JPH1122523A - 内燃機関の空燃比制御装置 - Google Patents

内燃機関の空燃比制御装置

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JPH1122523A
JPH1122523A JP17964897A JP17964897A JPH1122523A JP H1122523 A JPH1122523 A JP H1122523A JP 17964897 A JP17964897 A JP 17964897A JP 17964897 A JP17964897 A JP 17964897A JP H1122523 A JPH1122523 A JP H1122523A
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JP
Japan
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air
fuel ratio
supply amount
fuel
fuel supply
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JP17964897A
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Shigeaki Kakizaki
成章 柿崎
Mikio Matsumoto
幹雄 松本
Hiroshi Oba
大羽  拓
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Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Priority to DE69822712T priority patent/DE69822712T2/de
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】ストイキ運転とリーン運転とを切り換えるもの
において、簡単な構成で、学習機会を維持しつつ、高精
度な学習制御及び空燃比制御を行えるようにする。 【解決手段】S1で、燃料噴射パルス幅Tiを読み込
む。S2では、マップ検索値Tib(=Ti−Ts:T
sは無効噴射パルス幅)を演算する。このマップ検索値
Tibは、実際の燃料噴射量に相関する値となる。そし
て、学習値PHOSをマップに更新記憶などする際に、
従来のようにストイキ用の基本燃料噴射量(シリンダ充
填吸入空気流量)Tpをパラメータとせずに、このマッ
プ検索値Tibをパラメータとする。従って、目標空燃
比(目標当量比)がストイキに設定されていてもリーン
に設定されていても、何れの場合も燃料噴射弁4の作動
状態(燃料噴射量)に応じた学習領域を参照することが
できることになる。このため、簡単な構成でありなが
ら、学習機会を維持でき、学習精度や空燃比フィードバ
ック制御延いてはリーン運転時の空燃比のオープン制御
精度を向上させることが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の吸入混
合気の空燃比を制御する装置、特に学習機能を備えるも
のに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、学習機能を備えた空燃比フィード
バック制御装置としては、特開平5−156994号公
報等に開示されるようなものがある。ここで、空燃比フ
ィードバック制御は、目標空燃比(例えば、理論空燃
比)に対する実際の空燃比のリッチ・リーンを機関排気
系に設けた酸素センサの出力値とスライスレベル(目標
空燃比相当値)とを比較することで判別し、該判定結果
に基づき空燃比フィードバック補正係数αを比例・積分
制御などにより増減設定し、エアフローメータで検出さ
れた吸入空気流量と機関回転速度とから算出される基本
燃料噴射量Tpを、前記空燃比フィードバック補正係数
αで補正することにより、部品誤差・経時劣化、或いは
環境変化等に起因する実際の空燃比の目標空燃比からの
偏差をなくすようにするものである。
【0003】また、学習機能は、前記空燃比フィードバ
ック補正係数αの基準値(目標収束値)からの偏差を、
学習値PHOSとして、これを機関運転領域(即ち、学
習領域)毎に複数に区分された学習マップに更新記憶
し、前記基本燃料噴射量Tpを当該学習値PHOSによ
り補正することで、空燃比フィードバック補正係数αな
しで得られるベース空燃比を略目標値に一致させるよう
にするもので、これにより空燃比フィードバック制御に
おける実際の空燃比の目標空燃比への収束を早めること
ができるようにするものである。
【0004】すなわち、空燃比フィードバック制御と学
習機能とを組み合わせることで、運転条件毎に異なる燃
料噴射量の補正要求に応答性よく対応し、実際の空燃比
を目標空燃比近傍に良好に制御可能とするものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
従来の空燃比学習制御装置においては、学習値PHOS
を機関運転領域毎に記憶しておく学習マップは、横軸=
回転速度Ne,縦軸(負荷軸)=ストイキ運転時の基本
燃料噴射量(シリンダ充填吸入空気流量)Tpとするも
のであった。
【0006】このため、例えば、ストイキ運転{理論空
燃比(λ=1)近傍での運転}と、リーン運転(希薄空
燃比下での運転)と、を切り換えるような場合には、以
下のような惧れがある。即ち、ストイキ運転時に、上述
したような手法により酸素センサの出力に基づいて空燃
比フィードバック制御を行いつつ学習値PHOSを更新
記憶する一方、リーン運転時(所謂、筒内直接燃料噴射
式エンジンにおいて行われる均質燃焼と成層燃焼の双方
のリーン運転時を含む)には、このストイキ運転時に更
新記憶した学習値PHOSを参照(検索)して基本燃料
噴射量Tpを補正し、オープン制御を行うようにしてい
る。
【0007】このとき、ストイキ運転時の基本燃料噴射
量Tpにより区分けされた学習領域と、リーン運転時に
参照すべき領域と、が、空燃比のリーン化に伴う基本燃
料噴射量Tpの増加により(リーン運転中は例えばスロ
ットル弁開度を強制的に増大させて吸入空気流量を増大
