JPH112292A - ダンパ装置 - Google Patents
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- JPH112292A JPH112292A JP34713097A JP34713097A JPH112292A JP H112292 A JPH112292 A JP H112292A JP 34713097 A JP34713097 A JP 34713097A JP 34713097 A JP34713097 A JP 34713097A JP H112292 A JPH112292 A JP H112292A
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Abstract
構造の渦電流ダンパを提供する。 【解決手段】 少なくとも磁石11の一方の極の磁極1
2から出る磁束を、二つ以上のヨーク13,13入り口
にそれらの数だけの、該磁極に面する空隙を介して分岐
通過させ、該ヨーク出口からの磁束を再び該磁石11の
他極12に戻す磁気回路を形成し、該二つ以上のヨーク
13,13はすべて剛に機械的に接続され、該磁極と該
ヨーク入り口間の距離である該空隙の長さSを機械的な
バネ系で弾性的に保持し、振動の発生側に該磁石または
該ヨークの何れかを直結し、該振動によって該空隙長S
が分岐の方向によって差動的に変化することによって該
磁束の分岐に変化が生じるようにして、該ヨークおよび
該磁極において渦電流及び又はヒステリシス損が発生す
る。
Description
特に例えば回転機械の回転軸等の振動を、電磁力で受動
的に減衰させるための減衰機構(ダンパ)に関する。
それを使った防振または振動の減衰には未だ改良の余地
がある。磁性材料内での磁束の増減はヒステリシス損を
招来し、振動の減衰にはなるが、その効果は小さく、こ
れは主として低周波振動に有効である。以下、主力とな
る渦電流による効果のみを述べる。ダンパ装置は、振動
エネルギーを熱エネルギーに変えて、振動を減衰させる
ためのものである。振動によって電気的導体(以下導体
という)上の磁束の分布や密度を変えたり、磁束を導体
が切断することによって、導体に起電力が発生し、その
起電力が導体内で短絡された形となっているので、渦電
流Iが生じ、短絡された回路の抵抗をRとすればI2 R
の熱エネルギーを発生する。発生起電力Eが同じであれ
ば、同じ熱エネルギーをE2 /Rと表現することもでき
る。従って、機械的な振動エネルギーが熱エネルギーに
変換され、振動の減衰機構(ダンパ)として動作するの
であるが、ダンパとしての効率をよくするためには、振
動による発生起電力Eを大にし、抵抗Rを小さくするこ
とが必要である。
を図13に示す。この方式のダンパ装置は、磁石1と導
体2を接近させ、磁石1または導体2の一方は振動体に
固定され、他方は静止体に固定されている。このダンパ
装置による振動体の振動減衰は、振動による両者間の相
対運動(図示の矢印方向)によって導体中の磁路の磁束
にほぼ振動の振幅に比例する変動を与え、交流起電力E
を発生させるが、起電力Eは磁路の磁束密度Bの変化分
に比例する。従って熱エネルギーは磁束密度Bの自乗に
比例する。導体中の磁束密度Bを大にするには導体を磁
石に接近させるか、導体を磁路の空隙に挟む場合には、
磁束密度B増大のためには空隙を狭くする必要がある。
従ってどちらも磁束密度Bの大きい導体部分は小さく、
電流Iはその部分を磁束密度Bに直角の方向に流れるの
であるから、電流通路が狭くなることが避けられない。
このことは等価的に抵抗Rの増大を招く。空隙を拡大し
て空隙に挟まれる導体の体積を増大すると磁束密度Bが
小さくなる。
装置の効率を上げるためには、渦電流が流れる導体部分
をなるべく大きくして抵抗Rを小さくすべきである。導
体を磁路の空隙に挟む場合には、その部分が抵抗Rのネ
ックとなるので、それを太くするとギャップが大とな
り、磁気抵抗が増大して磁束密度Bが小さくなる。この
