JPH11226550A - 生ゴミ処理装置用の微生物繁殖用媒体剤並びに生ゴミ処理装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の繁殖用媒体剤よりも秀れた微生物繁殖
効果を発揮する破砕した籾殻を主成分とする微生物繁殖
用媒体剤生ゴミ分解処理用の微生物繁殖用媒体剤並びに
微生物の活動を活発化させる作用のある木酢液を供給す
る機構を備えた生ゴミ処理装置を提供すること。 【解決手段】 生ゴミ処理装置１内に生ゴミ２を発酵・
分解する微生物と共に投入して、生ゴミ処理装置１内で
生ゴミ処理用の微生物を繁殖させる生ゴミ処理装置用の
微生物繁殖用媒体剤であって、籾殻Ａを原型の１／２〜
１／８程度の大きさに破砕した籾殻ａとした生ゴミ処理
装置用の微生物繁殖用媒体剤。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、生ゴミ処理装置内
に生ゴミを発酵・分解する微生物と共に投入して微生物
を繁殖させる生ゴミ処理用の微生物繁殖用媒体剤並びに
生ゴミ処理装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来か
ら色々な生ゴミ処理装置が実施されているが、最近は生
ゴミを発酵・分解する能力を持った微生物を利用する微
生物分解方式の生ゴミ処理装置が主流である。

【０００３】この微生物分解方式の生ゴミ処理装置は、
図３に示すように上部に投入用開口部の有する箱形容体
内に、この容体内に投入した内容物を撹拌する撹拌機構
を設けると共に、容体内の空気を循環させる換気ファン
を設けた構造の装置が一般的であり、この生ゴミ処理装
置の容体内に微生物の入ったパウダーと微生物を繁殖さ
せるための媒体剤（チップ）とを投入して繁殖用媒体剤
に微生物を繁殖させ、この内部で微生物が繁殖する容体
内に生ゴミを投入して前記撹拌機構並びに換気ファンを
作動すると、繁殖用媒体剤と生ゴミとが撹拌されて繁殖
用媒体剤の固形化が防止されつつ生ゴミに対する微生物
の活動範囲（接触範囲）が拡大し、更にこの撹拌作用と
前記換気ファンによる容体内の空気の循環によって微生
物への酸素の供給率が高められ、これによって微生物の
活動が促進されて生ゴミが発酵・分解処理されていくも
のであった。

【０００４】また、従来から、微生物を繁殖させるため
の繁殖用媒体剤として色々なものが使用されているが、
図２に示したような籾殻を繁殖用媒体剤として使用する
こともできる。

【０００５】この籾殻は、安値で簡単に手に入るため
に、このような生ゴミ処理用の微生物繁殖用媒体剤とし
ては最適であると思われるが、この籾殻を微生物繁殖用
媒体剤として使用した場合には、以下のような不具合が
生じることがわかった。

【０００６】 必要以上に乾燥し易く、微生物が繁殖
しずらい。

【０００７】 一個のかさが大きいために、撹拌する
ことで破壊されて短時間で小さくなってしまうため、こ
まめに補充する必要がある。

【０００８】 沢山の籾殻を入れたように見えても、
中身が空洞な殻であるために実際の総量はそれほど多く
はなく、繁殖する微生物の絶対数が少なく思ったほどの
生ゴミ分解効果が得られない。

【０００９】本発明者は、この籾殻をもっと微生物繁殖
用の媒体剤として有効に利用できる手段はないかと試行
錯誤した結果、この籾殻を破砕して繁殖用媒体剤として
使用することで上記欠点が解決され、尚且つ籾殻以外の
微生物繁殖用媒体剤よりも秀れた微生物繁殖効果を発揮
することを発見した。

【００１０】また、更に本発明者は、このような微生物
分解方式の生ゴミ処理装置においてもっと効率良く処理
を行うことはできないかと考え、木酢に注目した。

【００１１】木酢とは、ボイラーで炭を焼く時や籾殻を
焼く時に煙道から採集されるもので、一般には次のよう
な特徴を発揮するということがわかっている。

【００１２】 土壌の活性化を補助する。

【００１３】 衰えた樹勢の回復を助け、肥料の吸収
を良好にする。

【００１４】 野菜や果物の害虫を駆除する。

【００１５】 家畜の糞尿の悪臭を低減し、尚且つこ
の糞尿を利用した肥料を良質なものにする。

【００１６】本発明者は、このような特徴を有すること
から、木酢を微生物に供給すれば、微生物の活動が活発
化して生ゴミの分解が促進するのではないかと着眼し、
生ゴミ処理装置で実験したところ分解処理中の生ゴミの
臭気が著しく低減するという効果が得られることを発見
した。

【００１７】即ち、本発明は、従来の繁殖用媒体剤より
も秀れた微生物繁殖効果を発揮する破砕した籾殻を主成
分とする画期的な生ゴミ処理装置用の微生物繁殖用媒体
剤並びに木酢液供給機構を備えた生ゴミ処理装置を提供
するものである。

【００１８】

【課題を解決するための手段】添付図面を参照して本発
明の要旨を説明する。

【００１９】生ゴミ処理装置１内に生ゴミ２を発酵・分
解する微生物と共に投入して、生ゴミ処理装置１内で生
ゴミ処理用の微生物を繁殖させる生ゴミ処理装置用の微
生物繁殖用媒体剤であって、籾殻Ａを原型の１／２〜１
／８程度の大きさに破砕した籾殻ａとしたことを特徴と
する生ゴミ処理装置用の微生物繁殖用媒体剤に係るもの
である。

【００２０】また、投入用開口部10を備えた容体４内に
撹拌機構３を設け、前記容体４内に生ゴミ２を発酵・分
解する微生物繁殖用媒体剤を投入して容体４内で微生物
を繁殖させ、この微生物が繁殖する容体４内に生ゴミ２
を投入し、前記撹拌機構３を作動させて容体４内の微生
物と生ゴミ２とを撹拌することにより生ゴミ２を発酵・
分解し得るように構成した生ゴミ処理装置において、前
記容体４内に木酢液８を供給する木酢液供給機構９を設
けたことを特徴とする生ゴミ処理装置に係るものであ
る。

【００２１】

【発明の実施の形態】好適と考える本発明の実施の形態
（発明をどのように実施するか）を、図面に基づいてそ
の作用効果を示して簡単に説明する。

【００２２】先ず、生ゴミ処理装置１内に微生物と共に
破砕した籾殻ａを投入して破砕した籾殻ａに微生物を繁
殖させる。次に生ゴミ２を生ゴミ処理装置１内に投入
し、撹拌機構３を作動させる。すると、微生物が繁殖す
る破砕した籾殻ａと生ゴミ２とが撹拌されて破砕した籾
殻ａの固形化が防止されつつ生ゴミ２に対する微生物の
活動範囲（接触範囲）が拡大し、更にこの撹拌作用によ
って微生物へ酸素供給も行われて生ゴミ２が発酵・分解
されることになる。

【００２３】この際、破砕して小さくなった籾殻ａを主
成分とした微生物繁殖用媒体剤であるため、この破砕し
た籾殻ａの全域に空気が行き渡り易く、破砕した籾殻ａ
の周りが酸欠状態となりにくいため微生物の繁殖に適正
な環境となる。

【００２４】また、破砕した籾殻ａは湿気を吸収しにく
く、適度な乾燥状態を保持できるために破砕した籾殻ａ
が固形化することが防止されて微生物の繁殖に適正な環
境となる。

【００２５】従って、この破砕した籾殻ａに微生物が極
めて繁殖し易いことになり、微生物繁殖用媒体として最
適となる。

【００２６】また、上記したように破砕した籾殻ａの周
りに空気が行き渡り易いために保温性にも秀れ、微生物
の活動に適した温度を保ち易いことになる。

【００２７】また、予め破砕されて小さくなった籾殻ａ
であるため、撹拌作動によって破壊されにくく長く繁殖
用媒体剤としての機能を果たし得ることになる。

【００２８】また、原形のままの籾殻Ａに対してかさの
ない破砕した籾殻ａを用いるため、原形の籾殻Ａを大量
に用いた場合のように総量が見かけだけ多く見えるよう
なことにならない上、生ゴミ処理装置１の撹拌機構３に
よる撹拌作動もスムーズに行われることになり、しかも
破砕した籾殻ａはかさばらないから大量運搬などに際し
て非常に便利となる。

【００２９】また、生ゴミ処理装置１に木酢液８を供給
する木酢液供給機構９を設ければ、木酢液供給機構９か
ら供給される木酢液８によって微生物の活動が活発化
し、従来の生ゴミ処理装置に比して生ゴミ２の分解処理
中の悪臭が著しく低減することになる。

【００３０】

【実施例】本発明の具体的な実施例について図面に基づ
いて説明する。

【００３１】本実施例の破砕した籾殻ａは、図２に示し
た原形の籾殻Ａの１／２〜１／８程度の大きさに破砕し
たものを採用している。破砕した籾殻ａの大きさをこの
ように構成すると、破砕した籾殻ａの全域に空気が行き
渡り易く、また、湿気を吸収しにくくなる。従って、破
砕した籾殻ａの周りが酸欠状態となりにくいため微生物
の繁殖に適正な環境となり、この破砕した籾殻ａに微生
物が繁殖し易くなる上、このように空気が行き渡り易い
ために保温性も高く、微生物の活動に適した温度を保ち
易いことになる。また、破砕した籾殻ａが適度な乾燥状
態を保持できるために破砕した籾殻ａが固まることが防
止されて微生物の繁殖に適正な環境となる。

【００３２】本実施例の生ゴミ処理装置１は、上部に投
入用開口部10を備えた開閉蓋７付の箱形容体４内に、内
容物を撹拌する撹拌機構３として動力源（図示省略）を
伴った撹拌翼５を設け、この容体４内の空気を循環させ
るための換気ファン６を設け、この容体４内に木酢液８
を供給する木酢液供給機構９を設けている。

【００３３】木酢液供給機構９は、霧吹き器と同様の構
成を採用して木酢液８を霧状に噴出し得るように構成
し、木酢液８が広範囲に噴霧して容体４内に投入した多
数の微生物に極めて良好に供給されるように構成してい
る。このように霧吹き器同様な構成を採用するから、簡
易に設計実現可能で安価な製品を提供できる。また、こ
の木酢液供給機構９は、手動で操作し得るように構成し
ても良いし、自動的に作動するように構成しても良い
が、自動的に作動するように構成した方がより実用的と
なる。

【００３４】木酢液８を微生物及び微生物繁殖用媒体剤
（破砕した籾殻ａ）に供給すると、微生物の活動が活発
化し、生ゴミ２から発生する悪臭が著しく低減すること
が出願人の実験により確認されている。従って、生ゴミ
２の発酵・分解中に生ゴミ２から発生する悪臭が著しく
低減することになる。

【００３５】また、図示していないが、容体４内にヒー
タを設け、このヒータにより箱形容体４内が微生物の活
動に適した温度（一般に微生物の活動に適した温度は１
８℃〜２３℃といわれている）に保持されるように構成
すると共に、このヒータの作用により前記破砕した籾殻
ａを適度な乾燥状態に保ち、この破砕した籾殻ａが固形
化することが防止されるように構成している。

【００３６】尚、この生ゴミ処理装置１には、例えば、
箱形容体４内の微生物を交換する際の交換排出口を上部
開口部と別個に設けたり、開閉蓋７を開くと自動的に撹
拌機構３が停止して安全性を確保するなどの付加機能を
設けても良く、このように構成すると秀れた機能性を発
揮し、一層実用的となる。

【００３７】次に、本実施例の微生物繁殖用媒体剤と生
ゴミ処理装置１とを使用した生ゴミ２の処理方法を生ゴ
ミ処理装置１の作動を伴って説明すると、前記請求項２
記載の生ゴミ処理装置１内に、生ゴミ２を発酵・分解す
る微生物と共に、前記請求項１記載の生ゴミ処理用の微
生物繁殖用媒体剤を投入し、生ゴミ処理装置１内に生ゴ
ミ２を投入し、前記撹拌機構３と前記木酢液供給機構９
とを作動させて生ゴミ処理装置１内の前記微生物繁殖用
媒体剤に繁殖している微生物と生ゴミ２と木酢液８とを
撹拌することにより、生ゴミ２を発酵・分解することを
特徴とする生ゴミ処理方法に係るものである。

【００３８】更に具体的には、先ず、生ゴミ処理装置１
内に、生ゴミ２を発酵・分解する能力を持った微生物入
りのパウダーと共に微生物繁殖用媒体剤（破砕した籾殻
ａ）を投入し、箱形容体４内で破砕した籾殻ａに微生物
を繁殖させる。次に生ゴミ処理装置１内に生ゴミ２を投
入する。

【００３９】続いて、前記撹拌機構３と換気ファン６と
前記木酢液供給機構９とを作動せさて、生ゴミ処理装置
１内に空気を供給しながら前記微生物繁殖用媒体剤に繁
殖している微生物と生ゴミ２と木酢液８とを撹拌する
と、生ゴミ２が徐々に発酵し分解されることになる。

