JPH11228709A - ポリエステル樹脂製成形体 - Google Patents

ポリエステル樹脂製成形体

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JPH11228709A
JPH11228709A JP2960898A JP2960898A JPH11228709A JP H11228709 A JPH11228709 A JP H11228709A JP 2960898 A JP2960898 A JP 2960898A JP 2960898 A JP2960898 A JP 2960898A JP H11228709 A JPH11228709 A JP H11228709A
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JP
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less
ppm
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molded article
polyester resin
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JP2960898A
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Yoshinao Matsui
義直 松井
Shoji Kikuchi
昭次 菊池
Yoshitaka Eto
嘉孝 衛藤
Mitsuru Nakada
満 中田
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明性、ガスバリヤー性、耐熱性、機械的特
性および保香性に優れ、食品あるいは飲料用の容器等と
して有利に使用しうるポリエステル樹脂製成形体を提供
する。 【解決手段】 主たる繰り返し単位がエチレンテレフタ
レートであるポリエステル樹脂から構成される成形体で
あって、その成形体中の酢酸含有量が50ppb以下で
あり、かつギ酸含有量が50ppb以下であるポリエス
テル樹脂製成形体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透明性、ガスバリ
ヤー性、耐熱性、機械的特性および保香性に優れ、食品
あるいは飲料用等の容器や包装体等として有利に使用し
うるシート、フィルム、ボトル等のポリエステル樹脂製
成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレート樹脂は、そ
の優れた透明性、機械的強度、耐熱性、ガスバリヤー性
等の特性により、ジュース、ミネラルウォーター等の容
器の素材として採用されている。
【0003】しかし、エチレンテレフタレートを主たる
繰り返し単位とするポリエステル樹脂は、副生物である
アセトアルデヒドを含有する。ポリエステル樹脂中のア
セトアルデヒド含有量が多い場合には、これから成形さ
れた容器やその他包装等の材質中のアルデヒド含有量も
多くなり、該容器等に充填された飲料等の風味や臭いに
影響を及ぼすという問題があった。したがって、従来よ
りポリエステル樹脂中のアセトアルデヒド含有量を低減
させるために種々の方策が採られてきた。
【0004】近年、ポリエチレンテレフタレートを中心
とするポリエステル樹脂製容器は、ミネラルウォーター
やウーロン茶等の低フレーバー飲料用の容器として使用
されるようになってきた。このような飲料の場合は、一
般にこれらの飲料を熱充填したりまたは充填後加熱して
殺菌されるが、飲料容器のアセトアルデヒド含有量の低
減だけではこれらの内容物の風味や臭いが改善されない
という問題があった。
【0005】また、飲料用金属缶については、工程簡略
化、衛生性、公害防止等の目的から、その内面にエチレ
ンテレフタレートを主たる繰り返し単位とするポリエス
テルフィルムを被覆した金属板を利用して製缶する方法
が採られるようになってきた。この場合にも、内容物を
充填後高温で加熱殺菌されるが、この際アセトアルデヒ
ド含有量の低いフィルムを使用しても内容物の風味や臭
いが改善されないという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の課題
を解決することにあり、その目的は、透明性、ガスバリ
ヤー性、耐熱性、機械的特性および保香性に優れ、食品
あるいは飲料用の容器等として有利に使用しうるポリエ
ステル樹脂製成形体を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意検討した結果、ポリエステル樹脂製
成形体中の遊離の低分子化合物の含有量が、保香性に関
係し、遊離の低分子化合物の含有量を低く抑制すれば、
内容物の風味や臭いが改善されることが判明した。即
ち、本発明は以下のとおりである。 主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレートであ
るポリエステル樹脂から構成される成形体であって、そ
の成形体中の酢酸含有量が50ppb以下であり、かつ
ギ酸含有量が50ppb以下であるポリエステル樹脂製
成形体。 主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレートであ
るポリエステル樹脂から構成される延伸成形体であっ
て、極限粘度が0.55〜0.85dl/g、延伸部分
の密度が1.360g/cm3 以上であり、その延伸成
形体中の、酢酸含有量が50ppb以下であり、かつギ
酸含有量が50ppb以下であって、遊離のエチレング
リコール含有量が25ppm以下であり、遊離のモノヒ
ドロキシエチルテレフタレート含有量が50ppm以下
であり、かつ遊離のビスヒドロキシエチルテレフタレー
ト含有量を100ppm以下であって、この遊離のモノ
ヒドロキシエチルテレフタレートと遊離のビスヒドロキ
シエチルテレフタレートの含有量の合計が100ppm
以下であると共に、遊離のビスヒドロキシエチルテレフ
タレート2量体含有量が200ppm以下であるポリエ
ステル樹脂製成形体。 前記成形体中のアセトアルデヒド含有量が50pp
m以下であり、かつホルムアルデヒド含有量が10pp
m以下であるまたはに記載のポリエステル樹脂製成
形体。 共重合されたジエチレングリコール量がグリコール
成分の1.0〜5.0モル%である〜のいずれかに
記載のポリエステル樹脂製成形体。 前記成形体中の環状3量体含有量が0.5重量%以
下である〜のいずれかに記載のポリエステル樹脂製
成形体。
【0008】
【作用】本発明は、上記手段を講じたので、ポリエステ
ル樹脂製成形体中の遊離の低分子化合物の含有量を低く
抑えることにより、内容物の風味や臭いが改善され、保
香性が維持できないという問題が解決される。また、本
発明のポリエステル樹脂製成形体は、上記特性を有する
ので、透明性、ガスバリヤー性、耐熱性、機械的特性に
欠けるという問題が解決される。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いられるポリエステル樹脂は、主たる繰り返
し単位がエチレンテレフタレートである。このポリエス
テル樹脂は、エチレンテレフタレート単位が85モル%
以上で構成される線状ポリエステル樹脂であり、好まし
くはエチレンテレフタレート単位が95モル%以上で構
成される線状ポリエステル樹脂である。
【0010】本発明に用いられるポリエステル樹脂は、
公知の製造方法によって製造することができる。例え
ば、テレフタル酸を主成分とするジカルボン酸と、エチ
レングリコールを主成分とするグリコールと、必要に応
じてさらにポリエステル樹脂中の多官能化合物からなる
第三成分とを、直接反応させ、エステル化した後、水を
留去し、減圧下で重縮合することにより製造される(直
接エステル化法)。
【0011】ジカルボン酸としては、上記テレフタル酸
の他に、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン
酸、ジフェニール−4,4’−ジカルボン酸、ジフェノ
キシエタンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸及びそ
の機能的誘導体、p−オキシ安息香酸、オキシカプロン
酸等のオキシ酸及びその機能的誘導体、アジピン酸、セ
バシン酸、コハク酸、グルタル酸等の脂肪族ジカルボン
酸及びその機能的誘導体、シクロヘキサンジカルボン酸
等の脂環式ジカルボン酸及びその機能的誘導体などが使
用できる。
【0012】グリコールとしては、上記エチレングリコ
ールの他に、ジエチレングリコール、トリメチレングリ
コール、テトラメチレングリコール、ネオペンチルグリ
コール等の脂肪族グリコール、シクロヘキサンジメタノ
ール等の脂環式グリコール、ビスフェノールA、ビスフ
ェノールAのアルキレンオキサイド付加物等の芳香族グ
リコールなどが使用できる。
【0013】使用できる第三成分としては、トリメット
酸などのトリカルボン酸や、ピロメリト酸などのテトラ
カルボン酸を挙げることができ、グリセリン、ペンタエ
リスリトールなどのポリオール成分を挙げることができ
る。
【0014】これらのテレフタル酸以外のジカルボン
酸、エチレングリコール以外のグリコール、及び第三成
分は、ポリエステル樹脂が実質的に線状を維持できる範
囲で使用できる。
【0015】重縮合反応は、溶融重縮合反応であって
も、固相重縮合反応であってもよい。重縮合反応を固相
重縮合反応で行うと、更に極限濃度を増大させ、アセト
アルデヒド含有量等を低下させることができる。重縮合
反応は、回分式反応装置で行っても、連続式反応装置で
行ってもよい。重縮合反応は、1段階で行ってもよい
し、多段階で行なってもよい。重縮合反応を多段階で行
なう場合、溶融重縮合反応と固相重縮合反応とを両方行
なってもよい。溶融重縮合反応と固相重縮合反応とを両
方行なう場合、連続して行なってもよく、分割して行な
ってもよい。
【0016】本発明の成形体を得るためのポリエステル
樹脂は、例えば次のような方法で製造することができ
る。即ち、溶融重縮合をできるだけ低温度で短時間に実
施し、また溶融重縮合終了後チップ化するため細孔から
押し出すまでの間、できるだけ低温度で短時間の条件下
に溶融状態を保持後、細孔より窒素雰囲気下に押し出し
てチップとする。このチップを次に固相重合するが、こ
れ以降の工程、すなわち固相重合工程への輸送、結晶
化、固相重合等を全て窒素雰囲気下で実施するのが好ま
しい。使用する窒素中の酸素濃度は、20ppm以下、
好ましくは10ppm以下、さらに好ましくは5ppm
以下である。また、固相重合時に使用する窒素中の酸素
以外の不純物の含有量もできるだけ少なくなるような方
策をとることが望ましい。例えば、固相重合工程から回
収された窒素から固形物を完全に除去後精製を十分に行
った後、新鮮な窒素とともに固相重合器へ供給する方法
等がある。固相重合に使用する窒素は、全て新鮮な窒素
を用いるのが特に好ましい。
【0017】また、本発明のポリエステル樹脂成形体を
得るためのポリエステル樹脂を得る方法としては、上記
の窒素雰囲気下でチップ化以降の工程を行なうことに加
え、固相重合工程の前及び/又は後に水や水蒸気等で処
理し、一旦チップの含水率を増加させたのち、乾燥させ
ると、更に効果的である。水処理の方法としては、例え
ばチップを水中に浸ける方法やチップ上に水をシャワー
でかける方法などが挙げられる。水で処理をする場合の
処理時間は、5分〜2日間、好ましくは10分〜1日
間、更に好ましくは30分〜10時間程度である。処理
水の温度は、20〜180℃、好ましくは40〜150
℃、更に好ましくは50〜120℃程度である。水蒸気
で処理する場合の処理時間は、5分〜7日間、好ましく
は10分〜5日間、更に好ましくは30分〜3日間程度
である。処理水蒸気の温度は、10〜200℃、好まし
くは20〜180℃、更に好ましくは30〜160℃程
度である。この水処理は、常圧に限らず、減圧または加
圧条件下で行なってもよい。また、水処理や乾燥処理を
窒素雰囲気下でおこなうと、さらに効果的である。一旦
増加させたときのチップの含水率は、0.05%以上、
好ましくは0.1%以上、さらに好ましくは0.2%以
上であればよい。
【0018】重縮合反応の温度は260〜285℃が好
ましく、真空度は600〜0.1Torrである。回分
式装置を用いて多段階に重縮合を行なう場合には、最終
段階の重縮合反応は、温度260〜285℃で、5〜
0.1Torrの減圧下で1.5時間以内に終了すべき
である。また、連続式装置を用いて重縮合を行う場合に
は、最終の重縮合反応は、温度260〜285℃で、5
〜0.1Torrの減圧下で2時間以内に終了すること
が重要である。また、溶融重縮合終了後の溶融状態での
保持条件は、260〜285℃で20分以内、好ましく
は15分以内、更に好ましくは10分以内である。28
5℃以上の高温度で重縮合を行ったり、2時間以上の長
時間で重縮合を行う場合には、遊離のモノマー等の低分
子化合物の含有量が制限量以上になり、得られたポリエ
ステル樹脂からの包装材料の内容物の風味や臭いが非常
に悪くなる。また、260℃以下の低温度で重縮合を行
う場合には、十分な重縮合が図れない。
【0019】直接エステル化法による場合には、重縮合
触媒としてゲルマニウムGe、アンチモンSb、チタン
Ti等の化合物が使用できるが、特にGe化合物が好ま
しい。Ge化合物としては、例えば無定形二酸化ゲルマ
ニウム、結晶性二酸化ゲルマニウム粉末またはこのエチ
レングリコールスラリー、結晶性二酸化ゲルマニウムを
水に加熱溶融した溶液、またはこれにエチレングリコー
ルを添加して加熱処理した溶液等が使用できる。特に本
発明のポリエステル樹脂を得るには、結晶性二酸化ゲル
マニウムを水に加熱溶解した溶液、またはこれにエチレ
ングリコールを添加して加熱処理した溶液を使用するの
が好ましい。これらの重縮合触媒はエステル化反応工程
中に添加することができ、特に本発明のポリエステル樹
脂を得るにはエステル化反応工程の初期段階に添加する
のが好ましい。
【0020】重縮合触媒の使用量は適宜選択できるが、
重縮合触媒としてGe化合物を使用する場合、その使用
量はポリエステル樹脂中のGe残存量として20〜15
0ppm程度、好ましくは23〜100ppm程度、更
に好ましくは25〜70ppm程度である。
【0021】また、添加剤として、安定剤を添加しても
よい。使用できる安定剤としては、リン酸、ポリ燐酸等
や、トリメチルフォスフェート等の燐酸エステル等の含
リン化合物が挙げられる。これらの安定剤の使用量は、
ポリエステル樹脂中残存リン金属量として10〜100
ppm程度である。これらの安定剤は、テレフタル酸と
エチレングリコールのスラリー調合槽からエステル化反
応工程中に添加することができるが、特に本発明のポリ
エステル樹脂を得るには、スラリー調合槽やエステル化
反応工程の中期までに添加するのが好ましい。
【0022】エステル化反応工程に塩基性化合物、例え
ば、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン等の第
3級アミン、水酸化テトラエチルアンモニウム等の第4
級アンモニウム塩等を加えることができる。これらを加
えることで、ジエチレングリコール含有量の増加を抑制
することができる。
【0023】また、本発明で用いられるポリエステル樹
脂には、必要に応じて着色剤、紫外線吸収剤、酸化防止
剤、帯電防止剤、滑剤、核剤、離型剤などを本発明の目
的を損なわない範囲で添加してもよい。
【0024】本発明のポリエステル樹脂製成形体は、中
空延伸成形体用の予備成形体、押出成形されたシート状
物、パイプ状物、筒状物等を含み、これらは射出成形機
や押出成型機によって成形される。
【0025】本発明の成形体は、延伸ブロー成型機によ
り延伸ブロー成形した延伸ボトル、未延伸シート状物を
真空成形機や圧縮成型機などによって成形したトレー、
容器やその他成形体、未延伸シート状物を一軸または二
軸に延伸した延伸フィルム等を含む。
【0026】本発明の成形体を得るには、例えば前記の
通り製造した遊離の低分子量化合物の含有量の少ないポ
リエステル樹脂を使用し、成形前の乾燥を酸素濃度10
ppm以下の不活性ガス流通下に実施し、ポリエステル
樹脂の成形温度をできるだけ低くし(例えば、290℃
以下)、成形時の溶融状態での滞留時間を短く(例えば
1分以内)するなどポリエステル樹脂が受ける熱履歴を
できるだけ低減させることが必要である。また、ポリエ
ステル樹脂の製造後、保管、運搬、成形機への充填など
の各工程を酸素濃度10ppm以下の不活性ガス下で行
なうことや成形機のホッパー内などを酸素濃度10pp
m以下の不活性ガスで置換しておくことも重要である。
【0027】このようなポリエステル樹脂を使用した本
発明のポリエステル樹脂製成形体は、その材質中の酢酸
含有量が50ppb以下であり、かつギ酸含有量が50
ppb以下であればよい。材質中の酢酸含有量は、好ま
しくは30ppb以下であり、さらに好ましくは10p
pb以下である。また、材質中のギ酸含有量は、好まし
くは30ppb以下であり、さらに好ましくは10pp
b以下である。その材質中の酢酸含有量およびギ酸含有
量が、共に50ppbを越える場合には、このポリエス
テル樹脂製の容器などの成形体中の内容物の風味や香り
が非常に悪くなる。
【0028】このようなポリエステル樹脂を使用した本
発明のポリエステル樹脂製成形体は、その材質中の遊離
のエチレングリコール含有量が25ppm以下、好まし
くは15ppm以下、さらに好ましくは10ppm以下
である。
【0029】また、このようなポリエステル樹脂を使用
した本発明のポリエステル樹脂製成形体の遊離のモノヒ
ドロキシエチルテレフタレート含有量は50ppm以
下、好ましくは30ppm以下、さらに好ましくは15
ppm以下であり、かつ遊離のビスヒドロキシエチルテ
レフタレート含有量は100ppm以下、好ましくは8
0ppm以下、さらに好ましくは60ppm以下であっ
て、遊離のモノヒドロキシエチルテレフタレートと遊離
のビスヒドロキシエチルテレフタレートの合計が100
ppm以下、好ましくは80ppm以下、さらに好まし
くは70ppm以下であればよい。
【0030】このようなポリエステル樹脂を使用した本
発明のポリエステル樹脂製成形体の遊離のビスヒドロキ
シエチルテレフタレート2量体含有量は200ppm以
下、好ましくは150ppm以下、さらに好ましくは1
00ppm以下であればよい。
【0031】上記のような遊離のモノマー等の低分子量
化合物を抑制したポリエステル樹脂製成形体を包装材料
として使用すると、その内容物の風味等がさらに改善さ
れる。
【0032】また、本発明のポリエステル樹脂製成形体
を構成するポリエステル樹脂の極限粘度(以下、「I
V」という)は、0.55〜0.85dl/g程度であ
り、好ましくは0.58〜0.83dl/g、更に好ま
しくは0.60〜0.80dl/gである。IVが0.
55dl/g未満の場合は得られた成形体等の機械的特
性が悪くなり、0.85dl/gを越える場合には、溶
融時の発熱が多く、熱分解が激しくなり、保香性に影響
を及ぼすアルデヒド等の遊離の低分子量化合物が増加し
たり、また成形体が黄色に着色する原因となる。IVが
0.55〜0.85dl/g程度であるポリエステル
樹脂製成形体は、IVが 0.60〜0.90dl/g
程度のポリエステル樹脂の水分を0.05重量%以下に
乾燥し、成形して得られる。
【0033】本発明のポリエステル樹脂製成形体の延伸
部分の密度は、1.360g/cm 3 以上であり、好ま
しくは1.365g/cm3 以上、更に好ましくは1.
370g/cm3 以上である。密度が1.360g/c
3 未満の場合は得られた成形体の耐熱性が悪くなる。
延伸部分の密度が、1.360g/cm3 以上であるポ
リエステル樹脂製成形体は、たとえば、ポリエステル樹
脂製予備成形体を85〜110℃の温度において、軸方
向に2.0〜3.5倍、周方向に3.0〜4.5倍程度
に延伸する方法やこのように得られた延伸成形体を11
0〜180℃の金型で熱処理する方法等により得られ
る。
【0034】また、本発明のポリエステル樹脂製成形体
中のアセトアルデヒド含有量は50ppm以下、好まし
くは40ppm以下、さらに好ましくは30ppm以下
であればよい。またホルムアルデヒド含有量は10pp
m以下、好ましくは8ppm以下、さらに好ましくは6
ppm以下であればよい。アセトアルデヒド含有量が5
0ppm以上であり、かつホルムアルデヒド含有量が1
0ppm以上の場合は、このポリエステル樹脂製成形体
の内容物の風味や臭い等が悪くなる。特に、延伸成形体
の材質中の遊離のモノマー等の低分子化合物含有量が請
求項2の規制量以下の場合は、延伸成形体のアセトアル
デヒド含有量が50ppm以下、ホルムアルデヒド含有
量が10ppm以下であると、内容物の風味や臭いがな
お一層改善される。本発明において用いられるポリエス
テル樹脂のアセトアルデヒド含有量やホルムアルデヒド
含有量を減少させる方法は特に制限されるものではない
が、例えば、低分子量のポリエステル樹脂を減圧下また
は不活性ガス雰囲気下において170〜230℃の温度
で固相重合する方法を挙げることができる。
【0035】本発明のポリエステル樹脂製成形体のジエ
チレングリコール(以下、「DEG」という)量は、共
重合されたDEG量がグリコール成分の1.0〜5.0
モル%、好ましくは1.3〜4.5モル%、更に好まし
くは1.5〜4.0モル%である。DEG量が5.0モ
ル%以上の場合は、熱安定性が悪くなり、成型時に分子
量低下が大きくなったり、アセトアルデヒド含有量やホ
ルムアルデヒド含有量の増加するので好ましくない。D
EG量が1.0モル%以下の場合は、成形体の透明性が
悪くなるので好ましくない。共重合されたDEG量をグ
リコール成分の1.0〜5.0モル%にする方法は、特
に制限されるものではないが、例えば、 エステル化
反応工程にトリエチルアミン等の塩基性化合物を添加し
てDEGの生成を抑制する方法、 原料としてDEG
を添加してエステル化反応を実施し、DEG含有量を増
加させる方法などが挙げられる。
【0036】また、本発明のポリエステル樹脂製成形体
の環状3量体の含有量は、0.50重量%以下、好まし
くは0.45重量%以下、さらに好ましくは0.40重
量%以下である。例えば、ポリエステル樹脂から耐熱性
の中空成形体等を成形する場合は、加熱金型内で熱処理
を行うが、環状3量体の含有量が0.50重量%を越え
る場合には、加熱金型表面へのオリゴマー付着が急激に
増加し、得られた中空成形体等の透明性が非常に悪化す
る。環状3量体の含有量を、0.50重量%以下にする
方法は、特に制限されるものではないが、例えば、低分
子量ポリエステル樹脂を減圧下または不活性ガス雰囲気
下において、170〜230℃の温度で固相重合する方
法などを挙げることができる。
【0037】
【実施例】以下本発明を実施例に基づいて具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。なお、主な特性値の測定法を以下に説明する。
【0038】(1)ポリエステル樹脂(以下「PET樹
脂」という)のIV 1,1,2,2−テトラクロルエタン/フェノール
(2:3重量比)混合溶媒中30℃での溶液粘度から求
めた。
【0039】(2)DEG含有量 PET樹脂をメタノールで分解し、ガスクロマトグラフ
法によりDEG含有量を定量し、全グリコール成分に対
する割合(モル%)で表した。
【0040】(3)遊離のエチレングリコール含有量
(以下「EG含有量」という) 成形体試料をヘキサフルオロイソプロパノール/クロロ
フォルム混合液に溶解し、次いで水を加えて均一化す
る。水相を濾過した溶液についてガスクロマトグラフ法
によりEG含有量を定量(ppm)した。
【0041】(4)遊離のモノマー等低分子量化合物含
有量 成形体試料をヘキサフルオロイソプロパノール/クロロ
フォルム混合液に溶解し、さらにクロロフォルムを加え
希釈する。これにメタノールを加えてポリマーを沈殿さ
せた後、濾過する。濾液を蒸発乾固しジメチルフォルム
アミドで定容とし、液体クロマトグラフ法により遊離の
モノマー等低分子量化合物量を定量(ppm)した。
【0042】(5)アセトアルデヒド(以下「AA」と
いう)含有量 成形体試料/蒸留水=1g/2mlを窒素置換したガラ
スアンプルに入れて上部を溶封し、160℃で2時間抽
出処理を行い、冷却後抽出液中のアセトアルデヒドを高
感度ガスクロマトグラフ法でAA量を測定し濃度をpp
mで表示した。
【0043】(6)ホルムアルデヒド(以下「FA」と
いう)含有量 成形体試料1gを蒸留水2mlとともにガラスアンプル
に入れ、窒素置換後上部を溶封し、160℃で1時間加
熱処理した。冷却後、シクロヘキサン−1,3−ジオン
との蛍光誘導体に変換し、液体クロマトグラフ法にてF
A量を測定し、FA含有量を求めた。詳細は、分析科
学、vol.34、p.314(1985)に記載され
ている。
【0044】(7)環状3量体含有量 成形体試料をヘキサフルオロイソプロパノール/クロロ
フォルム混合液に溶解し、さらにクロロフォルムを加え
希釈する。これにメタノールを加えてポリマーを沈殿さ
せた後、濾過する。濾液を蒸発乾固し、ジメチルフォル
ムアミドで定容とし、液体クロマトグラフ法により環状
3量体含有量を定量した。
【0045】(8)酢酸含有量およびギ酸含有量 成形体から切り取った試料片2gをガラス容器に入れ、
沸騰したイオン交換水500mlを注ぎ、密栓後10分
間放置後室温に冷却し、7日間放置する。この液1ml
を用いてイオンクロマトグラフ法により酢酸含有量およ
びギ酸含有量を定量した。
【0046】(9)密度 四塩化炭素/n−ヘプタン混合溶媒の密度勾配管で25
℃での密度を測定した。
【0047】(10)官能試験 未延伸状態のシート状物の場合は、これを約10cm×
約5cmの大きさに切り、このシート状物約50gを1
Lの沸騰した蒸留水とともにガラス容器に入れ、70℃
で1日間放置後、25℃で1ヵ月間放置し、風味、臭い
等の試験を行った。延伸中空容器の場合は、この容器胴
部を約5mm×20mmの切片に切断し、この切片約1
00gを2Lのガラス容器に入れ、これに沸騰した蒸留
水1.5Lを入れ、70℃で1日間放置後、25℃で1
ヵ月間放置し、風味、臭い等の試験を行った。比較用の
ブランクとして、イオン交換水のみを使用し、前記と同
様に処理した。官能試験は、10人のパネラーにより次
の基準により実施し、平均値で比較した。 0:異味、臭いを感じない。 1:ブランクとの差をわずかに感じる。 2:ブランクとの差を感じる。 3:ブランクとのかなりの差を感じる。 4:ブランクとの非常に大きな差を感じる。
【0048】実施例1 連続重合設備により下記の要領にてPET樹脂を製造し
た。予め反応物を含有している第1エステル化反応器
に、毎時865重量部の高純度テレフタル酸と580重
量部のエチレングリコールとのスラリーを連続的に供給
し、攪拌下、約250℃、380Torrで平均滞留時
間3時間反応を行った。また、結晶性二酸化ゲルマニウ
ムを水に加熱溶解し、これにエチレングリコールを添加
して加熱処理した触媒溶液と、およびリン酸のエチレン
グリコール溶液とを別々にこの第1エステル化反応器に
連続的に供給した。この反応物を第2エステル化反応器
に送付し、攪拌下、約260℃、38Torrで所定の
反応度まで反応を行った。このエステル化反応生成物を
連続的に第1重合反応器に送り、攪拌下、約265℃、
25Torrで1時間、次いで第2重合反応器で攪拌
下、約265℃、3Torrで1時間、さらに第3重合
反応器で攪拌下、約277℃、0.5〜1.5Torr
で1時間重合させた。重合反応物を約275℃で5分以
内の滞留時間で細孔へ送り、ストランド状に押し出し水
冷後、チップ状に切断した。ストランドの冷却、切断
は、酸素濃度2ppm以下の窒素ガス雰囲気下で実施し
た。得られたPET樹脂のIVは0.63dl/gであ
った。このPET樹脂を、酸素濃度2ppm以下の窒素
雰囲気下で70℃で乾燥し、二軸押出機を用いて樹脂温
度270℃、溶融状態での滞留時間5分の条件下でキャ
ステイングドラム上に溶融押出しして、未延伸シートを
得た。
【0049】比較例1第2重縮合反応器までは実施例1
と同一条件で反応を実施し、第3重縮合反応器では、約
288℃、2〜4Torrで重縮合した。重縮合物を約
290℃で約30分間で細孔へ送り、空気雰囲気下で冷
却し、チップ化した。IVは0.65dl/gであっ
た。このPET樹脂を用い、脱湿空気を用いて160℃
で乾燥し、次いで樹脂温度293℃、溶融状態での滞留
時間15分の条件下で未延伸シートを得た。
【0050】実施例1と比較例1で得られた未延伸シー
トの試験結果を表1に示す。
【0051】
【表1】
【0052】表1に示すとおり、本発明のPET樹脂製
未延伸シートの遊離の低分子量化合物含有量は、比較例
に比べて少なく、味特性は良好であった。
【0053】実施例2 重縮合触媒およびリン酸の添加量を変更し、第3重縮合
反応器の温度を約272℃に変更する以外は、実施例1
とほぼ同一の反応条件のもとで溶融重縮合し、IV=
0.55dl/gのプレポリマーを得た。ただし、溶融
重合PET樹脂ストランドの冷却および切断は、酸素濃
度1ppm以下の窒素ガス雰囲気下で実施し、直ちに酸
素濃度1ppm以下の窒素ガス雰囲気下でプレポリマー
貯槽に送った。引き続き窒素雰囲気(酸素濃度1ppm
以下)下、約155℃で結晶化し、さらに窒素雰囲気
(酸素濃度1ppm以下)下で約200℃に予熱後、連
続固相重合反応器で窒素雰囲気(酸素濃度1ppm以
下)下で約206℃で固相重合した。固相重合用ガスと
しては新鮮な窒素(含有酸素濃度1ppm以下)を使用
した。得られたPET樹脂のIVは0.75dl/g、
DEG含有量は2.2モル%、密度は1.400g/c
3 、残存Ge量は43ppm、残存P量は33ppm
であった。この樹脂を酸素濃度1ppm以下の窒素気流
下で100℃で乾燥し、名機製作所製M−100射出成
型機により樹脂温度280℃でプリフォームを成形し
た。次いで、これをコーポプラスト社製LB−01延伸
ブロー成型機を用いて二軸延伸ブロー成形し、引き続き
約140℃に設定した金型内で熱固定し1500mlの
透明性および耐熱性の良好な中空成型容器を得た。IV
は0.71dl/g、胴部中央の密度は1.373g/
cm3 、AA含有量は16.7ppm、FA含有量は
3.2ppm、環状3量体含有量は0.33重量%であ
った。
【0054】実施例3 溶融PET樹脂ストランドの冷却及び切断を、空気雰囲
気下で実施し、また、固相重合用窒素として固相重合工
程から回収した窒素に約1/2の新鮮な窒素(酸素濃度
2ppm以下)を使用する以外は実施例2とほぼ同一条
件のもとでPET樹脂を製造した。得られたPET樹脂
のIVは0.74dl/g、DEG含有量は2.1モル
%、密度は1.401g/cm3 、環状3量体含有量は
0.30重量%であった。次いで、実施例2とほぼ同一
の方法で乾燥し、同様にして1500mlの中空成形容
器を得た。この容器のDEG含有量は2.1モル%、胴
部中央の密度は1.370g/cm3 、環状3量体含有
量は0.31重量%であった。
【0055】実施例4 溶融PET樹脂ストランドの冷却及び切断を、酸素濃度
2ppm以下の窒素雰囲気下で実施し、また、固相重合
用窒素として固相重合工程から回収した窒素に約1/2
の新鮮な窒素(酸素濃度2ppm以下)を使用する以外
は実施例2とほぼ同一の条件のもとでPET樹脂を製造
した。この樹脂を直ちに窒素雰囲気(酸素濃度2ppm
以下)下で、成形直前まで保管した。次いで、実施例2
とほぼ同一の方法で乾燥し、同様にして1500mlの
中空成形容器を得た。この容器のDEG含有量は2.3
モル%、環状3量体含有量は0.31重量%であった。
【0056】実施例5 実施例4と同様に溶融重合を行い得られたペレット50
kgをステンレスタンク中で30℃、95%相対湿度で
72時間保持した。このペレットの水分率は0.43%
であった。このペレットを160℃の真空乾燥機で2時
間予備結晶化を行い、続いて205℃、0.05mmH
g減圧下で16時間固相重合した。なお、調湿、予備結
晶化は窒素雰囲気下(酸素濃度0.2ppm)で行い、
固相重合は205℃に加熱した新鮮な窒素(酸素濃度
0.2ppm)を吹き込みながら行った。このように、
重合から目的のPETペレットを最終的に得るまでは、
酸素濃度が0.2ppmを越える雰囲気に曝すことがな
いようにした。得られたPET樹脂を用い、実施例2と
同様にして中空成形体を得た。この容器のDEG含有量
は2.3モル%、環状3量体含有量は0.37重量%で
あった。
【0057】実施例6 実施例4と同様にして得られた固相重合後のペレット5
0kgをステンレスタンク中で110℃の水蒸気を毎時
3kgの量で2時間通し、含水処理を行った。このペレ
ットの含水率は、0.24%であった。この後、160
℃で3時間真空乾燥を行った。なお、調湿、予備結晶化
は窒素雰囲気下(酸素濃度0.2ppm)で行い、重合
から目的のPETペレットを最終的に得るまでは、酸素
濃度が0.2ppmを越える雰囲気に曝すことがないよ
うにした。得られたPET樹脂を用い、実施例2と同様
にして中空成形体を得た。この容器のDEG含有量は
2.3モル%、環状3量体含有量は0.30重量%であ
った。
【0058】実施例7 実施例4と同様に固相重合を行い得られたペレット50
kgをステンレスタンク中で50℃の水に浸け、2時間
保持した。このペレットの含水率は、0.3%であっ
た。このペレットを160℃の真空乾燥機で2時間予備
結晶化を行い、続いて205℃、0.05mmHg減圧
下で16時間固相重合した。なお、調湿、予備結晶化は
窒素雰囲気下(酸素濃度0.2ppm)で行い、固相重
合は、205℃に加熱した新鮮な窒素(酸素濃度0.2
ppm)を吹き込みながら行った。このように、重合か
ら目的のPETペレットを最終的に得るまでは、酸素濃
度が0.2ppmを越える雰囲気に曝すことがないよう
にした。得られたPET樹脂を用い、実施例2と同様に
して中空成形体を得た。この容器のDEG含有量は2.
