JPH11227344A - 転写箔および画像記録媒体 - Google Patents

転写箔および画像記録媒体

Info

Publication number
JPH11227344A
JPH11227344A JP10337340A JP33734098A JPH11227344A JP H11227344 A JPH11227344 A JP H11227344A JP 10337340 A JP10337340 A JP 10337340A JP 33734098 A JP33734098 A JP 33734098A JP H11227344 A JPH11227344 A JP H11227344A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
image
recording medium
image recording
thermoplastic resin
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10337340A
Other languages
English (en)
Inventor
Jiro Watanabe
二郎 渡辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toppan Printing Co Ltd filed Critical Toppan Printing Co Ltd
Priority to JP10337340A priority Critical patent/JPH11227344A/ja
Publication of JPH11227344A publication Critical patent/JPH11227344A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)
  • Printing Methods (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】昇華性染料で染色されたプラスチック表面に保
護層を設けることにより、染色画像の化学的及び機械的
損傷をよく防止でき、かつ光による変褪色もよく防止で
きる保護層を容易に形成可能な転写箔を提供すること、
並びに、性能が高く、染色画像の化学的及び機械的損傷
をよく防止でき、かつ光による変褪色もよく防止できる
保護層を有する画像記録媒体を提供することを目的とす
る。 【解決手段】耐熱性ベースフィルム上に剥離容易な剥離
層、紫外線吸収剤を含む接着層が順次積層してあり、剥
離層は熱可塑性樹脂と耐摩擦剤とが使用され熱可塑性樹
脂が85〜95重量部に対し、耐摩擦剤は15〜5重量
部である転写箔、及び、支持体に昇華性染料の画像が記
録されてある上に、紫外線吸収剤を含む接着剤層、およ
び保護層が、この順に積層されてある画像記録媒体を提
供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は保護層を設けられた
画像記録媒体に関し、更に詳しくは、いわゆる昇華性染
料で染色したプラスチック材料の表面に、染料の変褪色
やブリードを防止することのできる保護層が設けられた
画像記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】いわゆる昇華性染料を用いてプラスチッ
ク材料を染色する方法は周知である。例えば、染料はバ
インダー樹脂と共にインキ化されて仮の支持体上に印刷
され、この印刷物をプラスチック材料に重ねて加熱する
ことによりインキ中の染料のみがプラスチック材料中に
浸透し、染着する(転写染色法)。この際、インキは転
写されず、仮の支持体と共に剥離除去される。
【0003】あるいは染料を含むインキを直接プラスチ
ック材料上の印刷した後、加熱して染料をプラスチック
内部に浸透させ、染着させる(浸透印刷法)。インキ層
はそのまま残存させたり、あるいは剥離除去されるが、
いずれの場合も染料はプラスチック内部に浸透してお
り、画像は残存する。
【0004】染料は昇華性であると信じられており、固
体状態から直接気体状態に変化し、かかる気体状染料が
プラスチック材料中に浸透すると考えられている。この
ため、染料は一般に昇華性染料と呼ばれている。もっと
も、固体状態と気体状態の間に液体状態が存在しないこ
とは厳密には確認されていない。またプラスチック材料
への浸透が気体状態で生じるか、あるいは液体状態で生
じるかも明らかではない。このため、染料は気化性染料
もしくは熱溶融移行性染料と呼ばれることもある。
【0005】プラスチック材料内部へ染料を浸透させる
加熱手段には、加熱盤、加熱ロール、赤外線パネルヒー
ター等が使用される。近年に到って、熱応答性の優れた
染料が開発されたことやサーマルヘッドの改良により、
転写リボン上の染料をサーマルヘッドの発熱によりプラ
スチック材料中へ浸透させて画像を形成する方法が開発
された。プラスチック材料はプラスチックフィルムや、