【００４０】この際、破砕した籾殻ａの全域には空気が
行き渡り易く、また、湿気を吸収しにくいため、破砕し
た籾殻ａの周りが酸欠状態となりにくく微生物の繁殖に
適正な環境となり、微生物が繁殖し易いことになる。ま
た、このように空気が行き渡り易いために保温性も高
く、微生物の活動に適した温度を保ち易いことになる。
また、破砕した籾殻ａが適度な乾燥状態に保持されるた
めに破砕した籾殻ａが固まることが防止されて微生物の
繁殖に適正な環境となる。

【００４１】また、木酢液供給機構９を備えた生ゴミ処
理装置１を使用して木酢液８を供給しながら生ゴミ２を
発酵・分解するから、微生物の活動が活発化し、生ゴミ
２の悪臭も低減することになる。

【００４２】従って、微生物が繁殖し易いために多数の
微生物により極めて効率的な生ゴミ２処理が行われるこ
とになり、しかも多数繁殖する微生物に木酢液８を供給
することで微生物の活動が活発化して悪臭も低減するこ
とになる極めて実用性に秀れた生ゴミ処理方法となる。

【００４３】

【発明の効果】本発明は上述のように構成したから、生
ゴミ処理装置内に微生物と共に破砕した籾殻を投入した
際に、この籾殻原形の１／２〜１／８程度の大きさに破
砕した籾殻の全域に空気が行き渡り易くなったため、破
砕した籾殻の周りが酸欠状態となりにくく微生物の繁殖
に適した環境となり、しかも、このように破砕した籾殻
は周囲に空気が行き渡り易いため、湿気を吸収しにくく
適度な乾燥状態を保持でき、これにより破砕した籾殻が
固まることが防止されて微生物の繁殖に適した環境とな
る秀れた構成の生ゴミ分解処理用の微生物繁殖用媒体剤
となる。

【００４４】また、空気包含率が高いために保温性にも
秀れることになり、これにより微生物の活動に適した温
度を保ち易く、微生物の活発な活動が得られて極めて良
好な生ゴミの発酵・分解処理作用が得られることになる
秀れた生ゴミ分解処理用の微生物繁殖用媒体剤となる。

【００４５】また、籾殻の原形に比してかさのない破砕
した籾殻であるため生ゴミ処理装置による撹拌作動がス
ムーズに行われる上、撹拌することによって破壊されに
くく長く繁殖用媒体剤としての機能を果たし得ることに
なり、しかも破砕した籾殻はかさばらないため大量運搬
に際して非常に便利となるなど極めて実用性に秀れた微
生物繁殖用媒体剤となる。

【００４６】請求項２の発明においては、上述のように
構成したから、木酢液供給機構から供給される木酢液に
よって微生物の活動が活発化し、従来の生ゴミ処理装置
に比して生ゴミの分解処理中の悪臭が著しく低減するこ
とになる極めて実用性に秀れた画期的な生ゴミ処理装置
となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本実施例の破砕した籾殻を示す拡大説明図であ
る。

【図２】本実施例の原形のままの籾殻を示す拡大説明図
である。

【図３】本実施例の生ゴミ処理装置の使用状態を示す説
明図である。

【符号の説明】

１ 生ゴミ処理装置 ２ 生ゴミ ３ 撹拌機構 ４ 容体 ８ 木酢液 ９ 木酢液供給機構 10 投入開口部 Ａ 籾殻 ａ 破砕した籾殻

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 生ゴミ処理装置内に生ゴミを発酵・分解
   する微生物と共に投入して、生ゴミ処理装置内で生ゴミ
   処理用の微生物を繁殖させる生ゴミ処理装置用の微生物
   繁殖用媒体剤であって、籾殻を原型の１／２〜１／８程
   度の大きさに破砕した籾殻としたことを特徴とする生ゴ
   ミ処理装置用の微生物繁殖用媒体剤。
2. 【請求項２】 投入用開口部を備えた容体内に撹拌機構
   を設け、前記容体内に生ゴミを発酵・分解する微生物繁
   殖用媒体剤を投入して容体内で微生物を繁殖させ、この
   微生物が繁殖する容体内に生ゴミを投入し、前記撹拌機
   構を作動させて容体内の微生物と生ゴミとを撹拌するこ
   とにより生ゴミを発酵・分解し得るように構成した生ゴ
   ミ処理装置において、前記容体内に木酢液を供給する木
   酢液供給機構を設けたことを特徴とする生ゴミ処理装
   置。