JPH11225962A - 他覚式屈折力測定装置 - Google Patents

他覚式屈折力測定装置

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JPH11225962A
JPH11225962A JP10044422A JP4442298A JPH11225962A JP H11225962 A JPH11225962 A JP H11225962A JP 10044422 A JP10044422 A JP 10044422A JP 4442298 A JP4442298 A JP 4442298A JP H11225962 A JPH11225962 A JP H11225962A
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eye
receiving element
light
measurement
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JP10044422A
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English (en)
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Izumi Umemura
泉 梅村
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Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 受光素子の位置や測定光の幅等を被検眼等の
状態に応じて調整することによって理想的な受光状態を
形成し、測定安定化及び測定精度の向上を図ることので
きる他覚眼屈折力測定装置を提供する。 【解決手段】 被検眼Eの眼底に測定光を投影する投影
光学系と、投影光学系にて投影され被検眼Eにて反射さ
れた測定光を受光素子を介して受光する受光光学系と、
受光光学系にて受光された測定光に基づいて被検眼の屈
折力を算出する算出手段とを備える他覚式屈折力測定装
置において、受光光学系の受光素子を該受光素子が受光
する測定光の光軸から遠ざかる方向に沿って複数配置
し、複数の受光素子から測定に用いる受光素子を選択す
る選択手段を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被検眼の屈折力を
他覚的に測定するための他覚式屈折力測定装置に関し、
特に被検眼等の状態に応じた測定を行なうことのできる
他覚式屈折力測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】今日、被検眼の屈折力を他覚的に測定す
る他覚眼屈折力測定装置が広く用いられている。このよ
うな他覚眼屈折力測定装置は、特開昭55−16053
8等として本件出願人によって提案されている。
【0003】この他覚眼屈折力測定装置においては、被
検眼の眼底に測定光を投影し、被検眼にて反射された測
定光を受光器の受光素子で受光し、受光された測定光の
位相に基づいて被検眼の屈折力を算出している。この他
覚眼屈折力測定装置は、被検眼が正常であり、その瞳孔
が所定量以上散瞳していることを前提として、測定する
ように設計されていたので、受光器の受光素子も単に一
定形状に設計されていた。
【0004】このような受光器を図13〜15に示す。
この図13〜15において、受光器には、上下一対の受
光素子101,102と、左右一対の受光素子103,
104とが設けられており、受光素子101,102に
て受光された測定光と、受光素子103,104にて受
光された測定光との位相差に基づいて測定値が算出され
る。なお符号105〜108にて示すのは、被検眼に対
する他覚眼屈折力測定装置のアライメント状態を検出す
るための4分割受光素子である。
【0005】また図13〜15において、符号E1は被
検眼の虹彩の内側に対応する位置(すなわち被検眼の瞳
孔径)、符号E2は被検眼の虹彩の外側に対応する位
置、符号E3は被検眼の角膜にて反射された反射光の範
囲をそれぞれ示す(符号E1〜E3については、他の図
においても同義とする)。このうち、図13に示すよう
に、測定状態が上述の前提を満たしている場合には、瞳
孔径E1の内側に受光素子101〜104が完全に収ま
り、かつ反射光の範囲E3が受光素子101〜104に
重なっていない状態となり、設計通りの測定を行なうこ
とができるので正確な測定値を得ることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ここで被検眼の瞳孔は
加齢や疾病等のために充分に散瞳しない場合があり、こ
のような場合には測定光が虹彩によって遮られてしまう
ために、受光素子に到達する測定光が制限される。しか
しながら従来の他覚眼屈折力測定装置は、上述のように
測定光が所定の幅であることを前提とし、また受光素子
も単に一定形状に設計されていたので、測定光が虹彩に
よって遮られた場合には該測定光を正しい状態で受光す
ることができないおそれがあった。また水晶体等に部分
的な混濁がある場合にも、測定光が混濁によって遮られ
てしまうために、受光素子に到達する測定光の範囲が制
限され、やはり測定光を正しい状態で受光することがで
きないおそれがあった。
【0007】例えば図14に示すように、瞳孔径E1が
狭く、この瞳孔径E1の内側に受光素子102,103
が完全に収まっていない場合には、これら受光素子10
2,103の出力する信号が乱れてしまい、位相差が実
際より小さく測定されたり、少しの被検眼の位置ずれで
位相差が大きく変動するため、測定が不正確で不安定に
なるおそれがあった。
【0008】さらに被検眼に眼内レンズが入っている場
合には、この眼内レンズの屈折力が水晶体に比べて大き
いためにあるいはその表面が水晶体に比べて平面的なた
めに該眼内レンズの表面にてより多くの測定光が反射さ
れ、この反射光が眼底で反射された測定光に混入して、
やはり正確な測定を行なうことができないおそれがあっ
た。特に最近使用されることが多い折畳み可能なアクリ
ル系の眼内レンズは、小型化されているために曲率が比
較的小さく、また材質的にも表面反射が多いために、レ
ンズ表面における測定光の反射が問題となっていた。
【0009】例えば図15に示すように、眼内レンズ表
面における反射によって、反射光の範囲E3が広がり、
この反射光の範囲E3が受光素子101,104に重な
