JP3499036B2 - 生ごみ処理方法および生ごみ処理用微生物担体 - Google Patents

生ごみ処理方法および生ごみ処理用微生物担体

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JP3499036B2 JP07234095A JP7234095A JP3499036B2 JP 3499036 B2 JP3499036 B2 JP 3499036B2 JP 07234095 A JP07234095 A JP 07234095A JP 7234095 A JP7234095 A JP 7234095A JP 3499036 B2 JP3499036 B2 JP 3499036B2
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康雄 中島
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久美子 長谷川
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  • Fertilizers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】 本発明は厨房内等で発生する生
ごみを処理する方法および生ごみ処理用微生物担体に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】 このような生ごみを処理する方法とし
ては、攪拌機を付した処理容器に生ごみと生ごみ分解菌
とを投入し、攪拌混合した後所定時間放置することによ
って堆肥化する方法が提供されている。上記方法におい
ては、生ごみ分解菌の担体として従来樹木粉、おが屑等
の木質細片が添加されている(特開平4−4084号、
特開平5−221766号、特開平6−279159号
公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】 しかしながら上記木
質細片を添加した場合には下記のような問題点がある。 1.木質細片は短時間に分解しにくゝ、生ごみが堆肥化
した後も充分に分解されずに堆肥中に残存し、このよう
な木質細片未分解物が残存した堆肥を使用すると、施肥
後に該木質細片未分解物が徐々に分解し、このような分
解によって土壌中の窒素分が消費され、植物が窒素飢餓
状態となって成長に悪影響が及ぼされるおそれがある。 2.木質細片は処理容器中で攪拌されると粉砕されて微
粉を生じ、該微粉は飛散して処理容器投入口周辺を汚染
して衛生上好ましくない状態となり、また外観的にも不
快感を与える。更に該微粉は生ごみ処理中に圧縮固化し
て大塊となり、攪拌再開時に攪拌機に大きな負荷がかゝ
り、攪拌機が破損するおそれがある。 3.木質細片は吸水性が小さく60重量%以上の含水量
では水が滲出してしまう。しかも水保持力が小さく、生
ごみの処理中に水分が補給されないと数日間で乾燥し、
生ごみ分解菌の順調な繁殖が阻害される。したがって生
ごみ処理中に適宜水分を補給する手間がかゝる。 4.以上述べたように木質細片は短時間に分解しにく
ゝ、水保持力が小さく水が滲出し易い。そして該木質細
片の微粉が大塊となって均一な攪拌がしにくい。その結
果、生ごみの処理中に処理容器から臭気が発生し易い。
【0004】
【課題を解決するための手段】 本発明は上記従来の課
題を解決するための手段として、攪拌機を付した処理容
器に生ごみとヤシ殻粉砕物とを投入し、生ごみ分解菌存
在下に攪拌混合した後所定時間放置することによって、
該生ごみを好気的に堆肥化せしめる生ごみ処理方法を提
供するものである。上記方法において、望ましくは該ヤ
シ殻粉砕物は該処理容器に投入前に水分含有量を20〜
80重量%に調節される。また生ごみ処理用微生物担体
はヤシ殻粉砕物からなることが望ましい。以下に本発明
の方法を詳細に説明する。
【0005】〔ヤシ殻粉砕物〕 本発明で用いられるヤシ殻粉砕物とは、ココヤシ、ナツ
メヤシ、アブラヤシ、サトウヤシ等のヤシ類の実の殻を
粉砕したものであり、該ヤシ殻粉砕物には生ごみ分解菌
の栄養素が含浸されていてもよく、また生ごみ分解菌が
担持されていてもよい。また自然に崩壊したヤシ殻であ
ってもよい。該粉砕物は細粒状物、粒状物、繊維状物、
塊状物とされるが、それらは単体あるいはそれらの混合
物として用いられても良い。望ましくは粒状物、繊維状
物、塊状物の混合物である。
【0006】〔生ごみ分解菌〕 本発明では生ごみの堆肥化は生ごみ分解菌存在下に行な
われる。上記生ごみ分解菌としては、例えば土壌菌、酢
酸菌、乳酸菌、セルロース分解菌、酵母菌、光合成菌、
