JPH11300394A - 汚泥脱水ケーキの高温好気処理法 - Google Patents
汚泥脱水ケーキの高温好気処理法Info
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- JPH11300394A JPH11300394A JP10948198A JP10948198A JPH11300394A JP H11300394 A JPH11300394 A JP H11300394A JP 10948198 A JP10948198 A JP 10948198A JP 10948198 A JP10948198 A JP 10948198A JP H11300394 A JPH11300394 A JP H11300394A
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- Y02W—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
- Y02W10/00—Technologies for wastewater treatment
- Y02W10/20—Sludge processing
Landscapes
- Processing Of Solid Wastes (AREA)
- Treatment Of Sludge (AREA)
- Fertilizers (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 汚泥脱水ケーキを高温好気法により効率的に
分解して減量化する。 【解決手段】 微生物担体を内蔵する醗酵槽に、汚泥脱
水ケーキと廃油脂とを投入し、高温好気性発酵を行って
汚泥脱水ケーキと廃油脂とを酸化分解する。汚泥脱水ケ
ーキの固形分と廃油脂の油分との混合比は重量で1.5
〜3.4に調整する。
分解して減量化する。 【解決手段】 微生物担体を内蔵する醗酵槽に、汚泥脱
水ケーキと廃油脂とを投入し、高温好気性発酵を行って
汚泥脱水ケーキと廃油脂とを酸化分解する。汚泥脱水ケ
ーキの固形分と廃油脂の油分との混合比は重量で1.5
〜3.4に調整する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は汚泥脱水ケーキの高
温好気処理法に係り、特に、排水の生物処理工程から大
量に発生する汚泥脱水ケーキを廃油脂を利用して、高温
好気法により効率的に分解して減量化する方法に関す
る。
温好気処理法に係り、特に、排水の生物処理工程から大
量に発生する汚泥脱水ケーキを廃油脂を利用して、高温
好気法により効率的に分解して減量化する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、汚泥脱水ケーキの処理手段には、
焼却、埋め立て、発酵によるコンポスト化などの方法が
あるが、いずれも次のような欠点があった。
焼却、埋め立て、発酵によるコンポスト化などの方法が
あるが、いずれも次のような欠点があった。
【0003】即ち、焼却は汚泥脱水ケーキを1000℃
程度に加熱して分解する方法であるが、ランニングコス
トが高く、高温焼成のために、汚泥中の窒素成分や硫黄
成分の一部がNOxやSOxとなる上に、ダイオキシンも
発生するため、排ガスによる二次汚染の問題がある。
程度に加熱して分解する方法であるが、ランニングコス
トが高く、高温焼成のために、汚泥中の窒素成分や硫黄
成分の一部がNOxやSOxとなる上に、ダイオキシンも
発生するため、排ガスによる二次汚染の問題がある。
【0004】また、埋め立ては、汚泥を脱水ケーキのま
まで最終処分場に埋めるものであり、脱水ケーキが未処
理であるため、衛生上の問題がある上に、処分場の不足
の問題もある。
まで最終処分場に埋めるものであり、脱水ケーキが未処
理であるため、衛生上の問題がある上に、処分場の不足
の問題もある。
【0005】また、コンポスト化のうち、汚泥脱水ケー
