JP3276012B2 - 受動形磁気軸受装置 - Google Patents

受動形磁気軸受装置

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JP3276012B2
JP3276012B2 JP03514192A JP3514192A JP3276012B2 JP 3276012 B2 JP3276012 B2 JP 3276012B2 JP 03514192 A JP03514192 A JP 03514192A JP 3514192 A JP3514192 A JP 3514192A JP 3276012 B2 JP3276012 B2 JP 3276012B2
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C32/00Bearings not otherwise provided for
    • F16C32/04Bearings not otherwise provided for using magnetic or electric supporting means
    • F16C32/0406Magnetic bearings
    • F16C32/0408Passive magnetic bearings
    • F16C32/0436Passive magnetic bearings with a conductor on one part movable with respect to a magnetic field, e.g. a body of copper on one part and a permanent magnet on the other part

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  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Motor Or Generator Frames (AREA)
  • Magnetic Bearings And Hydrostatic Bearings (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、回転部を固定部に対し
て非接触状態にて支持する磁気軸受装置に関し、特に、
磁気発生手段が永久磁石である受動形磁気軸受装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】回転する部材(回転部)を非接触状態で
支持する要請は、半導体設備の様に非常に清浄な環境が
要求される分野、宇宙技術等の様に真空環境下で実施さ
れる分野、その他において存在する。そして該要請に答
えるため、電磁石或いは永久磁石の吸引力や反撥力(磁
力)を使用する磁気軸受が各種提案されている。
【0003】この場合、回転部に発生する不安定力を解
消するため、磁力の調節が容易且つ正確に行われ様に電
磁石を用いた能動形磁気軸受が用いられる場合が多い。
そして、回転軸回り以外の5自由度における位置制御を
全て能動形磁気軸受で行う所謂5軸制御方式の磁気軸受
装置も提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし電磁石を用いた
能動形磁気軸受の場合には、磁力を発生するためには電
流を供給する必要があり、その分だけエネルギの消費量
が大きく、省エネルギの要請に反するという問題があ
る。
【0005】また、能動形磁気軸受による制御は回転部
の位置検出や供給するべき電流の演算等の複雑な処理を
必要とするので、その構造が複雑化し、能動形磁気軸受
の製造コストが嵩むという問題、及び能動制御のための
回路の信頼性や商用電力の停電対策の問題もある。
【0006】さらに、宇宙空間等の様な真空環境下にお
いては、供給した電流に起因する熱が蓄熱されてしま
い、装置自体の誤作動の原因となってしまう。
【0007】これに対して、電流の供給を必要としない
永久磁石を用いた受動形磁気軸受も提案されている。し
かし、永久磁石の場合は磁力の調節が困難であるため、
回転軸回り以外の5自由度における位置制御を全て受動
形磁気軸受で行うことは、従来の技術では出来なかっ
た。
【0008】そのため、前記の5自由度の一部において
は受動形磁気軸受で支承し、その他については能動形磁
気軸受を使用する磁気軸受装置も提案されている。この
様に構成すれば消費電力は確かに低減する。しかし、上
述の問題を完全に解決することは出来ない。そして、特
