JPH11228127A - アルミノシリケート粒子 - Google Patents

アルミノシリケート粒子

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JPH11228127A
JPH11228127A JP31198798A JP31198798A JPH11228127A JP H11228127 A JPH11228127 A JP H11228127A JP 31198798 A JP31198798 A JP 31198798A JP 31198798 A JP31198798 A JP 31198798A JP H11228127 A JPH11228127 A JP H11228127A
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aluminosilicate
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阪口  美喜夫
Takanori Kodera
孝範 小寺
Masaharu Takeno
正晴 丈野
Ichiro Sakamoto
一朗 阪本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】洗浄剤用ビルダー、研磨剤、スクラブ剤、収着
剤、濾過剤、充填剤等の広範囲な用途に有用な、研磨性
が高く、相手材を傷つけない、収着性及び水系での再分
散性に優れ、充填剤として用いたときに被充填物の機械
的強度を増加させる多孔質なアルミノシリケート粒子を
提供すること。 【解決手段】aM2 O・bAl2 3 ・cSiO2 ・d
RmAn・yH2 O(式中、MはNa及び/又はK、R
はNa、K、Ca及びMgからなる群より選ばれる1種
以上、AはCO3 、SO4 、NO3 、OH及びClから
なる群より選ばれる1種以上、aは1〜6、bは2〜
8、cは2〜12、dは0〜4、mは1〜2、nは1〜
3、yは0〜32を示す)で表される組成を有し、針
状、板状又は柱状のいずれかの形態を有するアルミノシ
リケート粒子、該粒子からなる研磨剤及び収着剤並びに
該粒子を含有する洗浄剤組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミノシリケー
ト粒子に関する。更に詳しくは、洗浄剤用ビルダー、研
磨剤、スクラブ剤、収着剤、濾過剤、充填剤等として好
適に使用しうるアルミノシリケート粒子に関する。
【0002】
【従来の技術】アルミノシリケートは、安定性が高く安
価なことから、洗浄剤用ビルダー、歯磨き用研磨剤、紙
への充填剤、吸着剤等として使用されている。その大半
は、Na2 O−SiO2 −Al2 3 系のゼオライト粒
子である。しかしながら、ゼオライト系粒子は、その結
晶系である立方晶の晶癖から表面が平滑なサイコロ状の
角張った形態を呈するため、研磨効果は高いが、相手材
を傷つけ易いという欠点を有する。また、ゼオライト粒
子を樹脂等へ充填した場合、表面が平滑であるため、樹
脂の機械的強度が低下するという欠点を有する。さらに
ゼオライト粒子を吸着剤、吸油剤等として利用する場合
にも、粒子自体の空隙率が小さいため、吸油率が低いと
いう欠点を有する。
【0003】かかる問題を解決する方法として、種々の
方法が提案されている。例えば、特許第2618021
号公報には、真球状ゼオライト粉体が開示されている
が、球状であるため分散性に優れるが、表面の平滑性は
高く空隙も少なく、充填剤、吸着剤等として適さない。
また、特許第2555475号公報には、多孔質の無機
質微小球体が開示されているが、この場合も表面が平滑
で、研磨剤、充填剤等として適さない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、洗浄剤用ビ
ルダー、研磨剤、スクラブ剤、収着剤、濾過剤、充填剤
等の広範囲な用途に有用な、研磨性が高く、相手材を傷
つけない、収着性および水系での再分散性に優れ、充填
