JP3599797B2 - 厨芥処理方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、主として一般家庭やレストラン等の調理場より発生する厨芥を処理する厨芥処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、一般家庭から排出される野菜屑などの厨芥を家庭内で処理する厨芥処理装置がある。このような装置においては、装置内に配された処理槽に、おが屑等、微生物が生息することができる分解媒体を満たし、これに厨芥を適当な時間間隔をあけて投入し、自動的かつ間欠的に撹拌することによって、該厨芥を分解処理している。
【0003】
ここで、厨芥の投入に関して、「適当な時間間隔をあけて投入」とは、1回/日に限らず、1日に複数回の場合や、2日に1回の場合等も含まれる。また、投入量に関しては、毎回一定量を投入する場合に限らず、1日当りの投入量がほぼ一定であれば種々の場合がある。
【0004】
上記の分解処理においては、分解媒体と厨芥との混合撹拌によって、もともと分解媒体や厨芥に付着していたり、あるいは、大気中に浮遊する好気性微生物が、分解媒体内で増殖する。そして、この好気性微生物が、厨芥に含まれる有機物を二酸化炭素と水とに分解して、厨芥が処理されている。
【0005】
このように分解処理されている段階において、好気性微生物は、例えば、分解媒体がおが屑の場合には、該おが屑に対して、10個/g以上存在し、ほぼ一定の数に保たれている(以下、このように厨芥を十分に分解処理することができ、かつ、微生物の個体数がほぼ一定に保たれている状態を定常状態という)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、分解媒体は、分解処理に使用されていないような新品の段階では、微生物の付着量が少なく、10個/g程度しか付着していない。そのため、このような新品の分解媒体を用いて厨芥を処理した場合、処理の初期段階において、1週間から10日目くらいまでは、分解能力が低い。そのため、投入した厨芥が残留したり、あるいはまた、完全に分解されていない中間代謝物が発生する。
【0007】
すなわち、分解能力が十分出ていないときに過剰の厨芥を投入すると、中間代謝物である有機酸が発生し蓄積されて、臭気が発生してしまう。さらに、この有機酸によって、分解媒体のpHが低下して微生物の増殖が抑えられ、分解性能がさらに低下してしまうという悪循環を示すという問題がある。
【0008】
一方、厨芥を長期間投入せず、その後、厨芥を投入して、その分解処理を再開する場合には、長期の厨芥投入停止により微生物は栄養源を失い、その個体数が低下している。すなわち、分解媒体中における菌体数が、定常状態の菌体数よりも少いので、この段階で厨芥を投入して分解処理を再開すると、上記と同じような問題が生じる。
【0009】
このように、従来の厨芥処理方法では、新しい分解媒体を使用する場合や長期の厨芥停止後に厨芥を投入する場合に、分解能力が低下して、厨芥の残留や臭気の発生という問題がある。
【0010】
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、分解処理に使用していない新たな分解媒体を使用する場合や長期の厨芥停止後に厨芥を投入する場合など、分解媒体中の好気性微生物の個体数が定常状態よりも少ない場合に、早期に微生物の個体数を定常状態に回復させて、厨芥の残留と臭気の発生を防止できる厨芥処理方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1の厨芥処理方法は、微生物が付着可能な分解媒体に厨芥を適当な時間間隔をあけて投入し、撹拌することにより、前記厨芥を分解処理する厨芥処理方法において、厨芥処理装置の処理槽内に分解媒体を投入し、好気性微生物により厨芥よりも容易に分解され得る有機性炭素化合物を前記分解媒体に添加し、撹拌した後、前記処理槽内に厨芥を投入して分解処理するものである。
【0012】
請求項2の厨芥処理方法は、請求項1の処理方法において、前記分解媒体に付着した好気性微生物の数が、定常状態において前記分解媒体に付着している好気性微生物の数よりも少ない場合に、前記分解媒体に前記有機性炭素化合物を添加するものである。
【0013】
