JPH11229376A - 杭の打設方法 - Google Patents

杭の打設方法

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JPH11229376A
JPH11229376A JP10037396A JP3739698A JPH11229376A JP H11229376 A JPH11229376 A JP H11229376A JP 10037396 A JP10037396 A JP 10037396A JP 3739698 A JP3739698 A JP 3739698A JP H11229376 A JPH11229376 A JP H11229376A
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liquid
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義則 住友
Masanori Murashima
正憲 村島
Hiroshi Takamori
洋 高森
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 騒音や振動が少なく、かつ十分な支持力を確
保することができるとともに、狭小地においても容易に
実施することができる杭の打設方法を提供する。 【解決手段】 液状の硬化剤8を地盤Gに注入しなが
ら、回転圧入により杭1を地盤Gに貫入する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、杭の打設方法に
関し、詳しくは杭を回転させながら地盤に圧入すること
により打設する方法に関する。
【0002】
【従来の技術・発明が解決しようとする課題】例えば小
径の鋼管よりなる杭を打設する方法として、モンケン打
ちと呼ばれる工法がある。このモンケン打ち工法は、1
t程度のおもりを杭の頭部に落下させることにより該杭
を打設するものである。
【0003】上記モンケン打ち工法においては、おもり
を杭の頭部に落下させて打ちつけるため、相当の騒音お
よび振動を生じるという問題がある。また、大型の機械
を必要とするため、狭小地では実施が困難である。
【0004】一方、回転圧入工法と呼ばれる工法も実施
されている。この回転圧入工法は、例えば図17に模式
的に示すように、杭12を回転させながら地盤Gに圧入
することにより打設するものである。
【0005】上記回転圧入工法によれば、前記モンケン
打ち工法の場合に比して、騒音や振動を大きく軽減する
ことができるが、その反面、杭12の支持力が不十分と
なる場合がある。
【0006】杭の支持力は、周面の摩擦力と先端の支持
力との和として得られる。ここで、上記回転圧入工法の
場合、図17に示すように杭12の先端にある土をほぐ
しながら該杭12を圧入していくものであるため、該杭
12の周面が空隙率の高い軟弱な土S2で覆われ、その
結果周面の摩擦力がほぼ0に近い状態となりやすい。ま
た、最終の打ち止めの時点であっても、該杭12の先端
にある土が軟弱となっている可能性は大であり、したが
って先端の支持力も確保し難いといえる。以上のことか
ら、回転圧入工法によっては十分な支持力を確保し得る
とは言い難い。
【0007】また、杭12を地盤Gに圧入するのに大き
な反力を必要とするため大型の機械が必要であり、した
がってこの回転圧入工法の場合にも狭小地には適用し難
いという問題がある。
【0008】この発明は、上記の点に鑑み、騒音や振動
が少なく、かつ十分な支持力を確保することができると
ともに、狭小地においても容易に実施することができる
杭の打設方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
になされたこの発明の請求項1に記載の杭の打設方法
は、杭を回転させながら地盤に圧入することにより打設
する方法であって、液状の硬化剤を地盤に注入しながら
前記杭を圧入することを特徴とするものである。
【0010】また、この発明の請求項2に記載の杭の打
設方法は、前記請求項1に記載の杭の打設方法におい
て、前記杭として鋼管杭を用い、該杭の先端部に孔を設
けておき、前記硬化剤を、上記杭の上端部から内部に導
入して上記孔から放出することにより地盤に注入するこ
とを特徴とするものである。
【0011】また、この発明の請求項3に記載の杭の打