剤として用いたときに被充填物の機械的強度を増加させ
る多孔質なアルミノシリケート粒子を提供することを目
的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明の要旨は、 aM2 O・bAl2 3 ・cSiO2 ・dRmAn・y
2 O (式中、MはNaおよび/またはK、RはNa、K、C
aおよびMgからなる群より選ばれる1種以上、AはC
3 、SO4 、NO3 、OHおよびClからなる群より
選ばれる1種以上、aは1〜6、bは2〜8、cは2〜
12、dは0〜4、mは1〜2、nは1〜3、yは0〜
32を示す)で表わされる組成を有し、針状、板状また
は柱状のいずれかの形態を有するアルミノシリケート粒
子、ならびにその用途に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明のアルミノシリケート粒子
は、aM2 O・bAl2 3 ・cSiO2 ・dRmAn
・yH2 O(式中、MはNaおよび/またはK、RはN
a、K、CaおよびMgからなる群より選ばれる1種以
上、AはCO3 、SO4 、NO3 、OHおよびClから
なる群より選ばれる1種以上、aは1〜6、bは2〜
8、cは2〜12、dは0〜4、mは1〜2、nは1〜
3、yは0〜32を示す)で表わされる組成を有する。
【0007】前記アルミノシリケート粒子において、M
は、好ましくはNaである。MがNaおよびKである場
合、aM2 Oは、a1 Na2 O・a2 2 O(但し、a
1 +a2 =a)で表わされる。
【0008】前記アルミノシリケート粒子において、R
は、好ましくはNaである。
【0009】前記アルミノシリケート粒子において、A
は、好ましくはCO3 またはNO3である。
【0010】本発明のアルミノシリケート粒子は、針
状、板状または柱状の形態を有するものである。ここ
で、針状結晶とは、太さが500nm以下で、長さが太
さに対してアスペクト比で2.0以上のものをいい、板
状結晶とは、厚さが300nm以下で、板状径が厚みに
対してアスペクト比で2.0以上のものをいい、柱状結
晶とは、太さが50nm以上で、長さが太さに対してア
スペクト比で1.0以上2.0未満のものをいう。
【0011】このようなアルミノシリケート粒子は、製
造条件によっては針状結晶、板状結晶または柱状結晶の
集合体として得られる。なお、前記アルミノシリケート
粒子は、前記結晶が球状、テトラポッド状、塊状の集合
体を形成したものが好ましく、これらの二次集合体でも
よい。また、本発明のアルミノシリケート粒子の多孔性
は、吸油能、吸着特性等の収着性の観点から重要で、粒
子内の空隙率が5〜95体積%が好ましく、10〜90
体積%がより好ましく、20〜90体積%がさらに好ま
しく、30〜90体積%が特に好ましい。なお、空隙率
の測定方法は粒子の断面形状から算出される。
【0012】アルミノシリケート粒子が球状の集合体で
ある場合、球状の粒子形状を保つ観点から、d=0.3
65±0.015nmに主たるX線回折ピークを有する
ものが好ましい。ここで、「主たるX線回折ピーク」と
は、最強のピークあるいは最も強い回折ピーク強度に対
し20%以上の回折強度を示すピークをいう。
【0013】また、アルミノシリケート粒子としては、
多孔質な粒子を得る観点から、JCPDS(Joint
Committee on Powder Diff
raction Standards) No.20−
379、20−743、25−776、25−149
9、25−1500、30−1170、31−127
2、34−176、35−479、35−653、38
−513、38−514、38−515および45−1
373からなる群より選ばれる1種以上のカンクリナイ
ト様のX線回折パターンを有するものが好ましい。特
に、針状結晶、板状結晶または柱状結晶のいずれかから
なる多孔質度の高いアルミノシリケート粒子は、カンク
リナイト様のX線回折パターンJCPDS No.38
−513を示し、概略組成が、aが2〜3、bが3、c