に宇宙技術や高真空技術等においては、電力を消費せず
に磁気による非接触状態の支承を可能とし、高信頼性を
実現した軸受の存在が熱望されているのである。
【0009】本発明は上記した従来技術の問題点に鑑み
て提案されたもので、一定以上の回転数になれば、回転
軸回り以外の5自由度における位置制御を全て受動形磁
気軸受で行うことが出来る受動形磁気軸受装置の提供を
目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の受動形磁気軸受
装置は、回転部を固定部に対して非接触状態にて支持す
る受動形磁気軸受装置において、水平方向の不安定力を
支持する手段は、回転部に固定され且つ相互に対向し合
う2枚のフランジの対を少なくとも1対は含んでおり、
前記1対のフランジの対向面の各々には複数の永久磁石
が周方向へ列状に配置されており、該永久磁石は隣接す
るもの同士の磁極が異なる様にその極性が設定され、列
状に配置された複数の永久磁石はその端部が磁性材料に
より接続されており、対向する永久磁石同士は磁極が異
なって互いに吸引し合う様に配置されており、対向する
フランジ間には固定部に対して固定された多数の巻線が
配置されている。
【0011】また、本発明の受動形磁気軸受装置は、回
転部を固定部に対して非接触状態にて支持する受動形磁
気軸受装置において、水平方向の不安定力を支持する手
段は、回転部に固定され且つ相互に対向し合う2枚のフ
ランジの対を少なくとも1対は含んでおり、前記1対の
フランジのいずれか一方の対向面には複数の永久磁石が
周方向へ列状に配置され、該永久磁石は隣接するもの同
士の磁極が異なる様にその極性が設定され、列状に配置
された複数の永久磁石はその端部が磁性材料により接続
されており、他方のフランジの対向面の前記永久磁石と
対向する部分には磁性材料が設けられており、対向する
フランジ間には固定部に対して固定された多数の巻線が
配置されている。
【0012】さらに、本発明の受動形磁気軸受装置は、
回転部を固定部に対して非接触状態にて支持する受動形
磁気軸受装置において、水平方向の不安定力を支持する
手段は、回転部に固定され且つ相互に対向し合う2枚の
フランジの対を少なくとも1対は含んでおり、前記1対
のフランジには複数の永久磁石が周方向へ列状に配置さ
れ、一方のフランジにおける永久磁石と対向する他方の
フランジ側の箇所の一部には磁性材料部分が構成されて
おり、対向するフランジ間には固定部に対して固定され
た多数の巻線が配置されている。
【0013】本発明の実施に際して、前記磁性材料は鉄
が好ましい。
【0014】ここで、フランジの対向面の周方向へ列状
に配置された複数の永久磁石は1列に配置されている場
合には、前記多数の巻線の各々はその平面形状が、中央
部が絶縁されてクロスして概略8字状をしているのが好
ましい。一方、フランジの対向面の周方向へ列状に配置
された複数の永久磁石は2列に配置されている場合に
は、前記多数の巻線の各々はその平面形状が6角形状を
しているのが好ましい。
【0015】また、前記多数の巻線の各々のピッチは、
永久磁石の周方向ピッチの65〜95%であるのが好ま
しい。巻線のピッチが小さすぎると、電気抵抗が減少す
るので、後述する巻線に流れる電流は大きくなるが、保
持力となる部分が短すぎて十分な力が得られない。一
方、巻線のピッチが大きすぎると保持力となる部分は十
分に長くなるが、電気抵抗が増大して電流が小さくな
り、やはり十分な力が得られないのである。
【0016】さらに前記多数の巻線に加えて、前記複数
の永久磁石の磁界を回転によって横切る方向に電流を流
して回転力を生じせしめる巻線が、前記フランジ間に配
置されており、受動形磁気軸受装置にモータとしても作
用せしめるのが好ましい。この場合、回転部と巻線との
相対的な回転角度を検出するセンサと、該センサの出力
に基づいて該巻線に流れる電流の向きを変化させるた
め、巻線に電流を供給する電源を切り替える手段、とを
設けているのが好ましい。
【0017】或いは、前記多数の巻線の各々の平面形状
が、中央部は絶縁されてクロスして概略8字状をしてい
る場合に、該8字状をしている多数の巻線の少なくとも
1部を導線により結線し、その導線に電流が流れて回転
力が生じる様な態様にて、該導線を外部電源に接続する
のが好ましい。この場合、フランジが回転し、8字状を
している巻線が極性の異なる隣接する永久磁石を横切る
時には、回転位置センサ等によりその旨を検知し、電源
切替手段により巻線を結線する導線が接続した電源を電