設方法は、前記請求項2に記載の杭の打設方法におい
て、前記孔を杭の先端面に設けておくことを特徴とする
ものである。
【0012】また、この発明の請求項4に記載の杭の打
設方法は、前記請求項1乃至3に記載の杭の打設方法に
おいて、前記杭の周面において、先端部には突起物を設
けておくとともに、該突起物より上方の部位には爪部を
突設しておくことを特徴とするものである。
【0013】また、この発明の請求項5に記載の杭の打
設方法は、前記請求項1乃至4に記載の杭の打設方法に
おいて、前記杭の先端面にブレードを突設しておくこと
を特徴とするものである。
【0014】また、この発明の請求項6に記載の杭の打
設方法は、前記請求項1乃至5に記載の杭の打設方法に
おいて、前記杭として、本体部材と、該本体部材に連結
される先端部材とを備えるものを用い、該先端部材に突
起物を設けておくことを特徴とするものである。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づき具体的に説明する。図1には、本発明の杭の打設
方法により杭の打設を行っている状況の一例が模式的に
示されている。同図においては、杭1を回転させながら
地盤Gに圧入するようにしている。
【0016】杭1は、小径の鋼管杭であり、図2に示す
ように、本体部材11の先端側に継手部材12を介して
先端部材13を固着した構成となっている。
【0017】継手部材12は、本体部材11と先端部材
13とを連結するためのものであり、本体部材11を構
成する鋼管の外径にほぼ等しい内径を有する短尺の鋼管
よりなる。
【0018】継手部材12の外周面において、該継手部
材12の径方向に沿って互いに反対側に位置する2箇所
には、攪拌用突出片14、14がそれぞれ配設されてい
る。この攪拌用突出片14、14は、杭1を地盤Gに貫
入する際、該杭1とともに回転して土をほぐすように動
作するものであり、図3に示すように、方形状の鋼製プ
レートを、図中の矢印Aに示す継手部材12の回転方向
に対し下傾する態勢で、継手部材12の外周面に突設し
た構成となっている。
【0019】また、継手部材12の下端縁において、該
継手部材12の径方向に沿って互いに反対側に位置する
2箇所には、半円形の凹部15がそれぞれ配設されてい
る(図では一方の凹部15のみを示す)。
【0020】先端部材13は、図2に示すように、本体
部材11を構成する鋼管と同径で、やや短尺(ただし継
手部材12より長尺)の鋼管よりなる。先端部材13の
外周面の上端近傍において、該先端部材13の径方向に
沿って互いに反対側に位置する2箇所には、係合用突起
16がそれぞれ配設されている(図では一方の係合用突
起16のみを示す)。この係合用突起16は、前記継手
部材12の凹部15に係合して該継手部材12を所定位
置に保持する部位であり、該凹部15に対応する円柱状
の小突起となっている。
【0021】先端部材13の中間部よりやや下方には、
ウイング2が設けられている。このウイング2は、前記
継手部材12の攪拌用突出片14、14と同様に、杭1
とともに回転して土をほぐすように動作する部位であ
り、先端部材13の周面に沿って1ピッチのスパイラル
状に延びる鍔状の突起物となっている。ここに示すウイ
ング2は、上記のようにスパイラル状に延びる鍔状突起
物であるので、大きな反力を要することなく容易に土中
に貫入させることができるとともに、十分に土をほぐす
ことができる。
【0022】ウイング2のピッチは、例えば土質に応じ
て適宜設定するようにすることができる。例えば、砂質
土の場合には大ピッチとし、粘性土の場合には小ピッチ
とすればよい。
【0023】先端部材13の先端面は閉塞されるととも
に、先端近傍の周壁には1つの孔3が穿設されている。
この孔3は、後記するように硬化剤の吐出口として機能
するものである。なお後記するように、この孔3は先端
部材13の先端面に穿設するようにしてもよい。先端部
材13の外周面の先端近傍において、上記孔3の側方に
は、土圧抑制用突起17が配設されている。この土圧抑
制用突起17は、杭1を回転圧入する際に孔3が土圧を
うけて閉塞されることを抑制するためのものであり、円
柱状の小突起として形成されている。
【0024】先端部材13の外周面の先端部において、
該先端部材13の径方向に沿って互いに反対側に位置す
る2箇所には、攪拌用爪18、18がそれぞれ配設され
ている。この攪拌用爪18、18は、前記攪拌用突出片
