JP2008169965A - 磁気軸受装置 - Google Patents

磁気軸受装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2008169965A
JP2008169965A JP2007005521A JP2007005521A JP2008169965A JP 2008169965 A JP2008169965 A JP 2008169965A JP 2007005521 A JP2007005521 A JP 2007005521A JP 2007005521 A JP2007005521 A JP 2007005521A JP 2008169965 A JP2008169965 A JP 2008169965A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
magnetic pole
rotor
bearing
radial
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007005521A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4994047B2 (ja
Inventor
Isao Tashiro
功 田代
Toru Nakagawa
亨 中川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP2007005521A priority Critical patent/JP4994047B2/ja
Publication of JP2008169965A publication Critical patent/JP2008169965A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4994047B2 publication Critical patent/JP4994047B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Vibration Prevention Devices (AREA)
  • Magnetic Bearings And Hydrostatic Bearings (AREA)

Abstract

【課題】ダンパ効果を飛躍的に向上させた磁気軸受装置を提供する。
【解決手段】磁気軸受と磁気ダンパを個別に設けて、ラジアル方向の磁気軸受による復元力を、磁気ダンパの吸引力よりも大きくして、軸受剛性と十分なダンピング特性のダンパ効果を得ること、さらに、磁気軸受と磁気ダンパを同一磁路に設けて、軸受とダンパを一体化して小型化を図り、加工負荷に耐えうる剛性と、及び加工外乱による回転体の振動を十分減衰させた受動型の磁気軸受を有する磁気軸受装置を実現する。
【選択図】図1