ため、例えば磁路の途中に空隙を設けて、導体を挟み込
む方式は適当ではない。以上の条件から、導体の回路が
自由に選べる磁路を予め複数個作っておいて、振動によ
ってその磁路が変化して磁束変化が激しくなるような構
造が望ましいことが分かる。そのためには振動による複
数の磁路と磁石との相対変位によってギャップに長短が
生じるようにし、磁路が大幅に変化するような新規なダ
ンパ装置の構造が必要となる。
ので、簡単な構造で且つ振動減衰効率の高い新規な構造
のダンパ装置を提供することを目的とする。
少なくとも磁石の一方の極の磁極から出る磁束を、二つ
以上のヨーク入り口にそれらの数だけの、該磁極に面す
る空隙を介して分岐通過させ、該ヨーク出口からの磁束
を再び該磁石の他極に戻す磁気回路を形成し、該二つ以
上のヨークはすべて剛に機械的に接続され、該磁極と該
ヨーク入り口間の距離である該空隙の長さを機械的なバ
ネ系で弾性的に保持し、振動の発生側に該磁石または該
ヨークの何れかを直結し、該振動によって該空隙長が分
岐の方向によって差動的に変化することによって該磁束
の分岐に変化が生じるようにして、該ヨークおよび該磁
極において渦電流及びまたはヒステリシス損が発生する
ことを特徴とする。
磁石の両極にリング状磁極を配置し、該両極を磁気的に
接続するリング状ヨークを該磁石の内部または外部にリ
ング状空隙を介して配置し、該リング状空隙は機械的な
バネ系で弾性的に保持され、振動発生側を該磁石または
該ヨークの何れかに直結し、該振動によって該リング状
空隙の該空隙長を、振動方向に長短の差動的な変化をも
たらすことによって該磁石からの磁束の経路に変化が生
じるようにして、該ヨークおよび該磁極において渦電流
及びまたはヒステリシス損が発生することを特徴とす
る。
に着磁したリング状磁石の両極にリング状磁極を配置
し、該両極を磁気的に接続する2個のリング状ヨークを
該磁石を挟むように二つのリング状空隙を介して配置す
ることによって、該磁石のN極の該磁極からの磁束を該
磁極に面する該二つの空隙を介して分岐させて該ヨーク
の入り口に流し、該ヨーク出口に面する側の該二つの空
隙を介して再び該磁石のS極の磁極へ戻す磁気回路を形
成し、該2個のヨークは剛に接続され、該二つのリング
状空隙は機械的なバネ系で弾性的に保持され、該対称軸
方向の振動発生側を該磁石または該ヨークの何れかに直
結し、該振動によって該空隙長が分岐の方向によって差
動的に変化することによって該磁束の分岐に変化が生じ
るようにして、該ヨークおよび該磁極において渦電流及
びまたはヒステリシス損が発生することを特徴とする。
は磁極を装着した磁石のいずれか一方を、装置の防振を
希望する位置に装着し、他方を該位置の近傍の振動しな
い位置に装着することによって、機械的バネ系を該装置
が有する安定バネ特性に依存することを特徴とする。
と、該磁極面に空間的に離隔して対面する面を有するヨ
ークとからなり、前記磁石で形成される磁束は、前記一
方の磁極面からヨーク面に入りヨーク内部を通り、再び
ヨーク面から他方の磁極面に入り前記磁石に戻るように
ループ状に形成され、前記磁極面とヨーク面間の振動に
伴う距離の変化による磁束の変化分は、前記磁石を通る
ことなく、前記磁極とヨーク内に形成されることを特徴
とする。
は、減衰希望の周波数、該磁極及びまたはヨークの透磁
率および導電率で決まる表皮厚の、円柱にあってはその
半径を約2倍、板にあっては厚さを約2倍にしたものを
単数または電気的に絶縁した複数を並列で構成したこと
を特徴とする。
束の流れを振動の変化に伴う分岐点での振り分け効果が
顕著になるようにしたものである。このことによって磁
路中の磁束の流れが大幅に変化するようになり、磁束密
度の変化ΔBを大きくすることができると共に、その磁
路自体を導体で構成するか、または必要によっては磁路
に銅リングを巻き付けてもよく、等価的な抵抗Rを小さ
くすることができる。これまでの図13に示す方式のダ
ンパ装置では、変位による磁路の変化が小さ過ぎること
と、電流が磁石の近傍に集中するために、その部分の渦
