JP4258872B2 - 揺動式アクチュエータ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子部品のマウント装置や測定用プローブなどに使用される揺動式アクチュエータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、揺動式アクチュエータは固定子と可動子とからなり、例えば固定子は磁石で、可動子はコイルを有する揺動自在なアームで構成されている。コイルに電流を流すと、磁界と電流の作用により可動子に推力が発生し、可動子は支軸を中心にして所定方向へ回転する。また、コイルに逆方向の電流を流すと、逆向きの推力が発生し、回転方向も逆になる。このようにして、コイルに流す電流の向きを制御することにより、可動子を任意の方向へ揺動させることができる。そして、可動子を軽量にし、電流を適切に制御することで、応答性に優れ、精密な位置制御を行なうことができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
揺動式アクチュエータを電子部品の実装工程や測定検査工程などのアクチュエータとして使用した場合、アクチュエータの外部に対する作用力(推力)は可動ストローク範囲の中で一定であることが望ましい。しかしながら、前記の構造では、可動子の位置によってコイルに作用する磁束が変化するので、ストローク範囲内でアクチュエータが外部に作用する力も変化してしまう。
【0004】
アクチュエータの推力を一定にするには、磁石のストローク方向の長さを長くし、コイルが常に磁石の一定磁束範囲を移動するように構成すればよい。しかしながら、これでは、非常停止などにより電源OFFとなった場合、推力が失われ、可動子が所定の位置とは異なる場所で止まってしまう。このように可動子が設計者の意図しないところで停止すると、安全上および製品の品質上問題がある。また、トラブルや仕掛品待ちなどでアクチュエータを動かさずに長時間一定の場所で待機させる場合、アクチュエータに発熱が起こり、性能や寿命の問題が生じる。
【0005】
そこで、本発明の目的は、前記のような課題を解決するとともに、所定ストローク範囲内で外部に対する荷重をほぼ一定にすることができる揺動式アクチュエータを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、支軸を中心として揺動可能に設けられた可動子と、一定位置に配置された固定子とを備え、固定子および可動子の一方にコイルを設け、他方に前記コイルに対して直交方向の磁束を発生する磁石を設けた揺動式アクチュエータであって、前記可動子に働く推力に対向して反力が作用し、かつ可動子のストローク方向に所定の反力特性を有する付勢手段を設け、可動子のストローク範囲内の少なくとも一部において、前記付勢手段の反力特性と可動子に働く推力特性とが均衡するような定荷重ストローク範囲を持つように構成してなり、前記コイルは第1,第2のコイル部を有し、前記磁石は前記第1,第2のコイル部に対してそれぞれ直交方向の磁束を発生する第1,第2の磁石とで構成され、第1のコイル部のストローク方向の一端が第1の磁石のストローク方向の一端より外側位置で、かつ第1のコイル部のストローク方向の他端が第1の磁石のストローク方向の両端より内側位置にある時、第2のコイル部のストローク方向の両端が第2の磁石のストローク方向の両端より外側位置にあり、第1のコイル部のストローク方向の両端が第1の磁石のストローク方向の両端より内側位置にある時、第2のコイル部のストローク方向の一端が第2の磁石のストローク方向の一端より外側位置で、かつ第2のコイル部のストローク方向の他端が第2の磁石のストローク方向の両端より内側位置にあるように、前記第1と第2のコイル部同士のストローク方向の間隔を設定し、かつ第1と第2の磁石同士をストローク方向に所定間隔をあけて相互に連結したことを特徴とする揺動式アクチュエータを提供する。