キを電気等のエネルギーで含水率60%程度に低下させ
た後、発酵させる乾燥発酵法では、発酵に30日以上も
の長時間を要し、また、脱水ケーキの分解率は10%以
下と低く、しかもエネルギー使用量が多いという欠点が
ある。脱水ケーキをおがくず等と混合して発酵する融合
発酵法でも、減量率50%以下、分解率35%以下で、
減量、分解効率は悪い。
キを電気等のエネルギーで含水率60%程度に低下させ
た後、発酵させる乾燥発酵法では、発酵に30日以上も
の長時間を要し、また、脱水ケーキの分解率は10%以
下と低く、しかもエネルギー使用量が多いという欠点が
ある。脱水ケーキをおがくず等と混合して発酵する融合
発酵法でも、減量率50%以下、分解率35%以下で、
減量、分解効率は悪い。
【0006】これに対して、高温好気槽内で汚泥脱水ケ
ーキをおが屑等の微生物担体と撹拌混合することによ
り、高温好気性菌により有機物を分解し、この分解によ
る反応熱で槽内温度を50〜60℃に維持する高温好気
法によれば、汚泥脱水ケーキを効果的に減量化すること
ができる。
ーキをおが屑等の微生物担体と撹拌混合することによ
り、高温好気性菌により有機物を分解し、この分解によ
る反応熱で槽内温度を50〜60℃に維持する高温好気
法によれば、汚泥脱水ケーキを効果的に減量化すること
ができる。
【0007】図1は、一般的な高温好気処理装置の概略
的な構成を示す系統図である。図示の如く、高温好気処
理装置は、貯留槽1、高温好気槽2、ミスト分離器3、
ミスト貯留槽4、脱臭塔5、ヒータ6、その他図示しな
い通気,排気ファン、担体含水率の制御手段、担体乾燥
設備等で主に構成される。被処理物は、貯留槽1からコ
ンベア等で搬送されて高温好気槽2に投入され、おが屑
等の微生物担体と共に混合される。この高温好気槽2に
は、槽底部の散気管から空気が供給され、槽内は好気条
件に維持される。分解処理物は槽下部からコンベア等に
より搬出される。高温好気槽2の排気中には大量の水蒸
気が含まれているため、ミスト分離器3で分離し、分離
した水分はミスト貯留槽4に貯留する。ミストを分離し
た排気の一部は、分解により生成したアンモニア等を薬
洗脱臭塔5で除去した後系外へ排出され、残部は高温好
気槽2へ循環される。ミスト貯留槽4内の水は、担体の
水分調整のために高温好気槽2に返送される。この水分
調整用の水や通気用空気は適宜系外から補給される。
的な構成を示す系統図である。図示の如く、高温好気処
理装置は、貯留槽1、高温好気槽2、ミスト分離器3、
ミスト貯留槽4、脱臭塔5、ヒータ6、その他図示しな
い通気,排気ファン、担体含水率の制御手段、担体乾燥
設備等で主に構成される。被処理物は、貯留槽1からコ
ンベア等で搬送されて高温好気槽2に投入され、おが屑
等の微生物担体と共に混合される。この高温好気槽2に
は、槽底部の散気管から空気が供給され、槽内は好気条
件に維持される。分解処理物は槽下部からコンベア等に
より搬出される。高温好気槽2の排気中には大量の水蒸
気が含まれているため、ミスト分離器3で分離し、分離
した水分はミスト貯留槽4に貯留する。ミストを分離し
た排気の一部は、分解により生成したアンモニア等を薬
洗脱臭塔5で除去した後系外へ排出され、残部は高温好
気槽2へ循環される。ミスト貯留槽4内の水は、担体の
水分調整のために高温好気槽2に返送される。この水分
調整用の水や通気用空気は適宜系外から補給される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】高温好気法による汚泥
脱水ケーキの減量化には、高い汚泥分解率と高温(50
〜60℃)を維持するための第1条件として、担体の含
水率を30〜50%に維持する必要があるが、汚泥脱水
ケーキのみを高温好気槽2に投入すると、発生する熱で
脱水ケーキに含まれる水を完全に蒸発させることができ
ないために、槽内担体の含水率が徐々に高まり、担体の
通気性が悪くなって、脱水ケーキの分解効率が低下して
くる。そして、この結果、槽内は好気状態から嫌気状態