Description

本発明は、回転体を磁気吸引力により磁気浮上させて支持する磁気軸受装置において、特に、回転体の半径方向への振動に対して振動の減衰を促進する磁気軸受装置に関するものである。
従来の磁気軸受装置としては、固定子側磁極に電気良導体材料からなるダンパリングを組み込み、回転軸に一体となった回転子側磁極の歯の先端角を90度と異なった角度にし、歯の両側の側面を回転軸に対して傾斜を持たせることにより、回転軸に振動が発生したとき、磁束の変化に基づくダンパリングの内部に発生する渦電流が振動エネルギーを吸収し、振動の減衰を促進するものがあった(例えば特許文献1参照)。図25は、前記特許文献1に記載された従来の磁気軸受装置を示すものである。
図25において、回転軸101に一体となった磁性の回転子側磁極102とそれに対向する軸受の固定子側磁極103があり、磁極102及び103にはそれぞれ溝107a,107b,107c…及び108a,108b,108c…があり、励磁巻線104の電流で磁束が誘起されて磁気回路(以下、磁路という)が形成される。この磁束により、磁極102と103との間に軸方向の磁気吸引力に基づく推力が発生するとともに、半径方向への軸101の移動に対して歯111a,111b…と歯112a,112b…との対向面積の減少に伴う磁気抵抗の減少に基づく磁気エネルギーの減少に逆らう半径方向の力が発生して軸101の半径方向への移動を押し戻そうとする。
また、電気良導体の材料からなり、リング状の制動巻線として作用するダンパリング105及び106が磁極103の歯部112a,112b…に組み込まれる。これは、軸101に振動が生じたとき、磁束の変化に基づくダンパリング105と106の内部に発生する渦電流が振動のエネルギーを吸収し、振動の減衰を促進する作用すなわちダンパ効果の機能を有するものである。
このダンパ効果を説明するための図25において、紙面に垂直な方向である円周方向の単位長さ当りの歯112bから111bへ通る磁束をφとすると、歯112bに働く半径方向の磁気力は、この磁束φの座標rに関する導関数(−dφ/dr)に比例する。
ダンパ作用は磁束の時間変化(dφ/dt)に比例する誘起起電力によって生じたダンパリング内に流れる渦電流のジュール損失によって現れる。磁束の変化はラジアル方向の振動による座標rの時間変化によって表すことができ、(数1)の式にて表される。
Figure 2008169965
ダンパリング内に流れる渦電流はこの磁束の時間変化で表されるダンパリング内の誘起電圧に基づいて流れるので、この渦電流に基づくジュール損失Wは(数2)の式にて表される。ここで、Kは比例定数である。
Figure 2008169965
そして、ダンパ効果を表すダンパ定数Kdは(数3)の式にて表される。
Figure 2008169965
すなわち、ダンパ効果は磁束φの座標rに関する導関数(dφ/dr)の2乗に比例している。
そして、歯111bと歯112bの径をあらかじめ若干違え、さらに歯の両側の側面を回転軸に対して傾斜を持たせることにより−(dφ/dt)の値を大きくし、ダンパ効果を大きくすることができる磁気軸受装置となっていた。
特公昭52−26293号公報
例えば、磁気軸受装置を加工用の主軸として使用した場合、加工負荷に耐えうる軸受剛性と加工による振動を減衰させるダンピング特性が必要である。しかしながら、従来の磁気軸受装置は、ラジアル方向の変化による磁束の変化に基づく磁気ダンパの内部に発生する渦電流のみにより減衰力を得ているため、加工による振動を減衰させるために十分なダンピング特性のダンパ効果を確保することが困難であるという課題を有していた。
本発明は、前記従来技術の問題を解決することに指向するものであり、ダンパ効果を飛躍的に向上させた磁気軸受装置を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明に係る請求項1に記載した磁気軸受装置は、固定子側と回転子側の第1軸受磁極を、空隙を介してスラスト方向に対向させ、空隙に面するそれぞれの第1軸受磁極に回転子の回転中心を中心とする同心円状に複数の溝を有し、固定子側で第1軸受磁極の溝の少なくとも1つに電磁石巻線を設置することにより固定子と回転子とに磁気回路を形成したラジアルスラスト軸受と、固定子側と回転子側の第2軸受磁極を、空隙を介してスラスト方向に対向させ、空隙に面するそれぞれの第2軸受磁極に回転子の回転中心を中心とする同心円状に複数の溝を有し、固定子側で第2軸受磁極の溝の少なくとも1つに永久磁石を設置することにより固定子と回転子とに磁気回路を形成したラジアル軸受と、固定子側のダンパ磁極としてラジアル方向に空隙を介して回転子に対向させ、ダンパ磁極に有する溝に永久磁石を設置することにより、固定子と回転子とに磁気回路を形成した磁気ダンパと、により構成したことを特徴とする。
また、請求項2に記載した磁気軸受装置は、請求項1の磁気軸受装置であって、ラジアルスラスト軸受における複数の磁極歯のうち最小の磁極歯の幅をrg、複数ある磁極歯を4つの磁極歯としてモデル化して、回転子の回転中心からそれぞれの磁極歯が内径rf,外径rf,幅rg、内径rf,外径rf,幅rg、内径rf,外径rf,幅rg、内径rf,外径rf,幅rg、ラジアルスラスト軸受で回転子と固定子とのスラスト方向のギャップをg、電磁石巻線の巻線に流す電流をI、巻線の巻き数をNとし、ラジアル軸受における複数の磁極歯のうち最小の磁極歯の幅をrg、複数ある磁極歯を4つの磁極歯としてモデル化して、回転子の回転中心からそれぞれの磁極歯が内径rr,外径rr,幅rg、内径rr,外径rr,幅rg、内径rr,外径rr,幅rg、内径rr,外径rr,幅rg、ラジアル軸受で回転子と固定子とのスラスト方向のギャップをg、永久磁石の磁気回路方向の長さをlp、永久磁石の内径をRe、永久磁石のスラスト方向の高さをre、永久磁石の保持力をHcとし、磁気ダンパのダンパ磁極と固定子の中心からの半径をR、ダンパ磁極と回転子のラジアル方向のギャップをg、ダンパ磁極のスラスト方向の高さをh、永久磁石の磁気回路方向の長さをlp、永久磁石のラジアル方向の幅をre、永久磁石の外径をRe、永久磁石の保持力をHcとし、回転子のラジアル方向の変位をx、外径rfを半径とした円と該半径rfの円をラジアル方向に変位x移動させたときの元の半径rfの円との交点で回転中心における角度をα1、外径rrを半径とした円と該半径rrの円をラジアル方向に変位x移動させたときの元の半径rrの円との交点で回転中心における角度をα2、スラスト軸まわりの回転角度をθ、ラジアルスラスト軸受の設置数をm、ラジアル軸受の設置数をn、磁気ダンパの設置数をkとするとき、(数4)
Figure 2008169965
を満たすことを特徴とする。
また、請求項3に記載した磁気軸受装置は、固定子側と回転子側の第1軸受磁極を、空隙を介してスラスト方向に対向させ、空隙に面するそれぞれの第1軸受磁極に回転子の回転中心を中心とする同心円状に複数の溝を有し、固定子側で第1軸受磁極の溝の少なくとも1つに電磁石巻線を設置することにより固定子と回転子とに磁気回路を形成したラジアルスラスト軸受と、固定子側と回転子側の第2軸受磁極を、空隙を介してスラスト方向に対向させ、空隙に面するそれぞれの第2軸受磁極に回転子の回転中心を中心とする同心円状に複数の溝を有し、固定子側で第2軸受磁極の溝の少なくとも1つに永久磁石を設置することにより固定子と回転子とに磁気回路を形成したラジアル軸受と、固定子側のダンパ磁極としてラジアル方向に空隙を介して回転子に対向させ、ダンパ磁極に有する溝に電磁石巻線を設置することにより、固定子と回転子とに磁気回路を形成した磁気ダンパと、により構成したことを特徴とする。
また、請求項4に記載した磁気軸受装置は、請求項3の磁気軸受装置であって、ラジアルスラスト軸受における複数の磁極歯のうち最小の磁極歯の幅をrg、複数ある磁極歯を4つの磁極歯としてモデル化して、回転子の回転中心からそれぞれの磁極歯が内径rf,外径rf,幅rg、内径rf,外径rf,幅rg、内径rf,外径rf,幅rg、内径rf,外径rf,幅rg、ラジアルスラスト軸受で回転子と固定子とのスラスト方向のギャップをg、電磁石巻線の巻線に流す電流をI、巻線の巻き数をNとし、ラジアル軸受における複数の磁極歯のうち最小の磁極歯の幅をrg、複数ある磁極歯を4つの磁極歯としてモデル化して、回転子の回転中心からそれぞれの磁極歯が内径rr,外径rr,幅rg、内径rr,外径rr,幅rg、内径rr,外径rr,幅rg、内径rr,外径rr,幅rg、ラジアル軸受で回転子と固定子とのスラスト方向のギャップをg、永久磁石の磁気回路方向の長さをlp、永久磁石の内径をRe、永久磁石のスラスト方向の高さをre、永久磁石の保持力をHcとし、磁気ダンパのダンパ磁極と固定子の中心からの半径をR、ダンパ磁極と回転子のラジアル方向のギャップをg、ダンパ磁極のスラスト方向の高さをh、電磁石巻線の巻線に流す電流をI、巻線の巻き数をNとし、回転子のラジアル方向の変位をx、外径rfを半径とした円と該半径rfの円をラジアル方向に変位x移動させたときの元の半径rfの円との交点の回転中心における角度をα1、外径rrを半径とした円と該半径rrの円をラジアル方向に変位x移動させたときの元の半径rrの円との交点の回転中心における角度をα2、スラスト軸まわりの回転角度をθ、ラジアルスラスト軸受の設置数をm、ラジアル軸受の設置数をn、磁気ダンパの設置数をkとするとき、(数5)