させるからである)、必ずしも一致しなくなる惧れがあ
る。このため、リーン運転時には、燃料デバイス(燃料
噴射弁)の動作点(実際の燃料噴射量)はストイキ運転
時と略同等であるにも拘わらず、実際に参照されてくる
学習値PHOSはリーン化により増加された基本燃料噴
射量Tpに基づくものであるため、本来参照すべきもの
ではなくなってしまう惧れがある。
【0008】従って、リーン運転時における空燃比制御
精度が低下する惧れがある。なお、上記惧れを回避する
ために、リーン運転に対応させた学習領域を別個新たに
増設することが考えられるが、ストイキ運転時には当該
学習領域で学習が行われる可能性が低いので、例えば、
ストイキ運転からリーン運転への移行条件である『学習
値PHOSが始動後取得(更新記憶)されたこと』をク
リアすることができず、ストイキ運転からリーン運転へ
移行させることができなくなってしまう惧れがある。
【0009】また、ストイキ運転時の学習領域(一単
位)を、リーン運転に対応した領域まで含めるように拡
張することも考えられるが、かかる方法では、学習精度
自体が低下する惧れ、延いては該精度の低い学習結果を
参照して行われるリーン運転中のオープン制御の精度低
下も招くといった惧れがある。本発明は、かかる実情に
鑑みなされたもので、ストイキ運転とリーン運転(成層
燃焼・均質燃焼の双方を含む)とを切り換えるようにし
たものにおいて、簡単な構成で、学習機会を維持しつ
つ、高精度な学習制御及び空燃比制御を行えるようにし
た内燃機関の空燃比制御装置を提供することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1に記
載の発明では、シリンダ充填吸入空気流量に基づいて基
本燃料供給量を演算する基本燃料供給量演算手段と、機
関吸入混合気の空燃比を理論空燃比に対するリッチ・リ
ーン信号として検出する空燃比検出手段と、前記空燃比
検出手段が検出する検出結果に基づいて、実際の空燃比
を理論空燃比近傍に近づけるように、前記基本燃料供給
量を補正するための空燃比フィードバック補正値を設定
する空燃比フィードバック補正値設定手段と、機関運転
領域を燃料供給量に対応させて複数の運転領域に分割
し、運転領域毎に、前記基本燃料供給量を補正するため
の空燃比学習補正値を書き換え可能に記憶する空燃比学
習補正値記憶手段と、前記空燃比学習補正値記憶手段の
記憶する空燃比学習補正値を、該当運転領域毎に、前記
空燃比フィードバック補正値の基準値からの偏差を減少
させる方向に更新設定する空燃比学習手段と、前記基本
燃料供給量と、前記空燃比フィードバック補正値と、該
当運転領域に対応する空燃比学習補正値と、に基づい
て、最終的な燃料供給量を設定する燃料供給量設定手段
と、前記燃料供給量設定手段により設定された燃料供給
量に基づいて燃料供給装置を駆動制御する駆動手段と、
を含んで構成された内燃機関の空燃比制御装置を用い
て、理論空燃比近傍運転下で空燃比制御を行わせる一
方、希薄空燃比運転下では、シリンダ充填吸入空気流量
と、目標空燃比と、に基づき設定される希薄空燃比運転
用燃料供給量を用いて前記空燃比学習補正値記憶手段を
検索すると共に、該検索された空燃比学習補正値と、希
薄空燃比運転用燃料供給量と、に基づいて、最終的な燃
料供給量を設定し、該最終的な燃料供給量を機関へ供給
できるように、前記駆動手段を介して燃料供給装置を駆
動制御するようにした。
【0011】請求項2に記載の発明では、図1に示すよ
うに、シリンダ充填吸入空気流量に基づいて基本燃料供
給量を演算する基本燃料供給量演算手段と、機関吸入混
合気の空燃比を理論空燃比に対するリッチ・リーン信号
として検出する空燃比検出手段と、前記空燃比検出手段
が検出する検出結果に基づいて、実際の空燃比を理論空
燃比近傍に近づけるように、前記基本燃料供給量を補正
するための空燃比フィードバック補正値を設定する空燃
比フィードバック補正値設定手段と、機関運転領域を燃
料供給量に対応させて複数の運転領域に分割し、運転領
域毎に、前記基本燃料供給量を補正するための空燃比学
習補正値を書き換え可能に記憶する空燃比学習補正値記
憶手段と、前記空燃比学習補正値記憶手段の記憶する空
燃比学習補正値を、該当運転領域毎に、前記空燃比フィ
ードバック補正値の基準値からの偏差を減少させる方向
に更新設定する空燃比学習手段と、前記基本燃料供給量
と、前記空燃比フィードバック補正値と、該当運転領域
に対応する空燃比学習補正値と、に基づいて、最終的な
燃料供給量を設定する燃料供給量設定手段と、前記燃料
供給量設定手段により設定された燃料供給量に基づいて
燃料供給装置を駆動制御する駆動手段と、を含んで構成
された内燃機関の理論空燃比運転用空燃比制御装置を備
えると共に、希薄空燃比運転下において、シリンダ充填
空気量と、目標空燃比と、に基づき、希薄空燃比運転用
燃料供給量を演算する希薄空燃比運転用燃料供給量演算
手段と、前記希薄空燃比運転用燃料供給量を介して、前
記空燃比学習補正値記憶手段を検索する学習補正値検索
手段と、前記学習補正値検索手段により検索された空燃
比学習補正値と、前記希薄空燃比運転用燃料供給量と、
に基づいて、希薄空燃比運転下における最終的な燃料供
給量を設定する希薄空燃比運転用燃料供給量設定手段
と、前記希薄空燃比運転用燃料供給量設定手段により設
定された燃料供給量に基づいて燃料供給装置を駆動制御
する駆動手段と、を含んで構成された内燃機関の希薄空
燃比運転用空燃比制御装置を備えて構成するようにし
た。
【0012】請求項1や請求項2に記載の発明の構成と
すれば、空燃比学習補正値を更新記憶或いは検索などす
る運転領域(学習領域)の負荷軸を、従来のようなスト
イキ用の基本燃料供給量(シリンダ充填吸入空気流量)
Tpとせずに、実際の燃料供給量(或いは目標トルク相
当値)とするようにしたので、目標空燃比(目標当量
比)がストイキに設定されていてもリーンに設定されて
いても、何れの場合も燃料供給装置の作動状態(実際の
燃料供給量)に応じた学習領域を検索(参照)すること
ができることになる。従って、簡単な構成でありなが
ら、ストイキ運転時の学習領域とリーン運転時に参照
(検索)すべき領域とを一致させることが可能となる。
このため、例えば、ストイキ運転時の学習補正値を用い