また、請求項2に記載の発明は、支軸を中心として揺動可能に設けられた可動子と、一定位置に配置された固定子とを備え、固定子および可動子の一方にコイルを設け、他方に前記コイルに対して直交方向の磁束を発生する磁石を設けた揺動式アクチュエータであって、前記可動子に働く推力に対向して反力が作用し、かつ可動子のストローク方向に所定の反力特性を有する付勢手段を設け、可動子のストローク範囲内の少なくとも一部において、前記付勢手段の反力特性と可動子に働く推力特性とが均衡するような定荷重ストローク範囲を持つように構成してなり、前記コイルは第1,第2のコイル部を有し、前記磁石は前記第1,第2のコイル部に対してそれぞれ直交方向の磁束を発生する第1,第2の磁石とで構成され、第1のコイル部のストローク方向の一端が第1の磁石の磁束の範囲外で、かつ第1のコイル部のストローク方向の他端が第1の磁石の磁束がほぼ一定な範囲内にある時、第2のコイル部のストローク方向の両端が第2の磁石の磁束の範囲外にあり、第1のコイル部のストローク方向の両端が第1の磁石の磁束がほぼ一定な範囲内にある時、第2のコイル部のストローク方向の一端が第2の磁石の磁束の範囲外で、かつ第2のコイル部のストローク方向の他端が第2の磁石の磁束がほぼ一定な範囲内にあるように、前記第1と第2のコイル部同士のストローク方向の間隔を設定し、かつ第1と第2の磁石同士をストローク方向に所定間隔をあけて相互に連結したことを特徴とする揺動式アクチュエータを提供する。
【0007】
本発明の特徴の1つは、可動子に働く推力に対向して付勢手段を設けた点にある。しかし、アクチュエータを作動させて可動子の回転位置が変わると、付勢手段の反力も変位量に応じて変化するので、アクチュエータの外部に作用する荷重が変化してしまう。そこで、本発明では、可動子に働く推力を付勢手段の反力特性とほぼ均衡する特性で変化させることで、外部に作用する荷重(推力と反力との差)がほぼ一定の範囲、すなわち定荷重ストローク範囲を得ている。なお、定荷重ストローク範囲は、可動子の全ストロークであってもよいし、その一部であってもよい。
【0008】
付勢手段としては、例えばスプリングを用いることができる。線形のバネ特性を有するスプリングを使用した場合には、可動子に働く推力が変位に伴ってバネ定数と同等の比例定数で変化するように、例えばコイルの巻数,電流値,磁石の磁束密度などを設定すればよい。
【0009】
外部に作用する荷重がほぼ一定なストローク範囲を決定する方法として、定荷重ストローク範囲を、コイルのストローク方向の一端が磁石のストローク方向の一端より外側位置に配置され、かつコイルのストローク方向の他端が磁石のストローク方向の両端より内側位置に配置された範囲としてもよい。この場合には、可動子が動くにつれて、コイルに作用する推力を比例的に増大させることができるので、この推力と付勢手段の反力との差を容易に一定にすることができる。
【0010】
永久磁石の場合、その磁束分布は必ずしも一定ではなく、その両端に磁束分布が一定しない範囲を含んでいることがある。そこで、定荷重ストローク範囲を、コイルのストローク方向の一端が磁石の磁束の範囲外に配置され、かつコイルのストローク方向の他端が磁石の一定磁束範囲内に配置された範囲としている。つまり、コイルの端部が磁束の一定しない範囲を移動しないようにすることで、コイルに働く推力を比例的に変化させることができる。
【0011】
1組のコイルと磁石とで定荷重ストローク範囲を構成した場合には、コイルのストローク方向の寸法によって、定荷重ストローク範囲が制限されてしまう。そこで、請求項1では、第1,第2のコイル部と、これらコイル部に対してそれぞれ直交方向の磁束を発生する第1,第2の磁石とを設け、第1のコイル部のストローク方向の一端が第1の磁石のストローク方向の一端より外側位置で、かつ第1のコイル部のストローク方向の他端が第1の磁石のストローク方向の両端より内側位置にある時、第2のコイル部のストローク方向の両端が第2の磁石のストローク方向の両端より外側位置にあり、第1のコイル部のストローク方向の両端が第1の磁石のストローク方向の両端より内側位置にある時、第2のコイル部のストローク方向の一端が第2の磁石のストローク方向の一端より外側位置で、かつ第2のコイル部のストローク方向の他端が第2の磁石のストローク方向の両端より内側位置にあるように、前記第1と第2のコイル部同士のストローク方向の間隔を設定し、第1と第2の磁石同士をストローク方向に所定間隔をあけて相互に連結したものである。