Figure 2008169965
を満たすことを特徴とする。
また、請求項5に記載した磁気軸受装置は、固定子側と回転子側の第1軸受磁極を、空隙を介してスラスト方向に対向させ、空隙に面するそれぞれの第1軸受磁極に回転子の回転中心を中心とする同心円状に複数の溝を有し、固定子側で第1軸受磁極の溝の少なくとも1つに電磁石巻線を設置することにより固定子と回転子とに磁気回路を形成したラジアルスラスト軸受と、固定子側と回転子側の第2軸受磁極を、空隙を介してスラスト方向に対向させ、空隙に面するそれぞれの第2軸受磁極に回転子の回転中心を中心とする同心円状に複数の溝を有し、固定子側で第2軸受磁極の溝の少なくとも1つに電磁石巻線を設置することにより固定子と回転子とに磁気回路を形成したラジアル軸受と、固定子側のダンパ磁極としてラジアル方向に空隙を介して回転子に対向させ、ダンパ磁極に有する溝に電磁石巻線を設置することにより、固定子と回転子とに磁気回路を形成した磁気ダンパと、により構成したことを特徴とする。
また、請求項6に記載した磁気軸受装置は、請求項5の磁気軸受装置であって、ラジアルスラスト軸受における複数の磁極歯のうち最小の磁極歯の幅をrg、複数ある磁極歯を4つの磁極歯としてモデル化して、回転子の回転中心からそれぞれの磁極歯が内径rf,外径rf,幅rg、内径rf,外径rf,幅rg、内径rf,外径rf,幅rg、内径rf,外径rf,幅rg、ラジアルスラスト軸受で回転子と固定子とのスラスト方向のギャップをg、電磁石巻線の巻線に流す電流をI、巻線の巻き数をNとし、ラジアル軸受における複数の磁極歯のうち最小の磁極歯の幅をrg、複数ある磁極歯を4つの磁極歯としてモデル化して、回転子の回転中心からそれぞれの磁極歯が内径rr,外径rr,幅rg、内径rr,外径rr,幅rg、内径rr,外径rr,幅rg、内径rr,外径rr,幅rg、ラジアル軸受で回転子と固定子とのスラスト方向のギャップをg、電磁石巻線の巻線に流す電流をI、巻線の巻き数をNとし、磁気ダンパのダンパ磁極と固定子の中心からの半径をR、ダンパ磁極と回転子のラジアル方向のギャップをg、ダンパ磁極のスラスト方向の高さをh、電磁石巻線の巻線に流す電流をI、巻線の巻き数をNとし、回転子のラジアル方向の変位をx、外径rfを半径とした円と該半径rfの円をラジアル方向に変位x移動させたときの元の半径rfの円との交点の回転中心における角度をα1、外径rrを半径とした円と該半径rrの円をラジアル方向に変位x移動させたときの元の半径rrの円との交点の回転中心における角度をα2、スラスト軸まわりの回転角度をθ、ラジアルスラスト軸受の設置数をm、ラジアル軸受の設置数をn、磁気ダンパの設置数をkとするとき、(数6)
Figure 2008169965
を満たすことを特徴とする。
また、請求項7に記載した磁気軸受装置は、請求項1〜6の磁気軸受装置であって、電磁石巻線に流す電流を変化させることによって、軸受剛性,ダンピング特性を調整することを特徴とする。
前記構成によれば、回転子をラジアル方向に変位させたとき、ラジアルスラスト軸受とラジアル軸受に発生するラジアル方向の変位と逆向きに発生するラジアル方向の復元力の合力が磁気ダンパにより発生するラジアル方向の吸引力よりも大きくすることにより、高い剛性を有しかつダンピング性能の増大を図ることができ、ラジアル軸受により高い剛性を有し、かつラジアル方向への加工による振動が発生した場合、磁気ダンパによりダンピング性能を確保することができる。
また、請求項8に記載した磁気軸受装置は、軸受剛性,ダンピング性能を有した磁気軸受装置において、固定子側と回転子側の軸受磁極を、空隙を介してスラスト方向に対向させ、空隙に面するそれぞれの軸受磁極に回転子の回転中心を中心とする同心円状に複数の溝を有した磁極A面と、固定子側と回転子側のダンパ磁極を、空隙を介してラジアル方向に対向させた磁極B面と、固定子側の磁極A面の溝の少なくとも1つに設置した電磁石巻線と、により固定子の磁極A面及び磁極B面と回転子とに磁気回路を形成した磁気軸受を備えたことを特徴とする。
また、請求項9に記載した磁気軸受装置は、請求項8の磁気軸受装置であって、電磁石巻線を設置した磁極A面における複数の磁極歯のうち最小の磁極歯の幅をrg、複数ある磁極歯を2つの磁極歯としてモデル化して、回転子の回転中心からそれぞれの磁極歯が内径r,外径r,幅rg、内径r,外径r,幅rg、磁極A面と回転子とのスラスト方向のギャップをg、磁極B面の固定子の中心からの半径をR、磁極B面と回転子のラジアル方向のギャップをg、回転子のラジアル方向の変位をx、外径rを半径とした円と該半径rの円をラジアル方向に変位x移動させたときの元の半径rの円との交点の回転中心における角度をα、スラスト軸まわりの回転角度をθとするとき、(数7)
Figure 2008169965
を満たす磁気軸受を備えたことを特徴とする。
また、請求項10に記載した磁気軸受装置は、請求項8,9の磁気軸受装置であって、磁気軸受を複数個設置した磁気軸受装置において、電磁石巻線に流す電流を変化させることによって、軸受剛性,ダンピング特性を調整することを特徴とする。
また、請求項11に記載した磁気軸受装置は、軸受剛性,ダンピング性能を有した磁気軸受装置において、固定子側と回転子側の軸受磁極を、空隙を介してスラスト方向に対向させ、空隙に面するそれぞれの軸受磁極に回転子の回転中心を中心とする同心円状に複数の溝を有した磁極A面と、固定子側と回転子側のダンパ磁極を、空隙を介してラジアル方向に対向させた磁極B面と、固定子側の磁極A面の溝の少なくとも1つに設置した永久磁石と、により固定子の磁極A面及び磁極B面と回転子とに磁気回路を形成した磁気軸受を備えたことを特徴とする。
また、請求項12に記載した磁気軸受装置は、請求項11の磁気軸受装置であって、永久磁石を設置した磁極A面における複数の磁極歯のうち最小の磁極歯の幅をrg、複数ある磁極歯を2つの磁極歯としてモデル化して、回転子の回転中心からそれぞれの磁極歯が内径r,外径r,幅rg、内径r,外径r,幅rg、磁極A面と回転子とのスラスト方向のギャップをg、磁極B面の固定子の中心からの半径をR、永久磁石の磁気回路方向の長さをlp、永久磁石のラジアル方向の幅をre、永久磁石の外径をRe、磁極B面と回転子のラジアル方向のギャップをg、回転子のラジアル方向の変位をx、外径rを半径とした円と該半径rの円をラジアル方向に変位x移動させたときの元の半径rの円との交点の回転中心における角度をα、スラスト軸まわりの回転角度をθとするとき、(数8)
Figure 2008169965
を満たす磁気軸受を備えたことを特徴とする。
さらに、前記構成によれば、回転子をラジアル方向に変位させたとき、磁極A面に発生するラジアル方向の変位と逆向きに発生するラジアル方向の復元力が磁極B面に発生するラジアル方向の吸引力よりも大きくすることにより、高い剛性を有しかつダンピング性能を増大させるとともに、磁気軸受を小型化し、さらに部品点数の削減を図ることができる。
本発明によれば、回転子にラジアル方向の振動が発生したときに、速やかに振動を低減する磁気軸受装置を提供できるという効果を奏する。
以下、図面を参照して本発明における実施の形態を詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は本発明の実施形態1における磁気軸受装置を示す構造図である。図1において、17は回転体である回転子で、複数の磁極歯(以下、磁歯という)が設けられた軸受磁極11,12に、工具16が取り付けられている。この回転子17側の軸受磁極11,12から微小間隔の距離をおいて固定子側の軸受磁極1,3,5,7、回転子17から微小間隔の距離をおいて回転子17のスラスト方向の変位を検出する変位センサ13,14が配置され、回転子17とは非接触で支持されている。
固定子側の軸受磁極1,3,5,7には、回転子17側の軸受磁極11,12に対応した複数の磁歯が設けられ、回転子17を取り巻くリング状に配置されている。固定子側の軸受磁極1,3には回転子17の回転中心を中心とする同心円状に複数の溝を有し、少なくとも1つに電磁石巻線2,4が設置されている。
固定子側の軸受磁極5,7には回転子17の回転中心を中心とするリング状の永久磁石6,8が設置されている。永久磁石6,8は高い吸引力を得るために希土類鉄系磁石などを使用する。
また、回転子17からラジアル方向に微小間隔の距離をおいて磁気ダンパのダンパ磁極9が設けられ、回転子17を取り巻くリング状に配置されている。磁気ダンパのダンパ磁極9の溝にはリング状の永久磁石10が設置されている。この永久磁石10も高い磁束を得るために希土類鉄系磁石などを使用する。
変位センサ13,14としては、よく知られた渦電流形センサ、静電容量形センサ、光センサなどが用いられる。19はケーシングであり、固定子側の軸受磁極1,3,5,7、変位センサ13,14などの固定子側部材が取り付けられている。15はアクチュエータであり、回転子17を回転させるためのモータなどが用いられる。