たリーン運転時の空燃比のオープン制御精度を向上させ
ることが可能となる。
【0013】また、例えばリーン運転に対応させた学習
領域を別個新たに増設するようにした場合に生じる惧
れ、即ち、ストイキ運転時には当該学習領域で学習が行
われる可能性が低いので、ストイキ運転からリーン運転
への移行条件である『学習値KL が始動後取得(更新記
憶)されたこと』をクリアすることができず、ストイキ
運転からリーン運転へ移行させることができなくなって
しまうと言った惧れ、も回避することもできる。
【0014】しかも、ストイキ運転時の学習領域(一単
位)をリーン運転に対応した領域まで含めるように拡張
した場合に生じる惧れ、即ち、学習精度自体が低下する
惧れ延いては該精度の低い学習結果を参照して行われる
リーン運転中のオープン制御の精度低下を招くと言った
惧れも確実に回避することができるものである。つま
り、本発明によれば、ストイキ運転とリーン運転(成層
燃焼・均質燃焼の双方を含む)とを切り換えるようにし
たものにおいても、簡単な構成で、学習機会を維持しつ
つ、運転領域全域で高精度な学習延いては空燃比フィー
ドバック制御が行えると共に、この学習結果を用いた高
精度な空燃比のオープン制御が行えるようになる。
【0015】請求項3に記載の発明では、シリンダ充填
吸入空気流量に基づいて基本燃料供給量を演算する基本
燃料供給量演算手段と、機関吸入混合気の空燃比を理論
空燃比に対するリッチ・リーン信号として検出する空燃
比検出手段と、前記空燃比検出手段が検出する検出結果
に基づいて、実際の空燃比を理論空燃比近傍に近づける
ように、前記基本燃料供給量を補正するための空燃比フ
ィードバック補正値を設定する空燃比フィードバック補
正値設定手段と、機関運転領域を燃料供給量に対応させ
て複数の運転領域に分割し、運転領域毎に、前記基本燃
料供給量を補正するための空燃比学習補正値を書き換え
可能に記憶する空燃比学習補正値記憶手段と、前記空燃
比学習補正値記憶手段の記憶する空燃比学習補正値を、
該当運転領域毎に、前記空燃比フィードバック補正値の
基準値からの偏差を減少させる方向に更新設定する空燃
比学習手段と、前記基本燃料供給量と、前記空燃比フィ
ードバック補正値と、該当運転領域に対応する空燃比学
習補正値と、に基づいて、最終的な燃料供給量を設定す
る燃料供給量設定手段と、前記燃料供給量設定手段によ
り設定された燃料供給量に基づいて燃料供給装置を駆動
制御する駆動手段と、を含んで構成された内燃機関の理
論空燃比運転用空燃比制御装置を備えると共に、希薄空
燃比運転下において、シリンダ充填吸入空気流量と、目
標空燃比と、を乗算して、学習補正値検索用燃料供給量
を演算する学習補正値検索用燃料供給量演算手段と、前
記学習補正値検索用燃料供給量を介して、前記空燃比学
習補正値記憶手段を検索する学習補正値検索手段と、前
記学習補正値検索手段により検索された空燃比学習補正
値と、シリンダ充填吸入空気流量と、目標空燃比と、に
基づいて、希薄空燃比運転下における最終的な燃料供給
量を設定する希薄空燃比運転用燃料供給量設定手段と、
前記希薄空燃比運転用燃料供給量設定手段により設定さ
れた燃料供給量に基づいて燃料供給装置を駆動制御する
駆動手段と、を含んで構成された内燃機関の希薄空燃比
運転用空燃比制御装置を備えて構成するようにした。
【0016】かかる構成とすれば、上記と同様に、スト
イキ運転時の学習領域とリーン運転時に検索すべき領域
とを一致させることなどが可能となるが、更に、実際の
燃料供給量に基づいて学習領域を検索するのではなく、
シリンダ内充填吸入空気流量と目標空燃比(目標当量
比)とを乗算した学習補正値検索用燃料供給量を介して
検索するので、より一層、演算量を低減でき、制御ロジ
ックの簡略化を図ることができる。
【0017】また、学習補正値検索用燃料供給量は、空
燃比学習補正値などの影響を受けないので、かかる点に
おいても、一層高精度な学習制御や空燃比フィードバッ
ク制御、空燃比のオープン制御を実現できることとな
る。請求項4に記載の発明では、前記空燃比学習補正値
記憶手段における複数に分割された運転領域は、前記空
燃比フィードバック補正値や空燃比学習補正値を含まな
い燃料供給量に対応されるようにした。
【0018】かかる構成とすれば、空燃比学習補正値を
更新記憶する運転領域(学習領域)の負荷軸を、実際の
燃料供給量とした場合には、空燃比学習補正値や空燃比
フイードバック補正値が基準値(例えば1.0)から偏
差した場合などを考えると、その影響で、本来更新記憶
或いは検索すべき学習領域と異なる学習領域が更新記憶
或いは検索されるようになってしまう惧れがあるが、か
かる惧れを確実に回避することが可能となる。よって、
一層学習精度延いては空燃比フィードバック制御精度を
向上できると共に、この学習結果を用いた空燃比のオー
プン制御の制御精度を一層高めることが可能となる。
【0019】
【発明の効果】請求項1や請求項2に記載の発明によれ
ば、空燃比学習補正値を更新記憶或いは検索などする運
転領域(学習領域)の負荷軸を、従来のようなシリンダ
充填吸入空気流量とせずに、燃料供給量とするようにし
たので、目標空燃比(目標当量比)がストイキに設定さ
れていてもリーンに設定されていても、何れの場合も燃
料供給装置の作動状態(燃料供給量)に応じた学習領域
を検索(参照)することができることになる。従って、
簡単な構成でありながら、ストイキ運転時の学習領域と
リーン運転時に参照(検索)すべき領域とを一致させる
ことが可能となる。このため、例えば、ストイキ運転時
の学習補正値を用いたリーン運転時の空燃比のオープン
制御精度を向上させることが可能となる。
【0020】また、例えばリーン運転に対応させた学習
領域を別個新たに増設するようにした場合に生じる惧
れ、即ち、ストイキ運転時には当該学習領域で学習が行
われる可能性が低いので、ストイキ運転からリーン運転
への移行条件である『学習値KL が始動後取得(更新記
憶)されたこと』をクリアすることができず、ストイキ
運転からリーン運転へ移行させることができなくなって
しまうと言った惧れ、も回避することもできる。
【0021】しかも、ストイキ運転時の学習領域(一単
位)をリーン運転に対応した領域まで含めるように拡張