【0012】
つまり、第1のコイル部が第1の磁石に対して定荷重ストローク範囲を移動している間は、第2のコイル部は第2の磁石に対して推力の発生しない範囲を移動し、第1のコイル部が第1の磁石に対して推力が一定した範囲を移動している間は、第2のコイル部が第2の磁石に対して定荷重ストローク範囲を移動するように構成している。これにより、複数の定荷重ストローク範囲を繋げることができ、定荷重ストローク範囲を拡大することができる。
【0013】
請求項2では、磁石の両端の磁束分布が一定しない場合に、コイルの端部が磁束の一定しない範囲を移動しないようにすることで、コイルに働く推力を比例的に変化させるようにしたものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1,図2は本発明にかかる揺動式アクチュエータの第1実施例を示す。
この揺動式アクチュエータは、支軸1aを中心として水平方向に揺動自在なアーム1と、アーム1の一端部側の上下に配置された永久磁石2a,2bおよび3a,3bとを備えている。アーム1は非磁性体で形成され、アーム1の一端部には揺動面上に巻回されたコイル4が設けられている。アーム1は付勢手段5によって推力方向と逆方向に付勢されている。この実施例では、付勢手段5として圧縮ばねを用いたが、引張ばねあるいは捩りばねを用いてもよく、さらには弾性ゴムを用いてもよい。アーム1の他端部には、チップ部品のマウント部や測定用プローブなどに用いられる操作部1bが設けられている。
【0015】
磁石2a,2bおよび3a,3bは、コイル4を間にしてそれぞれ異極を対向させたものであり、磁石2a,2bおよび3a,3bの磁束がコイル4に対して直交方向に作用している。磁石2a,2bおよび3a,3bの外側面はヨーク6,7によって連結され、図2に矢印Xで示すように磁気回路を構成している。周回コイル4の断面であるコイル部4a,4bのうち、一方のコイル部4aには紙面の裏から表に向かって電流が流され、コイル部4bには紙面の表から裏に向かって電流が流される。そして、磁石2a,2bと3a,3bの磁極の向きは互いに逆向きとなっているので、両方のコイル部4a,4bには同一方向の推力F1 が働くようになっている。この推力F1 は付勢手段5のばね力F2 の方向と相反している。前記磁石2a,2bおよび3a,3bとヨーク6,7は固定子Aを構成し、アーム1とコイル4は可動子Bを構成している。
【0016】
図2の実線はアーム1が可動ストローク範囲の一端側に位置した状態を示す。
この時、コイル部4aの外側端eは、磁石2a,2bの外側端fより距離L1 だけ外側にある。ただし、距離L1 は定荷重ストローク範囲SC 以上の長さ(望ましくは、定荷重ストローク範囲SC とほぼ等しくするのがよい)である。また、コイル部4aの内側端gは、磁石2a,2bの内側端hとほぼ同一位置にある。
【0017】
図2では、コイル部4a,4bの揺動方向(ストローク方向)の幅寸法Wcを磁石2a,2bおよび3a,3bの揺動方向の幅寸法Wmより小さくしたが、両者の幅寸法Wc,Wmを等しくしてもよい。外部に作用する荷重が一定のストローク範囲SC をできるだけ広くするには、Wc≦Wmとし、かつWcおよびWmを共に長くすればよい。
コイル部4bと磁石3a,3bの関係も、コイル部4aと磁石2a,2bとの関係と同様である。つまり、コイル部4a,4bの間隔Dcと、磁石2a,2bと3a,3bの間隔Dmとは等しい。
【0018】
図3は磁石2a,2b間の磁束分布と、一方のコイル部4aに作用する推力変化と、ばね力との関係を示す。なお、他方のコイル部4bと磁石3a,3bとの間にも同様な関係が成立するので、ここでは省略する。