請求項3の厨芥処理方法は、請求項2の処理方法において、前記分解媒体に付着した前記好気性微生物の数が、前記分解媒体に対して10 個/g以下である場合に、前記有機性炭素化合物を添加するものである。
【0014】
請求項4の厨芥処理方法は、請求項1〜3の処理方法において、前記有機性炭素化合物が、酵母から抽出した抽出物である処理方法である。
【0015】
【作用】
請求項1の厨芥処理方法では、分解媒体に付着した好気性微生物が有機性炭素化合物を分解することにより、分解媒体内での好気性微生物の増殖が促進される。つまり、この有機性炭素化合物は、好気性微生物によって、厨芥よりも容易に分解されるので、この微生物の栄養源として作用してその増殖が促進される。特に、厨芥の投入を有機性炭素化合物の添加よりも遅くして、分解媒体の分解能力が向上した後に厨芥を投入するので、厨芥の残留や悪臭の発生が抑えられる。
【0016】
請求項2の厨芥処理方法では、長期間厨芥を投入しなかった場合のように、分解媒体中の好気性微生物の数が定常状態よりも少ない場合に、上記有機性炭素化合物を添加する。これにより、分解媒体内での好気性微生物の増殖が促進される。
【0017】
請求項3の厨芥処理方法では、好気性微生物の数が、分解媒体に対して10 個/g以下である場合に、上記の有機性炭素化合物を添加する。これにより、分解媒体内での好気性微生物の増殖が促進される。
【0018】
請求項4の厨芥処理方法では、酵母から抽出した抽出物を有機性炭素化合物として使用するので、好気性微生物の増殖促進効果が高い。
【0019】
【実施例】
以下、本発明の一実施例を図面を参照して説明する。
【0020】
本実施例では、図1に示す厨芥処理装置10を用いて、厨芥を処理する場合について説明する。
【0021】
まず、この厨芥処理装置10の構造について説明する。
【0022】
この厨芥処理装置10は、箱型の本体12内に断熱層14を介して内容積約40lの処理槽16が配されている。この処理槽16には、その上部の投入口18から分解媒体であるおが屑20が充填される。なお、この投入口18には蓋22が開閉自在に取り付けられている。
【0023】
処理槽16の略中央部には、不図示のモータにより水平軸24を中心に回動する撹拌装置が配されている。この撹拌装置は、水平軸24に直交して取付けられた2本の撹拌棒26、26と、この撹拌棒26の両端部に対称に配されて水平軸24の回転により厨芥を粉砕する粉砕刃28、28とよりなる。投入口18より、処理槽16に投入される厨芥は、この粉砕刃28によって適宜の大きさに切断されて、分解処理が促進される。
【0024】
処理槽16の上部には、通気口30が設けられており、不図示のモータによって通気ファン32を作動させて、槽16内の空気を循環させる。なお、通気孔30と通気ファン32との間には、不図示の脱臭装置が設けられており、本体12から外へ排出される空気は、オゾン処理等の脱臭処理により脱臭される。
【0025】
処理槽16の下部には、加熱ヒータ34が配されており、槽16内を加熱することができる。さらに、この処理槽16の下部には、槽16内に充填されたおが屑20の水分率と温度とを検知するセンサ36と、槽16の下方に配された受け皿38におが屑20を排出する排出扉40とが設けられている。
【0026】
加熱ヒータ34とセンサ36とは、本体12の背部に配された制御装置42に接続されており、この制御装置42により処理槽16内を適切な温度と水分率に保っている。なお、受け皿38は、本体12の正面扉44を開閉することにより出し入れできる。
【0027】
次に、定常状態で厨芥を処理する方法を説明することにより、本装置10の作用について説明する。
【0028】
定常状態では、従来技術で述べたように、おが屑20が満たされた処理槽16に、投入口18から厨芥を適当な時間間隔をあけて投入し、自動的かつ間欠的に撹拌することによって、おが屑20中の好気性微生物が厨芥に含まれる有機物を二酸化炭素と水とに分解して、厨芥が分解処理される。なお、厨芥は、一般に、約20%の有機物と約80%の水とよりなるので、この有機物を処理すれば、厨芥が処理されたことになる。
【0029】
ここで、処理槽16内には、おが屑20が30l充填されており、このおが屑20中には、好気性微生物が増殖し、おが屑20に対して10 個/g程度存在している。
【0030】
微生物の分解により生成された水と厨芥に含まれている水分は、通気ファン32によって、通気口30から装置10外へ放出される。また、厨芥の分解に必要な酸素は、この通気ファン32によって装置10外部から処理槽16内に取込まれ、撹拌装置による撹拌によって、おが屑20の深部まで供給される。
【0031】
なお、分解処理は、通常20〜50℃で行われる。その際に必要な熱は、その分解処理により発生する醗酵熱の他、加熱ヒータ34によっても供給される。
【0032】
処理槽16には、約1kg/日の厨芥が投入される。厨芥が投入されると、約5〜6時間で微生物による生分解がピークを迎え、醗酵温度が50℃近くに達する。その後、醗酵はおさまり、ほぼ20時間で分解は完了する。このようにして、定常状態においては、厨芥が残留したり、臭気が発生することなく、厨芥が分解処理されている。
【0033】
以下、おが屑20内の好気性微生物の数が、定常状態における個体数よりも少ない場合について説明する。
【0034】
まず、未使用の新しい分解媒体を使用する場合について説明する。なお、ここでは、処理装置10の立ち上げ時、即ち、おが屑20が全て新品である場合における分解処理の初期段階について、その厨芥処理方法を説明する。
【0035】
処理槽16に、新品のおが屑を30l(約6kg)投入し、その後、このおが屑20に、ビール酵母からの抽出物であるバイオ培養基材を100g添加する。
【0036】
そして、装置10の電源を入れて撹拌、通気、温度制御を開始する。
【0037】
電源投入から半日経過後に、最初の厨芥を投入口18より処理槽16内に投入する。
【0038】
図2は、この分解初期段階におけるおが屑中の好気性微生物の数変化と処理槽16内のpHの変化とを示したグラフであり、図中、「実施例1」は、バイオ培養基材を添加した本処理方法であり、「比較例1」は、該基材を添加しない従来の処理方法である。また、実線は菌体数変化、点線はpH変化である。さらに、矢印Aは、厨芥の投入時機である。なお、厨芥は、1kg/日にて投入した。
【0039】
この図2に示すように、比較例1では、菌体数が10 個/gの定常状態に達するまで、7日ないしそれ以上かかるのに対して、実施例1では、3〜4日で定常状態になっており、しかも、その定常状態の菌体数が、5×10個/gと多い。
【0040】
また、比較例1では、処理開始1日経過後から処理槽16内がpH6以下の酸性となり、7日経過後においても若干酸性となっているのに対して、実施例1では、pHがほとんど変化せず、多少アルカリ性となっている。このため、実施例1では、菌の増殖に最適な状態となっている。
【0041】
図3は、この初期段階における処理槽16の厨芥分解能力の経時変化を示したグラフである。この分解能力は、菌の分解により発生する二酸化炭素量から換算した。なお、「実施例1」、「比較例1」は、図2と同様である。
【0042】
図3に示すように、実施例1では、分解能力の立ち上りが速く、処理開始より1〜2日程度で高レベル(70程度)で定常状態となっている。これに対して、比較例1では、分解能力の立ち上りが鈍く、定常状態になるまでに5日以上かかり、しかも、その定常状態での分解能力(50程度)が、実施例1と比べて低い。
【0043】
これは、図2に示すように、比較例1では、処理槽16内が若干酸性になっているため、菌の増殖が抑えられていることによると考えられる。なお、図3において「B」として示すように、比較例1では、2〜4日目にかけて、悪臭が発生した。一方、実施例1では、悪臭の発生はなかった。
【0044】
以上のように、新しいおが屑20のみを用いて、処理装置10の立ち上げる場合であっても、厨芥を投入する前に、おが屑20にバイオ培養基材を添加するので、その分解初期での分解能力が上り、厨芥の残留や悪臭の発生が抑えられる。
【0045】
次に、長期の厨芥停止後に厨芥を投入して厨芥処理を再開する場合における厨芥処理方法について説明する。
【0046】
ここでは、厨芥処理を連続運転で行なった後に、長期間、例えば、1週間厨芥を投入せず、処理槽16内におが屑20をそのまま入れておき、そこから厨芥投入を再開するときの処理方法について述べる。
【0047】
本処理方法においては、再び厨芥を投入し始める前に、バイオ培養基材を処理槽16内に添加する。
【0048】
図4に、この場合におけるおが屑20中の菌体数の変化を示す。ここでは、投入停止期間を、図中、「C」で示す7日間(−7〜0日)とした。また、図中、「実施例2」は、バイオ培養基材を添加した本処理方法であり、「比較例2」は、該基材を添加しない従来の処理方法である。また、矢印Aは、厨芥の投入時機であり、1kg/日にて投入している。なお、実施例2でのバイオ培養基材の添加量は100gとした。
【0049】
図4に示すように、処理槽16内に長期間厨芥が投入されないと、3〜4日で、おが屑中の菌体の数が、定常状態の5×10個/gから、10個/gまで減少する。
【0050】
これは、菌体の栄養源がなくなってしまうためであり、1週間投入を停止すると、おが屑中の好気性菌の数が5×10個/g程度まで低下している。
【0051】
実施例2では、厨芥投入再開前、即ち、図4の処理日数0日における厨芥投入時機Aの前に、バイオ培養基材を処理槽16内に添加している。このため、菌体の増殖の立ち上りが速く、厨芥投入再開からほぼ2日間で、菌体数が、長期停止前の状態、即ち、定常状態の5×10個/gの状態まで回復している。また、この間、臭気の発生もなかった。
【0052】
これに対し、比較例2では、菌体数の立ち上りが悪く、定常状態に回復するのに5日間要している。このため、厨芥の残留と臭気の発生が見られた。
【0053】
以上のように、長期の厨芥停止後に厨芥を投入して厨芥処理を再開する場合では、分解処理を再開する時、厨芥投入前に、バイオ培養基材を処理槽内に添加するので、分解能力の回復が速く、厨芥の残留や悪臭の発生が抑えられる。
【0054】
次に、以上に説明した2つの実施例において添加するバイオ培養基材の添加量について詳述する。
【0055】
図5は、おが屑に添加するバイオ培養基材の添加量と、おが屑内の乳酸菌の生育度との関係を示すグラフである。なお、図5における「バイオ培養基材の添加量」は、おが屑に対する該培養基材の含有炭素の重量比率(%)である。なお、このバイオ培養基材の炭素含有率は、約50%である。
【0056】
図5に示すように、添加量が含有炭素量換算で、0.5%以下であると、乳酸菌の生育度が低く、即ち、添加効果が小さい。よって、バイオ培養基材の添加量は、おが屑の重量に対して、含有炭素量として、0.5%以上が望ましい。
【0057】
また、図5の生育度曲線は、添加量が2.0%付近からその勾配が非常に小さくなる。即ち、添加量が2%を越えると生育度はあまり向上しなくなる。特に、10%を越えると、生育度があまり向上しないだけでなく、このようなバイオ培養基材が一般に有する吸湿性のため、分解媒体が処理槽内で固着化して団塊状になるという弊害が生じやすい。
【0058】
そのため、バイオ培養基材の添加量は、分解媒体の重量に対して含有炭素量として、0.5%以上、望ましくは、0.5%〜10%、更に望ましくは、0.5〜2%である。
【0059】
なお、このバイオ培養基材は、上述した酵母抽出物に限定されることなく、好気性微生物によって、厨芥よりも容易に分解され得る有機性炭素化合物であれば、種々使用することができる。この有機性炭素化合物により、微生物の増殖が促進され、分解媒体の分解能力が高められる。即ち、分解媒体が活性化される。
【0060】
このような有機性炭素化合物には、澱粉、糖類等の炭水化物や蛋白質、脂肪などを用いることができるが、必ずしも生物由来の物質に限らない。また、例えば、葡萄糖などの水溶性物質であってもよい。ただし、酵母注出物であると、その取扱い、コスト及び効果の関係から最適である。
【0061】
上記2つの実施例においては、バイオ培養基材が、厨芥を投入する半日前に添加されていたが、これに限定されることなく、例えば、最初の厨芥を投入する直前、あるいは、厨芥投入の数日前、例えば2日前であってもよい。このように、厨芥の投入をバイオ培養基材の添加よりも遅くして、分解媒体の分解能力が向上した後に厨芥を投入すると、臭気の発生や厨芥の蓄積がない。なお、バイオ培養基材を数日前に添加しておいた場合には、分解媒体の分解能力が予め非常に高くなっているので、更に厨芥の初期の分解速度を向上させることができる。
【0063】
本実施例では、バイオ培養基材の添加を、処理槽へのおが屑充填時に行なっている。即ち、おが屑とバイオ培養基材とを、別々に保存しておき、処理槽内におが屑を充填したときに、バイオ培養基材をおが屑に添加している。そのため、バイオ培養基材の保存性に優れる。
【0064】
これは、新品のおが屑は、菌体が少く、かつ、水分が少ないとはいえ、予めバイオ培養基材を混入しておくと、このバイオ培養基材が、菌体により分解されたり、あるいは、水分により劣化したり、あるいはまた、黴が発生するなどして、該基材の添加効果が少なくなってしまうからである。また、おが屑も別包により保存するので、水分を含んだ状態で保存することができ、よって、保存前に乾燥等の処理が不要であり、更に、予めおが屑を殺菌処理する必要もない。ただし、おが屑を予め殺菌処理しておくことにより、その保存性を上げることもできる。
【0065】
なお、本実施例では、分解媒体として、おが屑を用いたが、菌体が生息する多孔質体であればよく、例えば、ゼオライト、パーライトでもよい。
【0066】
また、本発明の処理方法は、上述した、処理装置の立ち上げる場合と、長期の厨芥停止後に厨芥を投入する場合とに限定されることなく、分解媒体中の好気性微生物の個体数が定常状態よりも少ない場合、例えば10個/g以下の場合にも適用することができる。そのため、毎日厨芥を投入していたにも拘らず、厨芥投入量が少ないために、分解媒体中の好気性菌の数が少ない場合にも適用できる。
【0067】
【発明の効果】
本発明の厨芥処理方法であれば、有機性炭素化合物が、好気性微生物によって厨芥よりも容易に分解されるので、この微生物の栄養源として作用し、分解媒体中の好気性微生物の増殖が促進される。そのため、新たな分解媒体を使用する場合や長期の厨芥停止後に厨芥を投入する場合など、分解媒体中の好気性微生物の個体数が定常状態よりも少ない場合であっても、好気性微生物の数を早期に定常状態にすることができる。即ち、分解媒体の分解能力の向上が速いので、厨芥の残留がなく、臭気が発生しない。
【0068】
また、有機性炭素化合物として酵母から抽出した抽出物を使用すると、好気性微生物の増殖促進効果が更に高いので、分解媒体の分解能力をより速く向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の厨芥処理方法において用いられる厨芥処理装置10の斜視図である。
【図2】本発明の一実施例に係る厨芥処理方法の分解初期段階におけるおが屑中の好気性微生物の数と処理槽内のpHの経時変化を示すグラフである。
【図3】図2における処理槽の厨芥分解能力の経時変化を示すグラフである。
【図4】本発明の他の実施例に係る厨芥処理方法の分解初期段階におけるおが屑中の好気性微生物の数の経時変化を示すグラフである。
【図5】おが屑に添加するバイオ培養基材の添加量とおが屑内の乳酸菌の生育度との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
10……厨芥処理装置
16……処理槽
18……投入口
20……おが屑
26……撹拌棒
28……粉砕刃
30……通気口
32……通気ファン
34……加熱ヒータ
A……厨芥投入時機
B……臭気発生期間
C……厨芥投入停止期間

Claims (4)

  1. 微生物が付着可能な分解媒体に厨芥を適当な時間間隔をあけて投入し、撹拌することにより、前記厨芥を分解処理する厨芥処理方法において、
    厨芥処理装置の処理槽内に分解媒体を投入し、好気性微生物により厨芥よりも容易に分解され得る有機性炭素化合物を前記分解媒体に添加し、撹拌した後、前記処理槽内に厨芥を投入して分解処理することを特徴とする厨芥処理方法。
  2. 前記分解媒体に付着した好気性微生物の数が、定常状態において前記分解媒体に付着している好気性微生物の数よりも少ない場合に、前記分解媒体に前記有機性炭素化合物を添加することを特徴とする請求項1に記載の厨芥処理方法。
  3. 前記分解媒体に付着した前記好気性微生物の数が、前記分解媒体に対して10個/g以下である場合に、前記有機性炭素化合物を添加することを特徴とする請求項に記載の厨芥処理方法。
  4. 前記有機性炭素化合物が、酵母から抽出した抽出物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の厨芥処理方法。
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