電流経路の幅が狭くなるので、ネックとなり、電気抵抗
Rを大にする嫌いがあった。
磁軟鉄などの高透磁率で電気導体ともなる材料による磁
路(ヨーク)を一個の永久磁石に対して並列に二つ以上
に分岐し、分岐点は磁石のN極とS極の同材料の磁極と
ヨーク間の空隙に設け、かつ必要ならばそのヨークを磁
石から少し離して設けて、そのヨークには銅などの低電
気抵抗の材料で取り囲む配置としたものである。振動が
ないときには磁石からの磁束は分岐点の空隙もほぼ対称
なので全ヨークをほぼ均等に分岐して流れるが、変位を
生ずると並列ヨークの空隙に非対称性が生じ、そのため
に各磁路の磁気抵抗に差が生じることによって磁束の振
り分け効果を招き、各ヨークに通過磁束数の変動を発生
させる。それがヨークの磁束に直交する渦電流を磁極、
ヨーク内またはヨーク外周の導体に効果的に発生させる
ことになる。外周の導体のほうがより有効な場合には、
ヨークは磁石からある程度離して設け、電流回路として
の銅リングのために十分なスペースを与えることができ
る。変位による磁石からの磁束数の絶対量は殆ど変化し
ないが、流路と方向に変化をもたらし、これにより効果
的に渦電流を発生する。このような構造・配置にするこ
とによって電気抵抗のネックとなる部分がなくなるので
ダンパとしての効率が増大する。
に、磁石をリング状にし、その内または外側にリング状
空隙を介してリング状ヨークを配置することも可能であ
る。いずれの場合にも空隙には磁石の吸引力により不平
衡または不安定磁気力剛性が発生するので、それを防ぐ
ための機械的なバネ要素による安定化が必要である。
回路の磁極及びまたはヨークを、その表皮厚の約2倍と
することにより、断面積当りの減衰量を最大とすること
ができる。即ち、これにより所要の磁束量を電気的に絶
縁した複数の磁気回路に並列に分割し、単位となる磁気
回路の断面積を減衰効率が最大となるように設定するこ
とで、全体として小型軽量化して且つ減衰効率を最大と
したダンパ装置とすることができる。
て、図1乃至図12を参照して説明する。
施形態を示すものである。その構造は、1個の角柱状永
久磁石11とこれに装着された磁極12とから、空隙を
隔てて配置された2個の「コ」字形ヨークに磁束が分岐
される場合である。即ち、図示する方向に着磁した角柱
状永久磁石11の両端には、電磁軟鉄等の磁性材からな
る磁極12が固定され、N極とS極とを構成している。
磁極12に空隙Sを介して対面するように、コの字形状
のヨーク13が配置されている。ヨーク13も磁極12
と同じ高透磁率の磁性軟鉄等の材料が用いられている。
磁極12及びヨーク13は、高透磁率であると共に電気
導体ともなる材料で構成されているので、磁極12及び
13自体が渦電流の電流流路となる。この例ではヨーク
13に銅製のリングを周回させて、渦電流の電流流路と
してもよい。
る。例えば磁石11及び磁極12を振動の減衰対象物に
装着して、コ字形ヨーク13をその近傍の靜止体に固定
する。そして、磁石11及び磁極12側が図示する左右
方向(矢印方向)に振動が生じたとする。図1(A)は
相対変位のない場合で磁石からの磁束2Φが均等にΦず
つに2分され、(B)は左側空隙が狭く、右空隙が広く
なった場合で、左側の磁路ではΦ+ΔΦとなり、右側の
磁路ではΦ−ΔΦとなり、変化分の磁束ΔΦが左回りの
周回磁束になることを示したものである。(C)はそれ
とは逆の相対変位になった場合であり、変化分の磁束Δ
Φが右回りの周回磁束になることを示したものである。
右図は鎖交した周回磁束の増大とそれを妨害する方向の
起電力Eの方向を示したものである。従って相対変位が
振動であれば、ΔΦは磁石を通らずに磁極と2個のヨー
クで形成される磁路を周回振動し、それと鎖交する振動
起電力Eを発生する。
ンスが大きいのでダンパとしての効率が下がることもあ
るので、その場合には銅リングは不要で、渦電流の形成
部分としてはヨークだけで十分である。ヨークは渦電流
の形成部分となるので、透磁率が高く、しかも導電率も
高いもので太めに作ることが望ましい。銅リングが無け