図3に示すように、磁石2a,2bの磁束分布は、磁石の両端部に不均一な分布部分を持ち、その中間部には均一な分布部分を持つ。コイル4に所定の向きに(コイル部4aには紙面の裏から表に向かって)電流を流すと、磁石2a,2b間に働く磁束によって、コイル部4aには図3の下方への推力F1 が発生する。コイル部4aに作用する推力F1 は、図3に示すように、コイル部4aの内側端gが磁石2a,2bの一定磁束範囲内にあって、かつコイル部4aの外側端eが磁石2a,2bの磁束範囲外にある間、コイル部4aの移動に伴ってほぼ直線的に変化する。これが線形範囲となる。線形範囲内における推力F1 は次式で表される。
F1 =BIL=ax+b
(但し、B:磁束密度、I:コイルの電流、L:コイルの導体長、a,b:定数,x:変位量)
なお、実際の推力F1 は、コイル部4bに作用する推力も加算されるので、コイル部4aに作用する推力の2倍となる。
一方、付勢手段5からアーム1に作用するばね力F2 は次式で表される。
F2 =kx
(但し、k:ばね定数,x:変位量)
推力の傾きaと付勢手段5のばね力の傾きkとをほぼ一致させることで、推力F1 とばね力F2 との差で与えられる外部に作用する荷重Fをほぼ一定にできる。F=F1 −F2 ≒b(一定)
【0019】
前記のように、コイル部4aに作用する推力の比例勾配aを、付勢手段5のばね定数kとほぼ等しくすることで、コイル部4aの内側端gが一定磁束範囲を揺動し、かつコイル部4aの外側端eが磁束の範囲外を揺動する間(定荷重ストローク範囲Sc)、外部に対する荷重Fが一定となる。
なお、比例勾配aは、コイルの巻数,電流値,磁石の磁束密度,コイルと磁石との距離などを設定することで、調整可能である。
【0020】
図4,図5は揺動式アクチュエータの第2実施例を示す。
アーム1の一端部には、コイル4がその巻回軸を支軸1aに対して直交するように設けられており、コイル4と対面するように、2個の磁石2,3が配置されている。これら磁石2,3のコイル4との対向面(内側面)には、互いに異なる磁極が着磁されている。磁石2,3の外側面は、ヨーク8によって連結されている。したがって、矢印Xで示すように磁石2〜ヨーク8〜磁石3〜磁石2へと周回する磁気回路が発生し、磁束がコイル4a,4bに対して直交方向に作用する。
【0021】
この実施例の場合も、コイル部4a,4bの一端面(図5の上端面)が磁石2,3の磁束の範囲外を揺動し、コイル部4a,4bの他端面(図5の下端面)が磁石2,3の一定磁束範囲を揺動する間、外部に対する荷重が一定、つまり定荷重ストローク範囲となる。
【0022】
図6,図7は揺動式アクチュエータの第3実施例を示す。
アーム1の一端部には、コイル4がその巻回軸を支軸1aを中心とする円周方向に向けて取り付けられており、コイル4の外径部4bは内径部4aに比べて長い。コイル4に対し半径方向に対面するように、2個の円弧状の磁石2,3が配置されている。磁石2,3は支軸1aを中心とする中心角が同一の範囲に固定されており、半径方向外側の磁石3は、内側の磁石2に比べて長い。ヨーク8には3本の脚8a〜8cが支軸1aを中心とする円周方向に突設されており、中央の脚8bはコイル4の中心穴に移動自在に挿通されている。磁石2はヨーク8の内側の脚8aの外側面に取り付けられ,磁石3はヨーク8の外側の脚8cの内側面に取り付けられている。磁石2,3のコイル4との対向面には、互いに同極が着磁されている。そのため、図6に矢印Xで示すように磁石2,3〜中央の脚8b〜両側の脚8a,8c〜磁石2,3へと至る磁気回路が生じ、磁石2,3の磁束がコイル部4a,4bに対して直交方向に作用する。
【0023】
図6のように、コイル部4a,4bの一端面(図6の上端面)が磁石2,3の磁束の範囲外を揺動し、コイル部4a,4bの他端面(図6の下端面)が磁石2,3の一定磁束範囲を揺動する間、外部に対する荷重が一定、つまり定荷重ストローク範囲となる。
【0024】
図8は揺動式アクチュエータの第4実施例を示し、複数の定荷重ストローク範囲をつなげることで、定荷重ストローク範囲を拡大したものである。