が6、dが1〜2、RがNa、mが1,nが1〜2であ
る。
【0014】また、本発明のアルミノシリケート粒子の
粒径は、平均粒径で0.1〜500μmが好ましく、1
〜100μmがより好ましい。
【0015】本発明のアルミノシリケート粒子を製造す
る方法としては、特に限定がないが、例えば、Al化合
物とSi化合物をCO3 2- 、SO4 2- 、NO3 - 、Cl
- 等の存在下、アルカリ溶液中で反応させる方法等があ
げられる。
【0016】Al化合物としては、例えば、酸化アルミ
ニウム、水酸化アルミニウム、アルミン酸ナトリウム等
があげられる。Si化合物としては、例えば、ケイ砂、
ケイ石、水ガラス、ケイ酸ナトリウム等があげられる。
あるいは、Al化合物およびSi化合物の両者の原料と
なるものとして、例えば、カオリン、モンモリロナイ
ト、ベントナイト、マイカ、タルク等の粘土鉱物および
ムライト等のアルミノケイ酸塩鉱物を用いてもよい。
【0017】CO3 2- の原料としては、炭酸ガス、炭酸
ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウムカリウム、
炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等があげられ、SO
4 2-の原料としては、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、
硫酸ナトリウムカリウム等があげられ、NO3 - の原料
としては、硝酸、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム等があ
げられ、Cl- の原料としては、塩化ナトリウム、塩化
カリウム等があげられる。
【0018】アルカリ溶液のアルカリとしては、酸化ナ
トリウム、酸化カリウム等の酸化物;水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム等の水酸化物;炭酸ナトリウム、炭
酸カリウム、炭酸ナトリウムカリウム等の炭酸塩;炭酸
水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の炭酸水素塩等が
使用できる。必要に応じて、酸化カルシウム、酸化マグ
ネシウム等の酸化物;水酸化カルシウム、水酸化マグネ
シウム等の水酸化物;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウ
ム、ドロマイト等の炭酸塩;炭酸水素カルシウム、炭酸
水素マグネシウム等の炭酸水素塩等を使用してもよい。
【0019】本発明のアルミノシリケート粒子は、前記
の各種化合物を所定の割合で配合し混合して得ることが
できる。配合の割合については、得られる所望のアルミ
ノシリケート粒子の組成により、適宜決定される。特
に、原料の配合比率は、各原料をaM2 O、bAl2
3 、cSiO2 、dRmAnで表示した場合(例えば、
KOHはK2 O、NaOHはNa2 Oと換算する)、b
/c=0.01〜10、a/c=0.01〜100およ
びd/c=0.01〜100の範囲であることが望まし
い。
【0020】また、反応中の前記組成で表されるアルミ
ノシリケート粒子の固形分濃度は、0.1〜50重量%
であることが望ましい。
【0021】また、本発明のアルミノシリケート粒子を
製造する際の反応温度は、アルミノシリケート粒子の結
晶性を高め、アルミノシリケート粒子の形態を安定化さ
せる観点および反応容器への化学的、耐圧的負荷を低減
させる観点から、好ましくは15〜300℃、より好ま
しくは60〜150℃、さらに好ましくは80〜130
℃である。また、反応時間は、結晶化反応を完全に行わ
せる観点から、2時間以上、好ましくは8時間以上が望
ましい。
【0022】本発明のアルミノシリケート粒子の吸油能
は、液状の界面活性剤、薬品、食品、香料等を担持して
使う場合に必要で、しみ出し防止の観点から、好ましく
は0.5ml/g以上、より好ましくは0.8ml/g