となり、脱水ケーキの分解処理ができなくなる。
脱水ケーキの減量化には、高い汚泥分解率と高温(50
〜60℃)を維持するための第1条件として、担体の含
水率を30〜50%に維持する必要があるが、汚泥脱水
ケーキのみを高温好気槽2に投入すると、発生する熱で
脱水ケーキに含まれる水を完全に蒸発させることができ
ないために、槽内担体の含水率が徐々に高まり、担体の
通気性が悪くなって、脱水ケーキの分解効率が低下して
くる。そして、この結果、槽内は好気状態から嫌気状態
となり、脱水ケーキの分解処理ができなくなる。
【0009】本発明はこのような問題を解決し、汚泥脱
水ケーキを高温好気法により効率的に分解して減量化す
る汚泥脱水ケーキと廃油脂の高温好気処理法を提供する
ことを目的とする。
水ケーキを高温好気法により効率的に分解して減量化す
る汚泥脱水ケーキと廃油脂の高温好気処理法を提供する
ことを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の汚泥脱水ケーキ
と廃油脂の高温好気処理法は、微生物担体を内蔵する醗
酵槽に汚泥脱水ケーキ及び廃油脂を供給し、高温好気性
発酵を行って汚泥脱水ケーキ及び廃油脂を酸化分解する
ことを特徴とする。
と廃油脂の高温好気処理法は、微生物担体を内蔵する醗
酵槽に汚泥脱水ケーキ及び廃油脂を供給し、高温好気性
発酵を行って汚泥脱水ケーキ及び廃油脂を酸化分解する
ことを特徴とする。
【0011】本発明に従って、汚泥脱水ケーキと廃油脂
とを醗酵槽(高温好気槽)に供給することにより、汚泥
脱水ケーキを高い分解率で分解して、効果的に減量する
ことができる。
とを醗酵槽(高温好気槽)に供給することにより、汚泥
脱水ケーキを高い分解率で分解して、効果的に減量する
ことができる。
【0012】即ち、本発明で処理対象とする汚泥脱水ケ
ーキは、主に常温の微生物の形として構成されている。
この汚泥脱水ケーキを分解するためには、微生物細胞膜
内の水分を別の熱源で蒸発させ、最終的に細胞膜を破
り、固形分を分解させる必要がある。本発明では、この
ために植物性廃油脂、動物性廃油脂等の廃油脂を汚泥脱
水ケーキに混合して高温好気槽に投入し、下記a,bの
食用廃油脂の分解反応で生成する分解熱によって汚泥脱
水ケーキ中の水分を蒸発させ、担体の含水率を好適範囲
に保つと共に、高温好気処理に必要な60℃前後の高温
を維持して、汚泥脱水ケーキ中の主成分である微生物細
胞や下記cの反応で新たに生成する微生物を、下記dの
反応で二酸化炭素にまで効率的に分解する。この微生物
細胞の分解と水分の蒸発で汚泥脱水ケーキを1/5〜1
/10まで減量化することができる。
ーキは、主に常温の微生物の形として構成されている。
この汚泥脱水ケーキを分解するためには、微生物細胞膜
内の水分を別の熱源で蒸発させ、最終的に細胞膜を破
り、固形分を分解させる必要がある。本発明では、この
ために植物性廃油脂、動物性廃油脂等の廃油脂を汚泥脱
水ケーキに混合して高温好気槽に投入し、下記a,bの
食用廃油脂の分解反応で生成する分解熱によって汚泥脱
水ケーキ中の水分を蒸発させ、担体の含水率を好適範囲
に保つと共に、高温好気処理に必要な60℃前後の高温
を維持して、汚泥脱水ケーキ中の主成分である微生物細
胞や下記cの反応で新たに生成する微生物を、下記dの
反応で二酸化炭素にまで効率的に分解する。この微生物
細胞の分解と水分の蒸発で汚泥脱水ケーキを1/5〜1
/10まで減量化することができる。
【0013】
【化1】
【0014】本発明において、汚泥脱水ケーキの固形分
と廃油脂の油分との割合は重量比で1.5〜3.4とす
るのが好ましく、このような混合割合で汚泥脱水ケーキ
と廃油脂とを醗酵槽に供給することで、効率的な分解を
行える。
と廃油脂の油分との割合は重量比で1.5〜3.4とす
るのが好ましく、このような混合割合で汚泥脱水ケーキ
と廃油脂とを醗酵槽に供給することで、効率的な分解を
行える。
【0015】なお、以下において、汚泥脱水ケーキ(D