この実施例は、第1実施例(図1,図2参照)とほぼ同様の構造を有するものであり、第1実施例と異なるのは、磁石2a,2bの大きさと、磁石2a,2bおよび3a,3bとコイル部4a,4bとの位置関係である。
すなわち、一方の磁石2a,2bのストローク方向の長さWm2 は第1実施例に比べて長く形成され、具体的にはWm2 ≧2Wcに設定されている。そして、一方のコイル部4aの一端(図8の上端)が磁石2a,2bの一端(図8の上端)と同一位置にあるとき、コイル部4bの他端(図8の下端)が磁石3a,3bの一端(図8の上端)と同一位置になるように、磁石2a,2bおよび3a,3bとコイル部4a,4bとの位置関係が設定されている。
【0025】
次に、前記揺動式アクチュエータの動作を図9,図10にしたがって説明する。コイル部4aの中心点が図9のA〜B点の間を移動する間、コイル部4aの上端が磁石2a,2bの磁束範囲外で、かつコイル部4aの下端が磁石2a,2bの一定磁束範囲内にあるので、コイル部4aには一定勾配で変化する推力F3 が発生する。一方、A〜B点の間、コイル部4bの両端が磁石3a,3bの磁束の範囲外にあるので、コイル部4bには推力が発生しない。その結果、図10にA〜B点で示すように、アーム1には一定勾配で上昇する推力F3 が発生する。
次に、コイル部4aの中心点が図9のB〜C点を移動する間、コイル部4aの上端は磁石2a,2bの磁束の不均一範囲を移動するので、推力F3 の上昇勾配が鈍くなる。また、この間、コイル部4bの下端が磁石3a,3bの磁束の不均一範囲を移動するので、コイル部4bには若干の推力が発生する。その結果、アーム1に作用する推力F3 +F4 はゆるやかに上昇する。
次に、コイル部4aの中心点が図9のC〜D点の間を移動する間、コイル部4aの両端が磁石2a,2bの一定磁束範囲を移動するので、推力F3 は一定している。これに対し、コイル部4bの下端が磁石3a,3bの一定磁束範囲内にあり、上端が磁石3a,3bの磁束範囲外にあるので、コイル部4bには一定勾配で変化する推力F4 が発生する。その結果、アーム1に作用する推力F3 +F4 は一定勾配で上昇する。
前記のように、コイル部4a,4bがA〜B点およびC〜D点を移動する間、アーム1には一様な勾配で上昇する推力F3 +F4 が発生することになる。この推力F3 +F4 の勾配と付勢手段5(図1参照)のばね定数とを均衡させ、かつB〜C点の領域をできるだけ狭くして、複数の定荷重ストローク範囲をつなげることにより、定荷重ストローク範囲を拡大することができる。
【0026】
本発明は前記実施例に限定されるものではない。
例えば、第1実施例では、4個の永久磁石を使用したが、ヨークの磁極面をコイルに対して対向させることで、2個の永久磁石で構成することも可能である。同様に、第2実施例では2個の永久磁石を用いたが、ヨークを用いることで1個の永久磁石で構成することも可能である。
さらに、ヨークを省略し、磁石のみで構成することも可能である。
付勢手段として、線形ばねを用いたが、推力特性が非線形的に変化する場合には、非線形ばねを用いてもよい。
さらに、前記実施例では、磁石とヨークとを固定子に設け、コイルを可動子に設けたが、これとは逆に、磁石とヨークとを可動子に設け、コイルを固定子に設けてもよい。
【0027】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明によれば、可動子の推力に対向する反力を発生する付勢手段を設け、可動子のストローク範囲内の少なくとも一部において、可動子に働く推力特性と付勢手段の反力特性とがほぼ均衡するように構成したので、所定ストローク範囲における外部に対する荷重をほぼ一定とすることができる。また、電源がOFFされても、付勢手段によって所定の場所にアクチュエータを維持することができるので、安全上および製品の品質上の問題を起こさない。さらに、アクチュエータを動かさずに長時間一定の場所で待機させる場合でも、付勢手段によってコイルに電流を流さずに一定位置に保持できるので、アクチュエータの発熱を防止でき、性能や寿命の問題を解消できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる揺動式アクチュエータの第1実施例の平面図である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】図1の揺動式アクチュエータの磁束分布および力の作用図である。