れば、構造、材料ともに極めて単純な構造となり、その
製造コストも低い。
定なので、何らかの機械的な安定剛性を付与する必要が
ある。それには金属バネを使用してもよいし、空隙に粘
弾性的フィルム状の膜、例えばゴムシートを挟んでもよ
い。
て磁石と直結し、ヨークを多少薄く作ってヨークの弾性
効果を利用することも可能である。ただし、磁束の振り
分け効果は上側の空隙だけになるから減衰効果は落ち
る。或いは、下側ヨークと下側磁極とを接続して空隙を
下側磁極と磁石間に移動してもよい。空隙をこれらの機
械的な安定化のために弾性体で埋めることなどによって
相対位置の原点が完全な対称点からずれても、その位置
を中心に振動するから問題はない。
施形態を示すもので、その構造は、図1に示したのと同
様な1個の磁石に対して図1に示したのと同様な「コ」
字形ヨークを4個設けて、2方向(X,Y)の振動の減
衰を目的としたものである。図1に示す第1の実施形態
では永久磁石11から流れ出た磁束が磁極12を介して
右側と左側の2個のヨーク13に2方向(例えばX方
向)に分岐するのであるのに対して、これにY方向を加
え、X,Y方向の振動に対する減衰効果を狙ったもの
で、磁束を4方向に分岐するようにしたものである。こ
れにより、直交2方向(X,Y方向)の剛体の振動の減
衰が1個の磁石で可能になる。4個のヨークは、固定部
材14により互いに剛に固定されている。
でもよいことは言うまでもない。多数の分岐は構造的に
複雑化するので、ヨークを中空の球状または円筒状に
し、中心軸に円筒状の穴をあけてそれに円柱状の磁石と
磁極を納めた方がよい場合もある。空隙の保持には前述
と同様に、何らかの機械的な復元機構が必要であること
は変わらない。
ング形状のラジアル方向用ダンパ装置を示す。円筒状の
磁石21は、その中央部の開口に例えば振動の減衰対象
の回転軸が挿通される。軸方向に着磁された円筒状磁石
21の両端には電磁軟鉄等の磁極22が装着されてい
る。扁平なリング状の磁極22の外周面(磁極面)に対
向するように、円筒状ヨーク23が配置されている。円
筒状ヨーク23は、この実施形態においては、回転機械
装置の靜止部に固定されている。従って、磁極22の外
周面22aとこれに対向するヨーク23の円筒状内周面
23aとは、空隙を隔てて対向し、円筒状磁石のN極か
ら磁極、空隙、円筒状ヨーク、空隙、磁極を通り、S極
に戻る磁路が形成されることは、上述した実施形態と同
様である。
が図1または図2に示す角柱状のものとは多少異なるの
で、次に、この点について説明する。図4は、図3の開
口を大きくして外側が磁石の場合で、その上図は磁石が
少し左側へ変位した場合の、下図は磁石が少し右側へ変
位した場合の磁束変化分ΔΦの流れを示したものであ
る。変位がなく中央に位置しておれば空隙Sは全周にわ
たって均等なので、磁石からの磁束は最短距離の近接し
たヨークへ流れて元へ戻るので磁束Φは軸対称で放射状
に均等に分布する。しかし、磁石が左変位すれば左側空
隙は広く、逆に右側空隙は狭くなるので、磁束密度は右
端ギャップで最大となるが、その付近は磁束が集中し易
いために等価的に磁気抵抗が増大するので、全磁束がそ
の一点に集中するわけではなく、全周にわたって勾配を
持った分布となる。従って左側の磁極部分からの磁束
は、リング状磁極に沿って左側からかなり離れた空隙の
ヨークを経て逆の磁極へ戻り、磁極に沿って左側の磁石
部分へ戻る。図4下図はこの逆の状態を示す。
説明すると、左端のヨークを右側とは逆方向に流れ、左
端付近の広い空隙を通ってリング状磁極を二手に分かれ
て流れ、ほぼ反対位置の狭い空隙付近を通過して右端付
近のヨークを順方向に流れてから再び反対側のリング磁
極を逆流して左端付近の空隙からヨークへ戻る。このΔ
Φが前述の均等分布のΦに加算され、狭いギャップの磁
束が増大するのである。リング状でない場合との違い
は、ΔΦが長いリング状磁極を往復することと、同一ヨ
ーク内でのΔΦの分布が正逆方向に分かれて広くなるこ
とである。従って磁極自体にも大きな渦電流が得られる