以上、特に好ましくは1.0ml/g以上である。
【0023】なお、衣料用洗剤用の吸油担体としての前
記吸油能の測定は、JIS5101の顔料試験法(吸油
能)に準じ、吸収させる物質をあまに油のかわりにPO
E(8)ラウリルエーテルを用いて測定する。
【0024】本発明のアルミノシリケート粒子は、相手
材を傷つけず、研磨性が高く、収着性および分散性に優
れ、充填剤として用いたときに被充填物の機械的強度を
増加させるという性質を有する。
【0025】本発明のアルミノシリケート粒子の使用形
態としては、分散性が高いことから粉体での使用が適し
ている。また、本発明のアルミノシリケート粒子は、他
の無機粉末、有機粉体、金属粉体等と混合して使用して
もよく、さらに必要に応じて、成形体として使用しても
よい。
【0026】本発明のアルミノシリケート粒子の用途と
しては、洗浄剤用ビルダー、研磨剤、スクラブ剤、収着
剤、濾過剤、充填剤等があげられる。ここで、収着剤と
は、液体または気体を吸収または吸着する剤をいう。具
体的な用途としては、例えば、食器、歯牙、皮膚、金
属、プラスチック、ガラス、塗装、めっきおよび樹脂用
洗浄剤用の研磨剤、染料または色素を収着する担持体、
殺菌剤または殺虫剤の収着剤、各種香料の収着剤、各種
ガス収着剤、カイロ用充填剤、吸油担体、濾過助剤、
紙、プラスチック類、樹脂等への充填剤、染料および色
素の担持体、化粧品用体質顔料、イオン交換体、水処理
剤および水処理用各種菌担持体、高温ガスの乾燥剤等が
あげられ、これらの中では研磨剤および収着剤が特に好
ましい。
【0027】また、本発明のアルミノシリケート粒子
は、1〜50重量%程度のアニオン界面活性剤、両性界
面活性剤、非イオン界面活性剤等の界面活性剤と併用し
て、洗浄剤組成物とすることができる。
【0028】アニオン界面活性剤としては、例えば、高
級アルコール若しくはそのエトキシレート化物の硫酸エ
ステルの塩、アルキルベンゼンスルホン酸の塩、パラフ
ィンスルホン酸の塩、α−オレフィンスルホン酸の塩、
α−スルホ脂肪酸の塩、α−スルホ脂肪酸アルキルエス
テルの塩または脂肪酸塩等があげられる。ここで、塩と
しては、Na塩、K塩等のアルカリ金属塩が好ましい。
【0029】両性界面活性剤としては、例えば、カルボ
キシベタイン、スルホベタイン、アミドベタイン等のベ
タイン型両性界面活性剤や長鎖アルキルジメチルアミン
オキシド等があげられる。
【0030】非イオン界面活性剤としては、例えば、高
級アルコールのエチレンオキサイド付加物、若しくはエ
チレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加物、脂肪
酸アルカノールアミド、アルキルポリグリコシド等があ
げられる。
【0031】前記洗浄剤組成物の用途としては、特に限
定されるものではないが、衣料用洗剤、食器用洗剤、住
居用洗剤、自動車用洗剤、歯ミガキ剤、身体用洗剤、金
属用洗浄剤として用いられる。特に研磨性を有する自動
車用洗剤とするのが好ましい。
【0032】また、本発明のアルミノシリケート粒子を
研磨剤、収着剤、充填剤等として用いる場合、該粒子表
面に有機物、ポリマー、酸化物、非酸化物、金属等を修
飾してもよく、あるいは金属イオンをイオン交換させて
もよい。
【0033】
【実施例】実施例1 水酸化カリウム1120gおよび硝酸ナトリウム850
gをイオン交換水5000mlに溶解させた溶液中で、
カオリン50gを混合分散し、攪拌下、80℃で24時
間反応させた。反応後、生成したアルミノシリケート粒
子を洗浄し、濾過し、乾燥して、アルミノシリケート粒
子の粉体を得た。得られたアルミノシリケート粒子は、
図1に示す板状結晶が集合した多孔質な球状形態を呈し
ていた。
【0034】得られたアルミノシリケート粒子2gをビ
ーカーにはかりとり、ポリオキシエチレン(8)ラウリ
ルエーテル(エチレンオキシド付加モル数8モル)を滴
下し、ガラス棒でかきまぜ、ガラス棒にポリオキシエチ
レン(8)ラウリルエーテルを含んだ粉体が塊状となり
付着するのに要したポリオキシエチレン(8)ラウリル