身分証明カード等の塩ビカードである。
【0006】しかしながら、染料は一般に分散染料又は
油溶性染料である。かかる染料は極性が小さく、このた
め加熱により容易に気体に変化してプラスチック材料中
に浸透する反面、プラスチック材料との結合力も小さ
く、可塑剤や有機薬品等によって犯されたり、引っ掻き
等による機械的損傷を受けやすい。さらにまた、光、特
に紫外線によって染料が分解され、変色あるいは褪色す
る。かかる問題点を防止するため、プラスチック材料表
面にポリエステル樹脂を主成分とする受像層を設けて染
料を固定したり、あるいは染料を改良して耐光堅牢度を
向上している。
【0007】しかし、いずれの方法によっても本質的に
外部からの化学的または機械的損傷を防止することがで
きず、紫外線などの光線を避けることもできない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、か
かる昇華性染料で染色されたプラスチック表面に保護層
を設けることにより、染色画像の化学的及び機械的損傷
をよく防止でき、かつ光による変褪色もよく防止できる
保護層を容易に形成可能な転写箔を提供すること、並び
に、性能が高く、染色画像の化学的及び機械的損傷をよ
く防止でき、かつ光による変褪色もよく防止できる保護
層を有する画像記録媒体を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、請求項1の発明は、耐熱性ベースフィルム上に、こ
のベースフィルムから剥離容易な剥離層、紫外線吸収剤
を含む接着層が順次積層してあり、該剥離層は熱可塑性
樹脂と耐摩擦剤とが使用されてあって該熱可塑性樹脂が
85〜95重量部に対して、該耐摩擦剤は15〜5重量
部であることを特徴とする転写箔を提供する。
【0010】また、請求項2の発明は、前記剥離層の熱
可塑性樹脂には、ポリメチルメタアクリレートか、ニト
ロセルロース、あるいはポリメチルメタアクリレートと
ニトロセルロースとの混合物のいずれかが使用されてい
ることを特徴とする前記転写箔を提供する。
【0011】そしてまた、請求項3の発明は請求項1又
は2の転写箔について、特に、前記接着層には、紫外線
吸収剤と、ガラス転移点が50℃以上の熱可塑性樹脂と
が使用されている転写箔を提供する。
【0012】それから、請求項4の発明は、支持体の少
なくとも片面には昇華性染料を用いた画像が記録されて
あり、少なくとも該画像の上には、紫外線吸収剤を含む
接着剤層、および保護層が、この順に積層されてあるこ
とを特徴とする画像記録媒体を提供する。尚、支持体上
に、この接着層および保護層を形成するには、例えば請
求項1乃至3のいずれかの転写箔を用いた転写手段によ
って形成することももちろん可能であるが、必ずしもこ
の転写手段に限定されるものではなく、これ以外の形成
手段を採用してよい。例えば、接着層と保護層を備えた
シール状のものを支持体上に貼付けたり、あるいは、接
着層用組成物を塗料化したものと保護層用組成物を塗料
化したものとをそれぞれ順に支持体上に塗工したりする
ことによっても、形成可能である。
【0013】そして請求項5の発明は前記の画像記録媒
体について、特に、前記保護層には、耐摩擦剤と熱可塑
性樹脂とが使用されており、該熱可塑性樹脂がポリメチ
ルメタアクリレート、ニトロセルロース、またはポリメ
チルメタアクリレートとニトロセルロースとの混合物で
ある画像記録媒体を提供する。
【0014】そして請求項6の発明は、請求項4又は5
のいずれかの画像記録媒体について、特に、前記接着層
には、紫外線吸収剤と、ガラス転移点が50℃以上の熱
可塑性樹脂とが使用されている画像記録媒体を提供す
る。
【0015】さらに請求項7の発明は、請求項4乃至6
のいずれかの画像記録媒体について、特に、前記支持体
は、プラスチックを主材料とする基材か、又は少なくと
も片面にプラスチック材料層を有する基材のいずれかで
あって、前記画像は該プラスチック材料の面に記録され
ている画像記録媒体を提供する。
【0016】さらに請求項8の発明は、請求項4乃至7
のいずれかの画像記録媒体について、特に、前記支持体
は、カード基材である画像記録媒体を提供する。
【0017】また請求項9の発明は、請求項4乃至7の
いずれかの画像記録媒体について、特に、前記支持体
は、シート基材である画像記録媒体を提供する。
【0018】また請求項10の発明は、請求項4乃至7
のいずれかの画像記録媒体について、特に、前記支持体
は、冊子体の表裏いずれかの表紙か又は冊子中に綴じて
あるページのいずれかである画像記録媒体を提供する。
【発明の実施の形態】
【0019】本発明に係る転写箔(1)は、第1図に図
示するように、ベースフィルム(11)、剥離層(12)、
接着層(13)から成る。ベースフィルム(11)は、転写
時の熱圧で軟化変形しない耐熱性を必要とする。かかる
ベースフィルム(11)は公知であり、例えば厚さ3〜3
0μmの二軸延伸したポリエチレンテレフタレートフィ