S:Dewatering Sludge)と廃油脂
(WO:Waste Fats and Fatty
Oils)との重量比を次のように示す。
S:Dewatering Sludge)と廃油脂
(WO:Waste Fats and Fatty
Oils)との重量比を次のように示す。
【0016】<湿潤DS/WO>汚泥脱水ケーキの水分
をも含めた湿潤状態の重量と、廃油脂の油分(廃油脂か
ら水分を除いた残分)の重量との比 <乾燥DS/WO>汚泥脱水ケーキの固形分(水分を除
いた残分)の重量と、廃油脂の油分(廃油脂から水分を
除いた残分)の重量との比 即ち、本発明では乾燥DS/WO=1.5〜3.4に調
整するが、この値は通常、湿潤DS/WO=10〜17
に相当する。
をも含めた湿潤状態の重量と、廃油脂の油分(廃油脂か
ら水分を除いた残分)の重量との比 <乾燥DS/WO>汚泥脱水ケーキの固形分(水分を除
いた残分)の重量と、廃油脂の油分(廃油脂から水分を
除いた残分)の重量との比 即ち、本発明では乾燥DS/WO=1.5〜3.4に調
整するが、この値は通常、湿潤DS/WO=10〜17
に相当する。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に本発明の汚泥脱水ケーキと
廃油脂の高温好気処理法の実施の形態を詳細に説明す
る。
廃油脂の高温好気処理法の実施の形態を詳細に説明す
る。
【0018】本発明の方法は、汚泥脱水ケーキと共に所
定量の廃油脂を高温好気槽に供給すること以外は、図1
に示すような高温好気処理装置を用いて、常法に従って
行うことができる。
定量の廃油脂を高温好気槽に供給すること以外は、図1
に示すような高温好気処理装置を用いて、常法に従って
行うことができる。
【0019】即ち、汚泥脱水ケーキと廃油脂の混合物
を、担体を充填した高温好気槽2に投入し、撹拌及び通
気下で高温好気処理を行う。
を、担体を充填した高温好気槽2に投入し、撹拌及び通
気下で高温好気処理を行う。
【0020】本発明において、処理対象とする汚泥脱水
ケーキは、排水の生物処理工程等から排出される汚泥を
常法に従って脱水して、含水率80〜85%程度にした
ものである。
ケーキは、排水の生物処理工程等から排出される汚泥を
常法に従って脱水して、含水率80〜85%程度にした
ものである。
【0021】一方、廃油脂としては、動物性であっても
植物性であっても良く、例えば、下水や厨房排水等の回
収廃油であるグリストラップ、天ぷら油の廃油等の食用
廃油を用いることができる。これらの廃油脂は、通常含
水率0〜60%程度であるが、本発明において、乾燥D
S/WO及び湿潤DS/WOの割合は、この廃油脂中の
水分は除いた値で示す。
植物性であっても良く、例えば、下水や厨房排水等の回
収廃油であるグリストラップ、天ぷら油の廃油等の食用
廃油を用いることができる。これらの廃油脂は、通常含
水率0〜60%程度であるが、本発明において、乾燥D
S/WO及び湿潤DS/WOの割合は、この廃油脂中の
水分は除いた値で示す。
【0022】本発明において、汚泥脱水ケーキの固形分
と廃油脂の油分との混合重量比、即ち、乾燥DS/WO
は1.5〜3.4となるように調整する。この乾燥DS
/WOは、湿潤DS/WOで示すと10〜17である。
汚泥脱水ケーキと廃油脂との混合比が、この範囲よりも
多いと、油分が少な過ぎて高温好気槽内の高温を維持し
得ず、水分を十分に蒸発させることができない。逆に、
汚泥脱水ケーキと廃油脂との混合比がこの範囲よりも少
ないと、汚泥脱水ケーキに先行して優先的に分解される
油分が多過ぎて、汚泥脱水ケーキの分解効率が悪くな
る。
と廃油脂の油分との混合重量比、即ち、乾燥DS/WO
は1.5〜3.4となるように調整する。この乾燥DS
/WOは、湿潤DS/WOで示すと10〜17である。
汚泥脱水ケーキと廃油脂との混合比が、この範囲よりも
多いと、油分が少な過ぎて高温好気槽内の高温を維持し
得ず、水分を十分に蒸発させることができない。逆に、
汚泥脱水ケーキと廃油脂との混合比がこの範囲よりも少
ないと、汚泥脱水ケーキに先行して優先的に分解される
油分が多過ぎて、汚泥脱水ケーキの分解効率が悪くな
る。
【0023】従って、乾燥DS/WO=1.5〜3.4
(湿潤DS/WO=10〜17)、好ましくは乾燥DS
/WO=1.8〜2.8(湿潤DS/WO=11〜1
3)とする。
(湿潤DS/WO=10〜17)、好ましくは乾燥DS
/WO=1.8〜2.8(湿潤DS/WO=11〜1
3)とする。
【0024】汚泥脱水ケーキと廃油脂との混合物の高温
好気槽への投入負荷は、純固形分量(汚泥脱水ケーキか
ら水分量を引いた固形分量と廃油脂から水分量を引いた
油分量との合計)で30〜38kg/m3・日、特に3
0〜35kg/m3・日とするのが好ましい。投入負荷
がこの範囲より多くても少なくても分解率が低下する。
好気槽への投入負荷は、純固形分量(汚泥脱水ケーキか
ら水分量を引いた固形分量と廃油脂から水分量を引いた
油分量との合計)で30〜38kg/m3・日、特に3
0〜35kg/m3・日とするのが好ましい。投入負荷
がこの範囲より多くても少なくても分解率が低下する。
【0025】高温好気槽内に充填する微生物担体として
は、多孔質(孔径20〜100μm)で保水性(2.0
g/g以上)が高く、かつ菌のすみかとして好適な材
料、例えば、おが屑、わら、もみがら、コーヒー滓など
を用いることができる。この担体のサイズは通常2〜5
mmである。これらの担体は高温好気槽の有効容積1m
3当り、160〜200kg(通常、0.64〜0.8
m3)程度充填するのが好ましい。担体は殆ど分解され
ないが、汚泥脱水ケーキ中の灰分は担体に蓄積されるた
め、適宜担体を高温好気槽から引き抜き、残留灰分と有
機分の残留量によって、更に高温好気槽内に灰分が蓄積
しないように調整する。
は、多孔質(孔径20〜100μm)で保水性(2.0
g/g以上)が高く、かつ菌のすみかとして好適な材
料、例えば、おが屑、わら、もみがら、コーヒー滓など
を用いることができる。この担体のサイズは通常2〜5
mmである。これらの担体は高温好気槽の有効容積1m
3当り、160〜200kg(通常、0.64〜0.8
m3)程度充填するのが好ましい。担体は殆ど分解され
ないが、汚泥脱水ケーキ中の灰分は担体に蓄積されるた
め、適宜担体を高温好気槽から引き抜き、残留灰分と有
機分の残留量によって、更に高温好気槽内に灰分が蓄積
しないように調整する。
【0026】これらの担体は、好ましくは、装置立ち上
げ時には含水率40〜60%に、その後の定常運転時に
は含水率30〜40%に調整される。
げ時には含水率40〜60%に、その後の定常運転時に
は含水率30〜40%に調整される。
【0027】また、高温好気槽への通気量は、槽内の含
水率や温度条件が好適に維持されるように調整される
が、一般的には150〜250L/m3・分である。ま
た、通気する空気温度は常温〜90℃の範囲である。
水率や温度条件が好適に維持されるように調整される
が、一般的には150〜250L/m3・分である。ま
た、通気する空気温度は常温〜90℃の範囲である。
【0028】汚泥脱水ケーキと廃油脂とを高温好気槽2
に投入すると、前述の如く分解反応熱で槽内温度は50
〜65℃に上昇し、この高温条件により、汚泥脱水ケー
キの分解が加速され、汚泥脱水ケーキの微生物細胞は二
酸化炭素にまで分解される。また高温好気性菌の活動も
活性化され、効率的な処理を行える。そして、この高温
条件により、汚泥脱水ケーキ及び廃油脂中の水分が蒸発
して除去される。この水分蒸発量は通常投入水分量に対
して120〜130%程度となる。
に投入すると、前述の如く分解反応熱で槽内温度は50
〜65℃に上昇し、この高温条件により、汚泥脱水ケー
キの分解が加速され、汚泥脱水ケーキの微生物細胞は二
酸化炭素にまで分解される。また高温好気性菌の活動も
活性化され、効率的な処理を行える。そして、この高温
条件により、汚泥脱水ケーキ及び廃油脂中の水分が蒸発
して除去される。この水分蒸発量は通常投入水分量に対
して120〜130%程度となる。
【0029】高温好気処理で生成する排ガスは、汚泥脱
水ケーキからの大量の蒸気を含むため、これをミスト分
離器3で分離し、必要に応じて脱臭塔5で脱臭処理した
後系外へ排出する。
水ケーキからの大量の蒸気を含むため、これをミスト分
離器3で分離し、必要に応じて脱臭塔5で脱臭処理した
後系外へ排出する。
【0030】また、排ガスから分離した水は、ミスト貯
留槽4から一部高温好気槽2に戻し、これを担体の水分
調整に利用する。高温好気槽2には、必要に応じて更に
別途水を添加することにより、高温好気槽2中の担体の
含水率を30〜40%に調整する。
留槽4から一部高温好気槽2に戻し、これを担体の水分
調整に利用する。高温好気槽2には、必要に応じて更に
別途水を添加することにより、高温好気槽2中の担体の
含水率を30〜40%に調整する。
【0031】なお、高温好気槽2への汚泥脱水ケーキ及
び廃油脂の投入頻度は1〜3日に1回とし、高温好気槽
2内は1日に2〜3回の割合で撹拌するのが好ましい。
この撹拌により槽内の塊状物を崩して担体との接触を良
くし、高温好気性菌による分解効率を高めることができ
る。
び廃油脂の投入頻度は1〜3日に1回とし、高温好気槽
2内は1日に2〜3回の割合で撹拌するのが好ましい。
この撹拌により槽内の塊状物を崩して担体との接触を良
くし、高温好気性菌による分解効率を高めることができ
る。
【0032】このような本発明の方法によれば、汚泥脱
水ケーキを80%以上の分解率(VTS/TSの分解率
は80〜90%)で効率的に分解して減量化することが
できる。
水ケーキを80%以上の分解率(VTS/TSの分解率
は80〜90%)で効率的に分解して減量化することが
できる。
【0033】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をよ
り具体的に説明する。
り具体的に説明する。
【0034】実施例1 図1に示す装置により、し尿処理汚泥脱水ケーキとグリ
ストラップとの処理を行った。
ストラップとの処理を行った。
【0035】用いた汚泥脱水ケーキ及びグリストラップ
の性状は表1に示す通りである。
の性状は表1に示す通りである。
【0036】
【表1】
【0037】用いた高温好気槽は有効容積1m3の円筒
型であり、底部に通気用散気管を備え、また、槽内の内
容物を完全撹拌するための縦型スクープ方式の撹拌機を
備える。この高温好気槽内には保水量2.5g/g、主
孔径50μmで約1〜5mmのサイズの多孔質担体であ
るおが屑を1.0m3充填し、水を添加して含水率を3
5%に調節した。槽底部の散気管からはブロアにより2
00L/m3・分で35℃の空気を通気した。なお、こ
の通気量の50%は排気空気を利用した(循環空気比5
0%)。外気温は20℃であった。
型であり、底部に通気用散気管を備え、また、槽内の内
容物を完全撹拌するための縦型スクープ方式の撹拌機を
備える。この高温好気槽内には保水量2.5g/g、主
孔径50μmで約1〜5mmのサイズの多孔質担体であ
るおが屑を1.0m3充填し、水を添加して含水率を3
5%に調節した。槽底部の散気管からはブロアにより2
00L/m3・分で35℃の空気を通気した。なお、こ
の通気量の50%は排気空気を利用した(循環空気比5
0%)。外気温は20℃であった。
【0038】汚泥脱水ケーキとグリストラップの純固形
分の投入負荷は32kg/m3・日で、総投入水量は2
4kg/m3・日、汚泥脱水ケーキとグリストラップの
混合重量比は87:13であり、従って、湿潤DS/W
O比及び乾燥DS/WO比は次の通りである。
分の投入負荷は32kg/m3・日で、総投入水量は2
4kg/m3・日、汚泥脱水ケーキとグリストラップの
混合重量比は87:13であり、従って、湿潤DS/W
O比及び乾燥DS/WO比は次の通りである。
【0039】<湿潤DS/WO比>87/(13×0.