エーテル量から吸油能を求めたところ、吸油能は1.3
ml/gであった。
【0035】得られたアルミノシリケート粒子の粉体
は、X線回折装置((株)リガク製、RAD−C、Cu
Kα)を用いてX線回折を行なった結果、d=0.36
7nmに強い回折ピークを有し、JCPDS No.3
8−513に相当していた。アルミノシリケート粒子の
組成は、概略K2 O・2Na2 O・3Al2 3 ・6S
iO2 ・2NaNO3 ・6H2 Oであった。
【0036】実施例2 水酸化ナトリウム800gおよび炭酸ナトリウム850
gをイオン交換水5000mlに溶解させた溶液中で、
カオリン50gを混合分散し、実施例1と同様にして、
アルミノシリケート粒子の粉体を得た。得られたアルミ
ノシリケート粒子は、図2に示す柱状結晶が集合した多
孔質な球状形態を呈していた。
【0037】吸油能を、実施例1と同様にして求めたと
ころ、0.55ml/gであった。
【0038】また、得られたアルミノシリケート粒子の
粉体は、実施例1と同様にしてX線回折を行った結果、
d=0.367nmに強い回折ピークを有し、JCPD
SNo.38−513に相当していた。アルミノシリケ
ート粒子の組成は、概略3Na2 O・3Al2 3 ・6
SiO2 ・Na2 CO3 ・2H2 Oであった。
【0039】実施例3 アルミン酸ナトリウム860g、水酸化ナトリウム14
50gおよび硝酸ナトリウム1530gをイオン交換水
27000mlに溶解させた溶液中で、3号ケイ酸ナト
リウム(Na2 O=9.7重量%,SiO2 =29.7
重量%,H2 O=60.6重量%)を添加混合し、実施
例1と同様にして、アルミノシリケート粒子の粉体を得
た。得られたアルミノシリケート粒子は、図3に示す針
状結晶が集合した多孔質な球状形態を呈していた。
【0040】吸油能を、実施例1と同様にして求めたと
ころ、1.8ml/gであった。また、得られたアルミ
ノシリケート粒子の粉体は、実施例1と同様にしてX線
回折を行った結果、d=0.366nmに強い回折ピー
クを有し、JCPDS No.38−513に相当して
いた。得られたX線回折パターンを図5に示す。アルミ
ノシリケート粒子の組成は、概略3Na2 O・3Al2
3 ・6SiO2 ・NaNO3 ・4H2 Oであった。
【0041】試験例1 実施例1〜3で得られたアルミノシリケート粒子につい
て、研磨剤としての特性を評価した。
【0042】1:1(重量比)の水:グリセリン溶媒
に、実施例1〜3で得られたアルミノシリケート粒子お
よび比較例として用いた4Aゼオライト粉体(図4に形
態写真を示すように立方体状の非凝集結晶)を、それぞ
れ、濃度が10重量%となるように分散させたものを、
2枚のアクリル板(10cm×10cm×0.5cm)
の間に保持し、片方のアクリル板を固定し、もう片方の
アクリル板を5kgfの加重下で100回往復摺動させ
たのち、固定したアクリル板の磨耗性と傷つき性を評価
した。
【0043】その結果を表1に示す。表1中、磨耗性が
「優」とは研磨量がアクリル板の重量減少でアクリル板
1枚あたり0.1g以上、「良」とは研磨量がアクリル
板の重量減少でアクリル板1枚あたり0.01〜0.1
gである。傷つき性が「大」とはアクリル板の研磨傷が
多数ですりガラス状になっていることで、「小」とはア
クリル板に研磨傷はあるが、透明性を保っていること
で、「なし」とは、アクリル板が非研磨部分と同程度透
明であることを意味する。
【0044】
【表1】
【0045】実施例1〜3で得られたアルミノシリケー
ト粒子は、研磨性が高く、相手材を傷つけなかった。こ
のことから、ガラス、金属面、樹脂、塗装面、めっき
面、歯牙等の研磨剤として有用なことが明らかである。
【0046】試験例2 実施例3で得られたアルミノシリケート粒子について、
水蒸気捕捉能を評価した。
【0047】実施例3で得られたアルミノシリケート粒
子の粉体100gおよび比較例として用いた4Aゼオラ
イト粉体100gを、それぞれ、ステンレスバットに入