ルムを使用できる。また、剥離層(12)は熱転写時に容
易にベースフィルム(11)から剥離する必要がある。ま
た、転写された後の保護層の機能を果たす必要が有る。
保護層の機能とは染料による画像の外部からの化学的及
び機械的損傷を防ぐことである。この両者の機能を満た
すためには、耐摩擦剤と熱可塑性樹脂の混合物を使用す
ることによって解決する。
【0020】熱可塑性樹脂は可塑剤や薬品の透過を防止
すると共に引っ掻きによる傷を減少させるものである。
かかる熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリメチルメタ
アクリレート、ニトロセルロースまたはポリメチルメタ
アクリレートとニトロセルロースの混合物が使用でき
る。メチルメタアクリレート及びニトロセルロースは既
存の熱可塑性樹脂の中で耐可塑剤性が優れると共にベー
スフィルム(11)と剥離が容易である。これらの樹脂を
剥離層(12)に用いることにより、転写後の画像上に軟
質塩化ビニルシートやプラスチック消しゴムなどを接触
させた時にこれらに含まれる可塑剤の移行を防止でき
る。また、酸、アルカリ、アルコール、灯油などの薬品
の浸透を防ぎ、画像への影響を防止することができる。
【0021】また、耐摩擦剤は耐摩耗性や耐性スクラッ
チ性の向上のために添加するものである。例えば、テフ
ロンパウダー、ポリエチレンパウダー、動物系ワック
ス、植物系ワックス、鉱物系ワックス、石油系ワックス
などの天然ワックス、合成炭化水素系ワックス、脂肪族
アルコールと酸系ワックス、脂肪酸エステルとグリセラ
イト系ワックス、水素化ワックス、合成ケトン系ワック
ス、アミン及びアマイド系ワックス、塩素化炭化水素系
ワックス、合成動物ロウ系ワックス、アルファーオレフ
ィン系ワックスなどの合成ワックス、及びステアリン酸
亜鉛などの高級脂肪酸の金属塩などをあげることができ
る。
【0022】本発明の転写箔に係る剥離層(12)、ある
いは画像記録媒体に係る保護層(12)の材料は、熱可塑
性樹脂が85〜95重量部に対して、耐摩擦剤は15〜
5重量部が好ましい。ここで、もし、熱可塑性樹脂の割
合が95重量部を越え、あるいは耐摩擦剤の割合が5重
量部よりも少ないと、被転写体側に転写された後の保護
層として付与したい性能であるところの磨耗やスクラッ
チ等に対する耐性(機械的損傷に対する耐久性)が低下
してくる問題点が発生する為に好ましくない。一方、も
し、熱可塑性樹脂の割合が85重量部より少なく、ある
いは耐摩擦剤の割合が15重量部を越えると、やはり保
護層として付与したい性能であるところの耐溶剤性や耐
熱性あるいは脆さに対する耐久性などが低下してくる為
に、やはり好ましくない。尚、剥離層(12)の塗布量
は、1〜3g/m2 程度で良い。
【0023】剥離層(12)には上記成分の外、転写時の
切れを向上するために剥離改善剤を混合することもでき
る。例えば線状飽和ポリエステル樹脂である。ただし、
もしこの剥離改善剤を混合する場合には、上記の熱可塑
性樹脂が85〜95重量部に対して、耐摩擦剤が15〜
5重量部をおよその基準とするものの、熱可塑性樹脂か
又は耐摩擦剤の少なくともいずれかの割合を若干減らし
たうえで、適量を混合する。そのときは、剥離改善剤の
割合を3重量部以内に抑えておくべきである。もし、剥
離改善剤の割合が3重量部を越えると、もし、この保護
層を転写箔からの転写によって形成しようとする際に
は、あまりに容易に転写されやすくなったりする点、そ
して画像を保護する保護層の一部としてみた場合には、
前記の熱可塑性樹脂と耐摩擦剤とが主に担っている各種
の耐性を損なう程度があまりに顕著になり、本発明の課
題の解決に支障をきたす始める為である。
【0024】なお、剥離層(12)にはこの他の添加物、
例えば紫外線吸収剤等を添加しないことが望ましい。何
故なら、添加によって可塑剤の侵入が容易になってしま
い、画像の変形の原因となるからである。
【0025】接着層(13)はプラスチック材料表面に接
着すると共に紫外線を遮断して染料による画像の変褪色
を防止するもので、可塑剤の侵入の促進を防ぐため、剥
離層(12)とは別個に、しかも剥離層(12)よりプラス
チック材料より設けられる。かかる理由から紫外線吸収
剤と熱可塑性樹脂の混合物から成る。
【0026】紫外線吸収剤は光による染料の変褪色を防
止するものである。すなわち、波長250〜400nm
の紫外線を吸収してそのエネルギーを染料に無害な熱エ
ネルギーとして再輻射し、紫外線吸収剤自体は何ら変質
しない。この理由から最大吸収波長250〜400nm
の紫外線吸収剤を使用する。
【0027】例えばフェニルサリシレート、p−tert−
ブチルフェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサ
リシレートなどのサリチル酸系紫外線吸収剤、2,4 −ジ
ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシベンゾフェ
ノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノ
ン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノ
ン、2,2 ′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノ
ン、2,2 ′−ジヒドロキシ−44′−ジメトキシベンゾフ
ェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベ
ンゾフェノンなどのベンゾフェノン系紫外線吸収剤、2-
(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾト
リアゾール、2-(2′−ヒドロキシ−5′−tert−ブチ
ルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2′−ヒドロキ
シ−3′−tert−ブチル−5′−メチルフェニル)ベン
ゾトリアゾール、2-(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ
tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾー
ル、2-(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジtert−アミル
フェニル)ベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾー
ル系紫外線吸収剤、2−エチルヘキシル−2−シアノ−
3,3 ′−ジフェニルアクリレート、エチル−2−シアノ
−3,3 ′−ジフェニルアクリレートなどのシアノアクリ
レート系紫外線吸収剤である。
【0028】接着層(13)に使用する熱可塑性樹脂はガ
ラス転移点(Tg)が50℃以上のものが使用できる。
もし、接着層(13)に使用する熱可塑性樹脂として、ガ
ラス転移点の温度が50℃未満の樹脂を使用すると、転
写の後、この樹脂により染料のマイグレーションが生
じ、画像のにじみが発生する。尚、このような熱可塑性
樹脂としては、ガラス転移点110℃以下のものが好ま
しい。もし、ガラス転移点が110℃を超える樹脂を使
用すると転写の際に高い温度を必要とし、転写機に負荷
がかかるだけでなく、ポリ塩化ビニルカードなどのプラ
スチック材料が熱により変形することがある為に、好ま
しくない。
【0029】接着層(13)に使用する熱可塑性樹脂とし
ては、例えば、線状飽和ポリエステルなどのポリエステ
ル、ポリ塩化ビニルや塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹
脂などの塩化ビニル系樹脂、ポリアクリル酸、ポリアク
リル酸−2−メトキシエチル、ポリアクリル酸メチル、
ポリアクリル酸−2−ナフチル、ポリアクリル酸イソボ
ルニル、ポリメタクリロメチル、ポリアクリロニトリ
ル、ポリメチルクロロアクリレート、ポリメタクリル酸
メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸−
tert−ブチル、ポリメタクリル酸イソブチル、ポリメタ
クリル酸フェニル、メタクリル酸メチルとメタクリル酸
アルキル(ただしアルキル基の炭素数は2〜6)の共重
合樹脂などのアクリル系樹脂、ポリスチレン、ポリジビ
ニルベンゼン、ポリビニルベンゼン、スチレン−ブタジ
エン共重合樹脂、スチレンとメタクリル酸アルキル(た
だしアルキル基の炭素数は1〜6)などのビニル系樹脂
などである。
【0030】接着層(13)は、熱可塑性樹脂が50〜9
0重量部に対して、紫外線吸収剤は50〜10重量部が
好ましい。また、塗布量は1〜3g/m2 が好ましい。
もし、熱可塑性樹脂が50重量部よりも少なく、また紫
外線吸収剤が50重量部よりも多いなった場合には、接
着力が低下してしまうことから、本発明の課題を解決す
る為には好ましくない。それから、もし熱可塑性樹脂が
90重量部よりも多く、また紫外線吸収剤が10重量部
よりも少なくなった場合には、紫外線吸収の効果が低減
してしまうことから、やはり本発明の課題を解決する為
には好ましくない。
【0031】転写箔(1)は、まず、剥離層組成物を適
当な溶剤により塗料化し、その塗料をベースフィルム
(11)上にグラビア塗布、ロールコーティング塗布、ま
たはバーコート塗布などの塗布方法で塗布乾燥し、次い
で接着座組成物を塗料化して塗布すれば良い。接着剤組
成物の塗料化及び塗布方法は、剥離層組成物の塗料化及
び塗布方法と同様である。
【0032】こうして得られる転写箔(1)は、昇華性
染料で染色されたプラスチック材料に重ね、熱圧した
後、ベースフィルム(11)のみを剥離除去して、転写す
ることができる。転写は接着層(13)に含まれる熱可塑
性時油脂の軟化点以上の温度に加熱して行なうことがで
きる。通常これは、温度が150〜250℃程度でよ
く、また時間は1〜10秒程度で良い。
【0033】プラスチック材料として身分証明カードを
用いた場合の例を第2図に示す。(2)はカード本体で
あり、部分的に昇華性染料で顔写真が染色されている
(2a)。かかる染色方法は特開昭63−22693公
報、もしくは平成1年特許願第216576号明細書及
び図面に記載されている。なお、カードに限らず、昇華
性染料で染色された任意のプラスチック材料に適用でき
ることは明らかであろう。
【0034】尚、本発明に係る画像記録媒体の支持体
は、昇華染料を用いた画像が記録される為に、少なくと
も、昇華染料の画像を記録する部分だけは昇華染料に対
する染料受容性のある材料を備えているものであればよ
い。つまり、もし支持体の主材料が染料受容性の無い材
料であったとした場合でも、画像を記録する場所には染
料受容性のある材料を用いて画像記録用の受容層を用意
しておけばよい。例えば、支持体の基材の材料が、紙と
か金属(これらは染料受容性が無いことが知られてい
る)、あるいは染料受容性の無い樹脂であっても、少な
くとも画像を記録する場所には、染料受容性のある樹脂
を適当に選択して、支持体の基材上のその場所に受容層
を用意しておけばよい。
【0035】それから、本発明に係わる画像記録媒体
は、支持体と接着層との間に、または接着層と保護層と
の間に、これら以外の層を配置してもよい。これら以外
の層とは、例えば、ホログラムや回折格子等のような光
学的作用を奏する層、細紋を施した層、特殊インキ(蛍
光材、赤外線吸収材、あるいは磁性材、等を適宜添加し
たインキ)を用いて像様の記録を施した層、などであ
る。これらによると、セキュリティ性、あるいは美麗な
装飾性を向上した画像記録媒体として、付加価値を高め
ることが出来る。
【0036】ちなみに、画像記録媒体が、例えばクレジ
ットカード、銀行系カード、IDカード、会員証、免許
証、あるいは預金通帳、などに代表されるような、セキ
リティ性を尊ぶ画像記録媒体である場合には、画像記録
媒体に記録される画像はその画像記録媒体の正規の持主
の顔写真や、あるいはその持主のその他の個人識別情報
である場合が多い。そして、画像記録媒体にこのように
画像を記録される際には、(画像以外にも)その持主の
姓名、住所あるいは所属などの文字や記号による情報も
支持体上に記録される場合も少なくない。尚、これらの
文字や記号による情報の記録手段は特に限定されるもの
ではなく、昇華染料かあるいは顔料などを適宜用いた記
録材を使用して、例えば、感熱転写記録、インクジェッ
ト、電子写真、あるいはその他の手段を適宜利用して記
録してよい。
【0037】いずれにせよ、本発明に係わる画像記録媒
体は、昇華染料による前記のような画像だけではなく、
支持体上に記録され文字や記号による情報の上にも前記
の接着層と保護層を設けることによって、これらの文字
や記号による情報の機械的あるいは化学的な耐久性を高
めることにも有用である。
【0038】
【実施例】 (実施例1)剥離層塗料の組成 ポリメチルメタアクリレート 10重量部 (Tg=105℃) (三菱レーヨン製、BR−80) テフロンパウダー 1重量部 トルエン/2−ブタノン 40重量部 (1/1)
【0039】接着層塗料の組成 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 10重量部 (Tg=65℃) (積水化学製エスレックスA) 2-(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール 2.5重量部 トルエン/2−ブタノン 40重量部 (1/2)
【0040】厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレ
フタレートフィルムの上に、グラビアコーターを用い
て、上記剥離層塗料を乾燥重量2.5g/m2 になるよ
うに塗布乾燥して剥離層(12)を形成した。その層上に
上記接着層塗料をグラビアコーターで乾燥重量が2g/
2 になるように塗布乾燥して接着層(13)を形成して
転写箔を製造した。
【0041】ポリ塩化ビニルカード上にカラーサーマル
プリンターを用いて昇華転写リボンによりイエロー、マ
ゼンタ、シアンの各色を転写染色した。この染色面に上
記転写箔をラミネーター(明光商会製MSパウチ、H−1
40)により180℃、2秒の条件でラミネートし、ベ
ースフィルムを除去した。なお、昇華転写リボンは厚さ
6μmのポリエステルフィルム上に染料とポリビニルブ
チラールから成る三色の昇華性インキを塗布したもの
で、イエローの染料はKayacet Yellow
AG(日本化薬製)、マゼンタの染料はKayacet
Red 026(日本化薬製)、シアンの染料はHS
B9(三菱化成製)である。
【0042】 (実施例2)剥離層塗料の組成 ニトロセルロース 4重量部 (ダイセル化学工業製,セルラインFM200) ポリメチルメタクリレート 6重量部 (Tg=105℃) (ロースアンドハウス製パラロイド、A−11) ポリエチレンパウダー 0.5重量部 トルエン/2−ブタノン 40重量部 (1/2)