部分であること、ヨークが広いので渦電流も流れやすい
ことである。
されたリング状磁石を用いた軸方向ダンパ装置の実施形
態を示す。この実施形態においては、扁平なリング状の
磁石31の外周側と内周側にそれぞれリング状の磁極3
2A,32Bを備え、その磁極に対して軸方向に対向し
た面を有するコの字形の同様にリング状のヨーク33を
備えている。上側のヨークと下側のヨークとは物理的な
結合手段34により固定され、機械的に一体の剛の構成
となっている。従って、半径方向に着磁された磁石31
からの磁束は、N極から半径方向に磁極32に入り、空
隙Sを介してヨーク33内を流れ、再び空隙を介してS
極側の磁極32に戻る。従って、磁石側またはヨーク側
の一方を固定側とし、他方を移動側とすると、移動側の
軸方向の振動により、空隙の大きさが変化し、これに伴
いヨークと磁極に流れる磁束の変化分ΔΦが振動し、ヨ
ーク及び磁極内に渦電流が形成されることは図1の上下
を左右に、左右を上下にした場合と同様である。なお、
リング状磁石は一体にせず、複数個の断片を磁極で接続
してもよく、また、必ずしも完全な円形でなく、四角等
の平面的にループになっておればよい。
磁気吸引力が生じるので、バネ手段により安定剛性を与
える必要がある。例えばボールベアリングの外レースに
リング状ダンパをはめてボールベアリング4に伝わるロ
ータ3のラジアル方向の振動を吸収するようにすること
も可能となる。図6の実施形態では磁石35が外側で、
ヨーク37が内側の場合である。内側ヨークリング37
と外側リング磁極36で挟まれたダンパからなり、両者
間のギャップには弾性フィルム38が機械的なバネとし
て介在する。ボールベアリングの内レースを図3のよう
に配置したダンパの外側ヨークにはめてもよい。ボール
ベアリング等の場合に磁石に近いと磁化の心配があると
いうのであれば、振動側に取り付けるリングはヨークの
方が望ましいこともある。
で、図7に示すように磁極とヨークの対面部分の空隙を
斜めに形成すると、効率は多少低下するが、1個の磁石
で3軸方向の減衰に有効なダンパが得られる。つまり図
7において、上下方向の相対変位も対角ギャップへの磁
束の振り分け効果を招き、ΔΦは2重矢印で示すような
磁石を通らない8字の周回運動になり、左右運動への連
成の影響がなくなるようにすることも可能である。
動減衰効果について説明する。図8に示すようにステン
レス製の板50の一端を片持ちバリ状に支持し、他端に
図1に示すヨーク53を取り付けて内部の磁石部分5
1,52の有無による比較でダンパ効果を実験した。ス
テンレス板50が機械的な復元剛性を与え、かつ振動の
ためのバネ要素ともなっている。磁石なしの場合の振動
を外部からの打撃で与えてヨーク部分の変位を空隙セン
サ(図示せず)で検出したものの記録が図9である。減
衰が非常に悪く減衰比ζで約0.0015である。
に接触しないように配置固定した場合の同じ打撃による
振動減衰効果である。ζは約0.5となった。この実験
ではヨークに周回する銅材を全く使用しなかった。その
理由は、銅材をヨークに周回させることによって、電流
回路から見た自己インダクタンスが大きくなり過ぎるた
めに、渦電流に位相遅れが生じて、減衰効果を阻害して
いたのである。この実験結果は、ダンパ装置としては銅
材を用いない方がより有効という、常識から離れた結果
がもたらされた。このことは、ダンパ装置として構造が
極めて簡単化されることを実証したことになる。
路の最適化が必要である。ここで言う最適化とは、特に
磁性材料の量をなるべく小さく軽くすることである。と
ころで、磁路の断面積当たりの減衰効率は、減衰希望の
周波数ω、等磁率μ、導電率κ等に対応した表皮厚δに
依存することが判明した。表皮厚δは次式で与えられ
る。 δ=√[2/(ωμκ)] この表皮厚と断面積当たりの減衰効率ηとの関係を、断
面が円の場合を図11に示す。図示するように、磁気回
路の半径aの表皮厚δに対する比a/δが1.8程度で
あるのが効率のピーク値になる。断面が長方形の板状の
場合には、板厚dとδとの比d/δを横軸にとったη曲