れ、50℃、相対湿度80%の雰囲気下に5〜60分放
置し、経時時間での重量増加を測定し、水蒸気捕捉能を
評価した。その結果を表2に示す。
【0048】
【表2】
【0049】実施例3で得られたアルミノシリケート粒
子の粉体は、高温下でも水蒸気をトラップし、水蒸気捕
捉能に優れていた。このことから、高温ガスの乾燥剤と
して有用であることがわかる。
【0050】試験例3 実施例1および3で得られたアルミノシリケート粒子に
ついて、吸油力を評価した。
【0051】実施例1および3で得られたアルミノシリ
ケート粒子の粉体ならびに比較例として用いた4Aゼオ
ライト粉体を、それぞれ活性剤担持体としてノニオン活
性剤系の衣料用粉末洗浄剤に15重量%配合し、濾紙上
に静置し、室温で6ヶ月間保存したのちのノニオン活性
剤系の衣料用粉末洗浄剤のシミだし状況を観察した。用
いた衣料用粉末洗浄剤のモデル配合組成は、ゼオライト
粉末30重量%、炭酸ナトリウム20重量%、1号粉末
ケイ酸ナトリウム10重量%、ポリオキシエチレンラウ
リルエーテル20重量%、硫酸ナトリウム5重量%、吸
油担体として、それぞれ15重量%の実施例1および3
で得られたアルミノシリケート粒子、比較例として用い
た4Aゼオライト粉体である。
【0052】その結果、比較例の4Aゼオライト粉体を
担持体として用いた場合は、濾紙に多量のシミだしが認
められたが、実施例1および3の粉体を用いた場合はい
ずれの場合も、ほとんどしみ出しは認められず、吸油力
が高いことがわかった。
【0053】試験例4 実施例1および3で得られたアルミノシリケート粒子に
ついて、水系での再分散性を評価した。
【0054】実施例1および3で得られたアルミノシリ
ケート粒子の粉体ならびに比較例として用いた4Aゼオ
ライト粉体を、それぞれ濃度が20重量%となるように
水中に分散し、室温で1ヶ月静置したのち、振とう攪拌
し、再分散性を評価した。
【0055】その結果、実施例1および3の粉体は、静
置後沈降状態であったが、振とう攪拌することによりす
ぐに再分散し、再分散性に優れていることがわかった。
一方、比較例の4Aゼオライト粉体は、静置後強固な沈
降物となり、振とう攪拌してもほとんど再分散しなかっ
た。
【0056】試験例5 実施例3で得られたアルミノシリケート粒子について、
充填剤としての特性を評価した。
【0057】実施例3で得られたアルミノシリケート粒
子の粉体および比較例として用いた4Aゼオライト粉体
を、それぞれ、170℃でアクリル樹脂(三菱レーヨン
製、商品名:アクリペット)中に、2重量%および4重
量%練り込み、成形板(10cm×10cm×2mm)
を作成し、得られた成形板の強度を比較した。その結
果、実施例3の粉体を2重量%および4重量%練り込ん
だものは、曲げ強度が約20〜35%向上し、被充填物
の機械的強度を増加させることが分かったが、比較例の
粉体を練りこんだものは、ほとんど向上しないか、逆に
若干低下した。
【0058】実施例4 水酸化ナトリウム94gをイオン交換水1000mlに
溶解させ、さらに硝酸(61%)130gとアルミン酸
ナトリウム溶液(Na2 O=20.31重量%、Al2
3 =25.82重量%、H2 O=53.87重量%)
124gを混合した溶液に、水ガラス(Na2 O=9.
7重量%、SiO2 =29.7重量%、H2 O=60.
6重量%)127gを添加混合し、100℃15時間反
応させた。反応後、実施例1と同様にアルミノシリケー
ト粒子の粉体を得た。得られたアルミノシリケート粒子
は図6に示すように、針状結晶が集合した形態を有して
いた。なお、アルミノシリケート粒子の組成は実施例3
と概略同じであった。X線回折を行った結果、JCPD
S No.38−513に相当していた。
【0059】実施例5 水酸化ナトリウム47gをイオン交換水1000mlに
溶解させ、さらにアルミン酸ナトリウム溶液(Na2
=20.31重量%、Al2 3 =25.82重量%、
2 O=53.87重量%)73gを混合した溶液に、
水ガラス(Na 2 O=9.7重量%、SiO2 =29.