した場合に生じる惧れ、即ち、学習精度自体が低下する
惧れ延いては該精度の低い学習結果を参照して行われる
リーン運転中のオープン制御の精度低下を招くと言った
惧れも確実に回避することができるものである。つま
り、本発明によれば、ストイキ運転とリーン運転(成層
燃焼・均質燃焼の双方を含む)とを切り換えるようにし
たものにおいても、簡単な構成で、学習機会を維持しつ
つ、運転領域全域で高精度な学習延いては空燃比フィー
ドバック制御が行えると共に、この学習結果を用いた高
精度な空燃比のオープン制御が行えるようになる。
【0022】請求項3に記載の発明によれば、上記と同
様に、ストイキ運転時の学習領域とリーン運転時に検索
すべき領域とを一致させることなどが可能となるが、更
に、実際の燃料供給量に基づいて学習領域を検索するの
ではなく、シリンダ内充填吸入空気流量と目標空燃比
(目標当量比)とを乗算した学習補正値検索用燃料供給
量を介して検索するので、より一層、演算量を低減で
き、制御ロジックの簡略化を図ることができる。
【0023】また、学習補正値検索用燃料供給量は、空
燃比学習補正値などの影響を受けないので、かかる点に
おいても、一層高精度な学習制御や空燃比フィードバッ
ク制御、空燃比のオープン制御を実現できることとな
る。請求項4に記載の発明によれば、空燃比学習補正値
を更新記憶する運転領域(学習領域)の負荷軸を、実際
の燃料供給量とした場合には、空燃比学習補正値や空燃
比フイードバック補正値が基準値(例えば1.0)から
偏差した場合などを考えると、その影響で、本来更新記
憶或いは検索すべき学習領域と異なる学習領域が更新記
憶或いは検索されるようになってしまう惧れがあるが、
かかる惧れを確実に回避することが可能となる。よっ
て、一層学習精度延いては空燃比フィードバック制御精
度を向上できると共に、この学習結果を用いた空燃比の
オープン制御の制御精度を一層高めることが可能とな
る。
【0024】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の一実施形態を、
添付の図面に基づいて説明する。本発明の第1の実施形
態を示す図2において、吸入空気はエアクリーナから吸
気管3を通り、アクセルペダルと連動するスロットル弁
8によってその流量が制御され、シリンダ内(気筒内)
に流入する。燃料は、噴射信号に基づき各気筒に設けた
インジェクタ(燃料噴射弁)4から、エンジン1の吸気
ポートに向けて噴射される。なお、インジェクタ(燃料
噴射弁)4を、気筒内に臨ませて配設し、気筒内に直接
燃料を噴射供給する構成とすることもできる。
【0025】そして、噴射燃料とシリンダ内に流入する
空気との混合気はシリンダ内で点火火花の助けをかりて
燃焼し、燃焼したガスはピストンを押し下げる仕事を行
う。その後、燃焼ガスは、排気管5を通して三元触媒6
に排出され、ここで有害三成分(CO,HC,NOx)
が清浄化されて大気中に排出される。7は吸入空気流量
Qaを検出するエアフローメータ、9はスロットル弁8
の開度TVOを検出するセンサ、10はエンジンの回転
速度Neを検出するクランク角度センサ、11はウオー
タジャケットの冷却水温Twを検出する水温センサ、1
3はノックセンサ、14は車速センサである。
【0026】12A,12Bは三元触媒6の前と後の排
気管にそれぞれ設けられるO2 (酸素)センサで、理論
空燃比を境にリッチ・リーン反転する特性を有し、理論
空燃比(λ=1)よりもリッチ側であるかリーン側であ
るかのいわゆる2値を出力するものである。O2 (酸
素)センサが、本発明にかかる空燃比検出手段である。
この2つのO2 センサからの出力が、上記のエアフロー
メータ7,クランク角度センサ10、水温センサ11な
どからの出力とともに入力されるコントロールユニット
21では、インジェクタ4に対して燃料噴射信号を出力
し、また以下に示すように、学習機能つきの空燃比フイ
ードバック制御を行う。
【0027】即ち、本発明にかかる基本燃料供給量演算
手段、空燃比フィードバック補正値設定手段、空燃比学
習補正値記憶手段、空燃比学習手段、燃料供給量設定手
段、駆動手段、希薄空燃比運転用燃料供給量演算手段
(学習補正値検索用燃料供給量演算手段)、学習補正値
検索手段、希薄空燃比運転用燃料供給量設定手段として
の機能は、コントロールユニット21がソフトウェア的
に備えるものである。
【0028】図3は、前O2 センサ出力に基づく空燃比
フイードバック制御の基本ルーチンで、回転同期で実行
される。まず前O2 センサ出力と理論空燃比相当のスラ
イスレべルの比較により空燃比がこのスライスレべルを
境にしてリッチあるいはリーンのいずれの側に反転した
かを判定し(ステップ52〜54)、判定結果に応じて
マップを参照(検索)することにより、比例分と積分分
を読み出し、これをCPU内のレジスタに格納する(ス
テップ55,60,63,68)。
【0029】比例分と積分分の各マップ値PR ,PL
R ,iL はあらかじめ与えられる値であり、空燃比フ
イードバック制御の基本制御定数である。比例分PR
L のマップ値の特性を図7に示す。図7のマップ特性
は、マップ検索値Tibとエンジン回転速度Neをパラ
メータにしているが、さらにNeの変化量をもパラメー
タとすることができる。
【0030】なお、上記マップ検索値Tibについて
は、後述する。ところで、図7において斜線で囲った領
域は、車両に生ずるサージングを避けるため、他の領域
よりも格段に小さな値を入れている特殊なゾーンであ
る。なお、積分分については、マップ値iR ,iL にマ
ップ検索値Tibを乗じた値を最終的な積分分IR,I
Lとして求めこともできる(ステップ61,69)。こ
うした負荷補正が必要となるのは、αの制御周期が長く
なる運転域ではαの振幅が大きくなって、三元触媒の排
気浄化性能が落ちることがあるので、αの振幅をαの制
御周期によらずほぼ一定とするためである。
【0031】次に、比例分のマップ値PR 、PL につい
てはこれを学習値PHOS(空燃比学習補正値)により
修正する(ステップ58,66)。この学習値PHOS
は、図6でも示したように、学習値のマップを検索し
て、現在の運転条件の属する学習領域に格納されている
値を読み出すものである(ステップ57,112,11