ラジアル方向の磁気浮上による支持について説明する。固定子側の軸受磁極1,3に取り付けられている電磁石巻線2,4に電流を流して磁束を発生させ、対向する回転子側の軸受磁極11とで磁路が形成される。この磁束により、固定子側の軸受磁極1,3と回転子17側の軸受磁極11との間にスラスト方向の磁気吸引力が発生する。また、ラジアル方向への変位に対しては、固定子側の軸受磁極1,3に形成されている磁歯と回転子側の軸受磁極11との対向面積の減少に伴う磁気エネルギーの減少に逆らうラジアル方向の復元力が発生して、回転子17のラジアル方向の移動を押し戻す。この軸受をラジアルスラスト軸受と呼ぶことにする。
固定子側の軸受磁極5,7に対向する回転子側の軸受磁極12においては、固定子側の軸受磁極5,7に取り付けられている永久磁石6,8により発生する磁束により、対向する回転子17側の軸受磁極12とで磁路が形成される。この磁束により、固定子側の軸受磁極5,7と回転子17側の軸受磁極12との間にスラスト方向の磁気吸引力が発生する。また、ラジアル方向への変位に対しては、固定子側の軸受磁極5,7に形成されている磁歯と回転子17側の軸受磁極12との対向面積の減少に伴う磁気エネルギーの減少に逆らうラジアル方向の力が発生して、回転子17のラジアル方向の移動を押し戻す。この軸受をラジアル軸受と呼ぶことにする。
スラスト方向の磁気浮上による支持について説明する。制御回路の構成は図示していないが、変位センサ13,14の信号と目標位置との偏差を求め、偏差をなくすように電磁石巻線2,4に電流を流し、固定子側の軸受磁極1,3と回転子17側の軸受磁極11との間に生じる磁気吸引力を制御することによって回転子17のスラスト方向の位置を浮上制御する。
磁気ダンパについて説明する。回転子17がラジアル方向に変位すると、磁束の変化を打ち消す方向に回転子17及び磁気ダンパのダンパ磁極9に渦電流が発生し、この渦電流により運動を制動する力が発生する。この磁気ダンパは平衡点からずれると、回転子17が磁気ダンパのダンパ磁極9に吸引されるので、回転子17をバネ要素で支持しておく必要がある。
本実施形態1ではラジアルスラスト軸受及びラジアル軸受の磁気吸引力により非接触でバネ要素を構成している。したがって、非接触浮上をさせるためには、ラジアルスラスト軸受とラジアル軸受のラジアル方向の復元力の和を磁気ダンパの吸引力よりも大きくする必要がある。回転中心からラジアル方向にずれたときの回転子17が磁気ダンパのダンパ磁極9に吸引される方向と、ラジアルスラスト軸受、ラジアル軸受の復元力は逆向きの力である。
次に、ラジアルスラスト軸受、ラジアル軸受の復元力と回転子17が磁気ダンパのダンパ磁極9に吸引される力を定式化する。また図2はラジアルスラスト軸受の構造を示している。
図2に示す第1磁歯51の断面積をS、第2磁歯52の断面積をS、第3磁歯53の断面積をS、第4磁歯54の断面積をS、電磁石巻線の巻数をN、巻線に流す電流をI、軸受磁極の回転子と固定子とのギャップをgとすると、磁路の磁束Φは(数9)
Figure 2008169965
にて表される。μは真空の透磁率である。
断面積S,S,S,Sはラジアル方向の変位xの関数なので、磁束Φを変位xで微分すると(数10)
Figure 2008169965
にて表される。
また、図3に示す半径rの円がラジアル方向に変位xずれたときの元の円の中心からの距離rθを求めると、角度θにおいて、(数11)
Figure 2008169965
にて表されて近似できる。
複数ある磁歯を4つの磁歯としてモデル化する。ラジアルスラスト軸受の複数の磁歯のうち最小の磁歯の幅をrgとし、第1磁歯51の内径をrf、外径をrf、第2磁歯52の内径をrf、外径をrf、第3磁歯53の内径をrf、外径をrf、第4磁歯54の内径をrf、外径をrfとする。
図3に示すように外径rfを半径とした円と半径rfの円をラジアル方向に変位x移動させたときの元の半径rfの円との交点の回転中心における角度をα1、第1〜第4磁歯51〜54の幅は等しくrgとする。図4に示すように、例えば内径をrf、外径をrfの磁歯がラジアル方向に変位xずれたとき、微小区間dθにおける面積dS及び面積の変位xの微分は(数12)
Figure 2008169965
にて表される。
また(数10),(数12)の式より、(数13)
Figure 2008169965
で表される。
この区間での磁路の磁気エネルギーをWとすると、変位xに対する復元力Ff1は(数14)
Figure 2008169965
にて表される。
また、角度α1からπradまでの範囲では、微小区間dθにおける面積dS及び面積の変位xの微分は(数15)
Figure 2008169965
にて表される。
この区間での変位xに対する復元力をFf2とすると(数16)
Figure 2008169965
にて表される。
次に、ラジアル軸受の復元力を求める。図5はラジアル軸受の構造図である。図5において、第5磁歯55の断面積をS、第6磁歯56の断面積をS、第7磁歯57の断面積をS、第8磁歯58の断面積をS、軸受磁極の回転子17と固定子とのギャップをg、永久磁石の磁路方向の長さをlp、永久磁石の内径をRe、永久磁石のスラスト方向の高さをre、永久磁石の保持力をHc、永久磁石の断面積をSとすると、磁路の磁束Φは(数17)
Figure 2008169965
にて表される。
断面積S,S,S,Sはラジアル方向の変位xの関数なので、磁束Φを変位xで微分すると(数18)
Figure 2008169965
にて表される。
複数ある磁歯を4つの磁歯としてモデル化する。ラジアル軸受の複数の磁歯のうち最小の磁歯の幅をrgとし、第5磁歯55の内径をrr、外径をrr、第6磁歯56の内径をrr、外径をrr、第7磁歯57の内径をrr、外径をrr、第8磁歯58の内径をrr、外径をrrとする。外径rrを半径とした円と半径rrの円をラジアル方向に変位x移動させたときの元の半径rrの円との交点の回転中心における角度をα2とし、第5〜第8磁歯55〜58の幅は等しくrgとする。ラジアル方向に変位xずれたとき、微小区間dθにおける面積dS及び面積の変位xの微分は(数19)
Figure 2008169965
にて表される。また図6にdSの説明図を示す。
(数18),(数19)の式より、(数20)
Figure 2008169965
で表される。
この区間での変位xに対する復元力Fr1は(数21)
Figure 2008169965
にて表される。
また、角度α2からπradまでの範囲では、微小区間dθにおける面積dS及び面積の変位xの微分は(数22)
Figure 2008169965
にて表される。
この区間での変位xに対する復元力をFr2とすると(数23)
Figure 2008169965
にて表される。
次に、磁気ダンパの吸引力を求める。図7に磁気ダンパの構造図を示す。磁気ダンパのダンパ磁極9(磁歯)の面積をS、磁気ダンパのダンパ磁極9と固定子の中心からの半径をR、回転子17の半径をr、固定子と回転子17のラジアル方向のギャップをge、ダンパ磁極9(磁歯)のスラスト方向の高さをh、永久磁石の磁路方向の長さをlp、永久磁石のラジアル方向の幅をre、永久磁石の外径をRe、永久磁石の保持力をHc、永久磁石の断面積をSとすると、磁気ダンパの吸引力Fd1は(数24)
Figure 2008169965
にて表される。
ダンパ磁極9の磁歯の面積S、永久磁石の断面積S、ギャップgeは(数25)
Figure 2008169965
にて表される。
したがって、変位xに対する力Fd1は(数26)
Figure 2008169965
にて表される。
ここで、ラジアルスラスト軸受の設置数をm、ラジアル軸受の設置数をn、磁気ダンパの設置数をkとするとき、非接触浮上をさせるために、ラジアルスラスト軸受とラジアル軸受のラジアル方向の復元力の和を磁気ダンパの吸引力よりも大きくするための条件は(数27)
Figure 2008169965
にて表される。
ラジアルスラスト軸受はスラスト方向の軸受を兼用しているため、スラスト方向の吸引力を線形化するために、対向させて設置する(m=2)ことが望ましい。
次に、本実施形態1の具体的な設計例を示す。前述したラジアルスラスト軸受の複数の磁歯のうち最小の磁歯の幅をrg=0.4mm、回転子17の中心からそれぞれ内径rf=9.5mm、外径rf=9.9mm、内径rf=10.3mm、外径rf=10.7mm、内径rf=11.1mm、外径rf=11.5mm、内径rf=11.9mm、外径rf=12.3mm、ラジアルスラスト軸受と回転子17とのスラスト方向のギャップをg=0.025mm、電磁石巻線に流す電流をI=0.15A、巻線の巻き数をN=300ターンとする。
また、ラジアル軸受の複数の磁歯のうち最小の磁歯の幅をrg、複数ある磁歯を4つの磁歯としてモデル化し、回転子17の中心から内径rr=9.5mm、外径rr=9.9mm、内径rr=10.3mm、外径rr=10.7mm、内径rr=11.1mm、外径rr=11.5mm、内径rr=11.9mm、外径rr=12.3mm、ラジアル軸受と回転子17とのスラスト方向のギャップをg=0.025mm、永久磁石の磁路方向の長さをlp=3mm、永久磁石の内径をRe=10.7mm、永久磁石のスラスト方向の高さをre=1.2mm、永久磁石の保持力をHc=891×10A/mとする。