【0043】接着層塗料の組成 線状飽和ポリエステル樹脂 10重量部 (Tg=65℃) (ユニチカ製、UE−3200) 2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフエノン 6重量部 トルエン/2−ブタノン 40重量部 (1/1)
【0044】厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレ
フタレートフィルム上に、上記各塗料を、実施例1と同
様に塗布して転写箔を製造した。カード及び転写は実施
例1と同様である。
【0045】(実施例3)Tg=65℃の飽和ポリエス
テルの代わりにTg=47℃の飽和ポリエステル樹脂を
使用した以外は実施例2と同様に転写箔を製造した。カ
ード及び転写は実施例1と同様である。
【0046】(実施例4)熱可塑性樹脂と耐摩擦剤の合
計量100重量部に対し、剥離改善剤として線状飽和ポ
リエステル樹脂(東洋紡製バイロン、300)を2重量
部添加した剥離層を使用した外は実施例1と同様に転写
箔を製造した。カード及び転写は実施例1と同様であ
る。
【0047】(比較例1)転写箔を使用せず、染色した
カード自体を比較例1とした。
【0048】(比較例2)紫外線吸収剤である2-(2′
−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾ
ールを除いた他は実施例1と同様に転写箔を製造した。
カード及び転写は実施例1と同様である。
【0049】 (比較例3)転写層塗料組成 ポリメチルメタクリレート 10重量部 (三菱レーヨン製、BR−80) テフロンパウダー 1重量部 2-(2′−ヒドロキシ−5′メチルフェニル)ベンゾトリアゾール 4重量部 トルエン/2−ブタノン 40重量部 (2/1)
【0050】厚さ12μmの2軸延伸ポリエステルフィ
ルム上にグラビアコーターを用いて上記組成の転写層塗
料を乾燥重量3.0g/m2 になるように塗布乾燥して
転写層を形成して、転写箔を製造した。
【0051】カード及び転写は実施例1と同様である。
実施例1〜3及び比較例1〜2の耐スクラツチ性、耐磨
耗性、耐溶剤性、耐熱性、耐光性を表1に示す。
【0052】
【表1】
【0053】なお、各データは以下の方法に沿って試験
したものである。 ・耐スクラッチ性……Hの鉛筆により鉛筆試験機を用い
て表面をひっかき、強度を測定。傷が付かないものを
○、傷が付いたものを×。 ・耐磨耗性……………学振式堅牢度試験機(摩擦材とし
て金属を使用)にてカード表面を2000回こすり、表
面の変化を観察。変化ないものを○、変化のあるものを
×。 ・耐可塑剤性…………軟質ポリ塩化ビニルシートをカー
ド表面に接触させて、荷重200g/m2 をかけ、40
℃、90%R.Hの環境下に24時間保存し、画像の色の
変化及び褪色、にじみ等を観察。変化しないものを○、
変褪色やにじみのあるものを×。 ・耐溶剤性……………フレオン、エタノール、ガソリン
を綿棒にしみこませ、カード表面をこすり、変化を観
察。全く変化の無いものを○、一度でも変化したものを
×。 ・耐熱性………………50℃、90%R.Hの環境下に
48時間保存し、画像の変褪色を観察。変化無いものを
○、変褪色のあるものを×。 ・耐光性………………フェードメーターにて紫外線を4
0時間照射後、画像の反射濃度の減少率を測定。
【0054】この表から明らかなように、実施例1〜4
では画像の光による変褪色を防止すると共に、耐スクラ
ッチ性、耐磨耗性、耐可塑剤性、耐溶剤性等の各種化学
的および機械的損傷を防止することができる。また、実
施例1、2および4では、これに加えて熱によるブリー
ドの生じないプラスチック染色物を製造することができ
る。
【0055】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、昇華性
染料で染色したプラスチック材料上に転写して耐スクラ
ッチ性、耐磨耗性、耐可塑剤性、耐溶剤性などの各種化
学的及び機械的損傷を防止し、また、紫外線等の光によ
る変褪色を防ぐ転写箔が得られる。また、これに加え
て、接着層にガラス転移点50℃以上の熱可塑性樹脂を
使用すれば、熱による画像変化を生じないという効果を
奏することができる。
【0056】クレジットカードやIDカード等に代表さ
れる各種のカード類、あるいは預金通帳やパスポート等
に代表される各種の冊子類の、昇華性染料の画像(顔写
真に代表される個人識別用情報)を始めとして、画像記
録媒体上に記録された情報をを性能よく保護することが
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】転写箔の断面図である。
【図2】転写後の断面図である。
【符号の説明】
1 ……転写箔 11 ……ベースフィルム 12 ……剥離層 13 ……接着層 2 ……カード本体 2a ……部分的な昇華性染料による顔写真