るような場合がある。このような場合には、反射光が被
検眼の眼底で反射された測定光に混入して、正確な測定
を行なうことができないおそれがあった。
【0010】本発明は、従来のこのような他覚眼屈折力
測定装置における問題点に鑑みてなされたもので、受光
素子の位置や測定光の幅等を被検眼等の状態に応じて調
整することによって理想的な受光状態を形成し、測定安
定化及び測定精度の向上を図ることのできる他覚眼屈折
力測定装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】このような従来の他覚眼
屈折力測定装置における問題点を解決するために請求項
1に記載の本発明は、被検眼の眼底に測定光を投影する
投影光学系と、前記投影光学系にて投影され被検眼にて
反射された測定光を受光素子を介して受光する受光光学
系と、前記受光光学系にて受光された測定光に基づいて
被検眼の屈折力を算出する算出手段とを備える他覚式屈
折力測定装置において、前記受光光学系の受光素子を該
受光素子が受光する測定光の光軸から遠ざかる方向に沿
って複数配置し、前記複数の受光素子から測定に用いる
受光素子を選択する選択手段を備えることを特徴として
構成されている。
【0012】また請求項2に記載の本発明は、請求項1
に記載の本発明において、前記算出手段は、前記選択手
段にて選択された受光素子の所定の情報に基づいて被検
眼の屈折力を算出することを特徴として構成されてい
る。
【0013】また請求項3に記載の本発明は、請求項1
又は2に記載の本発明において、被検眼を表示する表示
手段を備え、該表示手段には前記受光素子を選択するた
めの所定の情報を前記被検眼に重ねて表示することを特
徴として構成されている。
【0014】また請求項4に記載の本発明は、請求項1
乃至3に記載の本発明において、被検眼の瞳孔の位置及
び形状を検出する瞳孔検出手段と、前記選択手段によっ
て現在選択されている受光素子の位置及び形状が前記瞳
孔検出手段にて検出された瞳孔の位置及び形状に対応し
ているか否かを判断する判断手段と、前記判断手段にて
対応していないと判断された場合、現在選択されている
受光素子を前記瞳孔検出手段にて検出された瞳孔の位置
及び形状に対応する位置及び形状の受光素子に切替える
切替手段とを備えることを特徴として構成されている。
【0015】また請求項5に記載の本発明は、被検眼の
眼底に測定光を投影する投影光学系と、前記投影光学系
にて投影され被検眼にて反射された測定光を受光素子を
介して受光する受光光学系と、前記受光光学系にて受光
された測定光に基づいて被検眼の屈折力を算出する算出
手段とを備える他覚式屈折力測定装置において、被検眼
の瞳孔の位置及び形状を検出する瞳孔検出手段と、前記
受光素子の位置及び形状が前記瞳孔検出手段にて検出さ
れた瞳孔の位置及び形状に対応しているか否かを判断す
る判断手段と、前記判断手段の判断結果に基づいて、前
記算出手段にて算出された屈折力に対して該屈折力の信
頼性を示す所定の情報を付加する情報付加手段とを備え
ることを特徴として構成されている。
【0016】また請求項6に記載の本発明は、被検眼の
眼底に測定光を投影する投影光学系と、前記投影光学系
にて投影され被検眼にて反射された測定光を受光素子を
介して受光する受光光学系と、前記受光光学系にて受光
された測定光に基づいて被検眼の屈折力を算出する算出
手段とを備える他覚式屈折力測定装置において、前記受
光素子にて受光される測定光を測定状態に応じた異なる
範囲に絞るための複数の絞りと、前記複数の絞りのうち
任意の絞りを、前記受光素子と被検眼との間における前
記被検眼と略共役な位置に選択的に配置する絞り切替手
段とを備えることを特徴として構成されている。
【0017】また請求項7に記載の本発明は、請求項6
に記載の本発明において、前記算出手段は、前記絞り切
替手段にて配置された絞りに基づいて被検眼の屈折力を
算出することを特徴として構成されている。
【0018】また請求項8に記載の本発明は、被検眼の
眼底に測定光を投影する投影光学系と、前記投影光学系
にて投影され被検眼にて反射された測定光を受光素子を
介して受光する受光光学系と、前記受光光学系にて受光
された測定光に基づいて被検眼の屈折力を算出する算出
手段とを備える他覚式屈折力測定装置において、前記受
光素子が前記測定光にて完全に覆われるように該測定光
を変倍するための複数の変倍レンズと、前記複数の変倍
レンズのうち任意の変倍レンズを、前記受光素子と被検
眼との間における前記被検眼と略共役な位置に選択的に
配置するレンズ切替手段とを備えることを特徴として構
成されている。
【0019】また請求項9に記載の本発明は、請求項8
に記載の本発明において、前記算出手段は、前記レンズ
切替手段にて配置された変倍レンズに基づいて被検眼の
屈折力を算出することを特徴として構成されている。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の他覚眼屈折力測定
装置(以下、単に本装置)の第1実施形態について図面
を参照して詳細に説明する。図1は本装置の光学的構成
を側面方向より示す図、図4は本装置の電気的構成を示
すブロック図、図5は図1のA−A’矢視図、図6、7
はTVモニタの表示画面を示す図である。
【0021】まず本装置の構成について説明し、その
後、本装置による屈折力測定動作について説明する。図
1に示すように本装置は、被検眼Eの屈折力を他覚的に
測定するための測定光学系1と、被検眼Eを所定の方向
に固視するための固視光学系2と、被検眼Eを観察する
ための観察光学系3とを備えて構成されている。
【0022】このうち測定光学系1は、被検眼Eの眼底
に対して測定光を投影する投影光学系と、該投影光学系
にて投影され被検眼Eの眼底にて反射された測定光を受
光する受光光学系とを備えて構成されている。このうち
投影光学系は、赤外光源11、レンズ12、チョッパ1
3及びハーフミラー14にて構成されており、赤外光源
11から発せられた測定光をレンズ12を介してチョッ
パ13にて走査し、該走査された測定光をハーフミラー
14を介して被検眼Eの眼底に投影する。また受光光学
系は、レンズ15、絞り16及び受光器17にて構成さ
れており、被検眼Eの眼底にて反射された測定光をレン
ズ15を介して絞り16で所定範囲に絞り、絞られた測
定光を受光器17で受光する。この受光器17の特徴に
ついては後述する。
【0023】固視光学系2は可視光源21から発せられ