7重量%、H2 O=60.6重量%)119gを添加混
合し、100℃で2時間反応させた。その後、水酸化ナ
トリウム15gをイオン交換水50mlに溶解させ、硝
酸(61%)57gを混合した溶液を、追加添加しさら
に100℃10時間反応させた。反応後、実施例1と同
様にアルミノシリケート粒子の粉体を得た。得られたア
ルミノシリケート粒子は、図7に示すように、柱状結晶
がテトラポッド状に発達した形態を有していた。なお、
アルミノシリケート粒子の組成は、概略3Na2 O・3
Al2 3 ・7SiO2 ・2NaNO3 ・4H2 Oであ
った。X線回折を行った結果、JCPDSNo.38−
513に相当していた。
【0060】以上の実施例の結果が示すように、本発明
のアルミノシリケート粒子は、研磨性が高く、相手材を
傷つけず、研磨剤として最適で、特に水系での再分散性
に優れているので液体洗浄剤の研磨剤として好適であ
る。また、水蒸気等の気体の吸着能、特に液体の界面活
性剤等の吸収能に優れ、各種吸着用担体としても有用で
ある。さらに、充填剤として用いたときに被充填物の機
械的強度を増加させるのにも有用である。
【0061】
【発明の効果】本発明のアルミノシリケート粒子は、針
状結晶、板状結晶または柱状結晶の集合体からなるた
め、相手材を傷つけず、研磨性が高く、収着性および水
系での再分散性に優れる。また、充填剤として用いたと
きに被充填物の機械的強度を増加させるという効果を奏
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例1で得られたアルミノシリケー
ト粒子の結晶構造を示す写真である。
【図2】図2は、実施例2で得られたアルミノシリケー
ト粒子の結晶構造を示す写真である。
【図3】図3は、実施例3で得られたアルミノシリケー
ト粒子の結晶構造を示す写真である。
【図4】図4は、比較例として用いた4Aゼオライト粉
体の結晶構造を示す写真である。
【図5】図5は、実施例3で得られたアルミノシリケー
ト粒子のX線回折パターンを示す。
【図6】図6は、実施例4で得られたアルミノシリケー
ト粒子の結晶構造を示す写真である。
【図7】図7は、実施例5で得られたアルミノシリケー
ト粒子の結晶構造を示す写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 阪本 一朗 和歌山市湊1334番地 花王株式会社研究所 内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 aM2 O・bAl2 3 ・cSiO2
    dRmAn・yH2O (式中、MはNaおよび/またはK、RはNa、K、C
    aおよびMgからなる群より選ばれる1種以上、AはC
    3 、SO4 、NO3 、OHおよびClからなる群より
    選ばれる1種以上、aは1〜6、bは2〜8、cは2〜
    12、dは0〜4、mは1〜2、nは1〜3、yは0〜
    32を示す)で表わされる組成を有し、針状、板状また
    は柱状のいずれかの形態を有するアルミノシリケート粒
    子。
  2. 【請求項2】 d=0.365±0.015nmに主た
    るX線回折ピークを有する請求項1記載のアルミノシリ
    ケート粒子。
  3. 【請求項3】 JCPDS No.20−379、20
    −743、25−776、25−1499、25−15
    00、30−1170、31−1272、34−17
    6、35−479、35−653、38−513、38
    −514、38−515および45−1373からなる
    群より選ばれる1種以上のX線回折パターンを有する請
    求項1または2記載のアルミノシリケート粒子。
  4. 【請求項4】 aが2〜3、bが3、cが6、dが1〜
    2、RがNa、mが1、nが1〜2である請求項1〜3
    いずれか記載のアルミノシリケート粒子。
  5. 【請求項5】 AがNO3 である請求項1〜4いずれか
    記載のアルミノシリケート粒子。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5いずれか記載のアルミノシ
    リケート粒子からなる研磨剤。
  7. 【請求項7】 請求項1〜5いずれか記載のアルミノシ
    リケート粒子からなる収着剤。
  8. 【請求項8】 請求項1〜5いずれか記載のアルミノシ
    リケート粒子を含有する洗浄剤組成物。
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