55)=12 <乾燥DS/WO比>(87×0.18)/(13×
0.55)=2.2 汚泥脱水ケーキとグリストラップの投入により、槽内温
度は自動的に50〜60℃に上昇した。水分蒸発率は1
20%、即ち、総投入水量24kg/日に対して蒸発水
量は28.8kg/日であった。蒸発により不足する水
分4.8kg/日に対して、4kgの水を循環空気と共
に補給し、0.8kgはミスト貯留槽から添加した。こ
れにより、担体の含水率は35%に維持された。
55)=12 <乾燥DS/WO比>(87×0.18)/(13×
0.55)=2.2 汚泥脱水ケーキとグリストラップの投入により、槽内温
度は自動的に50〜60℃に上昇した。水分蒸発率は1
20%、即ち、総投入水量24kg/日に対して蒸発水
量は28.8kg/日であった。蒸発により不足する水
分4.8kg/日に対して、4kgの水を循環空気と共
に補給し、0.8kgはミスト貯留槽から添加した。こ
れにより、担体の含水率は35%に維持された。
【0040】この条件で90日間装置を稼働したとこ
ろ、汚泥脱水ケーキのVTS分解率は90%と高い値を
示した。
ろ、汚泥脱水ケーキのVTS分解率は90%と高い値を
示した。
【0041】実施例2〜5、比較例1,2 実施例1において、汚泥脱水ケーキとグリストラップと
の混合比を変え、表2に示すDS/WO比となるように
調整したこと以外は同様にして処理を行い(その他の条
件、投入負荷量、担体含水率等は実施例1と同様とし
た。)、VTS分解率を調べ、結果を表2に示した。
の混合比を変え、表2に示すDS/WO比となるように
調整したこと以外は同様にして処理を行い(その他の条
件、投入負荷量、担体含水率等は実施例1と同様とし
た。)、VTS分解率を調べ、結果を表2に示した。
【0042】
【表2】
【0043】表2より明らかなように、本発明によれ
ば、汚泥脱水ケーキを高温好気法により効率的に分解し
て減量化することができる。
ば、汚泥脱水ケーキを高温好気法により効率的に分解し
て減量化することができる。
【0044】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の汚泥脱水ケ
ーキの高温好気処理法によれば、廃棄物である廃油脂を
利用して、汚泥脱水ケーキを高温好気法により効率的に
分解して減量化することができる。
ーキの高温好気処理法によれば、廃棄物である廃油脂を
利用して、汚泥脱水ケーキを高温好気法により効率的に
分解して減量化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】高温好気処理装置を示す系統図である。
1 貯留槽 2 高温好気槽 3 ミスト分離器 4 ミスト貯留槽 5 脱臭塔 6 ヒータ
Claims (2)
- 【請求項1】 微生物担体を内蔵する醗酵槽に汚泥脱水
ケーキ及び廃油脂を供給し、高温好気性発酵を行って汚
泥脱水ケーキ及び廃油脂を酸化分解することを特徴とす
る汚泥脱水ケーキの高温好気処理法。 - 【請求項2】 請求項1において、該汚泥脱水ケーキの
固形分と廃油脂の油分との割合を重量で1.5〜3.4
とすることを特徴とする汚泥脱水ケーキの高温好気処理
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10948198A JPH11300394A (ja) | 1998-04-20 | 1998-04-20 | 汚泥脱水ケーキの高温好気処理法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10948198A JPH11300394A (ja) | 1998-04-20 | 1998-04-20 | 汚泥脱水ケーキの高温好気処理法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11300394A true JPH11300394A (ja) | 1999-11-02 |
Family
ID=14511345
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10948198A Pending JPH11300394A (ja) | 1998-04-20 | 1998-04-20 | 汚泥脱水ケーキの高温好気処理法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11300394A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001232400A (ja) * | 2000-02-24 | 2001-08-28 | Masatoshi Matsumura | 油脂の生物分解方法 |
JP2003047995A (ja) * | 2001-08-07 | 2003-02-18 | Mitsubishi Kakoki Kaisha Ltd | 汚泥処理装置及び汚泥処理方法 |
WO2005107971A1 (ja) * | 2004-05-11 | 2005-11-17 | Agricultural Recycling System Gousigaisya | 塗料粕の処理方法およびその利用方法 |
CZ297578B6 (cs) * | 2005-07-19 | 2007-01-10 | Trigad S. R. O. | Způsob energetického využití čistírenskýchkalů |
-
1998
- 1998-04-20 JP JP10948198A patent/JPH11300394A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001232400A (ja) * | 2000-02-24 | 2001-08-28 | Masatoshi Matsumura | 油脂の生物分解方法 |
JP2003047995A (ja) * | 2001-08-07 | 2003-02-18 | Mitsubishi Kakoki Kaisha Ltd | 汚泥処理装置及び汚泥処理方法 |
WO2005107971A1 (ja) * | 2004-05-11 | 2005-11-17 | Agricultural Recycling System Gousigaisya | 塗料粕の処理方法およびその利用方法 |
CZ297578B6 (cs) * | 2005-07-19 | 2007-01-10 | Trigad S. R. O. | Způsob energetického využití čistírenskýchkalů |
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