固視標22を透過した固視光を、レンズ23を介してハ
ーフミラー24に導き、このハーフミラー24及びハー
フミラー25を介して被検眼Eに投影する。また観察光
学系3は、本装置前面に設けた赤外光源31にて投影さ
れ被検眼Eの前眼部にて反射された観察光を、前述のハ
ーフミラー24、25を介して全反射ミラー32に導
き、全反射ミラー32にて反射された観察光をレンズ3
3を介してCCDカメラ34にて受光する。このCCD
カメラ34にて受光された観察光は後述するTVモニタ
76にて被検眼像として表示される。
【0024】ここで測定光学系1の受光器17について
説明する。この受光器17は、図5(a)に示すよう
に、4分割受光素子50〜53と、受光素子60a〜6
0c、61a〜61c、62a〜62c、63a〜63
cとを備える。なお図5(a)において測定光が被検眼
Eを走査する方向の一方をY方向、他方をX方向として
示し、また下記説明において「上下」とはY方向、「左
右」とはX方向をそれぞれ示すものとする。
【0025】まず4分割受光素子50〜53は従来と同
様に被検眼に対する本装置のアライメント状態を検出す
るもので、該アライメント状態が適正な状態において受
光器17に到達した測定光の光軸の中心位置(図5
(a)において符号Pにて示す)を中心とする上下左右
の均等位置に配置されている。そして各4分割受光素子
50〜53にて受光された測定光の受光量差に基づいて
アライメント状態が適正であるか否かが検出される。
【0026】次に、受光素子60a〜60c、61a〜
61c、62a〜62c及び63a〜63cの構成につ
いて説明する。本実施形態において受光素子は、該受光
素子が受光する測定光の光軸から遠ざかる方向に沿って
複数配置されている。すなわち従来であれば上記中心位
置Pに対して上下一対の受光素子と左右一対の受光素子
との計4個の受光素子を設けていたのに対し、本装置に
おいては上記中心位置Pに対して上下三対の受光素子6
0a〜60c、61a〜61cと、左右三対の受光素子
62a〜62c、63a〜63cとの計12個の受光素
子が設けられている。
【0027】より詳細には、受光素子60aと受光素子
61a、受光素子60bと受光素子61b、受光素子6
0cと受光素子61cとがそれぞれ中心位置Pに対して
上下略対称に配置されて上下の対をなしており、また受
光素子62aと受光素子63a、受光素子62bと受光
素子63b、受光素子62cと受光素子63cとがそれ
ぞれ中心位置Pに対して左右略対称に配置されて左右の
対をなしている。
【0028】そして三対の受光素子60a〜60c、6
1a〜61cは一つの測定経線の方向すなわちY方向
と、受光素子が受光する測定光の光軸とを含む面が各素
子の中心を通る位置に配置されており、また三対の受光
素子62a〜62c、63a〜63cは他の測定経線の
方向すなわちX方向と、受光素子が受光する測定光の光
軸とを含む面が各素子の中心を通る位置に配置されてい
る。
【0029】これら受光素子60a〜60c、61a〜
61c、62a〜62c及び63a〜63cは相互に分
離して構成されており、それぞれ単独で測定光を受光し
て光電変換を行なうことができる。そして受光素子60
a〜60c、61a〜61c、62a〜62c及び63
a〜63cにて測定光が受光されると、各受光素子60
a〜60c、61a〜61c、62a〜62c及び63
a〜63cから後述する受光素子切替回路71に信号が
出力される。なお中心位置Pから各受光素子60a〜6
0c、61a〜61c、62a〜62c及び63a〜6
3cに至る距離は図示の距離でなくともよく、また例え
ば受光素子60a、受光素子60b、受光素子60cの
相互間隔も図示のように密着させずに任意距離隔ててよ
い。これら距離や相互間隔は経験値又は実験値に基づい
て適宜決定される。
【0030】次に、本装置の電気的構成について図4を
参照して説明する。本装置には図1に示した上述の光学
要素の他、図4に示すように、受光素子切替スイッチ7
0、受光素子切替回路71、算出手段たる屈折力算出回
路72、変換テーブル記憶部73、素子情報提示部7
4、スーパーインポーズ回路75、表示手段たるTVモ
ニタ76及びマイクロプロセッサ77が設けられてい
る。
【0031】受光素子切替スイッチ70及び受光素子切
替回路71は、受光素子60a〜60c、61a〜61
c、62a〜62c及び63a〜63cのうち、測定に
用いる受光素子を選択する選択手段を構成する。具体的
には、受光素子切替スイッチ70はa系統の受光素子を
選択するための押釦、b系統の受光素子を選択するため
の押釦及びc系統の受光素子を選択するための押釦を備
えて構成されており、これら3つの押釦のうちの全部又
は任意の一部を検者が押すことによって、測定に用いる
受光素子が指示される。なおa系統の受光素子とは受光
素子60a、61a、62a、63a、b系統の受光素
子とは受光素子60b、61b、62b、63b、c系
統の受光素子とは受光素子60c、61c、62c、6
3cであり、以下同様とする。
【0032】また受光素子切替回路71は、受光素子6
0a〜60c、61a〜61c、62a〜62c、63
a〜63cと屈折力算出回路72との間に配置されるマ
ルチプレクサである。受光素子切替スイッチ70におけ
る受光素子の選択結果はマイクロプロセッサ77を介し
て受光素子切替回路71に入力され、選択された受光素
子からの出力信号のみが受光素子切替回路71を介して
屈折力算出回路72に向けて出力される。例えば受光素
子切替スイッチ70のa系統の受光素子を選択するため
の押釦が押されている場合には、受光素子60a、61
a、62a及び63aからの出力信号のみが屈折力算出
回路72に向けて出力される。
【0033】屈折力算出回路72は、自己に入力された
受光素子60a〜60c、61a〜61c、62a〜6
2c、63a〜63cからの出力信号に基づいて被検眼
の屈折力を算出し、スーパーインポーズ回路75に向け
て出力する。この屈折力の算出は基本的には従来と同様
の原理にて行われるが、この算出に際して屈折力算出回
路72は、変換テーブル記憶部73に記憶されている変
換テーブルを参照する。この変換テーブルは、受光素子
にて受光された測定光の位相差と被検眼の屈折力との対
応関係を示すもので、a系統の受光素子が選択された場
合における対応関係を示す変換テーブル、b系統の受光
素子が選択された場合における対応関係を示す変換テー
ブル、c系統の受光素子が選択された場合における対応
関係を示す変換テーブルの他、例えばa系統の受光素子