【図4】本発明にかかる揺動式アクチュエータの第2実施例の斜視図である。
【図5】図4の一部の平面図である。
【図6】本発明にかかる揺動式アクチュエータの第3実施例の平面図である。
【図7】図6の一部の正面図である。
【図8】本発明にかかる揺動式アクチュエータの第4実施例の断面図である。
【図9】図8の揺動式アクチュエータの作動説明図である。
【図10】図8の揺動式アクチュエータの推力特性図である。
【符号の説明】
A 固定子
B 可動子
1 アーム
1a 支軸
2a,2b,3a,3b,2,3 磁石
4 コイル
5 付勢手段
Claims (2)
- 支軸を中心として揺動可能に設けられた可動子と、一定位置に配置された固定子とを備え、固定子および可動子の一方にコイルを設け、他方に前記コイルに対して直交方向の磁束を発生する磁石を設けた揺動式アクチュエータであって、
前記可動子に働く推力に対向して反力が作用し、かつ可動子のストローク方向に所定の反力特性を有する付勢手段を設け、
可動子のストローク範囲内の少なくとも一部において、前記付勢手段の反力特性と可動子に働く推力特性とが均衡するような定荷重ストローク範囲を持つように構成してなり、
前記コイルは第1,第2のコイル部を有し、前記磁石は前記第1,第2のコイル部に対してそれぞれ直交方向の磁束を発生する第1,第2の磁石とで構成され、
第1のコイル部のストローク方向の一端が第1の磁石のストローク方向の一端より外側位置で、かつ第1のコイル部のストローク方向の他端が第1の磁石のストローク方向の両端より内側位置にある時、第2のコイル部のストローク方向の両端が第2の磁石のストローク方向の両端より外側位置にあり、
第1のコイル部のストローク方向の両端が第1の磁石のストローク方向の両端より内側位置にある時、第2のコイル部のストローク方向の一端が第2の磁石のストローク方向の一端より外側位置で、かつ第2のコイル部のストローク方向の他端が第2の磁石のストローク方向の両端より内側位置にあるように、
前記第1と第2のコイル部同士のストローク方向の間隔を設定し、かつ第1と第2の磁石同士をストローク方向に所定間隔をあけて相互に連結したことを特徴とする揺動式アクチュエータ。 - 支軸を中心として揺動可能に設けられた可動子と、一定位置に配置された固定子とを備え、固定子および可動子の一方にコイルを設け、他方に前記コイルに対して直交方向の磁束を発生する磁石を設けた揺動式アクチュエータであって、
前記可動子に働く推力に対向して反力が作用し、かつ可動子のストローク方向に所定の反力特性を有する付勢手段を設け、
可動子のストローク範囲内の少なくとも一部において、前記付勢手段の反力特性と可動子に働く推力特性とが均衡するような定荷重ストローク範囲を持つように構成してなり、
前記コイルは第1,第2のコイル部を有し、前記磁石は前記第1,第2のコイル部に対してそれぞれ直交方向の磁束を発生する第1,第2の磁石とで構成され、
第1のコイル部のストローク方向の一端が第1の磁石の磁束の範囲外で、かつ第1のコイル部のストローク方向の他端が第1の磁石の磁束がほぼ一定な範囲内にある時、第2のコイル部のストローク方向の両端が第2の磁石の磁束の範囲外にあり、
第1のコイル部のストローク方向の両端が第1の磁石の磁束がほぼ一定な範囲内にある時、第2のコイル部のストローク方向の一端が第2の磁石の磁束の範囲外で、かつ第2のコイル部のストローク方向の他端が第2の磁石の磁束がほぼ一定な範囲内にあるように、
前記第1と第2のコイル部同士のストローク方向の間隔を設定し、かつ第1と第2の磁石同士をストローク方向に所定間隔をあけて相互に連結したことを特徴とする揺動式アクチュエータ。
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