流の向きが異なる電源へ切り替えて、回転力が持続する
様に構成するのが好ましい。
【0018】ここで、永久磁石を固定側とすることも出
来る。この様な構成するためには、前記フランジを固定
部とし、フランジ間に配置された前記多数の巻線を回転
部として構成するのが好ましい。
【0019】なお、回転部が停止或いは微速回転してい
る時に水平方向支持を行うため、玉軸受等の接触形軸受
を設けるのが好ましい。
【0020】
【作用】次に本発明の作用を説明する。
【0021】受動形磁気軸受は、鉛直方向或いは垂直方
向に作用するスラストを支承するのに用いられるのが一
般的である。そして垂直方向を受動磁気軸受で支承すれ
ば、水平方向に不安定力が生ずる。これに対して、本発
明によればフランジと、その間に配置された固定巻線と
の間に作用する相対的な力により、フランジを移動して
前記不安定力により生じる水平方向の変位を打ち消して
いるのである。
【0022】フランジに配置された永久磁石の極性は、
隣接する永久磁石の極性及び対向する(フランジに配置
された)永久磁石の極性と異なっている。そして、永久
磁石は隣接する永久磁石とは磁性材料を介して磁気的に
接続している。従って、一つの永久磁石、例えば図3の
永久磁石Mは、それに隣接する磁石と、該隣接する磁石
と対向するフランジ側の磁石と、該対向する磁石に隣接
する磁石すなわち永久磁石Mと対向する磁石とにより、
磁路を形成する。但し、永久磁石M、隣接する磁石、対
向するフランジ側の磁性材料、によって磁路を形成する
ことも可能である。
【0023】次に、フランジ間に配置された固定巻線C
が、図3で示す様に、永久磁石M上に位置した場合につ
いて考える。水平方向Hについて不安定力が存在せず、
回転部と固定部との相対位置に変化が無ければ、フラン
ジと固定巻線Cとの相対位置も変化しない。該不安定力
が存在しない状態においては、固定巻線Cの中心線Cc
は図3の実線で示す様に永久磁石Mの中心を通過する。
そして、固定巻線Cが磁石Mが構成する磁路(磁石Mか
ら図3の紙面に垂直な方向に存在する)を横切る度に、
固定巻線Cの部分C1及びC2にはそれぞれ誘導起電力
E1、E2が発生する。ここで、部分C1及びC2の磁
路を横断している部分の面積は等しいので、発生する誘
導起電力E1、E2も等しく、そして両者は中央部分C
c において一つのループとなって互いに打ち消し合うの
で、固定巻線C全体には電流は流れない。そのため、固
定巻線Cとフランジとの間には相対的な力は作用しない
ので、回転運動の抵抗力も発生しない。
【0024】しかし、水平方向Hについて不安定力が存
在して、回転部と固定部との相対位置が変化すれば、フ
ランジと固定巻線Cとの相対位置も変化して、固定巻線
Cと永久磁石Mの相対位置は、例えば図3において点線
で示す様になる。その結果、部分C1及びC2の磁路を
横断している部分の面積は等しくなく、発生する誘導起
電力E1、E2も等しくなくなるので、固定巻線C全体
に電流が流れる。そしてフランジが回転部と共に回転
し、固定巻線Cが永久磁石Mの磁路を相対的に横切るこ
とにより、固定巻線Cには矢印Aで示す様な力が作用す
る。この力(矢印A)はフランジと固定巻線Cとの間の
相対的な力であるので、フランジに対して矢印Aとは反
対方向の力が作用し、以て水平方向Hについて不安定力
が解消されるのである。
【0025】この不安定力を解消する力(以下「保持
力」という:図3において矢印Aで示す力)Aは、巻線
Cが永久磁石Mの磁路を横切ることにより発生する。従
って、この保持力Aはフランジが回転することにより初
めて生じるものである。
【0026】この様に、本発明によれば電磁石を設ける
事なく水平方向Hについて不安定力が解消されるので、
前述した問題点は全て解消されるのである。
【0027】ここで、フランジ間に配置される固定巻線
の個数が多ければ多い程、不安定力を解消する力は強く
なる。一方、フランジ間の間隔が広くなると、磁路を流
れる磁束密度が低下して前記保持力は弱くなる。そのた
め、フランジ間の間隔を広げずに巻線の数を増加するこ
とが好ましい。換言すると、フランジ間における巻線の
体積占有率を向上することが望ましいのである。本発明
において、巻線の平面形状を概略8字状としたり、或い
は6角形状とすることにより、体積占有率を高めること
が出来るのである。
【0028】さらに、図3に示す固定巻線Cの様に保持
力発生のための巻線に加えて、フランジ及び回転部に回
転トルクを発生させるために、外部から電流が供給され
る巻線を設けてフランジ間に存在する磁路を横断せしめ
れば、受動形磁気軸受がモータとしての作用を奏するこ
とが可能となるのである。
【0029】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0030】図1、2は本発明の最も基本的な構成の実
施例を示している。図1において、全体を符号10で示
す受動形磁気軸受装置は、固定部12と回転部14とを
有しており、固定部14の永久磁石16と回転部14の
永久磁石18は対向する面の極性が同一であり、反撥力
が作用する様に配置されている。そして、回転部14に
は回転軸20が固着され、該回転軸20にはフランジ2
2、24が固着されている。
【0031】このフランジ22、24にはそれぞれ複数
の永久磁石26…、28…が、図2で示す様に周方向へ
一列に配置されている。この永久磁石26…、28…
は、図1で示す様に対向する磁石の極性が異なる様に配
置され、図2で示す様に隣接する磁石の極性も異なる様
に配置されている。そして、永久磁石26…のフランジ
24とは反対の側(図1の下側)の端部は鉄製の部材3
0(ヨーク)に接続しており、永久磁石28…のフラン
ジ22とは反対の側(図1の上側)の端部は鉄製の部材
32(ヨーク)に接続している。上記した永久磁石26
…、28…の極性の設定、及び鉄から成る部材30、3
2により、隣接する永久磁石26とそれに対向する永久
磁石28は磁路Ф…を形成し、該磁路Ф…は図1におい
て一点鎖線で示されている。
【0032】フランジ22、24の間には、換言すれば
磁路Ф…を横断する様な態様で、多数の巻線34…が配
置されている。ここで該巻線34…は、単独の巻線各々
が絶縁され、多数が固着されて固定部12へ固定されて
いる。なお、前述した通り、巻線34の個数は多ければ
多いほど好適であるが、図1においては、簡略化のため
7個のみ示してある。
【0033】図1においては図示されていないが、回転
部14及び回転軸20を駆動するためのモータを備えて
いる。そして、軸方向或いは垂直方向Vのスラストは、
永久磁石16と18との反撥力により支承される。しか
し、永久磁石16と18との反撥力が作用する際には、
水平方向Hについて不安定力が発生する。そして、水平
方向Hの不安定力が発生すれば、フランジ22、24と
巻線34…との水平方向Hに関する相対位置も変化す
る。
【0034】回転部14が停止している際には、図示し
ない接触形軸受により水平方向支持を行う。そして、図
示しないモータにより回転部14を回転し、巻線34…
が磁路Ф…を横切る様にすれば、図3を参照して前述し
た通り保持力A(図3)が発生し、前記不安定力を打ち
消して、水平方向Hについて位置の受動安定化が行われ
るのである。
【0035】図4はその他の実施例を簡略化して示した
ものである。図1で示す実施例ではフランジ22、24
のいずれにも永久磁石26…、28…が設けられている
が、図4で示す実施例では該永久磁石は一方のフランジ
(図4ではフランジ24)にのみ設けられ、他方のフラ
ンジの対応する部分には鉄から成る部材30A…が配置
されている。そしてこの部材30A…は、図1の実施例
で永久磁石26…の端部を接続している鉄製部材30と
一体になっている。
【0036】この実施例でも、永久磁石28、部材30
A、部材30、部材30A、永久磁石28、部材32が
磁路Фを形成している。その他については図1の実施例
と同様である。
【0037】図5は別の実施例を示している。この実施
例はフランジ22、24のいずれにも永久磁石26…、
28…を配置しているが、同時に磁性材料30A…、3
2A…をも配置したものである。そして、各々のフラン
ジにおいて、永久磁石と磁性材料が交互に並んでいる。
この実施例では、永久磁石28、部材30A、部材3
0、永久磁石26、部材32A、部材32が磁路Фを形
成している。その他については図1の実施例と同様であ
る。
【0038】前述したように、フランジ22、24間の
空間中で巻線34…の体積が占有する割合、すなわち空
間占有率は大きければ大きいほど、保持力A(図3)も
大きくなり、水平方向安定機能が向上する。そのため、
図2、3で概略表現されている様に、個々の巻線34…
は概略8字状をしている。この巻線34…の形状は図6
に示されている。なお、円形、方形の巻線も採用し得る
が、体積占有率はさほど良好ではない。
【0039】図6は巻線34−1が永久磁石26を通過
する際において、丁度真上に来た状態を示している。こ
こで、巻線34−1のクロスしている部分cd、hiに
おいて保持力が生じる。なお、部分cdが部分hiの上
側となっている。図6から明らかな様に、磁石26の幅