及びb系統の受光素子が選択された場合にように複数系
統の受光素子が選択された場合における対応関係を示す
変換テーブルを含んで構成されている。
【0034】このような変換テーブルを用いるのは次の
理由による。すなわち図5(a)において、前述のよう
にa系統の受光素子、b系統の受光素子及びc系統の受
光素子は測定光の光軸の中心位置Pに対してそれぞれ異
なる位置に配置されている。ここで光軸の中心位置Pに
対して近い位置に配置されたc系統の受光素子、すなわ
ち60c、61c、62c及び63cを測定に使用する
場合には、近接した瞳孔部位の位相差を測定しているこ
とになるので、これら受光素子60c、61c、62c
及び63cによって受光された測定光の位相差は小さく
なる。一方、光軸の中心位置Pに対して遠い位置に配置
されたa系統の受光素子、すなわち60a、61a、6
2a及び63aを測定に使用する場合には、離れた瞳孔
部位の位相差を測定していることになるので、これら受
光素子60a、61a、62a及び63aによって受光
された測定光の位相差は大きくなる。
【0035】すなわち、被検眼の屈折力が一定であるの
に対して、測定される位相差が受光素子の位置によって
異なってくるため、位相差と被検眼の屈折力との対応関
係を受光素子の位置によって換え、その対応関係に基づ
いて屈折力を算出するのである。なお本実施形態におい
ては上述のように変換テーブルを設けて屈折力算出を行
なっているが、変換テーブルでなく、例えば受光素子の
位置に基づいて予め決定される所定の係数を用いて屈折
力算出を行なってもよい。あるいは変換テーブルに換え
て、所定の演算式を用いて演算するようにしてもよい。
また上記説明では受光素子の位置に基づく位相差を補正
するために変換テーブルを設けたが、受光素子の位置の
みならず形状が異なる場合、例えば測定光の光軸の中心
位置Pに対して遠ざかるにつれて受光素子の受光面積の
を大きくするような場合には、受光素子の位置及び形状
に基づく位相差を補正するための変換テーブルを設ける
ことになる。すなわち選択された受光素子に関する位
置、形状等に関する所定の情報に基づいて被検眼の屈折
力が算出される。
【0036】このように屈折力算出回路72によって算
出されスーパーインポーズ回路75に出力された屈折力
は、図6に示すように、TVモニタ76において記号
S、C、Aを添付して表示される。またCCDカメラ3
4から出力された被検眼Eの観察光に基づく被検眼Eの
像も、スーパーインポーズ回路75を介してTVモニタ
76に表示される。またスーパーインポーズ回路75に
は、素子情報提示部74にて提示された被検眼に対する
受光素子60a〜60c、61a〜61c、62a〜6
2c及び63a〜63cの位置に関する情報、具体的に
はTVモニタ76に表示すべき受光素子の外形画像が出
力され、この外形もTVモニタ76に重ねて表示され
る。(図6において、受光素子の外形画像を各受光素子
の符号を用いて示す)。
【0037】次に、本装置による屈折力測定動作につい
て説明する。まず本装置の電源を入れ、固視光学系2に
て被検眼Eに固視像を投影すると共に、TVモニタ76
に表示された被検眼Eの像を参照しつつ、従来と同様の
手順にて被検眼Eに対する本装置のアライメント状態を
適正とする。このアライメント状態が適正になった時点
では、被検眼Eの像はその瞳孔中心位置がTVモニタ7
6の上下左右の略中心位置に一致するように表示されて
いる。
【0038】またTVモニタ76には、図6に示すよう
に、素子情報提示部74にて提示された受光素子60a
〜60c、61a〜61c、62a〜62c及び63a
〜63cの外形画像が被検眼Eの像に重ねて表示されて
いる。この受光素子60a〜60c、61a〜61c、
62a〜62c及び63a〜63cの外形画像は、これ
ら受光素子の上下左右の中心位置がTVモニタ76の上
下左右の略中心位置に一致するように素子情報提示部7
4にて記憶され提示されたもので、したがってアライメ
ント状態が適正な時点における被検眼Eの瞳孔中心位置
に一致するように表示される。
【0039】そして検者はこのTVモニタ76を見なが
ら被検眼Eの瞳孔や表面反射の状態を観察し、この観察
結果に応じて測定に用いる受光素子を受光素子切替スイ
ッチ70を介して選択する。例えば図5(b)に示すよ
うに、被検眼の瞳孔が充分に開いておらず、瞳孔径E1
の内側にc系統の受光素子のみが位置しており、それ以
外の受光素子が瞳孔径E1の上又は外側に位置している
場合には、c系統の受光素子を選択する。あるいは図5
(c)に示すように、瞳孔径E1の内側にb系統及びc
系統の受光素子が位置しており、それ以外の受光素子が
瞳孔径E1の上に位置している場合には、b系統及びc
系統の受光素子を選択する。このように被検眼の瞳孔が
充分に開いていない場合であっても、その内側に位置す
る受光素子のみを選択することによって、虹彩の遮光の
影響を受けない測定光のみを受光できるので、安定かつ
正確な測定を行なうことができる。
【0040】また図5(d)に示すように、眼内レンズ
の影響等によって被検眼の表面にて反射された反射光の
範囲E3が大きく、その外側にa系統の受光素子が位置
しており、それ以外の受光素子が反射光の範囲E3の内
側に位置する場合には、a系統の受光素子を選択する。
このように被検眼の表面反射が大きい場合であっても、
その外側に位置する受光素子のみを選択することによっ
て、表面反射の影響を受けない測定光のみを受光できる
ので、安定かつ正確な測定を行なうことができる。この
ように受光素子が選択されると、その選択結果がマイク
ロプロセッサ77を介して素子情報提示部74に出力さ
れ、素子情報提示部74では選択された受光素子のみを
反転した外形画像をスーパーインポーズ回路75に出力
する。したがって選択された受光素子のみがTVモニタ
76において反転表示され、選択されていない受光素子
と区別される。図6にはb系統の受光素子のみが選択さ
れ反転表示されている状態を示す。
【0041】このように受光素子を選択した後、検者が
図示しない測定開始釦を押すことによって屈折力測定が
開始され、屈折力算出回路72によって屈折力が算出さ
れる。この屈折力算出回路72による算出に先立って、
受光素子切替スイッチ70における受光素子の選択結果
がマイクロプロセッサ77を介して受光素子切替回路7
1に入力されており、選択された受光素子からの出力信
号のみが受光素子切替回路71から屈折力算出回路72
に向けて出力される。