硝酸菌、硝化細菌、窒素固定菌、糸状菌、細菌、水素細
菌、酵母等の好気性菌、微好気性菌、通性嫌気性菌、嫌
気性菌等の微生物がある。上記生ごみ分解菌は二種以上
混合使用されてもよく、またヤシ殻粉砕物、木粉、活性
炭、珪藻土、ゼオライト等の担体に担持されたものでも
よい。望ましい生ごみ分解菌担持体としては好気性菌と
通性嫌気性菌との混合物をゼオライトに担持させたもの
がある。上記生ごみ分解菌は生ごみに添加されてもよい
が、生ごみに添加することなく、生ごみに本来的に存在
している生ごみ分解菌を利用してもよい。
【0007】〔他の添加物〕 上記ヤシ殻粉砕物および生ごみ分解菌以外、本発明にお
いては更に木質細片、麻繊維、竹繊維、バナナ繊維、パ
ルプ、綿繊維等の他の生ごみ分解菌担持体が添加されて
もよい。
【0008】〔生ごみ処理〕 本発明において、生ごみを処理する場合には、攪拌機を
付した処理容器が使用される。該処理容器に生ごみ、ヤ
シ殻粉砕物を投入し、更に生ごみ分解菌を投入するかま
たは投入することなく攪拌して均一に混合し、その後所
定時間放置して生ごみを微生物学的に分解して堆肥化す
るのであるが、ヤシ殻粉砕物の水分含有量を投入前に2
0〜80重量%、望ましくは30〜70重量%に調節し
ておくことが望ましい。該ヤシ殻粉砕物の水分含有量が
20重量%に満たない場合には生ごみ分解菌の活動が抑
制され、生ごみ分解が円滑に起こらず、また80重量%
を越えるとヤシ殻粉砕物に生ごみ分解菌が必要とする空
気を確保する間隙が不足するようになる。生ごみとヤシ
殻粉砕物の混合比率は通常生ごみ100重量部に対して
ヤシ殻粉砕物200〜2000重量部程度であり、生ご
み分解菌を添加する場合は通常生ごみ100重量部に対
して生ごみ分解菌を0.5〜5重量部程度添加する。望
ましい処理方法としては処理容器に先ず上記のように水
分を調節したヤシ殻粉砕物を全量投入し、次いで生ごみ
および生ごみ分解菌を一定間隔で均等分割投入する。こ
の場合、ヤシ殻粉砕物の投入容量が処理容器の容積の2
5〜70%であることが望ましい。ヤシ殻粉砕物の投入
容量が処理容器の容積の25%に満たない場合には、該
ヤシ殻粉砕物の生ごみ分解菌担体としての量が不足し、
攪拌した場合に内容物の空気との接触が不充分となり、
また内容物に含まれる水分の安定化が得られにくい。一
方70%を越えた場合には処理容器の容量が不足し、そ
の後生ごみを分割投入して行くと内容物容量が処理容器
の容量を越えるおそれがある。生ごみの分割投入の間隔
は前回投入分が殆ど分解された時点で次回投入が行なわ
れるような間隔にすることが望ましい。このような間隔
は一回の生ごみ投入量にも依存するが、本発明では生ご
み分解速度が速いので、通常分割投入間隔は1日程度と
する。
【0009】
【作用】 本発明で使用するヤシ殻粉砕物は吸水性が大
きく、含水量ほゞ80重量%までは水の滲出をみない。
しかも該ヤシ殻粉砕物は水保持力が大きく、長期間の処
理でも水を補給する必要がない。更にヤシ殻粉砕物はそ
れ自体微生物分解性を有さず通常の攪拌では微粉を生じ
にくい。そこで生ごみと上記ヤシ殻粉砕物とを生ごみ分
解菌存在下で攪拌混合すると、該ヤシ殻粉砕物に該生ご
み分解菌が担持され、また該ヤシ殻粉砕物によって内容
物の粘着化が防止され空気と内容物との接触効率が向上
する。このようにしてヤシ殻粉砕物に担持された生ごみ
分解菌は該ヤシ殻粉砕物に含まれている水分と充分な空
気とを補給されて活発に繁殖して生ごみを速やかにむら
なく好気的 分解する。該ヤシ殻粉砕物は臭気の吸着作
用を有しており、生ごみ分解時に発生する臭気を吸着す
る。更にヤシ殻粉砕物は上記したように攪拌により微粉
を生じにくいから処理容器を汚染せずかつ攪拌の障害に
もならない。また本発明の処理方法により発生した堆肥
はヤシ殻粉砕物を含んでおり、該粉砕物は土壌改良剤と
しても機能し、土中の窒素を消費せず、植物成育に極め
て良い影響を与える。
【0010】
【実施例】〔実施例1〕(生ごみ処理容器) 図1に本発明において使用する生ごみ処理容器(1) の一
実施例を示す。図において生ごみ処理容器(1) は蓋(3)
を付した本体(2) と、該本体(2) と分離可能に連設され
ている機箱(4) とからなり、該本体(2) 内には横方向に
攪拌機である攪拌翼(5) が回転自在に配置されており、
該攪拌翼(5) の回転軸(6) の両端部は該本体(2) の左右
壁部の軸受(7,7) に支持されている。該機箱(4) 内には
モーター(8) が設置され、該モーター(8) の回転軸(9)
は歯車(10,11) を介して該攪拌翼(5) の回転軸(6) に連
絡している。そして該モーター(8) には電気供給のため
のコード(12)が図示しないスイッチを介して接続されて