14、14ならびにウイング2と同様に、杭1とともに
回転して土をほぐすように動作する部位である。該攪拌
用爪18、18は、短尺の丸鋼の一方端部の外周面を、
先端部材13の外周面の先端部に固着することにより設
けられ、これにより該攪拌用爪18の大部分が先端部材
13の下端から下方へ突出するようになっている。
【0025】上記本体部材11と先端部材13とは、図
4に示すように、継手部材12の凹部15を先端部材1
3の係合用突起16に係合するようにして、該継手部材
12を先端部材13の上端部に外嵌し、本体部材11の
下端部を継手部材12に上方から嵌挿するようにして、
この状態で継手部材12の上端縁および下端縁を溶接す
ることにより連結することができる。
【0026】上記のように、ウイング2等の突起物を設
けた先端部材13を本体部材11とは別体として構成
し、これらの部材を連結する構成とすることにより、先
端部材13を、使用時以外には本体部材11と分離して
おくことができ、したがって保管および運搬に有利であ
る。また、従来使用されていた鋼管杭の先端に上記先端
部材13を連結して使用することもでき、この場合に
は、先端部材13(および継手部材12)のみを作製す
ればよい。さらにまた、例えばウイング2のピッチが異
なる複数の先端部材13を用意しておき、現場で土質に
応じてこれら先端部材13を使い分けるといったことも
可能である。
【0027】杭1の本体部材11の周面には、図2に示
すように、爪部4が突設されている。この爪部4は、杭
1を地盤Gに貫入する際、周面の土との摩擦力を低減し
て施工をしやすくするとともに、周面の土をほぐして、
後述するCB液8の注入を容易とするためのものであ
る。該爪部4は側面視くの字形状の棒材となっており、
両端をそれぞれ上下に向けて本体部材11の周面に固着
するようにして突設されている。また該爪部4は、本体
部材11の周面に沿ってスパイラル状に点在する複数箇
所に突設されている。ここに示す爪部4は、上記のよう
に両端が本体部材11の周面に固着されているため強度
に優れるものとなっている。
【0028】杭1は、図1に示すように、圧入装置5に
より、回転しながら地盤Gに圧入されるようになってい
る。ここで、杭1の上端部は、ホース6を介して硬化剤
槽7に接続されている。硬化剤槽7には、硬化剤として
セメントベントナイト液(本明細書においては、CB液
とも称す)8が貯留されており、ポンプによりホース6
を経て杭1の内部に導入される。杭1内に導入されたC
B液8は、前記先端部材13の先端部の孔3から放出さ
れ、これにより、CB液8が地盤Gに注入される。この
ように、杭1の先端部に孔3を設けておき、CB液8を
杭1の上端部から内部に導入して先端部の孔3から放出
することにより、該CB液8を杭1の先端にある土に効
率よく注入することができるとともに、鋼管杭である杭
1の内腔を有効に利用することができ、簡単な構成でC
B液8を地盤Gに注入することができる。
【0029】上記工程においては、前記したように杭1
が回転しながら地盤Gに圧入されるため、前記ウイング
2等によりCB液8と土とが攪拌される。
【0030】上記のようにCB液8を地盤Gに注入しつ
つ、杭1を回転させながら地盤Gに圧入することによ
り、杭1の先端にある土がCB液8と攪拌混合され、十
分に軟化する。このため、杭1を地盤Gに圧入するのに
大きな反力は不要であり、したがって小型の圧入装置5
により杭1の圧入を行うことができる。
【0031】また、杭1の圧入工程の間に地盤Gにおい
てほぐされた部分は、空気や水が侵入して空隙率が高い
状態となるが、その空隙にはCB液8が充填される。こ
こで、CB液8は水よりも比重が大であるため、例えば
地盤G内のほぐされた部分に水が集中して滞留しても、
CB液8が充填されることにより水は排出される。
【0032】上記のようにして杭1の圧入を完了した時
点では、杭1は前記したようにCB液8と攪拌混合され
て軟化した土で覆われているが、このCB液8と土との
混合物(以下、改良土とも称す)は、施工後2〜3日程
度で硬化する。その結果、図5に示すように、杭1の周
面および先端は、固化した改良土の層S1で被覆された
状態となる。この固化した改良土層S1は、結合力が元
の地盤Gと同等かあるいは該地盤Gよりも強くなり、こ
のため、杭1の周面の摩擦力も先端の支持力もともに向
上する。したがって、杭1の支持力が増大する。
【0033】また、杭1の先端部には突起物としてウイ
ング2が設けられているので、このウイング2が前記固
化した改良土層S1と一体化し、これにより杭1先端の
拡底効果が得られる。
【0034】また、少なくとも元の地盤Gの硬さを有す
る改良土層S1が杭1の周囲に固着一体化することか
ら、該改良土層S1も杭の一部のように機能することが
できる。即ち、図5に示すように、杭1の径d1が、改
良土層S1の厚さの分増大した径d2となる。なお、上
記増大した径d2は、突起物、爪部等の、杭1に突設さ
れた部位のうち最も大きく突出する部位の径に等しくな
るが、若干量のCB液8がさらに外方へ浸透する場合も
あり、この場合には上記径d2もさらに大となる(図で
は径d2は実際よりもやや大きくして示している)。
【0035】図6乃至図8には、爪部の他の例が示され
ている。図6に示す爪部4は、側面視鉤形状の棒材であ
り、一方片を垂下させた状態で、他方片の端部を杭1の
本体部材11の周面に固着するようにして突設されてい
る。該図6に示す爪部4の突設箇所は前記図2に示す爪
部4の場合と同様である。この図6に示す爪部4は、一
端のみを本体部材11の周面に固着しているため、前記
図2に示す爪部4に比して、容易に設けることができる
という利点があり、また、垂下させた部分により、土中
に貫入させやすいものとなっている。図7に示す爪部4
は、短尺の鉄筋を本体部材11の周面に水平に突設した
ものであり、この場合もその突設箇所は前記と同様であ
る。この図7に示す爪部4は、本体部材11の周面から
水平に突出する部分のみよりなるため、前記図2または
図6に示す爪部4に比して、構成がより簡単であり、一
層容易に設けることができる。図8に示す爪部4は、前
記継手部材12の攪拌用突出片14と同様に、方形状の
鋼製プレートを本体部材11の回転方向に対し下傾する
態勢で、本体部材11の外周面に突設した構成となって
おり、杭1とともに回転して土をほぐすように機能す
る。この図8に示す爪部4の突設箇所も前記図2に示す
爪部4の場合と同様である。特にこの図8に示す爪部4
は、周面の土をほぐすだけでなく、CB液と土とを十分
に攪拌混合することができ、周面の土の固化度を向上さ
せることができる。
【0036】また、先端部材13および継手部材12に
設ける突起物としては、回転することにより土をほぐす
ことができるとともに、CB液8と土とを攪拌し得るも
のであれば、前記ウイング2や攪拌用突出片14、14
以外にも任意のものを設けることができ、例えばヒレ状
の突起物や、あるいは図9に示すように、先端部材13
の先端部の周面上の複数箇所から側方へそれぞれ突出す
る耳状の突起物2を設けるようにしてもよい。図9に示
す耳状の突起物2は、前記図2に示すウイング状の突起
物2に比して、構成が簡単で容易に設けることができる
という利点がある。また、該耳状の突起物2は、先端部
材13の先端部の孔3の側方に設けられているため、前
記図2に示す土圧抑制用突起17の機能も兼ねることが
できる。さらに、上記耳状の突起物2は、図10に示す
ように、先端部材13の回転方向に対し下傾する態勢と
なるように設けるようにしてもよく、これにより土をよ
り効率よくほぐすことができる。
【0037】また、本体部材11と先端部材13とを一
体として設けるようにしてもよい。
【0038】図11には、先端部材の他の例が示されて
いる。同図に示す先端部材13は、周壁ではなく先端面
の中央部に孔3が穿設されている。孔3を杭1の先端面
に穿設することにより、杭1の先端の土にCB液をより
確実かつ効率的に注入することができる。また、先端部
材13の先端面には、下方に延びるブレード19が突設
されている。このブレード19は、杭1とともに回転し
て土をほぐすように動作する部位であるが、杭1の先端
面に突設されているので、土を効率よくほぐすことがで
きるとともに、該土をCB液と十分に攪拌混合すること
ができる。該ブレード19は、下端縁の中央部が下方に
突出する5角形状(即ち概略ホームベース状)の鋼製プ
レートの上端縁を、先端部材13の先端面に径方向に沿
って接合することにより設けられており、その両端はそ
れぞれ先端部材13の側面よりもやや外側に突出してい
る。
【0039】上記ブレード19は、図12乃至図13に
示すようなものとすることもできる。図12に示すブレ
ード19は、先端部材13の先端面に径方向に沿って2
枚の鋼製プレートを並置するようにして突設し、各プレ
ートを先端部材13の回転方向にむけてそれぞれ傾斜さ