そして、磁気ダンパのダンパ磁極と固定子の中心からの半径をR=12.4mm、ダンパ磁極(磁歯)のスラスト方向の高さをh=1mm、永久磁石の磁路方向の長さをlp=3mm、永久磁石のラジアル方向の幅をre=1.3mm、外径をRe=15mm、永久磁石の保持力をHc=891×10A/m、回転子17のラジアル方向の変位をx=0.05mm、スラスト軸まわりの回転角度をθ、ラジアルスラスト軸受の設置数をm=1、ラジアル軸受の設置数をn=1、磁気ダンパの設置数をk=1とするとき、磁気ダンパのダンパ磁極と回転子17のラジアル方向のギャップgを変化させたときの(数27)の計算結果を図8に示す。(数27)の右辺>左辺となっている磁気ダンパのギャップで条件を満たしている。
(実施形態2)
図9は本発明の実施形態2における磁気軸受装置を示す構造図である。本実施形態2は前述した実施形態1の磁気ダンパを電磁石タイプとしたものである。図10に本実施形態2における磁気ダンパの構造図を示す。磁気ダンパのダンパ磁極20(磁歯)の面積をS、磁気ダンパ20のダンパ磁極と回転子17とのギャップをge、回転中心から磁極までの半径をR、電磁石巻線の巻数をN、巻線を流れる電流をIとすると、電磁石の吸引力Fd2は(数28)
Figure 2008169965
にて表される。
したがって、変位xに対する力Fd2xは(数29)
Figure 2008169965
にて表される。
ラジアルスラスト軸受の設置数をm、ラジアル軸受の設置数をn、磁気ダンパの設置数をkとするとき、非接触浮上をさせるために、ラジアルスラスト軸受とラジアル軸受のラジアル方向の復元力の和を磁気ダンパの吸引力よりも大きくするための条件は(数30)
Figure 2008169965
にて表される。
電磁石タイプにすることにより、加工に応じて電流値を変化させることにより磁気ダンパの効果を調整することができる。
本実施形態2の具体的な設計例を示す。前述したラジアルスラスト軸受の複数の磁歯のうち最小の磁歯の幅をrg=0.4mm、回転子17の回転中心からそれぞれ内径rf=9.5mm、外径rf=9.9mm、内径rf=10.3mm、外径rf=10.7mm、内径rf=11.1mm、外径rf=11.5mm、内径rf=11.9mm、外径rf=12.3mm、ラジアルスラスト軸受と回転子17とのスラスト方向のギャップをg=0.025mm、電磁石巻線に流す電流をI=0.15A、巻線の巻き数をN=300ターンとする。
また、ラジアル軸受の複数の磁歯のうち最小の磁歯の幅をrg、複数ある磁歯を4つの磁歯としてモデル化して、回転子17の回転中心から内径rr=9.5mm、外径rr=9.9mm、内径rr=10.3mm、外径rr=10.7mm、内径rr=11.1mm、外径rr=11.5mm、内径rr=11.9mm、外径rr=12.3mm、ラジアル軸受と回転子17とのスラスト方向のギャップをg=0.025mm、永久磁石の磁路方向の長さをlp=3mm、永久磁石の内径をRe=10.7mm、永久磁石のスラスト方向の高さをre=1.2mm、永久磁石の保持力をHc=891×10A/mとする。
そして、磁気ダンパのダンパ磁極と固定子の中心からの半径をR=12.4mm、ダンパ磁極(磁歯)のスラスト方向の高さをh=1mm、電磁石巻線に流す電流をI=0.17A、巻線の巻き数をN=300ターン、回転子17のラジアル方向の変位をx=0.05mm、スラスト軸まわりの回転角度をθ、ラジアルスラスト軸受の設置数をm=1、ラジアル軸受の設置数をn=1、磁気ダンパの設置数をk=1とするとき、磁気ダンパのダンパ磁極と回転子17のラジアル方向のギャップgを変化させたときの(数30)の計算結果を図11に示す。(数30)の右辺>左辺となっている磁気ダンパのギャップで条件を満たしている。
(実施形態3)
図12は本発明の実施形態3における磁気軸受装置を示す構造図である。本実施形態3は前述した実施形態2のラジアル軸受を電磁石タイプとしたものである。実施形態1と同様に、ラジアル軸受の複数の磁歯のうち最小の磁歯の幅をrgとし、4つの磁歯を内側から内径をrr、外径をrr、内径をrr、外径をrr、内径をrr、外径をrr、内径をrr、外径をrrとする。電磁石巻線の巻数をN、巻線に流す電流をIとすると、外径rrを半径とした円と半径rrの円をラジアル方向に変位x移動させたときの元の半径rrの円との交点の回転中心における角度をα2とし、4つの磁歯の幅は等しくrgとする。変位xに対する復元力Fr1、Fr2は(数31)
Figure 2008169965
にて表される。
ラジアルスラスト軸受の設置数をm、ラジアル軸受の設置数をn、磁気ダンパの設置数をkとするとき、非接触浮上をさせるために、ラジアルスラスト軸受とラジアル軸受のラジアル方向の復元力の和を磁気ダンパの吸引力よりも大きくするための条件は(数32)
Figure 2008169965
にて表される。
電磁石タイプにすることにより、加工に応じて電流値を変化させることにより剛性及び磁気ダンパの効果を調整することができる。
次に、実施形態3の具体的な設計例を示す。前述したラジアルスラスト軸受の複数の磁歯のうち最小の磁歯の幅をrg=0.4mm、回転子17の回転中心からそれぞれ内径rf=9.5mm、外径rf=9.9mm、内径rf=10.3mm、外径rf=10.7mm、内径rf=11.1mm、外径rf=11.5mm、内径rf=11.9mm、外径rf=12.3mm、ラジアルスラスト軸受と回転子17とのスラスト方向のギャップをg=0.025mm、電磁石巻線に流す電流をI=0.15A、巻線の巻き数をN=300ターンとする。
また、ラジアル軸受の複数の磁歯のうち最小の磁歯の幅をrg、複数ある磁歯を4つの磁歯としてモデル化し、回転子17の回転中心から内径rr=9.5mm、外径rr=9.9mm、内径rr=10.3mm、外径rr=10.7mm、内径rr=11.1mm、外径rr=11.5mm、内径rr=11.9mm、外径rr=12.3mm、ラジアル軸受と回転子17とのスラスト方向のギャップをg=0.025mm、電磁石巻線に流す電流をI=0.15A、巻数の巻き数をN=300ターンとする。
そして、磁気ダンパのダンパ磁極と固定子の中心からの半径をR=12.4mm、ダンパ磁極(磁歯)のスラスト方向の高さをh=1mm、電磁石巻線に流す電流をI=0.17A、巻線の巻き数をN=300ターン、回転子17のラジアル方向の変位をx=0.05mm、スラスト軸まわりの回転角度をθ、ラジアルスラスト軸受の設置数をm=1、ラジアル軸受の設置数をn=1、磁気ダンパの設置数をk=1とするとき、磁気ダンパのダンパ磁極と回転子17のラジアル方向のギャップgを変化させたときの(数32)の計算結果を図13に示す。(数32)の右辺>左辺となっている磁気ダンパのギャップで条件を満たしている。
(実施形態4)
図14は本発明の実施形態4における磁気軸受の構造図を示す図である。前述した実施形態1〜3は、軸受磁極とダンパ磁極が別構造で構成されていたが、本実施形態4では同一磁路に軸受磁極とダンパ磁極を設けて兼用した磁気軸受である。
ダンパ磁極の磁気ダンパを別に構成する必要がないため、装置を小型化ができ、また回転子の長さを短くすることができるため、固有振動数を高くすることができる。さらに、永久磁石をはじめとする部品点数を削減することができ、コストダウンを実現できる。
本実施形態4について図14を用いて説明する。17は回転子であり、複数の磁歯が設けられた軸受磁極11が取り付けられている。この回転子17側の軸受磁極11からスラスト方向に微小間隔の距離(空隙)をおいて固定子側の軸受磁極31が配置されている。固定子側の軸受磁極31には、回転子側の軸受磁極11に対応した複数の磁歯が設けられ、回転子17を取り巻くリング状に配置されている。また、固定子側の軸受磁極31には回転子17の回転中心を中心とする同心円状に複数の溝を有し、少なくとも1つに電磁石巻線32が設置されている。また、固定子側の軸受磁極31には、回転子17の軸受磁極11からラジアル方向に微小間隔の距離をおいて磁気ダンパ用のダンパ磁極33が設けられている。
ラジアル方向の磁気浮上による支持について説明する。固定子側の軸受磁極31に取り付けられている電磁石巻線32に電流を流し磁束を発生させ、固定子側の軸受磁極31の磁歯と対向する回転子17側の軸受磁極11の磁歯と磁気ダンパ用のダンパ磁極33の磁歯とで磁路が形成される。この磁束により、固定子側の軸受磁極31と回転子17側の軸受磁極11との間にスラスト方向の磁気吸引力が発生する。また、ラジアル方向への変位xに対しては、固定子側の軸受磁極31に形成されている磁歯と回転子17側の軸受磁極11の磁歯との対向面積の減少に伴う磁気エネルギーの減少に逆らうラジアル方向の復元力が発生して回転子17のラジアル方向の移動を押し戻す。
磁気ダンパの動作について説明する。回転子17がラジアル方向に変位すると、磁束の変化を打ち消す方向に回転子17及びダンパ磁極33に渦電流が発生し、この渦電流により運動を制動する力が発生する。この磁気ダンパは平衡点からずれると、回転子17がダンパ磁極33に吸引されるので、回転子17をバネ要素で支持しておく必要がある。本実施形態4では磁気ダンパと同一磁路に設けられている軸受磁極のラジアル方向の磁気吸引力により非接触なバネ要素を構成している。したがって、非接触浮上をさせるためには、軸受磁極のラジアル方向の復元力が磁気ダンパの吸引力よりも大きくなる必要がある。回転中心からラジアル方向にずれたときの回転子17がダンパ磁極33に吸引される方向と、軸受磁極のスラスト方向の復元力は逆向きの力である。