線も殆ど類似のカーブが得られ、ピーク値がd/δで約
2.3にずれるだけであるので省略した。つまり、どち
らも磁路の外側面からδを少し越えた内部付近が減衰に
最有効な位相の磁束が通過するのである。従って、その
付近の長さを長くする、換言すれば断面の形状に関して
は、表皮厚δに対して約2倍の厚さを保った周長を大に
するのが効率を上げるための基本である。このため、磁
路断面の太さまたは厚さがδよりもはるかに大きい場合
には、ピーク値になる比の寸法のものを複数化してそれ
らを電気的に絶縁して並列に磁気回路中に設けるのが有
効である。減衰力はギャップの磁束密度の二乗に比例す
るから、磁石の起磁力もそれに見合ったものにする必要
がある。断面積の総量を大にすれば、当然、起磁力も
大、つまり磁石量も増大する。
長さが表皮厚の4.6倍であるとすれば、表皮厚の2.
3倍の厚さの2枚の板にすれば、効率のピーク値が得ら
れ、かつそれが2枚なのでピーク値の2倍となる。それ
を具体的に示したのが図12である。即ち、この磁気回
路は磁石11の両極に2本の磁極12a,12bが固着
され、ギャップを介して2本のヨーク13a,13bに
より、2本の磁気回路が構成されている。2本の磁極及
び2本のヨーク間は、それぞれ電気的に絶縁されてい
る。これにより、1本の角棒の断面積が減衰効率の最大
値となり、磁気力、磁束密度、全体的なヨーク及び磁極
の材料量を変更することなく、減衰力を2倍程度に高め
ることができる。
磁極から出る磁束を二つ以上のヨークの磁極に対面する
面に分岐して磁気回路を形成するようにしたものであ
る。これにより、磁石またはヨークの一方を固定または
自由にして他方を振動源に接続した時に、磁極とヨーク
の全断面に生じる磁束の変化ΔΦがヨークまたは磁極に
渦電流及びまたはヒステリシス損を形成する。このよう
に磁束の変化を有効に利用して効率的に渦電流またはヒ
ステリシス損を発生できるので、ダンパの減衰効率を従
来の構造と比較して高いものとすることができる。又、
渦電流をヨークまたは磁極内に形成することで、銅材等
を周回する必要が無くなり、構造を簡素化できると共に
小型化できる。更に構造が簡単なことから、例えば長い
配管の振動抑制等にも、着脱が容易となり、利用し易
い。
ある。
ある。
ある。
を示す説明図である。
ある。
ある。
る。
を示す図である。
ネの振動波形を示す図である。
を示す図である。
ダンパ装置の説明図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 少なくとも磁石の一方の極の磁極から出
る磁束を、二つ以上のヨーク入り口にそれらの数だけ
の、該磁極に面する空隙を介して分岐通過させ、該ヨー
ク出口からの磁束を再び該磁石の他極に戻す磁気回路を
形成し、 該二つ以上のヨークはすべて剛に機械的に接続され、該
磁極と該ヨーク入り口間の距離である該空隙の長さを機
械的なバネ系で弾性的に保持し、振動の発生側に該磁石
または該ヨークの何れかを直結し、 該振動によって該空隙長が分岐の方向によって差動的に
変化することによって該磁束の分岐に変化が生じるよう
にして、該ヨークおよび該磁極において渦電流及びまた
はヒステリシス損が発生することを特徴とするダンパ装
置。 - 【請求項2】 回転対称軸方向に着磁したリング状磁石
の両極にリング状磁極を配置し、該両極を磁気的に接続
するリング状ヨークを該磁石の内部または外部にリング
状空隙を介して配置し、該リング状空隙は機械的なバネ
系で弾性的に保持され、振動発生側を該磁石または該ヨ
ークの何れかに直結し、 該振動によって該リング状空隙の該空隙長を、振動方向
に長短の差動的な変化をもたらすことによって該磁石か
らの磁束の経路に変化が生じるようにして、該ヨークお
よび該磁極において渦電流及びまたはヒステリシス損が
発生することを特徴とするダンパ装置。 - 【請求項3】 回転対称軸と直交するラジアル方向に着
磁したリング状磁石の両極にリング状磁極を配置し、該
両極を磁気的に接続する2個のリング状ヨークを該磁石
を挟むように二つのリング状空隙を介して配置すること
によって、該磁石のN極の該磁極からの磁束を該磁極に
面する該二つの空隙を介して分岐させて該ヨークの入り
口に流し、該ヨーク出口に面する側の該二つの空隙を介
して再び該磁石のS極の磁極へ戻す磁気回路を形成し、 該2個のヨークは剛に接続され、該二つのリング状空隙
は機械的なバネ系で弾性的に保持され、該対称軸方向の
振動発生側を該磁石または該ヨークの何れかに直結し、 該振動によって該空隙長が分岐の方向によって差動的に
変化することによって該磁束の分岐に変化が生じるよう
にして、該ヨークおよび該磁極において渦電流及びまた
はヒステリシス損が発生することを特徴とするダンパ装
置。 - 【請求項4】 請求項1乃至3におけるヨークまたは磁
極を装着した磁石のいずれか一方を、装置の防振を希望
する位置に装着し、他方を該位置の近傍の振動しない位
置に装着することによって、機械的バネ系を該装置が有
する安定バネ特性に依存することを特徴とするダンパ装
置。 - 【請求項5】 磁石とこれに固定した一対の磁極と、該
磁極面に空間的に離隔して対面する面を有するヨークと
からなり、前記磁石で形成される磁束は、前記一方の磁
極面からヨーク面に入りヨーク内部を通り、再びヨーク
面から他方の磁極面に入り前記磁石に戻るようにループ
状に形成され、前記磁極面とヨーク面間の振動に伴う距
離の変化による磁束の変化分は、前記磁石を通ることな
く、前記磁極とヨーク内に形成されることを特徴とする
ダンパ装置。 - 【請求項6】 磁気回路の磁極及びまたはヨークは、減
衰希望の周波数、該磁極及びまたはヨークの透磁率およ
び導電率で決まる表皮厚の、円柱にあってはその半径を
約2倍、板にあっては厚さを約2倍にしたものを単数ま
たは電気的に絶縁した複数を並列で構成したことを特徴
とする請求項1乃至5のいずれかに記載のダンパ装置。
Priority Applications (4)
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---|---|---|---|
JP34713097A JP3979452B2 (ja) | 1997-04-18 | 1997-12-02 | ダンパ装置 |
US09/075,593 US6213737B1 (en) | 1997-04-18 | 1998-04-16 | Damper device and turbomolecular pump with damper device |
EP98107011A EP0875694B9 (en) | 1997-04-18 | 1998-04-17 | Damper device and turbomolecular pump with damper device |
DE69833067T DE69833067T2 (de) | 1997-04-18 | 1998-04-17 | Dämpfungsvorrichtung und Turbomolekularpumpe mit Dämpfungsvorrichtung |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003247600A (ja) * | 2002-02-26 | 2003-09-05 | Nok Corp | トルク変動吸収ダンパ |
JP2006322531A (ja) * | 2005-05-18 | 2006-11-30 | Oiles Ind Co Ltd | 静圧気体軸受を有したエアスライド装置 |
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-
1997
- 1997-12-02 JP JP34713097A patent/JP3979452B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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