3、ステップ65,112,113)。なお、後O2
ンサに故障が生じている場合は、学習値に信頼性がなく
なるので、PHOS=0として学習機能を外すようにす
ることができる(ステップ111,114)。
【0032】一方、学習値PHOSは、図4,図5で示
したように、所定の学習条件が成立したとき、後O2
ンサ出力に基づいて更新する(ステップ56,64)。
なお、図4,図5は前O2 センサ出力が反転する周期を
演算周期として実行される。図4,図5において、ステ
ップ81〜91で、次の(1)から(7)の学習条件が
成立しているかどうかを確かめる。
【0033】(1)後O2 センサが活性状態にあること
(ステップ81)。 (2)後O2 センサが故障していない(図では「OK」
で略記する。)こと(ステップ82)。 (3)三元触媒が活性状態にあること(ステップ8
3)。 (4)運転条件が特殊ゾーン以外の領域にあること(ス
テップ84)。
【0034】マップ値PR ,PL の数値情報のうち一部
に数値として使われずに”0”のまま残るビットが存在
するため、このビット(この例ではビット7)に、図7
で示した特殊ゾーンに格納する数値に関してだけ“1”
を入れている。こうすることで、ビット7の値をみて、
これが ”0”であれば特殊ゾーン以外であると判断す
るのである。
【0035】(5)特殊ゾーン以外の領域で所定の回数
だけ空燃比制御が行われたこと(ステップ85,8
6)。ステップ85のカウンタ値jは特殊ゾーンにない
と判断されてからの空燃比反転回数を表すので、このカ
ウンタ値jと一定値n(たとえば12回)とを比較し、
j≧nであれば特殊ゾーン以外の領域で所定の回数だけ
空燃比制御が行なわれたと判断することができる。これ
を条件とするのは、空燃比制御が安定してから学習値の
更新を行わせるためである。
【0036】(6)アイドル状態でないこと(ステップ
87)。アイドル状態ではエンジンの安定性等が優先さ
れるため、空燃比のフイードバック制御を停止するのが
好ましいからである。 (7)運転条件が同じ学習領域に所定回数継続して滞在
したこと(ステップ88〜91)。
【0037】学習領域を図8に示すと、エンジン回転速
度Neとマップ検索値Tib(図10のフローチャート
から求まる)から定まる領域がほぼ等分に複数に区分け
され、各領域ごとに学習値PHOSが格納されている。
ここで、本実施形態に係る『マップ検索値Tib』の演
算ルーチンについて、図10のフローチャートに従って
説明する。
【0038】ステップ1では、現在の運転状態(目標当
量比、各種補正係数など)に応じて演算された燃料噴射
パルス幅(燃料噴射量又は燃料供給量)Tiを読み込
む。ステップ2では、マップ検索値Tib(希薄空燃比
運転用燃料供給量)を演算する。なお、マップ検索値T
ibは、燃料噴射制御とは別のマップ検索専用のパラメ
ータである。
【0039】Tib=Ti−Ts Ts;無効噴射パルス幅 ところで、このマップ検索値Tibは、Ti{≒Tp×
TFBYA(目標当量比)−Ts}であるので、実際の
燃料噴射量延いてはエンジンの目標トルクに相関する値
となる。このため、目標空燃比(目標当量比)がストイ
キに設定されていてもリーンに設定されていても略同じ
値となる。従って、従来のような『ストイキ運転時の基
本燃料噴射量Tpにより区分けされた学習領域と、リー
ン運転時に参照すべき領域と、が、空燃比のリーン化に
伴う基本燃料噴射量Tpの増加により、必ずしも一致し
なくなる』と言った惧れを確実に回避することができる
こととなる。このため、例えばリーン運転時の空燃比の
オープン制御精度を向上させることが可能となる。な
お、ストイキ運転中のエンジントルクは基本燃料噴射量
Tpに相関し(ストイキ運転中にあっては、目標当量
比”λ=1”となるから、このTpが実際の燃料噴射量
に相関する値となる)、リーン運転中のエンジントルク
は吸入空気流量が十分ある状態なので、ストイキ用の基
本燃料噴射量(即ち、シリンダ充填吸入空気流量)Tp
には相関せず、実際の燃料噴射量に相関する。
【0040】そして、現在の運転条件がいずれの学習領
域に属するかをみて、前回と同じ学習領域にあれば、カ
ウンタ値jR を1だけインクリメントする(ステップ8
8〜90)。このカウンタ値jR と一定値nR (たとえ
ば6回)を比較し、jR ≧n R であれば(ステップ9
1)、運転条件が同じ学習領域に一定回数継続して滞在
したと判断することができる。
【0041】上記の(1)から(7)のすべてを満たし
た場合に学習条件が成立したと判断し、現在の運転条件
の属する学習領域(エンジン回転速度Neとマップ検索
値Tibから定まる領域)に格納されている学習値PH
OSを読み出してCPU内のレジスタに格納する(ステ
ップ92)。学習値の更新幅DPHOSには、後O2
ンサにより検出される空燃比がリッチ側で負の値を与
え、リーン側で正の値を与える。これは、後述するステ
ップ94で更新幅DPHOSを学習値PHOSに加算す
る形で補正しているため、リッチ側で更新幅DPHOS
に負の値を与えることによって学習値PHOSを小さく
すると、一方の比例分PRが大きくかつ他方の比例分P
Lが小さくなり、空燃比がリーン側に戻るからである。
同様に、リーン側で学習値DPHOSに正の値を与える
ことによって、空燃比をリッチ側に戻すことができる。
なお、比例分PRとPL の両方を変更しなくとも片方だ
けでもかまわない。
【0042】さて、学習値の更新幅DPHOSの値(絶
対値)を定めるについては、後O2センサ出力とスライ
スレべルとの比較結果に応じた一定値として定めるので
はなく、後O2 センサ出力の中間値を中心にしてこれか
ら大きくずれるはど大きく、中間値の近くでは小さくな
るように、後O2 センサ出力に応じて設定する(ステッ
プ93)。
【0043】図9のように、後O2 センサの出力波形
は、最小値を0V、最大値を1Vとし、かつ中間値の
0.5Vを中心とするほぼ回転対象の形をしているの
で、後O2センサ出力を縦軸、学習値の更新幅DPHO
Sを横軸とする右下がりの一次関数を用意し、後O2
ンサ出力の中間値である0.5Vで更新幅DPHOSが
0となるように定めれば、後O2 センサ出力が中間値か
ら外れるほど更新幅DPHOSの絶対値が大きくなって
いくのである。
【0044】たとえば、図9でA点とB点とを比べれ
ば、より中間値から離れたB点に対するほうが更新幅D
PHOSの絶対値が大きくなっている。こうして求めた
更新幅DPHOSはレジスタに格納している学習値PH
OSに加算することによって学習値を更新し、更新され
た学習値PHOSを同じ学習領域に格納する(ステップ
94,95)。
【0045】このように、学習値の更新幅を後O2 セン
サ出力に応じた可変値とすることにより、ウインドウへ
の空燃比の収束性を高めつつ、空燃比のオーバーシュー
トやアンダーシュートを防止することが可能となる。な
お、本実施形態では、学習値の更新幅を後O2 センサ出
力に応じた可変値とする構成として説明したが、本発明
はこれに限られるものではなく、学習値の更新幅を所定
値とする場合にも適用できるものである。
【0046】最後にCPU内のレジスタに格納されてい
るマップ値PL ,PR の数値情報のうちビット7の値を
”0”に戻して入れなおす(ステップ96)。これ
は、数値情報ビットはもともと数値を表示するものであ
るから、そのままではビット7の”1”も数値の一部と
して扱われることになってしまうからである。図3に戻
り、空燃比フイードバック制御定数(比例分PR ,PL
と積分分IR,IL)に基づいて空燃比フイードバック
補正係数(空燃比フィードバック補正値)αを算出する
(ステップ59,62,67,70)。こうして求めた
補正係数αに基づき、図11のルーチンを実行して燃料
噴射パルス幅Tiを算出する。
【0047】つまり、図11に示すように、吸入空気流
量Qaと回転速度Neから基本噴射パルス幅Tp(=K
・Qa/Ne、ただし、Kは定数。ストイキ時のシリン
ダ充填吸入空気流量に相関する値)を算出し、これを目
標当量比TFBYA(ストイキ運転やリーン運転に応じ
て設定される)や空燃比フイードバック補正係数α(ス
トイキ運転中はαを用いるが、リーン運転中はこのαを
例えば『1.0 ±学習値PHOS』に置き換えて演算す
る)で補正した値をインジェクタに与える燃料噴射パル
ス幅Tiとして算出する。なお、Coは1と水温増量補
正係数KTwなどとの和であり、Tsは無効噴射パルス
幅である。
【0048】このように、本実施形態によれば、学習値
をマップに更新記憶・検索などする際に、従来のように
ストイキ用の基本燃料噴射量(即ち、シリンダ充填吸入
空気流量)Tpをパラメータとせずに、マップ検索値T
ib(実際の燃料噴射量延いては目標トルク相当値)を
パラメータとするようにしたので、目標空燃比(目標当
量比)がストイキに設定されていてもリーンに設定され
ていても、何れの場合も燃料噴射弁4の作動状態(実際
の燃料噴射量)に応じた学習領域を参照することができ
ることになる。従って、簡単な構成でありながら、スト
イキ運転時の学習領域とリーン運転時に参照(検索)す
べき領域とを一致させることが可能となる。このため、
例えば、リーン運転時の空燃比のオープン制御精度を向
上させることが可能となる。
【0049】また、例えばリーン運転に対応させた学習
領域を別個新たに増設するようにした場合に生じる惧
れ、即ち、ストイキ運転時には当該学習領域で学習が行
われる可能性が低いので、ストイキ運転からリーン運転
への移行条件である『学習値KL が始動後取得(更新記
憶)されたこと』をクリアすることができず、ストイキ
運転からリーン運転へ移行させることができなくなって
しまうと言った惧れ、も回避することもできる。
【0050】しかも、ストイキ運転時の学習領域(一単
位)をリーン運転に対応した領域まで含めるように拡張
した場合に生じる惧れ、即ち、学習精度自体が低下する
惧れ延いては該精度の低い学習結果を参照して行われる
リーン運転中のオープン制御の精度低下を招くと言った
惧れも確実に回避することができるものである。つま
り、本実施形態によれば、ストイキ運転とリーン運転
(成層燃焼・均質燃焼)とを切り換えるようにしたもの
においても、簡単な構成で、学習機会を維持しつつ、運
転領域全域で高精度な学習延いては空燃比フィードバッ
ク制御が行えると共に、この学習結果を用いた高精度な
空燃比のオープン制御が行えるようになる。
【0051】ところで、上記実施形態では、マップ検索
値Tibを『Ti−Ts』として、実際の燃料噴射量と
したが、学習値PHOS延いては空燃比フイードバック
補正係数αが基準値(例えば1.0)から大きく偏差し
た場合などを考えると、その影響でTi自体が変化して
しまい、本来参照すべき学習領域と異なる学習領域が参
照されるようになってしまう惧れがある。
【0052】そこで、マップ検索値Tibを演算する際
のTiは、学習値PHOS延いては空燃比フイードバッ
ク補正係数α、Co(水温増量補正係数KTwなど)に
よる変化を抑制するために、これらで除算する構成とす
ることもできる。即ち、図10のフローチャートのステ
ップ2において、 Tib=(Ti−Ts)/α/Co なる演算を行うようにしても良い。
【0053】このようにすれば、学習値PHOS延いて
は空燃比フイードバック補正係数αが、例えば経時と共
に基準値(例えば1.0)から偏差したような場合であ
っても、本来参照すべき学習領域と異なる学習領域が参
照されるようになってしまう惧れを確実に回避できるの
で、一層学習精度延いては空燃比フィードバック制御精
度を向上できると共に、この学習結果を用いた空燃比の
オープン制御の制御精度を一層高めることが可能とな
る。
【0054】次に、本発明の第2の実施形態について説
明する。第2の実施形態は、第1の実施形態と全体構成
は共通であり、マップ検索値Tibを演算するルーチン
のみが異なるので、かかるマップ検索値Tibを演算す
るルーチンについてのみ説明する。第2の実施形態にお
いては、マップ検索値Tibを演算するために、図12
のフローチャートが実行される。
【0055】即ち、ステップ11では、TFBYA,T
pを読み込む。ステップ12では、マップ検索値Tib
を演算する。 Tib=Tp×TFBYA そして、このようにして求めたマップ検索値Tib(学
習補正値検索用燃料供給量)を用いて、第1の実施形態
と同様に、学習値の更新記憶、検索、参照等を行わせる
ようにする。
【0056】かかる構成を有する第2の実施形態によれ
ば、第1の実施形態と同様に、ストイキ運転時の学習領
域とリーン運転時に参照すべき領域とを一致させること
などが可能であるが、更に、第2の実施形態では第1の
実施形態のように燃料噴射パルス幅Tiを逆算してマッ
プ検索値Tib(目標エンジントルク相当値)を算出す
るのではなく、吸入空気流量Qa(シリンダ内充填吸入
空気流量Tp≒Qa/Ne)と目標当量比とを乗算する
ことで算出するようにしたので、より一層、演算量を低
減でき、制御ロジックの簡略化を図ることができる。
【0057】また、第2の実施形態によるマップ検索値
Tibは、学習値PHOS延いては空燃比フイードバッ
ク補正係数αなどの影響も受けないので、かかる点にお
いても、一層高精度な学習制御延いては空燃比フィード
バック制御を実現できると共に、この学習結果を用いた
空燃比のオープン制御の一層の高精度化を実現できるこ
ととなる。
【0058】ところで、上記実施形態では、三元触媒6
の前後に酸素センサを備える構成として説明したが、本
発明は、これに限られるものではなく、例えば何れか1
つの酸素センサを備え、該酸素センサの出力結果に基づ
いて比例・積分制御(P分、I分)により空燃比フィー
ドバック補正係数αを与える一方、該αと基準値との偏
差を学習値として更新記憶し、次回空燃比フィードバッ
ク制御時や空燃比のオープン制御時に、この学習結果を
参照して反映させるようにしたもの全てに適用できるも
のである。即ち、学習値を記憶するマップの負荷軸をマ
ップ検索値Tib(実際の燃料噴射量延いては目標エン
ジントルク相当値)とすることは、如何なる態様も、本
発明の範囲に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態のシステム構成図であ
る。
【図3】空燃比フイードバック補正係数αの算出を説明
するフローチャートである。
【図4】学習値PHOSの更新を説明するフローチャー
トである。
【図5】学習値PHOSの更新を説明するフローチャー
トである。
【図6】学習値PHOSの読みだしを説明するフローチ
ャートである。
【図7】比例分P01,PL のマップ特性図である。
【図8】学習領域を説明する図(テーブル、マップ)で
ある。
【図9】後O2 センサ出力に対する更新幅DPHOSの
関係を説明する特性図である。
【図10】マップ検索値Tibの演算を説明するフロー
チャートである。
【図11】燃料噴射パルス幅Tiの演算を説明するフロ
ーチャートである。
【図12】本発明の第2の実施形態におけるマップ検索
値Tibの演算を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
4 インジェクタ(燃料供給装置) 5 排気管 6 三元触媒 7 エアフローメータ(エンジン負荷センサ) 10 クランク角度センサ(エンジン回転数センサ) 11 水温センサ 12A 前O2 センサ 12B 後O2 センサ 21 コントロールユニット

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリンダ充填吸入空気流量に基づいて基本
    燃料供給量を演算する基本燃料供給量演算手段と、 機関吸入混合気の空燃比を理論空燃比に対するリッチ・
    リーン信号として検出する空燃比検出手段と、 前記空燃比検出手段が検出する検出結果に基づいて、実
    際の空燃比を理論空燃比近傍に近づけるように、前記基
    本燃料供給量を補正するための空燃比フィードバック補
    正値を設定する空燃比フィードバック補正値設定手段
    と、 機関運転領域を燃料供給量に対応させて複数の運転領域
    に分割し、運転領域毎に、前記基本燃料供給量を補正す
    るための空燃比学習補正値を書き換え可能に記憶する空
    燃比学習補正値記憶手段と、 前記空燃比学習補正値記憶手段の記憶する空燃比学習補
    正値を、該当運転領域毎に、前記空燃比フィードバック
    補正値の基準値からの偏差を減少させる方向に更新設定
    する空燃比学習手段と、 前記基本燃料供給量と、前記空燃比フィードバック補正
    値と、該当運転領域に対応する空燃比学習補正値と、に
    基づいて、最終的な燃料供給量を設定する燃料供給量設
    定手段と、 前記燃料供給量設定手段により設定された燃料供給量に
    基づいて燃料供給装置を駆動制御する駆動手段と、 を含んで構成された内燃機関の空燃比制御装置を用い
    て、理論空燃比近傍運転下で空燃比制御を行わせる一
    方、 希薄空燃比運転下では、シリンダ充填吸入空気流量と、
    目標空燃比と、に基づき設定される希薄空燃比運転用燃
    料供給量を用いて前記空燃比学習補正値記憶手段を検索
    すると共に、該検索された空燃比学習補正値と、希薄空
    燃比運転用燃料供給量と、に基づいて、最終的な燃料供
    給量を設定し、該最終的な燃料供給量を機関へ供給でき
    るように、前記駆動手段を介して燃料供給装置を駆動制
    御するようにしたことを特徴とする内燃機関の空燃比制
    御装置。
  2. 【請求項2】シリンダ充填吸入空気流量に基づいて基本
    燃料供給量を演算する基本燃料供給量演算手段と、 機関吸入混合気の空燃比を理論空燃比に対するリッチ・
    リーン信号として検出する空燃比検出手段と、 前記空燃比検出手段が検出する検出結果に基づいて、実
    際の空燃比を理論空燃比近傍に近づけるように、前記基
    本燃料供給量を補正するための空燃比フィードバック補
    正値を設定する空燃比フィードバック補正値設定手段
    と、 機関運転領域を燃料供給量に対応させて複数の運転領域
    に分割し、運転領域毎に、前記基本燃料供給量を補正す
    るための空燃比学習補正値を書き換え可能に記憶する空
    燃比学習補正値記憶手段と、 前記空燃比学習補正値記憶手段の記憶する空燃比学習補
    正値を、該当運転領域毎に、前記空燃比フィードバック
    補正値の基準値からの偏差を減少させる方向に更新設定
    する空燃比学習手段と、 前記基本燃料供給量と、前記空燃比フィードバック補正
    値と、該当運転領域に対応する空燃比学習補正値と、に
    基づいて、最終的な燃料供給量を設定する燃料供給量設
    定手段と、 前記燃料供給量設定手段により設定された燃料供給量に
    基づいて燃料供給装置を駆動制御する駆動手段と、 を含んで構成された内燃機関の理論空燃比運転用空燃比
    制御装置を備えると共に、 希薄空燃比運転下において、シリンダ充填空気量と、目
    標空燃比と、に基づき、希薄空燃比運転用燃料供給量を
    演算する希薄空燃比運転用燃料供給量演算手段と、 前記希薄空燃比運転用燃料供給量を介して、前記空燃比
    学習補正値記憶手段を検索する学習補正値検索手段と、 前記学習補正値検索手段により検索された空燃比学習補
    正値と、前記希薄空燃比運転用燃料供給量と、に基づい
    て、希薄空燃比運転下における最終的な燃料供給量を設
    定する希薄空燃比運転用燃料供給量設定手段と、 前記希薄空燃比運転用燃料供給量設定手段により設定さ
    れた燃料供給量に基づいて燃料供給装置を駆動制御する
    駆動手段と、 を含んで構成された内燃機関の希薄空燃比運転用空燃比
    制御装置を備えて構成されたことを特徴とする内燃機関
    の空燃比制御装置。
  3. 【請求項3】シリンダ充填吸入空気流量に基づいて基本
    燃料供給量を演算する基本燃料供給量演算手段と、 機関吸入混合気の空燃比を理論空燃比に対するリッチ・
    リーン信号として検出する空燃比検出手段と、 前記空燃比検出手段が検出する検出結果に基づいて、実
    際の空燃比を理論空燃比近傍に近づけるように、前記基
    本燃料供給量を補正するための空燃比フィードバック補
    正値を設定する空燃比フィードバック補正値設定手段
    と、 機関運転領域を燃料供給量に対応させて複数の運転領域
    に分割し、運転領域毎に、前記基本燃料供給量を補正す
    るための空燃比学習補正値を書き換え可能に記憶する空
    燃比学習補正値記憶手段と、 前記空燃比学習補正値記憶手段の記憶する空燃比学習補
    正値を、該当運転領域毎に、前記空燃比フィードバック
    補正値の基準値からの偏差を減少させる方向に更新設定
    する空燃比学習手段と、 前記基本燃料供給量と、前記空燃比フィードバック補正
    値と、該当運転領域に対応する空燃比学習補正値と、に
    基づいて、最終的な燃料供給量を設定する燃料供給量設
    定手段と、 前記燃料供給量設定手段により設定された燃料供給量に
    基づいて燃料供給装置を駆動制御する駆動手段と、 を含んで構成された内燃機関の理論空燃比運転用空燃比
    制御装置を備えると共に、 希薄空燃比運転下において、シリンダ充填吸入空気流量
    と、目標空燃比と、を乗算して、学習補正値検索用燃料
    供給量を演算する学習補正値検索用燃料供給量演算手段
    と、 前記学習補正値検索用燃料供給量を介して、前記空燃比
    学習補正値記憶手段を検索する学習補正値検索手段と、 前記学習補正値検索手段により検索された空燃比学習補
    正値と、シリンダ充填吸入空気流量と、目標空燃比と、
    に基づいて、希薄空燃比運転下における最終的な燃料供
    給量を設定する希薄空燃比運転用燃料供給量設定手段
    と、 前記希薄空燃比運転用燃料供給量設定手段により設定さ
    れた燃料供給量に基づいて燃料供給装置を駆動制御する
    駆動手段と、 を含んで構成された内燃機関の希薄空燃比運転用空燃比
    制御装置を備えて構成されたことを特徴とする内燃機関
    の空燃比制御装置。
  4. 【請求項4】前記空燃比学習補正値記憶手段における複
    数に分割された運転領域は、前記空燃比フィードバック
    補正値や空燃比学習補正値とを含まない燃料供給量に対
    応されていることを特徴とする請求項1〜請求項3の何
    れか1つに記載の内燃機関の空燃比制御装置。
JP17964897A 1997-07-04 1997-07-04 内燃機関の空燃比制御装置 Pending JPH1122523A (ja)

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US09/109,044 US6161530A (en) 1997-07-04 1998-07-02 Control system for internal combustion engine
EP03026572A EP1396627B1 (en) 1997-07-04 1998-07-03 Internal combustion engine and method for controlling an internal combustion engine
DE69838885T DE69838885T2 (de) 1997-07-04 1998-07-03 Verbrennungsmaschine und Methode zur Regelung einer Verbrennungsmaschine
DE69822712T DE69822712T2 (de) 1997-07-04 1998-07-03 Steuerungssystem für eine Brennkraftmaschine
EP98112398A EP0889221B1 (en) 1997-07-04 1998-07-03 Control system for internal combustion engine
KR1019980026991A KR100308223B1 (ko) 1997-07-04 1998-07-04 내연기관용제어시스템

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011132906A (ja) * 2009-12-25 2011-07-07 Mitsubishi Heavy Ind Ltd Dpfの再生制御装置

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JP2011132906A (ja) * 2009-12-25 2011-07-07 Mitsubishi Heavy Ind Ltd Dpfの再生制御装置

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