部品検査装置の第7実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、光の出射タイミングが異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
本実施形態では、レーザー光源41は、間欠的にレーザー光L1を照射する。すなわち、レーザー光源41は、レーザー光L1の照射と停止とを交互に繰り返す構成となっている。また、本実施形態でのレーザーパワーは、IEC 60825−1:2014や、JISはC 6802:2014に準じて設定される。これにより、オペレーターの安全性が確保される。
図33に示すタイミングチャートでは、図中上側のチャートが、第1カメラ31を示し、図中下側のチャートが、レーザー光源41を示している。図33に示すように、本実施形態では、光照射部であるレーザー光源41は、撮像開始時刻t1よりも先にレーザー光L1を照射し、撮像終了時刻t2よりも後にレーザー光L1の照射を停止する。これにより、第1カメラ31が撮像している間は、レーザー光L1を検査部16に照射している状態とすることができる。
さらに、光照射部であるレーザー光源41が、撮像可能なときにレーザー光L1を照射する構成とすることにより、検査部が、デバイス搬送ヘッド17に遮られるときに撮像するのを防止することができる。よって、無駄なく撮像を行うことができる。
<第8実施形態>
以下、図34および図35を参照して本発明の電子部品搬送装置および電子部品検査装置の第8実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、制御部の制御動作および検査部の凹部の配置形態が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
図34に示すように、本実施形態では、検査部16には、8つの凹部161が設けられている。検査部16では、4つの凹部161がX方向に一列に並んで配置され、その列の+Y側にさらに4つの凹部161が一列に並んで配置されている。
このような検査部16では、検査部16のX方向の中心よりも+X側の4つの凹部161におけるレーザー光L1の照射および撮像を検出ユニット2Aが担い、検査部16のX方向の中心よりも−X側の4つの凹部161におけるレーザー光L1の照射および撮像を検出ユニット2Bが担う。以下、検出ユニット2Aと、検査部16のX方向の中心よりも+X側の4つの凹部161とを代表的に説明する。
第1実施形態で述べたように、検出ユニット2Aでは、4つのレーザー光源41が設けられており、1つのレーザー光源41でY方向に並ぶ2つの凹部161にレーザー光L1を照射する。このため、図34に示すような凹部161の配置形態であると、2つのレーザー光源41を作動させればよいため、検出ユニット2Aにおいて、4つのレーザー光源41のうち、2つのレーザー光源41を選択して作動させる。なお、4つのレーザー光源41を、+X側から順にレーザー光源41A、レーザー光源41B、レーザー光源41Cおよびレーザー光源41Dとする。
この選択の際、前述したように、レーザー光L1の入射角θ1を大きくすれば大きくするほど、第1判断を正確に行うことができる。よって、検出ユニット2Aのうち、+X側のレーザー光源41Aおよびレーザー光源41Bが選択される(図35参照)。
なお、例えば、レーザー光源41Aのレーザー光L1の入射角θ1が、凹部161の内周面162とZ方向とのなす角度θ2よりも大きかった場合には、レーザー光源41Aを選択するのを省略し、レーザー光源41Bおよびレーザー光源41Cを選択する(図示せず)。
このように、本実施形態では、入射角θ1<角度θ2を満足しつつ、入射角θ1が可及的に大きくなるようレーザー光源41の選択を行う。これにより、検査部16における凹部161の配置形態を問わず、第1判断を正確に行うことができる。
<第9実施形態>
以下、図36を参照して本発明の電子部品搬送装置および電子部品検査装置の第9実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、検査部における凹部の配置形態と、第1撮像部および第2撮像部の撮像範囲とが異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
図36に示すように、本実施形態では、検査部16には、14個の凹部161が設けられている。検査部16では、7つの凹部161がX方向に一列に並んで配置され、その列の+Y側にさらに7つの凹部161が一列に並んで配置されている。また、凹部161は、X方向に沿った1つの列において、奇数個の凹部161が設けられているため、検査部16のX方向の中心部に凹部161が配置されている。
また、本実施形態では、検出ユニット2Aの第1カメラ31と、検出ユニット2Bの第1カメラ31との撮像範囲が互いに重なり合った重なり部を有している。具体的には、検出ユニット2Aの第1カメラ31は、+X側から4つの凹部161を撮像し、検出ユニット2Bの第1カメラ31は、−X側から4つの凹部161を撮像する。このため、真ん中の凹部161(凹部161D)は、検出ユニット2Aの第1カメラ31と、検出ユニット2Bの第1カメラ31との双方に撮像されている。すなわち、検出ユニット2Aの第1カメラ31が撮像する画像D31Aにも映っており、検出ユニット2Bの第1カメラ31が撮像する画像D31Bにも映っている。なお、このことは、検出ユニット2Aの第2カメラ32が撮像する画像D32Aと、検出ユニット2Bの第2カメラ32が撮像する画像D32Bにおいても同様である。
このような構成によれば、X方向の中心部に凹部161が位置している検査部16であっても、中心部に位置している凹部161Dを確実に撮像することができる。すなわち、凹部161Dが、画像D31Aおよび画像D31Bの境界部に位置するのを防止することができる(画像D32Aおよび画像D32Bについても同様)。よって、凹部161におけるICデバイス90の有無の判断を正確に行うことができる。