せた構成となっている。図13に示すブレード19は、
鋼製プレートの上端縁を、先端部材13の先端面に径方
向に沿って接合し、該プレート下端縁の両側を、先端部
材13の回転方向にむけてそれぞれ湾曲させた構成とな
っている。上記図12および図13に示すブレード19
のように、該ブレード19の一部または全部を、先端部
材13の回転方向にむけて傾斜、湾曲(あるいは折曲
等)することにより、杭1先端の土をより効率よくほぐ
すことができる。
【0040】上記図11乃至図13に示すようなブレー
ド19には、例えば図14に示すように、該ブレード1
9を厚さ方向に貫通する1または複数の孔20を穿設
し、これにより先端部の土をより効果的に攪拌し得る構
成としてもよい。図14に示すブレード19において
は、該ブレード19の幅方向に沿って4個の孔20が穿
設されており、各孔20は、杭1の回転時に同一の軌跡
を描くことがないよう、杭1の軸心からの距離が互いに
異なるとともに、高さ位置も互いに異なる位置にそれぞ
れ配設されている。
【0041】さらに、上記図11乃至図13に示すよう
な先端部材13には、例えば図15に示すように、先端
面の孔3が土圧をうけて閉塞されることを抑制するため
のプレート21を設けるようにしてもよい。図15に示
す先端部材13においては、ブレード19の上端縁の中
心部、即ち孔3と交差する部位に、該孔3の径より幅広
の方形状の切欠溝22が設けられ、該切欠溝22の底部
に、該孔3より大径の円板状の土圧抑制用プレート21
が、先端部材13の先端面に対し平行となる状態で固着
されている。
【0042】図16には、杭のさらに別の例が示されて
いる。同図に示す杭1においては、鋼管の先端部に、前
記図2に示す先端部材13の場合と同様のウイング2
と、前記図13に示す先端部材13の場合と同様の孔
(図示せず)およびブレード19とが設けられ、さら
に、該鋼管の周面に、前記図8に示す爪部4と同様に、
方形状の鋼製プレートよりなる爪部4が、杭1の回転方
向に対し下傾する態勢となるように突設されている。た
だしこの図16に示す爪部4は、杭1の周面において、
該杭1の径方向に沿って互いに反対側に位置する2箇所
に突設された2個の爪部4、4を1組として、複数組が
上下に間隔をおいて配設され、上下に隣接する組は互い
に直角をなすような態勢となるように配設された構成と
なっている。
【0043】以上に例示した突起物、孔等の各種の部位
は、適宜組み合わせを変更して設けることも可能であ
る。例えば、図2に示す先端部材13において、攪拌用
爪18、18にかえて、図12に示すブレード19を設
けること等が挙げられる。
【0044】また、各部位のサイズ、配設位置等も適宜
変更することができる。例えば、図3に示す攪拌用突出
片14、図8に示す爪部4、図10に示す耳状の突起物
2、図16に示す爪部4等の傾斜角度は、土質に応じた
適宜角度(例えば45°等)に設定することができる。
【0045】
【発明の効果】以上のように、この発明の請求項1に記
載の杭の打設方法によれば、液状の硬化剤を地盤に注入
しながら、回転圧入により杭を地盤に貫入するので、杭
の先端にある土が硬化剤と攪拌混合されて十分に軟化
し、このため杭を地盤に圧入するのに大きな反力は不要
である。したがって小型の圧入装置により杭の圧入を行
うことができるので、狭小地でも容易に杭の打設を行う
ことができる。
【0046】また、回転圧入により杭を地盤に貫入する
ので、モンケン打ち工法の場合のような騒音や振動は生
じない。
【0047】また、施工後に杭の周面および先端にある
土が硬化剤により固化して、元の地盤と同等かあるいは
該地盤よりも大きい結合力を有するようになるため、杭
の周面の摩擦力も先端の支持力もともに向上する。した
がって、従来の回転圧入工法の欠点であった支持力性能
が改善され、モンケン打ち工法の場合と同等あるいはそ
れ以上の支持力性能が得られる。
【0048】さらにまた、上記のように杭の支持力性能
が従来よりも向上することから、杭の本数を削減するこ
ともでき、これにより工期の短縮、コストの低減等も可
能となる。
【0049】さらに加えて、この発明の請求項2に記載
の杭の打設方法によれば、鋼管杭の先端部に孔を設けて
おき、硬化剤を該杭の上端部から内部に導入して上記孔
から放出するようにするので、該硬化剤を杭の先端にあ
る土に効率よく注入することができるとともに、鋼管杭