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】耐熱性ベースフィルム上に、このベースフ
    ィルムから剥離容易な剥離層、紫外線吸収剤を含む接着
    層が順次積層してあり、該剥離層は熱可塑性樹脂と耐摩
    擦剤とが使用されてあって該熱可塑性樹脂が85〜95
    重量部に対して、該耐摩擦剤は15〜5重量部であるこ
    とを特徴とする転写箔。
  2. 【請求項2】前記剥離層の熱可塑性樹脂には、ポリメチ
    ルメタアクリレートか、ニトロセルロース、あるいはポ
    リメチルメタアクリレートとニトロセルロースとの混合
    物のいずれかが使用されていることを特徴とする請求項
    1に記載の転写箔。
  3. 【請求項3】前記接着層には、紫外線吸収剤と、ガラス
    転移点が50℃以上の熱可塑性樹脂とが使用されている
    ことを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の転
    写箔。
  4. 【請求項4】支持体の少なくとも片面には昇華性染料を
    用いた画像が記録されてあり、少なくとも該画像の上に
    は、紫外線吸収剤を含む接着剤層、および保護層が、こ
    の順に積層されてあることを特徴とする画像記録媒体。
  5. 【請求項5】前記保護層には、耐摩擦剤と熱可塑性樹脂
    とが使用されており、該熱可塑性樹脂がポリメチルメタ
    アクリレート、ニトロセルロース、またはポリメチルメ
    タアクリレートとニトロセルロースとの混合物であるこ
    とを特徴とする請求項4に記載の画像記録媒体。
  6. 【請求項6】前記接着層には、紫外線吸収剤と、ガラス
    転移点が50℃以上の熱可塑性樹脂とが使用されている
    ことを特徴とする請求項4又は5のいずれかに記載の画
    像記録媒体。
  7. 【請求項7】前記支持体は、プラスチックを主材料とす
    る基材か、又は少なくとも片面にプラスチック材料層を
    有する基材のいずれかであって、前記画像は該プラスチ
    ック材料の面に記録されていることを特徴とする請求項
    4乃至6のいずれかに画像記録媒体。
  8. 【請求項8】前記支持体は、カード基材であることを特
    徴とする請求項4乃至7のいずれかに記載の画像記録媒
    体。
  9. 【請求項9】前記支持体は、シート基材であることを特
    徴とする請求項4乃至7のいずれかに記載の画像記録媒
    体。
  10. 【請求項10】前記支持体は、冊子体の表裏いずれかの
    表紙か又は冊子中に綴じてあるページのいずれかである
    ことを特徴とする請求項4乃至7のいずれかに記載の画
    像記録媒体。
JP10337340A 1989-10-27 1998-11-27 転写箔および画像記録媒体 Pending JPH11227344A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10337340A JPH11227344A (ja) 1989-10-27 1998-11-27 転写箔および画像記録媒体