なお、凹部161Dにおける判断は、画像D31Aおよび画像D31Bのうちの少なくとも一方に基づいて行うことができる(画像D32Aおよび画像D32Bについても同様)。
また、第1カメラ31および第2カメラ32として、CCDカメラを採用した場合、図36中左右方向に順次露光を行い、図36中上下方向に順次読み出しを行う。本実施形態では、第1カメラ31および第2カメラ32が撮像する画像が図中左右方向を長手方向とする形状をなしているため、図中上下方向の読み出し回数が増大するのを抑制することができる。その結果、撮像した画像の読み出しに係る時間を短縮することができ、画像に基づいた判断を円滑に行うことができる。
<第10実施形態>
以下、図37を参照して本発明の電子部品搬送装置および電子部品検査装置の第10実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、制御部の制御動作が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
本実施形態では、第1実施形態でのステップS105において(図23参照)、搬送を停止した際、図37に示すように、デバイス搬送ヘッド17Aおよびデバイス搬送ヘッド17Bは、互いに反対方向に移動する。これにより、デバイス搬送ヘッド17Aおよびデバイス搬送ヘッド17Bの間隙Sが広がる。
そして、この間隙Sが広がった状態で、ステップS106およびステップS107を経て、第2画像を撮像する。これにより、間隙Sが広がった分、一度の撮像において、検査部16のより多くの領域が撮像された第2画像を得ることができる。その結果、ステップS107での撮像の簡略化を図ることができる。
<第11実施形態>
以下、図38および図39を参照して本発明の電子部品搬送装置および電子部品検査装置の第11実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、デバイス搬送ヘッドの動作が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
図38および図39に示すように、本実施形態では、デバイス搬送ヘッド17Aおよびデバイス搬送ヘッド17Bは、それぞれ、検査部16の凹部161に対応する吸着部(図示せず)を有しており、交互に検査部16へのICデバイス90(図示せず)の搬送を行う。
すなわち、図38に示すように、デバイス搬送ヘッド17Bが検査部16に対してICデバイス90を搬送しているときには、デバイス搬送ヘッド17Aは、検査部16の−Y側に外れた位置に位置している。一方、図39に示すように、デバイス搬送ヘッド17Aが検査部16に対してICデバイス90を搬送しているときには、デバイス搬送ヘッド17Bは、検査部16の+Y側に外れた位置に位置している。
このように、本実施形態では、検査部16に対して、一方のデバイス搬送ヘッド17がICデバイス90の搬送を行い、これを交互に繰り返す構成となっている。
このような第11実施形態によっても前記第1実施形態と同様の効果を奏する。
<第12実施形態>
以下、図40〜図42を参照して本発明の電子部品搬送装置および電子部品検査装置の第12実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、デバイス搬送ヘッドの動作が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
本実施形態の検査部16は、X方向に凹部161が並んだ列が、Y方向に4列設けられている。
デバイス搬送ヘッド17Aおよびデバイス搬送ヘッド17Bは、上記4列の凹部161のうち、2列ずつを担当する。
具体的には、図40に示すように、+Y側の2列の凹部161へのICデバイス90(図示せず)の搬送を、デバイス搬送ヘッド17Bが担い、−Y側の2列の凹部161へのICデバイス90(図示せず)の搬送を、デバイス搬送ヘッド17Aが担っている。
また、図41に示すように、検査部16からICデバイス90を搬出するとき等には、デバイス搬送ヘッド17Bは、+Y側に移動し、デバイス搬送ヘッド17Aは、−Y側に移動する(図41中矢印α17Aおよび矢印α17B参照)。すなわち、デバイス搬送ヘッド17Aおよびデバイス搬送ヘッド17Bは、Z方向から見た際、互いに接近離間を繰り返すように移動する。
なお、図42に示すように、デバイス搬送ヘッド17Aおよびデバイス搬送ヘッド17Bは、互いに離間する際、Y方向およびZ方向に移動することができるため、円弧を描くように移動することができる(図42中矢印α17Aおよび矢印α17B参照)。
このような第12実施形態によっても前記第1実施形態と同様の効果を奏する。
以上、本発明の電子部品搬送装置および電子部品検査装置を図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、電子部品搬送装置および電子部品検査装置を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
また、本発明の電子部品搬送装置および電子部品検査装置は、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
なお、本発明の電子部品搬送装置では、撮像部は、フルカラーの画像を撮像するものであってもよく、モノクロの画像を撮像するものであってもよい。
また、前記各実施形態では、第1判断を行う際、第1凹部の底部に照射されたレーザー光のラインと、第2凹部の底部または電子部品の上面に照射されたレーザー光のラインとを比較する構成、すなわち、第1凹部の底部に照射されたレーザー光のラインを基準とする構成について説明したが、本発明ではこれに限定されず、例えば、検査部の上面に照射されたレーザー光のラインを基準として用いてもよい。
また、前記各実施形態では、光反射部駆動部として、モーターを用いる場合について説明したが、本発明ではこれに限定されず、例えば、ソレノイドや、MEMS(Micro Electro Mechanical System)構造体等を用いることができる。