いる。上記生ごみ処理容器(1) においては、コード(12)
を電源に接続し、蓋(3)を開いてヤシ殻粉砕物と生ご
み、および生ごみ分解菌を投入し、スイッチをONにし
てモーター(8) を作動し、歯車(10,11) を介して攪拌翼
(5) を回転させて内容物を混合する。
【0011】〔実施例2〕(生ごみ処理) 実施例1に示した生ごみ処理容器(1) の本体(2) の内容
積を70lとし、該本体(2) 内にあらかじめ水分含有量
を60重量%に調節したヤシ殻粉砕物を30l(約9k
g、本体(2) の内容積の40%)投入し、更に厨房から
発生した食品屑および残飯を主体とする生ごみ1kg、生
ごみ分解菌としてゼオライトに担持した土壌菌を0.0
1kg投入し攪拌混合を0.1時間行なう。その後攪拌を
停止して0.4時間放置し、それを24時間繰返す。2
4時間後生ごみ1kg、生ごみ分解菌0.01kgを投入し
攪拌混合を上記と同様に行なう。上記生ごみ分割投入を
1日1回の割合で4ケ月間行ない、その間の雰囲気温度
は15〜30℃であった。生ごみ投入開始から約1ケ月
経過後に内容物容量は略一定化し、この状態は4ケ月経
過後も変化せず、投入した生ごみが速やかに好気的に
解処理されていることが確認された。そしてこの間にお
ける臭気の発生は極めて僅かであった。
【0012】〔実施例3〕(生ごみ処理) 実施例2と同様に生ごみ処理容器(1) の本体(2) の内に
ヤシ殻粉砕物を投入し、更に実施例2と同様な土壌菌を
担持したゼオライト0.1kgを投入する。本実施例では
1日1回生ごみを1kgずつ投入し、生ごみ分解菌は初回
のみ投入し、その後は投入しない。本実施例においても
投入開始から約1ケ月経過後に内容物容量は略一定化
し、この状態は4ケ月経過後も変化せず、この間の臭気
の発生は極めて僅かであった。
【0013】〔比較例〕 実施例2において、ヤシ殻粉砕物に代えて水分含有量を
25重量%に調節したおが屑を使用し、他は同様にして
生ごみ処理を行なったところ、投入開始後3ケ月で内容
物が生ごみ処理容器(1) の本体(2) 内に充満し、生ごみ
が実施例2,3に比して順調に分解されていないことが
認められ、また臭気の発生も実施例2,3に比して顕著
であった。
【0014】〔植物栽培テスト〕 実施例2,3および比較例で得られた4ケ月処理後の内
容物を土壌に投与し、ヒマワリを栽培したところ、実施
例2,3の内容物を使用した場合は比較例に比して丈と
重さにおいて2割程成長が促進された。
【0015】
【発明の効果】 したがって本発明においては、生ごみ
を微生物学的に分解して堆肥化する処理が極めて順調か
つ円滑に行なわれ、その間含水量ほぼ80重量%までは
水の滲出をみず、臭気の発生も僅かでかつ処理容器の汚
染も少ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 処理容器の一実施例の説明断面図
【符号の説明】
1 生ごみ処理容器(処理容器) 5 攪拌翼(攪拌機)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中島 康雄 愛知県名古屋市港区船見町1番地の74 アロン化成株式会社 技術研究所内 (72)発明者 田端 良光 愛知県名古屋市港区船見町1番地の74 アロン化成株式会社 技術研究所内 (72)発明者 小野塚 智子 愛知県名古屋市港区船見町1番地の74 アロン化成株式会社 技術研究所内 (72)発明者 長谷川 久美子 愛知県名古屋市港区船見町1番地の74 アロン化成株式会社 技術研究所内 (56)参考文献 特開 平5−221766(JP,A) 特開 平1−215886(JP,A) 特開 平5−200393(JP,A) 特開 平8−217585(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】攪拌機を付した処理容器に生ごみとヤシ殻
    粉砕物とを投入し、生ごみ分解菌存在下に攪拌混合した
    後所定時間放置することによって、該生ごみを好気的に
    堆肥化せしめることを特徴とする生ごみ処理方法
  2. 【請求項2】該ヤシ殻粉砕物は該処理容器に投入前に水
    分含有量を20〜80重量%に調節されている請求項1
    に記載の生ごみ処理方法
  3. 【請求項3】ヤシ殻粉砕物からなることを特徴とする生
    ごみ処理用微生物担体
JP07234095A 1995-03-03 1995-03-03 生ごみ処理方法および生ごみ処理用微生物担体 Expired - Fee Related JP3499036B2 (ja)

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