ダンパ効果の発生を確認するために、図15に示すモデルを用いてCAE解析(Computer Aided Engineering)を行った。ダンパ効果のみの解析とするため、軸受磁極のスラスト方向の復元力が働かないよう回転子17側の軸受磁極をフラットにした。ラジアル方向のバネ定数は解析ソフト上で与えた。固定子側の磁極と回転子側の磁極のギャップは、スラスト方向(軸受磁極)0.025mm、ラジアル方向(ダンパ磁極)0.1mm、初期のラジアル方向変位を0.010mm、希土類永久磁石を使用したときの固定子側に発生する電流を図16、回転子17側に発生する電流を図17、回転子17のラジアル方向の変位を図18に示す。図18に示すように、回転子17の変位が減衰していることが分かる。
次に、軸受磁極の復元力とダンパ磁極の吸引力を定式化する。図14に示すように、複数ある磁歯を2つの磁歯としてモデル化する。第9磁歯61の断面積をS,第10磁歯62の断面積をS,ダンパ磁極33(磁歯)の面積をS、電磁石巻線32の巻数をN、巻線に流す電流をI、第9磁歯61及び第10磁歯62と回転子17とのギャップをg、ダンパ磁極33と回転子17の軸受磁極11とのラジアル方向のギャップをgとすると、磁路の磁束Φは(数33)
Figure 2008169965
にて表される。
断面積S,Sはラジアル方向の変位xの関数なので、磁束Φを変位xで微分すると(数34)
Figure 2008169965
にて表される。
第9磁歯61の内径をr、外径をr、第10磁歯62の内径をr、外径をrとする。図19に示すように外径rを半径とした円と半径rの円をラジアル方向に変位x移動させたときの元の半径rの円との交点で回転中心における角度をαとし、第9磁歯61、第10磁歯62の幅は等しくrgとすると、微小区間dθの面積及び面積の変位xの微分は(数35)
Figure 2008169965
にて表すことができる。
(数34),(数35)より、(数36)
Figure 2008169965
と表すことができる。
変位xに対する復元力F1は(数37)
Figure 2008169965
にて表すことができる。
また、角度αからπradまでの範囲では、微小区間dθの面積及び面積の変位xの微分は(数38)
Figure 2008169965
と表すことができる。
この区間での変位xに対する復元力F2は(数39)
Figure 2008169965
と表すことができる。
また、磁気ダンパの変位xに対する吸引力Fd3は(数40),(数41)より(数42)
Figure 2008169965
Figure 2008169965
Figure 2008169965
と表すことができる。
したがって、軸受磁極の復元力をダンパ磁極の吸引力よりも大きくするためには、(数43)
Figure 2008169965
の条件を満たす必要がある。
図20は本実施形態4の磁気軸受で構成された磁気軸受装置の例を示す図である。図20に示すように、工具16に近い方(フロント側)の磁気軸受に本実施形態4の磁気軸受を設置し、工具16から遠い方(リヤ側)の磁気軸受は実施形態1の永久磁石を使用したラジアル軸受で構成している。
次に、本実施形態4の具体的な設計例を示す。図14に示す磁極A面の複数の磁歯のうち最小の磁歯の幅をrg=0.4mm、回転子17の回転中心からそれぞれ内径r=9.5mm、外径r=9.9mm、内径r=10.3mm、外径r=10.7mm、磁極A面と回転子17とのスラスト方向のギャップをg=0.050mm、磁極B面と固定子の中心からの半径をR=12.4mm、磁極B面と回転子17のラジアル方向のギャップをg=0.1mm、回転子17のラジアル方向の変位をx=0.05mm、スラスト軸まわりの回転角度をθとするとき、ダンパ磁極33(磁歯)のスラスト方向の高さhを変化させたときの(数43)の計算結果を図21に示す。(数43)の右辺>左辺となっているダンパ磁極33のスラスト方向の高さで条件を満たしている。
(実施形態5)
図22は本発明の実施形態5における磁気軸受装置を示す構造図である。本実施形態5は実施形態4の磁気軸受の電磁石巻線を永久磁石にしたものである。第9磁歯61の断面積をS,第10磁歯62の断面積をS,ダンパ磁極37の面積をS、永久磁石の磁路方向の長さをlp、永久磁石のラジアル方向の幅をre、永久磁石の外径をRe、永久磁石の保持力をHc、永久磁石の断面積をS、第9磁歯61及び第10磁歯62と回転子17とのギャップをg、ダンパ磁極37と回転子17とのギャップをgとすると、磁路の磁束Φは(数44)
Figure 2008169965
で表すことができる。
ここで、永久磁石の断面積Sは(数45)
Figure 2008169965
にて表す。
断面積S,Sはラジアル方向の変位xの関数なので、磁束Φを変位xで微分すると(数46)
Figure 2008169965
となる。
(数35),(数45)より、(数47)
Figure 2008169965
と表すことができる。
したがって、変位xに対する復元力F1は(数48)
Figure 2008169965
と表すことができる。
また、角度αからπradまでの範囲における変位xに対する復元力F2は(数49)
Figure 2008169965
と表すことができる。
また、磁気ダンパの吸引力は(数50)
Figure 2008169965
と表すことができる。
(数41)より、磁気ダンパの吸引力によるラジアル方向の成分は(数51)
Figure 2008169965
と表すことができる。
したがって、軸受磁極によるラジアル方向の復元力を磁気ダンパの吸引力よりも大きくするためには、(数52)
Figure 2008169965
の条件を満たす必要がある。
また、図24に示すように、ダンパ磁極の磁極D面を回転子の回転軸側に配置しても同様の効果が得られる。
次に、本実施形態5の具体的な設計例を示す。図22に示す磁極A面の複数の磁歯のうち最小の磁歯の幅をrg=0.4mm、回転子17の回転中心からそれぞれ内径r=9.5mm、外径r=9.9mm、内径r=10.3mm、外径r=10.7mm、磁極A面と回転子17とのスラスト方向のギャップをg=0.025mm、磁極B面の固定子の中心からの半径をR=12.4mm、磁極B面と回転子17のラジアル方向のギャップをg=0.1mm、永久磁石の磁路方向の長さをlp=3mm、永久磁石のラジアル方向の幅をre=1.3mm、外径をRe=15mm、回転子17のラジアル方向の変位をx=0.05mm、スラスト軸まわりの回転角度をθとするとき、ダンパ磁極37(磁歯)のスラスト方向の高さhを変化させたときの(数52)の計算結果を図23に示す。(数52)の右辺>左辺となっているダンパ磁極37のスラスト方向の高さで条件を満たしている。
本発明に係る磁気軸受装置は、回転子に加わる外乱の大きさに応じてダンパ効果を増大させることができるため、回転子に加わる外乱が大きく変化する工作機械用として有用である。
本発明の実施形態1における磁気軸受装置を示す構造図 本実施形態1におけるラジアルスラスト軸受の構造を示す図 本実施形態1における変位xに対する距離rθと角度α1の説明図 本実施形態1における変位xに対する微小面積dSの説明図 本実施形態1におけるラジアル軸受の構造を示す図 本実施形態1における微小面積dSの説明図 本実施形態1における磁気ダンパの構造を示す図 本実施形態1における磁気軸受の計算結果を示す図 本発明の実施形態2における磁気軸受装置を示す構造図 本実施形態2における磁気ダンパの構造を示す図 本実施形態2における磁気軸受の計算結果を示す図 本発明の実施形態3における磁気軸受装置を示す構造図 本実施形態3における磁気軸受の計算結果を示す図 本発明の実施形態4における磁気軸受の構造図 本実施形態4における磁気軸受の解析モデルを示す図 本実施形態4における磁気軸受の解析結果(固定子側の電流)を示す図 本実施形態4における磁気軸受の解析結果(回転子側の電流)を示す図 本実施形態4における磁気軸受の解析結果(ラジアル方向の変位)を示す図 本実施形態4における変位xに対する角度αの説明図 本実施形態4の磁気軸受で構成された磁気軸受装置の例を示す図 本実施形態4における磁気軸受の計算結果を示す図 本発明の実施形態5における磁気軸受装置を示す構造図 本実施形態5における磁気軸受の計算結果を示す図 本実施形態5における別の磁気軸受の構造を示す図 従来の磁気軸受装置を示す図
符号の説明
1,3,5,7,25,27,31,35 固定子側の軸受磁極
2,4,21,26,28,32 電磁石巻線
6,8,10,36 永久磁石
9,20,33,37 固定子側のダンパ磁極
11,12 回転子側の軸受磁極
13,14 変位センサ
15 アクチュエータ
16 工具
17 回転子
19 ケーシング
51 第1磁歯
52 第2磁歯
53 第3磁歯
54 第4磁歯
55 第5磁歯
56 第6磁歯
57 第7磁歯
58 第8磁歯
61 第9磁歯
62 第10磁歯