wの領域を通過する巻線34−1の部分は、クロスして
いる部分cd、hiと直線部cb、de、gh、ijで
ある。
【0040】巻線34を図6で示す様な形状に構成して
絶縁を施すことにより、図7で示す様に、多数の巻線3
4…を重ね合わせて配置することが出来る。これによ
り、空間占有率が最大となる。
【0041】図1の実施例では、フランジ22、24に
は永久磁石26…、28…が一列ずつ配置されていた
が、これを2列以上設けることも可能である。図8は、
永久磁石を2列設けた実施例を示している(フランジ2
2、永久磁石26A、26B、及び1つの巻線のみが示
されている)。そして、空間占有率が向上する様な巻線
の形状として、概略6角形の巻線50が図示されてい
る。
【0042】図8において、巻線50は斜めに延びる部
分kl、mn、no、pkにおいて保持力を発生する。
そして横方向の端部k、nが、永久磁石26A、26B
の幅wの領域より突出することはない。また、部分k
l、lm、mnは部分no、op、pkよりも上側に位
置している。換言すると、横方向の端部k、nには、図
9で示す様に段差部分が存在する。この段差部分によ
り、巻線50は絶縁を施して図9、10で示す様に効率
的に重ね合わせることが出来るのである。
【0043】図9において、巻線50のピッチは符号P
c で示されており、永久磁石26A…及び28A…のピ
ッチは符号Pp で示されている。明確には図示されてい
ないが、ピッチPc はピッチPp の約80%に設定され
ている。このことは、図6、7で示す巻線34において
も同様である。
【0044】図11は本発明の更に別の実施例を示して
いる。この実施例は図1の実施例とその構造が共通する
ものであるが(但し、簡略化のため永久磁石26は4個
のみ示してある)、巻線34に加えて、回転トルク発生
用の巻線60が設けられている。
【0045】このトルク発生用巻線60は電源62に接
続しており、各永久磁石26を横切ることが可能であ
る。図11の様な状態において、巻線60に電源62A
からの電流が流れると(巻線60の矢印で示す)、各永
久磁石26を横切る部分には矢印Mで示す様な力が作用
する。巻線60が固定されていれば、この力Mと反対方
向の力がフランジ22を時計方向に回転せしめる。従っ
て、この巻線60及び永久磁石26はモータとして作用
するのである。
【0046】フランジ22が回転して極性の異なる隣接
する永久磁石を横切る時には、図示しない回転センサが
その旨を検知して、図示しない電源切替手段により巻線
60と接続した電源62Aを電源62Bへ切り替える。
これにより力Mが発生し続けるのである。
【0047】ここで、再び図6の実施例について考察す
る。図6のaからfへ電流を流すと、巻線の交差点付近
が磁石の近傍にあるときは、交差点付近の電流が磁石の
磁束と反応して回転力を生じる。この場合、交差点付近
の電流のうち、図6の左右方向成分だけが回転力に寄与
し、上下方向成分は力として打ち消し合うので図6の左
右方向の剛性には影響しない。従って、多数の8字状巻
線の一部または全部をモータの巻線として利用可能であ
る。この様にすれば、図11のトルク発生用巻線60無
しでも8字状巻線(の1部或いは全部)のみを使用する
ことにより回転トルクを発生させることが可能なのであ
り、図11において8字状巻線とトルク発生用巻線60
とを別体に設けたのに比較して、構成がより簡単にな
る。なお、図12、13は、上記の内容を具体化したも
のであり、図12は複数の8字状巻線34…を直列に結
線した例を示し、図13は並列結線した例を示してい
る。そして、符号64は巻線34…を結線するための導
線を示す。
【0048】なお、図示の実施例においては永久磁石が
回転側として示されているが、モータとして使用する場
合(図11〜図13)を除いては固定側とすることも出
来る。換言すれば、前記フランジを固定し、フランジ間
に配置された前記多数の巻線を回転部として構成し、該
フランジを固定するための固定手段(図示せず)を含む
様に構成すれば、永久磁石が固定側になる。その旨を付
記する。
【0049】
【発明の効果】本発明の効果を以下に列挙する。
【0050】(1) 回転軸回り以外の5自由度におけ
る安定化を全て受動形磁気軸受で行うことが出来る。換
言すれば、5自由度を全て無制御とすることが出来る。
【0051】(2) 電力消費量が減少し、熱の発生及
び蓄熱の問題が解消される。
【0052】(3) 能動形ではないため、制御用電子
回路が不要となり、信頼性が向上して、製造コストや維