の内腔を有効に利用することができ、簡単な構成で硬化
剤を地盤に注入することができる。
【0050】さらに加えて、この発明の請求項3に記載
の杭の打設方法によれば、前記孔を杭の先端面に設けて
おくようにするので、杭の先端の土に硬化剤をより確実
かつ効率的に注入することができる。
【0051】さらに加えて、この発明の請求項4に記載
の杭の打設方法によれば、杭の周面の先端部に突起物を
設けておくようにするので、該杭を地盤に貫入する際、
該突起物が杭とともに回転して土をほぐすように作用す
ることにより、杭の貫入を容易とすることができるとと
もに、杭の先端にある土を硬化剤と十分に攪拌混合する
ことができる。さらに、施工後に硬化剤により固化した
土が該突起物と一体化し、これにより杭先端の拡底効果
を得ることができる。
【0052】また、杭の周面における突起物より上方の
部位に爪部を突設しておくようにするので、杭を地盤に
貫入する際、周面の土との摩擦力を低減して施工をしや
すくすることができるとともに、周面の土をほぐして、
硬化剤の注入を容易とすることができる。
【0053】さらに加えて、この発明の請求項5に記載
の杭の打設方法によれば、前記杭の先端面にブレードを
突設しておくようにするので、杭の先端にある土を効率
よくほぐすことができるとともに、該土を硬化剤と十分
に攪拌混合することができる。
【0054】さらに加えて、この発明の請求項6に記載
の杭の打設方法によれば、杭として、突起物を設けた先
端部材を本体部材に連結する構成としたものを用いるの
で、使用時以外には先端部材を本体部材と分離しておく
ことができ、したがって保管および運搬の上で有利であ
る。また、従来使用されていた鋼管杭の先端に上記先端
部材を連結して使用することもできる。さらにまた、例
えば突起物の構成が異なる複数の先端部材を用意してお
き、現場で土質に応じてこれら先端部材を使い分けると
いったことも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係る杭の打設方法の実施状況を示す
模式図。
【図2】図1の杭を示す部分分解側面図。
【図3】継手部材を示す斜視図。
【図4】本体部材と先端部材とを連結した状態を示す部
分側面図。
【図5】杭の打設完了後の状況を示す模式図。
【図6】爪部の別の例を示す側面図。
【図7】爪部の別の例を示す側面図。
【図8】爪部の別の例を示す側面図。
【図9】突起物の別の例を示す側面図。
【図10】突起物の別の例を示す側面図。
【図11】先端部材の別の例を示す部分斜視図。
【図12】先端部材の別の例を示す部分斜視図。
【図13】先端部材の別の例を示す部分斜視図。
【図14】ブレードの別の例を示す正面図。
【図15】先端部材の別の例を示す部分斜視図。
【図16】杭の別の例を示す部分側面図。
【図17】従来の杭の打設方法の一例を示す模式図。
【符号の説明】
1 杭 8 セメントベントナイト液(液状の硬化剤) G 地盤

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 杭を回転させながら地盤に圧入すること
    により打設する方法であって、 液状の硬化剤を地盤に注入しながら前記杭を圧入するこ
    とを特徴とする杭の打設方法。
  2. 【請求項2】 前記杭として鋼管杭を用い、該杭の先端
    部に孔を設けておき、前記硬化剤を、上記杭の上端部か
    ら内部に導入して上記孔から放出することにより地盤に
    注入することを特徴とする請求項1に記載の杭の打設方
    法。
  3. 【請求項3】 前記孔を杭の先端面に設けておくことを
    特徴とする請求項2に記載の杭の打設方法。
  4. 【請求項4】 前記杭の周面において、先端部には突起
    物を設けておくとともに、該突起物より上方の部位には
    爪部を突設しておくことを特徴とする請求項1乃至3に
    記載の杭の打設方法。
  5. 【請求項5】 前記杭の先端面にブレードを突設してお
    くことを特徴とする請求項1乃至4に記載の杭の打設方
    法。
  6. 【請求項6】 前記杭として、本体部材と、該本体部材
    に連結される先端部材とを備えるものを用い、該先端部
    材に突起物を設けておくことを特徴とする請求項1乃至
    5に記載の杭の打設方法。
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