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1281459A JPH0698849B2 (ja) 1989-10-27 1989-10-27 転写箔
JP10337340A JPH11227344A (ja) 1989-10-27 1998-11-27 転写箔および画像記録媒体

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1281459A Division JPH0698849B2 (ja) 1989-10-27 1989-10-27 転写箔

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11227344A true JPH11227344A (ja) 1999-08-24

Family

ID=17639477

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1281459A Expired - Lifetime JPH0698849B2 (ja) 1989-10-27 1989-10-27 転写箔
JP10337340A Pending JPH11227344A (ja) 1989-10-27 1998-11-27 転写箔および画像記録媒体

Family Applications Before (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1281459A Expired - Lifetime JPH0698849B2 (ja) 1989-10-27 1989-10-27 転写箔

Country Status (1)

Country Link
JP (2) JPH0698849B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7762590B2 (en) 2002-07-24 2010-07-27 Ovd Kinegram Ag Individualized security document

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3316302B2 (ja) * 1994-03-25 2002-08-19 尾池工業株式会社 透明紫外線遮断保護転写箔
JPH082192A (ja) * 1994-06-22 1996-01-09 C I Kasei Co Ltd 転写箔およびそれを用いた板材

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7762590B2 (en) 2002-07-24 2010-07-27 Ovd Kinegram Ag Individualized security document

Also Published As

Publication number Publication date
JPH03142288A (ja) 1991-06-18
JPH0698849B2 (ja) 1994-12-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6616993B2 (en) Protective layer transfer sheet
WO1996038308A1 (fr) Film de protection a transfert thermique et impression
JP2000071626A (ja) 保護層転写シートおよび印画物
JP2002079766A (ja) 保護層転写シート
JPH11227344A (ja) 転写箔および画像記録媒体
JP4113819B2 (ja) 保護層熱転写シートおよび印画物
JP2906810B2 (ja) 転写箔
JP2000071632A (ja) 蛍光潜像転写フィルム
JP2737585B2 (ja) 被転写シート
JPH0667592A (ja) 昇華転写画像用透明ホログラム転写箔
JP4139301B2 (ja) 熱転写シートおよび印画物
JP3411042B2 (ja) 転写箔
JP4300413B2 (ja) 中間転写記録媒体及び印画物
JP4978410B2 (ja) 熱転写受像シート
JP3111736B2 (ja) 被転写シート
JP2000192376A (ja) 染色物
JPH0757560B2 (ja) 転写箔
JP2797780B2 (ja) 染色物
JP4221745B2 (ja) 保護層転写シート及び印画物
JP2936870B2 (ja) 熱転写材
JP3180808B2 (ja) 染色物
JP2002002108A (ja) 保護層転写シート
JPH0655487B2 (ja) 染色物
JPH05124362A (ja) 転写箔
JP2004188676A (ja) 熱転写シート及び捺印層形成方法