Claims (12)

  1. 固定子側と回転子側の第1軸受磁極を、空隙を介してスラスト方向に対向させ、前記空隙に面するそれぞれの第1軸受磁極に前記回転子の回転中心を中心とする同心円状に複数の溝を有し、前記固定子側で第1軸受磁極の溝の少なくとも1つに電磁石巻線を設置することにより前記固定子と前記回転子とに磁気回路を形成したラジアルスラスト軸受と、
    前記固定子側と前記回転子側の第2軸受磁極を、空隙を介してスラスト方向に対向させ、前記空隙に面するそれぞれの第2軸受磁極に前記回転子の回転中心を中心とする同心円状に複数の溝を有し、前記固定子側で第2軸受磁極の溝の少なくとも1つに永久磁石を設置することにより前記固定子と前記回転子とに磁気回路を形成したラジアル軸受と、
    前記固定子側のダンパ磁極としてラジアル方向に空隙を介して前記回転子に対向させ、前記ダンパ磁極に有する溝に永久磁石を設置することにより、前記固定子と前記回転子とに磁気回路を形成した磁気ダンパと、により構成したことを特徴とする磁気軸受装置。
  2. 前記ラジアルスラスト軸受における複数の磁極歯のうち最小の磁極歯の幅をrg、前記複数ある磁極歯を4つの磁極歯としてモデル化して、回転子の回転中心からそれぞれの磁極歯が内径rf,外径rf,幅rg、内径rf,外径rf,幅rg、内径rf,外径rf,幅rg、内径rf,外径rf,幅rg、前記ラジアルスラスト軸受で前記回転子と前記固定子とのスラスト方向のギャップをg、電磁石巻線の巻線に流す電流をI、前記巻線の巻き数をNとし、
    前記ラジアル軸受における複数の磁極歯のうち最小の磁極歯の幅をrg、前記複数ある磁極歯を4つの磁極歯としてモデル化して、前記回転子の回転中心からそれぞれの磁極歯が内径rr,外径rr,幅rg、内径rr,外径rr,幅rg、内径rr,外径rr,幅rg、内径rr,外径rr,幅rg、前記ラジアル軸受で前記回転子と前記固定子とのスラスト方向のギャップをg、永久磁石の磁気回路方向の長さをlp、前記永久磁石の内径をRe、前記永久磁石のスラスト方向の高さをre、前記永久磁石の保持力をHcとし、
    前記磁気ダンパのダンパ磁極と前記固定子の中心からの半径をR、前記ダンパ磁極と前記回転子のラジアル方向のギャップをg、前記ダンパ磁極のスラスト方向の高さをh、前記永久磁石の磁気回路方向の長さをlp、前記永久磁石のラジアル方向の幅をre、前記永久磁石の外径をRe、前記永久磁石の保持力をHcとし、
    前記回転子のラジアル方向の変位をx、前記外径rfを半径とした円と該半径rfの円をラジアル方向に前記変位x移動させたときの元の半径rfの円との交点で回転中心における角度をα1、前記外径rrを半径とした円と該半径rrの円をラジアル方向に前記変位x移動させたときの元の半径rrの円との交点で回転中心における角度をα2、スラスト軸まわりの回転角度をθ、前記ラジアルスラスト軸受の設置数をm、前記ラジアル軸受の設置数をn、前記磁気ダンパの設置数をkとするとき、(数1)
    Figure 2008169965
    を満たすことを特徴とする請求項1記載の磁気軸受装置。
  3. 固定子側と回転子側の第1軸受磁極を、空隙を介してスラスト方向に対向させ、前記空隙に面するそれぞれの第1軸受磁極に前記回転子の回転中心を中心とする同心円状に複数の溝を有し、前記固定子側で第1軸受磁極の溝の少なくとも1つに電磁石巻線を設置することにより前記固定子と前記回転子とに磁気回路を形成したラジアルスラスト軸受と、
    前記固定子側と前記回転子側の第2軸受磁極を、空隙を介してスラスト方向に対向させ、前記空隙に面するそれぞれの第2軸受磁極に前記回転子の回転中心を中心とする同心円状に複数の溝を有し、前記固定子側で第2軸受磁極の溝の少なくとも1つに永久磁石を設置することにより前記固定子と前記回転子とに磁気回路を形成したラジアル軸受と、
    前記固定子側のダンパ磁極としてラジアル方向に空隙を介して前記回転子に対向させ、前記ダンパ磁極に有する溝に電磁石巻線を設置することにより、前記固定子と前記回転子とに磁気回路を形成した磁気ダンパと、により構成したことを特徴とする磁気軸受装置。
  4. 前記ラジアルスラスト軸受における複数の磁極歯のうち最小の磁極歯の幅をrg、前記複数ある磁極歯を4つの磁極歯としてモデル化して、回転子の回転中心からそれぞれの磁極歯が内径rf,外径rf,幅rg、内径rf,外径rf,幅rg、内径rf,外径rf,幅rg、内径rf,外径rf,幅rg、前記ラジアルスラスト軸受で前記回転子と前記固定子とのスラスト方向のギャップをg、電磁石巻線の巻線に流す電流をI、前記巻線の巻き数をNとし、
    前記ラジアル軸受における複数の磁極歯のうち最小の磁極歯の幅をrg、前記複数ある磁極歯を4つの磁極歯としてモデル化して、前記回転子の回転中心からそれぞれの磁極歯が内径rr,外径rr,幅rg、内径rr,外径rr,幅rg、内径rr,外径rr,幅rg、内径rr,外径rr,幅rg、前記ラジアル軸受で前記回転子と前記固定子とのスラスト方向のギャップをg、永久磁石の磁気回路方向の長さをlp、前記永久磁石の内径をRe、前記永久磁石のスラスト方向の高さをre、前記永久磁石の保持力をHcとし、
    前記磁気ダンパのダンパ磁極と前記固定子の中心からの半径をR、前記ダンパ磁極と前記回転子のラジアル方向のギャップをg、前記ダンパ磁極のスラスト方向の高さをh、前記電磁石巻線の巻線に流す電流をI、前記巻線の巻き数をNとし、
    前記回転子のラジアル方向の変位をx、前記外径rfを半径とした円と該半径rfの円をラジアル方向に前記変位x移動させたときの元の半径rfの円との交点の回転中心における角度をα1、前記外径rrを半径とした円と該半径rrの円をラジアル方向に前記変位x移動させたときの元の半径rrの円との交点の回転中心における角度をα2、スラスト軸まわりの回転角度をθ、前記ラジアルスラスト軸受の設置数をm、前記ラジアル軸受の設置数をn、前記磁気ダンパの設置数をkとするとき、(数2)
    Figure 2008169965
    を満たすことを特徴とする請求項3記載の磁気軸受装置。
  5. 固定子側と回転子側の第1軸受磁極を、空隙を介してスラスト方向に対向させ、前記空隙に面するそれぞれの第1軸受磁極に前記回転子の回転中心を中心とする同心円状に複数の溝を有し、前記固定子側で第1軸受磁極の溝の少なくとも1つに電磁石巻線を設置することにより前記固定子と前記回転子とに磁気回路を形成したラジアルスラスト軸受と、
    前記固定子側と前記回転子側の第2軸受磁極を、空隙を介してスラスト方向に対向させ、前記空隙に面するそれぞれの第2軸受磁極に前記回転子の回転中心を中心とする同心円状に複数の溝を有し、前記固定子側で第2軸受磁極の溝の少なくとも1つに電磁石巻線を設置することにより前記固定子と前記回転子とに磁気回路を形成したラジアル軸受と、
    前記固定子側のダンパ磁極としてラジアル方向に空隙を介して前記回転子に対向させ、前記ダンパ磁極に有する溝に電磁石巻線を設置することにより、前記固定子と前記回転子とに磁気回路を形成した磁気ダンパと、により構成したことを特徴とする磁気軸受装置。
  6. 前記ラジアルスラスト軸受における複数の磁極歯のうち最小の磁極歯の幅をrg、前記複数ある磁極歯を4つの磁極歯としてモデル化して、回転子の回転中心からそれぞれの磁極歯が内径rf,外径rf,幅rg、内径rf,外径rf,幅rg、内径rf,外径rf,幅rg、内径rf,外径rf,幅rg、前記ラジアルスラスト軸受で前記回転子と前記固定子とのスラスト方向のギャップをg、電磁石巻線の巻線に流す電流をI、前記巻線の巻き数をNとし、
    前記ラジアル軸受における複数の磁極歯のうち最小の磁極歯の幅をrg、前記複数ある磁極歯を4つの磁極歯としてモデル化して、前記回転子の回転中心からそれぞれの磁極歯が内径rr,外径rr,幅rg、内径rr,外径rr,幅rg、内径rr,外径rr,幅rg、内径rr,外径rr,幅rg、前記ラジアル軸受で前記回転子と前記固定子とのスラスト方向のギャップをg、前記電磁石巻線の巻線に流す電流をI、前記巻線の巻き数をNとし、
    前記磁気ダンパのダンパ磁極と前記固定子の中心からの半径をR、前記ダンパ磁極と前記回転子のラジアル方向のギャップをg、前記ダンパ磁極のスラスト方向の高さをh、前記電磁石巻線の巻線に流す電流をI、前記巻線の巻き数をNとし、
    前記回転子のラジアル方向の変位をx、前記外径rfを半径とした円と該半径rfの円をラジアル方向に前記変位x移動させたときの元の半径rfの円との交点の回転中心における角度をα1、前記外径rrを半径とした円と該半径rrの円をラジアル方向に前記変位x移動させたときの元の半径rrの円との交点の回転中心における角度をα2、スラスト軸まわりの回転角度をθ、前記ラジアルスラスト軸受の設置数をm、前記ラジアル軸受の設置数をn、前記磁気ダンパの設置数をkとするとき、(数3)
    Figure 2008169965
    を満たすことを特徴とする請求項5記載の磁気軸受装置。
  7. 前記電磁石巻線に流す電流を変化させることによって、軸受剛性,ダンピング特性を調整することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の磁気軸受装置。
  8. 軸受剛性,ダンピング性能を有した磁気軸受装置において、固定子側と回転子側の軸受磁極を、空隙を介してスラスト方向に対向させ、前記空隙に面するそれぞれの軸受磁極に前記回転子の回転中心を中心とする同心円状に複数の溝を有した磁極A面と、前記固定子側と前記回転子側のダンパ磁極を、空隙を介してラジアル方向に対向させた磁極B面と、前記固定子側の磁極A面の溝の少なくとも1つに設置した電磁石巻線と、により前記固定子の前記磁極A面及び前記磁極B面と前記回転子とに磁気回路を形成した磁気軸受を備えたことを特徴とする磁気軸受装置。
  9. 前記電磁石巻線を設置した磁極A面における複数の磁極歯のうち最小の磁極歯の幅をrg、前記複数ある磁極歯を2つの磁極歯としてモデル化して、回転子の回転中心からそれぞれの磁極歯が内径r,外径r,幅rg、内径r,外径r,幅rg、前記磁極A面と前記回転子とのスラスト方向のギャップをg
    前記磁極B面の前記固定子の中心からの半径をR、前記磁極B面と前記回転子のラジアル方向のギャップをg、前記回転子のラジアル方向の変位をx、前記外径rを半径とした円と該半径rの円をラジアル方向に前記変位x移動させたときの元の半径rの円との交点の回転中心における角度をα、スラスト軸まわりの回転角度をθとするとき、(数4)
    Figure 2008169965
    を満たす磁気軸受を備えたことを特徴とする請求項8記載の磁気軸受装置。
  10. 前記磁気軸受を複数個設置した磁気軸受装置において、電磁石巻線に流す電流を変化させることによって、軸受剛性,ダンピング特性を調整することを特徴とする請求項8または9記載の磁気軸受装置。
  11. 軸受剛性,ダンピング性能を有した磁気軸受装置において、固定子側と回転子側の軸受磁極を、空隙を介してスラスト方向に対向させ、前記空隙に面するそれぞれの軸受磁極に前記回転子の回転中心を中心とする同心円状に複数の溝を有した磁極A面と、前記固定子側と前記回転子側のダンパ磁極を、空隙を介してラジアル方向に対向させた磁極B面と、前記固定子側の磁極A面の溝の少なくとも1つに設置した永久磁石と、により前記固定子の前記磁極A面及び前記磁極B面と前記回転子とに磁気回路を形成した磁気軸受を備えたことを特徴とする磁気軸受装置。
  12. 前記永久磁石を設置した磁極A面における複数の磁極歯のうち最小の磁極歯の幅をrg、前記複数ある磁極歯を2つの磁極歯としてモデル化して、回転子の回転中心からそれぞれの磁極歯が内径r,外径r,幅rg、内径r,外径r,幅rg、前記磁極A面と前記回転子とのスラスト方向のギャップをg
    前記磁極B面の前記固定子の中心からの半径をR、前記永久磁石の磁気回路方向の長さをlp、前記永久磁石のラジアル方向の幅をre、前記永久磁石の外径をRe、前記磁極B面と前記回転子のラジアル方向のギャップをg、前記回転子のラジアル方向の変位をx、前記外径rを半径とした円と該半径rの円をラジアル方向に前記変位x移動させたときの元の半径rの円との交点の回転中心における角度をα、スラスト軸まわりの回転角度をθとするとき、(数5)
    Figure 2008169965
    を満たす磁気軸受を備えたことを特徴とする請求項11記載の磁気軸受装置。
JP2007005521A 2007-01-15 2007-01-15 磁気軸受装置 Expired - Fee Related JP4994047B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007005521A JP4994047B2 (ja) 2007-01-15 2007-01-15 磁気軸受装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007005521A JP4994047B2 (ja) 2007-01-15 2007-01-15 磁気軸受装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008169965A true JP2008169965A (ja) 2008-07-24
JP4994047B2 JP4994047B2 (ja) 2012-08-08