持コストが低く抑えられる。
【0053】(4) 巻線の体積占有率を向上して、保
持力を大きくすることが出来る。
【0054】(5) 軸受をモータとして作用させるこ
とが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本的な実施例を示す正面図。
【図2】図1のX−X矢視図。
【図3】本発明の作用を説明する部分拡大平面図。
【図4】本発明の他の実施例の要部を示す部分断面図。
【図5】本発明の別の実施例の要部を示す部分断面図。
【図6】本発明で用いられる巻線の一例を示す部分拡大
図。
【図7】図6の巻線を重ねた状態を示す図。
【図8】本発明のその他の実施例を示す部分拡大平面
図。
【図9】図8の実施例で用いられる巻線を重ねた状態を
示す部分拡大側面図。
【図10】図8の実施例で用いられる巻線を重ねた状態
を示す図。
【図11】本発明の更に別の実施例を示す平面図。
【図12】本発明の他の実施例を示す平面図。
【図13】本発明の他の実施例を示す平面図。
【符号の説明】
10…受動形磁気軸受装置 12…固定部 14…回転部 16、18…永久磁石(受動形軸方向磁気軸受) 20…回転軸 22、24…フランジ 26、26A、26B、28、28A、28B、M…永
久磁石 30、30A、32、32A…磁性材料 34、34−1、50、60、C…巻線 Ф…磁路 62、64…導線

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転部を固定部に対して非接触状態にて
    支持する受動形磁気軸受装置において、水平方向の不安
    定力を支持する手段は、回転部に固定され且つ相互に対
    向し合う2枚のフランジの対を少なくとも1対は含んで
    おり、前記1対のフランジの対向面の各々には複数の永
    久磁石が周方向へ列状に配置されており、該永久磁石は
    隣接するもの同士の磁極が異なる様にその極性が設定さ
    れ、列状に配置された複数の永久磁石は磁性材料により
    接続されており、対向する永久磁石同士は磁極が異なっ
    て互いに吸引し合う様に配置されており、対向するフラ
    ンジ間には固定部に対して固定された多数の巻線が配置
    されていることを特徴とする受動形磁気軸受装置。
  2. 【請求項2】 回転部を固定部に対して非接触状態にて
    支持する受動形磁気軸受装置において、水平方向の不安
    定力を支持する手段は、回転部に固定され且つ相互に対
    向し合う2枚のフランジの対を少なくとも1対は含んで
    おり、前記1対のフランジのいずれか一方の対向面には
    複数の永久磁石が周方向へ列状に配置され、該永久磁石
    は隣接するもの同士の磁極が異なる様にその極性が設定
    され、列状に配置された複数の永久磁石は磁性材料によ
    り接続されており、他方のフランジの対向面の前記永久
    磁石と対向する部分には磁性材料が設けられており、対
    向するフランジ間には固定部に対して固定された多数の
    巻線が配置されていることを特徴とする受動形磁気軸受
    装置。
  3. 【請求項3】 回転部を固定部に対して非接触状態にて
    支持する受動形磁気軸受装置において、水平方向の不安
    定力を支持する手段は、回転部に固定され且つ相互に対
    向し合う2枚のフランジの対を少なくとも1対は含んで
    おり、前記1対のフランジには複数の永久磁石が周方向
    へ列状に配置され、一方のフランジにおける永久磁石と
    対向する他方のフランジ側の箇所の一部には磁性材料部
    分が構成されており、対向するフランジ間には固定部に
    対して固定された多数の巻線が配置されていることを特
    徴とする受動形磁気軸受装置。
  4. 【請求項4】 フランジの対向面の周方向へ列状に配置
    された複数の永久磁石は1列に配置されており、前記多
    数の巻線の各々はその平面形状が概略8字状をしている
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の受動形磁気軸受装
    置。
  5. 【請求項5】 フランジの対向面の周方向へ列状に配置
    された複数の永久磁石は2列に配置されており、前記多
    数の巻線の各々はその平面形状が6角形状をしている請
    求項1〜3のいずれか1項に記載の受動形磁気軸受装
    置。
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