【0042】また受光素子切替スイッチ70における受
光素子の選択結果はマイクロプロセッサ77を介して屈
折力算出回路72にも出力されており、この屈折力算出
回路72は、選択された受光素子にて受光された測定光
の位相差と被検眼の屈折力との対応関係を示す変換テー
ブルを変換テーブル記憶部73から呼び出して参照し、
この変換テーブルに基づいて被検眼の屈折力を算出す
る。この算出結果はスーパーインポーズ回路75を介し
てTVモニタ76に出力され、該TVモニタ76にて表
示される。
【0043】なお素子情報提示部74にて提示する情報
は受光素子の外形画像でなくともよく、例えば図7に示
すように、現在選択されている受光素子の外接円J1及
び内接円J2の画像を提示し、TVモニタ76に表示し
てもよい。この他、素子情報提示部74にて提示する情
報は、現在選択されている受光素子の位置や、受光素子
の形状等、受光素子を選択するための所定の情報が把握
できるものであればよい。またa 系統〜c系統の受光素
子のうち、任意系統の受光素子、例えば中間的なb系統
の受光素子をデェフォルトの受光素子とし、該b系統の
受光素子を用いて自動的に測定を開始可能とすると共
に、必要な場合のみ受光素子の切替えを行なうようにし
てもよい。
【0044】あるいは受光素子の切替えを検者が行なう
のでなく、自動的に最適な受光素子に切替えるように構
成してもよい。このため上記説明した構成に加えて、被
検眼の瞳孔の位置及び形状を検出する瞳孔検出手段たる
瞳孔検出回路と、現在選択されている受光素子の位置及
び形状が瞳孔検出回路にて検出された瞳孔の位置及び形
状に対応しているか否かを判断する判断手段たる判断回
路と、該判断回路にて対応していないと判断された場
合、現在選択されている受光素子を瞳孔検出回路にて検
出された瞳孔の位置及び形状に対応する位置及び形状の
受光素子に切替える切替手段たる切替回路を設けてもよ
い。なお瞳孔検出回路、判断回路及び切替回路の図示は
省略する。
【0045】瞳孔検出回路としては、TVモニタ76に
表示された被検眼Eの像を画像解析し、被検眼Eの瞳孔
の輝度と瞳孔以外の輝度との差に基づいて、被検眼Eの
瞳孔位置及び瞳孔形状を特定する従来と同様の回路を適
用することができる。また判断回路は、素子情報提示部
74にて提示された受光素子の位置情報と、瞳孔検出回
路にて検出された被検眼Eの瞳孔位置及び瞳孔形状とを
比較することによって、現在選択されている受光素子の
位置及び形状が瞳孔検出回路にて検出された瞳孔の位置
及び形状に対応しているか、すなわち現在選択されてい
る受光素子の全てが瞳孔の内側に位置しているか否かを
判断する。また切替回路は判断回路の判断結果に基づい
て受光素子切替スイッチ70を制御し、測定に用いる受
光素子を切替える。このような構成を採用することによ
り、検者が受光素子を切替える手間を省くことができ、
また常に最適な受光素子を正確かつ迅速に選択すること
が可能となる。
【0046】あるいは図12に従来例として示したよう
に受光素子を上下及び左右にそれぞれ一対のみ設けて測
定に用いる受光素子を固定する一方、受光が適正になさ
れたか否かを判断する手段を新たに付加して、その判断
結果に応じて、測定結果の信頼性を示す情報を付加して
もよい。このため基本的には検眼装置を従来と同様に構
成する一方、被検眼の瞳孔の位置及び形状を検出する瞳
孔検出手段たる瞳孔検出回路と、受光素子の位置及び形
状が瞳孔検出回路にて検出された瞳孔の位置及び形状に
対応しているか否かを判断する判断手段たる判断回路
と、該判断回路にて対応していないと判断された場合、
被検眼の屈折力を算出する算出回路にて算出された屈折
力に対し、該屈折力の信頼性を示す所定の情報を付加す
る情報付加手段たる情報付加回路を設けてもよい。なお
瞳孔検出回路、判断回路及び情報付加回路の図示は省略
する。
【0047】瞳孔検出回路は、上記と同様にTVモニタ
76に表示された被検眼の像を画像解析することによっ
て被検眼の瞳孔の位置及び形状を検出する。また判断回
路は、予め固定的に設定されている受光素子の位置及び
形状と、瞳孔検出回路にて検出された瞳孔の位置及び形
状とを比較することによって、受光素子の位置が瞳孔検
出回路にて検出された瞳孔の位置及び形状に対応してい
るか、すなわち受光素子の全てが瞳孔の内側に位置して
いるか否かを判断する。また受光素子の全てが瞳孔の内
側に位置していない場合には、瞳孔の内側からどの程度
はみ出しているのかを算出する。
【0048】情報付加回路は、判断回路の判断結果に基
づいて、算出回路にて算出された屈折力に対して信頼性
に関する情報、例えば信頼性をパーセント表示で示す情
報を付加する。例えば判断回路において受光素子の全て
が瞳孔の内側に位置していると判断された場合には「1
00%」という情報を付加し、受光素子の一部が瞳孔の
内側に位置していると判断された場合にはその部分の面
積に応じた100%未満の値の情報を付加する。このよ
うに付加された情報は屈折力と共にTVモニタ76にて
表示され、検者に参照される。
【0049】この他、信頼性に関する情報は種々のもの
が採用されてよく、例えば受光素子の位置、及び形状と
瞳孔の位置、及び形状に基づいて、算出された屈折力を
有効と無効のいずれかに大別し、有効であるか無効であ
るかの情報を付加してもよい。そして無効との情報が付
加された屈折力を表示する際には所定の警報を発した
り、あるいは有効との情報が付加された屈折力のみを表
示等するようにしてもよい。
【0050】次に、本発明の第2実施形態について図面
を参照して詳細に説明する。図2は本形態における本装
置の光学的構成を側面方向より示す図、図8は図2の絞
りの正面図、図9は図2の受光器の正面図、図10は図
2のB−B’矢視図である。なお特に説明なき構成につ
いては第1実施形態とほぼ同様であり、同機能を有する
部分は同符号で示す。上記第1実施形態では複数の受光
素子を切替えたのに対し、本実施形態では受光素子を切
替えずに、複数形状の絞り40〜42によって測定光を
測定状態に応じた所定範囲に絞る。
【0051】図2に示すように本装置は、第1実施形態
における装置とほぼ同様の光学的構成をなすが、絞り1
6と受光器18との間には、第2の絞り40〜42が選
択的に配置可能とされている。また受光器18は、図9
に示すように上下一対の受光素子54,55と、左右一
対の受光素子56,57を備えて構成されている。
【0052】上下一対の受光素子54,55は上下方向
に走査された測定光を受光し、左右一対の受光素子5
6,57は左右方向に走査された測定光を受光するもの
で、基本的には図12に示す従来の受光素子と同様であ
る。ただし各受光素子54〜57は、絞り40〜42を
介して投影された測定光を受光可能なように、図12の
受光素子に比べてその幅W(光軸の中心位置Pから遠ざ
かる方向)が広く形成されている。
【0053】第2の絞り40〜42は、測定状態(被検
眼Eの瞳孔の広狭、被検眼Eの表面反射の多少)に応じ
て、絞り16と受光器18との間における測定光の光路
中に選択的に配置される。絞り40〜42の中心位置に
は、図8(a)〜(b)に示すように、絞り40〜42
に互いに共通な位置及び形状で、スリット43が形成さ
れており、該スリット43を介してアライメント光が受
光器18の4分割受光素子50〜53に投影される。
【0054】また絞り40〜42それぞれには、互いに
異なる形状のスリット40a 〜40d、41a 〜41
d、42a 〜42dが形成されている。絞り40には、
図8(a)に示すように、光軸の中心位置Pから距離L
1隔ててスリット40a 〜40dが形成され、絞り41
には、図8(b)に示すように、光軸の中心位置Pから
距離L2(ここでL2>L1)隔ててスリット41a 〜
41dが形成され、絞り42には、図8(c)に示すよ
うに、光軸の中心位置Pから距離L3(ここでL3>L
2)隔ててスリット42a 〜42dが形成されている。
【0055】したがって絞り40を測定光の光路中に配
置した場合には、他の絞り41,42を配置した場合に
比べて、光軸の中心位置Pに近い範囲の測定光のみがス
リット40a 〜40dを通過して受光素子54〜57に
投影され、光軸の中心位置Pから遠い範囲の測定光は遮
光されて受光素子54〜57に投影されない。また絞り
42を測定光の光路中に配置した場合には、他の絞り4
0,41を配置した場合に比べて、光軸の中心位置Pか
ら遠い範囲の測定光のみがスリット42a 〜42dを通
過して受光素子54〜57に投影され、光軸の中心位置
Pに近い範囲の測定光は遮光されて受光素子54〜57
に投影されない。また絞り41は、絞り40、42の中
間範囲の測定光のみを受光素子54〜57に投影する。
図10には絞り41を配置した状態を示す。
【0056】そして、例えば被検眼Eの瞳孔が充分開い
ていない場合には絞り40を配置することによって、光
軸の中心位置Pに近い範囲の測定光のみを受光素子54
〜57に投影することができる。あるいは被検眼Eの表
面反射が大きい場合には、絞り42を配置することによ
って、光軸の中心位置Pから遠い範囲の測定光のみを受
光素子54〜57に投影することができる。したがって
不安定な範囲の測定光を遮光することができ、一層正確
な測定を行なうことができる。
【0057】このような絞り40〜42は、絞り切替手
段たる図示しないターレット板上に配置されており、検
者によって図示しない切替スイッチが操作され、該操作
にしたがってターレット板が回転することによって、絞
り40〜42のうち任意の絞りが、測定光の光路中にお
ける被検眼Eと略共役な位置に選択的に配置される。ま
たこの切替に先立っては、第1実施形態と同様に、被検
眼Eの像と絞り40〜42を介して投影される測定光の
範囲とがTVモニタ76に重ねて表示され、検者が絞り
40〜42のいずれかを選択する際の参考とされる。こ
の他、前述のように、画像解析を用いて測定に最適な絞
りを自動的に配置してもよい。
【0058】絞り40〜42のいずれかを介して絞られ
た測定光は受光素子54〜57にて受光され、該受光素
子54〜57から屈折力算出回路72に出力信号が出力
される。そして屈折力算出回路72は、自己に入力され
た出力信号に基づいて被検眼の屈折力を算出するが、こ
の屈折力の算出は光路中に配置された絞りの形状に基づ
いて行われる。すなわち本実施形態においては、変換テ
ーブル記憶部73に、受光素子にて受光された測定光の
位相差と被検眼の屈折力との対応関係を示す変換テーブ
ルが絞りの形状毎に記憶されており、またいかなる形状
の絞り40〜42が測定光の光路中に配置されているか
が屈折力算出部によって常時監視されている。そして屈
折力算出部は、屈折力を算出する際、測定光の光路中に
現在配置されている絞りの形状に対応した変換テーブル
を変換テーブル記憶部73から呼出し、該呼出した変換
テーブルを用いて屈折力を算出する。
【0059】次に、本発明の第3実施形態について図面
を参照して詳細に説明する。図3は本形態における本装
置の光学的構成を側面方向より示す図、図11は変倍レ
ンズを光路中に配置する前の図3のC−C’矢視図、図
12は変倍レンズを光路中に配置した状態における図3
のC−C’矢視図である。なお特に説明なき構成につい
ては第1実施形態とほぼ同様であり、同機能を有する部
分は同符号で示す。上記第1実施形態では複数の受光素
子を切替えたのに対し、本実施形態では受光素子を切替
えずに、複数の変倍レンズ44〜46によって測定光を
測定状態に応じた所定の大きさに変倍する。
【0060】図3に示すように本装置は、第1実施形態
における装置とほぼ同様の光学的構成をなすが、レンズ
15と絞り16との間には、複数の変倍レンズ44〜4
6が選択的に配置されている。また受光器19は、図1
1、12に示すように、従来と同様に構成された4分割
受光素子50〜53の他、従来と同様に構成された受光
素子64〜67とを備えて構成されており、このうち上
下一対の受光素子64,66は上下方向に走査された測
定光を受光し、左右一対の受光素子65,67は左右方
向に走査された測定光を受光する。
【0061】また複数の変倍レンズ44〜46は、測定
状態(被検眼Eの瞳孔の広狭、被検眼Eの表面反射の多
少)に応じてレンズ15と絞り16との間に選択的に配
置されるもので、各変倍レンズは互いに異なる倍率で測
定光を受光素子54〜57の受光面に合焦させ、受光素
子54〜57の受光面が測定光にて完全に覆われるよう
に(測定光が受光素子54〜57の全受光面に照射する
ように)、該測定光を変倍する。例えば図11に示すよ
うに、被検眼Eの瞳孔が充分開いていないために瞳孔径
E1が受光素子64,67上に位置しているような場合
には、複数の変倍レンズ44〜46のうちの一つのレン
ズを測定光の光路中に配置することにより、図12に示
すように、受光素子54〜57の全てが瞳孔径E1の内
側に位置するように、測定光を拡大する。この場合、配
置された変倍レンズに応じて受光素子19を光軸方向に
移動させる。このように複数の変倍レンズ44〜46を
選択的に配置することによって、測定光を常に受光素子
の位置及び形状に応じた最適な大きさに変倍でき、正確
な測定が可能となる。
【0062】このような複数の変倍レンズ44〜46
は、レンズ切替手段たる図示しないターレット板上に配
置されており、検者によって図示しない切替スイッチが
操作され、該操作にしたがってターレット板が回転する
ことによって、複数の変倍レンズのうち任意の倍率の変
倍レンズが、測定光の光路中における被検眼Eと略共役
な位置に選択的に配置される。またこの切替に先立って
は、第1実施形態と同様に、被検眼Eの像と複数の変倍
レンズ44〜46を介して投影される測定光の範囲とが
TVモニタ76に重ねて表示され、検者が複数の変倍レ
ンズ44〜46のいずれかを選択する際の参考とされ
る。この他、前述のように、画像解析を用いて測定に最
適な変倍レンズを自動的に配置してもよい。
【0063】複数の変倍レンズ44〜46のいずれかを
介して絞られた測定光は受光素子54〜57にて受光さ
れ、該受光素子54〜57から屈折力算出回路72に出
力信号が出力される。そして屈折力算出回路72は、自
己に入力された出力信号に基づいて被検眼の屈折力を算
出するが、この屈折力の算出は光路中に配置された変倍
レンズの倍率に基づいて行われる。すなわち本実施形態
においては、変換テーブル記憶部73に、受光素子にて
受光された測定光の位相差と被検眼の屈折力との対応関
係を示す変換テーブルが変倍レンズの倍率毎に記憶され
ており、またいかなる倍率の変倍レンズが測定光の光路
中に配置されているかが屈折力算出部によって常時監視
されている。そして屈折力算出部は、屈折力を算出する
際、測定光の光路中に現在配置されている変倍レンズの
倍率に対応した変換テーブルを変換テーブル記憶部73
から呼出し、該呼出した変換テーブルを用いて屈折力を
算出する。
【0064】さて、これまで本発明の一実施形態につい
て説明したが、本発明は上記に示した実施形態に限定さ
れず、その技術的思想の範囲内において種々異なる形態
にて実施されてよいものであり、以下、これら異なる形
態について説明する。まず本装置の光学系については図
1〜3に示した構成に限らず、周知のあらゆる構成が採
用されてよい。また第1実施形態においては上下及び左
右にそれぞれ三対の受光素子を配置したが、三対以上の
受光素子や二対の受光素子を配置してもよい。すなわち
複数の受光素子を測定光の光軸中心から遠ざかる方向に
沿って配置するものであればよい。また各受光素子の形
状は図示の形状に限らず、周知のあらゆる形状が採用さ
れてよい。例えば測定光の幅や形状に対応させて、測定
光の中心近くの受光素子と遠くの受光素子とで互いに大
きさを変えてもよい。
【0065】また第2実施形態の絞りのスリットの形状
も図示のものに限らず、測定光の幅や形状に対応させ
て、測定光の中心近くのスリットと遠くのスリットとで
互いに異なる形状としてもよい。また第3実施形態にお
いては、より多くの変倍レンズを選択的に配置可能とし
てよい。
【0066】
【発明の効果】上記したように請求項1、2に記載の本
発明は、受光光学系の受光素子を該受光素子が受光する
測定光の光軸から遠ざかる方向に沿って複数配置し、複
数の受光素子から測定に用いる受光素子を選択する選択
手段を備えることにより、常に瞳孔の内側に位置してい
る受光素子や被検眼の表面反射の影響を受けない受光素
子のみを用いて測定を行なうことができ、測定の正確性
を飛躍的に向上させることができる。
【0067】さらに請求項3に記載の本発明は、被検眼
を表示する表示手段を備え、該表示手段には受光素子を
選択するための所定の情報を被検眼に重ねて表示するこ
とにより、どの位置の受光素子が測定に適しているのか
を容易に知ることができ、受光素子の選択が極めて容易
となる。
【0068】さらにまた請求項4に記載の本発明は、被
検眼の瞳孔の位置及び形状を検出する瞳孔検出手段と、
選択手段によって現在選択されている受光素子の位置及
び形状が瞳孔検出手段にて検出された瞳孔の位置及び形
状に対応しているか否かを判断する判断手段と、判断手
段にて対応していないと判断された場合、現在選択され
ている受光素子を瞳孔検出手段にて検出された瞳孔の位
置及び形状に対応する位置及び形状の受光素子に切替え
る切替手段とを備えることにより、最適な位置に配置さ
れている受光素子が自動的に選択され、正確な測定を一
層容易に行なうことができる。
【0069】しかも請求項5に記載の本発明は、被検眼
の瞳孔の位置及び形状を検出する瞳孔検出手段と、受光
素子の位置及び形状が前記瞳孔検出手段にて検出された
瞳孔の位置及び形状に対応しているか否かを判断する判
断手段と、判断手段の判断結果に基づいて、算出手段に
て算出された屈折力に対して該屈折力の信頼性を示す所
定の情報を付加する情報付加手段とを備えることによ
り、屈折力の信頼性に関する情報が自動的に付加される
ので、この情報を参照等することによって屈折力測定全
体の信頼性を向上させることができる。
【0070】しかもまた請求項6、7に記載の本発明
は、受光素子にて受光される測定光を測定状態に応じた
異なる範囲に絞るための複数の絞りと、複数の絞りのう
ち任意の絞りを受光素子と被検眼との間における被検眼
と略共役な位置に選択的に配置する絞り切替手段とを備
えたことにより、測定に適した範囲の測定光のみを受光
素子に投影することができ、測定の正確性を飛躍的に向
上させることが可能となる。
【0071】また請求項8,9に記載の本発明は、受光
素子が測定光にて完全に覆われるように該測定光を変倍
するための複数の変倍レンズと、複数の変倍レンズのう
ち任意の変倍レンズを、受光素子と被検眼との間におけ
る被検眼と略共役な位置に選択的に配置するレンズ切替
手段とを備えたことにより、測定光を測定に適した大き
さで受光素子に投影することができ、測定の正確性を飛
躍的に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態における他覚式屈折力測
定装置の光学的構成を側面方向より示す図である。
【図2】第2実施形態における他覚式屈折力測定装置の
光学的構成を側面方向より示す図である。
【図3】第3実施形態における他覚式屈折力測定装置の
光学的構成を側面方向より示す図である。
【図4】図1の装置の電気的構成を示すブロック図であ
る。
【図5】図1のA−A’矢視図であり、(a)は受光器
全体を示す図、(b)は瞳孔径が極めて狭い場合に選択
される受光器を示す図、(c)は瞳孔径がやや狭い場合
に選択される受光器を示す図、(d)は被検眼反射光の
範囲が広い場合に選択される受光器を示す図である。
【図6】TVモニタの表示画面を示す図である。
【図7】TVモニタの表示画面を示す図である。
【図8】図2の絞りの正面図であり、(a)は絞り40
の正面図、(b)は絞り41の正面図、(c)は絞り4
2の正面図である。
【図9】図2の受光器の正面図である。
【図10】図2のB−B’矢視図である。
【図11】変倍レンズを光路中に配置する前の図3のC
−C’矢視図である。
【図12】変倍レンズを光路中に配置した状態における
図3のC−C’矢視図である。
【図13】従来の他覚式屈折力測定装置の受光器の正面
図である。
【図14】従来の他覚式屈折力測定装置の受光器の正面
図である。
【図15】従来の他覚式屈折力測定装置の受光器の正面
図である。
【符号の説明】
E 被検眼 E1 被検眼の虹彩の内径に対応する位置 E2 被検眼の虹彩の外径に対応する位置 E3 被検眼の角膜にて反射された反射光の範囲 J1 受光素子の外接円 J2 受光素子の内接円 P 中心位置 1 測定光学系 2 固視光学系 3 観察光学系 11、31 赤外光源 12、15、23、33 レンズ 13 チョッパ 14、24 ハーフミラー 16、40〜42 絞り 17 受光器 21 可視光源 22 固視標 32 全反射ミラー 34 CCDカメラ 40〜42 絞り 43 スリット 44〜46 変倍レンズ 50〜53 4分割受光素子 60〜63、54〜57、 受光素子 70 受光素子切替スイッチ 71 受光素子切替回路 72 屈折力算出回路 73 変換テーブル記憶部 74 素子情報提示部 75 スーパーインポーズ回路 76 TVモニタ 77 マイクロプロセッサ

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被検眼の眼底に測定光を投影する投影光学
    系と、 前記投影光学系にて投影され被検眼にて反射された測定
    光を受光素子を介して受光する受光光学系と、 前記受光光学系にて受光された測定光に基づいて被検眼
    の屈折力を算出する算出手段と、を備える他覚式屈折力
    測定装置において、 前記受光光学系の受光素子を該受光素子が受光する測定
    光の光軸から遠ざかる方向に沿って複数配置し、 前記複数の受光素子から測定に用いる受光素子を選択す
    る選択手段を備えることを特徴とする他覚式屈折力測定
    装置。
  2. 【請求項2】前記算出手段は、前記選択手段にて選択さ
    れた受光素子に関する所定の情報に基づいて被検眼の屈
    折力を算出することを特徴とする請求項1に記載の他覚
    式屈折力測定装置。
  3. 【請求項3】被検眼を表示する表示手段を備え、該表示
    手段には前記受光素子を選択するための所定の情報を前
    記被検眼に重ねて表示することを特徴とする請求項1又
    は2に記載の他覚式屈折力測定装置。
  4. 【請求項4】被検眼の瞳孔の位置及び形状を検出する瞳
    孔検出手段と、 前記選択手段によって現在選択されている受光素子の位
    置及び形状が前記瞳孔検出手段にて検出された瞳孔の位
    置及び形状に対応しているか否かを判断する判断手段
    と、 前記判断手段にて対応していないと判断された場合、現
    在選択されている受光素子を前記瞳孔検出手段にて検出
    された瞳孔の位置及び形状に対応する位置及び形状の受
    光素子に切替える切替手段と、を備えることを特徴とす
    る請求項1乃至3に記載の他覚式屈折力測定装置。
  5. 【請求項5】被検眼の眼底に測定光を投影する投影光学
    系と、 前記投影光学系にて投影され被検眼にて反射された測定
    光を受光素子を介して受光する受光光学系と、 前記受光光学系にて受光された測定光に基づいて被検眼
    の屈折力を算出する算出手段と、を備える他覚式屈折力
    測定装置において、 被検眼の瞳孔の位置及び形状を検出する瞳孔検出手段
    と、 前記受光素子の位置及び形状が前記瞳孔検出手段にて検
    出された瞳孔の位置及び形状に対応しているか否かを判
    断する判断手段と、 前記判断手段の判断結果に基づいて、前記算出手段にて
    算出された屈折力に対して該屈折力の信頼性を示す所定
    の情報を付加する情報付加手段と、を備えることを特徴
    とする他覚式屈折力測定装置。
  6. 【請求項6】被検眼の眼底に測定光を投影する投影光学
    系と、 前記投影光学系にて投影され被検眼にて反射された測定
    光を受光素子を介して受光する受光光学系と、 前記受光光学系にて受光された測定光に基づいて被検眼
    の屈折力を算出する算出手段と、を備える他覚式屈折力
    測定装置において、 前記受光素子にて受光される測定光を測定状態に応じた
    異なる範囲に絞るための複数の絞りと、 前記複数の絞りのうち任意の絞りを、前記受光素子と被
    検眼との間における前記被検眼と略共役な位置に選択的
    に配置する絞り切替手段と、を備えることを特徴とする
    他覚式屈折力測定装置。
  7. 【請求項7】前記算出手段は、前記絞り切替手段にて配
    置された絞りに基づいて被検眼の屈折力を算出すること
    を特徴とする請求項6に記載の他覚式屈折力測定装置。
  8. 【請求項8】被検眼の眼底に測定光を投影する投影光学
    系と、 前記投影光学系にて投影され被検眼にて反射された測定
    光を受光素子を介して受光する受光光学系と、 前記受光光学系にて受光された測定光に基づいて被検眼
    の屈折力を算出する算出手段と、を備える他覚式屈折力
    測定装置において、 前記受光素子が前記測定光にて完全に覆われるように該
    測定光を変倍するための複数の変倍レンズと、 前記複数の変倍レンズのうち任意の変倍レンズを、前記
    受光素子と被検眼との間における前記被検眼と略共役な
    位置に選択的に配置するレンズ切替手段と、を備えるこ
    とを特徴とする他覚式屈折力測定装置。
  9. 【請求項9】前記算出手段は、前記レンズ切替手段にて
    配置された変倍レンズに基づいて被検眼の屈折力を算出
    することを特徴とする請求項8に記載の他覚式屈折力測
    定装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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