Family

ID=39698242

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007005521A Expired - Fee Related JP4994047B2 (ja) 2007-01-15 2007-01-15 磁気軸受装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4994047B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013185691A (ja) * 2012-03-09 2013-09-19 Toshiba Corp 磁気浮上装置
DE102017003798A1 (de) 2016-04-25 2017-10-26 Fanuc Corporation Drehende elektrische Maschine mit einem Statorkern und diese umfassende Werkzeugmaschine
CN111022498A (zh) * 2019-12-31 2020-04-17 淮阴工学院 径向无绕组混合磁轴承
CN111173838A (zh) * 2020-01-17 2020-05-19 淮阴工学院 径向无耦合三自由度直流混合磁轴承
CN114857170A (zh) * 2022-04-19 2022-08-05 华中科技大学 磁悬浮轴承的轴向磁轴承结构

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5025954A (ja) * 1973-07-11 1975-03-18
JPS50109340A (ja) * 1974-02-08 1975-08-28
JPS541764A (en) * 1977-06-03 1979-01-08 Hitachi Ltd Eddy current system vibration controller
JPS5983828A (ja) * 1982-11-02 1984-05-15 Seiko Instr & Electronics Ltd 磁気軸受
JPH0285012U (ja) * 1988-12-20 1990-07-03
JPH112292A (ja) * 1997-04-18 1999-01-06 Ebara Corp ダンパ装置

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5025954A (ja) * 1973-07-11 1975-03-18
JPS50109340A (ja) * 1974-02-08 1975-08-28
JPS541764A (en) * 1977-06-03 1979-01-08 Hitachi Ltd Eddy current system vibration controller
JPS5983828A (ja) * 1982-11-02 1984-05-15 Seiko Instr & Electronics Ltd 磁気軸受
JPH0285012U (ja) * 1988-12-20 1990-07-03
JPH112292A (ja) * 1997-04-18 1999-01-06 Ebara Corp ダンパ装置

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013185691A (ja) * 2012-03-09 2013-09-19 Toshiba Corp 磁気浮上装置
DE102017003798A1 (de) 2016-04-25 2017-10-26 Fanuc Corporation Drehende elektrische Maschine mit einem Statorkern und diese umfassende Werkzeugmaschine
US10424978B2 (en) 2016-04-25 2019-09-24 Fanuc Corporation Rotating electrical machine comprising stator core, and machine tool comprising the same
CN111022498A (zh) * 2019-12-31 2020-04-17 淮阴工学院 径向无绕组混合磁轴承
CN111022498B (zh) * 2019-12-31 2023-09-29 淮阴工学院 径向无绕组混合磁轴承
CN111173838A (zh) * 2020-01-17 2020-05-19 淮阴工学院 径向无耦合三自由度直流混合磁轴承
CN114857170A (zh) * 2022-04-19 2022-08-05 华中科技大学 磁悬浮轴承的轴向磁轴承结构

Also Published As

Publication number Publication date
JP4994047B2 (ja) 2012-08-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4920687B2 (ja) 磁気浮上モータおよびポンプ
JP4934140B2 (ja) 磁気浮上モータおよびポンプ
EP2528202A2 (en) Electromagnetic actuator
JP4994047B2 (ja) 磁気軸受装置
US9559565B2 (en) Homopolar permanent-magnet-biased action magnetic bearing with an integrated rotational speed sensor
WO2003073586A1 (en) Three axis magnetic bearing having permanent magnets
KR101166854B1 (ko) 자기베어링 구조 및 이를 구비한 터보기기
Tezuka et al. Design and simulation of a five degrees of freedom active control magnetic levitated motor
JP2017106899A (ja) 回転子シャフトの軸線方向位置を検出するためのデバイスならびに回転機械に対してのそれの応用
Yang Electromagnetic actuator implementation and control for resonance vibration reduction in miniature magnetically levitated rotating machines
CN100468926C (zh) 电磁减振用阻尼直线电机
EP3314618B1 (en) A magnetic actuator for a magnetic suspension system
US9683601B2 (en) Generating radial electromagnetic forces
Baumgartner et al. Novel high-speed, Lorentz-type, slotless self-bearing motor
KR101067025B1 (ko) 환형권선 셀프 베어링 브러시리스 직류모터
WO2013143457A1 (zh) 一种安培力径向电磁轴承及应用该轴承形成的复合电磁轴承
JP4889350B2 (ja) 磁気軸受装置
US11978589B2 (en) Magnetic actuator for a magnetic suspension system
JP2022000595A (ja) ラジアル磁気軸受およびブロア
JP2004316756A (ja) 5軸制御磁気軸受
JP2005076792A (ja) 磁気軸受装置
JP4138739B2 (ja) 磁気軸受
JPS5884221A (ja) 五軸制御型磁気軸受
JPH03255220A (ja) 磁気軸受装置
JPS598010Y2 (ja) 磁気軸受

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20091117

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20100917

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20100927

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110729

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111122

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111221

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120410

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120508

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150518

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150518

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees