JPH11228513A - 4−アセチルアミノ−3−メチル安息香酸化合物、その製造方法およびそれを用いた1h−インダゾール−5−カルボン酸の製造方法 - Google Patents

4−アセチルアミノ−3−メチル安息香酸化合物、その製造方法およびそれを用いた1h−インダゾール−5−カルボン酸の製造方法

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JPH11228513A
JPH11228513A JP10029015A JP2901598A JPH11228513A JP H11228513 A JPH11228513 A JP H11228513A JP 10029015 A JP10029015 A JP 10029015A JP 2901598 A JP2901598 A JP 2901598A JP H11228513 A JPH11228513 A JP H11228513A
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JP
Japan
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formula
compound
indazole
methyl
acetylamino
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JP10029015A
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English (en)
Inventor
Eiichi Iseki
栄一 井石
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumika Fine Chemicals Co Ltd
Original Assignee
Sumika Fine Chemicals Co Ltd
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Publication date
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】容易に入手することができる1H−インダゾー
ル−5−カルボン酸の製造中間体、かかる製造中間体を
容易に製造し得る方法、およびかかる製造中間体を用い
て1H−インダゾール−5−カルボン酸を簡便かつ工業
的に有利に製造し得る方法を提供すること。 【解決手段】式(I): 【化1】 (式中、R1 は水素原子または炭素数1〜5のアルキル
基を示す)で表される4−アセチルアミノ−3−メチル
安息香酸化合物、その製造方法、および該4−アセチル
アミノ−3−メチル安息香酸化合物を用いた1H−イン
ダゾール−5−カルボン酸の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、4−アセチルアミ
ノ−3−メチル安息香酸化合物およびその製造方法、な
らびに該4−アセチルアミノ−3−メチル安息香酸化合
物を用いた1H−インダゾール−5−カルボン酸の製造
方法に関する。さらに詳しくは、4−アセチルアミノ−
3−メチル安息香酸化合物およびその製造方法、ならび
に医薬品の有用な原料である1H−インダゾール−5−
カルボン酸を4−アセチルアミノ−3−メチル安息香酸
化合物を用いて製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】1H−インダゾール−5−カルボン酸
は、医薬品の有用な原料であり、従来、ヒドラゾノイソ
キサゾロンI(HydrazonoisoxazoloneI)を光熱分解す
ることによって製造されている(Helv. Chim. Acta, 59
[7], p. 2618-20 (English) 1976年)。
【0003】しかしながら、かかる方法には、原料が入
手しにくく、製造コストが高いという欠点がある。
【0004】そこで、近年、容易に入手することができ
る化合物から、高収率、低コストで1H−インダゾール
−5−カルボン酸を収得しうる工業的製造方法の確立が
要望されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術に鑑みてなされたものであり、容易に入手することが
できる1H−インダゾール−5−カルボン酸の製造中間
体、かかる製造中間体を容易に製造し得る方法、および
かかる製造中間体を用いて1H−インダゾール−5−カ
ルボン酸を簡便かつ工業的に有利に製造し得る方法を提
供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、(1)
式(I):
【0007】
【化11】
【0008】(式中、R1 は水素原子または炭素数1〜
5のアルキル基を示す)で表される4−アセチルアミノ
−3−メチル安息香酸化合物、(2) 式(II):
【0009】
【化12】
【0010】(式中、R1 は水素原子または炭素数1〜
5のアルキル基を示す)で表される3−メチル−4−ニ
トロ安息香酸化合物を還元し、得られた式(III) :
【0011】
【化13】
【0012】(式中、R1 は前記と同じ)で表される4
−アミノ−3−メチル安息香酸化合物を有機溶媒中で無
水酢酸と反応させることを特徴とする式(I):
【0013】
【化14】
【0014】(式中、R1 は前記と同じ)で表される4
−アセチルアミノ−3−メチル安息香酸化合物の製造方
法、(3) 3−メチル−4−ニトロ安息香酸を還元
し、得られた化合物を酸触媒の存在下で低級アルコール
と反応させ、得られた式(IIIa):
【0015】
【化15】
【0016】(式中、R2 は炭素数1〜5のアルキル基
を示す)で表される4−アミノ−3−メチル安息香酸化
合物を有機溶媒中で無水酢酸と反応させることを特徴と
する式(Ia):
【0017】
【化16】
【0018】(式中、R2 は前記と同じ)で表される4
−アセチルアミノ−3−メチル安息香酸化合物の製造方
法、(4) 3−メチル−4−ニトロ安息香酸を酸触媒
の存在下で低級アルコールと反応させ、得られた化合物
を還元し、得られた式(IIIa):
【0019】
【化17】
【0020】(式中、R2 は炭素数1〜5のアルキル基
を示す)で表される4−アミノ−3−メチル安息香酸化
合物を有機溶媒中で無水酢酸と反応させることを特徴と
する式(Ia):
【0021】
【化18】
【0022】(式中、R2 は前記と同じ)で表される4
−アセチルアミノ−3−メチル安息香酸化合物の製造方
法、(5) 式(I):
【0023】
【化19】
【0024】(式中、R1 は水素原子または炭素数1〜
5のアルキル基を示す)で表される4−アセチルアミノ
−3−メチル安息香酸化合物を、有機溶媒中で、無水酢
酸および相間移動触媒の存在下で、亜硝酸類と反応させ
た後、得られた式(IV):
【0025】
【化20】
【0026】(式中、R1 は前記と同じ)で表される1
−アセチル−5−カルボキシインダゾール化合物を加水
分解することを特徴とする1H−インダゾール−5−カ
ルボン酸の製造方法、(6) 無水酢酸および相間移動
触媒とともに、さらに塩基を存在させる前記(5)記載
の1H−インダゾール−5−カルボン酸の製造方法、
(7) 塩基が酢酸カリウムまたはtert−ブトキシ
カリウムである前記(6)記載の1H−インダゾール−
5−カルボン酸の製造方法、(8) 有機溶媒が酢酸エ
チル、アセトニトリル、ハロゲン化炭化水素またはハロ
ゲン化芳香族炭化水素である前記(5)〜(7)いずれ
か記載の1H−インダゾール−5−カルボン酸の製造方
法、(9) 亜硝酸類がn−アミル亜硝酸、イソアミル
亜硝酸、亜硝酸ナトリウムまたは亜硝酸カリウムである
前記(5)〜(8)いずれか記載の1H−インダゾール
−5−カルボン酸の製造方法、ならびに(10) 相間
移動触媒が18−クラウン−6またはテトラ−n−ブチ
ルアンモニウムブロミドである前記(5)〜(9)いず
れか記載の1H−インダゾール−5−カルボン酸の製造
方法、に関する。
【0027】
【発明の実施の形態】本発明の4−アセチルアミノ−3
−メチル安息香酸化合物は、前記したように、式
(I):
【0028】
【化21】
【0029】(式中、R1 は水素原子または炭素数1〜
5のアルキル基を示す)で表される化合物である。
【0030】前記式(I)において、R1 は水素原子ま
たは炭素数1〜5のアルキル基を示す。
【0031】前記炭素数1〜5のアルキル基としては、
例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、
tert−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基な
どが挙げられる。
【0032】前記式(I)で表される4−アセチルアミ
ノ−3−メチル安息香酸化合物は、出発物質として、式
(II):
【0033】
【化22】
【0034】(式中、R1 は前記と同じ)で表される3
−メチル−4−ニトロ安息香酸化合物を用いて調製する
ことができる。前記3−メチル−4−ニトロ安息香酸化
合物は、市販品(例えば、東京化成工業(株))とし
て、容易に入手し得る化合物である。
【0035】前記4−アセチルアミノ−3−メチル安息
香酸化合物は、例えば、(1) 前記式(II)で表され
る3−メチル−4−ニトロ安息香酸化合物を還元し、得
られた式(III) :
【0036】
【化23】
【0037】(式中、R1 は前記と同じ)で表される4
−アミノ−3−メチル安息香酸化合物を有機溶媒中で無
水酢酸と反応させる方法(以下、方法Iという)によっ
て製造することができる。
【0038】また、前記式(I)で表される4−アセチ
ルアミノ−3−メチル安息香酸化合物において、R1
炭素数1〜5のアルキル基である化合物、すなわち式
(Ia):
【0039】
【化24】
【0040】(式中、R2 は炭素数1〜5のアルキル基
を示す)で表される4−アセチルアミノ−3−メチル安
息香酸化合物は、(2) 3−メチル−4−ニトロ安息
香酸を還元し、得られた化合物を酸触媒の存在下で低級
アルコールと反応させ、得られた式(IIIa):
【0041】
【化25】
【0042】(式中、R2 は前記と同じ)で表される4
−アミノ−3−メチル安息香酸化合物を有機溶媒中で無
水酢酸と反応させる方法(以下、方法IIという)、また
は(3) 3−メチル−4−ニトロ安息香酸を酸触媒の
存在下で低級アルコールと反応させ、得られた化合物を
還元し、得られた式(IIIa)で表される4−アミノ−3
−メチル安息香酸化合物を有機溶媒中で無水酢酸と反応
させる方法(以下、方法III という)によって製造する
ことができる。
【0043】まず、前記方法Iについて説明する。
【0044】前記方法Iにおいては、まず、前記式(I
I)で表される3−メチル−4−ニトロ安息香酸化合物
を還元する。かかる3−メチル−4−ニトロ安息香酸化
合物の還元は、例えば、接触還元により行なうことがで
きる。前記3−メチル−4−ニトロ安息香酸化合物の接
触還元は、例えば、前記3−メチル−4−ニトロ安息香
酸化合物および還元触媒を溶媒中に懸濁させて懸濁液と
し、水素雰囲気下でかかる懸濁液を振とうもしくは攪拌
することにより、または水素ガスを懸濁液に吹き込むこ
とにより、行なうことができる。
【0045】前記還元触媒としては、例えば、パラジウ
ム、白金などの金属が挙げられる。かかる還元触媒は、
通常、担体に担持させて使用することができる。かかる
担体に担持させたものの代表例としては、例えば、パラ
ジウム−炭素、白金−炭素などが挙げられる。前記還元
触媒の使用量は、前記3−メチル−4−ニトロ安息香酸
化合物100重量部に対して、通常、0.1〜10重量
部程度、好ましくは1〜5重量部程度であることが望ま
しい。
【0046】前記溶媒としては、例えば、低級アルコー
ル、酢酸エチル、トルエン、クロロベンゼンなどが挙げ
られる。
【0047】なお、本明細書にいう低級アルコールと
は、炭素数1〜5のアルコールであり、かかる低級アル
コールの具体例としては、例えば、メタノール、エタノ
ール、イソプロパノール、n−プロパノールなどが挙げ
られる。
【0048】前記3−メチル−4−ニトロ安息香酸化合
物を溶媒中に懸濁させる際には、前記3−メチル−4−
ニトロ安息香酸化合物の量が、溶媒100重量部に対し
て、通常、10〜50重量部程度、好ましくは15〜2
5重量部程度となるように調整することが好ましい。
【0049】前記3−メチル−4−ニトロ安息香酸化合
物を接触還元する際の温度は、通常、30〜50℃程
度、好ましくは40〜45℃程度であることが望まし
い。また、水素雰囲気下で前記3−メチル−4−ニトロ
安息香酸化合物および還元触媒の懸濁液を振とうもしく
は攪拌する場合には、水素ガスの圧力は、通常、1〜5
kgf/cm2 程度、好ましくは1〜3kgf/cm2
程度であればよい。
【0050】接触還元に要する時間は、反応温度などの
条件によって異なるので一概には決定することができな
いが、反応が終了するまでの時間であればよく、通常、
2〜10時間程度である。反応の終了は、例えば、液体
クロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィーなどによ
り確認することができる。
【0051】このようにして前記3−メチル−4−ニト
ロ安息香酸化合物を還元することにより、式(III) で表
される4−アミノ−3−メチル安息香酸化合物が得られ
る。
【0052】得られた4−アミノ−3−メチル安息香酸
化合物の反応溶液を必要により、例えば、炭酸カリウム
水溶液などと混合することにより、該4−アミノ−3−
メチル安息香酸化合物の結晶を析出させ、回収すること
ができる。かくして回収した結晶は、必要により、水洗
してもよい。
【0053】次に、得られた式(III) で表される4−ア
ミノ−3−メチル安息香酸化合物を有機溶媒中で無水酢
酸と反応させることにより、前記式(I)で表される4
−アセチルアミノ−3−メチル安息香酸化合物を得るこ
とができる。かかる反応は、例えば、前記4−アミノ−
3−メチル安息香酸化合物、無水酢酸および有機溶媒を
混合し、得られた混合液を必要に応じて加熱することに
より、行なうことができる。
【0054】前記無水酢酸の使用量は、前記4−アミノ
−3−メチル安息香酸化合物1モルに対して、通常、1
〜3モル、好ましくは1.1〜2モルであることが望ま
しい。
【0055】前記有機溶媒としては、例えば、酢酸エチ
ル、アセトニトリル、ハロゲン化炭化水素、ハロゲン化
芳香族炭化水素、アセトン、低級アルコールなどが挙げ
られる。前記有機溶媒の使用量は、前記4−アミノ−3
−メチル安息香酸化合物が溶媒100重量部に対して5
〜50重量部程度となるように調整することが好まし
い。
【0056】前記4−アミノ−3−メチル安息香酸化合
物を無水酢酸と反応させる際の温度は、通常、50〜7
0℃程度であることが好ましい。また、反応の際の雰囲
気は、大気であってもよく、窒素ガス、アルゴンガスな
どの不活性ガス雰囲気であってもよい。
【0057】反応時間は、反応温度などの条件によって
異なるので一概には決定することができないが、反応が
終了するまでの時間であればよく、通常、1〜3時間程
度である。反応の終了は、例えば、液体クロマトグラフ
ィー、薄層クロマトグラフィーなどにより確認すること
ができる。
【0058】このようにして、式(I)で表される4−
アセチルアミノ−3−メチル安息香酸化合物を得ること
ができる。
【0059】次に、前記方法IIについて説明する。
【0060】前記方法IIによれば、3−メチル−4−ニ
トロ安息香酸を還元し、得られた化合物を酸触媒の存在
下で低級アルコールと反応させ、得られた式(IIIa)で
表される4−アミノ−3−メチル安息香酸化合物を有機
溶媒中で無水酢酸と反応させることにより、式(I)に
おいてR1 が炭素数1〜5のアルキル基である式(I
a)で表される4−アセチルアミノ−3−メチル安息香
酸化合物が得られる。
【0061】前記方法IIにおいて、3−メチル−4−ニ
トロ安息香酸の還元、必要によって行なわれる還元後の
結晶化および水洗は、前記方法Iにおいて説明した前記
式(II)で表される3−メチル−4−ニトロ安息香酸化
合物の還元方法等と同様の方法によって行なうことがで
きる。
【0062】次に、3−メチル−4−ニトロ安息香酸を
還元して得られた化合物を酸触媒の存在下で低級アルコ
ールと反応させる。3−メチル−4−ニトロ安息香酸を
還元して得られた化合物と低級アルコールとの反応は、
3−メチル−4−ニトロ安息香酸を還元して得られた反
応溶液から、還元触媒、溶媒などを除去し、得られた化
合物に低級アルコールおよび酸触媒を添加することによ
り、行なうことができる。
【0063】前記低級アルコールの使用量は、3−メチ
ル−4−ニトロ安息香酸1モルに対して、10〜50モ
ル、好ましくは15〜40モルであることが好ましい。
【0064】前記酸触媒としては、例えば、硫酸、p−
トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸などが挙げられ
る。前記酸触媒の使用量は、3−メチル−4−ニトロ安
息香酸1モルに対して、通常、0.1〜4モル程度、好
ましくは0.3〜3モル程度であることが望ましい。
【0065】3−メチル−4−ニトロ安息香酸を還元し
て得られた化合物と前記低級アルコールを反応させる際
の温度は、反応溶液を還流させることができる程度の温
度であればよく、通常、65〜100℃程度であること
が好ましい。また、反応の際の雰囲気は、大気であって
もよく、窒素ガス、アルゴンガスなどの不活性ガス雰囲
気であってもよい。
【0066】反応時間は、反応温度などの条件によって
異なるので一概には決定することができないが、反応が
終了するまでの時間であればよく、通常、4〜7時間程
度である。反応の終了は、例えば、液体クロマトグラフ
ィー、薄層クロマトグラフィーなどにより確認すること
ができる。
【0067】このようにして得られた式(IIIa)で表さ
れる4−アミノ−3−メチル安息香酸化合物は、前記方
法Iにおいて説明した式(III) で表される4−アミノ−
3−メチル安息香酸化合物を有機溶媒中で無水酢酸と反
応させる方法と同様の方法により、有機溶媒中で無水酢
酸と反応させることにより、式(Ia)で表される4−
アセチルアミノ−3−メチル安息香酸化合物を得ること
ができる。
【0068】次に、前記方法III について説明する。
【0069】前記方法III によれば、3−メチル−4−
ニトロ安息香酸を酸触媒の存在下で低級アルコールと反
応させ、得られた化合物を還元し、得られた式(IIIa)
で表される4−アミノ−3−メチル安息香酸化合物を有
機溶媒中で無水酢酸と反応させることにより、式(I
a)で表される4−アセチルアミノ−3−メチル安息香
酸化合物が得られる。
【0070】前記方法III において、3−メチル−4−
ニトロ安息香酸と低級アルコールとの反応は、前記方法
IIにおいて説明した3−メチル−4−ニトロ安息香酸を
還元して得られた化合物を酸触媒の存在下で低級アルコ
ールと反応させる方法と同様にして行なうことができ
る。
【0071】また、3−メチル−4−ニトロ安息香酸を
還元して得られた化合物の還元、必要によって行なわれ
る還元後の結晶化および水洗等は、前記方法Iにおいて
説明した式(II)で表される3−メチル−4−ニトロ安
息香酸化合物の還元方法等と同様の方法によって行なう
ことができる。
【0072】さらに、得られた式(IIIa)で表される4
−アミノ−3−メチル安息香酸化合物は、前記方法Iに
おいて説明した式(III) で表される4−アミノ−3−メ
チル安息香酸化合物を無水酢酸と反応させる方法と同様
の方法により、有機溶媒中で無水酢酸と反応させること
により、式(Ia)で表される4−アセチルアミノ−3
−メチル安息香酸化合物を得ることができる。
【0073】以上説明したように、式(I)で表される
4−アセチルアミノ−3−メチル安息香酸化合物および
式(I)においてR1 が炭素数1〜5のアルキル基であ
る場合の化合物である式(Ia)で表される4−アセチ
ルアミノ−3−メチル安息香酸化合物は、いずれも新規
な化合物であり、医薬品の有用な原料である1H−イン
ダゾール−5−カルボン酸の製造中間体として好適に使
用し得る化合物である。
【0074】本発明においては、前記式(I)で表され
る4−アセチルアミノ−3−メチル安息香酸化合物を、
さらに、有機溶媒中で、無水酢酸および相間移動触媒の
存在下で、亜硝酸類と反応させた後、得られた式(I
V):
【0075】
【化26】
【0076】(式中、R1 は前記と同じ)で表される1
−アセチル−5−カルボキシインダゾール化合物を加水
分解することにより、1H−インダゾール−5−カルボ
ン酸を得ることができる。
【0077】式(I)で表される4−アセチルアミノ−
3−メチル安息香酸化合物と亜硝酸類との反応は、例え
ば、有機溶媒中に式(I)で表される4−アセチルアミ
ノ−3−メチル安息香酸化合物、亜硝酸類、無水酢酸お
よび相間移動触媒を添加する方法、前記方法I〜III に
よって得られた4−アセチルアミノ−3−メチル安息香
酸化合物を含有する反応溶液を用い、該反応溶液に亜硝
酸類、無水酢酸および相間移動触媒を添加する方法など
により、行なうことができる。この場合、前記反応溶液
にすでに添加されている無水酢酸が十分な量で残存して
いる場合には、改めて無水酢酸を添加しないで反応を行
なうことができる。
【0078】前記亜硝酸類としては、例えば、n−アミ
ル亜硝酸、イソアミル亜硝酸、亜硝酸ナトリウム、亜硝
酸カリウムなどが挙げられる。これらのなかでは、少量
の使用でよい点から、n−アミル亜硝酸およびイソアミ
ル亜硝酸が好ましい。前記亜硝酸類の使用量は、式
(I)で表される4−アセチルアミノ−3−メチル安息
香酸化合物1モルに対して、通常、1〜4モル、好まし
くは2〜3モルであることが望ましい。
【0079】無水酢酸の使用量は、式(I)で表される
4−アセチルアミノ−3−メチル安息香酸化合物1モル
に対して、1〜15モル、好ましくは2〜7モルである
ことが好ましい。
【0080】なお、前記方法I〜III によって得られた
4−アセチルアミノ−3−メチル安息香酸化合物の反応
溶液を用いる場合、前記方法I〜III に使用される無水
酢酸の量を適宜調整することにより、前記反応溶液中に
無水酢酸が所望量含有するように調節することができ
る。かかる反応溶液を用いる場合には、さらに無水酢酸
を添加する必要がないので、操作性に優れるという利点
がある。
【0081】前記相間移動触媒としては、例えば、18
−クラウン−6、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロ
ミド、ベンジルトリエチルアンモニウムブロミドなどが
挙げられる。これらのなかでは、触媒活性が強いため、
少量の使用でよい点から、18−クラウン−6およびテ
トラ−n−ブチルアンモニウムブロミドが好ましい。前
記相間移動触媒の使用量は、式(I)で表される4−ア
セチルアミノ−3−メチル安息香酸化合物1モルに対し
て、通常、0.001〜0.1モル、好ましくは0.0
1〜0.1モルであることが望ましい。
【0082】前記有機溶媒としては、例えば、酢酸エチ
ル、アセトニトリル、ハロゲン化炭化水素、ハロゲン化
芳香族炭化水素などが挙げられる。これらのなかでは、
少量の使用でよい点から、酢酸エチルおよびハロゲン化
芳香族炭化水素が好ましい。前記有機溶媒の使用量は、
式(I)で表される4−アセチルアミノ−3−メチル安
息香酸化合物100重量部に対して、200〜3000
重量部であることが好ましい。
【0083】なお、前記式(I)で表される4−アセチ
ルアミノ−3−メチル安息香酸化合物と亜硝酸類を反応
させる際には、無水酢酸および相間移動触媒とともに、
さらに塩基を存在させることが、反応をより速やかに進
行させる点から好ましい。
【0084】前記塩基としては、例えば、酢酸カリウ
ム、tert−ブトキシカリウム、酢酸ナトリウムなど
が挙げられる。これらのなかでは、活性が強く、少量の
使用でよい点から、酢酸カリウムおよびtert−ブト
キシカリウムが好ましい。前記塩基の使用量は、式
(I)で表される4−アセチルアミノ−3−メチル安息
香酸化合物1モルに対して、通常、1〜3モル、好まし
くは1.1〜2.5モルであることが望ましい。
【0085】前記塩基は、前記無水酢酸および相間移動
触媒とともに使用することができる。
【0086】式(I)で表される4−アセチルアミノ−
3−メチル安息香酸化合物と前記亜硝酸類を反応させる
際の温度は、通常、30〜100℃、好ましくは60〜
80℃であることが望ましい。また、反応の雰囲気は、
特に限定されず、例えば、大気であってもよく、窒素ガ
ス、アルゴンガスなどの不活性ガス雰囲気であってもよ
い。
【0087】反応時間は、特に限定されず、反応が終了
するまでであればよい。反応の終了は、例えば、液体ク
ロマトグラフィーを用いて、前記式(I)で表される4
−アセチルアミノ−3−メチル安息香酸化合物の残量を
分析することによって確認できる。
【0088】次に、このようにして、式(I)で表され
る4−アセチルアミノ−3−メチル安息香酸化合物を亜
硝酸類と反応させることにより得られる式(IV)で表さ
れる1−アセチル−5−カルボキシインダゾール化合物
を加水分解する。かかる加水分解は、例えば、式(I)
で表される4−アセチルアミノ−3−メチル安息香酸化
合物を亜硝酸類と反応させて得られた反応溶液に、水お
よびアルカリを添加することにより、行なうことができ
る。
【0089】前記アルカリとしては、例えば、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウムなどが挙げら
れる。前記アルカリの使用量は、式(IV)で表される1
−アセチル−5−カルボキシインダゾール化合物の加水
分解が終了する程度の量であればよく、式(IV)で表さ
れる1−アセチル−5−カルボキシインダゾール化合物
1当量に対して、通常、1.1〜40当量程度であるこ
とが好ましい。また、水の使用量は、前記アルカリが水
100重量部に対して10〜40重量部程度となるよう
に調整することが好ましい。
【0090】式(IV)で表される1−アセチル−5−カ
ルボキシインダゾール化合物の加水分解の際の反応温度
は、通常、50〜70℃程度、好ましくは55〜60℃
程度であることが望ましい。また、加水分解は、反応温
度などの条件によっても異なるが、通常、1〜3時間程
度で終了する。
【0091】式(IV)で表される1−アセチル−5−カ
ルボキシインダゾール化合物の加水分解終了後は、分液
により水層を抽出し、抽出した水層に塩酸などの酸性水
溶液を添加して、水層のpHを酸性側、通常、0.5〜
2に調整し、水層を0〜30℃程度に冷却することによ
って、1H−インダゾール−5−カルボン酸の結晶を析
出させた後、濾過、洗浄、乾燥などの操作を行なうこと
により、1H−インダゾール−5−カルボン酸を固体状
で得ることができる。
【0092】このように、本発明の製造方法によれば、
1H−インダゾール−5−カルボン酸を容易に得ること
ができ、かかる1H−インダゾール−5−カルボン酸
は、医薬品などの原料として好適に使用し得る化合物で
ある。
【0093】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明するが、本発明はかかる実施例などによりなんら限定
されるものではない。
【0094】実施例1 温度計、還流冷却器、滴下ロートおよびpHメーターを
とりつけた1リットル容の五つ口フラスコに3−メチル
−4−ニトロ安息香酸100g(0.55モル)、メタ
ノール500ml(12.5モル)およびp−トルエン
スルホン酸・1水和物84g(0.44モル)を仕込
み、混合した後、還流温度にまで昇温し、6時間保温し
た。
【0095】次に、水1000ml中に反応溶液を添加
し、結晶を析出させ、10℃まで冷却して結晶を濾過に
より分離した後、水100mlを用いて洗浄し、乾燥に
より3−メチル−4−ニトロ安息香酸メチル105gを
得た。3−メチル−4−ニトロ安息香酸メチルの収率
は、3−メチル−4−ニトロ安息香酸に対して97%で
あり、液体クロマトグラフィーを用いて分析した3−メ
チル−4−ニトロ安息香酸メチルの純度は99%であっ
た。
【0096】次に、温度計、還流冷却器、滴下ロートお
よびpHメーターをとりつけた500ml容の五つ口フ
ラスコに3−メチル−4−ニトロ安息香酸メチル10g
(0.05モル)、5%パラジウム−炭素(50%ウェ
ット品)0.5gおよび酢酸エチル80mlを仕込み、
混合した後、得られた混合液を加熱し、40℃になって
から、窒素ガス置換を行ない、該混合液中に水素ガスを
吹き込むことにより、6時間接触還元を行ない、反応終
了後、パラジウム−炭素を濾別し、酢酸エチル20ml
で洗浄した。
【0097】パラジウム−炭素を除去した反応溶液とパ
ラジウム−炭素を洗浄した酢酸エチルとを合わせて得ら
れた溶液を80℃まで昇温し、酢酸エチルを約35ml
留去した後、60℃まで冷却し、得られた溶液に無水酢
酸7.85g(0.08モル)を滴下し、60℃で2時
間保温した。
【0098】かくして、式(I)で表される4−アセチ
ルアミノ−3−メチル安息香酸化合物において、R1
メチル基である4−アセチルアミノ−3−メチル安息香
酸メチルが生成した反応溶液が得られた。
【0099】なお、反応溶液中に、前記4−アセチルア
ミノ−3−メチル安息香酸メチルが生成していること
は、該反応溶液の一部を採り、溶媒を留去し、得られた
結晶の物性を測定することにより、確認することができ
た。得られた4−アセチルアミノ−3−メチル安息香酸
メチルの物性を以下に示す。また、得られた4−アセチ
ルアミノ−3−メチル安息香酸メチルの収率は、3−メ
チル−4−ニトロ安息香酸メチルに対して97%であっ
た。
【0100】(1)元素分析値 実測値:C 63.8%、H 6.3%、N 6.7% 理論値:C 63.76%、H 6.32%、N 6.
76% (2)MS m/z 207 (3) 1H−NMR(400 MHz ,CDCl3 )δ(ppm) :
8.0(1H)、7.8−7.9(2H)、7.2(1
H)、3.6−4.1(3H)、2.3−2.5(3
H)、2.0−2.2(3H) (4)融点:129.8−130.6℃
【0101】次に、前記反応溶液を30℃まで冷却し、
無水酢酸15.7g(0.15モル)、テトラ−n−ブ
チルアンモニウムブロミド0.825g(0.0025
モル)、酢酸カリウム10.05g(0.1モル)およ
びイソアミル亜硝酸7.8g(0.065モル)を添加
し、反応溶液を75℃まで昇温し、8時間保温した後、
110℃まで昇温して、酢酸エチルを約54ml留去し
た。
【0102】次に、反応溶液を60℃まで冷却し、2
0.5%水酸化ナトリウム水溶液95ml(0.6モ
ル)を添加し、得られた混合液を60〜70℃で2時間
保温した。その後、分液操作により水層を抽出し、35
%塩酸65ml(0.65モル)を滴下して抽出した水
層のpHを1.8とした。
【0103】塩酸の滴下終了後、水層を25℃まで冷却
し、結晶を析出させ、かかる結晶を濾過により分離した
後、分離した結晶を水100mlを用いて洗浄し、乾燥
により1H−インダゾール−5−カルボン酸7gを得
た。1H−インダゾール−5−カルボン酸の収率は、3
−メチル−4−ニトロ安息香酸メチルに対して84.3
%であり、液体クロマトグラフィーによる分析では、1
H−インダゾール−5−カルボン酸の純度は99%であ
った。
【0104】得られた結晶が1H−インダゾール−5−
カルボン酸であることは、以下の物性により確認され
た。 (1)元素分析値(C8 6 2 2 ) 実測値:C 59.3%、H 3.7%、N 17.3
% 理論値:C 59.26%、H 3.73%、N 1
7.28% (2)MS m/z 162
【0105】実施例2 温度計、還流冷却器、滴下ロートおよびpHメーターを
とりつけた1リットル容の五つ口フラスコに3−メチル
−4−ニトロ安息香酸40g(0.221モル)、メタ
ノール320ml(7.9モル)および5%パラジウム
−炭素(50%ウェット品)2gを仕込み、混合した
後、得られた混合液を加熱し、40℃になってから、窒
素ガス置換を行ない、該混合液中に水素ガスを吹き込む
ことにより、約8時間接触還元を行ない、反応終了後、
パラジウム−炭素を濾別した。
【0106】パラジウム−炭素を除去した反応溶液を、
20℃に調整した後、該反応溶液に98%硫酸65g
(0.65モル)を滴下した後、還流温度にまで昇温
し、5時間保温した。
【0107】次に、炭酸カリウム68.3g(0.49
モル)および水1280ml中に反応溶液を添加し、結
晶を析出させ、10℃まで冷却して結晶を濾過により分
離した後、水320mlを用いて洗浄し、乾燥により4
−アミノ−3−メチル安息香酸メチル33gを得た。
【0108】次に、温度計、還流冷却器、滴下ロートお
よびpHメーターをとりつけた1リットル容の五つ口フ
ラスコに4−アミノ−3−メチル安息香酸メチル32g
(0.19モル)、無水酢酸88.8g(0.87モ
ル)およびクロロベンゼン200mlを仕込み、混合し
た後、得られた混合液を60℃まで昇温し、1時間保温
した。
【0109】かくして、4−アセチルアミノ−3−メチ
ル安息香酸メチルが生成した反応溶液が得られた。
【0110】なお、反応溶液中に、前記4−アセチルア
ミノ−3−メチル安息香酸メチルが生成していること
は、該反応溶液の一部を採り、溶媒を留去し、得られた
結晶の物性を測定することにより、確認することができ
た。得られた4−アセチルアミノ−3−メチル安息香酸
メチルの物性を以下に示す。また、得られた4−アセチ
ルアミノ−3−メチル安息香酸メチルの収率は、4−ア
ミノ−3−メチル安息香酸メチルに対して95%であっ
た。
【0111】(1)元素分析値 実測値:C 63.7%、H 6.4%、N 6.7% 理論値:C 63.76%、H 6.32%、N 6.
76% (2)MS m/z 207 (3) 1H−NMR(400 MHz ,CDCl3 )δ(ppm) :
8.0(1H)、7.8(2H)、7.1(1H)、
3.9(3H)、2.3(3H)、2.0(3H) (4)融点:129.5−130.5℃
【0112】次に、前記反応溶液を30℃まで冷却し、
テトラ−n−ブチルアンモニウムブロミド3.2g
(0.01モル)、酢酸カリウム38.4g(0.39
モル)およびイソアミル亜硝酸51.2g(0.44モ
ル)を添加し、反応溶液を再び80℃まで昇温し、6時
間保温し、1−アセチル−5−メトキシカルボニルイン
ダゾールを得た。
【0113】次に、反応溶液に、水500mlおよび水
酸化ナトリウム85.2g(2.1モル)を添加し、2
時間60℃で保温した。その後、分液操作により水層を
抽出し、35%塩酸210mlを滴下して抽出した水層
のpHを1.7とした。
【0114】塩酸の滴下終了後、水層を25℃まで冷却
し、結晶を析出させ、かかる結晶を濾過により分離した
後、分離した結晶を水200mlを用いて洗浄し、乾燥
により1H−インダゾール−5−カルボン酸28.3g
を得た。1H−インダゾール−5−カルボン酸の収率
は、4−アミノ−3−メチル安息香酸メチルに対して9
0%であり、液体クロマトグラフィーによる分析では、
1H−インダゾール−5−カルボン酸の純度は99%で
あった。
【0115】得られた結晶が1H−インダゾール−5−
カルボン酸であることは、以下の物性により確認され
た。 (1)元素分析値(C8 6 2 2 ) 実測値:C 59.2%、H 3.7%、N 17.3
% 理論値:C 59.26%、H 3.73%、N 1
7.28% (2)MS m/z 162
【0116】実施例3 クロロベンゼン200mlの代わりに酢酸エチル200
mlを使用した以外は、実施例2と同様にして、1H−
インダゾール−5−カルボン酸を得た。得られた1H−
インダゾール−5−カルボン酸の収率は、4−アミノ−
3−メチル安息香酸メチルに対して89%であった。
【0117】得られた結晶が1H−インダゾール−5−
カルボン酸であることは、以下の物性により確認され
た。 (1)元素分析値(C8 6 2 2 ) 実測値:C 59.2%、H 3.8%、N 17.3
% 理論値:C 59.26%、H 3.73%、N 1
7.28% (2)MS m/z 162
【0118】なお、反応溶液中に生成した4−アセチル
アミノ−3−メチル安息香酸メチルは以下に示す物性を
有しており、その収率は、4−アミノ−3−メチル安息
香酸メチルに対して95%であった。
【0119】(1)元素分析値 実測値:C 63.9%、H 6.2%、N 6.7% 理論値:C 63.76%、H 6.32%、N 6.
76% (2)MS m/z 207 (3) 1H−NMR(400 MHz ,CDCl3 )δ(ppm) :
8.0(1H)、7.9(2H)、7.2(1H)、
3.9(3H)、2.3(3H)、2.0(3H) (4)融点:130−130.9℃
【0120】実施例4 0.5リットル容の五つ口フラスコに、実施例2と同様
にして、3−メチル−4−ニトロ安息香酸を接触還元
し、結晶化させた後、水洗して得られた4−アミノ−3
−メチル安息香酸5g(0.033モル)、無水酢酸4
0.5g(0.4モル)および酢酸エチル120mlを
仕込み、得られた混合液を60℃まで加熱し、約2時間
保温した。
【0121】かくして、式(I)で表される4−アセチ
ルアミノ−3−メチル安息香酸化合物において、R1
水素原子である4−アセチルアミノ−3−メチル安息香
酸が生成した反応溶液が得られた。
【0122】なお、反応溶液中に、前記4−アセチルア
ミノ−3−メチル安息香酸が生成していることは、該反
応溶液の一部を採り、溶媒を留去し、得られた結晶の物
性を測定することにより、確認することができた。得ら
れた4−アセチルアミノ−3−メチル安息香酸の物性を
以下に示す。また、得られた4−アセチルアミノ−3−
メチル安息香酸の収率は、4−アミノ−3−メチル安息
香酸に対して97%であった。
【0123】(1)元素分析値 実測値:C 62.1%、H 5.8%、N 7.2% 理論値:C 62.17%、H 5.74%、N 7.
25% (2)MS m/z 193 (3) 1H−NMR(400 MHz ,(CD3)2SO)δ(ppm) :
12.7(1H)、9.3(1H)、8.3(1H)、
7.7−7.8(2H)、2.5(3H)、2.1(3
H) (4)融点:231.5−232.4℃
【0124】その後、反応溶液を室温まで冷却し、18
−クラウン−6を0.44g(0.0017モル)、酢
酸カリウムを6.5g(0.066モル)およびイソア
ミル亜硝酸を8.72g(0.07モル)添加し、得ら
れた混合液を75℃まで加熱し、10時間保温した。反
応終了後、水30mlおよび20.5%水酸化ナトリウ
ム水溶液155ml(0.98モル)を添加し、60〜
70℃で約2時間保温した。その後、35%塩酸を滴下
し、反応液のpHを1.9とした。
【0125】塩酸を滴下した後、25℃まで冷却して結
晶を析出させた。得られた結晶を濾過により分離した
後、水100mlを用いて洗浄し、乾燥により、1H−
インダゾール−5−カルボン酸4.7gを得た。1H−
インダゾール−5−カルボン酸の収率は、4−アミノ−
3−メチル安息香酸に対して88%であった。
【0126】得られた結晶が1H−インダゾール−5−
カルボン酸であることは、以下の物性により確認され
た。 (1)元素分析値(C8 6 2 2 ) 実測値:C 59.1%、H 3.8%、N 17.1
% 理論値:C 59.26%、H 3.73%、N 1
7.28% (2)MS m/z 162
【0127】以上の結果から、本発明の4−アセチルア
ミノ−3−メチル安息香酸化合物は、3−メチル−4−
ニトロ安息香酸化合物から容易に製造することができる
ことがわかる。
【0128】また、前記4−アセチルアミノ−3−メチ
ル安息香酸化合物から、高収率で、工業的に有利に1H
−インダゾール−5−カルボン酸を製造することができ
ることがわかる。
【0129】
【発明の効果】本発明によれば、容易に入手することが
できる4−アセチルアミノ−3−メチル安息香酸化合物
を製造中間体として用いることにより、高収率で、工業
的に有利に1H−インダゾール−5−カルボン酸を製造
することができるという効果が奏される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(I): 【化1】 (式中、R1 は水素原子または炭素数1〜5のアルキル
    基を示す)で表される4−アセチルアミノ−3−メチル
    安息香酸化合物。
  2. 【請求項2】 式(II): 【化2】 (式中、R1 は水素原子または炭素数1〜5のアルキル
    基を示す)で表される3−メチル−4−ニトロ安息香酸
    化合物を還元し、得られた式(III) : 【化3】 (式中、R1 は前記と同じ)で表される4−アミノ−3
    −メチル安息香酸化合物を有機溶媒中で無水酢酸と反応
    させることを特徴とする式(I): 【化4】 (式中、R1 は前記と同じ)で表される4−アセチルア
    ミノ−3−メチル安息香酸化合物の製造方法。
  3. 【請求項3】 3−メチル−4−ニトロ安息香酸を還元
    し、得られた化合物を酸触媒の存在下で低級アルコール
    と反応させ、得られた式(IIIa): 【化5】 (式中、R2 は炭素数1〜5のアルキル基を示す)で表
    される4−アミノ−3−メチル安息香酸化合物を有機溶
    媒中で無水酢酸と反応させることを特徴とする式(I
    a): 【化6】 (式中、R2 は前記と同じ)で表される4−アセチルア
    ミノ−3−メチル安息香酸化合物の製造方法。
  4. 【請求項4】 3−メチル−4−ニトロ安息香酸を酸触
    媒の存在下で低級アルコールと反応させ、得られた化合
    物を還元し、得られた式(IIIa): 【化7】 (式中、R2 は炭素数1〜5のアルキル基を示す)で表
    される4−アミノ−3−メチル安息香酸化合物を有機溶
    媒中で無水酢酸と反応させることを特徴とする式(I
    a): 【化8】 (式中、R2 は前記と同じ)で表される4−アセチルア
    ミノ−3−メチル安息香酸化合物の製造方法。
  5. 【請求項5】 式(I): 【化9】 (式中、R1 は水素原子または炭素数1〜5のアルキル
    基を示す)で表される4−アセチルアミノ−3−メチル
    安息香酸化合物を、有機溶媒中で、無水酢酸および相間
    移動触媒の存在下で、亜硝酸類と反応させた後、得られ
    た式(IV): 【化10】 (式中、R1 は前記と同じ)で表される1−アセチル−
    5−カルボキシインダゾール化合物を加水分解すること
    を特徴とする1H−インダゾール−5−カルボン酸の製
    造方法。
  6. 【請求項6】 無水酢酸および相間移動触媒とともに、
    さらに塩基を存在させる請求項5記載の1H−インダゾ
    ール−5−カルボン酸の製造方法。
  7. 【請求項7】 塩基が酢酸カリウムまたはtert−ブ
    トキシカリウムである請求項6記載の1H−インダゾー
    ル−5−カルボン酸の製造方法。
  8. 【請求項8】 有機溶媒が酢酸エチル、アセトニトリ
    ル、ハロゲン化炭化水素またはハロゲン化芳香族炭化水
    素である請求項5〜7いずれか記載の1H−インダゾー
    ル−5−カルボン酸の製造方法。
  9. 【請求項9】 亜硝酸類がn−アミル亜硝酸、イソアミ
    ル亜硝酸、亜硝酸ナトリウムまたは亜硝酸カリウムであ
    る請求項5〜8いずれか記載の1H−インダゾール−5
    −カルボン酸の製造方法。
  10. 【請求項10】 相間移動触媒が18−クラウン−6ま
    たはテトラ−n−ブチルアンモニウムブロミドである請
    求項5〜9いずれか記載の1H−インダゾール−5−カ
    ルボン酸の製造方法。
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WO2008066151A1 (en) 2006-11-30 2008-06-05 Tokyo Institute Of Technology Novel curcumin derivative
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