3モル%、環状3量体含有量は0.35重量%であっ
た。
【0059】実施例8 実施例4と同様にして得られた固相重合後のペレット5
0kgをステンレスタンク中で90℃水に5時間浸け、
含水処理を行った。このペレットの含水率は、0.44
%であった。この後、160℃で3時間真空乾燥を行っ
た。なお、調湿、予備結晶化は窒素雰囲気下(酸素濃度
0.2ppm)で行い、重合から目的のPETペレット
を最終的に得るまでは、酸素濃度が0.2ppmを越え
る雰囲気に曝すことがないようにした。得られたPET
樹脂を用い、実施例2と同様にして中空成形体を得た。
この容器のDEG含有量は2.3モル%、環状3量体含
有量は0.30重量%であった。
【0060】比較例2 第3重縮合反応器の温度を約288℃に変更する以外
は、実施例2と同一の反応条件のもとで重縮合し、この
反応物を295℃、約25分の滞留時間で細孔へ送り、
空気雰囲気下でチップ状に切断した。IV=0.55d
l/gのプレポリマーを得た。この樹脂を空気により空
気雰囲気下のプレポリマー貯槽に送り、5日間放置し
た。このプレポリマーを窒素雰囲気下、約155℃で結
晶化し、さらに窒素雰囲気下で約200℃に予熱後、連
続固相重合反応器で酸素濃度約75ppmの窒素雰囲気
下で約207℃で固相重合した。得られたPET樹脂の
IVは0.76dl/g、DEG含有量は5.7モル
%、密度は1.401g/cm3、環状3量体含有量は
0.33重量%であった。この樹脂を脱湿空気を用いた
乾燥機で乾燥し、名機製作所製M−100射出成型機に
より樹脂温度290℃でプリフォームを成形した。次い
で、これをコーポプラスト社製LB−01延伸ブロー成
形機を用いて二軸延伸ブロー成形し、引き続き約140
℃に設定した金型内で熱固定し、1500mlの中空成
型容器を得た。AA含有量は67.3ppm、FA含有
量は14.8ppmであった。
【0061】実施例2〜8及び比較例2から得られた中
空成型容器の試験結果を表2に示す。
【0062】
【表2】
【0063】表2に示すとおり、本発明のPET樹脂製
成形体は、比較例のPET樹脂製成形体に比べ、遊離の
低分子量化合物の含有量が少なく、内容物の味覚を変化
させないことがわかる。
【0064】
【発明の効果】本発明のポリエステル樹脂製成形体は、
透明性、ガスバリヤー性、耐熱性、機械的特性および保
香性に優れ、食品あるいは飲料用等の容器、包装材料と
して有利に使用できる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主たる繰り返し単位がエチレンテレフタ
    レートであるポリエステル樹脂から構成される成形体で
    あって、その成形体中の酢酸含有量が50ppb以下で
    あり、かつギ酸含有量が50ppb以下であるポリエス
    テル樹脂製成形体。
  2. 【請求項2】 主たる繰り返し単位がエチレンテレフタ
    レートであるポリエステル樹脂から構成される延伸成形
    体であって、極限粘度が0.55〜0.85dl/g、
    延伸部分の密度が1.360g/cm3 以上であり、そ
    の延伸成形体中の、酢酸含有量が50ppb以下であ
    り、かつギ酸含有量が50ppb以下であって、遊離の
    エチレングリコール含有量が25ppm以下であり、遊
    離のモノヒドロキシエチルテレフタレート含有量が50
    ppm以下であり、かつ遊離のビスヒドロキシエチルテ
    レフタレート含有量が100ppm以下であって、この
    遊離のモノヒドロキシエチルテレフタレートと遊離のビ
    スヒドロキシエチルテレフタレートの含有量の合計が1
    00ppm以下であると共に、遊離のビスヒドロキシエ
    チルテレフタレート2量体含有量が200ppm以下で
    あるポリエステル樹脂製成形体。
  3. 【請求項3】 前記成形体中のアセトアルデヒド含有量
    が50ppm以下であり、かつホルムアルデヒド含有量
    が10ppm以下である請求項1または2に記載のポリ
    エステル樹脂製成形体。
  4. 【請求項4】 共重合されたジエチレングリコール量が
    グリコール成分の1.0〜5.0モル%である請求項1
    〜3のいずれかに記載のポリエステル樹脂製成形体。
  5. 【請求項5】 前記成形体中の環状3量体含有量が0.
    5重量%以下である請求項1〜4のいずれかに記載のポ
    リエステル樹脂製成形体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005194331A (ja) * 2003-12-26 2005-07-21 Toyobo Co Ltd ポリエステルシートおよびそれからなる耐熱性ポリエステル容器
JP2006152066A (ja) * 2004-11-26 2006-06-15 Mitsui Chemicals Inc ポリエチレンテレフタレート

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JP2005194331A (ja) * 2003-12-26 2005-07-21 Toyobo Co Ltd ポリエステルシートおよびそれからなる耐熱性ポリエステル容器
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